2017年5月アーカイブ

DowDupontの体制

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経営統合するDow Chemical とDupont は5月11日、統合後の3社分割策について包括的に見直す方針を明らかにした。

両社は2015年12月、統合会社発足後の18カ月以内に農業関連、汎用化学品、高機能化学品の3社に分割・独立させる計画を明らかにしていた。

社名 DowDuPont
体制 統合後に無税スピンオフで Agriculture、Material Science、Specialty Products の3つの会社に分離し、それぞれ上場する。


2015/12/14 Dow と DuPont、経営統合を発表

しかし、米メディアによると、両社の株を持つ物言う株主(Activist)から、計画通りの分割案では株主価値を最大化できないとの異論が出た。

Dowの大株主のThird Point のDaniel Loebと、DuPontの大株主のTrian FundのNelson Peltzが 汎用化学品と高機能化学品に収める事業について、両社の経営陣とは異なった主張をしていたという。

DuPontは発表で、両社の役員会は事業分割について総括的なレビューを行うことで合意したと述べた。DuPontは、分割が株主価値を最大化することを保証すると述べた。

なお、合併の各国の独禁法上の承認は予定よりは遅れているが、両社は現時点で、2017年8月1日~9月1日の間に統合を行い、それから18カ月以内に会社分割を行う予定としている。

欧州委員会は3月27日に、中国商務部は4月29日に条件付きで承認した。

2017/3/28 EU、条件付きでDow / DuPont 合併を承認 

2017/5/8 中国商務部、DowとDuPontの合併を条件付きで承認

ブラジル当局は5月17日、ブラジルのコーン種子事業の一部の売却を条件に承認した。

あと、米国、カナダ、豪州などが残っている。

ーー

ActivistのThird Pointは5月24日、新会社の5分割案を発表した。

Material Scienceからコモディティでない Dow Corning silicones、Engineered materials、Energy and water solutions、Consumer care products などをSpecialty Productsに移したうえで、Specialty Products を4分割し、それぞれ独立させるというもの。

現行の3分割案と比較し、株主価値が200億ドル増加すると主張している。

分割案対比:

DowDupont 現行案 Third Point 提案
Agriculture Material Science Specialty Products Agriculture Material Science Electronic Specialties Nutrition & Biosciences Engineered
Materials
Silicones
Dow Agricultural Sciences
Performance Plastics
Perf. Materials & Chem
Infrastrucrure Solutions
Performance Monomers
Coating Materials
Building & Construct
Energy & Water
Solution Silicones
Consumer Solutions
Consumer Care
Automotive Systems
Silicones
Electronic Materials
DuPont Agriculture
Performance Materials
TX cracker
Etylene copolymer
Engineerd Materilas
Elec & Communications
Nutrition & Health
Industrial Biosciences
Safety & Protection
Tyvec
Solid Surfaces
Aramids


Third Point の計算では、Material Science は特殊品が抜けて企業価値の倍率は下がるが、Specialty Products は分割によりそれぞれの企業価値倍率が高まり、全体として企業価値は200億ドル増えるとしている。

5月23日の日本経済新聞は、「好況の化学に迫るXデー 米で大型設備、秋から逆風 」と題する記事を掲載した。

2017年3月期の化学各社は、特に石油化学が交易条件差が著しく改善し、利益が急増した。エチレンで、三菱化学の鹿島1号(390千トン)、住友化学の千葉(415千トン)、旭化成の水島(504千トン)が停止し、操業度が向上したのも影響している。

2017/5/22 化学メーカーの3月期決算


記事はこう述べている。

好業績に沸く化学業界に追い風がやむ「Xデー」が迫っている。米国で今秋から、割安なシェールガスを原料とする工場が続々と動き出すためだ。過剰だった国内設備を5年かけて1割ほど減らした時期に海外勢のトラブルが頻発し、日本メーカーは市況好転の恩恵を受けていた。かりそめの好況はあと半年で終わり、実力が再び問われる。


「大半をアジアやアフリカに輸出する」。エクソンモービル系化学会社のニール・チャップマン社長は19日、札幌市で開いた石油化学業界の国際会議で、メキシコ湾岸で建設中のポリエチレン設備についてこう宣言した。日本勢はどう向き合うのか。

原油価格はかつてのバレル100$から50$前後に下がった。しかし、それでも日本のナフサベースのエチレンは、中東のエタン、米国のシェール原料のエチレンと比べると、コストは2倍以上である。

   昭和電工 新中期経営計画

米国で今後数年で稼働するシェール原料のエチレンの能力は、下記の通り、850万トンに達し、増加分だけで、現在の日本の総能力 680万トンを上回る。

さらに、サウジなどでも新設が相次ぐ。また、サウジでは汎用品に加え、いろいろな機能製品の生産も始まる。 (下記のPetroRabigh 2期や三菱ケミカル50%出資のSaudi Methacrylates など)

一時の好況に浮かれていてはいけない。


新設計画  このほかにも誘導品計画は多数ある。 (単位:千トン)

エチレン その他
Dow Chemical Freeport, TX 1,500

次世代メタロセンEPDM 200、Specialty Elastomers 320、
Enhanced PE 400、LDPE 350

プロピレン 750
 2014/7/2 Dow Chemicl、新エチレン設備の建設着工 
 2012/3/12  Dow、ワールドスケールのプロピレン建設を決定
Chevron Phillips Chemical Baytown, TX 1,500
Old Ocean, TX HDPE 500、LLDPE 500
 2011/12/29 Chevron Phillips Chemical、シェールガス利用で大規模石化計画
ExxonMobil Chemical Baytown, TX 1,500
Mont Belvieu, TX PE 650 x 2
 2014/6/20 ExxonMobil もエチレンとポリエチレン工場の建設開始 
Formosa Plastics Point Comfort, TX 1,000 LDPE、MEG
Louisiana (1,200) 構想段階
Sasol Lake Charles, LA 1,500 LDPE 420
 2013/4/3 Sasol、ルイジアナでエチレンとLDPEプラント建設、シェールガス利用計画拡大 
Lotte Chemical
Lotte 90%/ Axiall (
→Westlake)10% 
Lake Charles, LA 1,000 (引取は50/50)
Lotte Chemical EG 700
Westlake PVC用
 2015/6/22 韓国 Lotte Chemical、米国で石油化学
Shintech Plaquemine, LA

500

PVC用
米国計

8,500

参考 日本全能力 (定修なし)

6,824

Sadara Chemical Jubail, Saudi Arabia

1,500

下記
 2011/7/26 DowとSaudi Aramco、石油化学JV設立を最終決定
PetroRabigh 2期 Rabigh, Saudi Arabia 300 下記
 2012/5/28 住友化学、サウジ・アラムコとの「ラービグ第2期計画」実施へ


Sadara Chemical (単位:千トン)

Etylene 1,500 LLDPE 375 x 2、LDPE 350、
Elastomer 220 (Metallocene) + 250 (Ziegler Natta)、
EO 360、EOA/EA 208、BGE 200
Propylene 400 PO 390、PG 70、Polyols 400
Benzene 280 MNB 416、Aniline 316
Toluen 134 DNT 250、TDA 153、TDI 200
Formalin 132 PMDI 400
Nitric Acid 400
Chlor-alkali 115
塩酸 458


http://www.sadarabasicservicescompany.com/Sadara-EN-MAIN-V.19.pdf


PetroRabigh

ご挨拶

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5月26日で本ブログは4000号となりました。


2006年2月15日が第一号で、それ以来、11年と3カ月になります。

2006/2/15 プラスチック100周年


引き続き、書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


バックナンバーは下記にあります。項目別索引もあります。

http://www.knak.jp/blog/zenpan-1.htm


データベース
の方もご利用ください。


Moody's は5月23日、中国の国債格付けをAa3からA1に1段階引き下げた。(同社の格付けはAaa、Aa1、Aa2、Aa3、A1、--- となっており、A1は上から5番目)

2011に格付けをA1からAa3に1段階引き上げてから6年ぶりに当時の水準に戻した。Moody'sが中国の格付けを下げたのは 天安門事件のあった1989年以来28年ぶりとなる。

格付け各社の日本、中国、韓国の格付けは下記の通りとなる。

S&P Moody's- Fitch
AA
韓国
Aa2 韓国 AA
AA-
中国
Aa3 (中国 AA-
韓国
A+
日本
A1
日本
中国
A+ 中国
A A2 A 日本

格付けをA1に下げた結果、今後の見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更した。

Moody'sは次の通り説明している。

成長が鈍化する中で、経済全体の負債が増加し、今後、中国の金融の力が弱まる。

中国政府が進めている改革措置が今後、経済システム、金融システムを改善させるが、全体の債務が増加し、政府の保証債務が増加するのを防ぐことは出来ない。

改革措置は、長期的には成功するとみるが、債務の増、成長鈍化のなかで信用力の劣化を抑えるには十分なインパクトはなく、また即時の効果はない。

中国のGDPは非常に大きく、その伸びは他国に比べ高いが、潜在的成長力は今後落ちる。2010年の10.6%から2016年には6.7%まで下がったが、これは構造調整の結果であり、今後も続く。次の5年で5%近くまで下がるだろう。

中国政府が成長に重点を置くため、景気刺激策が続き、経済全体の負債が増加する。

2016年の政府予算の赤字はGDPの3%程度だが、政府の直接債務負担は2018年にGDPの40%近くになり、2010年代末には45%に近づくだろう。
(2016年では、格付けがAクラスの国の平均は40.7%で、Aaクラスの国の平均は36.7%である。)

更に、間接的、偶発的債務も増加するだろう。地方政府の特別目的会社 (LGFV) の銀行借入や発行債券は、2015年に5.5%増え、2016年には6.2%増えた。他のパブリックセクターの借り入れ、支出も、GDPの成長の維持のため増える。

政府、家計、非金融企業の全体の債務も昨年末のGDP比256%から更に増え続ける。経済活動が借り入れに大きく依存するためである。

以上を勘案すると、政府の直接債務、間接的、経済全体での債務が増え続け、信用格付けはA1が妥当と考える。

ーーー

A1に下げた結果、リスクのバランスが取れ、見通しを「安定的」に変更した。


中国財政部はすぐに声明を出し強く反発した。

まったく根拠がない。中国が直面した困難を過大評価し中国政府の努力は過小評価した 。

1-3月期に中国の経済成長率は6.9%で前年同期比0.2ポイント上がり、主要経済指標は予想を上回り、経済構造も徐々に改善されている 。


人民網は、商務部国際貿易経済協力研究院研究員による「ムーディーズの中国格付け引き下げに3つの誤解」と題する記事を掲載した。

▽ムーディーズの1つ目の誤解: 中国経済の安定回復の経済活性化政策への依存度を高く見積もりすぎ、その一方で中国の構造調整の取り組みと決意を過小評価していること。

ここ数年の中国における中央政府から地方政府まで各クラス政府が構造調整と革新をめぐって重ねてきた努力をみれば、中国で新興産業がわき起こり成長する様子をみれば、今年1~4月の市場の一般的な予測を大幅に上回る経済の「通知票」をみれば、ムーディーズのこのような断言のロジックが客観的事実に反したものであることはすぐにわかる。

▽ムーディーズの2つ目の誤解:中国政府の債務水準を高く見積もり過ぎ、これに基づいて中国の債務の安定性について実際とかけ離れた謝った判断を下していること。

ムーディーズは地方政府の資金調達プラットフォーム企業、その他の国有企業といった機関の未償還債務をすべて政府の間接債務や偶発債務に計上し、これに基づいて中国政府の債務規模や見通しについて悲観的な評価を下している。

規定によれば、中央政府直属の国有企業でも、地方政府に属する国有企業(資金調達プラットフォーム企業を含む)でも、各企業が借り入れた債務はいずれも政府債務には入らず、政府が引き受ける義務は出資額の範囲を超えない。

すでに1990年代末に、中国政府は広東国際信託投資公司が借り入れた対外債務は国の債務ではなく、中国政府はこの対外債務について償還義務を負わないと宣言している。
それから20年近くが経ち、ムーディーズは当時130人を超える海外の債権者が「身を切るようにして」国際金融市場全体に知らしめたこの道理をまだ理解していないだろうか。

▽ムーディーズの3つ目の誤解: 中国に対する姿勢といわゆる「高格付けの国」(米国や欧州などの西側諸国)に対する姿勢が実際の状況に合わないダブルスタンダードであること。

ムーディーズが上記の過大評価の方法を採ったとしても、中国の債務水準はいわゆる「高格付けの国・地域」でもみられる程度の水準だ。

だがムーディーズは、一連の「高格付けの国・地域」は一人あたり平均所得の水準、金融市場の成熟度、体制のもつ実力がどれも中国より高く、こうした特徴により債務償還能力が高くなり、マイナス事態が発生しても蔓延のリスクは低いと論じたてる。

こうした見方には道理があるようにみえるが、国際金融市場全体を転覆させかねなかったサブプライム問題や米欧の債務危機は一体、何年前のことだろうか。危機はどこで起こったというのか。中国だろうか、ムーディーズが「金融市場の成熟度や体制のもつ実力がいずれも中国より高い」とみる一連の「高格付けの国・地域」だろうか。

( 主要各国の現在の格付け  なお、サブプライム問題は Moody's 等が証券化したサブプライムローンを高位格付けしたのが発端)

実際、過去のデータに頼り過ぎて相対的に見通しが不十分になったり、主観的な「体制要因」を重視しすぎたりして、ムーディーズをはじめとする国際的格付け機関が誤った格付けをしたことは一度や二度ではない。

中国の債務は95%が対内債務であり、中国国民の貯蓄率は引き続き30%前後を保っており、中国には3兆ドル規模の外貨準備残高と政府が保有するその他の流動性の高い巨額の資産があり、中国の債務がシステムを脅かす債務危機に発展することはないと保証できる。


スイスは5月21日、原子力発電所への依存度を下げる政府の長期エネルギー戦略(Energy Strategy 2050)の賛否を問う国民投票を実施し、賛成が58.2%、反対が41.8%で可決した。投票結果は法的拘束力がある。


東京電力・福島第1原発の事故をきっかけに、スイスは脱原発方針を決定 、今回の国民投票の結果を受け、長期エネルギー戦略に基づく改正法が2018年に施行される見通し。

長期エネルギー戦略は、原発の新設を禁止し、代わりに風力や太陽光、水力などの再生可能エネルギーの利用を増やすというもの。

現在は太陽光・風力発電は総発電量の5%未満で、水力は60%、原発は35%となっているが、2035年までに太陽光、風力などの発電量を現在の4倍に引き上げることなどを目指している。

