2014年5月アーカイブ

SABICとLockheed Martin は5月15日、多方面の市場向けにカーボンナノ構造材料を開発するためサウジにJVを設立することに向けパートナーシップをつくると発表した。

両社はカーボンナノ構造材料とそれを浸出した製品の開発、工業化の確認、テスト、スケールアップ、製造販売に向け協力する。

Lockheed Martin は米国の航空機・宇宙船の開発製造会社で、1995年にLockheed Martin Marietta合併して生まれた。

Lockheed Martin の子会社のApplied NanoStructured Solutions, LLC はナノテクノロジーの開発、商業化を行っており、カーボンナノ構造体を連続製法でいろいろな物質に浸出する革命的方法を開発した。

木星探査機のJunoは2011年8月に打ち上げられ、2013年10月には地球スイングバイによる増速に成功した。約5年をかけ木星の極軌道に投入され、木星の組成、重力場、磁場、極付近の磁気圏の詳細な調査を行う予定である が、これにはApplied NanoStructured Solutionsのカーボンナノ構造体浸出繊維が使用されている。

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SABICとSK総合化学(SK Global Chemical)は5月26日、SKの最新ポリエチレン技術を使って高機能ポリエチレン製品を製造するための50/50JVを設立する合弁契約に調印した。

Nexlene™ はSKが2010年に触媒からプロセス、製品設計まで全体を自社技術で開発した高機能ポリエチレンで、高機能フィルム、自動車内装、靴、ケーブルの絶縁などに使われる。

Compared with the existing polyethylene, this high performance polyethylene is stronger to the impact and has higher reinforced transparency and machinability. Only a few major chemical companies such as Dow Chemical and Exxon Mobile have been producing this product.   - See more at: http://www.noodls.com/view/BAEADD6B6E377017F6224C9A0B6E53660AEAF2FF#sthash.qfYPisg8.dpuf
Compared with the existing polyethylene, this high performance polyethylene is stronger to the impact and has higher reinforced transparency and machinability. Only a few major chemical companies such as Dow Chemical and Exxon Mobile have been producing this product.   - See more at: http://www.noodls.com/view/BAEADD6B6E377017F6224C9A0B6E53660AEAF2FF#sthash.qfYPisg8.dpuf
Compared with the existing polyethylene, this high performance polyethylene is stronger to the impact and has higher reinforced transparency and machinability. Only a few major chemical companies such as Dow Chemical and Exxon Mobile have been producing this product.   - See more at: http://www.noodls.com/view/BAEADD6B6E377017F6224C9A0B6E53660AEAF2FF#sthash.qfYPisg8.dpuf

既存のポリエチレンと比較し、インパクトに強く、透明性に優れ、加工性もよい。

両社のJVはシンガポールに本拠を置き、一連のプラントを操業することとなる。

第一工場はSKが最近蔚山に完成し、5月に生産を開始した年産23万トンのプラントで、メタロセンLLDPEとポリオレフィン・プラストマー、ポリオレフィン・エラストマーを製造する。
このシステムは溶液法のため、
octene-1 コポリマーのポリオレフィン・プラスとマーの生産が可能である。


発表では595百万ドルのJVとしており、SKとして建設したプラントを買収するものと思われる。(建設予算は345百万ドルとされていた)

第二工場はサウジに建設する予定で、その後、世界中に建設する。

SABICは以下の通り述べている。

新しいJVにより、両社は高度に特化した高機能ポリエチレン市場に参入し、世界中の需要家に高級な高価値ポリマーを供給できることとなる。
SK Global との提携により、SABICのこれまでの広範囲の製品群に革新的な新製品ラインが加わり、アジアやそれ以外の需要家にコスト効率がよく、顧客が求める製品を提供できるようになる。



東京電力福島第1原発事故後、安全性の保証をせずに大飯原発3、4号機を再稼働させたとして、福井県の住民らが関西電力に運転差し止めを求めた訴訟で、福井地裁は5月21日、現在定期検査中の2基を「運転してはならない」と命じ、再稼働を認めない判決を言い渡した。

原発差し止め訴訟で住民側が勝訴したのは、金沢地裁が2006年、北陸電力志賀原発2号機の運転停止を命じた判決に次いで2例目。
2009年 に名古屋高裁で原告逆転敗訴、2010年 最高裁で上告棄却)

今回の判決は地震大国日本における原発の基本の問題を正面から取り上げており、ほとんど全ての原発に当て嵌まり、影響は大きい。

判決内容は以下の通り。

判決全文
 前半 http://www.cnic.jp/wp/wp-content/uploads/2014/05/e3ebefe20517ee37fc0628ed32be1df5.pdf
 後半 http://www.cnic.jp/wp/wp-content/uploads/2014/05/8d7265da36628587548e25d7db234b7d.pdf

地震が起きた場合、止める、冷やす、閉じ込める(使用済み核燃料)という三つの要請がそろって初めて原発の安全性が保たれる。

大飯原発の欠陥:地震の際の冷やす機能と閉じ込める構造に欠陥がある。

 ・ 1260ガルを超える地震

「1260ガルを超える地震によってこのシステムは崩壊し、非常用設備ないし予備的手段による補完もほぼ不可能となり、メルトダウンに結びつく。この規模の地震が起きた場合には打つべき有効な手段がほとんどないことは被告において自認しているところである。」

「大飯原発には1260ガルを超える地震は来ないとの確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である。むしろ、我が国において記録された既往最大の震度は岩手宮城内陸地震における4022ガルであり(争いがない)---」

 ・ 700~1260ガルの場合

関電は、このような地震が炉心損傷に結びつく原因事実になることは自認しているが、これらの事態に対し、有効な手段を打てば、炉心損傷には至らないと主張。

下記の理由で、これは期待できない。

いったんことが起きれば、事態が深刻であればあるほど、それがもたらす混乱と焦燥の中で適切かつ迅速にこれらの措置をとることを原発従業員に求めることはできない。

対応策をとるためにはいかなる事象が起きているのかを把握できていることが前提になるが、この把握自体が極めて困難である。いったん大事故が起これば、その事故現場に立ち入ることができないため事故原因を確定できないままになってしまう可能性が極めて高い。

仮に把握できたとしても、対処すべき事柄は極めて多いことが想定できるのに対し、全交流電源喪失から炉心損傷開始、メルトダウンの開始に至るまで、時間は限られている。

これらの対策は普段からの訓練や試運転にはなじまない。
たとえば空冷式非常用発電装置だけで実際に原子炉を冷却できるかどうかをテストするというようなことは危険すぎてできようはずがない。

とるべきとされる防御手段に係わるシステム自体が地震によって破損されることも予想される。

放射性物質が一部でも漏れればその場所には近寄ることさえできなくなる。

大飯原発に通ずる道路は限られており施設外部からの支援も期待できない。

(原発事故で想定通りの対応ができないことを、若杉冽の小説 「原発ホワイトアウト」が描いている。)

過去において、原発施設が基準値振動を超える地震に耐えられたという事実が認められたとしても、同事実は、今後、基準値振動を超える地震が大飯原発に到来しても施設が損傷しないということをなんら根拠づけるものではない。

 ・ 700ガル以下の場合も施設損壊の恐れはある。
        (外部電源と冷却機能維持のための主給水の双方が同時に失われるなど)

    ーーー

「この地震大国日本において、基準値振動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない上、基準値振動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる。このような施設のあり方は原子力発電所が有する前記の本質的な危険性についてあまりにも楽観的といわざるを得ない。」

 注)原子力規制委員会は大飯原発の安全審査で、地震の想定を大幅に見直すよう要求、
        関電は基準地震動を856ガルに引き上げた。

使用済み核燃料の危険性

「使用済み核燃料プールにおいては全交流電源喪失から3日を経ずして冠水状態が維持できなくなる。ーーー そのようなものが、堅固な設備によって閉じこめられないままいわばむき出しに近い状態になっているのである。」

「使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるには膨大な費用を要するということに加え、国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しのもとにかような対応が成り立っているといわざるを得ない」

「国民の生存を基礎とする人格権を放射性物質の危険から守るという観点からみると、本件原発に係わる安全技術及び設備は、万全ではないのではないかという疑いが残るというにとどまらず、むしろ、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ちうる脆弱なものであると認めざるを得ない」

関電側の、原発停止による「国富の喪失」と「CO2問題」の主張に対しては、以下の通り否定している。

「被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。

我が国における原子力発電への依存率等に照らすと、本件原発の稼動停止によって電力供給が停止し、これに伴って人の生命、身体が危険にさらされるという因果の流れはこれを考慮する必要のない状況であるといえる。

被告の主張においても、本件原発の稼動停止による不都合は電力供給の安定性、コストの問題にとどまっている。

このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。

また、被告は、原子力発電所の稼動がCO2(二酸化炭素)排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。」

ーーー

毎日新聞の「風知草」(5月26日)は次の通り述べている。

福井地裁の原発運転差し止め判決の評価は割れているが、原発訴訟史上注目の一幕であることは疑う余地がない。
なぜか。
ふつう、原発訴訟は、原告が負け、被告(電力会社や国)が勝つ。今回もどうせ高裁でひっくり返ると見るのが従来の常識だが、どっこい、3・11 を経て前提が変わっている。
どう変わったか。
裁判官の間にも原発政策への懐疑が生じた。2審の審理にどのくらい時間がかかるか分からないが、高裁判決といえども電力会社の肩を持たない可能性がある。

「しょせん地裁段階」と侮れぬ福井判決のインパクトはそこにある。

従来の原発訴訟判決の指針だった、1992年の伊方原発訴訟最高裁判決の核心をかみ砕いて言えばこうなる。
 「安全基準の審査指針は専門家が集まってつくったのだから、よほど明白なミスがない限り、行政の判断を尊重する......」

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原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「司法の判断について申し上げることはない。大飯については従来通り、われわれの考え方で審査をしていく」と述べ、安全審査を続ける意向を明らかにした。地震想定については、「科学技術的な知見を踏まえて判断する」と述べ、審査への影響を否定した。

