2013年8月アーカイブ

8月30日付の香港紙 South China Morning Post は、中国共産党指導部が周永康Zhou Yongkang前政治局常務委員の汚職をめぐる調査を開始することで合意したと報じた。

現役および退任後を含めて政治局常務委員が経済犯罪で調査を受ければ、文化大革命以降で初のケースとなる。

付記

新華社は9月1日、中国共産党中央規律検査委員会が、本年3月までCNPCの会長であった国務院国有資産監督管理委員会の蒋潔敏(Jiang Jiemin主任(閣僚級)に対し「重大な規律違反」の疑いで調査を始めたと報じた。
同氏は党で約200人しかいない中央委員を務める。薄煕来被告とも政治的に密接だったと指摘されている。

新華社は9月3日、国有資産監督管理委員会の蒋主任(閣僚級)を「重大な規律違反の疑い」を理由に罷免したと伝えた。

これまで中国政府が中国石油天然気集団(CNPC)と子会社PetroChinaの幹部を「重大な規律違反」で取り調べていることが報じられていた。

先ず8月26日に、中国の中央規律検査委員会の情報として、CNPC副総経理の王永春が党の規律の重大な違反で調べられていると報じら、翌8月27日には中国国有資産監督管理委員会が他の3人を取り調べていると発表、CNPCは4人の辞職を発表した。

王永春(Wang Yongchun) CNPC副総経理、大慶油田分公司総経理
李華林(Li Hualin CNPC副総経理 、子会社 昆侖能源(Kunlun Energy)会長
冉新権(Ran Xinquan CNPC副社長、長慶油田分公司總經理
王道富(Wang Daofu PetroChina 主任地質学者、勘探開發研究院(Exploration Development Institute)


参考
CNPCの現在の董事長(会長)は周吉平(Zhou Jiping)で、2013年4月にPetroChina社長から昇格した。
総経理(社長)は
廖永远Liao Yongyuan)で、副総経理は退職した2人のほかに、汪东进Wang Dongjin)、喻宝才Yu Baocai)、沈殿成Shen Diancheng)の3人がいる。

上記の4人はCNPCの元総経理で石油業界のドンとして君臨した周永康の側近(李華林・副総経理は秘書を務めていた)で、最終的に周永康を狙ったものではないかと噂されていた。

CNPC以外では、2012年12月に、周永康に抜擢された李春城・四川省党委副書記が双規(党紀律機関による幹部の拘束、取り調べ)処分となり、本年6月には長年にわたって周永康の秘書を務めた郭永祥が双規処分を受けた。

周永康は 1964年に入党、1966年に北京石油学院を卒業、1985年に石油工業部副部長(次官)となり、1988年にCNPCに転じ、1996年に総経理となった。 党に戻った後も業界で絶大な影響力を持っている。

2007年に第17期1中全会で中央政治局常務委員に昇進した。

江沢民一派の中心人物として目され、8月26日に収賄と横領、職権乱用の罪を問う公判が結審した重慶市の元トップの薄熙来(Bo Xilai)と緊密であり、薄熙来の政治局委員解任に唯一反対したと伝えられた。

薄熙来は公判で、起訴内容について繰り返し否認した。
判決は今後数週間内に言い渡される可能性がある。

習近平、李克強体制になり、昨年11月に周永康を含む旧常務委員7人は引退した。

 

South China Morning Post 紙は、調査開始決定の背景には、腐敗問題の規模や周氏一家の蓄財に対する党内の怒りが高まっていることがあるとしている。
周氏が四川省トップだった時代とCNPCに在籍していた時代が調査の中心になりそうだとしている。

周氏の息子の周斌は、薄熙来と組んだ油田事業などで多額の不当利益を得たと噂されており、周氏やその家族がこれから利益を得たかどうかが調査される見通しだという。

習近平国家主席は同調査を担当する当局者らに対し、「真相を解明するように」と命じたという。
習主席は昨年11月の就任以来、国民の不満が大きい汚職や腐敗の摘発を政権運営の柱の一つとし、権力の基盤固めを進めてきた。
「ハエも虎も一掃する」と腐敗取り締まりを宣言している。

習国家主席が自らの権力基盤を固めるため、「反腐敗を名目に石油閥に焦点を合わせた」との憶測が流れている。


中国共産党の新指導部体制は、太子党(高級幹部の子弟)、共産主義青年団(共青団)、上海閥の3派が並存するトロイカ体制である。

習近平国家主席は太子党
胡錦濤前主席や温家宝前首相、「リコノミクス」の李克強首相は共青団
江沢民元国家主席、周永康、薄熙来らは上海閥




Amgen Inc.は8月25日、Onyx Pharmaceuticals Inc.(オニキス)を1株当たり現金125ドル、総額 104億ドル(Onyxの現金残を考慮すると実質97億ドル)で買収すると発表した。

がん治療の有望な新薬を持つOnyxを取り込み、同分野に進出する。
昨年承認を受けたOnyxのKyprolis(
carfilzomib)は血液がんの一種である多発性骨髄腫の新薬で、アナリストによれば2021年までに30億ドル以上の売り上げが見込まれる。

OnyxはKyprolisの日本を除くグローバルな権利を持っており、米国では2019年までの独占的なorphan drug の指定を受けており、米国特許は少なくとも2025年まで有効である。

日本では小野薬品工業が2010年にKyprolisの全癌種を対象に独占的な開発・商業化の権利を取得している。
   http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n10_0908_2.pdf

また、Onyxは他に3つの癌関連の製品を持つほか、開発段階のものも多い。
 ・
Bayerと共同販売している肝臓がんと腎臓がんの治療薬 Nexavar
(sorafenib)

 
・Bayerが販売している結腸直腸治療の抗がん剤新薬 Stivarga (regorafenib)

 ・Pfizer, Inc.
が開発する乳がん治療薬 Palbociclib
            2013年4月にFDAが
Breakthrough Therapy(画期的治療薬)に指定。

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Onyx は本年6月30日、Amgenから1株当たり現金120ドル(38%のプレミアム)での買収提案を受けていることを明らかにした。

同社の取締役会は財務と法律面のアドバイザーの支援を受けてこの提案を検討したが、この価格は低すぎるとし、株主の利益にならないとの結論となり、既にAmgenにこの決定を伝えたとしている。

Amgenや他の第三者からの買収提案を受けて、財務アドバイザーにOnyx買収に関心を持つ相手先との接触を任せた。

これを受け、AstraZeneca、Pfizer、Novaltis などが買収案を提示する準備を進めていると報じられた。

しかし、今回、Amgenが当初提示していた買収金額を引き上げる形で決着した。




茂木経済産業相は8月26日、東京電力福島第1原子力発電所で汚染水漏れが起きた現場を視察、「今後は国が前面に出る」と表明し、5項目の対策を指示した。

 1)「多核種除去設備」(Advanced Liquid Processing System:ALPS) の9月中旬からの稼働
 2)
溶接で頑丈に固めたタンクへの更新
 3)近辺の排水弁を閉じるなどの管理強化

 4)
放射線量検査のための周辺の巡回を1日2回から4回に増加
 5) 汚染水の貯蔵リスクの洗い出し

ALPSは東芝が納入したもので、汚染水に含まれる63種類の放射性物質のうちトリチウムを除く62種類を基準値以下まで除去できるとして2012年秋の稼働を予定していたが、本格運転が遅れている。

9月中旬から稼働した場合、当初計画から1年遅れということとなる。

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東京電力は2012年1月23日、福島第一原発で発生する高濃度汚染水から、ほぼすべての種類の放射性物質を除去できる「多核種除去設備」(Advanced Liquid Processing System=ALPS)を2012年秋ごろまでに設置すると発表した。年間約18万トンを処理できる見通し。

トリチウムだけは、水の一部となって存在するため除去が難しい。

2012/1/27 福島第一原発、多核種除去設備を設置 

設備は2012年10月に完成したが、原子力規制委員会による安全審査や追加の安全対策に約5カ月間を要した。

ALPSで除去される放射性物質は、濃縮してコンパクトな円筒形容器(直径約1.6m、高さ約1.9m)で保管するが、容器は樹脂製で、落下試験で中身が漏れ出るケースもあった。

2013年3月25日、 原子力規制委員会が、試運転の実施に向けた原子炉施設保安規定の変更を認可、東電は試運転(ホット試験)を月内にも開始すると発表した。

放射性廃棄物保管容器の安全確保対策は完了しており、現場で最終調整を実施してから試運転に入る。
定格流量で約4カ月間連続運転し、性能を評価した後に本格稼働に移行する 予定であった。

一日250トンを処理できる能力を持つ3系統があり、このうち、1系統で3月下旬から試運転が行われ た。
設備や運用面で大きな問題がなかったことが5月24日に開かれた国の専門家会議に報告された。

これを受けて、原子力規制庁は、残る2つの系統についても、6月中旬以降、順次、試運転を行うことを認めた。

しかし6月15日に、4月から試験運転していたA系でタンクの腐食による水漏れトラブルが発生した。

東電は7月25日に、汚染水に含まれる塩化物イオンや次亜塩素酸の影響で、厚さ約9ミリのタンクの溶接部分の腐食が進み、微細な穴が開いたことを明らかにした。
対策として、タンクの内側にゴムを張ることとし、試運転中のB系統も8月初めに停止してタンクを補修、まだ試運転を始めていないC系統も対策を取ることとし、全ての系列が停止した。

9月中旬には1基目の運転再開を目指していた。

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トリチウムは、三重水素からなる水と同型の分子構造からなる液体の放射性物質で、半減期は約12年。
水の形態で存在するため、分離は困難である。

東電ではトリチウムの除去方法について調査しているが、現在のところ使える技術はないとしている。
   http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/c130426_06-j.pdf

同社はまた、本年2月28日に「福島第一原発のトリチウムについて」という発表をし、安全だとの主張をしている。

トリチウムの特性は一般的に次の通りとしている。

・化学上の形態は、主に水として存在し、私たちの飲む水道水にも含まれています
・ろ過や脱塩、蒸留を行なっても普通の水素と分離することが難しい
・半減期は12.3年、食品用ラップでも防げる極めて弱いエネルギー(0.0186MeV)のベータ線しか出さない
・水として存在するので人体にも魚介類にも殆ど留まらず排出される
・セシウム-134、137に比べ、単位Bqあたりの被ばく線量(mSv)は約1,000分の1

これに対する批判は多い。一例 東電が出してきたトリチウム安全プロパガンダを検証

 

問題はALPSで処理した水をどうするかである。

ALPSがうまく稼働すればほぼすべての種類の放射性物質を除去出来るはずだが、トリチウムは処理水に混じり込んでいる。

トリチウムの排出規制値は、経産省告示では6万ベクレル/リットル であるが、福島第一原発の汚染水には130万ベクレル/リットル 以上が含まれ、ALPS処理水も同様である。

地下水の流入は1日400トンで、流入は止まらず、汚染水は増える一方で、タンク設置も限界に達しようとしているが、ALPSでほとんどの種類の放射性物質を除去できても、トリチウムが残る限り、この問題の解決策にはならない。

政府と東電は恐らく、ALPS処理水を海洋投棄することを考えていると思われる。

仮にALPS処理水のトリチウムが130万ベクレル/リットル (規制値の22倍)とすると、ALPS処理水を汚染されていない地下水と22対1の割合で混ぜ 、規制値以下にして放出するということである。


福島第一原発で高濃度の放射能汚染水がタンクから漏れた事件で、原子力規制委員会は国際原子力事象評価尺度の暫定評価を、これまでの「レベル1」(逸脱)から「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げた。

国際的にも注目されている。
韓国原子力安全委員会は8月29日、福島第1原発の汚染水漏れの実態把握に向け、日本に専門家を駐在させる方針を明らかにした。

 
汚染水問題をめぐっては、福島県の地元漁協が試験操業の延期を決めるなど影響が広がっている。

薄めて規制値以下にして放出するということが、国民の理解を得られるであろうか。



米国のJacob Lew 財務長官は8月26日、議会指導部に書簡を送り、10月半ばに米政府の資金が底をつくと警告した。

最新の見積もりでは、現在取っている特別措置は10月半ばには枯渇するし、借入上限に達するため、手持ちの現金でしか運営できなくなる。現在の予想では現金残高は約500億ドルに過ぎない。
不確定要素が多く、現金をいつ使い切るかは見積もれない。
投資家が期限のきた国債について再投資をしなければ、政府は現金不足に陥る。

借入上限引き上げは政府の支出を増やすことではなく、議会が以前に認めた支出を実施できるようにすることである。

議会のみが借入上限を引き上げられるため、米国の信用力を守るのは議会の責任である。それが出来なければ米国経済に取り返しのつかない害を与える。

議会は国に対する責任を果たし、デフォルトの危険を取り除くため、出来るだけ早く行動すべきだ。10月半前に行動すべきだ。

米国の政府債務の動きは下記の通り。

2011年に連邦政府の債務が上限の14.3兆ドルに達した。

同年7月31日、
米与野党指導者は、債務上限を2.1兆ドル引き上げて16.4兆ドルにするとともに、その条件として今後10年間で2.5兆ドルの財政赤字を削減することで合意に達した。

2011/8/3  米国、債務上限引き上げ、デフォルト回避 

与野党が具体的な削減案に合意できなかったため、2013年1月から10年間1.2兆ドルの予算カット条項が発動されることとなった。
2012年末には連邦債務は見直し後の上限16.4兆ドルに達した。
更に、2012年末で大型減税が期限切れを迎えた。

これが「財政の崖Fiscal Cliff)」である。

米与野党幹部は2012年12月31日夜、 2012年末から2013年初頭にかけて米国で減税の期限切れと政府支出の強制削減がほぼ同時に訪れる「財政の崖」への対応で、当面の回避案で合意した。

2013/1/4   米国、「財政の崖」問題を当面回避

その後の動き:

2013/2/4 米国の国債発行の法定上限を暫定的に引き上げる法案成立
  2013年5月18日までに限って
向こう3か月分の歳出に相当する額の国債の発行を政府に認める。
2013/3/1 政府予算の強制削減措置 発効

 ・ 米政府の支出を今後10年間で計1兆2千億ドルを強制的に削減
    ・ 2013会計年度(2012/10-2013/9)で850億ドルを削減
      国防費が13%、国防費以外が約9%削減

2013/3/21 暫定予算案を承認
 850億ドルの歳出強制削減を維持、削減に一定の裁量
2013/5 (2月に上限越えを認めた)約16兆7000億ドルの債務上限に達した。

現在は、デフォルトを回避するためさまざまな緊急措置を実施し、資金をやりくりしている。
年初からの富裕層向け増税、3月からの強制的歳出削減で財政状況が改善、景気回復による連邦税の増加なども役立っている。

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民主党と共和党の考え方は、税金と社会福祉について全く異なる。
2012年の大統領選挙の選挙公約となる政策綱領は以下の通り。

民主党 「成長する中間層に投資し、強い米経済を再生する」

  中間層以下には年末に期限を迎える包括減税「ブッシュ減税」を延長
  富裕層の減税は打ち切り

共和党 「アメリカンドリーム」は危機にある。政府を適切な役割に戻し、より小さく、より賢くしなくてはならない。

  最善の雇用創出計画は経済成長だ。政府による助成や一時的・人為的な雇用は提供しない。
  ブッシュ減税を延長する。中低所得者層の金利や配当、株式売却益への課税を廃止する。
  オバマ政権の医療保険改革を撤廃する。
  高齢者や低所得者向け医療保険を現在の「確定給付型」から「確定拠出型」に移行する。


