「no」と一致するもの

6月11日のWTI原油価格終値は72.68ドル/バレルとなった。昨年10月下旬の水準。
一時73.23ドルと73ドル台を記録している。

 

国際エネルギー機関(IEA)が10ヵ月ぶりに09年度の世界石油需要見通しを上方修正したことが買い材料となった。
また、米小売売上高(前月比0.5%増)や新規失業保険申請件数(前週比2万4000人減少)が改善したことも追い風となった。

IEAは6月11日の石油市場月報で、2009年の世界の石油需要の予測を日量8333万バレルとし、前月予測から12万バレル引き上げた。上方修正は、金融危機発生前の昨年8月以来10カ月ぶり。
但し、2008年と比べると2.9%の減少で「この見直しは景気回復を示すものではなく、落ち込みの緩和を反映したものだ」とした。
 

金融危機を予言したとして知られるNew York University のNouriel Roubini 教授は、来年には原油価格が100ドルに上昇するだろう、と述べた。
(但し、同教授は本年1月20日には「原油価格は2009年を通じて30~40ドルで推移するだろう」と述べている。)

米市場でインフレに警戒感が強まり、原油や金、穀物など商品市場への資金流入が加速している。
日本経済新聞によれば、米議会は原油在庫などに関する情報開示規制を強化する方向で検討に入った。

ーーー

日本市場でもナフサ、原油価格は急上昇している。
6月12日にはいずれも本年の最高となった。

これを受け、石化メーカーは一斉に値上げを打ち出している。

各社とも、国産ナフサ基準価格が第3四半期に40,000円/kl 程度(1Q比 +13,000円)に上昇すると推定している。

2008 3Q   85,800/kl
  4Q   52,000
2009 1Q   27,000
  2Q   33,000
  3Q   40,000

6月12日の615$/t は95円/$ベースで基準価格としては42,300円/kl となる。(8月入着)

各社とも7月1日以降出荷分について原料値上がり分の転嫁を発表している。
最近は輸出数量が増えているものの、国内出荷は低迷しており、値上げは難航するだろう。


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イラン政府はフランスの石油大手 Total と実施する予定の大型天然ガス田開発を、同社に代えてChina National Petroleum Corporation (CNPC)と進める方針を決め、63日、イラン国営石油会社(NIOC) CNPC が北京で Co-operation contract に調印した。

イラン国営石油会社とTotal、マレーシアのPetronasの連合がペルシャ湾のSouth Parsガス田のPhase 11を開発し、産出するガスを使って液化天然ガス(LNG)を生産しようとしていた事業で、今回の契約はPhase 11の上流部分で、47億米ドルのプロジェクトとされる。

3社は20042月にLNG会社の設立で基本合意し、同年12月にはPhase 11開発事業の骨組みでも合意した。
2009
年の生産開始を見込み、協議を続けたが、その後のイランの核問題などをめぐる欧米とイランの対立を背景に停滞を続け、Phase 11開発事業での契約には至っていない。

一方、中国はイランの資源開発分野に積極的に進出、油田権益を相次いで獲得している。CNPC は200611月にイランの国営ガス輸出会社(NIGEC) との間で、Pars LNGのLNGを2011年から年間300万トン、25年間にわたり輸入する契約を締結している。今回、自ら生産に参加することで安定調達につなげる。

ーーー

Total2004225日,イラン国営石油会社(NIOC)、PetronasLNGプロジェクトに関する株主契約を締結したと発表した。
NIOC50%Total30%Petronas20% 出資する新会社「Pars LNG」を設立する。
3社で開発の交渉中のSouth Pars ガス田のPhase 11からの天然ガスを原料に、LNG 生産能力 800t/年(400万t/年×2系列)の液化設備および輸出設備を建設するもので、2009年までの生産開始を目指した。

その後、200512月にPetronas 10%Totalが引受け、Total 40%Petronas 10% となった。

200611月にCNPC はイランの国営ガス輸出会社(NIGEC) との間で、ここからのLNGを2011年から年間300万トン、25年間にわたり輸入する契約を締結している。
  2006年12月29日  中国、イランとLNGで提携
 

200412月にTotal NIOCとの間で今後のPars LNG に関する骨組契約を結んだと発表した。
3社の出資する
Pars LNG (この時点では500万トンx 2系列となっている)に対して、Total 60%Petronas 40%の出資で計画しているSouth Pars のPhase 11が所要の天然ガスを供給することを決めている。

 

この後、多くのLNG計画が生まれた。

プロジェクト名 参加企業 能力 天然ガス
Pars LNG NIOC 50/Total 40/Petrobras 10 500万トンx 2 South Pars Phase 11
Persian LNG NIOC 50/Shell 30/Repsol-YPF 20 800万トンx 2         Phase 13&14
Iran LNG NIOC 100 500万トンx 2         Phase 12 
North Pars LNG NIOC/CNOOC(中) 800万トン  
Qeshem LNG NIOC/LNG Ltd(豪) 345万トン  
Golshan/Ferdows LNC NIOC/SKS(マレーシア)    
 資料 JOGMEC

