「no」と一致するもの

LyondellBasellは2010年430日に民事再生法(Chapter 11)から離脱した。

2010/4/27 LyondellBasell、民事再生法から離脱

同社は2月18日に2010年決算を発表した。

大幅な増収増益となっている。

                                 単位:百万ドル
  2007年 2008年 2009年 2010年 前年比
増減
Sales 17,120 50,706 30,828   41,151 10,323
           
Operating Income 934 -5,928 317 2,944 2,627
(ノレン等償却除外)    (535)      
金利 -283 -2,407 -1,777 -1,236 541
その他損益 289 166 145 -134 -279
Reorganization     -2,961 26 2,987
債務免除益       13,617 13,617
資産再評価(Fresh-start       -5,656 -5,656
税引前損益 940 -8,169 -4,276 9,561 13,837
Tax -279 848 1,411 631 -780
純損益 661 -7,321 -2,865 10,182 13,057

特別損益として、債務免除益 13,617百万ドル、Chapter11離脱に伴うFresh-start accountingの適用による資産再評価で5,656百万ドルの損失の差引7,961百万ドルの利益を計上、純損益は10,182百万ドルの巨額の益となった。

2008年の営業損益にはLyondellBerre Refineryの買収に関するノレン等の償却 4,982百万ドルと225百万ドル(合計5,207百万ドル)及びLyondellBasell の在庫の評価減 1,256百万ドルの、特別損失合計 6,463百万ドルを含んでいる。
2008年の金利急増はLyondell買収による借入金増による。

2009年にはChapter11関連の費用やChocolate BayouのオレフィンやBeaumontのエチレングリコール工場の閉鎖費用、退職金、その他をReorganizationとして計上している。

部門別の売上高、営業損益は以下の通り。

売上高
                                   単位:百万ドル
  2007 2008 2009 2010   前年比
増減
Refining & Oxyfuels 478 17,370 12,078   15,069 2,991
Olefins & Polyolefins-Americas 2,823 13,193 8,614 12,589 3,975
Olefins & Polyolefins-others 13,145 13,489 9,401 12,834 3,433
Intermediates & Derivatives 350 6,218 3,778 5,574 1,796
Technology 363 434 543 510 -33
Other -39 2 -3,586 -5,425 -1,839
Total 17,120 50,706 30,828 41,151 10,323

営業損益
                                                       単位:百万ドル
   2007          2008      2009  2010 前年比
増減  
合計 うち
特別費用
除く
特別費用
Refining & Oxyfuels 21   -2,378 -2,965 587 -357   142 499
Olefins & Polyolefins-Americas 61 -1,355 -1,243 -112 169   1,363 1,194
Olefins & Polyolefins-others 934 220 -198 418 -13 526 539
Intermediates & Derivatives -42 -1,915 -2,057 142 250 669 419
Technology 152 202   202 210 108 -102
Other -248 -134   -134 29 -63 -92
Current cost adjustment 56 -568   -568 29 199 170
Total 934 -5,928 -6,463 535 317 2,944 2,627

 

 


目次、項目別目次

  http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


LyondellBasellの最近の事業の概況をまとめた。

2007年12月20日に、BasellLyondell Chemical との合併が完了し、LyondellBasell Industries が誕生した。

2007/12/24 LyondellBasell Industries 誕生

同社の体制は以下の通り。

 

1) オレフィン&ポリオレフィン事業

LyondellBasellのポリオレフィン能力は、世界最大である。
また、他のメーカーのほとんどがLyondellBasellの技術をいくつか使用している。

LyondellBasellの能力(2009年末)は以下の通り。

単位:千トン、BTXは百万ガロン
  Americas Others
  JV込み 単独 備考 * JV込み 単独 備考
Ethylene 4,400  4,400   2,900  1,900  
Propylene     2,000 2,000 Houston refinery
refinery-grade含む
2,400 1,200 Berre refineryrefinery-grade含む
Propylene from Flex 500 500 Channelview
ethylene
から変換
     
Butadiene 500 500   249 249  
Benzene   (195)        
Toluene   (40)        
             