オバマ米大統領は4月10日、2014会計年度(2013年10月─2014年9月)の予算教書を議会に提出した。

富裕層に対する増税や社会保障費の抑制などを通して、財政赤字を10年かけて1兆8000億ドル削減する。

大統領は、赤字削減のため民主、共和両党の妥協が必要であるとし、両党に聖域(Sacred cow)はあってはならないと述べ、富裕層に対する増税とともに、大統領としては通常なら提案しない年金の物価調整方式の変更も折り込んだ。

2013/4/13 オバマ大統領、予算教書を議会に提出

昨年末の「財政の崖」協議で富裕層増税を受け入れた共和党は、次は民主党が譲る番だとして、一段の歳出削減や社会保障制度改革を要求している。

下院多数派の野党共和党は、債務上限を引き上げる条件として大幅な歳出カットを掲げている。一部議員はオバマ政権が推進する医療保険制度改革の撤廃を求めている。

一方、オバマ大統領はいかなる取引にも応じない」と述べ、この問題を政治的駆け引きの材料とはさせない決意を示しており、大統領報道官は「議会が積み上げてきた請求書を支払う議会の責任をめぐり、議会で共和党と交渉するつもりはない」と断言した。


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なお、米国の債務残高は2000年以降、急増しているが、残高がGDPを超えたのは2011年になってからである。
GDP比でみると、イタリアでさえ130%であり、日本が突出している。


韓国の鉄鋼メーカーPOSCO は8月25日、モンゴルで同国最大企業のMCS Group と共同でCoal-to-liquid (CTL) 事業を行うことを明らかにした。現在、モンゴル鉱山局の認可待ち。

MCSとの50/50 JV Baganuur Energy Corp.で、石炭を熱分解して合成ガスを生産、これから年産10万トンのDMEと45万トンのディーゼルオイルを生産する。200MWの発電所も建設する。

投資額は20億ドルで、2018年末の完成を見込む。

ディーゼルオイルは主に炭鉱で使用される。MCS自体が南モンゴルに炭鉱を持ち、年に20~30万トンのディーゼルオイルを使用している。
DMTはLPGよりも安く、他の化石燃料と比べカーボンや粒子の排出が少なく、大気汚染対策に役立つと期待される。

POSCOはこれを通じ、世界で10位の石炭埋蔵量を持つモンゴルで資源開発の足場を確保する。

POSCOでは、これは同社のエネルギー事業をグローバルに展開するための第一歩であり、単に利益を求めるのではなく、モンゴルの開発に貢献しうる事業を築くものであるとしている。

相手のMCSは1993年設立で、現在、エネルギー、インフラ、IT、通信技術、飲料、繊維、不動産、鉱業等、幅広い事業を行っている。

モンゴルでは燃料を輸入燃料(92%はロシアから)と低品位の石炭に依存しており、低品位石炭は大気汚染の原因となっている。
POSCOとMCSは2010年以来、問題解決手段としてCTL事業を推進してきた。
昨年、カナダのHatchを使ってFSを実施した後、本年5月にBaganuur Energyを設立した。

モンゴル政府もエネルギー問題解決の手段としてCTLに期待しており、税務上の恩典等により本計画をサポートする。

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Baganuur Energyは首都Ulaanbaatarの東方 20分のBaganuur Districtに工場を建設、近くのBaganuur炭鉱の石炭を原料に年産10万トンのDMEと45万トンのディーゼルオイルを生産する。近くに鉄道と川があり、輸送に便利な場所である。

Baganuur炭鉱は政府が70%出資しており、埋蔵量は7億トン以上とされる。
今後60年は使用できるとされる。


Poscoは現在、全羅南道光陽市で年産50万トンの合成天然ガス(SNG)プラントを建設中で、2014年6月に生産開始を予定している。
同社によると、モンゴルのCTLプラントは光陽のプラントと75%は類似しているという。

POSCOは今回のCTL事業に加え、Ulaanbaatarで計画されている石炭火力IPP事業「Combined Heat and Power Plant No.5」において、フランスのInternational Power GDF Suez、モンゴルのNewcom Group、日本の双日との4社でコンソーシアムを組成、このたび優先交渉権を獲得した。

双日の発表(2013/7/6)によると、双日、GDF Suez、POSCO Energyの3社がそれぞれ30%、Newcomが10%の比率で出資する。

450MWの電気と587MWtの熱を作り出す熱電併給プラントを建設、2016年の運転開始で、Ulaanbaatarを含む中央地域における電力需要量(約960MW)の約50%を供給することが可能となる。

業界筋では、POSCOは、製鉄事業が頭打ちになっているためエネルギーや資源分野を拡大しようとしており、いろいろの事業で評判を確立したのちに、モンゴルで鉱山開発に乗り出すのではないかとみている。

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モンゴルではドイツのThyssenKruppもCTLプラントと熱回収コークス製造設備の建設についてモンゴル政府との契約を締結している。

2012年3月にモンゴル大統領がドイツを訪問した際に、ThyssenKrupp Uhdeとモンゴル政府はCTLプラントと熱回収コークス製造設備(窯出しされた赤熱コークスの顕熱を蒸気又は電気エネルギーとして回収するもの)の建設の2つの覚書を調印した。FSは既に実施済み。

同時に、ThyssenKruppはIndustrial Corporation of Mongoliaに対し、PRENFLO® 石炭ガス化技術をライセンスした。

 



BASFは8月22日、日揮との間で、BASF のガス精製技術 OASE®のライセンス契約を締結した と発表した。

日揮が苫小牧に建設する日本初のCCS (Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素の分離回収・貯留)トータルシステムの実証設備に技術をライセンスする。

出光興産北海道製油所の水素製造装置から供給される燃料ガスに含まれる二酸化炭素( CO2 )を回収するもので、年間約 20 万トンの CO2 を回収する。
また、この技術によるガス精製処理後の主に水素とメタンからなるクリーン・ガスを、CCS 設備で使用するスチームや電気などの生成に利用することができる。

BASF のガス精製技術は、その他の方法と比べて、分離回収にかかるエネルギー消費量が少なくて 済む。
ライセンスには、ガス精製技術に加え、必要な薬液と関連サービスも含まれる。

東洋エンジニアリングのホームページでは、同社は1984年にBASFのOASEプロセスのAuthorized Engineering Companyとなり、ライセンス及び基本設計の代行業務を行っているとなっている。

事情不明だが、今回は日揮が受注したため、日揮との間でライセンス契約を結んだと思われる。

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2008年5月、地球温暖化対策としてのCCSを推進するという国の方針に呼応する形で、電力、石油精製、石油開発、プラントエンジニアリング等、CCS各分野の専門技術を有する大手民間会社が結集して日本CCS調査株式会社が設立された。

経産省は2020年以降のCCS実用化(年間100万トン規模)に向けて実証試験を 計画、2008年度より複数の候補地で地質調査等を進め、2011年12月に北海道苫小牧を実証試験地として選定した。

2012年2月、日本CCS調査に二酸化炭素を含有する原料ガスから二酸化炭素を分離・回収し、圧縮から輸送、圧入、地中貯留、モニタリングまでを一貫して行う実証試験事業 を委託した。

日揮は日本CCS調査による入札の結果、原料ガスから二酸化炭素を分離・回収・圧縮し、圧入井への輸送を行う本事業の地上設備に係る設計、機材調達、建設工事および試運転役務を担当 する。

最大年間20万トンの二酸化炭素を分離・回収・圧縮する設備と地下へCO2を圧入する設備を設計・建設するとともに、2坑の圧入井 (海底下約1,000mと約3,000m)を掘削する。
納期は2016年1月末となっている。

概要は以下の通り。

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日本CCS調査のホームページでは世界の主なCCSプロジェクトを紹介している。(一部修正、補足)

  立地 圧入開始 貯留 圧入量  
ノルウェー Sleipnerガス田
(北海)
1996 海底下800m〜1000m
炭化水素貯留層の上にある深部塩水層
年間100万トン StatoilHydroが開発する天然ガスには基準(2.5%)より多い9%のCO2が含まれるため、余分のCO2を回収。

Snoehvit ガス田
バレンツ海)
2008 海底下2600m
塩水層
年間70万トン 天然ガスからCO2を分離、圧入

カナダ Weyburn

 

2000 地下1500m 年間100万トン North Dakotaで石炭ガス化で分離したCO2を323kmのpipelineで輸送し、油層に圧入 し、石油増進回収(EOR=enhanced oil recovery)に使用
アルジェリア In Salah
 
2004 地下1800m
深部の塩水層
年間100万トン 天然ガスからCO2を分離、圧入

フランス Lacq
(実証)
 
2009 地下4500m 12万トン/2年 発電プラントからのCO2を生産終了ガス田に圧入
(Totalが担当)

豪州 Otway
(実証)
 
2008 地下2050m 6.5万トン/3年 ガス田からのCO2を枯渇ガス田に圧入

米国 Mountaineer
(実証)
 
2009 地下2500m 3.7万トン/2年半 石炭火力発電プラントからのCO2を帯水層に圧入
American Electric Powerとエネルギー省がコストを 分担)

2011年に商業規模での事業化を凍結
米国での不明確な温暖化政策や経済状況の低迷を考慮




ルイジアナ州裁の陪審員は8月21日、アスベストの使用で癌(中皮腫)にかかった従業員に対し、Dowの責任を認め、595万ドルの賠償金支払いを命じた。

原告側弁護士は、Dowは数千人の従業員をアスベストの危険に晒しており、今回の従業員は数百人の癌の被害者の1人に過ぎないとしている。

提出された記録によると、ほとんどの化学会社が数十年前にアスベスト使用を止めているのに対し、Dowは、アスベストを含まない代替品と比べて約10%安いという理由で、世界中の製造設備でアスベストを使い続けている。

同社はEPAによるアスベスト禁止に対する反対のロビー活動を行った。
米国ではEPAにアスベスト使用を認めるよう運動して成功、海外でもアスベスト禁止に対して争っている。

裁判資料では、Dowは"cost per cancer" 分析を行い、全てのプラントでアスベストを使わない方法に変更した場合、12億ドル以上が必要と判断した。
1970年に従業員や契約労働者が(直接アスベストを扱わない人を含め)中皮腫などの癌になる可能性を予測しながら、アスベストの使用継続がコスト的に有利であるとした。

現在もアスベストの使用を継続している。

従業員の発癌の可能性を予測しながら、損益計算をしてアスベスト使用を継続したというのが本当なら、恐ろしい会社である。
Agent Orange、Bhopal、Dioxinなどへの対応も含め、社会的責任をどう考えているのだろうか。

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アスベストについては、1972年にILO、WHOの専門家会合で石綿の癌原生を指摘した。

日本では1975年に吹付け石綿の原則禁止、1976年に石綿代替促進通達が出された。
1987年に業界自主規制で使用禁止とし、1995年に使用禁止となった。

欧州でも1991年にオランダ、92年にイタリア、93年にドイツで全石綿の原則使用禁止となり、1999年にEUが全石綿の使用禁止を決定した。
(1997年のフランスの使用禁止に対し、最大の輸出国のカナダがWTOに提訴したが、WTOは2001年にフランスとEUを支持、貿易制限措置を容認した。)

 

米国では、WHOが使用禁止を勧告した1989年にEPAが石綿の使用禁止規定を制定した。

官報で、「1997年までに3段階にわたり、ほとんどの石綿含有製品の製造、輸入、加工および商業的流通を禁止する」とした。

しかし、1991年10月18日に米国連邦高等裁判所はこのEPA規制は無効であるとの判決を下した。

ただし、高裁は1989年7月のEPA規制公布日の時点で、製造、輸入あるいは販売などが行われていない石綿含有製品と、新しい石綿および石綿含有製品の使用については禁止することができる とした。

EPAはこれに基づき、石綿セメント管用テープ、ルーフィングフェルト、ビニル石綿タイルなど14品目と石綿の新用途を禁止する旨の通達を1992年4月に出した。

これに対して米国の業界が、これらのうちの多くが1989年時点で輸入されたり、製造されたりしていたとの書類を提出した。
その結果、EPAは1993年11月に以下の18品目を禁止品目から除外した。

石綿スレート波板、石綿スレート平板、石綿織布、パイプライン・ラップ、ルーフィング・フェルト、ビニル石綿床タイル、石綿セメント屋根板、石綿板(以上8品目は禁止14品目に含まれていたもの)
石綿セメント管、トランスミッション部品、クラッチ・フェーシング、摩擦材、ディスク・ブレーキ・パッド、ドラム・ブレーキ・ライニング、ブレーキ・ブロック、ガスケット、ノン・ルーフィング・コーティング、ルーフィング・コーティング

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Dow Chemical はHome Pageに「Issues & Challenges」というページを持ち、同社の抱える4つの問題点(Agent Orange、Asbestos、Bhopal、Dioxin)について同社の立場、観点を説明している。

Asbestoについては以下の通り。(2013年2月15日更新)

Dowと子会社の UCCはアスベスト製品の工場での使用(及び、UCCの場合はアスベスト繊維等の販売)に際して政府の規則、業界の基準に従がっている。

過度に曝露されて発症した場合は補償が必要だが、裁判は大変なため、法律などによる国としての解決が必要である。

将来の補償額が不明なため多くの企業が破産に追い込まれており、この点からも幅広い国としての解決が必要である。

注)米国ではアスベストを巡る訴訟が相次ぎ、W. R. Grace は2001年に破産法11条を申請した。

Dow(アスベスト使用者として)とUCC(生産者及び消費者として)は自社に対する訴訟には防衛してきたし、今後も防衛する。
同時に、国の問題として、法律による解決を支持する。

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今回の裁判で原告側を代表している弁護士事務所 Baron & Budd, P.C.は30年以上にわたりアスベスト被害者を対象にしてきた。
The national mesothelioma (中皮腫) law firm と称し、中皮腫ニュースというホームページで被害者に呼びかけている。

55か国でアスベストを禁止しているが、米国では2011年に1,180トンが使用され、毎年3,000人が中皮腫と診断されているとしている。

今回の実績をもとに、Dowに対する訴訟も相次ぐと思われる。しかもアスベスト使用を継続する限り、患者は増え続ける。

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参考 日本のケース

2012/12/10  建設労働者アスベスト訴訟、国に初の賠償命令


 


化粧品世界最大手のフランスのL'Oréal は8月15日、中国の美容パック会社である美即控股(Magic Holdings International)に対し、約840百万ドルで買収提案を行ったことを明らかにした。

美即は「MG(美即)」ブランドで各種スキンケア用品、化粧品の製造を手掛け 、2012年の売上高は約150百万ユーロ。
主力製品のシートマスクの売上高は中国国内で最大手。

2010年9月に、婦人科向けの医薬品、女性用医薬品及びバイオ医薬品の研究開発、製造販売を行う華瀚生物製薬(Hua Han Bio-Pharmaceutical)から分離上場 した。