太陽光、風力、バイオマス、地熱の発電量を、現在の2,831 gigawatt hours から、2035年までに少なくとも11,400 gigawatt hours に増やす。

スイスには現在、5基の原発があるが、今後、新設はおこなわず、5基のうち Beznau-1号機は2019年に停止、他の4基については安全基準を確保できなくなった段階で解体する。(安全基準を満たす限り、稼働が可能)

風力、太陽光、水力による発電への投資に向け、年間4億8000万フラン電気料金を追加徴収する。1世帯当たり年間平均40スイスフラン(約4600円)増加することになる。
また、既存の化石燃料税から4億5000万フランがビルのエネルギー使用量を2035年までに2000年比で43%削減する取り組みに充てられる。

主に環境保護団体や「緑の党」が政府の方針に賛成した。

右派政党で議会第1党の国民党は電力供給が不安定になると訴えた。国民の負担が大幅に増すと指摘し、風車の建設などで観光資源として欠かせない景観が損なわれることも問題だと主張していた。

ロイトハルト大統領は記者会見で「国民が新たなエネルギー政策を支持し、原発の新設を求めていないことが示された」と指摘した。

ーーー

欧州ではドイツが2022年までに原発を段階的に全面停止する。

2002年に当時のSchröder政権(ドイツ社会民主党と緑の党の連立政権)が原子力法を改正し、原発の運転年数を32年と定めて順次停止し、2022年までに原発を廃止すること、原発の新規建設は認めないことを決定した。

しかし、2009年にMerkel 政権(キリスト教民主・社会同盟と自由民主党の連立政権)が成立し、方向転換した。

ところが、2011年3月11日の福島第一原発事故で、この決定が覆ることになった。メルケル政権は、福島原発事故後のドイツ国内の反原発運動の圧力に抗いきれずに、すべての原発を2020年までに廃止するという以前の決定を受け入れることになった。

2011年6月末のドイツ連邦議会で、この決定が513対79で可決された。
この決定で、8基の旧型の原発が2011年に廃止され、9基の原発は2022年までにすべて廃止されることが確定した。

2016/7/12 ドイツの原発停止訴訟、電力大手の敗訴続く 

オーストリアは、Zwentendorf 原発を建設したが、1978年11月に行われた国民投票で、50.47%が反対という結果となったため、完成した原発を稼動させないことを決め、現在に至っている。

さらに2013年7月、オーストリアの議会は原発で発電された電力の輸入禁止案を可決した。実際には、2015年からは全電力の電源表示が義務化されるということであるが、すべての電力供給事業者が、原発で発電された電力を国外から購入しないと誓約している。

ーーー

スイスの原発は次の通り。

原発名 炉型 発電量 商業生産 終了予定
Beznau-1 加圧水型 365 MW Sep. 1969 2019
Beznau-2 加圧水型 365 MW Dec. 1971 安全基準を満たす限り、稼働
Gösgen 加圧水型 970 MW Nov. 1979
Leibstadt 沸騰水型 1,220 MW May 1984
Mühleberg 沸騰水型 355 MW Nov. 1972


Huntsman と Clariant は5月22日、両社の取締役会が満場一致で両社の対等合併の契約を承認した。

統合会社の社名はHuntsmanClariant で、統合会社の売上高は132億ドル、 EBITDA は23億ドル、企業価値は約200億ドルとなる。

統合の概要:

Clariantの株式がそのままHuntsmanClariant の株式となり、Huntsmanの株主はHuntsman株式1株につき1.2196株のHuntsmanClariant株を受け取る。
結果として、Clariant株主が52%、Huntsman株主が48%となる。

取締役は両社から均等に出す。

新会社のグローバル本社はスイスのPratteln に置き、運営本部はテキサス州The Woodlandsに置く。

株式はスイスとNew Yorkの両方で上場する。

新会社は、年間4億ドル以上のコスト面でのシナジーを期待している。

両社の2016年の業績は次の通り。  1スイスフラン=1.02米ドル

Huntsman 単位:100万ドル Clariant (100万スイスフラン)
売上高 EBITDA 売上高 EBITDA
Polyurethanes 3,667 569 Care Chemicals 1,465 276
Performance Products 2,126 316 触媒 673 160
Advanced Materials 1,020 223 Plastics & Coating
(顔料、マスターバッチ、添加剤)
2,525 368
Textile Effects 751 73 天然資源ビジネス
Oil & Mining、Functional Minerals
1,184 200
Pigment & Additives
(2017 spin-off)
2,139 130
Corporate -46 -184 Corporate - -117
Total 9,657 1,127 Total 5,847 887

Huntsmanの歴史:

当初、各社から石化汎用品事業を買収したが、その後、売却した。

2007年に Pigments and Additives をspin-off する。(社名:Venator Materials Corporation)

1983 Shell Oil からPSプラント(Belpre, Ohio)を買収
1986 Hoechst CelaneseからPS工場(Chesapeake, Virginia とPeru, Illinois)を買収
1987 ShellからPP工場(Woodbury, New Jersey)を買収
1989 Hoechst Celanese からSM工場(Bayport, Texas)を買収
1992 Goodyear からフィルム、フレコン事業を買収、
Huntsman Packagingを設立
1993 Monsanto からLABと無水マレイン酸事業(Texas と Floridaに工場)を買収
1995 Novacor Chemicals からPP事業(Marysville, Michigan)を買収
1997 Texaco のPOとMTBE事業(Port Neches, Texas)を買収
Rexene Corporationを買収(オレフィン、SM、機能性ポリマーなど)
1998 LLDPEプラント稼動(Odessa, Texas) 北米と欧州のSM事業をNova Chemical に売却
Orica Australia (旧 ICIオーストラリア)を買収
1999 ICIから ポリウレタン、酸化チタン、芳香族、石油化学事業(Global)を買収
2006/3/7 「ICIの抜本的構造改革
2000 Rohm & Haas から熱可塑性ポリウレタン事業を買収 Huntsman PackagingをChase Capital Partnersに売却
2004 英国Wilton工場(ICIから買収)に40万トンのLDPEプラント建設を決定
2006 Ciba Specialty Chemicals からテキスタイル機能材事業を買収 欧州の石化・ポリマー事業をSABICに売却 
 SABIC、Huntsmanから英国の石化子会社を買収
Texas Petrochemicalsに米国のブタジェンとMTBE事業を売却(PO/MTBE設備は含まず)
2007 米国5工場のオレフィンとポリマー工場を売却
ハンツマン、米国の汎用品事業を売却
2008 Hexionとの合併を図るが、破棄
 Huntsman、Hexionとの合併契約を破棄
2009 酸化チタンメーカー Tronox の資産買収 破談
 Huntsman による酸化チタンメーカーTronox の資産買収 破談に
Performance Additives とTitanium Dioxide 事業買収
 Rockwood Holdingsから、Performance Additives とTitanium Dioxide 事業を買収
2014 RockwoodからPerformance Additives、Titanium Dioxide 事業を買収
2017 Pigments and Additives をspin-off.
  社名:Venator Materials Corporation
当初予定のTextile Effectsは分離せず。

Clariant の歴史:

1995 Sandoz の化学品部門が スピンオフ Sandoz は1997年にCiba-Geigy と合併し、生命科学に特化したNovartis となっている。
1997 Hoechst の化成品部門を買収 Hoechst がClariant の株式の45%を取得するが、Rohne Poulent と合併してAventisになった時点でClariant 株式を売却
1998 Ciba Specialty Chemicalsとの合併合意
→ 破談
2000 英国のファインケミカルのメーカー、BTP買収.
2006 Ciba Masterbatchesを買収
2008 Rite Systems 社とRicon Colors 社を買収・統合(マスターバッチビジネスにおける世界リーダーに)
2011 吸着剤 と触媒のSüd-Chemieを買収 Scientific Design(旧 Halcon International)はSABIC とClariantのJVとなる。

ソフトバンクグループは5月20日、サウジアラビアなどと共同で10兆円規模の投資ファンド SoftBank Vision Fund を発足させたと発表した。
トランプ米大統領のサウジ訪問に合わせて孫正義社長が現地入りしサウジ政府と最終合意した。

ソフトバンクグループは2016年10月14日、グローバルにテクノロジー分野へ出資することを目的とした私募ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(仮称)の設立を決定したと発表した。

2016/10/17 ソフトバンクグループ、10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立 

すでに発表済みのソフトバンクグループおよびサウジアラビアのPublic Investment Fundに加え、アラブ首長国連邦アブダビ首長国のムバダラ開発公社 (Mubadala Investment Company)、Apple Inc.、Foxconn Technology Group (鴻海科技集団 / 富士康科技集団)、Qualcomm Incorporated および鴻海の子会社になったシャープが出資者として参画し 、930億米ドル超の出資コミットメントを取得し、大規模な初回クロージングを完了した。

今後6カ月間で 、合計1000億米ドルの出資コミットメントを取得する形での最終クロージングを目指す。

ファンドはソフトバンクが運営責任を負う。運営トップには同社財務担当のRajeev Misra 氏が就くが、孫氏も「私もすべての投資案件に関わる」としている。



本ファンドは、情報革命の次の段階の基盤となりうる事業の構築のためには、これまでにない大規模かつ長期的な投資が必要であるという 、孫社長の確固たる信念のもとに設立された。

本ファンドの投資先の各企業はソフトバンクグループのグローバルな事業展開規模、事業運営に関する専門的知見、Sprint Corporation やヤフーなどのグループ企業のエコシステムから多くのメリットを享受できると見込まれており、それによって、本ファンドの投資先の各企業の成長を加速させることになると考えている。

本ファンドの投資戦略は次の通り。

次世代のイノベーションを実現しようとしている企業や基盤となるプラットフォーム事業に対して、大規模かつ長期的な投資活動を目指す。

上場・非上場や保有株式割合の多寡を問わず、新興テクノロジー企業から、成長のために大規模な資金を必要とする数十億米ドル規模の企業価値の大企業まで、投資を行う。

IoT、人工知能、ロボティクス、モバイルアプリケーションおよびコンピューティング、通信インフラならびに通信事業、計算生物学、その他データ活用ビジネス、トランスポーテーションテクノロジー、クラウドテクノロジー、ソフトウエア、消費者向けのインターネットビジネス、金融テクノロジーなど、また、これらに限らない広い範囲のテクノロジー分野で投資活動を行ってい く。

ソフトバンクグループが取得済みの株式や今後取得予定の株式の一部 、具体的には、ARM Holdings plc.の株式の約24.99%分、Guardant Health(血液検査のような簡単な方法で、がんの早期発見を目指す)、Intelsat(ソフトバンクが出資する米衛星通信ベンチャーのOneWebと合併)、NVIDIA(半導体メーカーでGPUを開発)、OneWeb(衛星を使い、宇宙からの光ファイバーレベルのインターネット接続を目指す)、SoFi (新しい金融サービス)への出資分などを取得する権利を保有する。
付記 Intelsat と OneWeb は一旦は合併することで合意したが、その後の協議の結果、合併を断念した。

当初の発表では、ソフトバンクは5年間で少なくとも250億ドル、サウジのPublic Investment Fundは最大 450億米ドルを出資するとしていた。

今回、ソフトバンクは全額出資子会社の英の半導体設計会社 ARM Holdings plc.株のうち、82億ドル分に相当する24.99%をファンドに移し、現金と合わせ総額で280億ドルを拠出、このファンドを自社の連結対象に加え、実質的にグループ内にファンドを抱える形となる。

各社の出資は次の通りと推定される。

SoftBank Group 280億ドル うちARM の株式の約24.99% (約82億ドル)
Public Investment Fund 450億ドル 当初発表の最大額
Mubadala Investment Company 150億ドル
Apple Inc. 10億ドル 報道
Foxconn Technology 30億ドル 内訳不明
Qualcomm
Sharp 10億ドル 発表
合計 930億ドル

 

 

東洋エンジニアリングは5月19日、2017年3月期決算を発表した.

売上高は受注した海外プロジェクトなどの進捗で増収となったが、営業利益は、米国向けエチレン製造設備プロジェクトにおいて工事コストの大幅な増加による収支悪化により、20億円の損失 (前連結会計年度は営業利益110億円) となった。

昨年度決算発表時から当年度第2四半期までは125億円の利益を予想していたが、第3四半期でゼロとし、決算では20億円の赤字となったもの。

なお、2017年10月1日に株式5株を1株に併合する。期末配当の15円は従来ベースで3円。

                              単位:億円

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益

配当(円)

中間 期末
2015/3 3,115 -74 -253 -210 4 0
2016/3 2,998 111 39 30 0 4
2017/3予 '16/5 4,500 125 105 50
'17/2 4,500 0 10 0
2017/3 4,319 -20 16 15 0 2
前年比 1,321 -131 -23 -16 0 -2
2018/3予 3,700 111 39 30 0 15 (3)


同社の説明によると、米国のエチレン製造設備プロジェクトでは昨年春以降、地盤の問題で杭工事の手直しが相当量発生し、対応工事を進めてきたが、本年1月に杭工事の問題がほぼ見通せる状況となり、また、プロジェクト全体の設計が固まったことを受け、工事スケジュールと工事数量の見直しを行い、コストを精査した結果、杭工事の追加工事、工事数量増によるコスト、工期遅延防止のためのコストの大幅な増加を認識した。

2016/5時点の営業損益予想と、'17/2予想との差、実績との差から、本工事のコストアップによる損失負担は125~145億円に達するとみられる。(受注額は約14億ドルで、2倍近くになる計算)

この米国向けエチレン製造設備プロジェクトはShintechのエチレンプロジェクトである。

2014/4/17 Shintech、米国でエチレン工場の建設許可を申請

同社が実施中の米国の石化プロジェクトは次の通りで、工事を含めるのはエチレンの1件のみ。

ポリエチレン計画 エチレン計画 メタノールプラント設計業務
受注 2014年12月 2015年4月 2016年3月
客先 Sasol Shintech Inc. (信越化学) G2X Energy, Inc.
EPCコントラクター Proman AG の下請け
受注者 Toyo Engineering Korea 東洋エンジニアリング 東洋エンジニアリング
建設地 ルイジアナ州 Lake Charles ルイジアナ州 Plaquemine ルイジアナ州 Lake Charles
対象設備 LLDPE 年産45万トン エチレン 年産50万トン メタノール 年産140万トン
ライセンサ- Univation Technologies, LLC Lummus
役務内容 ポリエチレン製造設備の詳細設計、資機材調達、モジュール製作、建設支援業務 設計、機器資材の調達、工事、試運転の一括請負 タノールプラントの基本設計および詳細設計
完成時期 2017年を予定 2018年前半
受注金額 約14億ドル