中国海洋石油総公司(CNOOC)は2006年12月、イランと総額160億ドルに上る液化天然ガス事業の協力了解覚書に調印した。CNOOCはNorth Parsガス田開発やガス輸送設備の建設を進め、液化天然ガスを中国に輸入する。

しかし、西側参加の事業はいずれも進展していない。

本年3月にイランはTotal が時間を浪費しているとし、新しいパートナーと交渉をしていることを明らかにした。

これに対し、Total はイラン側の条件は魅力的でないと述べている。

今回の調印に当たり、イラン側は次のように述べた。

Total がPhase 11の上流部分の交渉を遅らせているが、これ以上待てない。
そのため、CNPCと契約を結んだ。
Total がやる気があるなら、Phase 11 の下流部分と Pars LNG計画についての交渉は続ける。

4月にはNIOC はShell とRepsol に対して、両社を計画から外す可能性を伝えている。

South Pars ガス田は世界最大のガス田で、イランとカタールの領海にまたがっている。(カタール側はQatar North Field

 


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昭和電工など日本企業6社は合計2割を出資するベネズエラのガイアナ地区でのアルミニウム精錬事業から撤退する方針を固めた。合弁相手のベネズエラ政府系企業が地金の日本向け価格引き上げを要求、日本側は採算がとれなくなると判断した。

日本側が合弁解消とベネズエラ側への株式売却の意向を伝え、大筋で合意を得たもので、月内にもベネズエラ政府と正式な交渉に入る。

合弁会社はCVG Industria Venezolana de Aluminio C.A.(通称 CVG Venalum )で、資本構成は以下の通り。

C.V.G.(ガイアナ開発公団)     80%
昭和電工     7%
神戸製鋼     4%
住友化学     4%
三菱マテリアル     3%
三菱アルミニウム     1%
丸紅     1%

1976年の設立で、当初は三菱化成が2%、三菱金属鉱業が2%であったが、その後上記比率となった。
当時の能力は年産28万トン、うち日本側は年間16万トンを、丸紅を除く5社が出資比率に基づいて引き取った。
工場は1978年2月から生産を開始、同年12月、同社地金の第1船が日本に到着した。

現在の能力は年約45万トンで、このうち日本側が年9万~16万トンを輸入してきたが、長年にわたりC.V.G.との間で価格を巡りトラブルがあり、何度も輸入を中断した。

ーーー

現在、ベネズエラではチャべス大統領のもと、主要産業の国有化が行われており、石油化学についてもその動きが出ている。

2009/6/8 ベネズエラ、石油化学事業の国有化へ

今回はその動きとは関係ないが(ベネズエラの国益を重視したという点では同じ)、このアルミ合弁は1974年に誕生したペレス大統領による重要産業国有化政策により、当初の構想と異なる形で生まれた。

当時、日本のアルミメーカーはベネズエラで2つのアルミ計画を進めていた。

・住友化学は米国Reynolds からガイアナ地区での共同製錬計画への勧誘を受け、1973年、Reynolds の現地子会社 Aluminio Del Caroni S.A.(通称Alcasa)と基本覚書を締結した。

三菱グループも三菱金属鉱業が代表となって
Alcasaと同じ内容の覚書を結んでいたため、これをまとめることとした。
住友化学と三菱金属鉱業が25%ずつ出資、
ReynoldsAlcasaと新会社を設立し、年28万トンプラント建設を計画した。

・一方、昭和電工がガイアナ開発公団の要請によって、神戸製鋼所・丸紅と協同して、日本側80%、開発公団20%の出資で、 Industria Venezolana de Aluminio C.A.(通称 Venalum )を1973年に設立し、ガイアナ地区で15万トンプラント建設を計画した。

1974年に誕生したペレス新大統領の重要産業国有化政策により、アルミニウムについても、同年10月、Alcasa計画とVenalum計画を白紙に還元し、その一本化と、開発公団の出資割合を80%にするよう要求した。
1973年10月からの石油価格引き上げ
<p>HTML clipboard</p>(第一次石油ショック)で同国の外貨保有高が激増し、外国資本に頼る必要性がなくなったことによる。

日本側は資源ナシヨナリズムの台頭のおりから、やむを得ないと認め、現在の資本構成となった。

ーーー

2002年にCVG Venalumが日本側株主への優遇的措置を拒否、4月以降対日出荷停止となり、日本側も撤退を辞さない強い態度で交渉に臨み、11月にようやく2006年3月までの契約を締結した。

2004年7月にはCVG Venalumの意思決定における日本側の影響力を制約する決定をした株主総会の無効を求め、昭和電工が日本側を代表して、ベネズエラの裁判所に異議申立てを行っている。

2007年に入り、新たな契約更新協議が停滞し、CVG Venalumは日本向け輸出を停止、日本の港でのアルミ在庫に不足が生じる事態になった。

 