美即の株式の62%を保有する6人の株主はL'Oréalによる買収に賛成している。
買収には中国商務部の独禁法に基づく承認が必要となる。

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L'Oréal は1997年に中国に進出、現在では中国に3500人の従業員を抱え、上海に研究センター、江蘇省蘇州市と湖北省宜昌市にプラントを持つ。

2012年の中国の高級化粧品の市場シェアは下記の通りで、L'Oreal は米国のAmwayと並ぶが、伸び率は異なる。

 

Source: http://blog.livedoor.jp/kakyosha_nissy/archives/27599279.html


L'Oréal はこれまでも中国のブランドを買収している。

L'Oréal は2003年12月に中国の化粧品ブランド、小護士(「小さな看護婦さん」:Mininurse)を買収した。

小護士は1992年設立で、中国では3大スキンケア商品の一つとして人気を博し、5%のシェアを有していた。
L'Oréal のもとでリニューアルした小護士は、顧客の要望をより反映したスキンケア商品を目指し、さらなる顧客獲得を図る。

L'Oréal は2004年1月、Coty Group 傘下の化粧品ブランド、羽西(Yue Sai)の買収を発表した。

羽西は中国系アメリカ人女性のYue-Sai Kan(靳羽西)が1992年に中国で設立した中国初の化粧品専門会社で、1996年にCotyとの合弁となった。

Yue-Sai Kanは1972年に米国に移民、中国と米国の貿易を始め、テレビ番組司会者プロデューサー、化粧品クィン、ベストセラー作家、慈善活動家など多くの肩書きを持つ。
中国女性におしゃれを教えた功労者とされる。

 



SABIC子会社のUnited Jubail Petrochemical Company はこのたび、SABICのCarbon Dioxide Utilization Project 実施のため、Linde Groupとの間で世界最大のCO2精製・液化プラント建設のための設計・購買・建設契約を締結した。

プラントは同社のエチレングリコールプラントから出る二酸化炭素 日量1,500トンを圧縮、精製する。

精製した二酸化炭素(ガス)はSABIC子会社3社にパイプで送り、新法のメタノール、尿素の原料に使用する。
プラントでは又、食品グレードの液体二酸化炭素 日量200トンの生産が可能で、トラックで飲料、食品会社に供給される。

United Jubail Petrochemical Companyの概要は以下の通り。

LOCATION Al-Jubail
PARTNERSHIP SABIC (75%), Pension Fund (15%), General Organization of Social Insurance (10%)
FEEDSTOCKS Ethane
PRODUCTS
  
能力:千トン

Ethylene

  1,000

linear alpha olefins

150

HDPE

400

EG

1,200

50% ownership in a 800,000 mt/y HDPE/LDPE of PETROKEMYA


SABICでは、原料のハイドロカーボン、その他の原料とエネルギー(ハイドロカーボン)を使って、化学品、メタル、肥料、ポリマーを生産するが、生産の過程で大量のCO2(温室効果ガス)を発生させている。

今後、生産を更に増やすに当たり、環境問題も解決したいとの問題意識から、Carbon Dioxide Utilization Project を検討した。

2012年5月の説明会 Industrial look ahead for CO2 utilization


構想は以下の通り。

当面の計画は下記の通りで、回収したCO2(及びN2、H2)を原料に、メタノールと尿素を生産する。
     SABICでは現在、貴重なH2も無駄にしている。

将来はオレフィンの生産はCO2原料にドラスチックに移行する可能性があるとしている。

・CO2からオレフィン
・メタノール経由でオレフィン
・Syngas経由でオレフィン

現在のオレフィン製造コストは環境コストを考慮していないが、これを勘案すると、CO2を原料とするのは経済的にも有利となるとしている。

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日本では三井化学が2008年にCO2からのメタノール合成プロセスの実証パイロットプラントを建設、2009年から稼働させている。




ダンロップの住友ゴム工業は、石油や石炭などの化石資源を全く使用しない世界初の「100%石油外天然資源タイヤ」を2013年11月に発売を開始すると発表した。

同社では石油や石炭などの化石資源への依存度を最小限にすることを目指した「石油外天然資源タイヤ」の開発に2001年から取り組んでおり、2006年には石油外天然資源の使用比率を70%に高めた「エナセーブ ES801」を、2008年には同割合を97%にまで高めた「エナセーブ 97」を発売した。

天然ゴムの比率を多くするとブレーキ性能等のグリップ力の低下や耐磨耗性の悪化が避けられず、タイヤとしての性能は確保できないのが問題であった。
ダンロップは天然ゴムの分子構造を改良してその難関を克服した。

「エナセーブ 97」は従来のトレッド部に加え、天然ゴムの使用が難しいサイドウオールやインナーライナの部分にも、天然ゴムを改質して使用できるようにし、脱石油資源を大幅に進めた。
その一方で、タイヤの「転がり抵抗」を従来品と比べて35%も削減し、燃費も格段に向上させた。

このほか、鉱物油を植物油に、合成繊維を植物性繊維に代替、カーボンブラックの一部をシリカに代替し、97%まで高めた。

残り3%の原材料を天然資源化する研究を進めてきた結果、
「老化防止剤」と「加硫促進剤」については、原材料化合物をバイオマス資源から特殊触媒により合成に成功、
「カーボンブラック」については、植物由来の油分から、従来と同等の性能を有するカーボンブラックを製造することに成功した。

同社の特許に下記がある。

グルコースを微生物によって安息香酸・安息香酸誘導体に変換
(または植物から安息香酸・安息香酸誘導体を抽出)
            ↓
得られた安息香酸・安息香酸誘導体をアニリン・アニリン誘導体に変換
            ↓
老化防止剤、加硫促進剤を製造

2011年に開催された「第42回東京モーターショー2011」で「100%石油外天然資源タイヤ」のプロトタイプを発表、その後、耐久性などの信頼性の評価と量産化技術の確立に向けた開発を進めた結果、11月の「第43回東京モーターショー2013」で発表し、同時に発売を開始する。

一般タイヤ 石油外天然資源タイヤ
合成ゴム 天然ゴム
改質天然ゴム
鉱物油 植物油
カーボンブラック シリカ
植物由来の油分からのカーボンブラック
合成繊維 植物性繊維
老化防止剤
加硫促進剤
バイオマス由来原料化合物

同社では今後、石油外天然資源タイヤからの進化技術として、高機能バイオマス材料を開発し、商品化につなげていくとしている。
高機能バイオマス材料による商品化技術は、2016年に第1世代、2020年に第2世代を確立する予定。

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ブリヂストンも、再生可能原料のみを使った理想のタイヤ技術を目指している。

2012/5/30   ブリヂストン、再生可能原料のみを使った理想のタイヤ技術を目指す


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住友ゴム工業は当初、英国のDunlop Rubber の日本工場としてスタートした。
1963年に住友ゴムとなり、1999年にGoodyearと全世界のタイヤ事業で提携、2003年にオーツタイヤと合併。
 この結果、ダンロップ、グッドイヤー、ファルケンの3ブランを持つ。

  英国
Dunlop Rubber
日本
住友ゴム工業
米国
Goodyear Tire & Rubber
1888 John Boyd Dunlop が空気入りタイヤを発明    
1889 Dunlop Rubber 設立    
1898     設立
1909   Dunlop Rubber の神戸工場  
1917   法人化、ダンロップ護謨(極東)  
1960   住友グループが30%出資
(住友電工、住友商事)
 
1961   長銀出資(日本側50%)  
1963   日本側56%、住友ゴム工業に改称  
1980代
前半
経営悪化    
1983 住友ゴム持株40%全てを売却 日本側100%  
1984 英独仏6工場を住友ゴムに売却 Dunlopの英独仏6工場を買収  
1985 BTRがDunlop 買収
 タイヤ部門は住友ゴムに売却
(他の部門も順次売却)
   
1986 Dunlop USAを住友ゴムに売却 Dunlop USA 買収  
1999 (左により)
Dunlopタイヤ部門は
Goodyear 75%/住友ゴム25%

欧州、北米、日本でのタイヤ事業のアライアンス

日本を含むアジア市場は住友ゴム
北米・欧州市場はGoodyear
(住友ゴムは現物出資し、25%保有)

2003   オーツタイヤと合併
 (ファルケンブランド)
 

現在の状況
 住友ゴム
(SRI) 持株
  
Goodyear Dunlop Tires Europe 30%
    Goodyear Dunlop Tires North America 30%
    Goodyear-SRI Global Purchasing Co.  20%

 住友ゴムへの出資 Goodyear 1.3%


1999年のGoodyearとの提携について、当時、「住友ゴム救済のための提携」と噂された。

住友ゴムは1980年代前半に欧米で工場を買収し、その設備更新などに資金をつぎ込んだため、資金収支が悪化しており、メーンバンクの日本長期信用銀行が1998年に国有化されたこともあって、同社の安定性が問題視されていた。

住友ゴムは欧米での主導権をGoodyearに渡した。
見返りとして、欧米での合弁会社2社設立で、製造設備などを現物出資して、25%出資としたが、資産価値と出資分との差額の9億3600万ドルを
Goodyearから受け取り、負債返済に当てた。

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世界のタイヤの現在のシェアは以下の通り。

Goodyear/住友連合としては14.9%となり、ブリヂストン、ミシュランと並んだ3強となる。



田辺三菱製薬は8月8日、同社が日本で販売する抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤「レミケード®点滴静注用100」(REMICADE、一般名:Infliximab)に関し、Janssen Biotech(Johnson & Johnson子会社)に対して、開発販売契約に基づく供給価格の改定を求める国際商工会議所(ICC)への仲裁申立を行っていたが、これに対し、供給価格を低減すべきとの仲裁判断を受領したと発表した。

これに基づき、過年度分(2008年4月~2013年3月)の供給価格の精算金額として約117百万米ドルをJanssenから受領した。

レミケード®は、Janssen(旧 Centocor Biotech) が創製した関節リウマチ等の治療薬で、1993年に田辺製薬が、日本及びインドネシア、台湾における本剤の開発・販売に関する契約を締結し、2002年にクローン病治療薬として日本での販売を開始した。

田辺製薬は2007年10月1日に三菱ウェルファーマと合併し、田辺三菱製薬となった。

現在では、関節リュウマチ、クローン病、乾癬、潰瘍性大腸炎、ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎、強直性脊髄炎治療薬として販売され、2012年の売上高は前年比10.8%増の735億円となっている。

仲裁申立ての背景は明らかでないが、田辺三菱製薬は2009年に、田辺に日本での販売権を与えていた両社のDistribution Agreement をもとに、Centocor Ortho Biotechの親会社のJohnson & Johnson に対する調停申し立てを行った。

これに対し、相手側は供給価格の引き上げを提案した。

このことと、後述のMerckとJohnson & Johnsonの間の調停とを勘案すると、親会社となったJohnson & Johnsonが田辺製薬と三菱ウェルファーマの合併を理由に、販売権の打ち切りを提案したのではないかと推測される。

田辺三菱製薬は仮価格として相手側の提案価格で支払いを行い、調停を継続した。

Johnson & Johnson側の発表によると、調停パネルは2011年8月に、田辺三菱が供給価格引き下げを求めることができるとした。
2011年11月には価格を決めるヒアリングが行われ、2013年2月には田辺三菱に有利な判断が下された。

Johnson & Johnson側はこの時点で返金額の引き当てを行い、その後詳細が協議されてきた。

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Janssen Biotechは旧称 Centocor Biotechで、1979年にPhiladelphiaで設立された。

Centocorは1999年にJohnson & Johnsonの100%子会社となり、2008年にOrtho Biotechと合併してCentocor Ortho Biotechとなった。

2011年6月にCentocor Ortho BiotechはJanssen Biotechに改称した。

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Remicadeは当初、
 米国ではCentocor Ortho Biotech(現在のJanssen Biotech)
 日本、インドネシア、台湾では田辺三菱製薬
 中国では子会社のXian Janssen(1985年設立、Johnson & Johnson 子会社)
 その他地域ではSchering-Plough
が販売していた。

2009年にMerck & Co., Inc. がSchering-Plough と合併することで合意したと発表した。

2009/3/11 米Merck、米Schering-Plough を買収

2009年5月、Centocor Ortho Biotechの親会社のJohnson & Johnson はSchering-Plough のMerckとの合併を理由に、Remicadeの販売権の取り消しを求めて調停にかけた。
契約上、
Schering-Plough が売却された場合は、販売権を取り消すとの条項があった。

MerckはSchering-Ploughとの合併契約では、この条項は適用されないとして強く反発した。

調停の結果、両社は2011年4月に以下の点で合意した。

Schering-Ploughはカナダ、中南米、中東、アフリカ、アジア太平洋(売上高で30%)の権利を放棄する。
・欧州、ロシア、トルコ(売上高で70%)については従来通り、独占権を維持する。
・欧州、ロシア、トルコでの利益配分比率を変更する。
  従来はSchering-Ploughが58%、Centocor Ortho Biotechが42%、
  これを2014年に50/50となるよう、順次調整する。

詳細は不明だが、田辺三菱製薬の場合も、恐らく当初はJohnson & Johnsonが田辺製薬の合併を理由に販売権の取り消しを求め、これが無理と分かり、利益配分率の変更を求めたものと思われる。



中国商務省は米医薬品・医療機器大手 Baxter International によるスウェーデンの医療機器メーカー Gambroの買収を条件付きで承認した。
2013年8月8日 公告58号

買収が完了すれば、透析市場で第2位のメーカーが誕生する。

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Gambroは医療技術志向性のグローバル企業で、腎臓透析や肝疾患治療用透析、骨髄腫腎治療、その他の慢性・急性患者の体外循環療法に関する製品と治療法の、開発、製造、供給を行っている。

Gambroの歴史は、ニルス・アルウォール教授が世界初の人工腎臓の一つを考案したことに始まる。
1961年に、実業家のホルゲル・クラフォードはアルウォール教授の考えに感銘を受け、1964年にスウェーデンのLundでGambroを設立、この新しい救命装置の開発と、商品化を図った。

1967年にシングルユースの人工腎臓と透析装置の大量生産が始動し 1970年代には初の海外生産工場がドイツに建設された。

その後、幾度かの買収を経て、 Gambroは製品とサービスの範囲を広げた。

2006年6月、スウェーデンの投資会社のEQTとInvestor ABの共同所有会社のIndap ABが現金によるTOBにより全発行済み株式を取得し、現在に至っている。

2007年にGambro Groupは3つに分社化され、その後、2社は売却された。

1)Gambro(体外循環療法) 

2)CaridianBCT(血液成分分離技術) テルモが買収
     
2011/3/18  テルモ、米医療機器メーカー買収 

3)Diaverum(透析治療施設の運営)   投資会社Bridgepointが買収

Gambroは、現在7500名以上の従業員を雇用し、9カ国に13の生産拠点を有し、100カ国以上で営業活動を行っている。

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Baxter International は2012年12月4日、Gambro ABを約40億米ドルで買収する契約を締結したと発表した。

買収によりGambroの血液透析療法と急性血液浄化法の分野と、Baxterの在宅透析療法分野の製品と技術が組み合わされ、この分野での需要家のニーズを満たすことを狙う。

Gambroは血液透析(hemodialysis:HD) と持続的腎機能代替療法(continuous renal replacement therapy:CRRT) で使われる透析製品のグローバルな供給者で、2011年の売上高は約16億ドル。

