「no」と一致するもの

Eastman Chemical は622日、Sterling Chemicalsを現金1億ドルで買収する契約を締結したと発表した。

Sterling はTexas City のBPのプラント(PX及びMXプラント)に隣接し、酢酸と可塑剤のプラントを持っている。

酢酸は年産能力58万トンで、全量をBPに供給している。
可塑剤は全量を
BASFに供給していた。しかしBASF2010年末で購入契約を終結させた。このため、現在は休止中。

Eastman ではSterling の現在休止中の可塑剤設備を再稼働し、Eastman168などを含む非フタル酸系可塑剤を製造する計画で、非フタル酸系可塑剤の需要の伸びに対応する。

フタル酸エステル系可塑剤は各国で規制されている。
米国では、
 
DEHPDBPBBPはおもちゃと育児用品に使用禁止
 
DINPDIDPDNOPは子供の口に含まれる可能性があるおしゃぶりと育児用品に使用禁止
   おもちゃは
12 歳以下
   育児用品は
3 歳以下の子供を意図した製品

 DEHP:フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、 DBP :フタル酸ジブチル、BBP :フタル酸ブチルベンジル
 DINP :フタル酸ジイソノニル、DIDP :フタル酸ジイソデシル  DNOP:フタル酸ジノルマルオクチル

付記

Eastman Chemical は9月1日、ブラジルの可塑剤メーカーのScandiflex do Brasil S.A. Indústrias Químicasを買収したと発表した。
ラテンアメリカでの非フタル酸系可塑剤の需要増大に対応する。 

同社はまた、EstoniaのKohtla-Järve工場で可塑剤Benzoflexの11千トン増設を発表。更にChestertown, MDとKingsport, TNでのBenzoflex及び高分子可塑剤Admex の合計9千トンの増設計画も発表した。

ーーー

Sterling はMonsanto のTexas Cityの工場を買収し、運営するため、1986年に設立された。

工場では、スチレンモノマー、アクリロニトリル、酢酸、可塑剤、ターシャリブチルアミン、シアン化ナトリウムの6製品を生産していた。

Sterling は1992年に Tenneco Canadaからパルプケミカル部門を買収した。パルプの漂白剤の塩素酸ナトリウムの工場をカナダに4つ所有している。
同社はその後、ジョージア州Valdostaに年産
11万トンの塩素酸ナトリウム工場を建設した。
更に、豪州New South Walesでの工場建設を発表した。(実現せず)

しかし、同社は経営が悪化、20017月にChapter 11を申請した。

同社は再建のため、カナダとValdostaの塩素酸ナトリウム工場を売却した。
カナダはCanexus (旧称 Nexen Chemicals)に、
Valdosta工場はErco Worldwideに売却。

アクリロニトリル事業については赤字が続き、2005年に撤退した。

ターシャリブチルアミンはMonsantoのゴムの生産に使用されていたが、1995年にMonsantoから分離したSolutia Akzo Nobelが両社のゴム薬品事業を統合して、50/50JVFlexsysを設立した際に、Solutiaがこの事業を買い戻した。
(その後、
2007年にSolutiaAkzo持分を買収し、現在はSolutia100%子会社となっている。)

スチレンモノマープラント(775千トン)は2007年のINEOS NOVA発足に当たり、NOVA Chemicalsがスチレンモノマーの独占権を取得したが、米国のスチレン過剰対策として、同年10月にプラントを買い取ったうえで、停止した。

シアン化ナトリウムについては全量をDuPontに供給していたが、2005年に契約を打ち切り、停止した。

この結果、現在は酢酸と可塑剤だけで、可塑剤は停止している。

 


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European Nuclear Societyによると、20111月現在の欧州の原子力発電所は以下の通り。

  操業中
MWe
Belgium 7 5,926
Bulgaria 2 1,906
Czech Repuplic 6 3,722
Finland 4 2,716
France   58 63,130
Germany 17 20,490
Hungary 4 1,889
Netherlands 1 487
Romania 2 1,300
Slovakian Republic 4 1,792
Slovenia 1 666
Spain 8 7,516
Sweden 10 9,303
United Kingdom 19 10,137
EU 合計 143  130,978
Switzerland 5 3,238
Russia 32 22,693
Uklaine 15 13,107
Armenia 1 408


これらのうち、フランスとイギリスは原発推進派で、ドイツは、2022年までにすべて閉鎖することを閣議決定した。

2011/6/15 イタリア、国民投票で原発反対

このうち、イギリスは日本と同様、海岸立地だが、フランスとドイツは内陸の川沿いが多い。
その他の国でも内陸立地が多い。

以下、国別の所在地の地図は高度情報科学技術研究機構の「原子力百科事典ATONICA」による。
但し、資料が若干古く、表の数値(
EU発表ベース)と若干異なる。  

フランス

稼働中 廃止 建設中
Belleville 2基 
Bugey 4基  1基 
Cattenom 4基 
Chinon 4基  3基 
Chooz 2基  1基 
Civaux 2基 
Cruas 4基 
Dampierre 4基 
Fessenheim 2基 
Flamnville 2基  1基 
Golfech 2基 
Gravelines 6基 
Le Blayais 4 
Monts D'arree 1基 
Marcoule 4基 
Nogent Sur Seine 2基 
Paluel 4基 
Penly 2基 
St.Alban-St.Maurice 2基 
St.Laurent-Des-Eaux 2基  2基 
Super Phenix 1基 
Tricastin 4基 
合計 58基  13基  1基 