東洋エンジニアリングによると、本プロジェクトの状況(2017年3月末)は次の通り。

杭工事完了、全体としてキャッチアッププラン通りに進捗 (当初の完成時期からの遅れは明らかにしていない)

基礎工事・鉄骨・配管据付・大型機器据付進行中

全体進捗率 約50%、工事進捗率 約20%

Google mapからShintech Plaquemine


ーーー

東洋エンジニアリングは2015年3月期にも営業損益で赤字を計上している。更に、営業外損益で持分法適用に伴う損失 154億円を計上し、経常損益は253億円の赤字となった。

海外プロジェクト(エジプト向けPE、カナダ向けオイルサンド処理、インドネシア向け化学肥料、米国向け2件の石化製品、等々)での収支悪化が原因で、本質的原因として下記を挙げている。

・受注不振時期に無理な受注があったこと

・プロポーザル時のリスク評価に甘さがあったこと

・事業拡大のなか、キーパーソンが不足し業務品質が低下したこと

・拠点分散型のプロジェクト管理が不十分で、問題発生前、発生時の状況把握に遅れが生じたこと

 

2017年3月期決算がほぼまとまった。

各社の決算状況は http://www.knak.jp/kessan/ 


武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイと、田辺三菱製薬(2016/3以降)はIFRS方式、他は日本方式。

IFRS方式の場合は、営業損益の範囲が広く、日本方式での営業外損益や特別損益で処理されるものも含む。
(日本方式の営業損益に相当するものをコア営業損益として表示する会社もある。)

日本方式では経常損益(特別損益を含まず)、IFRS方式では税引後損益


いずれも税引後損益のうち、少数持分株主に帰属する損益を除外したもの。

第一三共の本来の2015/3の株主帰属損益は3221億円。

ランバクシーがサン・ファーマに吸収合併されたことによる税効果考慮後の子会社合併差益2,787億円など、非継続事業からの損益2754億円を除外した。

2017年3月期決算がほぼまとまった。

各社の決算状況は http://www.knak.jp/kessan/ 

売上高は円安などの影響で減収の会社が多い。

営業損益では、三井化学(石化)、東ソー(クロルアルカリ)、三菱ガス化学(芳香族、機能化学品)などは交易条件差が著しく改善し、利益が急増した。

売上高
営業損益
経常損益
当期損益


下記各社はブログ記事を参照

三菱ケミ、信越化学、住友化学、三井化学、東ソー、旭化成


帝人は当期損益が急増している。米国在宅医療事業からの撤退を決定したことに伴う税効果会計の適用で、税額が前期比338億円減少した。

2017年4月に、米国で在宅医療事業を展開する連結子会社Braden Partners, L.P.ならびにAssociated Healthcare Systems, Inc.の持分全てを売却し、米国在宅医療事業から撤退。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 税引前 税金 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 7,862 391 424 -493 -69 31 -81 2 2
2016/3 7,907 671 603 -147 456 164 311 3 4
2017/3 7,413 565 559 -220 339 -175 501 5 6
前年比 -495 -106 -44 -73 -117 -338 190 2 2
2018/3予 8,550 620 630 420 6 6


トクヤマは、化成品が交易条件差で、特殊品が多結晶シリコンの好調で、営業利益が増加した。

マレーシアの多結晶シリコン事業で前々期、前期に連続して多額の特別損失を計上したが、今期はそれがなくなったことと、マレーシア子会社の事業譲渡で税金が減少したため、営業利益の増と相まって、当期損益は大幅増益となった。(Tokuyama Malaysia の韓国 OCI Companyへの売却を決めたが、手続きが遅れ、2017年5月末に売却する。)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 税引前 税金 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 3,021 195 129 -779 -650 3 -653 0 0
2016/3 3,071 231 177 -1,042 -865 130 -1,006 0 0
2017/3 2,991 397 340 45 385 -149 522 0 0
前年比 -80 166 163 1,088 1,250 -279 1,527
2018/3予 3,000 360 320 130 2 2


三菱ガス化学は海外のメタノール事業の持分法損益が営業外損益に含まれる。
2016年10月1日付けで2株を1株に併合したため、配当は表面上、2倍となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 持分法 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 5,296 150 289 430 40 444 7 7
2016/3 5,935 340 167 454 4 341 8 8
2017/3 5,565 438 211 624 -13 480 8 11 (22)
前年比 -370 97 44 169 -17 138 0 3
2018/3予 5,800 370 550 430 11 (22) 11 (22)

LG電子は1997年のインド進出から20年を迎えた。昨年の売上高は20億ドルで、1997年の60倍になった。

LG電子のインドでの成功は、「徹底的な現地化戦略」により、住居環境と生活文化を考慮したインド特化製品の発売戦略が功を奏したからとされる。

地元の市場調査機関「TRA」から「2016年の最も魅力的なブランド 」に選ばれた。

現地進出20周年を記念して、年末までに20ヶ月間無利子分割払い、製品割引など、さまざまなプロモーションを行う。


代表的な製品は次の通り。

1)超音波で蚊を追い払うエアコンやテレビ

エアコンとテレビに Mosquito Away Technologyを導入した。

研究の結果、超音波で、人間には聞こえないが、蚊が嫌がって逃げ出す周波数を見つけた。薬品を使わないため、安全で、臭いもなく、殺虫剤費用が節約できるとしている。


2)電力供給が途絶えても7時間も冷気を維持する冷蔵庫

インドの地方では停電が多いが、 'Power Cut Evercool Technology' を採用した、電気なしでも7時間冷やせる冷蔵庫を発売した。

保冷剤を使った追加の冷却メカニズムを備えており、電気が切れた場合のみ、バルブが開き、冷却するもの。
逆に、停電がほとんどないGujarat州などの人には、夜間にスイッチを切って、電気代を節約できると宣伝している。


その他、
悪い水質を考慮して浄水性能を高めた浄水器 など。



水俣条約が2017年8月16日に発効する。

締結国数が発効に必要な50カ国に達して90日後に発効するが、5月17日にEU とそのメンバー7か国(ブルガリア、デンマーク、ハンガリー、マルタ、オランダ、ルーマニア、スウェーデン)が批准し、51か国となった。


水銀の使用を国際的に規制する「水銀に関する水俣条約」が2013年10月10日、熊本市で開催中の外交会議で採択された。
参加 141カ国・地域のうち、議長国の日本や最大の排出国の中国を含む87カ国・地域が条約に署名した。 (その後、128か国に)

日本は2015年5月に国会での承認を経て、2016年2月2日の閣議で締結を決定した。

2013/10/15 「水俣条約」採択 

東ソー

売上高については、ナフサ等の原燃料価格の下落に伴う石油化学製品の価格下落や円高による輸出販売価格の下落等により、減収となったが、営業利益については、原燃料安を背景とした交易条件の改善等により大増益となった。

特に、クロルアルカリの交易条件差が大きく、営業損益は前々年比で5.8倍、前年比で2.7倍となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 税引前 税金 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 8,097 514 602 -12 590 -240
197
623 5.0 5.0
2016/3 7,537 694 658 -39 619 200 397 7.0 7.0
2017/3 7,430 1,112 1,131 -26 1,105 329 757 7.5 16.5
前年比 -107 418 473 13 360 0.5 9.5
2018/3予 1,000 1,000 680 12.0 12.0


2015年3月期には、日本ポリウレタン工業との合併で、同社から引き継ぐ繰越欠損金等の一時差異に係る繰延税金資産の計上等による税金費用の減少240億円があった。

営業損益は下記の通り。

15/3 16/3

17/3

増減

内訳

- 18/3予想
数量差 交易条件 固定費他
石油化学 69 116 201 85 2 51 32 168
クロルアルカリ 83 180 479 299 20 218 62 465
機能商品 300 327 354 27 61 -37 3 306
エンジニアリング 33 46 51 6 5 1 38
その他 28 26 27 1 2 -1 23
合計 514 694 1,112 418 90 231 96 1,000

ーーー

旭化成

円高の影響(売価差損 591億円のうち為替差損 332億円)に加え、医薬事業において薬価改定の影響を受けたことや、エレクトロニクス事業でPolypore社買収に伴うのれん償却費等を通期で計上したことなどから、減益となった。

特別損失の減少で当期損益は増益となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 19,864 1,579 1,665 -81 1,057 9 10
2016/3 19,409 1,652 1,614 -150 918 10 10
2017/3 18,830 1,592 1,606 -32 1,150 10 14
前年比 -579 -60 -7 117 232 0 4
2018/3予 19,900 1,650 1,700 1,150

24


営業損益は下記の通り。

セグメント別

2016/3 2017/3 増減 2018/3予
マテリアル 792 845 53 900
住宅 710 641 -69 645
ヘルスケア 362 319 -43 355
その他 38 60 23 20
全社 -250 -273 -23 -270
合計 1,652 1,592 -60 1,650

事業部別 

15/3 16/3 17/3 増減

内訳

18/3予
数量差 売値差 コスト差
ケミカル 542 609 704 94 50 -348 391 725
繊維 105 139 117 -22 22 -58 14 125
エレクトロニクス 143 44 25 -20 77 -108 11 50
住宅 592 654 595 -60 -15 19 -64 600
建材 41 58 45 -14 -9 -5 0 45
医薬・医療 267 243 171 -72 12 -111 26 180
クリティカルケア 41 119 148 29 58 19 -48 175
その他 9 38 60 23 19 4 20
全社 -161 -253 -271 -19 -19 -270
合計 1,579 1,652 1,592 -60 215 -591 316 1,650


ケミカル事業は、交易条件差、数量差で増益となっている。

住宅は減収、コスト増で減益。

医薬は薬価改定の影響、後発医薬品の影響で減益。


別損益は下記の通り。

2015/3 2016/3 201/3 増減
特別利益 有価証券売却益 28 83 99 16
固定資産売却益 4 9 2 -8
合計 31 92 101 9
特別損失 投資有価証券評価損 11 4 1 -3
減損損失 13 35 15 -20
固定資産処分損 47 52 49 -4
事業構造改善費 40 36 62 26
訴訟和解金 12 - -12
杭工事関連損失 15 - -15

施工データの流用等の調査等に要した費用のみ。
これ以外は現時点では影響額を合理的に見積もることは困難

共同販売契約終了損 53 - -53 久光製薬との過活動膀胱治療剤の共同販売契約終了
統合関連費用 15 7 -9 組織再編
特別退職金 20 - -20 Polypore International 買収後、一部幹部が退任
その他 1 - -
合計 112 242 133 -108
特別損益 -81 -150 -32 117

住友化学

営業損益は情報電子化学やメチオニンの値下がりが大きく減益となったが、海外石化の持分利益が大きく増加した。
減損損失や事業構造改善費用を増やしたが、株主帰属損益はほぼ前期並みとなった。

三菱ケミカルと同様、大日本住友製薬など高収益企業の少数株主帰属利益分が大きい。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 持分法 経常損益 特別損益 税引後 当期損益   配当
少数株主 株主帰属 中間 期末
2015/3 23,767 1,273 239 1,574 -407 711 189 522 6 3
2016/3 21,018 1,644 202 1,712 -136 1,124 309 815 8 6
2017/3 19,543 1,343 412 1,666 -214 1,171 316 855 7 7
前年比 -1,475 -301 210 -46 -78 47 7 40 -1 1
2018/3 21,900 1,650 1,850 1,000

 

営業損益対比(億円)           

2015/3 2016/3 2017/3 増減 内訳 2018/3予
価格差 コスト差 数量差等
石油化学 208 288 266 -22 90 -40 -72 270
エネルギー・機能材料 8 28 72 44 5 0 39 120
情報電子化学 324 199 103 -95 -350 175 80 210
健康・農業関連 561 775 462 -314 -185 -85 -44 600
医薬品 290 427 551 124 -70 -185 379 570
その他 157 78 57 -21 0 5 -26 30
全社 -274 -150 -168 -17 - - -17 -150
1,273 1,644 1,343 -301 -510 -130 339 1,650


石油化学:千葉工場の石油化学事業再構築で売上高は減少
       MMAや合繊原料が交易条件改善

エネルギー・機能材料:レゾルシンやエンプラの販売数量増

情報電子化学:
偏光フィルムやタッチセンサーパネルの値下がりが大きい。
           一方、原料合理化、出荷増でコストダウン。

健康・農業関連:メチオニンの価格下落。    注  2017年度には価格反転で増益を予想

           研究費増や円高の影響で損益更に悪化。

医薬品:国内薬価改定での値下がり、販売費用増加を北米でのラツーダ出荷増で補う。

特別損益の状況は下記の通りで、減損損失、事業構造改善費用が再度増加した。

2014/3 2015/3 2016/3 2017/3
投資有価証券売却益 34 41 158 273
固定資産売却益 162 10
減損損失 -218 -333 -247 -343
事業構造改善費用 -106 -322 -48 -189
投資有価証券評価損 -15
その他 56 45 35
合計 -249 -407 -136 -214

このうち、減損損失は以下の通り。

2015/3 2016/3 2017/3
英国 EL材料、デバイス 126
新居浜 アルミナ 、高純度アルミナ、高純度アルミ 64 44
韓国 高純度アルミナ 23
新居浜 医薬品(撤去) 52
韓国 サファイア基板 48
韓国 ダッチセンターパネル 16
シンガポール S-SBR 85 51
ポーランド ディーゼル・パティキュレート・フィルター 82
シンガポール メタアクリル 54
新居浜 光学製品 102
新居浜 硝酸、アニリン 29
新居浜 電解系 34
合計 333 247 343


大日本住友製薬の業績は次の通り。  (住友化学出資比率 50.22%)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 3,714 233 233 154 9 9
2016/3 4,032 369 352 247 9 9
2017/3 4,116 528 543 290 9 11
前年比 84 158 191 43 0 2
2018/3予 4,500 550 550 360 9 11

日本では、後発医薬品の使用促進による大幅減収で減益
北米では、「ラツーダ」や抗てんかん剤「アプティオム」の売上が拡大、円安の影響もあり、大幅な増収増益

ーーーーー

三井化学

基盤素材の交易条件の大改善などにより、営業損益は大幅増益となった。事業構造改善も一段落し、特別損益も改善した。

  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 15,501 420 444 -86 173 2 3
2016/3 13,439 709 632 -219 230 4 4
2017/3 12,123 1,021 972 -114 648 5 9
前年比 -1,316 312 340 105 419 1 5
2018/3予 13,000 980 960 650