規制委は設立以来、あくまで規制基準をクリアしているかどうかを審査するだけで「再稼働の是非は判断しない」としている。

安倍政権はその日本の基準を「世界で最も厳しい水準」とする。

菅元首相が世界一の根拠を質問主意書でただしたところ、閣議決定した答弁書は、「IAEAや諸外国の規制基準を参考にしながら世界最高水準となるよう策定した」というもので
、答えになっていない。

菅元首相が視察したフィンランドのオルキルオト原発3号機は、飛行機の衝突にも耐えられるよう格納容器が二重になっており、メルトダウンに備え、溶けた核燃料を受け止める
コアキャッチャーを入れたという。その結果、建設費は著しく上昇した。
日本はもちろん、いずれもやっていない。コアキャッチャーは中国でさえ導入しているというが、日本では設置義務はない。

原子力規制委員会の「新安全基準骨子案に対するご意見一覧」 には「コアキャッチャーが必要」とする意見が40件ほど載っているが、採用されなかった。

菅氏は「要するに世界一はインチキなんだよ」と喝破する。(毎日新聞 5月28日夕刊)


再稼働には地元の同意を得る必要があるが、今回の判決はこれに影響を与える。






 


ユニチカは5月26日、主力取引銀行に金融支援を要請したと発表した。

繊維事業の縮小や、それに代わる収益源の育成が遅れたことから業績が低迷しているが、創業事業である繊維事業からの大幅な撤退を含む聖域なき構造改革を断行することとした。

これまでは、「(財務悪化で)スピーディーな構造改革や、稼げる事業への大型投資ができなかった」

新中期経営計画を新たに策定し、低採算事業及びノンコア事業の縮小・撤退による事業ポートフォリオ改革を通じて、経営資源を高収益事業である高分子事業及び成長市場であるアジア地域向けの事業へ積極的に投下し、持続的な成長を目指す。

産業繊維事業のうち、ポリエステルの短繊維など汎用品事業を縮小する。この製品を生産する岡崎事業所も規模を見直す。
このほかにも採算が低く、中核事業でない部門は縮小、撤退する方針で、「この1年間で構造改革をやり遂げたい」としている。

大胆な事業ポートフォリオ改革には、多額の自己資本の毀損を伴うこと、また成長分野への積極的な投資を行い、一刻も早い抜本的な成長戦略へのシフトを可能とするために、金融支援を求める。

2015年3月期で440億円の特別損失を計上するため、370億円の当期損失を見込む。
2014年3月末の連結ベース純資本は193億68百万円のため、160億円の債務超過に陥る。

金融支援の内容は以下の通り。

1)主力取引銀行に優先株を発行、払込金額をそのまま、各行への債務返済に充てる。

A) 三菱東京UFJ銀行 217.4 億円  優先株配当率 年1.20%
       
B) みずほ銀行 36.35億円  
  三菱UFJ信託銀行 21.24億円  
  (小計) 57.59億円  優先株配当率 年2.374%
       
合計 274.99億円  払込金額を各行への債務の弁済に充てる

2) ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第壱号投資事業有限責任組合(JIS)に優先株を発行

総額100 億円  優先株配当率 年6.0%
資金は下記の成長分野への積極的な投資に充てる。

(ア)フィルム事業 国内・中国向け差別化フィルム拡販 1,850 百万円
(イ)樹脂事業   耐熱樹脂拡販 2,900 百万円
(ウ)不織布事業  アジア市場向けPETスパンボンド拡販 4,800 百万円


注)JISは産業再生を視野に入れた事業の再編・再生をサポートする投資ファンドで、日本政策投資銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、三菱商事が各14.9%出資している。

3) 債務返済条件の変更の要請

借入先金融機関に対し、債務残高の維持を目的として、借入約1,600 億円について返済期日の2017年9月末までの延長を要請。
債務免除又は金利の減免は要請していない。


以上により、このままでは2015年3月末時点で連結ベースで約160億円の債務超過に陥る見込みだが、優先株発行で総額約375億円の資金を調達し、純資産額が約215億円まで増加することに加えて、当該資金により借入金の一部を弁済することで有利子負債が約275億円減少する。

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新中期計画の概要は以下の通り。

(1)アジア市場向け、新素材・新用途向け拡販

成長市場である中国及び東南アジアへの製品供給能力の向上を図るとともに、国内外で高付加価値品を導入するための投資を積極的に実施することで、収益事業の拡大を目指す。

① フィルム事業:アジア地域での能力増強と差別化品の拡販
   ・包装用ナイロンフィルムのグローバルトップブランド維持・強化
   ・新フィルム開発と新事業の展開:耐熱フィルム、非食品用ナイロンフィルム

② 樹脂事業:新素材・新用途向け拡販と、中央研究所開発素材の積極的な製品化
   ・グローバルニッチ戦略の推進

③ 不織布(スパンボンド)事業
   ・アジアグローバルシェア拡大

(2)事業ポートフォリオ改革

事業を収益性、将来性、グループシナジーを踏まえて峻別し、事業及び子会社数をスリム化することで、事業ポートフォリオの改革を行い、成長事業へ経営資源を集中投下する。

(3)管理コスト削減と組織力強化

抜本的事業再構築の推進、連結経営体制の整備及び地道なコスト削減努力を推進することで、収益体質の強化を図る。

(4)財務体質の健全化

各種施策を実現するための資金余力、財務基盤を確保することで、本計画を着実に遂行する。

(5)損益計画(億円)

  2013年度
実績
2014年度
予想
2017年度
計画
売上高 1,627 1,650 1,460
営業利益 68 80 140
経常利益 47 60 120
当期利益 6

-370

110

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ユニチカは1969年にニチボーと日本レイヨンが合併して誕生した。

  ニチボー 日本レイヨン
1889年 尼崎紡績会社設立  
1918年 摂津紡績と合併、
大日本紡績と改称
 
1926年   日本レイヨン設立
1964年 ニチボーと改称  
1969年

 合併、ユニチカ 発足


高分子事業をコア事業とする国内屈指の素材メーカーであり、特にナイロンフィルムにおいては、国内・アジア地域において圧倒的なシェアを有している。

 

 


Renault は5月21日、Renault とLG Chemが次世代のゼロエミッションの自動車用のバッテリーを共同開発する契約に調印したと発表した。

2~3年後に販売されるRenault の新しい電気自動車に使われる次世代バッテリーの開発のため両社が協力する。LGが特許を取得した高密度で省エネのリチウムイオンバッテリーを使用する。

現在の電気自動車は最高速度が時速200km程度であるが、両社は時速400kmが可能な電気自動車の開発を検討している。

Renault は現在、電気自動車では Twizy、Zoe、Fluence Z.E. 、Kangoo Van Z.E. を販売しており、韓国ではRenault 三星自動車がFluence  Z.E. をベースにしたSM3 Z.E.を販売している。

このうち、LG Chem はTwizy、Zoe、SM3 Z.E.の3モデルにバッテリーを供給している。

Renault とフランス原子力庁(CEA : Alternative Energies and Atomic Energy Commission) は2012年7月、電気自動車用次世代電池の量産開発でLG Chemと提携すると発表した。

Renault とCEAは2010年に電気自動車の分野での戦略的提携を開始した。
その一部に新しいバッテリー技術の開発が含まれている。CEAは電気自動車用新世代バッテリーを開発している。

LG Chemが電気自動車用次世代電池の工場をフランス国内に建設し、2015年末からEV用電池の現行品の量産を開始する というもので、追って契約を締結するとしていた。Renault が2012年末に発売する小型電気自動車ZoeもLG Chem製の電池を採用することが明らかにされた。

Renault 日産グループには、バッテリーを製造するAESC(オートモーティブ エナジー)がある。
  AESCは日産自
動車 51%、日本電気 42%、NECエナジーデバイス 7%のJV。

Renault と産自動車は当初、AESCの技術をベースにした 電気自動車用電池工場を、2012年半ばまでにRenault のフラン工場に建設する計画を発表していたが、この計画は延期された。

Zoeの電池も、AESCの技術がベースになると考えられていたが、LG Chemの電池が採用された。

AESCの生産能力が限られているため、日産自動車は自ら出資するAESCの電池を優先して使い、RenaultはLG Chemの電池を採用することになったとされている。

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GMはエコカー用電池を韓国LG Chem製に統一すると明らかにした。

LG Chemは2009年1月、「2010年に発売予定のGMの電気自動車 Chevy Volt に搭載されるリチウムイオン・ポリマー・バッテリーを供給する唯一の企業として選ばれた」と発表した。

2009/1/17 LG化学、GMに電気自動車用バッテリー独占供給へ

LG Chem子会社のCompact Powerは2010年7月、ミシガン州Hollandでリチウムイオン電池工場の起工式を行い、オバマ大統領が出席した。

工場は2012年稼動の予定で、A123 SystemsとJohnson Controls-Saft  と組み、プラグインハイブリッドベースで20万台分(E-REV=充電用エンジン搭載車 "Chevy Volt" ベースでは5万台分)を生産する。
投資額は303百万ドルで、オバマ政権の24億ドルの補助金から151百万ドルを受ける。

2010/7/17 オバマ大統領、LG化学の米工場起工式で祝辞

この工場はいろいろな問題があり、2013年7月にようやく稼動したが、一旦停止し、10月末から生産を開始した。

2013/9/10 LG化学のミシガン州のリチウムイオン電池工場、生産開始2か月で停止

LGとGMは2011年8月、LGによるChevrolet Volt やOpel Ampera用のバッテリー供給での協力関係を拡大し、電気自動車を共同で開発すると発表した。

2011/8/29 韓国LG、GMと電気自動車の共同開発へ 


GMは昨年発売した5ドアハッチバックタイプの小型電気自動車Spark EV では A123 Systems の電池を使っている。

しかし、2013年1月にA123は中国の万向集団(Wanxiang Group Corporation)に買収されたため、GMはバッテリー購入先から同社を排除し、LG Chemに統一することを決めた。中国への技術流出を警戒し た。

A123 Systemsは2001年にマサチューセッツ工科大学からスピンアウトして設立された。創業者はMITの教授のYet-Ming Chiangで当初、GEが10%出資していた。
リチウムイオンバッテリーの性能を向上させるナノスケール材料を開発した。