PP 2,000 1,400 JV Indelpro 5,800 2,720 うちTerni, Italy 250は閉鎖予定
閉鎖した
Wesseling, Germany110は含まず。.
HDPE 1,500 1,500   1,800 1,080 再建中のMunchsmunster, Germany 320含まず
LDPE 600 600   1,300 790 閉鎖したCarrington, UK185
Fos-sur-Mer, France 110 は含まず
LLDPE 600 600        
PP compounds       1,100 975  
Catalloy resins 272 272   272 272  
PB-1 resins       50 50  
    * 2009停止のChocolate Bayou を除外(Ethylene 500, Propylene 300, Butadien 70

JVの能力

Name Location Lyondell
Basell
出資比率
Other Parties Total Capacity (千トン)
C2 C3 HDPE LDPE PP PP
C'pd
Indelpro Mexico 49% Alfa         600  
Saudi Petrochemical Co. Al-Jubail 25% Tasnee    460     720  
Saudi Ethylene and
Polyethylene Co.
Al-Jubail 25% Tasnee
Sahara Petrochemical
 1,000 280 400 400    
Al-Waha Al-Jubail 21% Sahara Petrochemical

and others
  460      450  
HMC Polymers Thailand 29% PTT         450  
Basell Orlen Polyolefins Poland 50% Orlen     320 110 400  
PolyPacific Australia &
Malaysia
50% Mirlex Pty.           75
SunAllomer Japan 50% Showa Denko
Nippon Oil
        360 50
           
PolyMirae South Korea 42% SunAllomer         700  
合計       1,000  1,200 720 510  3,680 125

2) Intermediates & Derivatives (JV分を100%含む 単位:千トン)

PO & Derivatives PO   2,360 寧波 270含む
PG 545  
Butanediol 180  
PG Ethers 250  
SM SM 2,890 寧波 590含む
EO & Derivatives EO 360  
Mono Etylene Glycol 320  
Acetyls Acetic Acid 540  
VAM 320  
TBA Intermediates Isobutylene 635  
Flavors & Fragrances   25  

3) Refining & Oxyfuels

  barrels/day kt/y
Houston Refinery 268,000   14,500
Berre Refinery, France 105,000 5,100
Oxyfuels
(MTBE&ETBE)
Channelview 46,000 3,200
Fos-Ser-Mer, France 15,000
Boltek, Netherland 14,000

 


目次、項目別目次

  http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


韓国最大の企業グループ、Samsung Groupは225日、遺伝子組み換え技術などを使うバイオ医薬品事業に新規参入すると発表した。

第1弾として受託生産事業に乗り出すため、米Quintiles Transnational Corp. と合弁会社を設立する。

資本金は約3000億ウォン(266百万ドル)で、サムスン電子とグループの持株会社サムスン・エバーランドが40%ずつ出資し、サムスンC&TとQuintilesが各10%出資する。

ソウル近郊の仁川(インチョン)で本年上期に工場建設を開始、2013年上半期から生産開始する。
同日、仁川経済自由区域庁との間で、仁川・松島の経済自由区域27万平方メートルにプラント建設する趣旨のMOUを締結した。

当初の生産品目はがんや関節炎などを治療するバイオ医薬品。年間で約600キログラムを生産して大部分を海外に輸出する。

ーーー

三星グループは2010年5月11日に新事業戦略を発表した。

2010年3月に経営の第一線に復帰した李健煕会長主宰で新事業関連社長会議を開き、確定したもので、未来の新事業は、太陽電池、自動車用電池、発光ダイオード(LED)、バイオ製薬、医療機器の5つ、2020年まで23兆3000億ウォン(約1兆9000億円)を投資するというもの。(うち、バイオ医薬には2兆1000億ウォン)

  2010/5/12 三星グループの新事業戦略

サムスンは医療関連事業の融合・複合化を推進する方針。

サムスン総合技術院(Samsung Advanced Institute of Technology)は米国のバイオベンチャーのMacrogenと共同で、政府の国策事業となっているゲノムプロジェクト「第3世代DNAシークエンス装備開発」の事業者に名乗りを挙げる。
第3世代が成功すれば、
DNAの複製が不要になり、一人当たり約1,000米ドルで分析が可能になるという。

Samsung Medical Center2006年にMacrogenとの間で、clinical medicinediagnostic chips の開発の協力契約を締結している。