ーーー-

ドイツ

稼働中 廃止 建設中
Avr Juelich 1基 
Biblis 2基 
Brokdorf 1基 
Brunsbuettel 1基 
Emsland 1基 
Grafenrheinfeld 1基 
Greifswald 5基 
Grohnde 1基 
Grosswelzheim 1基 
Gundremmingen 2基  1基 
Isar 2基 
KNK 2基 
Kruemmel 1基 
Lingen 1基 
Muelheim-Kaerlich 1基 
MZFR 1基 
Neckarwestheim 2基 
Niederaichbach 1基 
Obrigheim 1基 
Philippsburg 2基 
Rheinsberg 1基 
Stade 1基 
THTR-300 1基 
Unterweser 1基 
Vak Kahl 1基 
Wuergassen 1基 
合計 17基  20基 

ーーー

英国

稼働中 廃止 建設中
Berkeley 2基 
Bradwell 2基 
Calder Hall 4基 
Chapelcross 4基 
Dounreay DFR 1基 
Dungeness 2基  2基 
Hartlepool 2基 
Heysham 4基 
Hinkley Point 2基  2基 
Hunterston 2基  2基 
Oldbury 2基 
Sizewell 1基  2基 
Torness 2基 
Trawsfynydo 2基 
Windscale 1基 
Winfrith SGHWR 1基 
Wylfa 2基 
合計 19基  25基 


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ベルギーのTessenderloに本拠を置くTessenderlo Group614日、塩ビ関連事業をIneosグループのKerlingに売却すると発表した。

Kerlingは旧称 Hydro Polymerで、Ineos2007年にNorsk Hydro から買収した。
    
2007/5/25 INEOSNorsk Hydro からポリマー事業を買収

今回Tessenderlo Groupが売却するのは次の事業:

  ・クロルアルカリ  ベルギー・Tessenderlo  塩素 400千トン
  ・VCM (子会社LVM) Tessenderlo  550千トン
  ・PVC (元DSM) オランダ・Beek
(元SAV) フランス・Mazingarbe

合計
480千トン 
  ・有機塩素誘導品  主としてトルエン系  

同社の塩ビ事業は元はDSMとフランスのSAV(Société Artésienne de Vinyle)の事業。
Tessenderlo 1976年にSAVを買収、Tessenderlo市にクロルアルカリを建設した。
DSMSAV1983年に塩ビ事業を統合してLVM(Limburgse Vinyl Maatschappij)としたが、1989年にTessenderloDSMの持分(50%)を買収し、LVM100%子会社とした。
現在は
VCMプラントをLVMの名前で運営している。

塩ビパイプ事業やプロファイル(塩ビ窓枠、ドア材など)は継続するため、今後はPVCを購入する。

ーーー

Tessenderlo Group19世紀末に設立され、現在下記の6つの事業を行っている。

1)無機  硫酸カリ(肥料)、燐鉱石(家畜飼料)
   
2)クロルアルカリ、塩ビ  上記
   
3)Tessenderlo Kerley  硫黄ベースの液体肥料
   
4)塩ビパイプ、プロファイル  
   
5)ジェラチン  
   
6)その他  医薬品、有機塩素誘導品、コンパウンド

同社は今回の売却で汎用品事業から離れ、スペシャルティ事業に専念する。
今後の中心は、
 食品、農業関連 (
Tessenderlo Kerley
 ジェラチン関連
 塩ビパイプ、水処理事業

ーーー

Ineos2001年にEVCICIEniChem50/50JV)の過半を取得、2005年に100%子会社とした。
   
2006/6/14 事業買収で急成長した化学会社

2007年にKerling(旧称 Hydro Polymer)をNorsk Hydro から買収した。
    
2007/5/25 INEOSNorsk Hydro からポリマー事業を買収

今回の買収でIneosの欧州の塩ビ事業は更に増大する。  

欧州のPVC能力
Norsk Hydro 2007/2報告 単位:千トン)
EVC  1,340
Solvin  1,195
Atofina  905
Hydro PolymerKerling  625
Vinnolit  620
LVMTessenderlo  450
Shinetsu  400
Vestolit  360
Cires(信越 100%)  200
Aragonesas  190
Hellenic Petrol  100

 


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5月7日の記事で、54の原発のうち、稼働中22基、定期検査等での停止中21基、震災で停止中11基と伝えた。

2011/5/7 菅首相、浜岡原発の全炉の運転停止を要請 

その後の状況は以下の通りで、稼働中は19基、停止中は35基である。

  稼働中 22基→19基(22-5+2)

首相の要請を受けて浜岡④、⑤が停止した。
美浜③、川内①が定期検査入りした。
敦賀②が1次冷却水へ燃料漏れで5月7日に手動停止した。

逆に、定期検査中の2基(泊③、大飯①)は法律的には定期検査の期間内だが、調整運転に入っており、定格出力で送電しているため、稼働中に振り替えた。

  定期検査等での停止 21基→21基(21+5-2-3)

上記の追加停止分 5基
調整運転中で「稼働中」へ -2基
柏崎刈羽②③④は中越沖地震による停止のため、「震災で停止中」に。 -3基

このうち、トラブル停止は志賀①(2月28日 手動停止)、敦賀②(上記)の2基。

  震災で停止中 11基→14基

柏崎刈羽②③④ (中越沖地震による停止)