同社は、オバマ政権が打ち出したGreen New Deal 政策を通じ、2億4900万ドルの助成金を受けていた。

A123は2012年半ばに資金難に陥った。

同年8月、同社は万向集団(Wanxiang Group)に株式の過半数を譲渡する契約を結んだ。最終的に万向集団は、A123 Systemsの株式を80%まで買い進める計画であった。

しかし、軍事用の先進的なバッテリー開発計画があることから米国の外国投資委員会(CFIUS)の承認が得られず、議会からも、税金で開発した重要な知的財産を外国に売り渡すのかとの批判が相次ぎ、計画をとりやめた。

2012年10月16日、破産法11条の適用を申請した。

A123は米国防総省向け事業はナビタス・システムズに225万ドルで売却することで当局の理解を得た。

2012年12月の競売で
万向集団は2億5660万ドルで落札した。(NECとジョンソン・コントロールズも共同で応札していた。)

この買収は2013年1月に米外国投資委員会から承認を受けた。

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LG Chemは電気自動車用バッテリー分野で、韓国の現代・起亜自動車と電気自動車メーカーのCT&T、米国のGMと自動車用部品メーカーのEaton Corporation、中国の長安汽車、ボルボ、ルノーなど世界中の各社に供給している。

2010/4/29 LG化学、ボルボに電気自動車のバッテリー供給

LG Chem は韓国と米国に次いで、中国にもバッテリー工場を建設する計画を明らかにした。
立地は、南京か広州か天津のいずれかになる。

中国では三星SDIが本年4月に中国の自動車部品メーカー安慶環新集団(Anqing Ring New Group)との合弁会社を設立、サムスン電子が西安で建設している半導体工場の隣接地に工場を建設する。

SK Innovationも2013年7月に北京汽車集団との合弁会社を設立した。


日本の化学会社はリチウムイオン電池の部品(正極材、負極材、電解液、セパレーターなど)で増設を行い、しのぎを削っている。

例 2010/9/13 三菱化学、リチウムイオン二次電池用負極材の製造能力増強

しかし、将来的には中国勢などの進出で競争相手が増え、価格が下がるのは目に見えている。
 
それに対し、LG Chemは早々とシステム開発を行い、システムで世界を制覇しようとしている。

日本の化学会社にとって、将来戦略の手本になると思われる。

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LG Chem は5月18日、日本の宇部マクセルに安全性強化セパレーター関連特許を有償で販売する内容のライセンス契約を結んだと発表した。

LG Chem のSRS技術はバッテリーの核心素材セパレーターにセラミックをコーティングし、熱と機械的強度を高め、内部のショートを防ぐ役割をする もので、リチウムイオンバッテリーの安全性を決める核心技術としている。


韓国の中央日報は「"バッテリー宗主国"日本に特許輸出」と誇らしげに書いている。

 

 


プーチン大統領の訪中時に、昨日の記事の「GazpromによるCNPCへの天然ガス供給」のほか、下記の契約が締結された。

1.NovatekとCNPCのLNG供給契約

ロシアの民間ガス会社Novatekは5月20日、プーチン大統領の立会いの下、中国のCNPCとの間で Yamal LNG (Total 20%、CNPC 20%出資のJV)のLNGを年間300万トン、20年間供給する契約を締結した。

価格はJapan crude cocktail を基準に決定される。

韓国や台湾なども含めてアジア太平洋地域の LNG 価格の多くは、日本に輸入される全原油平均価格(Japan crude cocktail)を指標として、これにリンクしたものとなっている。
LNG
価格=係数 × JCC +定額

Yamal LNG 計画は2020年までに1650万トン/年のプラントを建設することになっており、2017年に第一期の550万トン/年が生産を開始する。

ーーー

2.Rosneft とPetroChina、JVの天津製油所への原油供給契約

RosneftとPetroChina は2007年10月にPetroChinaが51%、Rosneftが49%のJV 中露東方石化(天津)を設立した。
300億人民元を投じて年産1300万トンの製油所を建設するもので、1300万トンの常圧・減圧蒸留装置、270万トンの連続改質装置、400万トンの残油改質装置、芳香族とプロピレン製造装置(能力非開示)などの装置を含んでいる。

製油所の完成は2015年を予定しており、ロシア側が原油の約70%を市場価格で供給し、残りの30%はアジアで手配する。

2010/9/30  PetroChinaとロシアのRosneftが天津で製油所建設

今回、原油供給契約を締結した。

ーーー

3.SinopecとSibur、戦略的協力契約を締結

今後、取引の拡大やガス処理・石化計画での協力などを検討する。

その一環として、Shanghai Chemical Industry Parkにブタジエンにトリルゴム (NBR) のJVの設立を決めた。

能力:50千トン/年
出資:Sinopec 74.9%、Sibur 25.1%
技術:Siburがライセンス

両社は2013年にロシアKrasnoyarsk にNBRのJVを設立している。

能力:56千トン/年
出資:Sinopec 25%+1株、Sibur 75%-1株
技術:Siburがライセンス

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4.神華集団とEn+ Group Ltd、中ロ国境近くのZashulanskoye炭鉱の開発契約締結

両社は50/50JVのRazrez Ugol LLCを設立し、中ロ国境近くのロシアのザバイカル地方(Transbaikal Territory)のZashulanskoye炭鉱を開発する。
2年以内に承認を得ることを予定している。

世界最大の石炭会社である神華集団にとり、ロシアでの最初の計画となる。


両社はこれに加え、代替エネルギーでも協力する。

ーーー

5.中国国家核電技術公司とRosatom State Atomic Energy Corp、水上原子力発電所で協力

ロシア連邦原子エネルギー局で低容量の浮かぶ原子力発電所(Floating nuclear power stations)の建造が進められている。
2基(70MWと300MW)の改良型KLT-40Sソビエト海軍核推進動力炉をそなえる施設で、造船所で建設し、電力消費地の沿岸部まで曳航する。

両社はこの分野で協力することとなったが、今後、それぞれの権利や責任の明確化が必要とされる。

 

 

ロシアと中国は5月21日、Gazpromによる中国石油天然ガス集団(CNPC)への天然ガス供給で合意し、契約に調印した。中国訪問中のプーチン・ロシア大統領と中国の習近平国家主席がこれに立ち会った。
(このほか、4つの契約書が調印された。5/27に記事)


ウクライナ情勢をめぐり欧州諸国がロシア産ガスへの依存度を引き下げようとするなか、アジアでの新たな協力関係構築を目指すプーチン大統領にとっては成功を収めた格好となった 。

ロシアから中国への天然ガス輸出計画は1994年から交渉してきたが、価格で折り合いがつかず、平行線をたどってきた。

1994   天然ガスパイプライン建設のMOU
1999   Gazprom とCNPC、天然ガス売買のLOI
2006   中国とロシア、天然ガス供給のMOU
2008   中国とロシア、副首相級の天然ガス契約の交渉開始
2011   価格交渉がデッドロックに
2012   プーチン訪中で交渉再開
2013   習近平訪ソ、CNPCとGazpromが初期契約を締結

今回、 プーチン大統領が輸出価格引き下げにつながる税制優遇策を適用する方針を伝え、妥結した。

契約によると、ロシア側は2018年から30年間にわたり毎年380億m3の天然ガスを供給する。総契約額は4,000億ドルを上回ったとみられる。

中国の天然ガスの需給状況は以下の通り。(億m3)

  生産 消費 輸入
2012 1,070 1,460 390
2013 1,170 1,680 510

なお、2013年のロシアからの欧州向け天然ガス輸出は約1,600億m3となっている。

契約では、Gazpromが天然ガス開発、ガス処理、ロシア内のパイプライン建設を担当、CNPCが中国内のパイプライン建設を担当する。
プーチン大統領は、ロシアが天然ガス探査と中国に続くパイプラインの建設に550億ドルを投資すると表明した。
また、中国がロシア側のインフラ開発などを支援するために約200億ドルを支払う。

ロシアのエネルギー相は、中国が最大250億ドルのガス代を前払いする可能性があることを明らかにした。

プーチン大統領は今回の契約について「旧ソビエト連邦時代を含め、ガス部門で最大規模の契約となった」とし、「ロシアのガス部門にとり歴史的な出来事となった」と述べた。

価格は「商業機密」として明らかにしていないが、数量 380億m3x 30年で4000億ドルとすると、価格は1000m3当たり350ドル程度となる。西欧諸国への供給価格は長期契約の下で350ー380ドルとなって おり、Gazpromは350ドル以下での供給には反対したとされる。

これまでの交渉では、ロシア側の提示は最低 9.67$/MMBTU(387$/1000m3)であったとされる。
 

ガスは西シベリアのガス田からウラジオストックまでをつなぐ計画中のEastern Pipeline で輸送する。

注)石油については既にパイプラインがつながっている。


プーチン大統領は、「ロシアと中国は西ルートでもガスを供給することを協議する」と述べ、西シベリアからモンゴルの西側を通り中国につなげる2本目も敷設することを明らかにした。

2006年3月のプーチン・胡錦涛会談で 西シベリアからアルタイ共和国経由で西気東輸(中国の東西ガスパイプライン)につなぐAltai Pipelineの建設で合意したが、価格交渉が難航したこともあり、これまで実現していない。

 

 

中央アジアからのガスパイプライン「西気東輸」につながっている。



韓国の遠洋漁船による漁獲量制限違反など違法操業を問題視している欧州連合(EU)が、6月8日に韓国に調査団を派遣することを決めた。
6月末に違法操業国家に指定するかどうかを決定する。

EUは韓国の遠洋漁船が長期にわたり西アフリカ沿岸で、定められた漁獲量を超過するなどの違法操業を行っているとして、昨年の時点で韓国を違法操業国に予備指定した。

違法操業国家指定が確定すれば、年間1億ドルに上るEUへの水産物輸出が全面的に凍結される上、韓国の遠洋漁船はEU加盟国の港を利用できなくなる。


違法操業国の指定は、韓国にとっては大きなイメージダウンとなる。

遅まきながら、韓国政府は、罰金制度の強化や外国水域での全ての韓国漁船の操業をモニターする監視センター設置などの対策をとった。

韓国海洋水産部の関係者は「違法操業国指定を阻止するために最善を尽くす」としている。


ーー

EUは、全世界における違法漁業による総生産額を年間100億ユーロとし、EUの2007年の水産物輸入(150億ユーロ)のうち、IUU漁業を起源とするものは11億ユーロと推計した。