ーーー

中国商務部は2012年末にBaxterから買収について独禁法による承認申請を受け、審査をしてきた。

その結果、CRRT市場と人工腎臓装置及び透析器市場での合併後のシェアが高くなり過ぎることが問題となった。

持続的腎機能代替療法(CRRT)市場シェア

    Baxter Gambro     total
世界 CRRT total  7% 57% 64%
CRRT trail pipe  6% 53% 59%
CRRT dialyzer  12% 50% 62%
中国 CRRT monitor 14% 43% 57%
CRRT trail pipe 36% 48% 84%
CRRT dialyzer 15% 64% 79%


人工腎臓装置及び透析器(hemodialysis dialyzers)市場シェア

Baxter  3% Niproが受託製造
Gambro 19%  
小計 22%  
Nipro  26%  
合計 48%  

今回、承認の条件となった是正策は以下の通り。

1)CRRTについてはBaxterは事業を売却する。

2)人工腎臓装置及び透析器についてのニプロへの委託契約を2016年3月31日までに終了する。

3)その他の制限事項の遵守
 
 

なお、EUは2013年7月22日に条件付きでこれを承認した。

EUも合併後のCRRTの市場シェアが高くなり過ぎることを問題とした。また需要家は他に代替供給先を見付けるのが難しいことも問題となった。

このためBaxterは下記の対応策を提案した。

 Baxterの従業員、供給契約、知財、製品、需要家リストを含む全世界のCRRT事業の売却
  欧州市場内で、事業買収者の選んだ場所にCRRTに使用される流体を製造するラインを設置する。

人工腎臓装置及び透析器については、欧州では両社は競合しておらず、Fresenius Medical Careなどの競合社があるため、問題なしとした。

この結果、EUはBaxterによる対応策を受け入れ、合併を承認した。

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なお、テルモは2012年3月、中国の最大手医療機器メーカーである威高集団有限公司の中核事業会社である山東威高集団医用高分子製品股分有限公司と腹膜透析事業における戦略的提携に関する基本契約を3月18日に締結した。

これに基づき、テルモは2012年12月に、山東威高のグループ会社である威海威高血液浄化製品有限公司と、中国において腹膜透析関連製品の製造を行なう50/50の合弁会社「威高泰尓茂(威海)医療製品有限公司」を設立した。

透析には、腹膜透析(PD)と血液透析(HD)がある。

腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)とは、内臓を覆う腹膜に囲まれた腹腔内に透析液を注入・貯留し、腹膜を介して血中の不要な老廃物や水分を除去する療法。

血液透析(HD:Hemo Dialysis)は、血液を体外に引き出し、透析器(ダイアライザー)に誘導して老廃物を取り除き、浄化した後に再び身体に戻す操作を連続して行う。

 

 


中国の自動車流通協会 (CADA) の羅磊副事務局長はこのほど、中国国家発展改革委員会(NDRC)の依頼を受け、国内で販売される全ての外国車の価格情報を集めていることを明らかにした。

彼によると、NDRCは自動車メーカーが中国のディーラーに最低卸価格を決めていないかどうかを調査している。
最低価格設定は独禁法違反となる。

CADAでは輸入車と中国でのJVでの生産車の全てのブランドについて調査をしており、輸入車の価格と海外での価格に大きな差があるとしている。

中国では輸入車には25%の関税がかかり、17%の増価税と消費税がかかる。

消費税は2008年9月の税率調整で排気量の大きな自動車に対し、大幅に引上げられた。

排気量1リットル以下   1% 3%
・ 同1.0~1.5リットル   3%  
1.5~2リットル   5%  
・ 同2.0~2.5リットル   9%  
・ 同2.5~3.0リットル    12%  
・ 同3.0~4.0リットル   25% 15%
・ 同4.0リットル以上   40% 20%

CADAではこれは認識しており、税金によるコスト差は問題にしていない。

新華社は先月末の社説で、外国の自動車メーカーは輸入車販売で膨大な利益を上げており、独禁法違反の調査をするべきだと報道した。
輸入車のなかには海外市場の2倍で売っているものもあるとし、例としてAudiとBMWを挙げている。

8月1日付の人民網日本語版は「高すぎる中国の輸入車 最大の原因は関税にあらず」との記事で、BMWのX5 xDrive 35i を例に分析し、輸入車が高いのは高関税のためという説を否定している。

海外市場販売価格 47,500ドル(約291,175元

CIF価格を33万元と仮定すると、関税 25%、消費税 12% (2,979cc)、増価税 17%で、税金合計が約22万元、これにディーラーの検査費用や保管費などの経費が加わり、コストは57万元となる。

これが中国国内で最高101万元で販売されている。
CIF価格は不明だが、44万元の利益が外国メーカーと国内ディーラーで分けられている。

この分析に対し、業界では、CIF価格はもっと安く(海外販売価格の29万元より安い筈)、利益はもっと高いと指摘する。
中国人消費者の海外有名ブランドに対する崇拝が、価格ををつり上げているとしている。

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中国政府は最近、価格独占の摘発に注力している。

国家発展改革委員会(NDRC)は8月7日、粉ミルクを巡る競争阻害や卸売業者に対する最低販売価格の制限などで、6社に合計約109百万ドルの罰金を課した。

2013/8/9   中国で販売価格を巡る2つの独禁法違反事件 


NDRCは医薬品の価格設定システムを改善するため、GlaxoSmithKline、Merck、Novartis、Baxter Internationalを含む国内外60社の製薬会社のコストと価格を調査している。

NDRCとは別に、工商総局(SAIC)が8月15日、医薬品・医療サービス業界に蔓延している賄賂の調査(3か月)を開始した。

産業界における賄賂は、人為的に価格を上げるだけでなく、フェアな競争を妨げるとし、医薬品、医療サービスの価格交渉時での賄賂を厳しく処罰するとしている。

中国における独禁法の担当は以下の通り。

国家発展改革委員会(NDRC) 価格独占行為の調査・処分
商務部 事業者集中行為
工商総局(SAIC) 独占協定、市場支配的地位の濫用、
行政権力を濫用した競争の排除、制限

関連記事 2013/7/18   中国、GlaxoSmithKline を贈賄の疑いで捜査


NDRCは8月13日、豫園商城の子会社2社や上海老鳳、その他、上海の宝飾店5社と上海黃金飾品行業協會に、金とプラチナの宝飾品の価格カルテルで罰金を課した。

罰金額は、5社には昨年の売上高の1%の合計1009万元、協会に50万元、合計1059万元(約170万ドル)となっている。




韓国では8月12日から14日にかけて 、猛暑が見込まれるなか深刻な電力不足で大停電になる恐れが予想され、政府は計画停電など緊急措置を行う可能性があると明らかにしていた。

結果的には、公共機関での冷房使用禁止など政府の大胆な節電対策、企業の生産調整、国民の節電努力などにより大停電や計画停電など最悪の事態を免れた。

電力取引所によると、14日午後3時の最大電力需要は7,802万キロワットを記録した。
節電対策を取らない場合、「52.9万キロワットの不足」と予想されていたが、さまざまな需給対策により予備電力 508万キロワットを維持した。

企業は13日に電力需要を540万キロワット減らしたのに続き、14日はさらに多い557万キロワットを削減した。

だが、残暑が続く中、9月から発電所の定期整備が続々と始まるため、電力需給は9月初めにもう一度ヤマ場を迎える。
産業通商資源部は「電力需要の推移に応じ、発電所の整備スケジュールを調整して対応する」としている。

韓国には原子力発電所23基があるが、保守点検や偽造証明書で使われていた部品の交換などのため、6基が稼働を停止している。

韓国の原子力安全委員会は5月28日、稼働中や建設中などの原発6基の安全装置に、性能確認試験の結果を示す書類が偽造された部品が使われ、一部は緊急時に十分機能しない不良品であることを確認したと発表した。

2013/5/31 韓国の原発10基が稼動中断、夏の電力不足憂慮 

原発停止に加え、無理な出力運転による火力発電所などの故障も相次いでいる。

ーーー

政府は電力不足で大停電になる恐れがあるとして8月12日から14日までの3日間、全国の公共機関で冷房の使用を禁じた。
ソウルの政府庁舎では照明も消され、半分以上のエレベーターが止まった。

韓国の産業通商資源相は8月11日、企業や公共機関、家庭などに対し、12日からの3日間の午前10時から午後6時まで、電力消費を減らすよう求めた。
長官以下の幹部は、電力消費量が多い企業約100社の経営者に一斉に節電を要請する電話をかけた。

一方では、節電目標値を達成できなかった起亜自動車や現代自動車など20社、29カ所の事業所のリストをマスコミに公表した。

電力消費量5000キロワット以上の企業2836カ所では、8月5日から30日までのピーク時間帯に電力消費量を6月に比べ3-15%節減することが求められていた。違反すれば1日当たり50万ウォンの過料で、金額は少ないが、企業名が公表される。

3%の節電を割り当てられた企業の場合、通常の操業率を維持したままエアコンを止めれば、なんとか目標値を達成できるが、5%以上の場合は、生産ラインを一部 を止める必要が出てくる。

現代製鉄は、12-14日に電炉13基のうち11基の操業を一時中断、Sオイルは12日から温山工場の石油製品生産量を削減した。
昼間の作業を夜間に回した企業も多い。

韓国政府は2006年末に2012年の最大電力需要を6712万キロワットと推定し、それに見合う発電設備を拡充した。
しかし2012年の実際の最大電力需要は当初予測を11%上回る7429万キロワットに達した。

産業通商資源部の高官は「政府が需要予測をうまくできなかった上、原子力発電の管理にも失敗したせいで、こんな状況に至った」と政府の責任を認めた。

ーーー

韓国は電気代が安いため、韓国に進出する日本企業が多い。

韓国の電気代が安い第一の理由は、発電単価の安い石炭と原子力で発電電力量の約8割をまかない、かつ韓国の寒冷な気候のため日本と比べて原子力の設備利用率が高い(95%以上)ことである が、上記のとおり、原子力発電所の多くが問題を抱えている。

これに加えて、韓国の電気料金は「政策的料金」という位置づけのもと、料金をコスト以下に設定しているという異常さがある。

これ以外にも、韓国はいろいろの問題を抱えており、今後も供給不足や大幅値上げの恐れがある。

2011/9/28  韓国の電力事情

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韓国の企業、家庭が節電に務めているなか、例外がある。

7月16日付の日本経済新聞は「韓国 電力危機、動じないサムスンの特権」 という記事を掲載した。

韓国では電力公社と政府の協議で、電力が逼迫した場合、どのように停電させるかマニュアルで決まっている。

軍事基地など国家セキュリティーに関係する施設への電力維持が最優先される。
その次の優先供給先はソウルなど大都市の官公庁施設だが、サムスンのセミコンダクター関連の主要工場はこのカテゴリーに準じるのだという。

サムスンはスマートフォンでアップルと激しい競争を世界各地で繰り広げているが、半導体など主要部材工場の安定高稼働が必要で、最先端半導体ラインでは電力供給量の上下のブレはもちろん、コンマ1秒の瞬間停電すら問題となる。

サムスンのスマホ関連工場が「政府公認の聖域」になっており、現地でこれの部材を供給する村田製作所、TDK、住友化学なども「特別扱い」の恩恵にあずかっている という。

 



旭硝子は8月6日、東南アジアにおける苛性ソーダや塩ビなどのクロルアルカリ製品の需要増大に対応するため、約400億円を投じて子会社 Asahimas Chemical の生産能力を大幅に増強すると発表した。

PVCのインドネシアの市場規模は40万トン超で、今後、需要の伸びが見込める。
東南アジア全体の市場規模は約200万トンで成長率は年率約5%とされる。

Asahimas Chemical は約50億円を投じて電解能力を約30%増強し、苛性ソーダ能力を50万トンにしたばかりだが、更に増強 し、苛性ソーダ70万トン、PVC 55万トンとする。EDC、VCMも増設する。

2015年末稼働開始予定で、能力は以下の通りとなる。(EDCの増強後能力は発表せず)

塩素系製品では、次亜塩素酸ソーダやEDC生産時の副産品の塩酸を外販している。

同社は製品を各地に輸出している。

Asahimasは1986年に設立され、1989年にジャワ島西端のBanten州 Cilegon (ジャカルタ西部約120キロメートル)で生産を開始した。

旭硝子が52.5%、三菱商事が11.5%出資し、残りを現地資本(Rodamas 18%、Ableman Finance 18%)が出資する。

近くにChandra Asri Petrochemical の本工場(地図左下)があり、エチレンの供給を受けている。


 

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インドネシアには他に多くのPVC工場がある。これらは全て、何らかの形で現在も(又は過去に)日本企業が関与している。

1)Standard Toyo Polymer (Statomer) 上の地図中央部

東ソー 30%、三井物産 20%、現地サリム&ビマンタラ 50%(その後サリム 50%)の合弁で1977年にメラクで操業を開始した。
1999年に日本側がサリム側の保有する全株式を買い取り、東ソー60%、三井物産40%
となった。
( 通貨危機でのサリムの破綻と、
1998年7月の外資法改正で外資100%が認められた結果

現在の能力は約9万トンとされる。(未確認)
ボトルネックで2013年に約11千トン増強して93千トン体制にするという情報もある。)

原料VCMは東ソーが日本から供給。

2)PT Sulfindo Adiusaha 上の地図上部のSulfindo名の3工場

日本企業を含めた長い歴史を持つ。

現地財閥の林紹良が率いるサリム・グループは子会社PT Sulfindo Adiusaha メラクに台湾の中古の水銀法電解96千トンとEDC90千トンをもっていた。

当初、サリムは同社が50%、アトケム 25%、住友商事 25% でJVを設立し、Sulfindoの電解をS&Bし、電解からPVCまでの一貫事業を構想した。

   
しかし、アトケムが離脱したため、東ソーを加えたが、東ソーがPVCのみに参加を希望したため、次の3会社となった。

  PT Sulfindo Adiusaha 電解 
  サリム100%のままとし、水銀法電解をスクラップして、旭化成法で電解を新設(塩素200千トン)

Satomo Indovil Monomer :VCM
 
サリム50%、住友商事25%、香港のBrendswick25%で設立
 EDCはSulfindo から90千トンを移管した上で175
千トンを増設、VCMはアトケム法で100千トンを新設


Satomo Indovil Polymer :PVC

 サリム50%、
東ソー25%、住友商事25%で設立
 1998年に東ソー技術でPVC 70千トンを建設
   

1997年の通貨危機でサリムは破綻、資産管理会社 Holdiko に移管され、順次売却されることとなった。

上記3社については東ソー/住商によるサリム持分購入も検討したが入札が成立せず、2001年12月にサリム持分は香港のEmperor Groupに売却された。

   
2003年に Emperorは日本側追い出しを図り、Sulfindoからの塩素供給を停止してVCM、PVCの操業停止に追い込み、更に自ら、子会社のSatomo Indovil Monomerの破産申請を行った。

裁判では住友商事サイドの主張が認められたが、原料の供給は切られたままで、住商はEmperorに対して同社持分の買収交渉を行った。
   
結局日本側は撤退を決め、インドネシアのローカル銀行のPT. Pan Indonesia Bank Tbk.が全てを買収し、PT Sulfindo Adiusahaとなり、2004年10月に生産を再開した。