  なお、東電は福島第一①~④の廃炉と⑦⑧の中止を決定した。

各原発の状況と、稼働中原発の今後の定期検査の時期は以下の通り。(*は調整運転中)検査月 一部修正

発電所名 電力会社 能力(万KW)
稼働中 定期検査 定期検査
等で
停止中
震災で
 停止中
廃炉   建設中   計画
2011 2012
北海道電力 ②57.9   8月 / ①57.9
/ / / /
③91.2 * /  ○
東通 東北電力 / / / ①110 / / / ②138.5
東京電力 / / / / / ①138.5 ②138.5
女川 東北電力 / / / / 52.4
82.5
82.5
/ // //
福島第一 東京電力 ④78.4
⑤78.4
⑥110
①46.0
②78.4
③78.4
廃炉決定 ⑦138
⑧138
中止決定
福島第二 東京電力 / / / / ①110
②110
③110
④110
/ / /
東海 日本原子力発電 / / / / 110.0 ①16 / /
柏崎刈羽 東京電力 ①110 8月 / / 中越沖地震
②110
③110
④110
/ / /
⑤110 / 3月
⑥135.6 / 4月
⑦135.6 8月 /
浜岡 中部電力 ③110
要請
④113.7
⑤138
①54
②84
⑥138
志賀 北陸電力 / / / 54
(
トラブル)
②135.8
/ / / /
敦賀 日本原子力発電 / / / ①35.7
②116

(
トラブル)
/ / / ③153.8
④153.8
美浜 関西電力 ②50
12月 / ①34
③82.6
/ / / /
大飯 関西電力 ①117.5* /  ○ ③118.0 / / / /
②117.5 12月 /
④118.0 7月 /
高浜 関西電力 ②82.6 11月 / ①82.6 / / / /
③87.0 / 2月
④87.0 7月 /
島根 中国電力 ②82.0 / 1月 ①46.0 / / 137.3
(2012/3予定)
/
伊方 四国電力 ①56.6 9月 / ③89.0 / / / /
②56.6 / 1月
玄海 九州電力 ①55.9 12月 / ②55.9
③118.0
/ / / /
④118.0 12月 /
川内 九州電力 ②89.0 9月  / ①89.0 / / / ③159
合計 19
(調整運転
2を含む)
12基 7基 21 14

 

付記 2011/10/4 玄海4号機自動停止

原子力発電所は、電気事業法に基づき、13か月ごとに原子炉を止めて定期検査を行う。
定期検査期間は、標準的には約3ヶ月程度となっている。

現在稼働中の原発19基のうち、年内に12基が定期検査に入る予定で、残りも2012年中に定期検査に入る。

本来、定期検査後の再開には地元の了承は必要ないが、福島の事故を受け、各電力会社は地元の理解を優先している。

地元の了解を得られない場合、2012年5月に日本の原発は全て停止する。

日本経済新聞 2011/6/8

ーーー

福島原発で原発安全神話は壊れた。

原子力安全委員会の班目春樹委員長は6月9日の衆院復興特別委員会で、福島第一原子力発電所の事故について「まさに人災である」と述べ、これまでの国の原子力行政や東京電力の対応に落ち度があったと認め、「津波が想定を超えたからといって、第2、第3の防護手段がなければいけない。実際にそういう手段を講じていなかった」と反省の弁を述べた。

津波対策の設計ミス(予備電源と給水ポンプを屋上に設置すべきであった)であり、原子炉の耐震性には問題なかったとの説がある。

池田信夫ブログ
「東日本大震災は世界史上にもまれな大地震だったが、福島第一原発の最大加速度は448ガルと新耐震基準の想定内だった。1号機は1967年に建設されて老朽化した原子炉だったが緊急停止し、配管の破断も起こらなかった。だから前にも書いたように、今度の事故で日本の原子炉本体の耐震性はむしろ証明されたのだ。」

しかし、津波以前に原子炉が破損したとの推測も多数ある。

電源が喪失した場合でも原子炉内に7~8時間は注水を続けられる冷却機能を原発に備えているとされていたが、1号機では非常用復水器が停止、3号機の高圧注水系も地震でパイプが破損した可能性が大きいとされる。

なお、非常用発電機が水につかり全電源を失ったのは設計ミスではなく、竜巻やハリケーンに備えて非常用発電機を地下に置く「米国式設計」をそのまま採用したためであることが分かった。

1号機はGEなど米国企業が「フル・ターン・キー」で工事を仕切った。国産メーカーの役割が増した2号機以降の設計も、ほぼ1号機を踏襲したという。「米側の仕様書通りに造らないと安全を保証しないと言われ、言われるままに造った」とされる。

浜岡原発で中部電力が津波対策の柱に位置付ける砂丘について、中部電力が、東海地震時の津波にどの程度えぐられ耐えられるのか、具体的な検証をしていないことが分かった。中電土木建築部幹部が中日新聞に「どの程度砂丘が削られるか計算はしていない」と証言した。中部電力ホームページでは以下の説明をしている。

津波に対する安全性

痕跡高などの文献調査や数値シミュレーションの結果、敷地付近の津波の高さは、満潮を考慮しても、最大でT.P.+6m程度です。
これに対して、敷地の高さは津波の高さ以上のT.P.+6~8mであり、津波に対する安全性を確保しています。
さらに、敷地前面には、高さがT.P.+10~15m、幅が約60~80mの砂丘が存在してます。また、安全上重要な施設を収容している原子炉建屋などの出入口の扉は防水構造にしています。
これらのことから、浜岡原子力発電所は、津波に対する安全性を十分に確保しています。

原子力安全・保安院は6月9日、電源が多重化されていないため外部電源が喪失すると復旧に時間がかかる原子力関連6施設を報告した。

対象となった施設は敦賀原発、四国電力の伊方原発1、2号機、東北電力の東通原発、Jパワーの大間原発、日本原燃の六ケ所再処理施設、日本原子力研究開発機構の東海再処理施設で、それぞれ1カ所の変電所から送電線を引くため、地震などで変電所が長期停電すると早期に復旧できない恐れがある。