Samsung Medical Centerはまた、20103月に、Samsung SDSInformation Communication Technology担当)とともに、米のバイオテクノロジー企業 Life Technologies との間で、「全遺伝情報シーク エンスおよび遺伝子基盤の診断・治療グローバルサービス事業」に関するMOUを締結している。

Samsung Medical Center1994年に、「最善の診療、先端医学研究、優秀な医療人材の養成により、国民の健康向上に寄与」することを設立理念として設立された。

サムスン電子は2009年7月、バイオシミラー事業への参入を宣言した。
バイオ企業の梨樹アブシス、ジェネクシン、プロセル製薬と共同
で行うバイオシミラー製品開発が政府の「新成長動力スマートプロジェクト」の26課題のひとつに選定された。

サムスン電子は、2009年2月にSKテレコム、サムスン生命保険、インソン情報、インフォピアなどとヘルスケアの企業連合を結成、3年間で計354億ウォンを投じ、約8,000人の慢性疾患患者に試験的に遠隔診療サービスを行っていく。

サムスン電子はまた、2010年に韓国中外製薬と提携してサムスン電子総合技術院が開発した「血液検査装置」の市販を開始している。

ーーー

Quintiles は統合バイオ・医薬サービス会社で、Clinical(臨床試験など)、Commercial(医薬品の営業・マーケティングに関連したサービス)、ConsultingCapital solutionsなどを行っている。60か国に23千人以上を抱える。

日本ではクインタイルズ・ジャパンが以下のサービスを行っている。

  • 国内における医薬品開発
  • 海外の臨床試験を通し日本の承認許可を加速
  • 欧米はじめ世界中の国々における営業活動の支援サービス
  • 柔軟性があり、高品質でコスト効果の高い能力を提供
  • 効果的な医薬品営業・マーケティング計画の企画・立案

目次、項目別目次

 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

イランでは2月17日にBandar Imam Pars の石化コンビナートで、Ahmadinejad大統領が出席し、以下の石化プラントの開所式が行われた。

Bandar Imam のPetrochemical Economic Zone
  Amir Kabir Petrochemical(通称Olefin 6)の
LDPE 30万トン(310百万ドル)
  Fajr Centralized Utility Plant の第二期(電力
640MW、蒸気750t/hほか、280百万ドル)
  リン酸 
25万トン、

Pars Economic Zone
  Mobin Centralized Utilityの第二期
  
Methanol-to-propylene pilot plant
  Vinyl Acetate Monomer pilot unit

イランでは、米国やEUがイランに課した制裁により、Siemensなどの外国企業が協力を止め、撤退する中で、完成させたとして誇っている。

現在、多くのプラントを建設中(後記)で、順次完成の予定。

ーーー

イランの最初の石化プラントは現在のBandar Imam イラン・ジャパン石油化学である。

2006/3/27 イラン・ジャパン石油化学(IJPC)の歴史

日本の撤退後、1990年に入り、イラン側は社名をBandar Imam Petrochemical Company に変更、韓国企業を使って設備の再建を行った。

その後、これに隣接してPetrochemical Economic Zone をつくり、順次プラントを建設した。

これとは別に、Pars地区にもPars Economic Zoneをつくり、多くのプラントを建設した。

2004年にはNPC西部地方の経済発展を図るという政府の方針の下で、両Special Economic Zone から総延長2,285kmのエチレンパイプラインを西部国境沿いに建設した。年間280万トンのエチレンを北部に輸送、沿線に石化プラントを建設している。

NPCは更に、South Parsのガス田から北東部のKhorazan州に500kmNorth Pipelineを建設した。
201011月に天然ガスの輸送が開始された。

今後、沿線にGas-to-Liquid や化学肥料などの石油化学工場が建設される。

NPCはまた、Assaluyeh から南部のChabaharまでのPipelineの建設も計画している。

 

イランの既存の石化計画と現在建設中の石化計画の概要は別紙のとおり。(右側が現在建設中のもの)

http://kaznak.web.infoseek.co.jp/ichiran/iran/contents.html

 