現在の能力:
 
苛性ソーダ 320千DMT
 EDC  320千トン
 VCM 130千トン
 PVC  95千トン  

エチレンはChandra Asri Petrochemical から供給を受ける。

3)Eastern Polymer Jakarta市内

インドネシア最初のPVC会社で香港のUnited Industriesがジャカルタに建設したが、建設以来休眠状況であった。

1975年に徳山曹達が三菱商事と組んで技術援助を行い、軌道に乗せ、1981年に徳山曹達が20%、三菱商事が30%出資した。

その後三菱商事100%となり、徳山曹達が技術指導を行っていたが、1998年に休止した。

その後、パイプメーカーのワービンが買収し、1998年12月に生産を再開している。現在能力48千トン。

4)TPC Indo Plastic & Chemicals(旧称 Siam Maspion Polymers)
 
1996年にタイのSiam Cement (30%)と同社子会社のTPC(20%)、インドネシアの塩ビパイプ大手Maspin(50%)のJVとして設立され、新第一塩ビの内部ジャケット方式技術で、東ジャワ Gresikに120千トンプラントを建設した。

2005年にMaspionが撤退し、現在はSiam Cement 60%、TPC 40% 出資のTPC Indo Plastic & Chemicals となっている。
 

 


牛の筋肉組織の幹細胞から作った人工肉(Cultured Beef )のハンバーガーを調理、試食するデモンストレーションが8月5日、ロンドン市内で開催された。

オランダのMaastricht UniversityのProfessor Mark Post が開発したもので、幹細胞を培養し、3カ月かけて作った筋肉組織2万本分の人工肉に、パン粉と粉末卵を加えて味を調えた。
人工肉の
色は白のため、赤かぶの汁とサフラン、それにカラメルを入れて、焼いても肉と同じような色になるように調製した。

作製にかかった費用は375千ドルで、Googleの創業者の一人Sergey Brin が資金を提供した。

牛の筋肉組織からとった幹細胞に栄養と成長を促進する化学物質を与えて培養し、3週間後の数百万個になったところでペレットにして冷凍する。これを何度も繰り返して、たくさんできたところでハンバーガーパテにしたという。

製法の詳細は下記YouTubeにある。
  http://culturedbeef.net/resources/#video

 牛の筋肉組織から採取した幹細胞を培養し、Myotube(筋管)をつくる。

 筋管は gel hub に入れると成長し、筋繊維に成長する。
 培養された筋肉繊維には栄養を運ぶ血管は存在しないため、成長過程では細胞に人工的に栄養素が与えられた。
 人工肉は自発的には運動しないため、筋肉が衰えないよう、人工肉に対してストレッチやマイクロエクササイズも施された。

 これを集める。
 人工肉には血液が含まれないため着色された。

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本事業の発想を ホームページ次のように述べている。

国連食糧農業機関(FAO)によると、次の40年で肉の需要は2/3以上増大し、現在の畜産方法では対応できない。
何か代替方法を見付けない限り、近い将来に需要増大により肉も他の主食も高価な贅沢品となってしまう。

また家畜(特に牛、羊のゲップ)は一酸化炭素より20倍以上強いメタンを放出するため、地球温暖化の原因の一つであり、畜産増大はメタン、一酸化炭素、窒素酸化物のレベルを増大させることともなる。

人工肉(Cultured Beef )はよりサステナブルなオプションとなりうる。

環境負荷がどうなるかについて、2011年に環境評価(Life cycle assessment)が発表されている。
  http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es200130u?journalCode=esthag

大規模生産の場合で、筋肉組織の成長の栄養・エネルギー源としてCyanobacteria hydrolysateを使うとしている。
池などで増やした藍藻を採取し、殺菌、乾燥させて、それを人工肉の培養器に入れる。
(栄養・エネルギー源として太陽エネルギーを利用していることとなる。)

結果は以下の通り。

Cultured beef  1,000kg生産での消費量、排出量
 エネルギー 26-33 ギガジュール
 土地    190-230 m2 
 水     367-521 m3 
 
温室効果ガス排出 CO2換算1900-2240 kg 

これを畜産(牛、羊、豚、鶏肉)と比較すると、エネルギー消費でのみ鶏肉に劣るが、他の点ではすべて人工肉が優れている。
温室効果ガス排出と土地・水利用はほとんど無し。




東洋紡は7月31日、スペインに拠点を置く診断薬・診断機器メーカーでグローバルに販売網を持つSpinreact,S.A.の全株式を取得した。
米国の
Health Management企業のAlere Inc.(旧称 Inverness Medical Innovations, Inc)から取得した。

Spinreact,S.A.は1975年設立で、2005年に英国の診断会社Cozart に買収された。
Cozart は2007年に欧州の薬物検査企業のConcateno PLC に買収され、そのConcateno PLCは2009年に Inverness Medical Innovations, Incに買収され、現在に至っている。

東洋紡は「環境、ライフサイエンス、高機能で、社会に貢献する価値を創りつづけるカテゴリー・リーダー」を目指しており、診断薬や診断システムなどのバイオ分野を注力する分野の一つとしている。

この分野は今後、新興国を中心に年率10%以上の拡大が予想され、海外企業とのアライアンスやM&Aの検討を行ってきた。

Spinreactはスペインをはじめ、アフリカ・中南米・欧州・アジアなど、世界90カ国に代理店を有し、新興国市場に合わせた診断薬関連製品などを豊富にそろえている。
買収を通じ、バイオ分野の海外拡大戦略をより一層加速させる。

買収の狙いは3つで、当初は両社の販売網を活用して既存事業の拡大を図り、将来は両社のバイオ技術を融合して新製品の開発、新市場の開拓を推進する。

1)Spinreactの世界的販売網の活用
   東洋紡の尿検査システム、遺伝子検査システムの販売にスピンリアクト社の販売網を活用

2)製品ラインアップの拡充
   Spinreactの生化学診断薬、免疫診断薬、血清学的診断薬などを東洋紡の中国・東南アジアの販売網で展開

3)欧州での生産拠点の獲得
   東洋紡のバイオ製品の海外展開でSpinreactの欧州生産拠点を活用

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東洋紡のライフサイエンス事業は、診断薬用酵素等のバイオ製品、医薬品、医用膜、医療機器と、海水淡水化用などのアクア膜等を扱っている。

売上高は少ないが、営業利益での貢献は大きい。

東洋紡は1941年、レーヨンの原料であるパルプの自給を目的としてパルプ事業を開始したが、戦時中に中断した。
戦後の1948年に再開、環境汚染対策として、酵母培養によるパルプ廃液処理の研究を開始した。
これがバイオ事業進出のきっかけとなった。

1972年に尿酸測定用診断薬を発売し、バイオ事業に進出、1975年には食品用途での酵素の研究・開発から、診断薬市場にバイオ事業の重点を置く方針を固めた。

その後、1982年に遺伝子工学用酵素の研究開発を開始、ライフサイエンス試薬(制限酵素)を開発した。

機能膜については、1979年に中空糸膜による逆浸透の原理を利用した海水淡水化装置の心臓部となるモジュールを開発、1989年にはサウジアラビアで世界最大の海水淡水化プラントの操業を開始している。
医療用では、1981年に人工腎臓用中空糸膜を開発した。

 


 

広島、長崎での被爆者を原爆症と認めない国の処分を取り消した8月2日の大阪地裁の判決をめぐり、安倍首相は8月9日、控訴しない方針を表明した。

大阪地裁の判決について認定制度を否定する判決ではないと結論づけ、高齢化が進む被爆者の救済を加速する必要があると判断した。
首相は長崎市での平和祈念式典で、認定制度のさらなる見直し作業を加速させる考えを改めて示した。

大阪地裁が国の処分を取り消したのは、原爆投下時に広島や長崎にいたり、投下後に被爆地に入ったりした8人で、2008年に導入された新たな審査基準に基づき、国に申請を却下されていた。

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被爆者の救済策としては、1957年に健康診断と治療を目的にした原爆医療法が、1968年には健康管理手当など各種手当の支給を定めた原爆特別措置法が施行された。2つの法律は現在、被爆者援護法に一本化されている。

被爆者手帳の所持者で一定の疾病にかかっている人は健康管理手当(2013年4月時点で月額 33,570円)が支給されるが、厚生労働相により原爆症に認定されると、医療特別手当(2013年4月時点で月額136,480円)が支給される。

原爆症認定は、被爆時の放射線が原因で発病するか、治癒能力が低下し治療が必要な人が対象となり、対象となる病気やけがは、がん、骨髄性白血病、脳卒中、被爆の外傷で治療が遅れたことによる運動機能障害などで、熱線や爆風などに起因する被害は対象にならなかった。

2007年3月末時点で、被爆者健康手帳の交付を受けたのは251,834人で、このうち、原爆症認定者は2,242人で、1%に満たなかった。

原爆症の認定は、一定以上の放射線量を被爆しなければ病気や障害は発症しないとの放射線防護学の学説を根拠とした。

放射線量推定方式では、例えば、爆心地から2km地点の被爆線量は1km地点のわずか数%に激減する。
このため、遠距離被爆者などはほとんど認定されていない。

2001年からは年齢、性別、各種疾病と、被爆の因果関係を疫学調査に基づいて計算する「原因確率方式」も加味して適否判断をした。
白血病、胃がん、甲状腺がんなど疾病別に原因確率表が作成されており、50%以上ならほぼ認定するが、確率10%未満では原則却下した。

残留放射線や、降雨時の放射性降下物による被爆線量の算定も十分に評価されておらず、原爆投下の翌日以降、被爆地に足を踏み入れた「入市被爆者」などが認定されるケースも少なかった。

認定基準見直しを求める訴訟が行われ、大阪、広島、東京など6地裁で、国は認定方法の不備を指摘され敗訴を続けたが、いずれも控訴した。

最高裁は2000年7月、原爆症認定審査をめぐる放射線量推定方式の機械的な適用を「健康被害を十分説明できない」として不当との初判断を示し、国に被爆者援護行政の再考を迫った。

これに対し厚労省は、放射線量推定方式は放射線防護の世界基準の基礎となっていることもあり、認定審査について「科学的知見に基づいて公平、公正でなければならず、現行の審査は科学的、客観的で医学的な合理性がある」と正当性を主張した。

北海道新聞 もっと知りたい 原爆症認定基準 (2007/09/15)


2007年8月5日の広島原爆の日の前日、辞任直前の当時の安倍晋三首相は原爆症の認定基準を緩和に向けて見直す意向を表明した。

これを受け、 2008年3月、厚生労働省の「原子爆弾被爆者医療分科会」は認定条件を大幅に緩和した新基準を決定した。

新基準では以下のケースについて、格段に反対すべき事由がない限り、当該申請疾病と被曝した放射線との関係を積極的に認定するものとした

対象者
(1)被爆地点が爆心地より約3.5km以内である者
(2)原爆投下より約100時間以内に爆心地から約2km以内に入市した者
(3)原爆投下より約100時間経過後から、原爆投下より約2週間以内の期間に、爆心地がら約2km以内の地点に1週間程度以上滞在した者

対象疾病
(1)悪性腫瘍(固形がんなど)
(2)白血病
(3)副甲状腺機能亢進症
(4)放射線白内障(加齢性白内障を除く)
(5)放射線起因性が認められる心筋梗塞

客観的な資料が無い場合にも、申請書の記載内容の整合性やこれまでの認定例を参考にしつつ判断する。

これ以外の申請についても、申請者に係る被曝線量、既往歴、環境因子、生活歴等を総合的に勘案して、個別にその起因性を総合的に判断する 。

しかし、実際には、発病時期のずれや急性症状がないことなど、典型症例から外れた場合は不認定となるケースがあり、さらなる緩和を求める声が出た。

原告側の要求
 ・従来の認定行政を反省し、「疑わしきは認定」を明確にする
 ・少なくとも、がん、白血病は時間、距離の制限なし
 ・甲状腺機能低下症、肝機能障害なども加える

2008年の新審査基準導入後も却下が相次ぎ、取り消し訴訟が続いた。

2013年3月末時点の状況は以下の通りで、医療特別手当受給者は健康管理手当受給者の5%に過ぎない。

被爆者健康手帳保持者  約 20万2千人
健康管理手当受給者    約 17万1千人
医療特別手当受給者      8,552人

大阪地裁は2012年3月、広島で被爆した2名が原爆症と認めなかった国の処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、国の処分を取り消したほか、行政事件訴訟法に基づいて原爆症認定の義務づけを求めた男性の訴えも認めた。

原爆症認定をめぐり、国に対して認定を義務づける判決は初めて。

今回の裁判は大阪、兵庫、京都の3府県の被爆者9人(うち1人死亡)が却下処分の取り消し と、国の審査の遅れで精神的苦痛を受けたとして、慰謝料など1人123万〜300万円を求めた集団訴訟。

裁判長は、既に国の認定を受けている1人を除く8人について被爆と疾病の因果関係を認め、却下処分の取り消しと原爆症認定の義務付けを国に命じた。 国家賠償請求は退けた。

原告は72~87歳の男女9人で、被爆の影響で心筋梗塞や甲状腺機能低下症を患ったとして原爆症の認定を申請したが、8人は却下された。

大阪地裁は心筋梗塞と放射線との関連性を認め、甲状腺機能低下症と放射線との関連性について低線領域の因果関係を肯定した。

8人の症状について「放射線の起因性が認められ...申請を却下する処分は違法」と明確に判断。

新基準での被ばく線量の算定方法は「地理的範囲及び線量評価の両方において過小評価の疑いが強い」「あくまでも一応の目安とするにとどめるのが相当」とし、「さまざまな形態での外部被ばく及び内部被ばくの可能性がないかどうかを十分に検討する必要がある」と した。



米ITCは8月9日、Samsung ElectronicsがApple特許を侵害したとして、Samsung一部製品の米国内への輸入・販売を差し止める命令を出した。
オバマ大統領が60日以内に審査し、拒否権を発動しなければ有効となる。

8月3日には米通商代表部(USTR)が、Appleの一部製品を対象としたITCの輸入・販売差し止め命令を拒否したばかりで、米政府の対応が焦点となる。

2013/8/7 米通商代表、ITCによるApple製品販売禁止命令を拒否


今回対象となったのは、スマートフォンやタブレットを巡る特許侵害の有無で、Appleが2011年夏にITCに訴えたもの。

ITCは今回、画面のタッチ操作とヘッドホン差し込み口に関連した2件の技術特許で侵害を認定した。

U.S. Patent No. 7,479,949 (949特許:touchscreen) のクレーム 1, 4-6,10 と17-20
U.S. Patent No. 7,912,501 (501特許:headset plug detection) のクレーム 1-4 と8

Appleが侵害としていた他の4つの特許については侵害を認めなかった。

 U.S.Patent Nos. D618,678 (D'678特許)、D558,757 (D'757特許)、RE 41,922(922特許)、7,789,697 ( '697特許)
(*Dはデザイン特許)

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「949特許」はAppleの創業者の故Steve Jobs が開発者として参加・登録したいわゆる「Jobs 特許」で、Appleの代表的な特許技術である。