このような状況下で原発の稼働という決断を自治体に押しつけるのには無理がある。

ーーー

関西電力は6月10日、企業や家庭にピーク時(7月1日から9月22日の平日9時から20時までの間)、最大消費電力を前年比15%削減するよう要請すると発表した。合わせて要請期間中は東京電力などへの電力融通をやめることも表明した。

これに対し、大阪府の橋下徹知事は、関電の姿勢を激しく批判。「根拠が分からず納得できない。東京でも15%一律削減なんてない中で、なぜ関西だけが、そこまでやらなきゃいけないのか。『原子力発電所が必要でしょう』という議論に持っていかせるためのブラフとしか、今のところ見えない」と述べた。


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中朝国境を流れる鴨緑江に浮かぶ北朝鮮領の黄金坪島(ファングムピョンド)と威化島(ウィファド)の開発権を中国が取得し、工業団地などを建設する中朝経済協力事業の着工式が6月8日、黄金坪島で開かれた。

5月下旬の金正日総書記の訪中で協力事業の詰めの協議を行ったとされる。

北朝鮮は6日の政令で「黄金坪・威化島経済地帯の設置」を決定、両島について、中国に50年間の開発権を認めた。
政令は「伝統的な朝中友好をさらに強化し、対外関係を拡大し、発展させるため」と意義づけ、黄金坪島から開発を始めるとしている。

黄金坪島は面積約11平方キロの穀倉地帯で、丹東市と細い水路で隔てられただけでほぼ陸続き。

関係筋によると、中国が数億ドルで50年間の開発権を得て、北朝鮮の安い労働力を活用したIT関連企業や食品、服飾などの加工場を集めた工業団地、通関手続きや関税が免除される保税区を設け、中国人らのビザを免除するなど自由貿易区に近い形態になるという。
中国側は、中国企業を中心に約300社を目標に誘致する計画とされる。

日本海側の羅先(ラソン)経済特区でも、羅津(ラジン)港と中国・吉林省の琿春間の道路を改修し、中国側の投資を期待する。

羅先経済特区は北朝鮮が1991年に、中国の経済特区をモデルに咸境北道の羅津(ナジン)と先鋒(ソンボン)を合わせて指定した「羅津-先鋒自由経済貿易地帯」で、北朝鮮は2010年1月、羅先市を特別市に昇格させ、海外からの投資が円滑に進むよう羅先特区法を改正した。

201012月、北京の国有企業の商地冠群投資有限公司が北朝鮮朝鮮投資開発連合体と10項目の投資意向書を締結した。
2-3年で羅先経済特区の建設に必要なインフラを建設し、5-10年かけて北東アジア最大の核心工業特区を建設するという。
計20億ドルを投資し、火力発電所、道路、タンカー専用埠頭、石油精製工場、製鉄所を建設する。

また咸境北道茂山磁鉄鉱山など北朝鮮の地下鉱物資源を開発し、国際金融銀行も設立することで北朝鮮と合意した。

ーーー

中国は東北部の製品積み出し港として利用できる羅先への投資には積極的だが、黄金坪開発には消極的との見方もある。

中国の東北3省が利用できる港は現在、大連港・丹東港の2カ所にすぎず、羅先経済特区を対日本・東南アジア輸出入の窓口として活用するという意図が見える。
特に吉林省と黒龍江省の場合、大連・丹東港よりも羅津港に近い。

中国国務院は先ごろ「中国図們江地域の協力開発計画綱要・長吉図(長春、吉林、図們江)を開発・開放の先導区とする」を許可した。
これは中国政府がこれまでに許可した唯一の国境沿いの開発開放区の計画で、計画地域で国境沿いの開放の先行試験権を付与し、図們江地域の国境沿いの開放における模索を奨励する。

中国は琿春市を国境開放都市に指定して琿春辺境経済合作区とし、「長吉図開発・開放先導区」事業に琿春-羅津港の高速道路建設を含めた。

2010/8/18 中国地域経済の新版図 -2

ーーー

北朝鮮と韓国の国境には開城工業団地がある。


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東芝とソニーは中小型の液晶パネル事業を統合する。
6月7日付の日本経済新聞が報じた。

年内にも統合新会社を設立し、官民ファンドの産業革新機構から出資を受け入れる。

統合新会社は1000億円超の第三者割当増資を実施する。(→機構が2000億円を出資)
全額を産業革新機構が引き受け、最終的な出資比率は革新機構が7~8割で、残りを東芝とソニーが分け合う。

同機構からの資金をもとに国内に生産ラインを新設、世界シェア首位を争う。

革新機構は両社が単独で事業を進めた場合、十分な能力増強投資ができず、競争力を失ったテレビ用パネルの二の舞いになる可能性が高いと判断。有機ELパネルの研究を続けてきた両社の統合を後押しする。

付記

6月30日付の各紙は日立ディスプレイズもこれに加わると報じた。

東芝、ソニー、日立製作所と官民ファンドの産業革新機構は8月31日、2012年春に中小型液晶パネル事業の統合会社を設立すると発表した。
3社の事業を引き継ぐ新会社の名前は「ジャパンディスプレイ」。
米ディスプレイサーチによると、世界シェア(2010年)は、3社の単純合計で22%に達する。
出資比率は機構が7割で経営権を握り、3社は1割ずつ。