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イラクの北部三州で構成するクルド人自治区からの原油輸出が6月に始まった。

原油の主権をめぐり対立してきた中央政府とクルド自治政府の間で妥協が成立したもので、6月1日、自治区首府アルビルでの開始式典にはタラバニ大統領と自治政府のバルザニ議長が出席し、和解を演出した。

Tawke油田とTaq Taq 油田からの日量10万バレル程度の原油を中央政府が管理する既存パイプラインを使ってトルコの地中海岸の積み出し港ジェイハンに運び、そこから輸出する。

Tawke油田はノルウェーのDNOが2004年6月に西側石油会社として初めてクルド政府と生産物分与契約を締結し、3年後に油田は生産を開始した。しかし、中央政府とクルド政府の争いで輸出許可が出ず、安値の国内販売を強いられていた。
本年初めにトルコの
Genel Enerji と提携した。

Taq Taq 油田はスイス/カナダのAddax Petroleum とトルコのGenel Enerji が組んで20057月に生産物分与契約を結んだ。200611月に生産を開始したが、同様の問題を抱えている。

中央政府はクルド政府が外国企業と結んだ契約は違法として認めていない。

しかし、中央政府が原油収入増を望んだため例外的に妥協が成立したとされる。
イラクは現在、日量241万バレルの生産を行い、190万バレルを輸出しているが、生産は2003年のイラク戦争開戦前の250万バレルを下回っている。
原油収入はイラクの歳入の9割を占めるが、昨年の大幅な値下がりで政府は苦境に陥っている。

Taq Taq から4万バレル、 Tawke から6万バレルが送油された。1年以内に日量25万バレルまで増やす計画。

原油の販売はイラク石油省傘下の国営石油会社(SOMO)が担当し、中央政府が収入の71%、クルド政府が17%を受け取り、残りを外国石油会社が受け取る。

しかし、今回の措置で中央政府とクルド政府の対立が解消したとは言えない。

イラクの石油相はパイプラインを経由しての輸出を認めるが、クルド政府の外国石油会社との契約は違法であると主張している。

ーーー

クルド自治区ではUAEのDana Gas がオーストリアのOMV、ハンガリーのMOLと組んで、天然ガスをNabucco Pipeline を経由してトルコから欧州に輸出することを計画している。

Dana Gas と親会社のCrescent 50/50出資の Pearl Petroleum がクルド自治区で操業しているが、OMV350百万ドルを支払って10%の権利を取得する。
MOLCrescent Dana に同社の株の3%を与え、見返りにPearl Petroleum 10%を取得する。
ここでは
2014年までに30m3/日以上の生産が出来るとされている。

Nabucco Pipeline はトルコからブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリアに繋がる3,300kmのパイプラインで、2011完成の予定。OMVが中心となり、建設費50米ドルは5カ国のガス会社がシェアする。

ロシア依存を減らすため、ここからのガスの需要は多いが、肝心のガスが不足している。

しかし、クルド政府がこの計画を承認した直後、中央政府はこれを違法契約として拒否した。

ーーー

イラク政府は本年、37年ぶりに油田権益を外資企業に開放することを決めたが、石油相は4月2日、クルド政府との間で自治区内の油田4つの鉱区の開発の覚書を締結した韓国石油公社やSKエナジーなどの韓国企業を今後、イラクでの油田開発に関する入札に参加させないことを明らかにしている。

2009/4/7 イラクの油田開放、クルド人自治政府と契約の韓国企業を除外


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ベネズエラは2007年以降、通信、電力、セメント、石油など幅広い業種の企業の国有化を進めている。

2008/2/20 速報 WTI原油価格 後半 ベネズエラの石油国営化を巡ってのエクソンモービルとの争い

チャベス大統領は521日のテレビ演説で、鉄鋼関連会社を国有化すると発表した。
鉄鋼関連4社(Matesi TavsaOrinoco IronCOMSIGUA)とセラミック関連のCeramicas Caraboboの5社。

COMSIGUA(Complejo Siderurgico de Guayana, C. A. ) は神戸製鋼が36.7%、商社連合が30.3%を出資するHBIHot Briquetted Iron)のメーカー。
1989年9月設立で、能力は年産100万トン。

還元鉄は、空気中で再酸化し発熱するため、輸送が困難であるが、HBIは還元鉄に物理的圧力を加えることにより、たどん状にしたもので、これにより還元鉄の密度が高まり、再酸化の問題が解消し、輸送が容易になる。
電炉・転炉における製鋼原料として使用される。

522日には同国2位のバンコ・デ・ベネズエラをスペインのサンタンデール銀行から105000万ドルで買収することで合意した。

63日には14プラントにある70の天然ガス圧縮設備の国有化を発表した。

ーーー

今回、ベネズエラは石油化学事業の国有化について先週、国会で討議を始めた。決まるのは決定的とみられている。

石油化学が同国にとって重要な産業であり、海外出資者を国とのJVのマイナリティの株主にするという法案。

現在、多くの企業が国営化学会社Pequiven とのJVでベネズエラで活動している。

 