営業損益は下記の通り。

16/3 17/3 増減

増減内訳

18/3
予想
数量差 交易条件 固定費他
モビリティ 449 407 -42 39 -79 -2 420
ヘルスケア 116 101 -15 -12 -6 3 130
フード&パッケージング 203 206 3 14 -11 0 205
基盤素材 10 385 375 12 295 68 295
その他 -69 -78 -9 -9 -70
合計 709 1,021 312 53\6 199 60 980


当期よりセグメントを変更


モビリティ エラストマー、機能性コンパウンド及びポリプロピレン・コンパウンド、機能性ポリマーは好調に推移したが、交易条件の悪化及び円高の影響を受け、減益となった。
ヘルスケア ビジョンケア材料等における堅調な販売及び歯科材料における固定費減少があったものの、不織布における販売数量の減少により、減益となった。
フード&パッケージング 円高の影響があったものの、堅調な販売により増益となった。

基盤素材

事業構造改善の効果が発現したこと及び堅調な国内需要の影響、大幅な交易条件の改善により、前期の10億円の利益が当期は385億円と大幅増益となった。

他社のナフサクラッカーの停止が相次ぎ、稼働率は高水準で推移した。


特別損益は下記の通り。(億円)

  2015/3 2016/3 2017/3 増減
特別利益 資産売却益 23 51 26 -25
事業譲渡益 - 37 - -37
合計 23 88 26 -62
特別損失 固定資産処分・売却損 45 56 73 17
減損損失 53 241 41 -200
その他 11 10 26 16
合計 109 307 140 -167
特別損益 -86 -219 -114 105


2016/3の減損損失には、2013年に
ドイツのHeraeus Holdingsから有利子負債を含め約543億円で買収した歯科材料事業 Heraeus Dental のノレンの減損195億円を含む。

営業損益は2010年3月期から連続増益となった。

Shintechが100%子会社であることから、連結損益のほとんどが株主帰属損益であり、当期損益では三菱ケミカルを大きく上回る。

単位:億円 (配当:円)

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益

配当

中間 期末
2015/3 12,555 1,853 1,980 1,286 50 50
2016/3 12,798 2,085 2,200 1,488 55 55
2017/3 12,374 2,386 2,421 1,759 60 60
前年比 -424 301 221 271 5 5
2018/3予

未定


営業損益は下記の通り。


営業損益推移 (
単位:億円)

セグメント  15/3 16/3 17/3 増減
塩ビ・化成品 503 447 532 85 Shintechが増強した能力を生かし、拡販
シリコーン 334 415 425 10 米、中国、東南ア向け機能商品の出荷が堅調
機能性化学品 153 182 222 40 セルロース誘導体:国内は医薬用が好調、欧州は総じて順調に推移
半導体シリコン 356 469 560 91 メモリデバイス向け堅調、ロジックデバイス向けも好調
電子・機能材料 462 515 552 38 希土類磁石、フォトレジスト製品、LED用パッケージ材料 いずれも堅調
その他 48 56 96 40
全社 -3 1 -1 -3
合計 1,853 2,085 2,386 301


Shintech の業績は下記の通りで、2012年に急回復し、2013年も増益となった。
2014年、2015年と減益となった。Westlakeによると2015年の平均売価は前年比18.9%下落した。

2016年は増強した能力を生かし、増益となった。

同社の能力は次のとおりとなる(単位:万トン)。エチレンの完成は2018年。

立地 PVC VCM カ性ソーダ エチレン
Texas州 Freeport  145   -   -
Louisiana州 Addis   58   -   -
Plaquemine   60   160  106
 今回増設 32 30 20 50
合計  295  190   126 50
平均レート
2011 79.8/$
2012 79.8/$
2013 97.6/$
2014 105.9/$
2015 121.0/$
2016 108.8/$


決算を公表している米国の企業の業績は下記の通り。Shintech は経常損益、 WestlakeはVinylsの営業損益。

Westlakeは最近、ドイツのVinnolit、旧Georgia Gulf のAxiall を買収、急拡大している。

2015年にShintechが減益となったのに対し、Westlakeは増益となった。

Westlake Chemical は2014年6月28日、投資会社のAdvent International からドイツを拠点とする塩ビメーカーVinnolit Holdings GmbH とその子会社を490百万ユーロで買収する契約を締結し、同年7月31日に 取引が完了した。2015年はこれがフルに寄与した。 

ドイツと英国に6つの工場を持ち、能力は苛性ソーダが475千トン(100%)、VCMが665千トン、PVCが780千トンとなっている。2013年の売上高は917百万ユーロであった。

2014/6/3 Westlake Chemical、欧州の塩ビメーカー Vinnolit を買収

また、Calvert Cityのエチレン原料転換が完成、エチレン増産、Geismarのクロルアルカリも増産した。

  2012/10/10
Westlake Chemical、エチレン原料をプロパンからエタンに変更

そのWestlakeは2016年8月にAxiallを買収した。

Axiall Corp.は2013年1月にGeorgia Gulf がPPG Industriesのcommodity chemical divisionと合併したもので、Chlorovinyls 部門(電解~PVC~PVC製品)とAromatics部門(フェノール、アセトン、キュメン等)を持っていたが、Aromatics部門はIneosに売却した。

Westlake Chemical は2016年1月29日、Axiall Corporationの全株式を14億ドルで買収する提案をしたと発表したが、Axiallの取締役会はこれを拒否した。

Westlakeは2016年4月4日、新提案を行った。買収額は約15億ドルの債務込みで31億ドル、ネットで16億ドル(14億ドル )となる。

この後6月10日に、負債込みで38億ドル (ネットで23億ドル)での買収で合意し、8月31日に取引完了した。

2016/2/4 Westlake Chemical、Axiall に14億ドルでの買収を提案、拒否される 

Axiall と韓国の Lotte Chemicalは2015年6月、年産100万トンのエタンクラッカーをルイジアナ州に建設するJVの設立を発表した。
Axiallは自社のPVC用のエチレンの50%を確保するのが目的としており、Lotteは残りのエチレンを使い、エチレン隣接地でエチレングリコール 70万トンを生産する。

Westlakeはこれを引き継ぐ。

2015/6/22 韓国 Lotte Chemical、米国で石油化学

ーーー

Westlake Chemicalは台湾でCGPCを設立した故 T.T. Chao が1986年に米国に進出、設立した。

同社の歴史と現状は次のとおり。

2017年3月期よりIFRS方式に変更した。下記では2016年3月期もIFRS方式に組み替えた。

営業損益は前年とほぼ同じで大好調が続いた。

株主帰属損益は、前期に計上した非継続事業(インド及び中国におけるテレフタル酸事業)における減損損失が減少したことに加え、同事業の譲渡に関連した繰延税金資産の計上に伴う税金費用の減少があり、同1,049億円増となった。

2016/5/19 主要企業の2016年3月決算 - 三菱ケミカルホールディングス

    〔IFRS〕    単位:億円

  売上高 営業損益 うち
持分法
税引前
損益
法人所得税

税引後損益

うち

  配当(円)
継続事業 非継続事業 合計 少数株主帰属 株主帰属 中間 期末
2016/3 35,434 2,687 140 2,528 -741 1,787 -739 1,049 535 514 7 8
2017/3 33,761 2,686 170 2,583 -444 2,139 26 2,165 603 1,563 8 12
前年比 -1,673 -1 30 56 297 352 765 1,117 68 1,049 1 4
2018/3予 36,500 2,900 2,770 1,370 12 12


少数株主帰属損益が大きいのは、田辺三菱製薬や大陽日酸のような高収益子会社の持ち株比率が50%台に止まるため。


営業損益は下記の通り。

 2016/3と2017/3はIFRS方式のため、非経常項目を含む(従来より範囲が広がる)
 グラフと表では、セグメント別では非経常項目を除いたコア営業利益で計算し、これまでと合わせ、非コアを加えた。

2016年3月期は各分野とも好調で、2014年下期に連結対象とした大陽日酸の業績がフルに寄与したこともあり、営業損益は大幅増益となり、過去最高だった2011年3月期を上回った。
本年度も好調が続く。ヘルスケアは減益となったが、ポリマーズが補った。

営業損益対比(億円)           
  2015/3 2016/3 2017/3 前年比 増減内訳
売買差 数量差 コスト
削減
ケミカルズ 92 577 589 12 -47 -116 18 157
ポリマーズ 268 564 719 155 -13 -8 31 145
エレクトロニクス -27 -10 -29 -19 -55 8 35 -7
デザインドマテリアルズ 561 750 815 65 -90 112 59 -16
ヘルスケア 770 1,122 984 -138 -149 34 66 -89
その他 65 71 72 1 0 2 1 -2
非コア 50 -317 -389 -72 -72
全社 -71 -70 -75 -5 -5
合計 1,657 2,687 2,686 -1 -354 32 210 111

ケミカルズ:基礎化学品 -50、炭素 -11(市況悪化等)、産業ガス +73(米・豪事業追加、原燃料価格下落)
ポリマーズ:ポリオレフィン等 -38 (定修規模拡大等)、MMA&アクリル樹脂 +193 (アジア・欧米市況堅調)

エレクトロニクス:-19(円高、ディスプレイ材料売価低下)
デザインドマテリアルズ:+65

ヘルスケア:-138(薬価改定影響、前期に技術料一時金)      

なお、2017年4月に三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンを統合し、三菱ケミカルにしたのに伴い、2018年3月期のセグメントを変更する。

営業損益予想は次の通り。


田辺三菱製薬の実績は以下の通り。
2017年度よりIFRSを適用。(三菱ケミカルHDの出資比率は56.3%)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 コア営業利益 営業損益 税引前損益 株主帰属損益   配当
中間 期末
2016/3 4,258 1,070 818 833 593 22 24
2017/3 4,240 945 941 961 713 24 28
前年比 -18 -125 123 128 120 2 4
2018/3予 4,410 900 900 910 715 38 28

コア営業利益は、減収に加え、米国事業展開準備費用の増加等により減益となった。
前期には
非経常項目で早期退職実施に伴う割増退職金などの構造改革費用を計上したが、当期は大幅に改善したため、全体としては増益となった。

2014年下期から連結対象とした大陽日酸の業績は下記の通り。  
2017年度よりIFRSを適用。(三菱ケミカルHDの出資比率は50.7%) 

単位:億円 (配当:円)
  売上高 コア営業利益 営業損益 税引前損益 株主帰属損益   配当
中間 期末
2016/3 5,944 475 489 466 290 7 9
2017/3 5,816 547 537 502 347 9 11
前年比 -128 73 47 36 57 2 2
2018/3予 6,200 565 570 345 11 11

東芝が売却する半導体事業を巡り、東芝と半導体を共同生産するWestern Digital は5月14日、同社の子会社 SunDisk が半導体事業の売却の差し止めを求める申し立てを国際仲裁裁判所に行ったと発表した。

東芝に対し、半導体事業の東芝メモリへの移管を元に戻すことを命じるよう求め、東芝がSunDiskの同意なしにJVの持分を他社に移すことで、これ以上JV契約に違反しないことを求めている。

Western Digital のCEOは、「東芝とは共同事業の利益を守るため、相手が同意していない事業移転を禁止することで合意していた。これまでの調整が不調に終わり、法的手段に訴えた」とコメントした。

経営再建中の東芝は4月に半導体のメモリー事業を分社化し、新会社「東芝メモリ」を発足させた。JV持ち分も移管した。

JV契約では、移管するにはSunDiskの同意が必要となっており、WDは、これについても合意に違反するとしている。
東芝は現在、東芝メモリを入札で売却しようとしているが、SunDiskの同意を得るつもりはないとしており、契約違反であるとする。

合弁契約では、合弁相手の同意なしに事業の持ち分を第三者に売却できないが、買収などによって持ち分の所有者の支配権が変わる場合は同意は不要と明記されている。

東芝側は、「事業の子会社自体が買収されれば支配権も移転するので、東芝が同意を取り付ける必要はない」とし、Western DigitalがSunDiskを買収した際、東芝側が同意を求められた経緯はなかったと指摘する。

これに対し、Western Digital は「支配権の変更に同意がいらなくなるのは、あくまで契約主体である東芝本体が売却される場合であり、今回の子会社売却には適用されない」と指摘している。

報道された契約内容をそのまま解釈すると、Western Digital によるSunDisk買収は、買収などによって持ち分の所有者の支配権が変わる場合であり、東芝の同意は不要だが、JVの持分を移管した東芝メモリの売却は、JV持ち分の第三者への売却であり、相手の同意は必要と思われる。
100%子会社である東芝メモリへのJV持ち分移管そのものは、東芝の支配権は残るため、違反ではないのではと思われる。

契約上、仲裁はSan Franciscoで行われる。

東芝広報・IR部は「契約に抵触するような事実はなく、差し止めの根拠はない」としている。

ーーー

Western Digitalは、他社への売却に異議を唱え、売却に拒否権を持つと主張したのに対し、東芝は、5月15日までに妨害行為をやめなければ、四日市の施設からWestern Digital の技術者らを締め出すと通告した。(客観的にみて、両社の主張が食い違っている段階でのこの通告はひどい。)

東芝社長とWestern DigitalのCEOが5月10日会談した。両社の見解の対立が続くが、打開策を模索する予定であった。

しかし、Western Digital 側は会談の不調を受け、今回の売却差し止め申し立てを行ったとみられる。
「仲裁は問題解決のための最初の選択ではないが、解決のためのこれまでの努力は成功に至らず、法的手段しか残っていない」としている。