2012年12月3日、米国特許庁は同特許の再審査の結果、20のクレームすべてについて無効との予備判定を下した。
この判定は最終的なものではないが、最終的に無効と判断されると今回のITCの決定にも影響する。



米エネルギー省は8月7日、Lake Charles Exports, LLCに対し、Louisiana州のLake Charles Terminal からの非FTA国向けのLNGの輸出を承認した。

20年間にわたり1日当たり最大20億立方フィート(2.0Bcf/d) 、年間1500万トンの輸出を認めた。
FTA締結国向けの輸出については2011年7月22日に既に承認を受けている。

Lake Charles Exports, LLCはSouthern Union Company と英国のBG Group が共同所有している。

Southern Union CompanyはEnergy Transfer Partners, L.P の100%子会社。
Energy Transfer Partners, L.PはSunocoの親会社でもある。

BG Groupは当初の名称はBritsh Gas。

Lake Charles Terminal はTrunkline LNG Companyの所有で、天然ガス液化設備と輸出設備はBG LNG ServicesとTrunkline LNGが共同で建設する。液化設備は3系列(合計年間1500万トン)で、2018年に第1系列の完成を予定している。
輸入LNGのガス化設備も設置する。
天然ガスはBG LNG Servicesが供給する。

輸出契約については現時点では締結していない模様。

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米国はLNGを戦略物質とみなし、輸出を個別の許可制にしている。

唯一の例外は本土48州に輸送不可能だったアラスカのKenai LNGの輸出だった。

米国は輸出承認で米国とFTAを締結している国とそれ以外で差をつけており、FTAを結んでいない日本はガス輸入のハードルが高い。

2012/2/24 米国からのLNG輸入問題 

米エネルギー省は2012年12月、LNGに関する報告書を発表し、全てのシナリオで、LNG輸出は輸出をしない場合と比べ、ネットで経済的メリットがあるとした。
しかし、米国の天然ガス輸出を巡っては、Dow Chemical と ExxonMobileが米国の産業界を2分して争っている。

2013/1/30 米国の天然ガス輸出論争、激化

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エネルギー省はこれまで、非FTA国向けの輸出を2件承認している。

1)2011年5月のCheniere EnergyのSabine Pass LNG Terminal

2012/2/24 米国からのLNG輸入問題

2)2013年5月17日のFreeport LNG
  同社の計画には中部電力と大阪ガスが加わっており、2017年にも日本への輸出が始まる見通し。

2013/5/20 米エネルギー省、日本へのLNG輸出を許可


承認を受けた3つの計画の概要は以下の通り。

会社名 立地 概要
Cheniere Energy

本事業のため
Blackstoneが出資


Sabine Pass LNG Terminal
(Cameron Parish, LA)
承認:2011/5(FTA締結国向けは 2010/9)
数量:2.2 Bcf/d(年間1600万トン)
期間:20年間
輸出契約:
   BG Group   550万トン
   Gas Natural (スペイン)   350万トン
   Gail(インド)   350万トン
   Kogas(韓国)   350万トン
   合計    1600万トン

  注. 承認時は韓国はFTA未発効

Freeport LNG

株主:
Michael Smith
Zachry
Dow(輸出には不参加)
大阪ガス

Freeport LNG Terminal
(Quintana Island, TX)
承認:2013/5(FTA締結国向けは 2011/2)
数量:1.4 Bcf/d(年間900万トン)
期間:20年間
輸出契約:
   大阪ガス   220万トン
   中部電力   220万トン
   BP Energy   440万トン
   合計     880万トン
Lake Charles Exports

 株主:
 Southern Union Company
 BG Group

Lake Charles Terminal
(Lake Charles, LA)
承認:2013/8(FTA締結国向けは 2011/7)
数量:2.0 Bcf/d(年間1500万トン)
期間:20年間
輸出契約:未定
    BG Groupがパートナーのため、当然BGは対象



認可待ちの計画は以下の通り。

会社名 立地 概要
Dominion Energy Dominion Cove Point
  LNG Terminal
(Chesapeake Bay
 in Lusby, Md.)
承認:未(FTA締結国向けは 2011/10)
数量: 年間525万トン
期間:
輸出契約:
    住友商事  

230万トン

 
     (東京ガス)  

(140万トン)

 
          (関西電力)   ( 80万トン)  
   Gail(インド)   230万トン  
   合計    460万トン  
  http://www.knak.jp/blog/2012-4-2.htm#sumisho
Cameron LNG

株主:
Sempra Energy 50.2%
三井物産 16.6%
Japan LNG 16.6%
(三菱商事
/日本郵船)
GDF Suez  16.6%

Hackberry, LA 承認:未(FTA締結国向けは2012/1)
数量:1.7 Bcf/d(年間1200万トン)
期間:
輸出契約:
   三井物産  

400万トン

 
   三菱商事  

 400万トン

 
   GDF Suez   400万トン  
   合計    1200万トン  
  http://www.knak.jp/blog/2012-4-2.htm#LNG
Jordan Cove LNG

株主:
Veresen Inc

Port of Coos Bay, Oregon 承認:未
数量:1.0 Bcf/d(年間 600万トン)
期間:
輸出契約:未定


8月10日にワシントンで始まった米中両国政府による「戦略・経済対話」で、中国側が、米国のシェールガスをLNGとして輸入することに興味を示したことが分かった。米国は「潜在的な輸出相手」と表現し、可能性を排除はしていない。



サムスンは8月1日、Samsung Fine Chemicals の蔚山工場内のポリシリコンプラント建設現場で発生した死亡事故の責任を問い、Samsung Engineeringの社長を更迭したと発表した。

37日間の海外出張から帰国した李健煕会長の意向を受けたもので、会長はこれまで、「安全・環境には妥協しない」とし、事故に対する責任を最高経営責任者に問うとしてきており、一度でもダメ(「ワンストライク アウト」)を強調していた。

今回の事故について報告を受けた後、「ありえないことが起きた。後進的な事故は根絶しなければいけない」と叱責、捜査が進行中の段階で更迭した。

代表更迭のほか、責任がある関係者を厳重問責する予定。

事故は7月26日、Samsung Fine Chemicalsと 米国の半導体ウエハー製造大手MEMC Electronic Materials(2013年5月に SunEdison, Inc に改称)の合弁会社、SMP Inc.がSamsung Fine の蔚山工場内に建設中のポリシリコンプラントで発生した。

JVは2011年に50/50で設立された。能力は第一期年産10万トンで、2013年完成予定。
工事はSamsung Engineeringが担当していた。

スプリンクラー用水や工業用水を供給する1300トン規模の貯水タンクのテスト中に発生した。
水圧テスト等のため、水を満タンに入れてテストを実施していた最中にタンクが突然破裂して横転、近くで作業をしていた作業員3人が死亡、12人が重軽傷を負った。

その後の調査で、水タンク破裂の原因が従来の溶接工法ではなく、ボルトを使った新工法のためだったと明らかにしている。
警察によると、事故現場の貯水タンクでは前日から4カ所のボルト部分で漏水が発生していたという。

ーーー

MEMCは1959年にMonsanto Electronic Materials Company として設立され、シリコンウエハを開発した。
1989年にE.ONの関連会社によって買収され、1995年に上場した。

当初、半導体用に販売していたが、2007年にソーラー市場向けに販売を開始した。

2009年に主要なソーラープロジェクト開発企業であるSunEdisonを買収した。

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本年1月28日には華城にあるサムスン電子の半導体ラインから有毒物質のフッ酸溶液が漏れ、 協力会社STI Service の職員5人が病院に運ばれ、うち1人が死亡した。
前日にフッ酸溶液供給装置で異常が発生、STI Serviceが作業員5人を投入して配管交換作業を行っていた。

同工場では5月1日にも再びフッ化水素酸が漏れ、現場にいた作業者3人が病院に運ばれた。

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Samsungはこれらの事故を受け、安全を強化する総合対策を打ち出した。

「サムスン安全管理スタンダード」を制定し、10月末までに各系列会社に配布する。
現在、国内だけでなく海外の関連法規とグローバル基準を分析し、外国のコンサルティング会社に検証を依頼している。

 また安全環境分野で経歴社員150人、新入社員150人を採用する従来の計画に加え、5大学に安全環境関連学科を新設し、産学協力を通じて安全環境関連学科の優秀学生を育成する。



中国で販売価格を巡る2つの独禁法違反事件が明らかになった。

国家発展改革委員会(NDRC)は8月7日、粉ミルクを巡る競争阻害や卸売業者に対する最低販売価格の制限などで、6社に合計 670百万人民元(約109百万ドル)の罰金を課した。

上海市高級人民法院は8月1日、Johnson & Johnson(J&J)に対し、独禁法違反で旧代理店の北京鋭邦涌和科貿に賠償金530千人民元(約87千ドル)を支払うよう命じた。

規定価格以下で販売したことを理由に代理店契約を取り消されたとして鋭邦涌和科貿がJ&Jを訴えていた控訴審で、原判決を覆し た。


中国の独占禁止法は、以下の行為を禁止している。

水平的協定 価格協定
・供給制限
・市場分割
・新技術又は新設備の購入の制限、新技術又は新製品の開発の制限
・共同ボイコット
垂直的協定 再販価格維持行為
最低再販価格の制限
キャッチオール条項 独禁当局が別途定めるその他の独占的協定を包括的に禁止
業界団体のカルテル 業界団体が事業者に対し、上記の各行為を行わせる行為を禁止

担当は以下の通り。

国家発展改革委員会(NDRC) 価格独占行為の調査・処分
商務部 事業者集中行為
工商総局 独占協定、市場支配的地位の濫用、
行政権力を濫用した競争の排除、制限

販売価格を巡っては、既に下記の独禁法違反行為が摘発されている。

1)NDRC2011年11月独禁法違反で製薬会社2社に合計で約110万ドルの罰金を科した。

2011/11/18 中国が価格カルテルを摘発

2)NDRCは2013年1月4日、LG電子、サムスン電子など韓国、台湾の液晶メーカー6社がカルテルを結んで液晶パネルの販売価格を不当につり上げていたとして、総額353百万人民元(約49億円)の制裁金を科したと発表した。
中国当局が外国企業に価格カルテルで制裁金を科すのは初めて。

2013/1/9  中国政府、価格カルテルで外資に制裁金

3)NDRCは2013年2月22日、中国酒のトップメーカーの四川省のWuliangye (五粮液) と貴州省のKweichew Moutai (州茅台)に対し、価格カルテルで総額449百万元(71.4百万ドル)の罰金を課した。五粮液は202百万元、貴州茅台は247百万元。
発表では、両社は独占契約を結んでいる卸業者に対し、酒類の販売最低価格を決めていたという。

2013/3/2  中国、中国酒メーカーに価格カルテルで罰金

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粉ミルク事件

国家発展改革委員会(NDRC)は8月7日、乳児向け粉ミルクの価格操作と独占禁止法違反をめぐる調査の結果、米Mead Johnson Nutritionほかの計6社に合計109百万ドルの罰金支払いを命じた。中国の独禁法違反の罰金額としては過去最高額。

各社は卸売業者に対する契約で最低販売価格を制限し、違反者に罰金を課したり、リベートをカットしたり、商品供給を制限するなど行ったと発表している。

  罰金
(千人民元)
売上高比
(2012年)
Mead Johnson Nutrition(米) 203,800  4%
Dumex Baby Food(仏)Danone 子会社 172,000 3%
Biostime International (香港)
合生元国際
162,900 6%
Royal FrieslandCampina(蘭) 48,000 3%
Fonterra Co-operative Group (NZ) 4,000 3%
Abbott Laboratories (米) 77,000 3%
Wyeth Nutrition(スイス)Nestlé 子会社 免除
Zhejiang Beingmate Technology Industry and Trade
貝因美科工貿(中国)
免除
明治ホールディングス 免除
合計 667,700
109百万ドル
 
直近レートは1人民元=0.16342 米ドル
Biostimeは違反行為がひどく、是正措置を取らなかったとして最高の6%の罰金となった。Mead Johnsonは積極的に協力せず、4%となった。
Wyeth (Nestle)、貝因美、明治の3社は 「独占禁止法執行機関に対して、独占に関する取り決めの関連情報を自発的に報告し、重要な証拠を提供し、かつ自発的に改善を行った」ため、処罰の対象外とされた。


関連企業が提出した改善措置には、「違法行為の即時停止」、「実質的な行動による過去の違法行為の処理、消費者への実益の提供」が含まれた。

本年7月に価格独占行為の調査・処分を担当するNDRCの価格監督検査・反独占局が 国内メーカー数社を含む粉ミルクメーカー10数社に対し、独占価格の疑いがあるとして調査を行っていることが報じられた。

中国では2008年に石家荘三鹿集団のメラミン混入粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎臓結石となるケースが相次ぎ、5人が死亡、多数が入院した。
調査の結果、他の22社の69品目からメラミンが検出された。

2008/9/29 中国粉ミルク汚染事件のその後

この結果、海外ブランドは価格が国内産の2倍もするが、国産品よりも安全として需要が増大していた。

2008年以降、海外ブランドは価格を30%引き上げたが、海外ブランドのシェアは2008年以前の30%から60%にまで上がっている。

大手チェーンでは1人当たり購入を2~4缶に制限しており、香港では本年3月、2缶以上を本土へ持ち帰るのを犯罪とした。

中国の粉ミルク市場は2012年が127億ドルで、2014年には184億ドル、2017年までに250億ドル規模にまで拡大すると見られている。

調査を受け、Mead Johnson、Dumex、Nestlé などは相次いで20%程度の値下げを行っ ている。

なお、NZのFonterraは、これ以外に、大きな問題を起こした。

ニュージーランド一次産業省は8月3日、同国の乳業最大手のFonterraの一部商品にボツリヌス菌が含まれる可能性があると発表した。

中国はFonterraが調整粉乳に利用している乳製品原料粉末と乳清タンパク(ホエイプロテイン)の輸入を停止した。

乳製品はニュージーランドの輸出全体の約4分の1を占め、Fonterraはニュージーランドで生産されるミルクの89%を扱っている。
今回の輸入制限は中国への輸出に頼るニュージーランド経済にとって打撃である。

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Johnson & Johnson事件

上海市高級人民法院は8月1日、規定価格以下で販売したことを理由に代理店契約を取り消されたとして北京鋭邦涌和科貿がJohnson & Johnson(J&J)を訴えていた控訴審で、原判決を覆してこの行為を独禁法違反とみなし、J&Jに対し、鋭邦に賠償金53万元(87千ドル)を支払うよう命じた。

J&J は鋭邦との間で15年間にわたり、J&Jの子会社のEthicon Endo-Surgeryの医療用縫糸や吻合器などの代理店契約を結んでおり、契約は毎年更新されていた。
その契約では、「鋭邦はJ&Jが指定する地域で Ethicon Endo-Surgeryの商品を販売する。鋭邦はJ&Jの規定を下回る価格で商品を販売してはならない」と取り決めていた。

Ethicon Endo-Surgeryは、体内で吸収される抗菌性縫合糸や心臓血管外科手術などで用いられる縫合糸、合成皮膚用接着剤等々を扱う。
J&Jは創業1年後の1887年に消毒済み縫合糸を発売した。