日本からは三菱ガス化学のメタノールのほか、三井物産がPP、PEのJVに参加している。

資者 出資先 出資比率 Pequiven 事業  
Law Debenture Corp
(投資会社)
Clorovinilo del Zulia  51.71% 48.29% VCM
PVC
クロルアルカリ
 
三菱ガス化学/
 三菱商事
Metanol de Oriente,
 METOR S.A.
23.75% /23.75% 37.50% メタノール 第1期:年産 750千トン
第2期:年産
850千トン 
 2006/12/27 三菱ガス化学、ベネズエラのメタノール合弁増設
三井物産 Polipropileno de
 Venezuela Propilven
15% 49.4% PP 110千トン
Poliolefinas Internacionales,
 C.A. Polinter,
1.6%   HDPE 120千トン 三井化学技術
LLDPE/HDPE 215千トン NOVA技術
LDPE 300千トン Basell技術
FMC Corp Tripoliven 33.3%   phosphorus-based chemicals  
Braskem SA
(計画段階)
Prolipropileno del Sur, S.A. 50% 50% PP 450千トン
Polietilenos de America, S.A. エチレン 1,300千トン
HDPE、LDPE、LLDPE 3系列計1,100千トン
 2007/12/20 Braskem Venezuela 国営Pequiven、石化JV設立
Koch Industries Inc. Profalca 35%   propylene  
Koch Industries Inc. Fertinitro 35%   fertilizer  
Snamprogetti SpA
(Eni SpA)
20%
Andersol SA
(Colombia)
Intequim     paint  
Phoenix
(Columbia)
Estizulia     PS 47千トン 

問題は接収で正当な代金が支払われるかどうかである。

これまでのセメント、石油、鉄鋼、銀行の接収で、ベネズエラは130億ドルの負債があるとされている。
原油価格の下落で、ベネズエラは石油掘削業者へ支払いを一部止めている。

Braskemは5日、JV計画を進めると述べた。
この計画は2007年
12月カラカスでの両国大統領の会談の席で発表されたものであり、例外扱いとなる可能性はある。

 


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新日本石油は6月1日、関東1都6県のガソリンスタンド(計861カ所)で、バイオエタノールを混ぜたバイオガソリンの販売を開始した。

コスモ石油も513日から埼玉、千葉、東京、神奈川の9カ所のセルフスタンドで販売を開始している。

石油業界では2010年度でのバイオガソリン本格導入を計画し、2007年度から2年間にわたりバイオガソリン販売の実証事業を行ってきた。(実証事業は2009年3月末をもって終了)
実証事業ではETBE 7%(エタノール3%)含有のバイオガソリンであったが、今回は
ETBE 1%エタノール 0.4%)になっている。

2009/3/5  日本のバイオガソリンの動き-2 

新日本石油では以下の通り説明している。

バイオガソリンは、JIS及び品質確保法の規格に合致したレギュラーガソリン(JIS2号ガソリン)ですので、従来のレギュラーガソリンとまったく同じ使い方が可能です。
車検証や取扱説明書に「レギュラーガソリンを使用する」と書かれていれば、バイオガソリンを給油することができます。
   
バイオガソリンは、レギュラーガソリンの規格に当てはまるため、使用方法や取り扱いについては従来と変わりません。よって従来のレギュラーガソリンと混ぜたとしても、性能面、安全面において問題ありません。
   
現在価格はレギュラーガソリンと同価格に設定されており、 レギュラーガソリンと同じ価格でお求めになれます。
   
バイオガソリンは、従来のレギュラーガソリンと比較しても燃費は殆ど変わらないと考えられます。

ーーー

別途、日本エタノール販売とペトロブラスの50/50JVの日伯エタノール(Brazil-Japan Ethanol)は3月初めから東京でエタノール3%混合ガソリン(E3)の試験販売を開始した。環境省や経産省の支援を受けている。

既報の通り、石油連盟は、(1) 大気環境に悪影響を及ぼさないこと、(2) 車の安全性や実用性能を損なわないことに鑑み、バイオエタノールをそのままガソリンに混入するのではなく、バイオエタノールからETBEを製造し、これをガソリンに混合することとした。

しかし、本当の理由は、E3(更にE10やE20、E100)が普及した場合、将来的にガソリンの消費量が減って、石油元売り各社の経営が苦しくなるからだという見方もある。

ーーー

新日本石油の西尾進路社長が毎日新聞のインタビュー(2009/6/1 「環境戦略を語る」)でバイオ燃料について大胆な発言をしている。

日本では大量生産できないのでブラジルから船でCO2をまき散らしながら持ってくる。サトウキビをトラクターで刈り、工場にトラックで運び、工場でもCO2を排出する。温暖化問題上とんでもない話だ。