違法漁業=IUU漁業のIUUはIllegal, Unreported and Unregulated の略で、'pirate' fishing とも呼ばれる。

EUは、IUU漁業が水産生物資源の持続的な利用に対する最も深刻な脅威の一つであり、EUの共通漁業政策及び国際的な取り組みの根幹を揺るがすものと位置付けた。

2008年9月にIUU漁業を防止、抑止及び廃絶するための欧州共同体システムを確立する「IUU漁業規則」を採択した。

EUは2010年1月1日からIUU Regulation を全面的に施行した。

IUU漁業規則商業漁業に従事する全ての漁船を対象とし、EUへ輸出する全ての水産製品(養殖魚、淡水魚等を除く)について、正当に漁獲されたものであることを漁船の旗国が証明する漁獲証明書の添付が義務付けられ、IUU規則に違反する水産物がEU域内に入域することを防止、抑止及び廃絶することを目的にしている。


2013年11月にEU の海事・漁業担当委員はIUUに違反する国との取引を禁止する計画を発表した。

構造的問題を解決して違法な漁業問題に取り組むとの熱意を示せなかったとして、ギニア、カンボジア、ベリーゼの3国を非協力国に指定した。
これらの3国の漁船が獲った全ての漁業製品をEUが輸入することを禁止し、更にEUの漁船がこれらの国の水域で漁業を行うことを禁止した

更に、韓国、キュラソー、ガーナの3国に対し、違法な漁業を禁止する国際的な義務を果たしていないとして、イエローカードを渡し、改善の努力がなければ同様のレッドカードが与えられると警告した。

英国に本部を持つEJF (Environmental Justice Foundation) は2010年以降、西アフリカで監視活動を始めた。人工衛星を使って、違法漁業がEU市場に入るのを追跡し、EU当局に"IUU Alerts"を送っている。
証拠に基づく調査でこれまで数百万ドルの罰金を課しており、地域によっては違法漁業の激減をみている。

EJFによると、韓国の漁船の違法行為は特に広範であるという。2010年以来、韓国の漁船が西アフリカ諸国の水域で高価格な魚類を狙った違法漁業が200件以上報告されている。保護海域で漁をしたり、パトロールから逃げたり、罰金支払いを拒否したり、登録番号を覆って隠したり、洋上で違法に魚を積み替えたり、現地の漁師を攻撃したりしているという。

更に、韓国船では人権問題も分かっている。14歳の若い労働者を3ヶ月もの漁業の間、ひどい状況のなかで住ませ、働かせていたという。

ーーー

米国も韓国をIUU漁業国の一つとみなしている。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)は2013年1月に議会に報告書を提出した。

その国の漁船がIUU漁業を行っている国として次の10カ国を挙げたが、そのなかに韓国が含まれている。

コロンビア、エクアドル、ガーナ、イタリア、メキシコ、パナマ、韓国、スペイン、タンザニア、ヴェネズエラ

 



 

石原産業が有害物質を含む産業廃棄物をフェロシルトの商品名で販売した事件に関し、株主3人が旧経営陣らに撤去費用など489億円を同社に賠償するよう求めた株主代表訴訟の控訴審が5月20日、大阪高裁で和解した。

和解内容は公表されておらず、石原産業も和解したという事実だけを発表している。
新聞報道はまちまちである。

・元取締役とその遺族計13人が計5千万円余りの和解金を同社に支払う。

・元取締役9人が和解金5千万円余りを会社に支払う。
       元四日市工場長の3人が取締役としてのコンプライアンス上の不備を認めて相当額を、
       残る6人は所有する同社株の売却代金を支払うという。

・株主側の弁護団は「当時の役員9人が合わせて数千万円を石原産業に支払う」としている。

・元取締役9人があわせて5000万円から1億円を和解金として会社に支払うことで合意した。

一審の大阪地裁では請求棄却となった元取締役17人の一部も和解金を払うこととなる。

石原産業によると、フェロシルトを含む土壌は現在、9割以上回収が進んでいるという。

同社では、「改めて全社を挙げ、より一層のコンプライアンスの徹底を図り、引き続き実効あるコンプライアンス体制の維持・強化に取り組んでまいります」としている。

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石原産業四日市工場では硫酸法と塩素法で酸化チタンの生産をしているが、1997年に硫酸法の廃棄物の減量化と酸化チタンの製造コストの低減をはかるため、製造工程から副生する使用済み硫酸を再生利用して副生品を生産・販売する研究開発に着手した。

2001年から土壌埋戻材を「フェロシルト」と命名して販売を開始し、2003年には三重県リサイクル製品利用推進条例に基づく「リサイクル製品」に認定された。

2005年4月までの間に約77万トンのフェロシルトを生産、そのうち約72万トンが販売され、委託業者を通じて東海3県や京都府加茂町など35カ所に埋設された。業者がケナフを植えるための肥料と偽って埋め捨てたケースもある。

2004年11月、大雨によって愛知県北丘地区でフェロシルトが流出し、川の水を赤く染めるという事件が発生した。
サンプル検査の過程でフェロシルト中から基準値を超える6価クロムやフッ素化合物も含まれていることが分かった。

石原産業は2006年3月決算で、フェロシルト回収費用326億円を特別損失に計上した。(2007年3月期には189億円、2008年3月期には87億円を追加計上)
同社は廃棄物処理法違反(不法投棄)の罪で罰金5000万円の支払いを命じられている。

「フェロシルト」の不法投棄事件で、廃棄物処理法違反(不法投棄)の罪に問われ、1審・津地裁で懲役2年の実刑判決を受けた同社四日市工場の元副工場長、佐藤驍被告の控訴審判決(2007/12)で、名古屋高裁は「不法投棄や隠ぺい工作の中心的な役割を担っていたと認められる」と1審判決を支持し、佐藤被告の控訴を棄却した。

2006/11/13 石原産業フェロシルト不法投棄事件

佐藤元取締役は、四日市工場の元副工場長で、フェロシルトの開発から製造、投棄までの責任者だった。

会社側は、同氏がフェロシルトが有害物を含む産業廃棄物と知りながら、その事実を隠して販売、処理し、同社に撤去・回収の費用負担を負わせたとしている。

佐藤被告は控訴審で、「不法投棄は会社ぐるみで、やめるのは非常に困難だった」とし、「上司の指示に従ったというよりも自己の立場から判断して犯行の中核を担った」とした一審判決の事実誤認を主張していた。

ーーー

この事件で2007年2月、フェロシルト問題を追及してきた市民団体「ダイオキシン処分場問題愛知ネットワーク」代表など、環境問題に取り組んでいる市民で、同社の株主となった3人が石原産業宛に取締役の責任を追及する訴訟を提起するよう請求した。

これに対して、石原産業の監査役は、刑事事件の被告人となった佐藤驍に対してのみ、10億円の賠償を求める訴訟を提起した。

しかし、3人は、これは社長をはじめとする他の取締役の責任を免罪にするものであり、しかも請求金額は、撤去費用のごく一部にすぎない等、取締役の責任追及としては、きわめて不十分なものであ るとして、関係する23人の取締役全員の責任を追及する訴訟の提起に踏み切った。
  ①
佐藤驍に対し、489億円、②他の取締役全員に対し、489億円

大阪地裁では会社からの訴訟と株主代表訴訟が合わせて審議され、2012年6月29日、これらに対する判決があった。

訴訟 対象 被告 請求額 判決
会社 撤去回収費用  佐藤元副工場長 10億円 10億円
代表
訴訟
善管注意義務違反による損害 佐藤元副工場長 489億円 475億8400万円
他の取締役 489億円 元社長←
 工場長
254億5050万円
元工場長
(故人)遺族3人
101億8020万円
(元社長と連帯、相続財産範囲)
他の17人 請求棄却


裁判長は、フェロシルトに有害物質が含まれていることを認識しながら、出荷を続けた佐藤元副工場長に損害の根本原因があると指摘。回収費用として生じた約486億円のうち、ほぼ全額の賠償責任があると判断した。

また、直属の上司だった元社長と死亡した元工場長(遺族3人が訴訟継承)についても「適切に開発、出荷されているかの調査や確認を怠った」と述べ、元社長については損害額の5割、元工場長には2割を限度に賠償責任を負うとした。

石原産業ではこの損害賠償金額の受領の可能性は未だ不確定であるとして、業績に与える影響を見込んでいなかった。

この判決に対し、佐藤元副工場長は控訴せずに確定、他の元役員の責任を巡り、双方が控訴して争っていたと報道されていた。

ーーー

本事件では上記判決以降、会社側が何も明らかにせず、不明な点が多い。

・佐藤元副工場長は控訴せずに確定とされるが、判決の金額をいくらかでも回収しているのか?

佐藤元副工場長は控訴審の判決前に、反省の意味を表すものとして、三重県弁護士会に2000万円の贖罪寄付を行っており、また、退職慰労金8100万円は不支給になっているため、財産はないと思われる。

・実際の和解金はいくらか?

・他の元取締役の和解金は一審の判決金額(元社長で254億円)と比べ低過ぎる。
 原告の株主側(一審で勝訴したのに控訴した)がどのように判断したのか?