今回、申し立ては契約の当初の当事者である子会社のSunDiskが行った。

付記

東芝は5月16日、Western Digital による四日市工場への情報アクセスの遮断を見送ったと表明した。

「問題解決のため協議を継続しており、アクセス制限の判断を保留している」と明らかにした。

付記

東芝メモリを担保とする7000億円弱の協調融資に関し、Western Digital が反対し、実施できていない。⇒ その後、担保にすることは了承


米中両政府は5月11日、4月の米中首脳会談で合意した貿易不均衡の是正に向けた「100日計画」の第一弾を公表した。

米国のMnuchin 財務長官、Ross 商務長官と中国の汪洋 副総理の3人が共同委員長となり、協議をしてきた。

今回は、鉄鋼や為替問題など両国の利害がぶつかる問題は先送りした。

米中は今回、100日間だけでなく、1年間の長期計画をつくることでも一致した。今年夏に米国で包括経済対話を開き、具体策を協議する。


第一弾は次の10項目から成る。

1.  中国は7月16日までに、国際的な食品安全基準、動物の健康基準を満たした米国産牛肉の輸入を認める。

中国は米国産牛肉について、過去の牛海綿状脳症(BSE)発生を理由に輸入を禁止してきた。

2.  米国は中国原産の調理済み鳥肉の米国への輸入問題を出来るだけ早く解決し、輸入を認めるためのルールを7月16日までに発表する。

3.  中国のバイオセーフティ委員会は、申請されている8つの米国のバイオテクノロジー製品について、使用される用途での安全性を評価するための会合を5月末までに開催する。

4.  米国は中国や他の貿易相手国が米国からLNGを輸入するのを歓迎する。中国に対して、他のどのFTA非締結国に比べても不利な扱いをしない。中国の企業はいつでも、あらゆるタイプの輸入契約を締結できる。

米国は輸出承認で米国とFTAを締結している国とそれ以外で差をつけている。
2010年9月に米国がFTAを締結している国(将来締結した国も含む)に限定して輸出許可が出された。

その後、個別に承認しており、4月25日現在、FTA非締結国に対し、日量192億立法フィートの天然ガス輸出を承認済み 。

5.  中国は7月16日までに、100%外資が中国で信用格付サービスを行うのを認める。

6.  米商品先物取引委員会(CFTC)は、商品取引所法に定められたデリバティブ決済組織としての登録を怠ったShanghai Clearing Houseに対して強制措置を推奨しないという期限付きのノーアクションレターを発行しているが、これをさらに3年延長する。

7.  中国は7月16日までに、100%米国資本の電子決済サービス開始申請のガイドラインを出し、完全で迅速な市場アクセスに道を開く。中国は中国の銀行に対し、引き続き二重通貨建てカード発行を認め、米国の電子決済サービス業者が取引できるようにする。

8.  米国の連邦規制当局は、中国の金融機関に対し、他の外国金融機関と同じ管理を行う。

9.  中国は米国の金融機関2社に対し、7月16日までに債券の引き受け・決済業務の免許を付与する。

10. 米国は中国の「一帯一路」構想の重要性を認識し、5月14-15日の関連会議に代表団を送る。(White HouseのアドバイザーMatt Pottinger を代表とする)

中国政府は「一帯一路」計画をテーマにした初の国際会議「一帯一路フォーラム」を5月14日から2日間、北京で開催する。会議にはロシアのプーチン大統領ら28か国の首脳などが出席する。
北朝鮮の対外経済相も出席する。

日本からは自民党の二階俊博幹事長ほかが出席する中国から招待されていた世耕経済産業相は出席を見送ったが、会議出席による日米関係への影響を考慮したとされる。

2017/5/13 中国の「一帯一路」計画の現状

付記

習近平国家主席は5月14日、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの開幕式に出席し、基調演説を行った。
内容を昨日の記事に付記しました。


中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にはG7中、米国と日本だけが参加していない。
AIIB参加の可能性を問われたRoss 商務長官は「短い期間では協議されていない」として明言を避けた。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)は2017年3月23日、新たにカナダや香港など13カ国・地域の加盟申請を承認したと発表したが、「一帯一路フォーラム」の前日の5月13日にさらに7か国の加盟を発表した。合計は77か国となる。(アジア開発銀行は67か国)

2017/3/25 アジアインフラ投資銀行、加盟70カ国地域に G7参加見送り 日米だけ に付記

  

中国政府は「一帯一路」計画をテーマにした初の国際会議「一帯一路フォーラム」を5月14日から2日間、北京で開催する。会議にはロシアのプーチン大統領ら28か国の首脳などが出席する。
北朝鮮の対外経済相も出席する。

日本からは自民党の二階俊博幹事長ほかが出席する。中国から招待されていた世耕経済産業相は出席を見送ったが、会議出席による日米関係への影響を考慮したとされる。
しかし、その米国は
、米中「100日計画」合意により、White HouseのアドバイザーMatt Pottinger を代表とするチームを派遣することとなった。


「一帯一路構想」は、中国から中央アジアを経て欧州に至る「シルクロード経済帯」と、中国沿岸部からアラビア半島までを結ぶ海上交通路の「21世紀海上シルクロード」を中国が中心になって開発していくという構想である。

習近平主席は2014年11月4日、中央財経指導グループの第8回会議を招集し、 「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海のシルクロード」計画 (一帯一路構想:Belt and Road)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)およびシルクロード基金の設立という「中国版マーシャルプラン戦略」(中国メディア)について検討を行った。

習主席は11月9日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会議で基調講演し、「各国と協力して二つのシルクロード経済圏の建設を進める」と述べた。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)などを通じ、中国自らの資金で地域経済の一体化を主導する意欲を示した。

2014/11/13 中国のシルクロード経済圏構想 


付記

習近平国家主席は5月14日、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの開幕式に出席し、基調演説を行った。

 シルクロード精神のコアを総括

平和協力、開放的包摂、相互学習・相互参考、互恵・ウィンウィン

 今後の建設目標

「一帯一路」は今後、平和の道、繁栄の道、開放の道、革新の道、文明の道を建設していく。

 中国が実施を約束する大事業

関連諸国の鉄道部門と国際定期貨物列車「中欧班列」の提携深化協定の調印。

シルクロード基金の資金を新たに1000億元(約1兆8千億円)増加。

中国国家開発銀行が2500億元(約4兆5千億円)と中国輸出入銀行が1300億元(約2兆3400億円)に相当する人民元特別融資をそれぞれ提供し、「一帯一路」のインフラ施設の建設や生産能力、金融提携のサポートに用いる。

今回の国際協力サミットフォーラム開催期間中に、30ヶ国以上との経済貿易提携協定に調印し、関連諸国と自由貿易協定を協議する。

2018年から中国国際輸入博覧会を開催。

この先5年間で、延べ2500人の青年科学者を中国に招き、短期間の科学研究業務に従事させ、延べ5000人の科学技術および管理スタッフを育成、共同実験室50ヶ所を設置、運用。

この先3年間で、「一帯一路」建設に参加する発展途上国家と国際組織に600億元(約1兆800億円)の援助を提供。

「一帯一路」沿線の発展途上国に20億元(約170億円)の緊急食糧援助を提供。

南南協力援助基金に10億ドル(約1194億円)の増資。

沿線国家に「幸福家園(幸せな家)」100ヶ所、「愛心助困(愛を込めた貧困扶助)」100ヶ所、「康復助医(リハビリと医療援助)」100ヶ所等のプロジェクトの実施。

 「一帯一路」の提携範囲

ユーラシア大陸とアフリカ大陸が重点エリアとなるが、同時に全ての国を歓迎する。アジアや欧州、アフリカ、アメリカ大陸などいずれの国も「一帯一路」建設の国際提携パートナーとする。


付記

アジアインフラ投資銀行(AIIB)は5月13日、バーレーン、キプロス、サモアの域内3ヶ国と、ボリビア、チリ、ギリシャ、ルーマニアの域外4ヶ国の加盟を発表した。合計で77か国となる。
(AIIBではトルコとキプロスは中東とみなし、域内扱いをしている。アジア開銀はトルコは域外扱い)



人民網日本語版(2017/5/5)は重大プロジェクトを総まとめしている。

インフラ建設から工業へ、さらに人的・文化的分野に至るまで、さまざまなプロジェクトが各地で花盛りとしている。

インフラプロジェクト 鉄道 中国ー欧州間鉄道 全国27都市で欧州間鉄道路線51本が開通し、欧州11カ国28都市へとつながっている。

2011年に運航がスタートしてから、2017年4月までの間に、累計3千本余りの列車が運行し、国際陸上物流の基幹ルートとなった。

2017/1/21 初の中国・英国 直通貨物列車、ロンドン到着

インドネシア

ジャカルターバンドン高速鉄道の建設
 中国の技術、基準、設備が採用された総合的システム型プロジェクト

建設用地収用が遅れていたが、ジョコ政権が強制収容に着手し、融資条件の土地収用完了の目途が立った。5月15日に融資契約を結ぶ見込みで、5月中にも建設工事が本格的に始まる見通し。

ロシア モスクワーカザン(タタルスタン共和国の首都)高速鉄道 (800km)
 完成すれば、現在の14時間から3.5時間に短縮される。
その他 ハンガリー - セルビア鉄道、中国ータイ鉄道、中国ーラオス鉄道、マレーシア南部鉄道、ケニアのモンバサーナイロビ鉄道、ナイジェリアのアブジャ - カドゥナ鉄道、アディスアベバ - ジブチ鉄道などの協力プロジェクト
港湾 パキスタン グワダル港
2016年11月、中国企業が建設と運営を手掛けるグワダル港で船舶が就航した。

2013/2/20 中国、パキスタンのグワダル港の運営権を取得 

ギリシャ ピレウス港
 2016年8月、中国企業が同港の港務局の大株主となり、経営を引き継いだ。

2016/4/12 ギリシャ、最大のピレウス港を中国に売却 
その他 ケニアの港、スリランカのハンバントタ港などの協力プロジェクトがある。
橋梁 セルビア ゼムン-ボルカ橋
 中国が欧州で建設した最初の大型橋梁で、設計と施工をすべて中国企業が主導した。2014年12月完成。
バングラデシュ バングラデシュ南西部と首都ダッカを結ぶパドマ橋
 2016年8月に着工。中国企業が請け負う協力プロジェクトとしては過去最大のもの。
その他 エクアドル 公共安全緊急指揮センター
 傘下に16の指揮センターが設立され、エクアドル全域をカバーする。中国企業が建設を担当、中国の設備と技術が100%採用された。
工業プロジェクト ミャンマー 中国・ミャンマー石油ガスパイプライン
 原油輸送でマラッカ海峡を航行する必要がなくなる。

2013/5/24 パイプライン万里長城が完成
英国 Hinkley Point C 原発プロジェクト
 中国・フランス両国企業が共同で投資・建設を行う。

2015/10/28 中国、英国の原発に出資、中国製原発も導入  

サウジアラビア ヤンブーの石油精製工場 (Sinopec初の海外石油精製プロジェクト)

Yanbu Aramco Sinopec Refining Co.(YASREF)
 
Saudi Aramco1 62.5% Sinopec 37.5% 
 
日量400千バレル

2012/1/18 Saudi AramcoとSinopec、サウジでの製油所建設の合弁契約締結

エジプト 送電線路プロジェクト EETC 500・1千ボルト級送電線路

 エジプト最大、最高電圧等級の送電線路プロジェクト

その他 セルビアのスメデレヴォ製鋼所、ベトナム・ビントァン省のビンタン発電所、キルギスのビシュケク発電所の改修プロジェクトなどの協力プロジェクト。
工業パークプロジェクト ベラルーシ 中国 - ベラルーシ工業パーク(Great Stone)

 総面積 91.5 km2 でシルクロード経済ベルトの新たなランドマーク。2014/6に基礎工事着工、総建設期間は30年で、3期に分けて建設。

マレーシア マレーシア - 中国 Kuantan 産業パーク

2013年に開園。
中国 - マレーシア欽州産業パークとともに、「2国2パーク」を構成

カンボジア シアヌークビル港経済特区

 中国初の海外経済貿易協力区の1つで、カンボジア政府認可の最大の経済特区。
 繊維、アパレル、金属機械、軽工業、家電などを基幹とする。

人的・文化的プロジェクト シルクロード書香プロジェクト

 2014年12月認可で、重点翻訳事業への資金援助、シルクロード各国の書籍の相互翻訳など

シルクロード生態文化万里行

 中国の優れた伝統文化を基礎プラットフォームとして、生態文化を称揚し、グリーンライフを提唱し、生態文明の共同建設を主旨とし、数千年の歴史を持つ中国民族の文化の精華を世界に広める。

国際国境協力プロジェクト 霍爾果斯(Khorgos)国際国境協力センター

 中国とカザフスタンの国境にまたがる越境経済自由貿易区で、上海協力機構の枠組における地域経済貿易協力のモデル区。

 

 

 

 

 

 

米塗料・化学品大手のPPG Industries Inc.によるオランダの同業大手AkzoNobel の買収の交渉が難航している。

AkzoNobelは、PPGによる2度の提案を拒否したが、3度目の「最後の」提案については、取締役会で注意深く検討するとし た。

しかし同社は5月8日、PPGの提案を拒否した。4月19日発表の単独生き残り戦略(後記)の方がベターだとする。

PPGが敵対的買収を行う可能性が出てきた。

AkzoNobelの株主である「物言う株主(activist investor)」のElliott Advisorsは、これまでAkzoNobelに対して買収提案を受けるよう促してきたが、3度目の拒否を受け、オランダの裁判所で企業の紛争を扱うEnterprise Chamber of the Netherlandsに対して会長解任を求める臨時株主総会の招集を求める嘆願書を提出した。多額の買収提案を拒否するのは、株主への義務に著しく反するとしている。
最初のヒアリングは5月18日に開かれる。

ーーー

PPG Industries Inc.は3月9日、AkzoNobel に3月2日に買収提案を行い、拒否されたと発表した。


PPG は買収による両社の統合は強い戦略的意義があり、検討を続けると述べた。

統合により、塗料、ペンキ、特殊化学品で強力なグローバルプレイヤーになるとしている。

ーーー

PPGは3月20日に二度目の提案を行い、AkzoNobel は3月22日に再び拒否した。

買収価格は1株当たり 88.72 ユーロで、現金 56.22ユーロ とPPG株式0.331株で支払うというもの。負債引き受けや株式配当込みで約 245億ユーロとなる。

AkzoNobel では、この提案がAkzoNobel の現在および将来価値を反映しておらず、独禁法問題を含む株主にとってのリスク、不確実性を含んでいるとして拒否した。

ーーー

PPG は4月24日、AkzoNobel への買収提示額の再度引き上げを発表した。

買収価格は1株当たり 96.75ユーロで、現金 61.50ユーロとPPG株式0.357 株に増やした。負債引き受けや株式配当込みで約 269億ユーロとなる。


PPGは
AkzoNobel に対し、今回が「最後の招待状」と通告した。

AkzoNobel は4月19日に単独生き残り戦略を発表しているが、その後同社の株価は下落しており、PPGは、今回の同社の提案はこれよりも遥かによいものだと自賛している。