世界で10億人が飢餓に苦しむ中、食糧をエネルギーに変えていいのかという問題もある。

こうした状況を 踏まえ、食糧と競合しないセルロース系のバイオエタノールの研究を、トヨタ自動車や三菱重工など5社とともに進めている。

新日本石油、三菱重工業、トヨタ自動車、鹿島建設、サッポロエンジニアリング、東レの6社は本年2月9日、セルロース系バイオエタノールの一貫製造技術に関する研究開発を開始するため、「バイオエタノール革新技術研究組合」を設立すると発表した。

原油と競合できる価格(40円/L)で、20万kL/年規模を生産できる製造プロセスの技術を 2015年までに確立することを最終目標とし、東京大学との共同研究や、農林水産関係研究機関、秋田県農林水産技術センター総合食品研究所、北海道大学等との連携により、画期的な革新技術の確立を目指す。

2009/2/12 シノペック、農業廃棄物からエタノール生産 後半部分


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三菱化学の再構築が急ピッチで進んでいる。

三菱化学はABS樹脂、ポリエステル繊維原料の国内生産、PVC(& PS)からの撤退を決めるなど、昨年末から事業の選択と集中を加速している。また、水島での旭化成とのエチレン統合の検討も行っている。

2008/11/28 三菱化学、ABS事業から撤退

2009/2/24  三菱化学、テレフタル酸事業の事業構造改革

2009/4/13 三菱化学、PSとPVC事業から撤退

2009/5/19  三菱化学と旭化成、水島でエチレン統合

付記

このほか、2008年12月の「2008-10年度の中期経営計画の見直し」で、
「アルファオレフィンとエトキシレートは2009年に停止」としている。
アルファオレフィン(高級アルコールを含む)は2009年5月、エトキシレートは2009年3月に停止した。
このグループのEOは顧客誘致による事業基盤強化を行っている。
   2008/7/31 
三菱化学鹿島のEOセンター

三菱化学は5月29日、カプロラクタム事業及びスチレンモノマー事業からの撤退を決定したと発表した。

同時に、DSMとの間で、DSMが欧州を中心に展開するポリカーボネート(PC)事業と、三菱化学のナイロン事業を交換する検討を開始した。

ーーー

カプロラクタムとナイロン

同社のナイロンチェーンの再構築案は以下の通り。

工場 製品 能力
水島 シクロヘキサン
  ↓
110千トン 2010年3月停止
黒崎 シクロヘキサノン
  ↓     
120千トン 2010年3月停止
カプロラクタム 
  ↓
60千トン 2010年3月停止
ナイロン
  ↓
30千トン DSMへの譲渡交渉開始
(コンパウンド化及び販売)
   三菱エンジニアリングプラスチック
     (三菱化学 50%/三菱ガス化学 50%)

 参考 カプロラクタムの国内シェア(日経推計)
      宇部興産 35.2%
      住友化学 34.3%
      東レ    19.1%
      三菱化学 11.4%
     (国内生産能力 525千トン)

三菱化学は2005年3月末にカプロラクタムの外販事業国内販売・輸出から撤退し、1系列50千トンを同年9月末で製造停止した。なおシクロヘキサノンについては、カプロラクタム1系列停止後も生産量を維持し、国内及び中国を含むアジアマーケットへ拡販を目指した。

三菱ケミカルホールディングスは2009年3月決算で減損損失を計上しているが、その中に、
ヴイテックのPVC設備(水島、川崎:45億円)のほか、黒崎のカプロラクタムやナイロン設備(27億円)などが含まれている。

参考
三菱化学はカプロラクタムを原料とするナイロン6を生産しているが、三菱エンジニアリングプラスチックのパートナーの三菱ガス化学ではメタキシレンジアミン(MXDA)を原料とするMXナイロンを新潟及び米国ヴァージニア州で生産している。

ーーー

スチレンモノマー

鹿島のSMを2011年3月に停止する。

日本経済新聞(4月10日)は三菱化学が年内にもPSとPVC事業から撤退すると報じた。
PSについては事業統合会社のPSジャパンへの出資を引き揚げ、PVCについてはヴィテックを解散する方針としている。

三菱化学は既にPVCの撤退を発表している。

PSについては、報道ではPSジャパンの持ち株を旭化成、出光興産に売却し、同事業から撤退するとしており、売却額は今後詰めるとなっている。

2009/4/13 三菱化学、PSとPVC事業から撤退

PS撤退はまだ発表していないが、今回のSM 撤退から間違いない。条件の交渉中ということであろう。ABSは既に撤退を発表している。

三菱化学のSM、PS、ABSの能力は以下の通り。

SM事業 PS事業
 千トン  千トン 出資比率
三菱化学 四日市     0 PSジャパン (三菱化学) 四日市    85   27.5%
鹿島   371 鹿島    -
旭化成 水島   678 (旭化成) 水島   108   45.0%
千葉    - 千葉   207
出光興産 千葉   210 (出光興産) 千葉    45   27.5%
徳山   340 徳山    ー
合計   445   100.0%