光ファイバーケーブルと自動車用ワイヤーハーネスの2件の価格カルテルで課徴金合計88億円を支払った住友電工の場合、経営陣側計22人が解決金5億2000万円を支払うことなどを条件に大阪地裁で和解が成立した。
その他の例でも、損害額に対する和解金の割合は今回よりもはるかに大きい。

2014/5/9 住友電工の株主代表訴訟が和解

仮に和解金を1億円としても、会社が支払った罰金相当額5000万円は超えるものの、回収費用などは全く賄えず、1人あたりではごく少額である。
佐藤元副工場長が控訴せず、判決が確定したとされるが、支払い能力がないと思われ
、回収できていない筈。

佐藤元副工場長との差が大きすぎる。
1審では元社長には佐藤副工場長の約1/2、元工場長には約1/5の支払いを命じている。

元副工場長の払われなかった退職慰労金は8100万円とされる。
元社長などは全て(恐らくこれ以上の)退職慰労金を受け取っており、支払い能力に問題はないと思われる。




 

トルクメニスタン国営ガス会社Turkmengas はカスピ海東岸のTurkmenbashi地区のKyyanly(Kiyanlyとも表す)に 、 数期に分けてガス化学コンプレックスを建設する計画を立てているが、東洋エンジニアリングは5月12日、韓国の現代エンジニアリング、現代建設、LG International (LGI) と共同でこのコンプレックスの第1期の建設を受注したと発表した。

プロジェクト全体の投資額は100億ドルとされるが、第1期の投資額は30億ドルで、うち、東洋エンジの受注分は800億円超。完成は2018年を予定している。

Turkmengasと東洋エンジ・韓国勢との契約は、2013年9月のトルクメニスタン大統領の訪日時に日本で調印された。
首脳会談の席上、安倍総理から、日本企業が化学プラント建設で契約や枠組み協定に署名する運びとなったことに歓迎の意を表するとともに、日本政府としてもこれを支援していく旨述べた。

4月22日に現地で大統領や各社首脳が参列し、起工式が行われた。

政府は石油とガスの生産量のアップを図っているが、欧州やアジアの天然ガス価格は今後下がる可能性が強く、経済発展を支えるためには 石油とガスの輸出だけに頼る訳にはいかない。

このため、政府は2012年にKyyanlyに数期に分けてワールドクラスの石油化学コンプレックスを建設することを決め、日本と韓国に資金と技術の支援を求め、協議を開始した。

2013年9月12日、トルクメニスタン国立対外経済関係銀行(TVEB)と日本の国際協力銀行(JBIC)は業務協力に関する覚書を締結した。
日本企業が輸出者として関与する同国でのプロジェクト等の実現に向けた協力等を両行間で行っていくこと等を目的とするもので、日本企業の事業機会獲得に向けた案件形成に協力すると共に、案件実現時の早期融資実施に繋げることで、日本企業とトルクメニスタン政府の双方の利益に貢献するとしている。

JBICはこれまでもTVEBとの間で新規プロジェクトの実現に向けた情報交換等の協力を実施してきており、2010年3月には、トルクメニスタン国営化学会社 (Turkmenhimiya)に対し、双日と川崎重工業からアンモニア及び尿素肥料製造プラントを購入するための資金450億円を貸し付けている。

他方、韓国も資金融資に関し、1年以上にわたりトルクメニスタン政府と交渉を進めた。
2014年4月に韓国輸出入銀行は本計画に770百万ドルのローン(直接融資492百万ドル、借入保証 215百万ドルなど)を供与することを決めた。

トルクメニスタン政府は第1期計画の資金計画を確立し、建設業者として東洋エンジと韓国3社を選んだ。

韓国の現代Engineering と LGI はトルクメニスタンで実績がある。

両社は2013年10月に同国南東部のGalkynyshガス田のガス処理設備を完成させている。

両社は続いて2013年5月にTurkmenbashi Refineryから原油精製プラントを受注、更に2013年7月にマレーシア国営のPetronas Carigali のトルクメニスタン子会社からKyyanly 原油処理プラントを受注している。



 

武田薬品、アステラス、第一三共と中外製薬(12月決算)は連結決算について、本年度から国際財務報告基準(IFRS方式)に変更した。

企業会計審議会は2009年6月、「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」を取りまとめ、一定の要件を満たす企業に対し2010年3月期の年度から国際会計基準による連結財務諸表の作成を容認する方針を示した。

武田薬品は以下の通り述べている。

IFRS適用の目的
 ・欧米同業他社との財務情報の比較可能性の向上
 ・グループ内会計基準の統一による財務情報の均質化
 ・資金調達の選択肢の拡大

損益に及ぼす主要な差異

項目 日本基準 IFRS
①のれん償却 20年以内で償却 償却せず、毎期減損テストを実施
②有形固定資産償却 海外子会社を除き主に定率法 定額法に統一
特定の研究開発用設備は取得時一括費用処理 資産計上し、定額償却
③導入一時金、マイルストン 取引発生時に研究開発費処理 無形資産に計上、上市時点から定額償却
減損テスト実施
④退職給付引き当て過不足 発生から5年で償却 損益扱いせず(その他包括利益として認識)
⑤営業外、特別損益   営業外は金融損益に限定
残りのほとんどは営業損益
損益表示 営業損益
営業外損益
(経常損益)
特別損益
(税引前損益)
営業損益
金融損益

   ー
  ー

(税引前損益)

武田薬品の2013年3月期の営業損益は、この組み換えにより、従来の日本方式の1225億円から650億円へと大幅に減益となっている。


各社の対比は以下の通りとなる。(億円)

会社 基準 営業損益   税引前損益
2013/3 2014/3 増減 2013/3 2014/3 増減
武田薬品 IFRS 650 1,393 +743 1,331 1,589 +258
日本基準 1,225 1,557 +332 1,297 1,570 +273
差異 -575 -164   34 19  
 
アステラス IFRS 1,216 1,168 -48   1,271 1,220 -51
日本基準 1,539 1,773 234 1,247 1,317 70
差異 -323 -605   24 -97  
 
第一三共 IFRS 987 1,116 129   959 998 39
日本基準 1,005 1,159 154 921 1,093 172
差異 -18 -43   38 -95  
   
中外製薬 IFRS 747 787 40 727 769 42
日本基準 764     753    
差異 -17     -26    


ーーー

各社の損益対比は以下の通り。 IFRS適用企業は2013/3もIFRSベースで表示している。

売上高


 

営業損益



経常損益(IFRSの場合は税引前損益)     

当期損益



各社の3月期決算がほぼ出揃った。

営業損益で見ると、ほとんどの企業が前年を上回っている。
営業損益が好調なのを利用し、大規模な減損処理を行い、身軽になろうとする企業が増えている。

営業損益
 
当期損益
   

信越化学三菱ケミカル、住友化学旭化成、三井化学、東ソーについては既報の通り。

東レ、積水化学、宇部興産、帝人の状況は下記の通り。

ーーー

1.東レ

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 15,923 834 882 485 5.0 5.0
2014/3 18,378 1,053 1,106 596 5.0 5.0
前年比 2,455 218 224 111
2015/3 21,500 1,300 1,250 700 5.0 5.0
 
 
営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 前年比 2015/3
予想
繊維 324 453 432 529 97 560
プラスチック・ケミカル 271 274 183 180 -3 240
情報・通信機器 422 345 230 246 16 310
炭素繊維複合材料 33 77 73 169 96 220
環境・エンジニアリング 33 49 26 64 38 85
ライフサイエンスその他 61 60 75 56 -19 75
その他 10 13 16 20 4 20
全社 -155 -194 -200 -212 -12 -210
合計 1,001 1,077 834 1,053 218 1,300


損益差異理由:  数量差 577
           石化関連価格差 -100 (売価差 +52、原料価格差 -152)
           その他価格差 ネット -58
                          営業費差 -192
           その他費用差 -9




2.積水化学

住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックの3部門がいずれも好調。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 10,324 596 607 302 9.0 9.0
2014/3 11,109 825 833 412 11.0 12.0
前年比 784 229 226 110 2.0 3.0
2015/3 11,540 870 850 460 12.0 12.0

 

 
営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 前年比   2015/3
予想
住宅 244 311 363 411 48 430
環境・ライフライン 15 30 18 65 47 75
高機能プラスチック 244 206 232 361 128 400
その他 -1 -2 -7 -8 -0 -25
全社 -8 2 -10 -3 7 -10
合計 493 546 596 825 229 870



3.宇部興産

減収減益となった。化成品・樹脂が全前年比大幅減益となっており、建設資材でもっている状況。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 6,260 300 280 83 0.0 5.0
2014/3 6,505 244 187 126 0.0 5.0
前年比 245 -55 -94 44    
2015/3 6,700 300 240 135 0.0 5.0



営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 前年比 差異内訳   2015/3
予想
価格差 数量差 固定費差 その他
化成品・樹脂 200 230 51 8 -43 -59 17 25 -25 45
機能品・ファイン 87 55 12 -5 -17 -25 11 2 -4 10
医薬 23 37 34 17 -17 -15 -10 1 6 17
建設資材 81 87 115 155 40 11 33 1 -5 155
機械・金属成形 18 31 37 45 8 -1 4 4 1 45
エネルギー・環境 40 34 60 20 -40 -12 -37 7 1 25
その他 11 10 10 11 1 1 -1 3 -3 10
全社 -17 -23 -20 -7 13     12 1 -7
合計 444 460 300 244 -55 -100 18 55 -28 300


化成品・樹脂ではラクタムチェーンが前年比 -44億円、エネルギーでは電力が -35億円となっている。
建設資材はセメント・生コンが+35億円と好調。


4.帝人

増収増益だが、2012年3月期と比べると、まだ大きな減益状態である。  

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2012/3 8,544 340 343 120 0.0 3.0
2013/3 7,457 124 98 -291 2.0 2.0
2014/3 7,844 181 199 84 2.0 2.0
前年比 387 57 101 375    
2015/3 7,800 250 225 100 2.0 2.0


 
営業損益対比(億円)           
  2012/3 2013/3 2014/3 前年比   2015/3
予想
高機能繊維・複合材料 72 -47 57 104 65
電子材料・化成品 37 -19 -72 -53 -30
ヘルスケア 259 248 245 -3 250
製品 66 47 52 5 55
その他 37 42 17 -25 30
全社 -131 -148 -119 29 -120
合計 340 124 181 57 250


アラミド繊維や炭素繊維などの高機能繊維・複合材料は需要順調で黒字転化したが、ポリカーボネート樹脂やPETフィルムの電子材料・化成品は赤字が拡大した。


 

三菱ケミカルホールディングスは5月13日、大陽日酸株式の公開買い付けに関する基本合意書の締結を発表した。

現在、同社は大陽日酸の株式の27%を保有するが、議決権の過半数(下限 50.0%、上限 51.0%)の取得を目指し、11月上旬をメドにTOBを実施する。
買収総額は最大で1072億円となる見込み。