AkzoNobel の単独生き残り戦略は、1年以内にSpecialty Chemicals 事業を分離して、上場するか売却し、残るPaints and Coatings 事業に専念するというもの。
事業の将来性への自信を示すため、配当の50%増と、11月に10億ユーロの特別配当を行うとしている。

PPGでは、AkzoNobel が目標を達成できていないのに、これを2社に分けた場合、小さくなった2社がやっていける保証はないとし、PPGとAkzoNobel を統合すれば、年間のシナジー効果 750百万ドルを含め、両社の株主にとっての長期的価値は遥かに大きいとしている。

AkzoNobelが懸念する独禁法問題については、いろいろな検討の結果、タイムリーに承認を得られると確信しており、条件が付いた場合には、相互に合意するレベルの分割を行う用意があるとしている。
また、承認に自信を持つため、仮に承認が得られない場合にはかなりのreverse break-up feeを支払う用意があるとする。

更に、買収後にも現在のAkzoNobelのオランダ、欧州との関係を維持する。

AkzoNobelの現在の欧州拠点はそのまま。統合後の建築・装飾用コーティング事業の本部はオランダに置き、船舶用コーティング事業は英国とオランダを拠点とする。
統合会社はNYSEとアムステルダムに上場する。
欧州のAkzoNobelの製造拠点は米国に移さない。
オランダと英国のAkzoNobelへのサプライヤーは、大きくなる新会社に販売する機会を与えられる。

従業員についても保護を約束した。

AkzoNobelのコアの戦略についても尊重するとしている。

ーーー

2016年のAkzoNobelの部門別実績は下記の通り。(100万ユーロ)

Sales Operating Income
Decorative Paints 3,792 27% 366 21%
Performance Coatings 5,640 40% 735 42%
Specialty Chemicals (分離予定) 4,760 34% 629 36%
本社ほか 5 0% -211
Total 14,197 100% 1,519 100%
Profit for the period 1,052

これに対するPPGの部門別実績は下記の通り。(100万ドル)

Sales Segment Income
Performance Coatings 8,580 58% 1,314 55%
Industrial Coatings 5,690 39% 1,042 43%
Fiber Glass 481 3% 53 2%
Total 14,751 100% 2,409 100%
Net Income 877
同 (2015) (1,406)


AkzoNobelは2007年に ICIを買収した。

ICI は1982年にLDPEをBPに売却、1986年にPVC事業をEnichemのPVC事業と統合してEVCとし、その後 Ineosに売却した。
1993年には医薬・農薬事業を分離独立させ、Zenecaとした。(1999年、スエーデンのAstraと合併してAstraZenecaとなる)
また、同年、DuPontとの事業交換で、ナイロン事業をDuPontに渡し、DuPontのMMAを取得している。

ICIは1997年に、化学品のなかでも付加価値が高く、投下資本が少なく、景気変動の影響が少なく、研究開発により重点を置いた事業に急速に転換することを決めた。

1997年7月、ICIは英蘭系Unileverの特殊化学品4社を買収した。
 
National Starch社(工業用接着剤、レジン、産業用でんぷん)
 Quest社(香料、乳化剤、芳香剤)
 Uniqema社(脂肪酸、グリセリン)
 Crosfield社(シリカ、ケイ酸塩、ゼオライト)

同時に同社は既存事業を順次分離・売却していった。

その結果、ICIはスペシャリティ化学品を中心とした「新生ICI」に生まれ変わった。
4事業部門から成るが、塗料のほかの3事業は1997年にUnileverから購入した事業が中心となっている。

その後、Quest、Uniqema を売却し、売却代金を退職年金不足額の充当と負債の返済に充てた。

2006/3/7 ICIの抜本的構造改革

Akzoは2007年8月13日、ICI を約80億ポンド(約1兆9000億円)で買収することで合意したと発表した。

ICIの塗料部門取得が目的で、AkzoはICIの買収後、National Starch 部門のうち接着剤とエレクトロニック材料事業をHenkel に売却した。
(残り部門は2010年6月にCorn Products International に売却した。)

2007/8/13 Akzo が ICI を買収

Trump大統領は、2月の米加首脳会談では、NAFTA再交渉の主な標的はメキシコであり、カナダとの交渉は「微調整」にとどまると述べた。

しかし、カナダが最近、米国産乳製品の輸入を一部制限する措置を実施、米国はカナダ産木材への最大24.12%の対抗関税実施を発表した。
これに対し、カナダ政府は米国産石炭の輸出に国内の港を使わせない措置を検討している。

Trump政権は国内業界の反発を背景に態度を硬化させ、これまで中国やメキシコ、日本に照準を合わせていた矛先をカナダにも向けた形となっている。

ーーー

Trump大統領は4月25日、米国の農業と農村の繁栄を推進するための大統領令を出した。

安定し、安全で、安い食料、繊維、木材の供給は米国の安保、安定、繁栄のために必須であり、米国の農業と地域社会の推進は国家の利益に係るとし、Agriculture and Rural Prosperityのための省庁間のタスクフォース設置を指示した。

大統領は同日、カナダの酪農保護政策が米国産乳製品の輸出を阻んでいると批判、さらに木材輸出に対するカナダの補助金支給が不公正だとして、最大24.12%の相殺関税を課す仮決定を発表した。
カナダを名指しし、「米国産の乳製品を売れにくくしている。もう我慢するつもりはない」と批判した。「貿易戦争も恐れない」とも述べた。

ロス商務長官は、対象の木材は主に州政府保有地で伐採されており、「その料金は市場実勢より安く、政府補助金だ」と説明 した。乳製品に関しても、「是正するための措置を調査している」とした。

ーーー

カナダ政府は最近、酪農産業に関し、"supply management system" を設定している。
供給の管理、ミルク製品の価格の設定、割り当てを超える輸入品に関税を課すというものである。

米国の酪農家は数年前に出てきた ultra-filtered milkの需要に対応するため、工場建設に多額の投資をし、生産とカナダ向け輸出を増やした。
乳蛋白質は残すが、ラクトースや水分やミネラルを除去したもので、チーズやヨーグルトの生産に使用される。

カナダ最大の州であるオンタリオ州は昨年、ミルクの在庫の急増に対応して、ultra-filtered milkなどの価格を引き下げた。

この結果、カナダのメーカーはカナダ産の購入を増やし、米国品の需要が減少した。

本年初めには、カナダ政府は、このミルクの価格引き下げを長期的に続けること、オンタリオ州から全国に拡大することを明らかにした。

これを受け、カナダ国境に接する米国の酪農家(特にWisconsin 州とNew York州)は、最早、ミルク事業はやっていけないとしている。
米国で生産するミルクの15%が輸出されており、市場を失う農家にとっては大災厄となる。

カナダの酪農業界は逆に、問題は米国の酪農製品の過剰であり、カナダの政策変更はスケープゴートにされているとしている。

カナダとアメリカ全体での供給過剰のなかで価格引き下げは妥当であり、それにカナダの業者は対応したが、アメリカの業者は対応せず、売れなくなっただけではないだろうか。
価格を下げたのは州政府だが、経済原則に沿った行動であり、これにクレームをつけるのは、おかしい。

ーーー

米政府は4月24日、カナダからの輸入針葉樹製材(softwood lumber)に対し、暫定的に平均20%の反補助金課税を行うと発表した。

この問題は1982年から断続的に発生している。

カナダの針葉樹林はほとんどが州政府の所有であり、米国側は製材製品がカナダの連邦及び州政府の補助金を不正に受けていると批判している。価格は市場の競争で決まるのではなく、州政府が決めている。

2006年に両国は Softwood Lumber Agreement を締結した。価格が一定水準を超えている限り、反ダンピング、反補助金課税をしないというもの。2012年にこれを2年延長した。

2015年10月12日にこの協定が切れた。

今回の米側の措置に対し、カナダ側は対抗することを明らかにした。天然資源相は、WTO提訴やNAFTAでの協議を考えており、この課税で職を失う企業や従業員を支援すると述べた。
これまで独立のパネルが米国の主張が根拠がないことを示しているとしている。

Trudeau 首相はTrump大統領に電話し、カナダに対する根拠のない批判と反補助金課税という不当な決定を拒否すると伝えた。

米国のRoss商務長官は、カナダを親密な同盟国と呼ぶ一方、カナダが勝手にやっても良いということではないと述べた。直ちに次の手を打つ考えはないが、この紛争はNAFTAの再協議を急がせることとなるとした。

オリックスは5月4日、米国の地熱発電大手のOrmat Technologies, Inc. に出資することを決めた。第3四半期に発行済み株式の22.1%を627百万ドルで取得する。

両社が締結したCommercial Cooperation Agreement では、Ormat はオリックスの日本以外の全世界の地熱発電プロジェクトで開発・所有・操業・機器供給の独占権を持つ。また、オリックスの日本の地熱発電プロジェクトで技術パートナーや共同投資者となる権利を持つ。

またオリックスはアジアおよび全世界で関係を持つ再生可能エネルギーのファイナンス業者を通じ、Ormatが資金を取得するのを支援する。

Ormatは1965年創業で、地熱発電設備の設計・製造から販売・施工まで一貫して手がける唯一の企業。

同社の ORMAT® ENERGY CONVERTER は、Organic Rankine Cycle 技術を使用する。沸点が水よりも低い有機液体を利用、一定の圧力で地熱を液体に移し、これが沸騰してタービンを回すバイナリー方式である。(高温の地熱をそのまま使用するのがフラッシュ方式)

これまで世界中で合計2,200MWを供給した。
米国や中米、アフリカでは地熱発電事業も展開する。現在、713MWの地熱発電を所有・運営している。(米 515MW、カリブのGuadeloupe 15MW、Kenya 139MW)

オリックスはOrmatが持つ技術を活用し、アジアでの地熱発電事業への参入を目指す。

オリックスは、太陽光発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギーを活用した発電事業を積極的に推進している。

地熱発電については、再生事業としてグループで運営している温泉旅館「杉乃井ホテル」(別府市)において自家用では国内最大規模となる最大出力1.9MWの地熱発電所を保有・運営している。

同社は2013年11月に、東芝が55%、オリックスが45%出資で岐阜県奥飛騨温泉郷中尾地区において地熱発電事業を行うJVを設立した。

2014年に、今後5年間で地熱発電所を最大15か所建設する計画を決めた。北海道、東北、九州を中心に全国から候補地を探す。発電能力は計3万キロワット、総投資額250億円程度を見込む。

第一弾として、2014年7月に函館市と青森・風間浦村で地熱発電の事業化に向けた調査を開始した。両地域では、出力2MW程度の小規模地熱発電所の建設を検討している。

2017年3月に、東京都八丈町と、八丈町内における地熱発電利用事業に関する協定を締結した。

ーーー

2017年3月18日、世界最大規模のインドネシア・Sarulla 地熱IPPプロジェクトの第1号機が商業運転を開始した。

本事業は北スマトラのSarulla鉱区で世界最大規模の地熱発電所の開発を行うもので、PT Pertamina Geothermal Energyが保有する地熱鉱区を合弁会社のSarulla Operations を通じて開発し、出力330MW(3系列合計)の地熱発電所を建設後、発電する電力をインドネシア国営電力公社PLNに30年間にわたって売電する。

効率を高めるため、地熱を利用するフラッシュ発電と、バイナリー発電を組み合わせている。
1号機の出力は約105.9MWで、引き続き、2017年に第2号機、2018年に第3号機の商業運転開始に向けて建設工事を行う。

出資者は次の通りで、2015年に国際石油開発帝石がMedco子会社に出資する形で参加した。

2015/6/13 国際石油帝石、インドネシアのサルーラ地熱IPP事業に参画


Ormatはこれに12.75%出資するとともに、Geothermal Combined Cycle Unit の基礎設計、Ormat Energy Converterの供給を行っている。
フラッシュ発電のための発電機、タービンは東芝が供給している。




米議会下院は5月4日の本会議で、共和党が提出した医療保険制度「オバマケア」の廃止と、これに替わる制度の創設を盛り込んだ法案(American Health Care Act)を賛成217、反対213の僅差で可決した。共和党からは20人が造反した。

  賛成 反対 棄権 合計
民主党 193 193
共和党 217 20 1 238
合計 217 213 1 431
欠員 4


Trump大統領はオバマケアの廃止を公約としていた。

米上院は1月12日、オバマケア撤廃に向けた法案の策定を各委員会に指示する決議案を可決した。翌13日に下院も賛成多数で決議した。

大統領は1月20日の就任当日に最初の大統領令を出し、オバマケアの撤廃に向け、各省庁に現行制度による経済的負担を軽減するよう指示した。

米下院の共和党議員らは3月6日、低所得者向け医療費補助制度の拡張などを含む医療保険制度改革法(オバマケア)を廃止する法案を発表した。

同法案によると、オバマケアで拡張した医療費補助制度への登録を2020年1月1日に凍結する。
同制度拡張を実施した州では、2019年末まで保険購入者の登録を認め、政府からの補助金を受け取ることができるが、法案通過後は補助金を制限する。

加入促進や保険料補助をやめ年齢に応じた税額控除に変える。高所得者層には上限を設ける。

オバマケアが課した税金のほとんどを2018年1月に廃止するほか、保険購入を強いられている個人や事業者に対するペナルティを即時撤廃する。

既往症がある人の加入を保険会社が拒否できない規定や、26歳までの子が親の保険に加入できる仕組みは残す。

これに対し、民主党は、税金廃止や税額控除で富裕層が恩恵を受け、数百万人の中低所得者層から保険を奪うとして反対を表明した。共和党保守派は代替案をオバマケアの「焼き直し」などと批判、オバマケアの完全な廃止を求めた。

米下院は3月23日、同日中に予定していた医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案の採決を延期した。野党・民主党に加え、共和党内の保守強硬派などの反対が強い。

共和党は3月24日の採決を予定したが、可決の見通しが立たず、トランプ米政権は同日、オバマケアを見直す代替法案の下院本会議での採決を見送り、法案を事実上撤回すると表明した。

2017/3/27 オバマケア代替法案撤回


今回、共和指導部は、病歴のある加入希望者に保険会社が割増保険料を請求することを認める一方、既往症のある人に保険料補助を出すなど、保守派、穏健派双方の議員に配慮して法案を修正した。  

大統領は採決後、下院共和党指導部をホワイトハウスに招いて記者発表を行い、「法案は上院も通るだろう。私にはとても自信がある」と強調。「オバマケアは死んだ」と述べ、法案成立に自信を示した。

Twitter

Insurance companies are fleeing ObamaCare - it is dead. Our healthcare plan will lower premiums & deductibles - and be great healthcare!