ABS事業
会社名 工場  千トン 出資比率
テクノポリマー (三菱化学) 四日市 90   40%
JSR 四日市 200   60%
合計 290   100%

ポスト産構法時代には当時の三菱油化がスチレンモノマーの手直し増設で鹿島で205千トン、四日市で271千トンの能力をもち、輸出価格の高騰で莫大な利益を上げた。2年間で500億円といわれた。
この利益をもとに時価発行増資を行い、得た資金で鹿島のエチレンの増設を行った。

しかし、その後SM価格は暴落。三菱油化はこの拡張戦略が裏目に出て、その後損益が悪化、三菱化成との合併となった。

三菱化学は1999年秋に四日市のベンゼン2系列年22万トン、EB 29万トン、SM2系列 27万トン(うち1系列 9万トンは休止中)をスクラップした。2001年1月に四日市のエチレンを休止)

ーーー

DSM との交渉

三菱化学 DSM は、DSM Engineering Plastics欧州を中心に展開しているポリカーボネート(Xantar)事業と三菱化学が日本及びアジアを中心に展開しているナイロン事業について、事業の交換の検討に入ることにつき基本合意書を締結し、具体的検討に入った。

DSM は、ナイロン事業を主力事業の1つと位置づけている。

DSM Engineering Plastics の主力製品
 Stanyl ® the highest performance polyamide
 Akulon®  a range of PA6 and 66 resins
 Arnitel ®  Copolyester Elastomer
 Arnite®  PBT and PET resins

昨年9月には、江蘇省江陰市にナイロン6 レジンの工場をスタートさせている。
(2006年に同地にコンパウンド工場を建設)
原料のカプロラクタムについてはDSM南京ケミカルに14万トン/年のプラントを持っている。

日本ではDSMジャパンが扱っており、これに統合する。

三菱化学は、ポリカーボネート事業を集中事業の一つとして位置づけて、グローバル展開している。DSM から事業を譲り受けることにより、DSM の付加価値の高いコンパウンド品を中心としたポリカーボネート事業を欧州及びアジアで展開することができ、更なる拡大を期待することができる。

譲渡対象の事業規模は、それぞれ2008年度で約120億円。

本事業交換を実施した場合、DSMはベルギーのGenkでPCコンパウンド製造を受託、三菱化学はMEPの子会社MEPCOM九州の黒崎でナイロンコンパウンドを受託する。販売・技術サービスにおいても、継続的な相互協力関係を構築する予定。

ーーー

三菱化学と三菱ガス化学は1994年に折半出資で三菱エンジニアリングプラスチック(MEP)を設立し、PCを含むエンプラの販売をMEPに委ね、一体化した。
しかし、PCについては両社ともに主力分野と考えており、独自に海外進出を図っているように見える。

中国では三菱化学がシノペックと組んで燕山石化内にビスフェノールAを含む工場建設を行っているのに対し、三菱ガス化学はこのたび、上海化学工業区内に、PC原体(8万トン)、造粒(6万トン)、コンパウンド(2.8万トン)を建設、合わせてテクニカルセンターをつくることを発表した。  

今回のDSMとの交渉が成功すれば、PCに関して三菱ガス化学との関係はどうなるのだろうか。

同グループのPC事業
立地 社名 能力
(  )は未稼働
          出資
三菱化学 三菱ガス
      化学
MEP その他
黒崎 三菱化学 20(+60)千トン 100%
鹿島 三菱ガス化学 100千トン 100%
韓国 三養化成 85千トン 25% 25% 三養社 50%
タイ Thai Polycarbonate 140千トン 5% 5% 60% TOA 30%
中国 北京計画 * (60千トン) 50 x 80% 50 x 20% SINOPEC 50%
中国 菱優工程塑料(上海) (80千トン) 80% 20%
  *シノペックとの事業戦略提携の基本合意
    2009/4/15
三菱化学、シノペックと事業戦略提携の基本合意

・タイのみMEP中心
・いずれの計画にもMEPは入っている。

 (三養化成は1989年に三菱化成50%で設立、2001年4月にMEPが株を譲り受けて参加)

・販売もMEPが担当

注 三菱化学の黒崎では2系列計40千トンのうち、古い1系列20千トンを停止し、60千トンの新設を行った。
設備は2008年3月に建設が完了したが、事業採算の悪化から7月からの稼動を当面の間延期すると発表している。(その後、稼動の発表はない)

なお、三菱化学は本年5月、植物由来のポリカーボネートの開発及び量産化に向け、黒崎にパイロットプラントを建設することを決定したと発表した。能力300トン/年で20104完成予定。