三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は「米国で進むシェールガス革命に伴う事業機会の獲得に加え、東南アジアやインドといった成長市場を開拓し事業基盤の強化を図る」と買収の意義を述べた。

三菱ケミカルがDow Chemicalと共同で米国に建設を予定している化学工場に大陽日酸が窒素を供給する。また、大陽日酸の販売先に三菱ケミカルの化学品を納入するなど販路を拡大するほか、三菱ケミカルが力を入れているヘルスケア分野でも大陽日酸が持つ医療ガス技術などを活用することで相乗効果を狙う。

成立後は、大陽日酸株式の上場を継続し、大陽日酸の経営の自主性を維持する。

ーーー

大陽日酸は2004年10月に日本酸素と大陽東洋酸素が合併してできた。

日本酸素が1934年に国内初の酸素発生装置を開発して以来、産業ガス(酸素、窒素、アルゴン)を製造する空気分離装置を中核として、産業用ガス、エレクトロニクス向けガス、医療用ガス、LPガスなどの事業を展開してきた。

三菱化学は1953年に大陽酸素に25%出資し、産業ガスの製造事業を合弁(三菱油化とのJVの鹿島酸素)で行うなど提携関係にあり、大陽東洋酸素には最終 36.2%の出資したが、大陽日酸の設立で10.1%となった。その後、買い増しして2009年には15.1%とした。

2013年9月に三菱ケミカルホールディングスは大陽日酸と資本業務提携契約を締結した。

 資本提携:大陽日酸の第三者割当(10.41%)などで出資比率を26.97%とした。

 業務提携:

   ①産業ガス関連事業:
   ・三菱ケミカルが計画する新たな海外生産拠点へも展開することで更なる海外事業の拡大を図る。
   ・既存製品・事業との相乗効果による売上拡大も目指す。

   ②販売チャネルの相互活用
   ・大陽日酸メディカルの医療用ガス・関連機器の三菱ケミカルを通じた販売チャネルでの拡販
   ・三菱ケミカルの人工炭酸泉、炭素繊維容器の大陽日酸の販売チャネル活用など

その後の業務提携の協議・検討の過程で、両社は事業基盤の更なる強化が不可欠で、そのために同一グループとして協力し、両社の経営資源を有効に活用して一層の事業シナジーを創出することが必要との認識で一致し、今回の結論となった。

大陽日酸の業績は下記の通り。

同社は2014年5月に新中期経営計画を発表したが、経営目標として、2016年度に、売上高6,000億円、営業利益 450億円、海外売上高比率40%以上を目指すとしている。
そのためのイノベーションとして、天然ガス・シェールガス等の世界的なエネルギーを巡る環境変化を捉え、次世代の核となる新規事業を創出することを挙げている。

ーーー

TOB完了後の三菱ケミカルホールディングスの姿は次のとおりとなる。

    * 生命科学インスティテュートについては 
         2013/12/16 三菱ケミカルHD、来年4月にヘルスケア新事業会社を設立


三菱ケミカルホールディングスの構成会社別営業損益の推移は以下の通りで、三菱化学と三菱レイヨンの損益の変動が大きいが、大陽日酸の損益は安定している。


 


 

参天製薬は5月13日、日本・欧州・アジア太平洋地域において、米国のMerck & Co. が有する緑内障・高眼圧症治療薬 9品目と関連した権利等一式を取得する譲渡契約を調印したと発表した。

対象製品の2013年の売上高は約4億ドルで、参天製薬は契約実行時に約6億ドルを支払う。さらに販売マイルストンに基づく追加支払の可能性がある。

生産は当面、Merckに委託し、2~5年間 対象製品の供給を受ける。

先進国の高齢化で市場が伸びる緑内障治療薬の品ぞろえを増やすとともに、英仏やタイなど現在事業を展開していない国や地域へのアクセスを獲得することで海外事業展開の加速を目指す

対象製品はいずれも緑内障・高眼圧症治療薬で、以下の通り。

ドルゾラミド塩酸塩点眼液   Cosopt、Cosopt PF、Trusopt、Trusopt PF
チモロールマレイン酸点眼液   Timoptic、Timoptic PF、Timoptic XE
タフルプロスト点眼液   Saflutan、Taptiqom

 このうち、タフルプロストは参天製薬と旭硝子が共同で開発したプロスタグンジン系緑内障・高眼圧症治療剤で、2009年4月にMerckに西欧(ドイツ除く)、北米、南米、アフリカ等での販売権を許諾した。
東欧、北欧、ドイツ、日本、アジア諸国は参天が権利を維持した。(当時、日本、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーで上市)

米国ではMerckが2012年2月にFDAから販売承認を得ている。    
今回の取引で、西欧での販売権を取り戻した。

タフルプロストは、旭硝子のフッ素化学と有機合成技術を融合した医薬原体で、旭硝子の千葉工場で生産していたが、米国での承認取得で需要が増大するのを見込み、旭硝子の子会社のAGC若狭化学の小浜工場で増設した。


参天製薬では、現在は2割弱の海外売上高比率を4~5割に高め、2020年度までに連結売上高を2013年度より3割増の2千億円に引き上げる方針で、「今回の買収は長期目標実現の第一歩、今後、ドライアイ向けなど他の新薬も海外で販売し、飛躍を狙う」としている。

ーーー

Merckの眼科製品事業は2011年に眼科薬の開発などを手掛けるInspire Pharmaceuticalsを買収して拡大した。

Merckは現在、医療用医薬品に経営資源を絞り込み、開発主導の一流バイオファーマ企業になるというゴールを目指す。
本年5月6日、Consumer Care事業を142億ドルでBayerに譲渡することで合意したと発表した。

Merck expects after-tax proceeds from the sale of MCC to be between $8 and $9 billion. The company will use the after-tax proceeds -- consistent with its capital allocation strategy -- to resource those areas within its business that represent the highest potential growth opportunities, such as MK-3475, to augment the company's pipeline with external assets that can create value and to continue to provide an industry-leading return of capital to shareholders. - See more at: http://www.mercknewsroom.com/news-release/consumer-care-news/merck-announces-sale-consumer-care-business-bayer-ag-142-billion#sthash.4F0Y8bch.dpuf
Merck expects after-tax proceeds from the sale of MCC to be between $8 and $9 billion. The company will use the after-tax proceeds -- consistent with its capital allocation strategy -- to resource those areas within its business that represent the highest potential growth opportunities, such as MK-3475, to augment the company's pipeline with external assets that can create value and to continue to provide an industry-leading return of capital to shareholders. - See more at: http://www.mercknewsroom.com/news-release/consumer-care-news/merck-announces-sale-consumer-care-business-bayer-ag-142-billion#sthash.4F0Y8bch.dpuf

2014/5/10 Bayer、米 Merckの大衆薬事業を買収 

Merckは本年、米国の眼科製品事業を米国のニッチ医薬品会社のAkorn Pharmaceuticals に売却した。
Merckは当面、ラテンアメリカ、カナダ、豪州、中東、アフリカその他では事業を継続する。

これに伴い、参天製薬は本年4月1日、タフルプロストの米国での販売について、Akorn子会社のOak Pharmaceuticalsとライセンス契約を締結した。



1.三井化学 

石化の増益が大きく、増収増益となった。 基礎化学品(フェノール、高純度テレフタル酸など)とウレタンは赤字が続く。

同社はこれら赤字製品の再構築を行っているが、再構築費用として257億円の特別損失を計上し、当期損益は251億円の赤字となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 14,062 43 92 -81 0.0 3.0
2014/3 15,660 249 225 -251 3.0 0.0
前年比 1,598 206 133 -170 3.0 -3.0
2015/3 16,800 350 310 120 0.0 3.0

 

 

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 前年比 差異内訳   2015/3
予想
数量差 交易条件 固定費他
石化 128 89 77 253 177 51 92 33 195
基礎化学品 204 86 -189 -174 15 -23 -6 44 -90
ウレタン -90 -146 -26 -52 -26 30 -30 -26 10
機能樹脂 72 82 84 119 35 47 26 -38 145
(加工品) 14                
機能化学品 100 116 124 150 25 40 14 -28 165
フィルム・シート   2 -33 9 42 10   32 10
その他 1 1 -6 -6 -0        
全社 -25 -15 12 -50 -62     -62 -85
合計 405 216 43 249 206 155 96 -45 350
石化 :エチレン、プロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン
基礎化学品 :フェノール、ビスフェノールA、高純度テレフタル酸、ペット樹脂、エチレンオキサイド


石化の増益は、売上増、交易条件の改善、ナフサ価格上昇での在庫評価益、連結子会社決算期統一(15ヶ月の業績取り込み)による。
 

特別損益として、ポリウレタン材料事業とフェノール事業の事業再構築費用 257億円を計上した。

三井化学は2月6日、ポリウレタン材料事業とフェノール事業、高純度テレフタル酸(PTA)の再構築を発表した。
この時点では再構築費用を206億円としたが、第4四半期で更に51億円を追加した。

ポリウレタン事業:

 鹿島工場  2016年12月末 閉鎖
  TDI(年産117千トン) 停止
  無水マレイン酸(32千トン)、フマル酸(151千トン) 停止、事業終了
  特殊イソシアネート群(2400トン) 大牟田工場に生産移管
  
 大牟田工場
  MDI(年産60千トン) 停止  2016年12月末
  特殊イソシアネート群の大型プラント(5000トン)新設 2015年10月稼動

フェノール事業:

 千葉フェノール(フェノール 250千トン、アセトン 80千トン) 2014年9月末に停止、解散 
 市原工場のビスフェノールA(90千トン) 2014年3月末に停止
 シンガポールのビスフェノールAの1基 70千トンを停止

高純度テレフタル酸事業:

 インドネシアのJV P. T. Amoco Mitsui PTA Indonesia 持分をBPに売却 (売却益を計上した模様)

2014/2/10 三井化学の事業構造改善計画 

 

2.東ソー

増収増益となった。

南陽のVCM工場がフルに稼動し、クロルアルカリが数量差益で黒字になった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 6,685 245 336 169 3.0 3.0
2014/3 7,723 416 495 296 3.0 3.0
前年比 1,038 171 159 127
2015/3 8,100 460 450 520 5.0 3.0