目次、項目別目次

  http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

サウジのPolysilicon Technology Company(PTC)は2月28日、ポリシリコン計画第一期の工場建設について、韓国の現代エンジニアリング及びKCC建設との間で、380百万ドルのLump Sum Turn Keyベースの設計・購買・建設契約を締結したと発表した。

PTCはサウジのSwicorp Joussour Company (SJC) Chemical Development Company (CDC)が出資するMutajadedah Energy Company (MEC)が50%、韓国のKCC(旧称金剛高麗化学が50%出資するJVで、Al Jubail Industrial City 2 に第一期として年産 3,350トンの太陽電池グレードのポリシリコンを建設する。

最終的には、年産能力を12,000トンに増やすとともに、インゴットやウェハーなど川下にも進出することを計画している。

ーーー

SJC CDC20081月にポリシリコン工場建設のJV設立契約をノルウェーの太陽電池用シリコンウェーハのメーカーNorSun ASと締結した。

当初、NorSun50%、SJC CDCが25%ずつ出資するが、NorSun事後にStanford University Dr. Richard Swanson が設立したSunPower Corporation JV持株の半分を譲渡する契約を結んだ。

ポリシリコンの当初の能力は年500MW相当で、2010年に商業生産開始、将来的には2000MWまで拡張する計画で、NorSun は当初の生産量の50%を10年間引き取る契約を締結した。

NorSun AS は2008年3月に、シンガポールJurong島に、太陽電池用の単結晶型シリコンウェハー工場を建設することを決めたと発表した。
既存のフィンランドの
Vantaa 工場、ノルウェーのÅrdal に次ぐ第3工場で、原料シリコンはサウジのJVから供給するとしていた。

NorSun にはノルスクヒドロが17.7%、伊藤忠商事が3.3% 出資している。
(再生可能エネルギーに投資する
Good Energies21.9%、Scatec AS 19.2%)

2008/4/11  ノルウェーのNorSun、サウジでシリコン、シンガポールでシリコンウェハーを製造

事情は明らかでないが、2010年12月にKCCがNorSun からJVの持分を買収し、50%株主となった。

ーーー

KCCは1958年に金剛スレート工業として設立された。
1974年に高麗化学を設立、1989年に建設部門を分離、その後金剛化学と改称し、2000年に高麗化学と合併し、金剛高麗化学となった。
2005年にKCCと改称した。

主な事業は、建築資材、板ガラス、自動車用安全ガラス及び塗料で、2000年9月に金剛高麗化学60%、旭硝子40%出資で、自動車ガラスのJVの韓国自動車硝子を設立している。

KCCは2004年に韓国で初めて有機シリコンモノマーの量産に成功、2008年にポリシリコン事業への進出を宣言し、2010年2月、瑞山市の大竹産業団地で独自技術で年産6,000トンの超高純度のポリシリコンの生産を開始した。

同社はポリシリコン事業を次世代主力産業として位置づけ、2012年に年産18,000トン以上に生産規模を拡大することを計画している。

韓国ではKCCのほか、OCI(旧東洋製鉄化学)が16,500トン、Woongjin5,000トンのポリシリコン工場を持っており、サムスンとLGが進出を計画している。

韓国の状況については http://www.nri.co.jp/opinion/k_insight/2010/pdf/ki20100813.pdf

 


目次、項目別目次

  http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


富士フイルムは228日、米Merckからバイオ医薬品の受託製造会社を買収したと発表した。

Merckの全額出資子会社、英国のMSD Biologics (UK) と米国のDiosynth RTP買収、両社を100%子会社として新たにスタートさせる。買収額は明らかにしていないが、約400億円とされる

米国MerckはドイツのMerck KGaAから分離した。
このため、米国
Merckは米国、カナダ以外の地域では「MSD」(Merck Sharp & Dohme)の名称を使用、逆にドイツのMerck KGaAは米国とカナダでは「EMD」の社名を使用している。

がんやリウマチなど、未だに有効な治療方法が確立されていないUnmet Medical Needsが高い一部の疾患領域では、有効な治療薬として、バイオ医薬品に期待が高まっている。

今回買収した両社は、バイオ医薬品の開発・製造に必要なタンパク質を、効率的に細胞や微生物を使って発現させる高度なバイオテクノロジーや、培養から抽出、精製にいたるプロセスの管理ノウハウ、経験豊かな人材、製造設備を持つバイオ医薬品受託製造のリーディングカンパニーである。