鋭邦公司は2008年3月に北京大学人民病院で実施された入札で最低落札価格で落札、J&Jは低価格の入札行為に対して警告を発した。
その後、J&Jは縫糸および吻合器の供給を停止し、翌年、鋭邦との代理販売契約を更新しなかった。

これに対し鋭邦は2010年8月、J&Jを相手取った訴訟を起こした。
これは中国の独占禁止法の施行以来、法廷が審理した初の垂直的独占の民事訴訟となり、「中国初の垂直的独占」と呼ばれた。
(本件では独禁当局=NDRCは関与していない。)

鋭邦の主張:
J&Jは競争の直接的な制限を目的とし、代理販売契約の中の契約条項により、鋭邦が第3者に最低価格で転売することを制限し、鋭邦に警告を発し、契約を中止・終了するなどの手段をとり、鋭邦が最低転売価格を維持することを脅かした。

J&Jの行為は、独禁法が禁止する最低転売価格を制限する行為に当たり、鋭邦に損害をもたらしたため、法に基づきJ&Jに1400万元余りの賠償命令を出すよう求める。

上海市第一中級人民法院は2012年5月に下した一審判決で、鋭邦側の証拠が不十分だとして訴訟請求を退けた。

これに対し上海市高級人民法院は 今回、本件には独占禁止法が適用され、J&Jが代理商に自社の規定を下回らない価格での商品販売を求める行為は、独占行為に当たると判断した。
賠償金については、鋭邦の2008年に販売できなかったことによる利益だけとし、それ以降に契約を更新できなかったことによる損害については認めなかった。

1年ごとの契約であるという形式を重視したと見られるが、過去15年継続してきたことから考えるとおかしい。



世界第二のカリのメーカーのロシアのOAO Uralkali が200億ドルの世界のカリ市場を崩壊させようとしている。

Uralkaliは7月30日、ベラルーシのBelaruskaliとのJVのカリの輸出会社 Belarusian Potashから離脱し、輸出限度量を超えて輸出すると発表した。
来年はフル生産する。

ベラルーシ政府が同国産のカリについてBelarusian Potashに与えていた輸出独占権を取り消し、Belaruskaliが自分で輸出を始めたため、JVは機能しなくなったとし、自社のUralkali Tradingを通じて輸出するとしている。

 

世界のカリの生産量はカナダ、ロシア、ベラルーシが大半を占める。(米地質調査所 2011年推定) 

  千トン
カナダ  11,200
ロシア 7,400
ベラルーシ 5,500
ドイツ 3,300
中国 3,200
イスラエル 2,000
4,400
合計 37,000

各国のカリメーカーは輸出会社を通じて輸出しており、事実上のカルテル組織で、輸出数量と価格をコントロールし、毎年、輸入国(中国が1位でインド、ブラジルがそれに続く)と秘密裏に交渉してきた。

輸出会社 構成メーカー
Canpotex Potash Corporation of Saskatchewan(カナダ)54%
The Mosaic Company(米) 37%
Agrium(カナダ) 9%
Belarusian Potash Uralkali(ロシア)
Belaruskali(ベラルーシ)


The Mosaic Companyはフロリダでリン酸、カナダでカリを生産
ロシアのSilvinitはこれまでInternational Potash Co.を通して輸出していたが、2011年にUralkaliと合併した。

2010/12/25 ロシアの2大肥料会社が合併へ 

ーーー

米国の需要家が2008年にカルテルで訴訟を起こし、各社は2013年1月に和解した。
  Potash Corp 、Mosaic は各 $43.75 million、Agriumは$10 millionを支払った。
  Uralkali は2012年9月に $12.75million を払い和解している。
  Silvinit、International Potash、Belarusian Potash も訴えられている。

 

Uralkaliの発表は世界のカリメーカーに戦慄を与えた。
カリの価格が急落すると見られ、各社の株価は急落した。

最近のカリの価格は400ドル/トン程度だが、300ドル以下になると見られている。

Uralkaliのコストは業界最低で、62ドル程度と見られている。これに対し、北米のメーカーのコストは100ドル超、欧州メーカーは240ドル程度とされる。

Uralkaliはまた、最大の輸入国である中国と直接、鉄道でつながる唯一のメーカーで、Belaruskaliに対し、有利な地位にある。

Uralkaliにとっては、価格は下がっても数量の大幅増により、利益は維持できる見込み。




米通商代表部(USTR)のMichael Froman 通商代表は8月3日、韓国サムスン電子の特許侵害を理由に Appleの一部製品(中国製)の米国への輸入と販売を禁止した米国際貿易委員会(ITC)の命令を拒否すると発表した。

ITCへのレター http://www.ustr.gov/sites/default/files/08032013 Letter_1.PDF

ーーー

本件は、Samsung と Apple が全世界で繰り広げている特許戦争の一部である。

ITCは6月4日、Appleがスマートフォン(高機能携帯電話)などで用いる技術をめぐり、Samsung Electronics の3G/UMTS 無線通信技術関連の特許1件を侵害したと認定する決定を下し、AT&T向けの4機種、iPhone 4、iPhone 3GS、iPad 3G、iPad 2 3G(中国で製造)米国への輸入を禁じた。

米国の関税法337条は、米国への輸入における不公正な行為により米国産業に被害が生じる恐れがあるときに、輸入品の排除、不公正行為の差し止めをITCが判断し、命令を発する権限を規定している。特許侵害は典型的な不公正行為にあたる。

Samsungでは該当端末1台あたり市販価格の2.4%にあたるライセンス料の支払いをAppleに求めていた。

それに対し、Appleはこの特許がいわゆる「必須標準特許」(FRAND特許)にあたると反論したが、ITCは「FRAND宣言をしていることは、限定的な差止め命令を妨げるものではない」とした。
(Samsungでは、
Appleはライセンスを受けようとしなかったとしている。)

FRAND(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory):
ある企業の特許が技術標準として採択される場合、他企業がその特許を使用する時、特許権利者は「公平で、合理的、かつ非差別的」に協議しなければならないという義務。
特許権利を使用する企業はまず特許なしに製品を製造し、後に特許権利者にライセンスを購入し使用権を保有する。

Samsungは欧州でもAppleとの一連の特許訴訟のなかで、3G/UMTS 関連技術の必須標準特許の侵害を根拠に、iPhoneなどを対象とした販売差し止めを求めている。

欧州委員会はこれをFRAND特許濫用として問題視し、独禁法違反の疑いがあるとして調査を実施した。
Samsungは1998年に欧州電気通信標準化機構に対し、同社が保有する3G/UMTS関連技術の特許を、FRANDの原則に沿ってライセンス提供すると約束していた。

報道によると、Samsungは「必須標準特許」濫用問題の和解に向け、EU当局と協議中とされている。

欧州ではGoogle傘下のMotorola Mobilityも特許侵害を巡ってドイツでAppleに対する差し止めを求めているが、EUの欧州委員会は5月6日、Motorola Mobilityが欧州競争法に違反している可能性があるとの初期判断を明らかにした。

特許はモバイル・無線通信にとって重要な必須標準特許で、Motorola MobilityはFRAND(公正で合理的かつ差別のない)条件のもとで提供すると公約していたが、AppleがFRAND条件にもとづいたライセンス契約に前向きであったにもかかわらず、公正な交渉を行わなわず、差止めを求めたとしている。

欧州委員会はMotorolaに対し、「差し止め要請は特許侵害の対策の1つではあるが、問題とされているのが必須標準特許であり、ライセンシーが FRAND条件にもとづくライセンス契約を望んでいる場合は、優位性の乱用となる可能性がある」との見解を示した。

ーーー

ITCが6月4日に下した輸入禁止命令はオバマ政権へと送られ、60日以内に決定を審査し、判断を下すことになっていた。

通商代表は、命令を覆す理由について「米国における販売競争や米消費者への影響を考慮した」と指摘した。

米司法省は必須標準特許は法廷でロイヤルティーを争うべきもので、輸入を禁止すべき案件ではないという考えで、輸入禁止を特許権の乱用とする見方を強めており 、通商代表のITCへのレターでもこれに触れている。
今回の命令拒否はこうした方針に沿っている。

なお、Samsungに対しては、引き続き裁判を通じて特許侵害の有無を争うことができるとしている。

ITCによる輸入・販売禁止命令が拒否されるのは1987年以来、26年ぶり。

1987年にReagan政府はアルカリ乾電池の輸入禁止命令(Duracellが並行輸入品の禁止を要請)を拒否した。
それ以前にも、成形サンドイッチパネルと製紙に関して拒否している。

Carter政権も溶接ステンレススチールパイプで拒否した。

今回の決定を受けSamsung は、ITCの決定が拒否されたのは残念であるとし、ITCの決定は、Samsungが誠意をもって交渉してきたのに、Appleがライセンスを受けようとしなかったという事実を正しく認識したものであると述べた。

 

韓国紙は「知的財産権保護の伝統が退歩」、「オバマ政権、拒否権発動でサムスンをけん制」などと報じている。

ーーー

ITCは8月1日、サムスン電子製の携帯電話やタブレット型端末の一部がAppleの特許を侵害しているかが争われている特許紛争で、判断を9日まで延期すると明らかにした。理由は明らかにしていない。


ーーー

オバマ政権が輸入禁止の決定に拒否権を発動したことについて、韓国政府は公に懸念を表明した。
韓国産業通商資源部は8月5日、今回の拒否権発動について、「サムスン電子が保有する特許権の保護に与えるマイナスの影響に懸念を表明する」とした。

また、9日に予定されるAppleとSamsung電子の特許紛争をめぐるITCの決定と、それを受けた米政府の決定を鋭意注視するとし、「決定が公正かつ合理的に下されることを期待する」と注文を付けた。

Samsung電子は8月5日、オバマ政権の拒否権発動とは関係なく、既に米ITCの決定について、米連邦控訴裁に抗告を行ったことを明らかにした。
ITCは4件のうち1 件について、Appleが特許を侵害したと認め、輸入禁止措置を下したが、Samsungは残る3件についても特許を侵害しているとして、抗告を行った。


主要各社の第1四半期の営業損益対比は以下の通り。(単位:億円)

全般に前期比では増益だが、前々期比ではマイナスとなっている。
信越化学はShintechの業績が好調なため前々期比でも増益となった。

旭化成も医薬・医療が大増益で、前々期に迫っている。

ケミカルでは 各社とも前期比では交易条件でプラスとなっている。
石化製品で原燃料価格上昇に伴う販売価格値上げを行っているが、コストアップ以上の値上げということではなく、値上げ時期のずれで当期は増益となったものと見られる。
当期は更に円安効果が大きい。

1)三菱ケミカルホールディングス 

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
 

増減内訳

売買差 数量差 コスト
 削減
受払差他
エレクトロニクス 1 -4 -12 -9 -7 -10 11 -2
デザインド 105 38 111 73 12 36 12 13
ヘルスケア 247 209 186 -23 -2 -8 2 -15
ケミカルズ 160 -77 -14 63 42 25 19 -23
ポリマーズ 109 6 -14 -21 -14 -1 10 -15
その -2 3 -5 -8   -6 2 -4
調整 -22 -19 -17 2        
合計 598 156 235 79 31 36 56 -44


2)住友化学

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
 

増減内訳

売買差 数量差他 コスト差
基礎化学 70 -25 -21 5 5 0 0
石油化学 58 1 21 20 45 -35 10
情報電子化学 41 12 100 89 -40 69 60
健康・納涼 81 65 81 16 -10 36 -10
医薬品 135 126 107 -19   -44 25
その他 12 12 9 -3   -3  
調整 -49 -60 -52 7   7  
合計 348 130 246 116 0 31 85

情報電子化学は、偏光フィルム需要増による販売増で増益となった。(売価はダウン)

 

3)三井化学

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比 増減  

増減内訳

交易条件 数量差 コスト差
石化 60 35 71 36 54 -3 -15
基礎化学品 128 -8 -27 -19 -3 -9 -7
ウレタン -26 -2 -17 -14 -3 -3 -10
機能樹脂 20 27 37 11 6 14 -9
機能化学品 27 38 39 2 4 3 -6
フィルム・シート 17 -3 7 10 -1 2 9
その -7 -18 -18 -1      
合計 220 69 93 24 57 4 -38

石化の貢献が大きく、交易条件が54億円のプラスとなっているが、ポリエチレンで原燃料価格上昇に伴う販売価格上昇をあげている。

なお、昨年4月22日、岩国大竹工場のレゾルシンプラントで爆発事故が発生した。
   2012/4/24 三井化学大竹工場で爆発事故

昨年上期6か月の営業損益への影響は基礎化学品 -14億円、機能化学品 -4億円ほかとしている。


4)東ソー

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
 

増減内訳

交易条件 数量差 コスト差
石油化学 39 7 25 18 1 5 13
クロルアルカリ 15 -50 5 56 31 20 5
機能商品 45 24 36 12 14 1 -3
エンジニアリング -2 -1 -8 -7   -7  
その他 7 3 8 5   5  
合計 104 -18 66 84 46 24 15

クロルアルカリは生産再開で販売数量が増加した。
 2011年11月14日に南陽のVCM工場事故
 2012年5月に第一プラント、7月に第三プラントが再稼働


5)旭化成

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
 

増減内訳

売価差 数量差 コスト差
ケミカル 194 43 102 59 67 -1 -7
住宅 36 36 66 30 4 39 -13
医療・医薬 26 47 90 43 15 42 -14
繊維 14 6 22 16 18 2 -4
クリティカルケア   -5 -15 -10 2 9 -21
エレクトロニクス 48 -4 38 42 24 6 11
建材 2 5 13 8 1 2 5
その他 4 8 4 -4     -2
全社 -22 -29 -37 -8     -8
合計 302 107 283 176 130 97 -52

ケミカルは円安の効果とスチレンモノマーの市況改善で増益となった。


6)信越化学

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
塩ビ・化成品 61 99 169 70
シリコーン 92 75 70 -4
機能性化学品 35 39 31 -9
半導体シリコン 104 66 67 1
電子・機能材料 92 104 107 2
その他 17 18 11 -6
調整 -1 3 0 -3
合計 400 403 455 52

Shintech の塩ビが好調で、業績を大きく伸張させた。




New York市が肥満対策の目玉として決めた炭酸入り飲料の販売規制をめぐり、飲料業界などが差し止めを求めた訴訟の控訴審で、ニューヨーク州高裁は7月30日、市側敗訴の一審判決を支持し、控訴を棄却した。

市は判決を不服として、州最高裁に上告する方針。

ーーー

2002年1月に就任したNew York市のMichael  Bloomberg市長は市民の健康増進を最優先課題とし、まず喫煙とトランス脂肪酸に取組んだ。

間接禁煙の健康被害を強調し、2003年に市内の飲食店は事実上、全面禁煙とし、その後、公園なども全面禁煙とした。

トランス脂肪酸については、米国においては、飽和脂肪酸及び食事由来コレステロールの摂取の他に、トランス酸の摂取が冠動脈心疾患のリスクを高めるLDL コレステロール(「悪玉」コレステロール)のレベルを上昇させるという科学的知見に基づいて、 2006年1月1日以降、食品の栄養成分表示欄に飽和脂肪酸、コレステロールに加えてトランス酸の含有量も明記することが義務付けられている。