 

 

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 前年比 差異内訳   2015/3
予想
数量差 交易条件 固定費他
石油化学 104 125 105 148 42 15 19 9 118
クロルアルカリ -35 -100 -16 39 55 88 14 -47 57
機能商品 203 131 90 192 102 31 70 1 240
エンジニアリング 36 57 44 13 -31 -30   -1 22
その他 27 24 22 24 2 4   -2 22
合計 335 237 245 416 171 108 103 -40 459


2011年に爆発事故を起こした南陽のVCM工場は、第1VCMプラント(年産能力:25万トン)が2012年5月に、第3VCMプラント(年産能力40万トン)が2012年7月に再開した。

 

3.旭化成

増収増益となった。

ケミカルズ、エレクトロニクス、医薬の増益が大きく、住宅も好調。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 16,666 920 951 537 7.0 7.0
2014/3 18,978 1,433 1,429 1,013 7.0 10.0
前年比 2,311 514 477 476 - 3.0
2015/3 20,160 1,500 1,510 900 8.0 9.0


 

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 前年比 差異内訳   2015/3
予想
数量差 売値差 うち為替差 コスト差他
  ケミカルズ 644 445 229 389 160 37 497 495 -374 500
繊維 42 31 40 86 45 9 70 60 -34 90
  住宅 365 463 543 630 87 95 75   -83 560
建材 21 18 40 55 15 11 5   -1 50
エレクトロニクス 143 64 28 142 114 63 46 154 5 150
  医薬・医療 70 88 159 303 143 119 58 58 -33 290
クリティカルケア     -37 -35 1 81 -3 1 -77 5
その他 17 30 22 17 -5 1     -6 15
全社 -72 -97 -105 -153 -48       -48 -160
合計 1,229 1,043 920 1,433 514 416 748 768 -651 1,500

2014年度より、ケミカルズ・繊維、住宅・建材、エレクトロニクス、ヘルスケア(医薬・医療+クリティカルケア)の区分となる。


特別損益では、ケミカル事業における水島地区エチレンセンターの集約(旭化成のエチレン廃棄など)および国内石油化学事業の基盤強化などによる事業構造改善費用 225億円を特別損失に計上した。

2014/2/27  旭化成と三菱ケミカル、水島地区エチレンセンター集約で合意 

なお、特別利益に 受取損害賠償金 535億円がある。

旭化成ファーマが開発したRho-kinase 阻害剤「ファスジル」のライセンス契約に関連して、スイスのActelion社およびその関連会社・役員を被告とする損害賠償請求訴訟で、2014年3月にカリフォルニア州最高裁判所から勝訴確定の決定が下された。

2011/8/24  旭化成、医薬品開発中止に対する損害賠償請求の第一審で勝訴 の付記

 



 


1.住友化学 

石油化学が黒字化し、情報電子化学、農薬、医薬が大きく増益となり、増収増益となった。
メタアクリルや合成繊維原料の基礎化学部門は赤字が続いた。

前年に続き、特別損益に多額の減損損失、事業構造改善費用を計上したが、当期損益は370億円の黒字となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 19,525 450 503 -511 6.0 0
2014/3 22,438 1,008 1,111 370 6.0 3.0
前年比 2,913 558 609 881 - 3.0
2015/3 23,200 1,050 1,200 450 6.0 3.0

 

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 前年比 2015/3
予想
基礎化学 206 93 -64 -109 -45 -60
石油化学 111 62 -32 49 82 100
情報電子化学 261 110 117 349 232 370
健康・農業関連 233 265 263 382 119 450
医薬品 287 209 309 471 162 260
その他 41 77 80 84 4 60
全社 -260 -209 -222 -218 4 -130
合計 879 607 450 1,008 558 1,050

 

特別損益の推移は以下の通りで、減損損失と事業構造改善費用として、前年に続き、多額の損失を計上した。 


2011/3 2012/3 2013/3 2014/3
投資有価証券売却益 98 34
減損損失 -32 -36 -229 -218
事業構造改善費用 -41 -64 -108 -106
投資有価証券評価損 -47 -15
持分法投資損失 -260
その他 -11 -7 4 56
合計 -84 -268 -379 -249

  注)2012年3月期の持分法投資損失260億円は豪州農薬会社のNufarm の株式評価損。 

減損損失は以下の通り。
(前年 229億円)
千葉 エチレン等 63 2013/2/4 住友化学、エチレン国内生産から撤退
大分  レゾルシン 66 事業環境悪化で収益性低下
中国 偏光フィルム 57 環境変化で事業計画見直し(建設途中)
ポーランド 偏光フィルム 32 営業停止を決定
 
(本年 218億円 )
新居浜  カプロラクタム

 73

 2015年末 1系列停止
米国  研究開発費用  43  
サウジ 工業団地インフラ      37  
遊休厚生施設      24  
千葉 日本オキシラン     18 2013/11/29 日本オキシランのSM、PO、PGを2015年に停止

ナイロン原料のカプロラクタムは中国の大増設で価格が下落しており、原料のベンゼンとの格差は2011年初めに2,430ドル/トンあったのが、現在は965ドルに下がっている。
宇部興産も本年3月末に堺工場を停止、宇部とタイ・スペインの3拠点体制とした。

大日本住友製薬の実績は以下の通り。
単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 3,477 250 245 100 9.0 9.0
2014/3 3,877 421 406 201 9.0 9.0
前年比 400 171 161 100 - -
2015/3予 3,520 200 190 120 9.0 9.0


営業損益はSunovion Pharmaceuticals買収に伴う特許権とのれんの償却費182億円を控除したのちのもの。
前年の償却費は259億円であった。

北米で独占販売期間が満了した短時間作用型β作動薬「ゾペネックス」が減収となったが、非定型抗精神病薬「ラツーダ」が大きく伸長して補い、円安の影響(北米のみで295億円の益)もあって大幅な増収となった結果、増益となった。

2015年3月期には、北米での後発品参入、日本の薬価改定の影響が大きく、戦略製品の伸長でカバーするが、9.2%の減収となる。
これに対し、特許権の減少、経費の効率的使用による販管費の減少、優先開発品目への集中投資により研究開発費総額を増やさないなどにより、費用を押さえ、200億円の営業損益を確保する。

ーーー

2.三菱ケミカルホールディングス

増収増益となった。但し、営業損益は2011年3月期のちょうど半分である。(ケミカルズ、ポリマーズの損益減が原因)

食品機能材、電池材料、精密化学品、樹脂加工品、複合材、無機化学品、化学繊維などを扱うデザインド・マテリアルズが好調で、営業利益は前年比倍増となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 30,886 902 871 186 6.0 6.0
2014/3 34,988 1,105 1,031 322 6.0 6.0
前年比 4,103 202 160 137 - -
2015/3 35,300 1,360 1,270 380 6.0 6.0




営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 前年比 増減内訳   2015/3
予想
売買差 数量差 コスト
削減
その他
ケミカルズ 530 149 -2 7 9 -48 -16 100 -27 40
ポリマーズ 550 254 1 23 22 -2 5 53 -34 190
エレクトロニクス 10 -53 -51 -55 -4 -22 -33 53 -2 -30
デザインドマテリアルズ 365 240 225 465 240 16 91 51 82 500
ヘルスケア 851 764 749 683 -66 3 -32 18 -56 700
その他 45 61 65 57 -8   -13 18 -13 40
全社 -86 -108 -85 -75 10     3 7 -80
合計 2,265 1,306 902 1,105 202 -53 3 296 -43 1,360


グループ別の営業損益は以下の通り(億円)で、 2011年3月期と比較すると、三菱化学(ケミカルズ、ポリマーズ等)と 三菱レイヨン(MMA等)の減益が大きい。 

  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3
三菱化学 881 231 42 231
田辺三菱製薬 766 690 690 591
三菱樹脂 166 106 128 201
三菱レイヨン 410 303 68 88
調整 42 -24 -26 -6
合計 2,265 1,306 902 1,105

 

当期の特別利益に「仲裁裁定による特別利益」 130億円が含まれている。

田辺三菱製薬は日本で販売する抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤「レミケード®点滴静注用100」に関し、Janssen Biotech(Johnson & Johnson子会社)に対して、開発販売契約に基づく供給価格の改定を求める国際商工会議所への仲裁申立を行っていたが、これに対し、裁定があったもの。

2013/8/21    田辺三菱製薬、仲裁裁定で117百万ドル受領


田辺三菱製薬の実績は以下の通り。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2013/3 4,192 690 694 419 20.0 20.0
2014/3 4,127 591 619 454 20.0 20.0
前年比 -65 -98 -75 35    
2015/3 4,090 600 615 405 20.0 20.0

 



BMWは5月9日、自動車の軽量化に役立つ炭素繊維の生産能力を3倍にすると発表した。

ドイツの炭素繊維メーカーのSGL TechnologiesとのJV のSGL Automotive Carbon Fibersのワシントン州のラージトウ炭素繊維工場に2億ドルを投じ、現在の年産3千トンを9千トンに引き上げる。
2015年に完成すれば世界最大のプラントとなる。


全量がBMWの自動車に使う炭素繊維強化プラスチックに使われる。

当面、電気自動車とハイブリッドカーに使用するが、BMWでは増産完成後は他のモデルでもコンペティティブな価格で大量に使用できるとしている。
2年後に改装されるBMW 7 - シリーズのフラッグシップセダンは幅広くカーボンファイバーを使うと見られている。

原料プレカーサーは三菱レイヨンとSGLのJVのMRC-SGL Precursor の大竹工場から供給される。

ーーー

BMWは2010年に、大都市圏での使用を前提としたゼロ・エミッションの車両 "Megacity Vehicle"を2013年に市場に導入することを発表した。

昨年、電気自動車「BMW  i 3 compact car」を発売、受注台数は1万台を超え、本年4月には米国で販売を開始した。
昨年9月にフランクフルトモーターショー2013で発表されたハイブリッド車「BMW  i 8 plug-in hybrid sports car」は夏に発売する。