これまで、Merckは両社を生産プロセスの開発から製造までを行うMSD BioManufacturing Networkとして一体運営してきた。

MerckSchering-Ploughとの合併を機にバイオ医薬品の受託製造事業を見直し、生産設備を最適化することに伴い、富士フイルムがこれらの2社を買収した。

両社の生い立ちは複雑である。

(1) MSD Biologics (UK)(MerckAvecia BiologicsICI

微生物を用いたバイオ医薬品の開発・製造受託事業者。バイオベンチャーや製薬企業からの業務を請け負う。

旧称はAvecia Biologicsで、元々はICISpecialty Chemicals1部門であった。

ICI1993年に Biochemicals 部門をスピンオフし、Zenecaを設立した際に、Specialty Chemicalsも同時にスピンオフされ、Zeneca SpecialtiesとしてZeneca子会社となった。

1999年にZenecaがスウェーデンのAstra と合併しAstraZencaとなった時に、Zeneca SpecialtiesMBOで独立、Aveciaとなった。

その後、Aveciaは買収と売却を繰り返した。

Avecia Biologics 2010年にMerck が買収した。

なお、Avecia2006年に三井化学にImage Polymers(米、英)の持分を売却、また、Avecia Inkjet を富士フィルムに売却している。

2010/4/24  Avecia の変遷

(2) Diosynth RTP:(MerckSchering-Plough AkzoCovanceCorning

細胞や微生物を用いたバイオ医薬品の開発・製造受託事業者。バイオベンチャーや製薬企業からの業務を請け負う。

198090年代にCorning, Incorporated が多数の医薬開発会社を買収したが、同社は19971月にこれらをまとめてスピンオフし、Covance Inc.を設立した。

同社の子会社の1つがCovance Biotechnology Services Inc で、2001年にAkzo Nobel が買収し、Diosynth RTPと改称した。

Akzo Nobelの医薬事業の3本柱の一つであった。

Organon:経口避妊薬、不妊症治療薬、その他医薬品 (世界50か国で展開)
Diosynth:受託生産
Intervet :動物用医薬品 

Akzo20051月にDiosynthOrganonに吸収させたが、2007年にそのOrganonSchering-Ploughに売却した。

AkzoOrganonの売却資金でICIを買収した。

2007/8/13  Akzo ICI を買収

Merck 20093月にSchering-Plough を買収した。

2009/3/11 Merck、米Schering-Plough を買収

この結果、MSD Biologics (UK)Diosynth RTPはともにMerck100%子会社となり、MSD BioManufacturing Network として一体運営してきた。

ーーー

富士フイルムは、医療関連の事業を重要な成長分野として位置付け、「予防~診断~治療」の全領域をカバーする総合ヘルスケアカンパニーを目指した事業展開を進めている。

2008/2/19 富士フイルム、富山化学を買収、総合ヘルスケア企業を目指す

2010/2/22  富士フイルム 医薬品開発・販売に本格参入

2010/9/3  富士フイルム、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングと資本提携

 

 


目次、項目別目次

  http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

イラク北部Baiji の同国最大の製油所で2月26日、少なくとも4人のテロリストが侵入し、設備を爆破した。従業員4人が死亡した。
大火災が起こり、全プラントが停止した。

製油所全体の能力は日量29万バレルで、爆破されたNorth Refinery は日量15万バレル。
もう一つの Salahuddin Refineryは改造中で、約5割の7万バレル程度の操業をしていた。

石油省報道官は早期の操業再開を目指すとしているが、復旧に2年はかかるという説がある。

この製油所は、以前は al-Qaeda が長期間支配し、活動の資金源となっていた。

イラクには現在、北部のBaiji、バクダッド南部のDora、南部のBasra 3つの製油所があり、合計の精製能力は日量55バレル。

2010/7/14 イラク、4製油所を新設、外資導入 

2月初めにはバグダッドの北でパイプラインが爆破され、Dora製油所の操業に支障が出た。


目次、項目別目次

 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


BHP Billitonは2月22日、Chesapeake Energyからアーカンソー州のFayetteville Shaleの権益全てとパイプラインを47.5億ドルで買収すると発表した。