世界の液晶パネルのメーカーは以下の通り
で、大型では日本勢は韓国、台湾勢に押され、シェアは落ちた。
シャープはこのたび、亀山工場をテレビ用大型パネルから中小型に切り替える方針を発表した。

日立ディスプレイズは日立 75.1%/キヤノン 24.9%

ーーー

産業革新機構(Innovation Network Corporation of Japan : INCJ先端技術や特許の事業化を支援することなどを目的として、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(平成11年法律第131号=産活法)」に基づき、2009年7月27日に設置された。

産活法は1999年に「産業活力再生特別措置法」の名で、バブル崩壊後の傷んだ日本経済を持続的成長が可能な状態まで回復させるため作られた。

その後、2003年には、産業サイドの過剰供給構造と過剰債務の問題や、それに伴う生産性低下の要因となっていた設備投資の低迷の解消を図るため、さらに、2007年には、イノベーションの促進、サービス産業の生産性向上、早期事業再生の促進等を図るため、改正された。

2009年には、その後の経済状況の変化に対応しつつ、わが国経済を持続的成長軌道へ回復させるため、資源や資金、知財や技術などの経営資源が効率的に活用されるようにすべく、改正され、名称も「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」(「産活法」)に改めた。

当初は「事業再構築」のみを扱ったが、現在は以下を対象としている。

事業再構築 「選択と集中」により、企業全体の生産性を向上させる計画
経営資源再活用 他の企業から事業を承継し、有効に活用することで、生産性を向上させる計画
事業革新設備導入 一定の要件を満たす「事業革新設備」への投資を支援する計画
経営資源融合 2社以上の異なる事業分野の経営資源の融合により、革新的な事業を行い、
著しい生産性向上を目指す計画
資源生産性革新 事業者が自らの資源生産性を向上させるための計画
資源制約対応製品生産設備導入 一定の省エネ・新エネ製品等を生産するための設備投資を支援する計画

次の2つは途中の改正で追加されたが、2009年改正で除外された。
  共同事業再編
  技術活用事業革新

産活法の適用を受ける場合、税制(登録免許税、特別償却ほか)、金融支援、会社法その他で支援を受ける。
  
http://www.meti.go.jp/sankatsuhou/outline/change-001.html#002

なお、本年度の産活法改正(5月成立、7月施行)では、「公正取引委員会との協議制度」が創設された。

「主務大臣が計画を認定をしようとするに際して、当該計画に従って行おうとする措置が、事業者の営む事業の属する事業分野における適正な競争が確保されないおそれがある場合として政令で定める場合に該当するときは、あらかじめ公正取引委員会に協議するものとすること」

新日本製鉄と住友金属工業は7月に改正産活法の適用を経産省に申請する。

経産相と公取委の協議により合併審査の透明性・迅速性の向上が期待できる。
改正後は、公取委は経産相の意見に回答しなればならない。

産活法では、産業革新機構について以下の通り規定している。

第一条  この法律は、我が国経済の持続的な発展を図るためにはその生産性の向上が重要であることにかんがみ、特別の措置として、事業者が実施する事業再構築、経営資源再活用、経営資源融合、資源生産性革新等を円滑化するための措置を雇用の安定等に配慮しつつ講ずるとともに、株式会社産業革新機構を設立し特定事業活動の支援等に関する業務を行わせるための措置、中小企業の活力の再生を支援するための措置及び事業再生を円滑化するための措置を講じ、併せて事業活動に おける知的財産権の活用を促進することにより、我が国の産業活力の再生を図るとともに、我が国産業が最近における国際経済の構造的な変化に対応したものと なるための産業活動の革新に寄与することを目的とする。

(機構の目的)
第三十条の二  株式会社産業革新機構は、最近における国際経済の構造的な変化に我が国産業が的確に対応するためには、自らの経営資源以外の経営資源の有効な活用を通じ た産業活動の革新が重要となっていることにかんがみ、特定事業活動に対し
資金供給その他の支援等を行うことにより、我が国において特定事業活動を推進することを目的とする株式会社とする。

産業革新機構の投資対象となるのは、大学や研究機関に分散する特許や先端技術による新事業、ベンチャー企業の有望な技術、国際競争力の強化につながる大企業の事業再編などで、投資にあたっては機構内に設置する「産業革新委員会」が評価を行い、投資対象の決定をする。

今まで慣れ親しんできたビジネスモデルに拘ることなく、従来の業種や企業の枠にとらわれずに、その発想と行動において自己変革と革新を推し進めていくという「オープンイノベーション」の考え方を採用している。

産業革新機構の概要は以下の通り。

 
政府からの出資は、財政投融資特別会計(投資勘定)

民間企業(下記)は各5億円出資。
ただし日本政策投資銀行は10億円。

旭化成、住友化学、住友商事、住友電気工業、武田薬品工業、GEジャパン、JX日鉱日石エネルギー、シャープ、東芝、パナソニック、日立製作所、
東京電力、大阪瓦斯、東日本旅客鉄道、日揮、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫、みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行

個人は産業革新機構の社長と専務(各500万円)

 