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原油価格上昇 - 化学業界の話題

29日のWTI原油価格終値は66.31ドル/バレルとなった。昨年11月上旬の水準。

株式市場が底堅く推移する中、景気底打ちへの期待感が先行、原油の買い戻しが続いている。
米週間石油在庫統計で原油在庫が大幅に減少したことも反映した。

OPECは28日、臨時総会で原油生産の追加削減見送りを決めた。
サウジアラビアのヌアイミ石油相は年末までに75-80ドルに達する可能性もあると指摘した。

東京市場でも、ドバイ原油は終値64.00ドル/バレル、オープンスペックナフサは569ドル/トンと値上がりした。

29日発表の通関統計では、輸入ナフサの平均価格は29,628円/kl となり、前月比約1,000円のアップとなった。

  2008年 2009年
1月 65,961 21,500
2月 64,562 23,836
3月 63.597 28,632
平均 64.653 24,970
4月 63,392 29,628
5月 68,205  
6月 74,877  
平均 68,877  
7月 81,933  
8月 86,801  
9月 82,708  
平均 83,820  
10月 66,923  
11月 48,456  
12月 29,780  
平均 50,047  

国産ナフサ基準価格は3ヶ月ごとの平均輸入価格に2,000円/kl を加算する。


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昭和シェル石油は2010-14年度の5年間で太陽電池事業に約1600億円を投資する。工場新設などで期間中に生産能力を現在の8万キロワットから100万キロワットに増やす計画。

同社は5月26日、中期経営ビジョン「EPOCH 2010 ~変化に克ち、未来を拓く~」の概要を発表した。

国内での石油製品需要の漸減、海外市場での新規輸出型製油所の出現による国際競争の激化と、低炭素社会への動きという事業環境の変化を考慮して策定した。

それによると、中期経営目標・計画として2014年度にCCS ベースの経常利益目標1,000 億円とし、そのうち石油事業500 億円、太陽電池事業500 億円としている。

CCS ベース(Current cost of supply) とは棚卸資産の影響を除いたベースで、
2007年の経常損益は443億円
2008年は457億円となっている。
現在の経常損益を2倍にし、それを太陽電池で増やすという野心的な計画である。

中期経営ビジョンの柱は4つ。
 ① 石油事業の収益力強化

調達・製造・供給では、サウジアラムコ(同社に15%出資)からの最適な原油調達、シェルグループのトレーディングネットワークを活用した機動的な輸出、製油所の最適操業を通じてアジアトップレベルのコスト競争力の確立を目指す。

 ② 太陽電池事業の展開

グローバルシェア10%の獲得を目指す。

 ③ エネルギー&ホームソリューション事業の展開

石油製品、太陽電池に加え、東京ガスと共同で建設中の扇島パワーステーションで発電される電力を中核電源とした電力事業の確立、燃料転換を志向される需要家様のニーズに応えるLNGの供給拡大などを通じ、総合的なエネルギーソリューションの提供を目指す。

 ④ 成長の芽の育成

燃料電池、バイオ燃料、電気自動車関連、GTL燃料などの次世代エネルギーの技術開発にも取り組む。

 

太陽電池事業については、同社はシリコンを使わない「化合物型」の一種で、銅(Copper)、インジウム(Indium)、セレン(Selenium)を原料とする「CIS太陽電池」の商業生産を宮崎県内で手掛けている。

CIS太陽電池の特長は以下の4点。
1) 従来型の結晶シリコン系太陽電池とは異なる全く新しい構造の薄膜化合物系太陽電池。
2) シリコンを使用しないので、結晶系で危惧されている原料不足問題に影響されない。
3) 鉛やカドミウム(Cd)などの物質を使用していない環境対応型商品。
4) 外観は結晶系とは異なり、黒一色の落ち着いたデザイン。

現在、100%子会社である昭和シェルソーラーのCIS太陽電池宮崎第1プラント(年産能力20MW)が稼動しており、第2プラント(60MW)が本年4月22日に竣工式を行った。

同社は、既存80MWの能力に対し、2011年に年産1,000MW(1GW)規模の生産能力達成に向けて検討を行っている。

同社は昨年7月、CIS太陽電池技術開発の強化を目的として、厚木にリサーチセンターを設立するとともに、㈱アルバックと量産技術に関する共同開発を開始することを決定した。

昭和シェルが世界に先駆けて確立した独自のCIS太陽電池製造技術とアルバックがこれまで半導体、フラットパネルディスプレイで培ってきた真空装置技術を融合させることで、より生産能力の高い製造装置の開発を期待している。

本年4月、同社と日立製作所は、宮崎県にある日立のプラズマパネル工場を昭和シェルが買収することで両社が交渉に入ったことを明らかにした。日立はパナソニックからの調達に切り替えた。

昭和シェルは同工場を買収後、太陽光発電パネルの生産工場に転用する。

新井純社長は「太陽電池で世界シェア1割をめざし、石油と並ぶ中核事業に育成する」としている。

付記

昭和シェル石油は6月24日、15%の大株主であるサウジアラムコと、サウジアラビア王国内において太陽光を活用した小規模分散型発電事業の可能性の調査を開始することに合意したと発表した。