It was a GREAT day for the United States of America! This is a great plan that is a repeal & replace of ObamaCare. Make no mistake about it.

Big win in the House - very exciting!  But when everything comes together with the inclusion of Phase 2, we will have truly great healthcare!

同法が制定されれば数百万人が医療保険を失うとの報告が出ており、保険を失うのはトランプ氏を支持した労働者層が中心とみられている。

上院では同法案がこのままの形で通過する可能性はほとんどない。複数の共和党議員は、上院独自の代替案をまとめるとしている。

上院議員は現在、共和党52、民主党46、無所属(民主系)2 となっている。


現行のObamaCareと今回の共和党案との対比:

ObamaCare
  
2010/3/23 米医療保険法案が成立へ
共和党案
個人の義務 全ての米国人が保険に入る義務
(入らない場合、罰金)
廃止
但し、前年に63日以上、入っていない場合、保険料に30%の賦課金を支払う。
雇用者の義務 50人以上雇用する企業は保険に入る義務
(入らない場合、罰金)


これらにより、
2千万人以上が新たに保険を得た。

廃止
税金 富裕者のMedicare tax を増税
下記に新税
 医療機器、健康保険、製薬、投資所得、日焼けサロン、高所得者向け健康保険

ほとんどのObamacare taxを廃止
高所得者向け健康保険への課税を2026年に延期
扶養家族

26歳以下の子供には両親の保険 維持
必須の項目 全ての保険は下記をカバーすること
 救急ルーム、癌治療、年次健康診断、処方箋薬コスト、精神カンセリング
各州が決定
既往症 既往症について保険を拒否したり、保険料を追加することを禁止 保険料は自由。
これらの患者のため80億ドルを用意
Medicaid Medicaid保険を拡充し、低所得者をカバー。 Medicaid 保険拡充を順次減らし、10年で政府支出を8800億ドル減。
連邦政府の固定支出に代え、各州に弾力的運営をさせる。
女性 男女で保険料に差をつけるのを禁止。
女性の保険には出産看護、避妊などを含む。
原則は現行通り。
州は出産看護、避妊の除外を認めることができる。
堕胎をカバーする保険の購入のために連邦税控除を利用することを
禁止
老人 老人の保険料は若者の保険料の3倍以内。 5倍までは認める。
各州が独自に決めることも可能。
補助金 低所得者が政府運営の保険取引所で保険に入る場合、税額控除が利用できる。
一部の支払い医療費に支援
税額控除の仕組みを変え、中所得者にも拡大。

中国商務部は4月29日、公告25号を出し、DowとDuPontの合併を条件付きで承認すると発表した。

3月27日の欧州委員会の承認に次ぐものだが、米、加、豪、ブラジルの承認はまだ得られていない。

付記

ブラジル当局は5月17日、ブラジルのコーン種子事業の一部の売却を条件に承認した。

両社は現時点で、2017年8月1日~9月1日の間に統合を行い、それから18カ月以内に会社分割を行う予定としている。

欧州委員会は、
既存農薬の多くの市場での著しい競争の減少
農薬でのイノベーション競争の著しい減少及び
特定の石油化学製品(アクリル酸コポリマー)で著しい競争の減少を懸念した。

これに対し、両社は、
①については、DuPontの農薬事業のかなりの部分をR&D組織を含めて売却するとし、
②については、Dow
はスペインと米国のアクリル酸コポリマー製造拠点の売却及び購入販売しているアイオノマーの購入契約の譲渡を約束し、承認を得た。

2017/2/15 Dow とDuPont、合併承認を求め、事業売却を提案 

2017/3/28 EU、条件付きでDow / DuPont 合併を承認 

②については、Dowは承認を受ける前の2月2日、グローバルのエチレンアクリル酸コポリマー事業(スペインと米国のアクリル酸コポリマー製造拠点)と購入販売しているアイオノマーの購入契約をSK Global Chemical に売却する契約を締結した。

①については、DuPontは3月31日、FMCとの間で、同社の農薬部門の一部を研究開発部門を含めて売却する契約を締結した。

2017/4/4 DuPont、FMCに農薬事業を売却、健康・栄養事業を買収


中国商務部の懸念も欧州委員会と同様で、このうち①の農薬についてはコメ用の除草剤、殺虫剤を問題にした。

承認条件は次の通り。

①について、
 ・DuPont のコメ用除草剤 
metsulfuron-methyl、tetrazosulfuronの原体、製剤関連の全て(R&Dを含む)の売却
 ・DuPontのコメ用殺虫剤 
Bromocriptine、chloramphenic benzamide、indoxacarb の原体、製剤関連の全て(R&Dを含む)の売却

 ・承認後5年間、下記製品を非独占でリーズナブルな価格(過去12カ月平均より高くない価格)で中国企業に供給

DuPontの除草剤 bensulfuron-methyl、bensulfuron-methyl-oxazolone、pyrazosulfuron の原体、製剤
Dow のコメウンカ防除剤 
fluoroacetaminonitrileの原体、製剤

 ・承認後5年間、DuPontの7製品、Dowの2製品について中国で独占販売権を与えない。

②については、欧州委員会と同様、アクリル酸コポリマー事業とアイオノマー事業の売却 (処理済)



商務省は5月4日、3月度の貿易統計を発表した。

それによると、全体では437億ドルの赤字で前月より1億ドル改善し、「財」だけでは655億ドルの赤字で前月比 3億ドル悪化した。

輸出 輸入 貿易収支
サービス サービス サービス
1月 1,281 644 1,925 1,977 430 2,407 -695 214 -482
2月 1,283 643 1,927 1,935 429 2,364 -652 214 -438
3月 1,263 647 1,910 1,918 429 2,347 -655 218 -437
3,827 1,934 5,762 5,829 1,289 7,118 -2,002 646 -1,356


第1四半期では1,356億ドルの赤字で、前年同期比で94億ドル悪化したが、前期比では33億ドルの悪化である。


商務省は同日、メキシコと日本に対する貿易赤字が持続不可能な率で増えているとの異例の発表を行った。

メキシコとの貿易赤字は前月比で3.6億ドル増加し、日本との貿易赤字は16億ドルも増えたとする。

Ross商務長官は、「米国は最早、これら貿易相手との間の膨らんだ貿易赤字を続けられない。トランプ政権は不均衡な貿易関係から米国の労働者、企業を守るため、貿易関係を是正すると約束している」と述べ日本との貿易不均衡の是正を急ぐ考えを改めて示した。

メキシコについてはNAFTA再交渉を控える。

米国の貿易赤字が大きい中国とドイツについては、3月は前月比で偶々、それぞれ3.3億ドル、3.5億ドルのプラスとなっており、やり玉にあがらなかった。

それどころか、中国については以下のように述べている。

中国は依然として米国の最大の貿易赤字の元であるが、「財+サービス」合計では2016年第4四半期は前年同期とくらべ2.5% 改善している。
(確かに803億ドルから783億ドルに2.5%改善している。)

今回の発表では、国別の貿易収支については、「財」については3月までを発表しているが、「財+サービス」は昨年12月までしか発表していない。

米国の貿易赤字が大きい4か国の状況は次の通り。

「財」 「財+サービス」


対日赤字を見ると、3月は2月と比べると「財」では確かに赤字は16億ドル増えているが、第1四半期合計でみると前年同期比で3億ドルしか増えておらず、前期比では14億ドルの減少である。また「財+サービス」では、2016年第4四半期は前年同期と同じである。

2月の減少で3月の赤字が増えたのであり、単月の増減を取り上げるのはおかしい。

米国の財政赤字が持続可能でないことは事実だが、「メキシコと日本に対する貿易赤字が持続不可能な率で増えている」との商務省の発表は妥当でない。

東芝の半導体事業の東芝メモリの売却先を巡り、動きが急である。

米半導体大手のBroadcom Ltd.、東芝の四日市工場で半導体事業に共同投資する米Western Digital Corp、シャープを傘下に持つ台湾の鴻海精密工業(Foxconn)、半導体大手の韓国SK Hynix の4陣営が有力とされたが、技術の海外への流出を恐れる日本政府が動いた。

官民ファンドの産業革新機構は4月28日、「産業革新委員会」で出資方針について確認し、米投資ファンドなどとの連携に動き出した。

Western Digital は、東芝の取締役会宛ての4月9日付の同社CEOのレターで、東芝メモリの分割がJV契約の重大な違反であるとしている。入札手続きは東芝の株主の利益にならないとし、独占交渉を求めている。

Western Digital は2016年5月にSanDisk の買収を完了したが、その SunDisk は1999年にNAND型フラッシュメモリ事業に関する提携で東芝と基本合意した。

当初、米国での共同生産を行ったが、その後、実質折半出資のJVが東芝の工場の建屋内に設備を所有し、生産を行い、製品を折半で引き取っている。これまで日本に90億ドルもの投資をしたという。

2017/4/14 東芝の半導体売却に新たな難問


付記 東芝社長とWestern DigitalのCEOが5月10日会談した。両社の見解の対立が続くが、打開策を模索する。

Western Digitalは、他社への売却に異議を唱え、売却に拒否権を持つと主張。

東芝は、Western Digital がSunDiskを買収した際に東芝の同意を得ていないため、他社への売却の拒否権はないと主張。
妨害行為をやめなければ、施設からWestern Digital の技術者らを締め出すとしている。

ーーー

Western Digial は2016年5月のSunDisk 買収まではハードディスクドライブ(HDD) 専業メーカーで、2011年に日立から事業を買収して大きくなった。

同社は1970年にGeneral Digitalとして設立され、当初は主にMOS半導体の試験装置の製造企業だったが、その後、特殊な半導体を製造する企業となった。
1971年7月、Western Digital に改称した。

1975年には、世界最大の独立系電卓チップメーカーとなり、1980年代前半にストレージ事業に参入 した。

その後、事業を多角化し、 グラフィックカード、チップセット、ネットワーキングなどに拡大していった。

1988年に Tandon Corporationのハードディスク生産工場を買い取り、ハードディスクに専念することを決め、他の部門を売却した。

1995年頃になると低迷期を迎え、 1998年にIBMに援助を求め、市場での地位を取り戻した。


日立は2002年6月にIBMのハードディスクドライブ(HDD) 事業の買収を決めた。IBMの知的所有権を含めたHDD関連資産の大半を、3年間の分割払いとして20億5千万ドルで買収するもの。

まず、日立70%、IBM 30% 出資の新会社 Hitachi Global Storage Technologies をカリフォルニア州に設立し、IBMの事業を移し、2003年1月に営業を開始、同年4月に日立のストレージ事業部を分割し、統合した。

日立から約6,800名、IBMから約14,700名の計約21,500名で、日米5カ所の開発拠点、7カ国8カ所の製造拠点などを持つ。

IBMへの支払い完了の2005年末に日立100%とした。

その後、日立にとってHDD事業は、薄型TVと並んで赤字のもととなった。2010年第4四半期にようやく短期黒字に到達したが、市況により業績が大幅に上下することが問題であった。

日立は2011年3月7日、100%子会社である Hitachi Global Storage Technologies をWestern Digitalへ売却すると発表した。
(Western Digital は買収した Hitachi Global Storage Technologies
の社名を、この略号である HGST に改称した。)

売却額は約43億ドルで、35億ドルの現金とWestern Ditigalの株式2,500万株(7億5,000万ドル相当)で支払われる。
これにより、日立はWestern Digitalの株式10%を保有する筆頭株主となり、2名の役員を派遣した。

日立は2013年に取得した株式の半分を売却、2014年には残る 1250万株の半分を売却した。(残りについての現状は不明。)
Western Digitalの株は当時から上昇しており、大きな利益をあげた。

Western Digital の元の技術はTandonの技術だが、TandonはPC向けの小容量HDDを主力にしていたメーカーであった。
同社はHGSTの買収で、日立と(以前に支援を受けた)IBMのトップ技術を取得することとなった。

Western Digital は2015年10月21日、SunDisk を190億ドルで買収すると発表 、2016年5月12日、買収手続きを完了した。
再び、半導体事業に戻った。

東芝とSunDisk の提携関係は買収後も維持され、現在に至っている。



共和党と民主党は4月30日夜、9月末までの資金を手当てする1.16兆ドルの暫定予算案について合意した。

これまでの予算は4月28日までのもので、2016年度の残り期間(9月30日まで)の予算が4月28日までに通らなければ、政府機関の閉鎖に追い込まれるが、米上下両院は4月28日、5月5日を期限とする1週間のつなぎ予算を可決、ひとまず政府閉鎖を回避した。

2017/4/26 米政府機関閉鎖の可能性

4月30日の合意に基づき、米下院は5月3日、309 対 118 で暫定予算案を可決した。その後上院に送られた。

付記 上院は5月4日、これを 賛成 79、反対 18、棄権 3 で可決した。

Trump大統領が執着したメキシコ国境の壁建設については見送られた。代わりに国境警備強化で支出を15億ドル増やすことで合意した。新技術や既存インフラの改修などが含まれるとしている。

大統領は国防費を300億ドル増額するよう求めていたが、半分以下の125億ドルが認められた。


Trump大統領は、予算を通すのに上院で60%の賛成が必要なことについて Twitter で不満を表明した。

2018年の中間選挙で共和党上院議員をもっと選ぶか、ルールを変更して51%にすべきだとし、9月に与野党が合意できず政府機関が閉鎖されても構わないと民主党に脅しをかけた。

The reason for the plan negotiated between the Republicans and Democrats is that we need 60 votes in the Senate which are not there!
We either elect more Republican Senators in 2018 or change the rules now to 51%. Our country needs a good "shutdown" in September to fix mess!