これまでの投資案件は以下の通り。

支援事業名     百万円
(株)JEOL RESONANCE 2011/1 先端技術の研究開発に不可欠な分析機器『NMR』の事業を担う、日本電子(株)より会社分割される新会社の第三者割当増資を引受け 1,500
(株)中村超硬 2010/12 太陽光発電・LED等の成長市場を支える材料加工技術の事業強化を図る中村超硬への投資 1,245
チリ水事業会社 2010/11 丸紅とのコンソーシアムによるチリ水事業会社 アグアス・ヌエバスの買収  
(株)アネロファーマ・サイエンス 2010/11 新規性の高いDDS技術を核として抗がん剤を開発し製薬企業との協働により医薬品の上市を目指す大学発バイオベンチャーに投資 700
日本インター(株) 2010/11 パワーデバイス専業メーカーである日本インター株式会社への投資 3,500
国際原子力開発(株) 2010/10 国際原子力開発(株)の設立
(原子力発電プロジェクトに関する提案活動を行う新会社)
20
エナックス(株) 2010/8 ラミネート式リチウムイオン電池のフロンティア企業に投資 3,500
267.5
知財ファンド「LSIP」
(エルシップ)
2010/8 我が国初の知財ファンドの設立
(ライフサイエンス系の知的財産を集約しライセンスする事業)
600
豪州水道事業会社 2010/5 本邦初の官民連携による豪州水道事業会社の買収
(三菱商事、日揮と)
225
百万
豪ドル
(株)GENUSION 2010/5 本邦初の本格的ファブレス・フラッシュメモリ・ベンチャーに投資
(次世代型フラッシュメモリ技術の事業化)
1,590
ゼファー(株) 2010/5 小型風力発電ベンチャーのグローバル事業拡大に投資 1,000
アルプス・グリーンデバイス(株) 2010/3 低炭素社会の実現に不可欠なデバイス開発事業に投資 3,000

 


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東洋エンジニアリングは66日、インドネシア最大の石油化学会社Chandra Asri Petrochemicalの新設子会社のPT Petrokimia Butadiene Indonesiaがジャワ島西部 Cilegon Chandraのコンプレックスに隣接して建設する年産10万トンのブタジエン製造設備を受注したと発表した。

PT Chandra Asri2007年に豊田通商からスチレンモノマー製造・販売の PT.Styrindo Mono Indonesia を買収し、本年11日付でPPメーカーの PT Tri Polyta Indonesiaを統合し、新社名PT. Chandra Asri Petrochemical Tbk.として上場した。

これは新生Chandra Asri Petrochemical 大増設計画の第一弾である。 .

ーーー

Chandra Asri は当初、Barito group75%日本インドネシア石油化学投資(丸85%、昭和電工 10%TEC 5%)が25%出資して設立され、1995年に生産を開始した。

2005年に日本側は撤退した。

2006/4/26 インドネシアのエチレン計画への日本企業の参加-1

その後、株主が次々に代わった。

2008/6/7 インドネシア Chandra Asri の状況 

現在の株主は以下の通り。

Barito Pacific 71.9%  当初の株主
Temasek Holdings 22.9%  シンガポールの政府系投資機関
一般株主 5.2%  (上場)

付記

タイのSiam Cement Group は2011年9月、Chandra Asriの株式30%を取得、経営に参画する。
シンガポールのTemasekから23%、Baritoから残り7%を買収した。買収金額は135億バーツ(約338億円) 

Barito Pacific    64.8%    当初の株主
Temasek Holdings   ー         シンガポールの政府系投資機関
Siam Cement Group   30.0%    
一般株主   5.2%    (上場)

ーーー

Chandra Asri Petrochemical の現状と増設計画は以下の通り。(数字は能力:千トン).

付記 

同社は2011年12月、大増設計画を棚上げすると発表した。世界経済の状況が不安定なためで、状況が好転すれば再検討する。
但し、上記ブタジエン計画は続行し、2013年に完成させる。


現状  

製品 能力
 千トン
系列 スタート 技術
ナフサクラッカー 600 1 1995 Lummus
LLDPE 200 1 1995 Union Carbide
HDPE 120 1 1995 昭和電工
PP
(Tri Polyta)
480 2 1992 Union Carbide
1 1995
SM
(Styrindo Mono)
340 1 1992 Lummus
1 1999

Chandra AsriTri Polytaはジャワ島西部 Cilegonの西の海岸にある。
Styrindo MonoCilegonの北のSerangにあり、
Chandra Asriがパイプラインでエチレンを供給していた。

     Showa Esterindo は昭電51%出資、酢酸エチル 50千トン

増設計画は以下の通り。

完成時期
原料LPG ナフサとLPG、コンデンセートの価格差を利用し、採算向上を図る。
LPGの輸入ターミナル建設のFSを実施中。
2014年末
クラッカー増設 340百万ドルを投じ、400千トン増設し、1,000千トンに。 2014年末
ポリエチレン デボトルネッキングで本年末に +16千トン
80百万ドルで1系列200千トン増設
2014年初め
ブタジエン C4(現在輸出)の有効利用
投資 
135百万ドル、能力 100千トン
2013年3Q
ブテン-1 C4(現在輸出)の有効利用
LLDPE向けに供給
2013
BTX 西ジャワのAnyer BTXプラントの建設を計画
 ベンゼン
170千トン、トルエン70千トン、キシレン55千トン
SM向けにベンゼン供給(現在、外部購入)
    ↓
採算悪化の予想から棚上げ

ーーー

参考 インドネシアの石化の現状(千トン)

製品 Chandra その他 合計
エチレン 600  - 600
LLDPE 200 Honam/Titan 200 400
HDPE 120 同上 250 370
PP 480 Pertamina 45
Polytama 230
755
SM 340  - 340
EDC 0 Asahimas 640
Sulfindo 470
1,110
EO 0 Polychem Lindo 200 200
プロピレン 320 Pertamina 288 608
アクリル酸 0 Nippon Shokubai 60 60