太陽光発電のパイロットプラントを建設し小規模独立型電力系統(マイクログリッド)への繋ぎ込みなどの技術検討を行い、この結果を受けて同国内での本格的な事業化へ移行する計画。

ーーー

新日本石油も、総合エネルギープロバイダーとして燃料電池、太陽電池、蓄電池等新エネルギー関連事業を次期事業の柱の一つと位置づけている。

ENEOSはエネルギーに責任を持ちたいと思っています。だからこそ、有限なエネルギーである石油だけでなく、無限で再生可能なエネルギーである太陽光にも取り組む-
総合エネルギー企業として当然の責務と考えています。」

新日本石油と三洋電機は、本年1月23日付で50/50の出資で薄膜太陽電池合弁会社「三洋ENEOSソーラー」を設立した。

新日本石油は薄膜シリコン太陽電池を安定調達し、国内大規模発電や公共産業向けの用途開拓ならびに住宅用途への投入を推進したいと考えていた。

三洋電機は、現在世界最高レベルのセル変換効率を実現するHIT太陽電池(結晶シリコン基板とアモルファスシリコン薄膜を用いて形成したハイブリッド型の太陽電池)を製造販売しているが、さらに薄膜シリコン太陽電池の技術開発も進めてきた。

三洋はHIT太陽電池に関しては今後とも単独での事業拡大を推進するが、薄膜太陽電池に関しては、新日本石油との共同出資会社設立を決めたもの。

新会社は、三洋電機のHIT太陽電池の要素技術や薄膜太陽電池の基礎技術、新日本石油の石油精製やガス原材料技術を強みとし、加えて新日本石油が持つ中東産油国との強い信頼関係を引き継ぐことで、早期の事業化および高性能な薄膜太陽電池の供給を進める。

新会社は、当初80MW規模で2010年度内の生産(三洋の岐阜事業所)・販売を開始した後、順次生産規模の拡大を図り、国内外を合わせ2015年度に1GW規模、2020年度には2GW規模の生産・販売を目指す。

なお、パナソニックが三洋電機を子会社化することが決まったが、パナソニックは2002年に住宅向け太陽光発電システムから撤退し、同社の弱点となっている。
このため、三洋が得意とする太陽光発電と充電池の両事業を合わせ、「五つ目の戦略事業」と位置づけている。

パナソニックの戦略事業
 デジタルAV事業-薄型テレビ事業
 生活快適実現事業:「エコライフ」「セキュリティ」「照明」「ヘルスケア」
 デバイス事業
 カーエレクトロニクス事業

 


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台湾の石化メーカー6社が福建省の泉州市泉港区の泉港石化工業区に地元政府と組んで、エチレン年産100万トンの石油化学センター建設を計画していることが明らかになった。

福建省福州市で先週開かれた第11回海峡両岸経済貿易交易会で、台湾の台湾石化同業公会(石油化学工業協会)が明らかにした。

泉港石化工業区には仙境、南墾、洋嶼、Chlor Alkaliの4地区があるが、南墾地区が割り当てられた。

同石化センターは第1期として2.4平方キロの敷地に総額60億ドル(うちエチレン15億ドル)を投じて、エチレン100万トン規模のナフサ分解装置とポリプロピレン、エチレングリコール、スチレン、酢酸、合成ゴム、合成繊維など53品目のプロジェクトを推進する。売り上げ目標約700億元。

次の台湾メーカー6社が80%を出資する。

 和桐化学(Ho Tung Chemical   Normal paraffin, Alkyl Benzene, LAS などのメーカー
 大連化学(Dairen Chemical   VAM、エチルアセテート、1,4ブタンジオールなどのメーカー
 李長栄(Lee Chang Yung Chemical   DME、アセトアルデヒド、MIBKMEKPPなどのメーカー、
(台湾ポリプロをバゼルから買収)
 長春人造樹脂(Chang Chun Plastic)   フォルムアルデヒド、PVA、その他のメーカー
 國喬石油化学(Grand Pacific Petrochemical   SMABSなどのメーカー
 台湾合成ゴム(TSRC   SBRBRTPEのメーカー

主な誘導品計画は次の通り。
 PP 400千トン
 SM 500千トン
 MTBE 160千トン
 MEK 60千トン
 VAM 350千トン
 NBR 30千トン

これから中国及び台湾の政府の承認を得ることが必要。
これまで台湾プラスチックが中国政府の承認を受けられないままとなっているが、台湾石化同業公会では楽観的である。

2008/4/16  台湾プラスチック、寧波エチレン計画取り止めか

6社は現在、FSと環境アセスメントを実施中。

将来的にはエチレン年300万トン規模に増設する計画とされる。

泉州市は台湾に向かい合っており、泉港区にはExxonMobil/Saudi Aramco/Sinopec &Fujian Government Fujian Refining & Petrochemical が石油精製の増設(400万トン→1200万トン)とエチレン80万トンのコンプレックスの建設を行っている。

2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2 の4.福建石化計画

 
   
 
 


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