ドイツの後発薬メーカーのFresenius Kabi は4月24日、米国の後発薬メーカー Acorn, Inc. を買収すると発表した。

買収額は約43億ドルで、さらに約4億5千万ドルの債務を引き継ぐ。

Acorn は処方薬、OTC医薬品のメーカーで、注射薬、塗り薬、軟膏、点眼液、液、点耳薬、スプレー式点鼻薬、喘息薬などを扱う。


Fresenius Kabi はまた、Merck KGaAのバイオシミラー(バイオ後発薬)事業を買収することで合意した。

買収額は最高 670百万ユーロで、買収完了時に170百万ユーロを支払い、約500百万ユーロは実績をもとにしたマイルストーン支払いである。

Merck KGaA はドイツの医薬品会社で、米国のMerck & Co., Inc. とは別会社である。

Merck & Co., Inc はドイツのメルク一族が米国につくった会社だが、第一次世界大戦で敵国企業の子会社として米国政府に接収され、1917年に独立した。接収後は両社は別会社である。

2006/3/23 2つのMerck社

バイオ後発薬は医薬品のなかでも高成長が見込まれている。

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ドイツの後発薬メーカーSTADA Arzneimittel に対しては、Bain Capital と Cinven Partnersの共同でのTOBが進行中で、6月8日に締め切られる。

STADA はPfizerの性機能改善薬「バイアグラ」などの後発薬と大衆薬が主力で、欧州の後発薬メーカーでは、Novartis傘下のSandozやドイツのFresenius Kabi などに次ぐ。

同社は2月12日、英投資会社Cinven Partners LLP から買収提案を受けたと発表した。買収総額は35億ユーロ。
これとは別に買収提案を受けているとしており、双方の提案を吟味して対応を決める方針。

同社は翌2月13日、米投資会社Advent International Corporation からも買収提案を受けたことを明らかにした。

2月16日には他の1社からのオファーがあったと発表した。(社名はあきらかにせず)

2月25日に、個別の交渉ではなく、入札によることを決めた。

同社は4月10日、入札の結果、Bain Capital と Cinven Partnersの共同でのTOBに決めた。

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米医療機器メーカーのBecton, Dickinson and Companyは4月23日、同業の米C. R. Bard, Inc.240億ドルで買収すると発表した。

注射器や輸血用機材、検査器具などを扱うBectonは、血管疾患や感染予防、外科手術などの専門分野に強みを持つBardの買収で事業領域を拡大する。


日立製作所は、中核事業に経営資源を集中する一方、非中核事業は売却し、収益率を高める選択と集中を徹底するため、黒字の連結子会社 日立国際電気の売却を決めた。

日立製作所は4月26日、KKR (Kohlberg Kravis Roberts) の所有するHKEホールディングス合同会社及び日本産業パートナーズが出資するHVJホールディングスとの間で、下記の契約を締結した。

 ①HKEが日立国際電気を完全子会社とする(上場廃止)

HKEはTOBで日立以外の株主から株式を取得、その後、日立国際電気は日立所有の51.67%を907億円で買収する。

 ②そのうえで、日立国際電気を分割し、
   a. 成膜プロセスソリューション事業を独立させてHKEが吸収

   b. 映像・通信ソリューション事業が残る日立国際電気に、日立製作所とHVJが各 20%の出資を行う。
      (HKE 60%、日立 20%、HVJ 20%のJV)

日立国際電気は、日立グループ内で無線通信機器や放送・映像機器の製造販売を手がけていた、国際電気・日立電子・八木アンテナの3社が2000年10月1日に合併して誕生した。(八木アンテナはその後、同社の100%子会社として分社化し、現在、日立国際八木ソリューションズと改称している。)

2009年には日立グループの総合力強化と日立国際電気のグローバルな事業拡大をめざし、日立が公開買付により連結子会社とした。

現在の事業は下記の通り。

  • 映像・通信ソリューションセグメント
    • 無線通信システム
    • 情報処理システム(証券・金融ソリューションシステム、株価通報システム、マルチメディア情報表示システム)
    • 放送システム
    • 監視システム・画像処理
  • 成膜プロセスソリューションセグメント
    • 半導体製造装置

日立および日立国際電気は、下記の状況を鑑み、それぞれの事業ごとに経営の最適化を追求する方が各事業の企業価値の向上に資するとの認識に至った ため、 2016年9月下旬より複数の買手候補先に打診を開始し、入札手続を実施し、2017年4月上旬、KKRおよびJIPを最終買付候補者として選定した。

映像・通信ソリューション 成膜プロセスソリューション
状況 顧客ニーズの焦点が、従来の製品・システムから、課題解決のためのソリューションへとシフト 主要顧客である韓国サムスン電子などアジア向けの販売拡大が続くが、技術革新が著しく、今後一層の競争激化が予想される
課題 コア技術を駆使したIoT高信頼無線や映像セキュリティなどの高成長ソリューションを中核とする事業モデルへの転換による、社会インフラソリューション事業の拡大 競合他社に先行する研究開発・設備投資の拡充
取引後 日立が少数株主として再出資

日立グループによる社会イノベーション事業との協業により業容を拡充する機会がますます増えることも期待される。

KKRの子会社

KKRのグローバルリソース・ネットワーク・ノウハウ・半導体関連分野における豊富な投資経験を活用


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日立はインフラやITへの事業シフトを急いでおり、最近、相次いで非中核事業の売却を進めている。

日立物流
2016年3月30日、日立物流の株式3234万9700株を875億円で SGホールディングスと譲渡契約を締結した。

譲渡により日立物流に対する日立の議決権所有割合は59.02%から30%となり、連結子会社から持分法適用会社となる。


日立キャピタル

2016年5月13日、所有する日立キャピタルの株式 60.6%のうち、27.2%の売却を決めた。

23.0%を三菱UFJフィナンシャルに、4.2%を三菱UFJリースに売却する。

売却により日立キャピタルに対する日立の議決権所有割合は60.6%から33.4%となり、連結子会社から持分法適用会社となる。

日立キャピタルと三菱UFJリースは経営統合を一つの選択肢とした関係強化に向け協議を開始する。


日立工機

2017年1月13日、子会社で電動工具大手の日立工機の株式 (51.24%)を米投資ファンドKKRに売却すると正式発表した。KKRが実施するTOBに応じるもので、売却金額は751億円。

KKR発表によると、日立工機の全株式取得の金額は1,471億円。


日立は売却で得る資金を成長投資に振り向け、中核事業に集中する。2019年3月期までの2年間で、総額 1兆円をM&Aに振り向ける。


Dow Chemical と他の2社を代表する弁護士が4月13日に、農薬を管轄する3省庁のトップに対し、広く使われている殺虫剤が多数の絶滅危惧品種に有害であるという政府の報告書を、根本的に問題があるとの理由で、撤回することを求めるレターを出した。 研究結果は科学的ベースが信頼できないとしている。

http://interactives.ap.org/2017/dow-epa/

Dow Chemical のAndrew Liveris 会長兼CEOがTrump大統領の就任式典に100万ドルを寄付したことや、White Houseの製造業問題ワーキンググループのトップであること、Trump大統領が選んだEPA 長官が反EPA派であることなどと関連付け、各紙が大きく取り上げている。

問題の殺虫剤は下記の通り。

殺虫剤 メーカー
chlorpyrifos Dow Chemical
diazinon ADAMA Agricultural Solutions
malathion FMC Corp.

chlorpyrifosはダーズバンの商品名で販売されている。

ADAMAはイスラエルのジェネリック農薬メーカーで、旧称 Makhteshim Agan。
1997年にイスラエルのMakhteshim と Agan が合併した。
2011年に中国の中国化工集団(ChemChina)が株式の60%を買収した。(ChemChinaは2016年にスイスのSyngentaを買収している)
2014年にADAMAに改称。

提出した相手は、EPAのScott Pruitt長官、海洋漁業局を管轄する商務省のWilbur Ross 長官、魚類野生生物局を管轄する内務省のRyan Zinke長官。

種の保存法(Endangered Species Act)を管轄するこの 3省庁の科学者が過去4年にわたり、1万ページ以上の記録を積み上げ、3種の殺虫剤が、1800種の絶滅危惧種のほとんど、研究した種のほとんど全てにとってリスクとなることを示した。

EPAの調査では、chlorpyrifosが、絶滅危惧またはその危険がある蛙、魚、鳥、哺乳類の種を含む1835種の動植物のうち1778種に悪影響を与える恐れがあることが分かった。malathion と diazinonでも同じ結果が出ている。

政府の科学者の一人は、絶滅危惧種の多くは水生で、ヒトが飲み水として使う川や湖の長期の汚染の影響を最初に示すため、炭鉱でのカナリヤの役目をしていると述べている。

3省では間もなく、研究結果を発表し、これら殺虫剤の使用の制限を行う予定である。

これらの有機リン殺虫剤は古くから幅広く使用されている。

この結果、これら殺虫剤の成分が飲み水のなかで一般的に見つかっている。2012年のカリフォルニア大学の調査では、新生児の臍帯血のサンプルの87%からchlorpyrifosが見つかっている。

2005年にBush政権は、ヒト、特に子供の健康リスクを理由に、蟻やウジ虫などの駆除のための家庭用使用を禁止する命令を出した。しかし、農家用、特に果樹や野菜用の使用は認められている。

環境運動家はこれまで、ヒトや絶滅危惧種に対するリスクをもっと厳密に調べるよう、法廷でEPAと争ってきた。

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Trump政権は雇用問題を環境問題の上に置いている。

Trumpの公約、「アメリカを再び偉大にする」ための100日間のアクションプランには次のものがあるが、既に多くの大統領令を出している。

シェール、原油、天然ガス、クリーンな石炭など50兆ドルものエネルギーの開発への制限を取り除く。
  
Executive Order on January 24, 2017 インフラ計画への制限の排除
  
Presidential Memorandum on January 24, 2017  製造業への制限の排除

Obama-Clinton が停めた Keystone Pipelineなどのエネルギー関係のインフラ計画を進める。
  
Presidential Memorandum on January 24, 2017  Keystone Pipeline建設
  
Presidential Memorandum on January 24, 2017  Dakota Access Pipeline建設

国連の気候変動計画への数十億ドルの支払を取り止め、その資金を米国の水と環境のインフラの補強に使用する。
  
Executive Order on March 28, 2017 Obama 前政権の地球温暖化対策を全面的に見直す。

2017/2/2  「トランプの公約」の現状

Trump大統領は4月22日の「地球の日」に、次の通り呟いた。

Today on Earth Day, we celebrate our beautiful forests, lakes and land. We stand committed to preserving the natural beauty of our nation.
I am committed to keeping our air and water clean but always remember that economic growth enhances environmental protection. Jobs matter!
自然の美を守る。空気や水を綺麗にすることを確約する。しかし、経済成長が環境保護を高めることを忘れてはいけない。雇用が大事だ!

大統領はまた、米国民の負担となる規制を緩和するための対策をとるよう指示する大統領令を出している。
   
Executive Order on February 24, 2017   規制改革の実施

大統領はEPA長官にScott Pruitt オクラホマ州司法長官を選んだ。連邦政府の規制を制限し、州政府の規制監督権限を取り戻すことを目指すなどEPAには批判的な立場で、気候変動に懐疑的であり、オバマ政権が気候変動対策の柱に据えたCO2排出規制「クリーン・パワー・プラン」にも反対している。

Pruitt氏のEPA長官への起用は、EPAの規模を縮小し、資源掘削・炭鉱採掘を許可するという大統領の方針に沿った動きである。


Pruitt長官は3月に早速、Dowのクロルピリホスの農薬利用禁止に関する嘆願書を退ける行政文書に署名した。

EPAは、オバマ政権時代の2015年10月、自然資源防衛協議会と北米農薬行動ネットワークから嘆願書を受け取り、農薬に使用されるクロルピリホス残留許容量基準の廃止、農薬使用の全面禁止を起案していた。

しかし、別の手法で計測したところ、EPAの根拠とは異なる結果が得られていた。

米農務省、全米州農業局協会、科学諮問委員会も同様にEPAの起案に対して懸念を表明していた。

Pruitt長官は、「人体や環境を保護しつつ、クロルピリホスに依存する米国農家数千人に対し規制の確定性を提供する必要がある」「世界で最も広く普及している農薬を禁止しようとした前政権の動きを巻き戻し、結果ありきの議論ではなく意思決定科学に基づく判断に我々は回帰する」と述べている。

Dowなどの今回の要求レターは、この決定の後に出された。

BPは4月27日、上海赛科石油化工(上海SECCO石油化工)の持分(50%) を、上海SECCOのパートナーのSinopecの子会社上海高橋石化 に16.8億ドルで売却することで合意したと発表した。

BPではこの決定を、同社の技術を生かし、競争的有利にある分野でグローバルに活動するという方針に沿うものであるとした。また、中国は同社の化学事業の主たる活動地域であり、新しい活動の場を求め続けるとしている。

上海SECCOはBP 50%/SINOPEC 30%/SINOPEC上海石化 20%のJVで上海漕泾化工(Caojing)地区のShanghai Chemical Industrial Parkに立地する。

2005年3月にスタートした。原料はナフサで製品は以下の通りであった。

現在の能力:
 エチレン 109万トン、BTX 65万トン、SM 65万トン、PS 30万トン、PE 60万トン、PP 25万トン、ANM 52万トン。

2006/4/6 中国のエチレン合弁会社

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BPは当初、エチレン、アクリロニトリル、HDPE、PP、PTA、パラキシレン、酢酸の7つの事業を化学事業の中でのコア事業としていた。

2006/8/29 BPの石油化学のオリジン

このうち、エチレン、アクリロニトリル、HDPE、PPの事業をスコットランドとフランスの石油精製とともにInnoveneとして分離、その後、2005年末にIneos に売却した。

2006/6/14 事業買収で急成長した化学会社

SECCOの事業はいずれもInnoveneの担当事業であるが、Sinopecとの関係で、本JVはBPに残した経緯がある。
恐らく、Sinopec側もパートナーがBPからIneosに代わることを望まなかったと思われる。

現在ではBPが関与する意味はなくなったため、JV相手のSinopecに引き渡し、Sinopecの100%子会社とするもの。


中国でのBPの他の事業は次の通り。

    酢酸JV Yangtze River Acetyls Company:YARACO

1995年にBP 51%、Sinopec 44%、地元 5%のJVのYARACOを設立、重慶で酢酸 40万トン、エステル8万トンの生産を開始した。

2015年に1系列として世界最大の60万トンプラントをスタートし、合計能力は100万トン。

酢酸JV BP YPC Acetyls Company (Nanjing) :BYACO

BPとSinopecは江蘇省南京市に50/50JVのBP YPC Acetyls Company (Nanjing) Ltd. (BYACO) を設立し、2010年8月に50万トンの酢酸の商業生産を開始した。

PTA JV BP Zhuhai Chemical

珠海に富華集団(その後 Zhuhai Port Coと改称)とのJVのBP 珠海ケミカル(BP 85%)を持つ。

2015年に第3期 125万トンの生産を開始、第1期 60万トン(当初 35万トン)、第2期110万トン(当初 90万トン)と合わせ、合計能力は295万トンとなった。

2011/2/22  BP、中国のPTA事業を拡大

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