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米国最大の化学品のディストリビューターのAshland63日、特殊化学品とパーソナルケア製品などのメーカーのInternational Specialty Products (ISP)を買収すると発表した。
買収金額は約
32億ドルで、全額現金で支払う。

ISP1942年にIG Ferbenから独立したGeneral Aniline & Filma(GAF)の化学品子会社GAF Chemicals Corporationであったが、1991年に株式公開し、現在の社名となった。当初、GAF80%を保有していたが、その後、GAF株主に分配し、現在は無関係。

米国ニュージャージー州 Wayneに本拠を置き、米国に9工場、ドイツに1工場を擁し、さらにベルギーに新工場の整備を計画中。
500品目以上のスペシャルティケミカル製品を、世界70カ国を越える営業拠点から90カ国に展開する販売ネット を通じて販売している。

20113月度決算では売上高は約16億ドル、EBITDA(支払利息・税金・償却前利益)は約36000万ドル。

ISPの扱い製品は以下の通り。

Personal Care ヘアケア(各種スタイリング剤、毛髪保護剤等)
スキンケア(サンスクリーン剤、懸濁剤、乳化剤、防腐剤、保湿剤、増粘剤等)
Pharmaceuticals 製剤化原料としてPVP(ポリビニルピロリドン)・PVPPPVPコポリマーなどを全世界に供給
Foods & Beverages 料清澄安定剤のPOLYCLAR、アルギン酸、Hydrocollids類、食品向け製剤品
Industrial Chemicals ポリマー(エマルジョン、塗料、インク用分散安定剤、各種コーティング用ポリマー)
溶剤(各種反応溶剤、剥離剤、工業洗浄剤、ノニオン界面活性剤、エレクトロニック溶剤)
モノマー(UV/EB硬化用ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルエーテル)
中間体(各種化学合成原料としてのアセチレン付加誘導体)
アドバンスドマテリアル(カルボニル鉄還元パウダー
/CIP)
エラストマー(スチレンブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム)
工業用バイオサイド(防腐剤、防黴剤、防藻剤)
Agriculture 各種ポリマー・溶剤・中間体・乳化剤・アジュバント(フォーミュレーションサポート)
Fine Chemicals 光学活性医療中間体や各種写真薬などの受託生産

Ashlandはこの買収により、機能材料事業に水溶性ポリマーやその他の先進技術を、食品・飲料、エネルギー、コーティング、固着剤、水処理等の事業を補完する添加剤を確保する。

Ashland の会長兼CEOJames J. OBrienは、「今回の取引によって、当社は個人医療や製薬などの高利益率かつ高成長で、景気循環の影響を受けにくい世界市場における当社の市場ポジションを大幅に拡大することができる。この取引によって、当社はスキン、ヘア、オーラルのケアなど魅力的な成長分野でプレゼンスを広げることになる。さらに、われわれは当社の最も利益率の高い機能性原料ビジネスの規模を2倍以上にすることを期待している」と語った。

ーーー

Ashland 20087月、約33億ドルでHercules を買収する契約を締結したと発表した。

Ashland では両社の合併により、3つのコア事業が出来ると述べている。
specialty additives and ingredients
 Hercules wood rosin 製品(Aqualon) は接着剤、ペイント、食品、医薬品、化粧品等広く使用されている。
  統合により、この事業から
EBITDA1/3が産み出される。

paper and water technologies
  両社事業の統合により売上高20億ドルのグローバルなpaper and water technologies 事業が誕生

specialty resins
 Ashland の得意分野で、Ashland の商事部門と自動車用品部門(Valvoline) が補完する。

2008/7/14 Ashland Hercules を買収

ーーー

このところ、スペシャルティ分野での買収が相次いでいる。

昨年12月にBASFCognisを買収した。

 2010/6/24 BASF、 特殊化学品メーカーのCognisを買収

Cognisについては、潤滑油メーカーのLubrizolも買収に意欲を持ち、交渉をしていた。

LubrizolAdditives部門とAdvanced Materials部門を持つが、後者ではEngineered polymersに加え、Consumer Specialtiesを扱っており、ローションやシャンプーなどのパーソナルケア製品の増粘剤の最大のメーカーでもある。
同社はパーソナルケア分野での拡大を目指している。

そのLubrizol Warren Buffettが率いるBerkshire Hathawayが本年3月に97億ドルで買収した。

Warren Buffettは、Lubrizol はいくつかの分野でグローバルリーダーであり、我々が組むのにふさわしいとし、現在の経営陣に対し、これまで通りやって欲しいとだけ指示した。

昨年12月には、Royal DSM DSM Elastomers LANXESSに売却することで合意した。

2010/12/20 LANXESSDSM Elastomersを買収

本年4月にSolvayRhodiaの株式100%の友好的買収オファーを行った。

2011/4/12 SolvayRhodiaを友好的買収 

なお、Lanxessがベルギーに本拠を置くアルキルアミンとその誘導品のメーカーのTamincoを株主の CVC Capital Partnersから14億ドルで買収する交渉をしていると報じられている。

同社の社名は "The AMINe COmpany" から採っている。

200310月に投資会社AlpInvestがメイン株主となって、ベルギーの製薬会社UCBから分社化した。
20077月、CVC Capital Partners AlpInvestから買収した。経営陣が25%を出資している。

昨年10月に三菱ガス化学は中国のメチルアミン誘導品子会社の50%Tamincoに譲渡し共同経営していくことで合意したと発表した。

2010/10/30 三菱ガス化学、中国のメチルアミン事業でTamincoと提携 


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ソウル大学の余載翊(ヨ・ジェイク)機械航空工学部教授がレーザーを利用する、針のない「無痛注射器」を開発した。朝鮮日報が報じた。