同社では、これは将来の開発で量的拡大が見込める大規模・長期・低コストの資産に投資するという戦略に沿ったものであるとしている。
また、地理的、需要家、製品の多様化というゴールにも合うものとする。

買収するFayetteville shale 資産はアーカンソー州の約487千エーカーの鉱区のリースと天然ガス資産で、現在、日量4立方フィートのガスを生産しており、40年間にわたりより多くの生産が見込まれる開発オプションを含んでいる。

ーーー

Chesapeake Energyの現在の鉱区は以下の通り。

このうち、Eagle Ford Shale については中国のCNOOC60万エーカーのリース権益の33.3%を購入している。

       2010/10/18  CNOOC、テキサス州のEagle Ford Shale projectに参加   



目次、項目別目次

 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


BP217日、中国のPTAの拡大計画を発表した。

現在、珠海BP 珠海ケミカル(BP 85%)に第1、第2系列合計で150万トンの能力を持つが、第2系列のデボトルネッキングで20万トン以上の増強を行い、合計能力を170万トンにするとともに、1系列では世界最大となる最新技術の125万トンの第3系列を新設する。

BP 珠海ケミカルは1997年にBPが85%、富華集(その後 Zhuhai Port Coと改称)が15%出資して設立された。

Zhuhai Port 1986年設立で、港湾物流、港湾開発、電力事業を行っている。

2003年に第1系列(当初35万トン)、2008年に第2系列(90万トン)の生産を開始した。

第1系列はその後、58万トンに増強し、合計能力は150万トンとなっている。

第2系列のデボトルネッキング(20万トン以上の能力増)は既に設計を完了しており、2012年1Qに生産開始の予定。

第3系列は能力125万トンで、1系列では世界最大となる。BPの最新技術を世界で初めて使用する。
2014年スタートを計画しており、中国のPTAの需要の増大に対応する。

ーーー

BPの石油化学の歴史については下記参照。

2006/8/29 BPの石油化学のオリジン

同社は20054月に石油化学の大半をInnoveneとして分離、2005年末にIneosに売却した。

2006/6/14  事業買収で急成長した化学会社」 参照

現在のBPの石油化学は、中国のエチレンJV(上海SECCO石油化工と、酢酸・パラキシレン・PTAである。

BPPTAに関しては、世界市場の15%JV能力を含めると18%)のシェアを持っている。

BPの生産基地は以下の通り。(単位:千トン)

  立地(及びJV名) PTA PX 酢酸 その他
欧州 Geel, Belgium  1,400 560   purified isophthalic acid
Hull, UK      500 acetic anhydride
米国 Decatur, AL 1,000   naphthalene dicarboxylate 2,200
Texas City, TX *1
(540)
 2,000
(MX込み)
  *1
Sterling Chemicals
PTA 540を生産委託
Cooper River, SC 1,250      
中国 重慶
 
Yangtze River Acetyls (YARACO *2)
    400 ethyl acetate and butyl acetate 80
南京
 
BP YPC Acetyls Company (Nanjing) (BYACO *3)
    500  
珠海
 
BP Zhuhai Chemical *4
580
900
    2系列増強  +200
3系列新設  1,250
Malaysia Kuantan 700      
Kerteh
 BP Petronas Acetyls *5
    540  
Indonesia Merak
 PT Amoco Mitsui *6
500      
韓国 Ulsan
 Samsung BP *7
売却   450 2006/7/26 
BPが韓国のPTA事業から撤退
Ulsan
 ASACCO *8
      VAM 160
台湾 Kaoshiung and Taichung
 China American Petrochemical Company (CAPCO)*9
2,000      
Mai Liao
 Formosa BP Corporation *10
    300  

*2 BP 51/Sinopec Sichuan Vinylon Works 44/Chongqing Energy Investment Group 5
*3
 BP 50/Sinopec 50
*4
 BP 85/Zhuhai Port Co. 15
*5
 BP 70/Petronas 30
*6
 BP 50/三井化学 45/三井物産 5
*7
 BP 51/Samsung 49
*8
 BP 34/Dow 34/Samsung 32
*9
 BP 61.43/Chinese Petroleum Company 38.57
*10 BP 50
/Formosa Chemicals and Fibre Corporation 50