ニューヨーク市は2006年12月、全米の自治体として初めて、レストランでのトランス脂肪酸の使用を実質的に禁じることを決めた。

2006/12/11  ニューヨーク市、トランス脂肪酸の使用禁止へ

Bloomberg市長は2012年6月、市民の肥満防止対策の一環として、ソーダなど砂糖入り飲料のビッグサイズでの販売を禁止する方針を打ち出した。

禁止される容器は16オンス(約470 ml)超のもので、アイスティーやスポーツドリンクを含め、飲食店や映画館、野球場などでの販売が禁止される。

違反者には200ドルの罰金が科される。

スーパーやコンビニでの販売は認められる。
ダイエット飲料や牛乳50%超、果汁70%超の飲み物も対象外となる。

市長はかねて、砂糖入り飲料を肥満の元凶として敵視していた。
市長は2010年10月、フードスタンプでの砂糖入り飲料の購入を禁止する条例案を提示したが、砂糖入り飲料だけ禁止するのは技術的に難しいとして農務省が認めなかったため、規制の目安としてサイズに注目した。

この条例は2013年3月12日から施行される予定であったが、飲料や食品の業界団体が、市は権限を逸脱しており、小規模事業者などが不当に影響を受ける恐れがあるとして訴えを起こした。

施行予定日の前日の3月11日、地方裁判所はこの条例を「恣意的かつ一貫性を欠いている」として無効とする判決を言い渡した。

判決は、コンビニなどが対象になっていないことや、同じコップに再び注ぐ「おかわり」を禁止していない点を挙げ、「抜け穴が多く、目的が達成されない」と指摘、市議会ではなく、市の保健委員会が決定したのは権限の逸脱で、無効だと判断した。

これに対し、市長は判決を不服として控訴する意向を表明した。
市当局には規制を利用して「肥満の蔓延」を食い止める権限があると述べ、「判決に誤りがあるのは明らか」と批判した。

 

高裁は控訴審で、規制を市保健当局が決めたことについて「権限を逸脱した」と指摘、市側敗訴の一審判決を支持し、控訴を棄却した。

高裁は満場一致で、このような広範な規制は州議会や市議会で決めるべきものであり、市保健当局が決めるものではないとした。

市は判決を不服として、出来るだけ早く州最高裁に上告する方針。

市長は、施行予定日以降の4か月で2千人以上が糖尿病で死亡しており、American Medical Associationが肥満は病気であるとしているとし、市保健当局が市民の健康を守るため、重要な決定をした例はいくつもあるとしている。

ーーー

市長としての最終年を迎えたBloomberg 市長は2月14日、2013年の市政教書演説のなかで、発泡ポリスチレンの食品包装を店舗やレストランで禁止する法律を制定すると述べた。

2013/2/22 New York市長、発泡ポリスチレン容器禁止を提案

炭酸飲料とは異なり、市長はこれを市議会に提案する予定で、議長もこれに強く賛成している。

議長は、このままでは、この世の終わりに残るのは、ゴキブリとStyrofoam (Dowの発泡ポリスチレンのブランド名)だけだろうと述べている。




旭化成ケミカルズと三菱化学は8月2日、2011年4月1日から西日本エチレン有限責任事業組合として運営している水島地区の両社のエチレンセンター(いずれもエチレン能力 50万トン/年:非定期修理年)の集約について合意したと発表した。

両社は2009年6月に水島コンビナートでエチレン事業を統合することを検討していることを発表した。

2009/5/19  三菱化学と旭化成、水島でエチレン統合

その後、中国需要の急回復で統合を急ぐ必要性が薄れたこと、3年後をメドに2基のうち1基を停止・廃棄する考えだったが、どちらの設備を止めるかで交渉が難航したことで、一時は破談の危機を迎えたとされる。

設備能力削減については将来の需要をみて統合会社で柔軟に判断するとの方針に転換し、1年遅れで合意にこぎ着け、2010年5月に水島地区エチレンセンターの統合について発表した。

2010/6/2  三菱化学と旭化成、水島地区エチレンセンター統合の共同出資会社の設立

両社は折半出資で西日本エチレン有限責任事業組合を設立し、2011年4月から、水島地区の両社のエチレンセンター事業の一体運営を開始した。

エチレン需要3割減を前提とした減産体制を取り、更にエチレン需要が縮小すれば、その時点でエチレンを1基に集約するとした。

2011/3/1  三菱化学と旭化成、水島地区エチレンセンター統合のためのLLP設立


 

国内需要の縮小、中東・中国での供給能力拡大、シェールガス革命を背景とした米国での供給能力拡大など、石油化学事業を取り巻く環境は今後も厳しさを増していくものと予想されることから、両社は現行の体制のままでは事業存続が困難になるとの共通認識のもと、両社の水島地区におけるエチレンセンターを1基に集約し、最適生産体制による効率的な事業運営を確立することで合意したもの。

概要は以下の通り。

集約時期の目処 2016年春
対象製品 エチレン、プロピレン
C4、分解ガソリン、粗水素その他の副生ガス(メタン、エタン、プロパン)、ヘビーエンド
集約の方法 三菱設備(50万トン/年:非定期修理年)に集約
運用の形態 50/50JVで共同運用
 JV形態は今後検討

設備の集約により、各社50億円ずつ、合計100億円のコスト削減を見込む。人員は配置転換などで対応する予定。
会見で、誘導品をどうするかについての質問には「ノーコメント」であった。

集約時期を2016年春としたことについては、「誘導品でどう対応していくかや顧客への説明、サプライチェーンを構築するのにその位は当然かかる」としているが、上記の通り、2009年6月には既に統合を検討している。

どちらを止めるか決められず、エチレン需要3割減を前提とした減産体制を取り、更にエチレン需要が縮小すれば、その時点でエチレンを1基に集約するとしたため、1基に集約する検討はこれまでしていなかったものと見られる。

三井化学と出光興産の千葉ケミカル製造有限責任事業組合についても、1基への集約ではなく、稼働率を70%まで落としても高効率な安定運転を維持できる改造を行った。

2012/9/7   三井化学、千葉地区における石化事業の構造改革


日本の現在のエチレン能力は定修スキップ年ベースで8,000千トンとなっている。(定修ベースでは7,210千トン)
これまでに発表された三菱化学鹿島、住友化学千葉と今回の旭化成水島の停止を加算すると、能力は6,741千トンとなる。

工場別能力一覧表 定修スキップ年   単位:千トン/年
会社名 工場 2001年 2012/12/末 変更後  

三菱化学

鹿島1

410 390 0 2014年停止

鹿島2

491 490 540  
四日市 270 - - 2001/1 停止
水島 496 494 494

西日本エチレン
  有限責任事業組合

 (2011/4)

(1,667) (1,374) (1,034)
旭化成 水島 504 504 0   2016年春停止
三井化学 500 500 500  
千葉 612 612 612

千葉ケミカル製造
有限責任事業組合

 (2010/10)

(京葉) (192) (192) (  0)
(1,304) (1,304) (1,112)
出光興産 千葉 413 413 413
徳山 498 688 688  
(911) (1,101) (1,101)  

住友化学

千葉

415 415 0 2015年停止
(京葉) (192) (192) (384)
(再計) (607) (607) (384)  

丸善石油化学

千葉

525 525 525  

(京葉) (384) (384) (384)
(再計) (909) (909) (909)

京葉エチレン

丸善石化

千葉

384 384 384
住友化学 192 192 384
三井離脱
三井化学 192 192 0
合計 (768) (768) (768)  

東燃化学

川崎

515 540 540 Exxon 少数株主に
日本ユニカー100%化

JX日鉱日石エネルギー

川崎

443 443 443  

東ソー

四日市

527 527 527  

昭和電工

大分

635 691 691  

合計

8,022 8,000 6,741 三菱鹿島  -390+50
住化千葉  -415
旭化成水島 -504

    能力はMETI発表による。(公称能力と若干異なる)

これに対し、2012年のエチレンの内需は4,941千トンであった。
 (エチレン生産 ーエチレン換算輸出+エチレン換算輸入)   

このため、3工場が停止しても、定修スキップベースで170万トン、定修ベースで100万トンがまだ過剰となる。

国内需要の縮小、中東・中国での供給能力拡大、シェールガス革命を背景とした米国での供給能力拡大などを考えると、更なる縮小が必要である。

従業員を移転できるかどうかがキイとなるが、出来ないからといって放置すると、共倒れになるのは必至である。





タイ南東部ラヨーン県沖で7月27日、海中のパイプラインから石油が流出した。

事故のあったパイプラインは、タイ国営石油会社 PTTの子会社の化学大手 PTT Global Chemial が運営している。

会社側によると、Map Ta Phutの製油所の沖合20kmでタンカーからパイプラインに原油を移しているときに流出した。
流出した石油は約50千リットルと推定されている。

 朝 6時50分頃、Map Ta Phut seaportの南東20kmで、一点係留(single-point mooring:タンカーを係留し、かつ積み揚げ荷役を行うためのシー・バースの一方式)で船からパイプラインに原油を移している際に、16インチのフレキシブルホースから漏れた。

直ぐにパイプラインのバルブを閉め、それ以上の流出を防いだとしている。

事故時、海軍も出動して回収作業に当たったが、原油は強風などのため拡散し、人気観光地の Samet島西岸のPrao Bay に到達した。
同島は有名なリゾート地で、年間100万人の観光客が国内外から集まる。

原油は更に島の北側に流れ、本土に接近している。

 


海洋生物への影響が懸念され、恢復に半年から1年かかるのではと見られている。

漁業と観光への影響が大きいが、同社は48百万ドルしか付保していない。

副首相は7月30日、「タイはこのような事故に対応するのに準備不足である( "ill-equipped" )」と指摘、「政府は委員会を設置するとともに、シンガポールに支援を求めるべき」との考えを明らかにした。

タイの海洋局はPTT Global Chemical を裁判所に訴えた。

 

 

 


Bayerは7月25日、CO2を原料にポリウレタン原料のポリオールを商業的に生産する計画を明らかにした。
ドイツのDormagenに製造設備を建設する計画をスタートさせた。2015年以降、特定の需要家に大量の製品を供給する。

生産能力は5~6千トン(several thousand metric tons)の見込み。
今後、ライセンスも検討するとしている。

生産するのはポリエーテルカーボネートポリエーテルで、 温暖化の原因となるCO2を石油などの化石原料の代替とする。
同時に既存法と比較して経済的に有利なものであるとしている。

このポリオールとイソシアネート(TDI、MDI)とでポリウレタンフォームを生産する。

このプロジェクトは"Dream Production"と呼ばれ、Bayerは何十年もかけて探した結果、最適の触媒を見付け、産業界や学会のパートナーと協力し、製法を開発した。

CO2とアルキレンオキシドとを非結晶性の二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で共重合するもの。

過去2年間テストを行い、Leverkusen のBayerの本社工場につくったパイロットプラントでCO2を原料に少量のポリオールを製造した。
原料となるCO2は
エネルギー会社RWEのKölnにある発電所で発生したものを燃焼排ガスから取出し、輸送のために液化した。

この触媒は反応時のエネルギーを減らすのに貢献しており、大学による調査では、生産工程全体で省エネとなっており、排出するCO2も少ないとしている。


次のプロジェクトとして CO₂RRECTが進められている。

CO2と再生可能エネルギーを結びつけるもので、風力発電の余剰電力は蓄電できないが、これを電気分解に使用し、水素を生産し、これとCO2を原料としてポリカーボネートやMDIなどの合成樹脂を製造する。




Rio Tintoは7月29日、豪州のNorthparkes鉱山の権益 80% を中国のChina Molybdenum(洛陽欒川鉬業集団)に820百万米ドルで売却する契約を結んだと発表した。

同社では、同鉱山は成功しているが、充分な規模ではなく、同社戦略に合わないとしている。

Northparkes鉱山の残りの権益は、住友金属鉱山(13.3%)と住友商事(6.7%)が保有して いる。
両社が
JV契約で先買権を持っており、これを放棄するかどうかによる。
関係筋によると、2社が残りの80%全部を取得する見込みは薄いという。

China Molybdenumはモリブデンやタングステン鉱を生産しており、2012年10月に上海で新規上場した。銅の生産に参入するのはこれが初めて。

ーーー

Rio Tintoは戦略に合わない事業の売却を進めている。

2012年12月に同社は南アで銅山を運営しているPalabora Mining Company の持株(57.7%)を373百万米ドルで売却する契約を締結した。
売却先は南アのIndustrial Development Corporationと中国の河北鋼鉄集団が率いるコンソーシアム。

Palabora Mining の他の株主のAnglo American も持株16.8%を同じ相手に売却する。残りは一般株主が所有。

全ての手続きが完了しており、7月31日に成立する。

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Rio Tinto は6月12日、ミシガン州のUpper PeninsulaにあるEagle ニッケル鉱山を、カナダに本社を持ち、ポルトガル、スウェーデン、スペインで銅、亜鉛、鉛、ニッケルなどを採掘するLundin Miningに325百万ドルで売却する契約を締結した。

 

Rio Tintoは2007年にBHP Billitonから買収提案を受けたが、2007年11月の企業戦略を説明する投資家向けセミナーで、Northparkes銅・金鉱山を含む資産売却リストを公表した。

2007/11/15 BHP Billiton Rio Tinto に買収提案

2008/11/27 BHP BillitonRio Tinto 買収を断念

本年6月初めには、Rio TintoはNorthparkes鉱山の売却に向け、月内の最終入札を計画しており、豪州のOZ Mineralsと中国の五砿資源が応札するのではと報道された。
China Molybdenumの名はこれまでに出ておらず、意外な結果と見られている。

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Northparks鉱山は豪州のSydneyの西方約300kmにある銅鉱山で金を随伴する。
Rio Tintoの100%子会社のNorthminingが鉱区を所有している。

当初、1993年7月に住友金属鉱山と住友商事がNorth Broken Hill PecoとJV契約を締結し、1994年に操業を開始した。
North Broken Hill Peco(1995年にNorth Ltd. に改称)は2008年8月にRio Tintoに吸収合併された。

2006年12月に212百万豪ドルを投じて新たな鉱床開発を決めた。
これにより、鉱山寿命を2009年から2016年まで7年間延長されるとしていた。

2016年以降については、増強計画を検討中で、本年にプレFSを作成し、2016年にフル生産を目指すとしている。
(一時は2008年6月以降の銅価格下落や世界的経済不況により、山命延長を断念している。)

既存の3鉱体の地下と新規の1鉱体の開発により生産規模を拡大する。

  現状 2016年
選鉱能力 580万トン 3000万トン
生産銅量 38千トン 150千トン

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住友金属鉱山は2013年2月、2012年中期経営計画「世界の非鉄リーダー&日本のエクセレントカンパニーをめざして」を発表した。

ターゲットとして、銅権益 30万トン、ニッケル 15万トン、金 30トンとしている。


海外資源獲得のうち、①自社探鉱は相当な時間を要するとし、②開発案件への参加は他社との競合が問題としている。
残る③既存鉱山については、権益比率拡大は困難で、増産しかないが、増産案件は少ないとしている。

本件は、権益比率を大幅に拡大し、かつ増産計画があるものだが、住友金属鉱山はこれまで取得の意向を示していない。


参考  2011/5/21 住友金属鉱山、チリの銅鉱山開発に参加






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