注射器は、容器の中間に膜があり、その上には水が、下には注射液が入っている。
レーザーを容器の上部にある水に撃つと泡が発生し、瞬間的に圧力が大気圧の1万倍に急増、下のゴム製の膜を押し、その力で注射液がノズルに出てくるという仕組み。

余教授は「ノズルに出てくる注射液の流れは注射針よりも細く、神経を刺激する確率が低まる。万一、刺激したとしても、注射液の流れの移動速度は毎秒100-200メートルと非常に速いため、痛みを感じる時間がない」と説明している。

皮膚科で最初に使用する計画で、余教授は「皮膚科にはほとんどレーザー治療器があり、指2本分の大きさの注射を装着するだけで使用できる。ボトックスやスキンケア物質を痛みなく効果的に肌に注入できるだろう」と話している。

ーーー

「痛くない注射針」としては、日本ではテルモが先端がわずか0.2ミリの世界一細いインスリン用注射針を2005年に発売している。

これはプレス加工技術で世界的に有名な岡野工業の岡野雅行社長との共同開発品で、従来一般的に使われている0.25ミリと比べ、およそ20%も細くなり、注射の際の痛みを軽減した。
また、従来の針の構造では細くするにつれて注入抵抗が高くなり、注入しにくくなるが、世界初の外径・内径をダブルテーパー構造にすることで、薬液を注入する際の抵抗を抑えた。(テーパー構造とは先細りの構造)

岡野社長はこれを、それまでに培ったプレス加工技術を応用し、1枚の金属板を丸めて作るのの成功した。厚さわずか100分の5mmのステンレス製の板を、太さの違いが出るようカットし、高度な技術で丸めた。


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中国国務院は5月19日、「レアアース(希土類)業界の持続的かつ健全な発展の促進に関する国務院の若干の意見」(ガイドライン)を発表した。

レアアース資源を有効に保護し、合理的に利用するため、
法律・法規の整備を急ぎ、監督管理を強化し、
レアアース 産業の構造調整と発展パターン転換をはかり、
レアアースの戦略的基礎産業の重要な役割を一層固め、発揮させ、業界の持続的かつ健全な発展を確保するとしている。
   
   http://www.gov.cn/zwgk/2011-05/19/content_1866997.htm (中国語)
   
業界の発展の中で、依然として違法な採掘が後を絶たず、製錬分離の生産能力急拡大や環境破壊、重大な資源浪費、高度応用研究開発の遅れ、輸出秩序の混乱などの問題があり、業界の健全な発展に重大な影響を与えている。
   
このため、
業界監督管理システムを確立し、業界管理を強化、改善する。
   
業界参入管理を厳格にし、指令的生産計画管理を整え、レアアース輸出企業の資質条件を引き上げ、輸出管理を強化し、租税、価格などのコントロール措置を整備し、資源採掘による暴利を抑える。
   
  違法な採掘と規制指標を超える採掘、違法な生産と計画を超える生産、環境を破壊し、汚染する行為、違法な輸出と密輸を断固取り締まる。
   
 

輸出管理強化の一環として、商務部と税関総局は519日、ジスプロシウム鉄合金、テルビウム鉄合金などレアアースの含有量が高い合金をレアアースの輸出割当に含め、管理すると発表した。

   
関係の法律、法規と制度を真剣に実行し、レアアースなど希少金属の管理に関する法律・法規の研究・制定、改正を急ぐ。
   
レアアース業界の統合を加速し、産業構造の調整・最適化をはかる。
   
  レアアース資源開発統合を深く推進し、製錬分離総量を厳しく抑制し、業界の合併再編を積極的に推進し、企業の技術改造を加速する。
   
  大型企業が主導する業界構造を基本的に形成し、南部イオン吸着型レアアース業界上位3位の企業集団の産業集中度を80%以上にする。
   
 

ガイドラインは南部3社の名前を挙げていないが、業界では、中国五鉱集団(China Minmetals )、中国有色金属工業対外工程建設有限公司(China Non-ferrous Metal Industry's Foreign Engineering and Construction)と地方有力企業1社であるとみている。

北部は内蒙古包鋼稀土高科技Inner Mongolia Baotou Steel Rare-Earth Hi-Tech )が圧倒的な力を持っているが、南部は産地が分散し、多数企業が競っている。 

   参考 2010/8/16  中国、レアアース市場での支配力拡大へ

国土資源部は本年1月に、江西省カンシュウ県(Ganzhou Prefecture)に11の国家管理のレアアース地区を設置した。

   
レアアース資源備蓄を強化し、応用産業を発展させ、戦略備蓄システムを築き、カギとなる応用技術研究開発と産業化を加速する。
   

ーーー

レアアース生産で中国最大手の内蒙古包鋼稀土高科技はこのたび、内モンゴル自治区の包頭市にレアアースの取引所を設立する計画について、自治区政府から許可を受けた。5月25日に同社が発表した。

中国で最初のレアアース製品取引所で、スポット取引のみで、先物は扱わない。8月8日に登記するが、実際の設立には6か月程度かかるとしている。

地元政府はすでに計画の具体案を国内の関連企業に通達し、取り引きに参加する準備を進めるよう指示を出している。
取引所には、価格の高止まりを望む中国企業が数多く参加するものとみられ、中国政府が事実上、レアアースの価格の維持を図ろうとしているのではないかという見方が出ている。

但し、南部のレアアース開発会社は、産出するレアアースの種類が違うとして、参加を見送る姿勢を示している。


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