 


目次、項目別目次

 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


産業技術総合研究所(産総研)は日本ゼオンの協力を得て、高純度単層カーボンナノチューブ(CNT)の大量生産設備の開発を進めていたが、2月14日、1日あたり600gの生産能力を実現したと発表した。

単層CNTは電気を流す性質や強度、熱伝導性などが優れるが、従来の実験室レベルでの合成装置はバッチ式で、生産量は日産1グラム程度にとどまっていた。

産総研は今後、単層CNTの基盤研究を加速し、大量試料を必要とする用途研究開発を推進する。

ーーー 

産総研は2004年に単層CNT生産技術のスーパーグロース法を開発した。

単層CNTの合成手法の一種の化学気相成長法では、触媒下でメタンやアセチレンなどのガスを500~1200℃の比較的低温で反応させて、CNTを得る。

スーパーグロース法は、水分を極微量添加することにより、通常は数秒の触媒寿命が数十分にもなり、極微量の触媒から、大量の単層CNTを合成することができる。

この方法で合成される単層CNTは、触媒粒子を含まず、不純物が従来の1/2000の高純度(炭素純度99.9%以上)である。
また、成長基板上の触媒パターンを制御することで、容易にマクロ構造体を作成できる上、合成後、容易に基板と単層カーボンナノチューブを分離することができる。

CNTの量産は、気相流動、もしくは担持触媒を用いたロータリーキルンなどで行うというのが業界の常識であったが、量産を行うため、基板の上で大量に単層CNTを成長させるという方法を考案した。

http://www.nanocarbon.jp/lab/image/071129_002.pdf

ーーー

産総研は2007年2月、日本ゼオンと共同で、スーパーグロース法を用いて、初めて大面積金属板上に直接大量の単層CNTを合成する技術を開発したと発表した。

当初、量産のパートナー企業探しに苦労した。
何社にも話を持ちかけたが、反応は良くなかった。

特に従来からCNTに取り組んでいた会社は、これまでの製造法を捨ててスーパーグロース法に鞍替えすることに躊躇した。

その中でまったくCNTの経験がないものの、情熱と事業化への真剣さが感じられた日本ゼオンを最終的に選定した。

これまでは高価なシリコン基板を用いて単層CNTを合成していたが、今回、安価なニッケル合金基板上での合成に成功した。

さらに、日本ゼオンと共同で、今回開発した技術を適用できる合成炉を設計・試作し、A4サイズの金属板の全面に均一な単層CNT構造体を合成することに成功した。これは成長面積として従来の100倍のスケールアップであり、生産量はグラム単位である。

合成された単層CNTは、金属板フォイル上で、垂直に起立した形で成長し、高さ1ミリメートルの構造体をわずか10分で形成する。
基板コストを従来の100分の1に抑えることができるもので、CNTの大面積・連続生産技術を開発する上でのキー技術であり、単層CNTの工業的量産への大きな礎となる。

ーーー

今回の大量生産装置では金属シート上に触媒層をコーティングしており、これを化学気相成長炉に送り込むことで基板上に単層CNTを連続的に成長させることができる。
種々の合成条件を最適化することで、幅50cmの金属シートの全面に単層CNTが均一かつ緻密に成長する。
成長した単層CNTは、剥離装置により自動で根元から切断することで基板から分離・回収する。

スーパーグロース法で合成される単層CNTは他の方法によるサンプルと比べはるかに高純度であるため、特に精製することなく多くのアプリケーションに供することができる。

生産能力は一日あたり600g以上であり、本格的な工業規模での生産に道を拓くことができた。

一般にCVD法で作製される材料の形状は、製造装置の規模や形状に依存するため、小規模の実験用設備と大規模な生産用設備で製造した試料の特性が必ずしも一致しない。
本装置により、製造した単層CNTの形状は、これまで研究開発設備で製造した試料とほぼ同等であり、単層 CNTの持つ優れた機能を発揮することが期待される。

数年後に年間10トンの商業生産を目指している。


目次、項目別目次

  http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358  

最近のコメント

月別 アーカイブ