BMWは"Megacity Vehicle"の製造にあたり、電池などで重量が増える分を素材の軽量化で相殺し、走行時のエネルギー消費を抑えるため、炭素繊維を使用することとし、基幹部品用の炭素繊維を製造するため、2010年1月にSGL Automotive Carbon Fibersを設立、1億ドルを投じ、工場を建設した
BMWが49%、
SGL Technologiesが51%出資する。

合弁相手のSGL Technologiesはドイツの炭素繊維メーカーで、三菱レイヨンと提携している。

三菱レイヨンは2005年1月、欧州市場の拡大を見据え、ドイツに本社を置く SGL Carbon Groupと提携し、欧州での焼成拠点を確保した。戦略的な提携の第一歩としてSGLグループのスコットランド会社 SGL Technic Ltd. への年間750トンの生産委託を決定した。

三菱レイヨンは2010年4月、SGL Automotive Carbon Fibersに炭素繊維のプレカーサーを供給するため、SGL Technologiesとの間で合弁会社 MRC-SGL Precursorを設立した。

SGL Precursorの出資比率は三菱レイヨンが66.66%、SGLが33.34%で、製造拠点は 三菱レイヨンの大竹事業所内。
2011年4月に量産を開始した。

モノの流れは以下の通り。

担当企業 立地 製品
MRC-SGL Precursor 大竹 炭素繊維プレカーサー
SGL Automotive Carbon Fibers  米ワシントン州 (焼成)→ ラージトウ炭素繊維
  同上(中間材工場) 独 バイエルン州 → 各種織物
BMW部品工場   (成形加工)→ 炭素繊維複合材料
BMW   次世代環境対応車 "Megacity Vehicle"


2011/12/15 自動車向け炭素繊維複合材料の開発が進展

 



SolvayとINEOSは2013年5月7日、欧州の塩ビ事業を統合し、50/50のJVとする覚書に調印した。

統合対象は欧州のクロルアルカリと塩ビ事業で、詳細は下記の通り。

Solvayの統合対象は欧州の塩ビ事業だけであり、アルゼンチンとブラジルに工場を持つ子会社のSolvay Indupa とタイのJVのVinythaはSolvayに残る。(その後、Solvay Indupa はBraskemが買収した。)

  2012年売上高 対象 対象外
Solvay 19億ユーロ Solvin
(Solvay 75%, BASF 25%)
・塩化ビニリデン
RusVinyl(ロシアのSiburとのJV)
Solvayのクロルアルカリプラント Povoa、Bussi、Torrelavega
製塩プラント(Tavaux、Martorell、Jemeppe)  
欧州の塩素誘導品
(エピクロルヒドリン、CLM、塩酸、Hypo)
 
フランスFevzinのエチレンの42.5%
(残りの出資はTotal)
 
Ineos 24億ユーロ Kerling
(Ineos ChlorVnyl)
ノルウェー Rafnesのエチレンの50%
(残りはIneos)


この覚書には将来のSolvayのJVからの撤退について記載されている。
JV設立から4年から6年の間にINEOSがSolvayの持株を全て買取り、100%子会社とするというもの。

2013/5/15 Solvay、欧州塩ビ事業をINEOSと統合、将来塩ビ事業から撤退 


この計画は欧州委員会の独禁法審査で難航した。

欧州委員会は、新しいJVが欧州北西部で塩ビ管・窓枠用のサスペンジョンPVCで市場支配力を持つため価格が上昇すること、また、Benelux 3国で漂白剤の価格が上昇することを懸念し、2013年11月に徹底調査を開始した。

欧州委によると、S-PVC 市場ではIneosの最強の競合者のSolvayが市場からいなくなる。残るのははるかに小さいメーカーで、抑止力にならず、値上げが簡単に行えることとなる。合併前でも、Ineosは既にかなりの市場支配力を持つ。
他のメーカーはJVに対抗するため増設する力を持たず、輸入品も力はない。需要家も対抗する力を持たない。

Beneluxの漂白剤市場では、新JVは60%以上の市場シェアを持つこととなり、残るのはAkzoだけで対抗力を持たない。

2014年1月22日、両社はEU当局から本件について問題ありとの通知(the statement of objections)を受け取ったと発表した。

これを受け、両社は2月27日、問題解決のため、数箇所のINEOSの工場をJVから除くという改正案を当局に提出した。

2014/3/5  Solvay とIneos、欧州塩ビ事業統合で対案提出

その後、両社と欧州委員会で交渉が続けられ、欧州委員会は5月8日、両社の案を一部修正した条件で、本件を承認した。
JVは市場支配力と価格支配力を持つこととなるため、いくつかの工場をJVから分離・売却し、その購入者がPVC事業でJVと競合しうるようにした。

JV設立は2014年第4四半期で、それまでに売却を実施する。JV設立までは両社が別々に事業を行う。


JVから除外し売却する工場は以下の通りで、全てIneosの工場である。

対象工場 当初の両社提案 最終決定 各工場の由来
PVC

Beek, Geleen (蘭)

Tessenderlo Groupから買収
PVC Mazingarbe (仏)
PVC Schkopau (独)

旧EVC(BSLのプラントを買収、増設)
PVC/VCM

Wilhelmshaven(独) 旧EVC(当初 ICI)
電解/EDC/VCM Tessenderlo (ベルギー) Tessenderlo Groupから買収
EDC

Runcorn (英)  旧EVC (当初 ICI)
《電解》

Runcorn (英)

注) 英国のRuncorn については、EDC工場を売却するとともに、電解工場についてはEDCの購入者と新JVとの間のJVとする。ベルギーのTessenderloは漂白剤も製造する。     
  

新しいJVの工場は以下の通りとなる。

 

 


Pfizerが本年1月からAstraZenecaに買収提案を行っている。

AstraZenecaは企業価値を「かなり過小評価している」とし、拒否しているが、両社が合併すれば、糖尿病、心臓病、関節リウマチなど大半の主要疾患の治療薬を持つ巨大製薬会社が誕生する。

Pfizerは1月5日に合併の可能性についてAstraZenecaに打診した。

買収案は現金と合併後の新会社株式で支払う内容で、時価総額は587億3000万ポンド (約10兆0800億円)となり、1月3日の終値に30%上乗せした水準だった。

Pfizerは事業売却などで積み上げた現金を買収に充てる。

両社はハイレベルの協議を行ったが、協議は4月14日に打ち切られた。

Pfizerは4月28日にAstraZenecaにコンタクトし、この時は条件を提示しなかったが、5月2日に提示額を630億ポンドに引き上げた。
AstraZenecaは企業価値を「かなり過小評価している」とし、直ちにこれを拒否した。

Pfizerはほかの選択肢も検討しているとされる。

Pfizerは3年前に英サンドイッチの大規模R&D施設の業務を大幅に縮小する決定をし、2000人近い人員削減につながったため、英国内では同社に対して批判的な見方がある。

PfizerのリードCEOは、キャメロン英首相に書簡を送り、AstraZenecaが英ケンブリッジに新設する予定のR&D施設について計画を遂行すると伝え、英マックルズフィールドの製造拠点を維持すると表明した。

また、統合後のR&D部門の従業員のうち20%は英国拠点になると約束した。 「われわれはこの約束を少なくとも5年守る」としたが、状況が著しく変わった場合は修正すると付け加えた。

ーーー

Pfizerは2003年にPharmacia(MonsantoとPharmacia & Upjohnが統合)を買収した。

AstraZenecaはICIから独立したZenecaとスウェーデンのAstraが統合したもの。


ーーー

PfizerもAstraZenecaも減収が続いている。2013年通期の売上高はPfizerが516億ドル、AstraZenecaが257億ドルで、いずれも6%減少した。
また、既存製品の特許切れに伴い、今後数年間で売り上げがさらに減るとみられる。

Pfizer 

同社の2011年の売上高は67,425百万ドルであったが、2013年は51,584百万ドルに減少している。
同社は医薬以外の事業の売却を進めているが、本業の
Biopharmaceuticalでも2年前と比べ100億ドル減となっている。

利益については継続事業の利益も増大しているが、売却益の貢献が大きい。

                              (百万ドル)

 

2013 2012

2011

現状ベース 実績
売上高        
  Biopharmaceutical 47,878 51,214 57,747 57,747
  Consumer Healthcare 3,342 3,212 3,028 3,057
  Animal Health - - - 4,184
  Nutrition - - - 2,138
  Other 364 231 260 299
  合計 51,584 54,657 61,035 67,425
         
税引き後損益        
 継続事業 11,410 9,021 7,860 8,739
 売却事業 10,662 5,577 2,189 1,312
 合計(自社帰属) 22,003 14,570 10,009 10,009


Pfizer は基本事業以外を順次売却している。

1) 2011年8月に Hard capsule とDrug-delivery systemのCapsugel事業(売上 750百万ドル)をKKRに2,375百万ドルで売却 (売却益 約13億ドル)
2) 2012年11月にNutrition事業をNestleに11,850百万ドルで売却(売却益48億ドル)
3) 2013年6月にAnimal healthのZoetis部門をIPOで分離、103億ドルの税引き後利益を計上


AstraZeneca

減収減益となったが、「2013年の財務業績は、当社の予想に沿ったものであり複数製品の独占権の失効を反映している」としている。

                         (百万ドル)
  2013 2012 2011
売上高 25,711 27,973 33,591
営業利益 3,712 8,148 12,795
税引き後損益 2,571 6,270 9,950

 

 

Bayer は5月6日、米 Merck & Co. のConsumer Care事業を142億ドルで買収することで合意した と発表した。
これにより、Bayerは一般用医薬品メーカーとして米 Johnson & Johnson (J&J)に次ぐ世界2位の地位を維持する。

同時にBayer と Merck は肺動脈高血圧症の治療薬の可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤のグローバルな共同開発・共同販売を行うことも明らかにした。

関係筋によると、MerckのConsumer Care事業に対しては、米 Procter & Gamble  、独 Boehringer Ingelheim、スイスのNovartis 、仏のSanofi なども関心を示していた。
 
ーーー

MerckのConsumer care business は市販薬(OCT)の世界最大のメーカーの1社で、北米で強い地位を占める。2013年の売上の70%が米国であった。

主な製品は、各種の風邪(Cold、Allergy、Sinus、Flu)、皮膚(日焼けを含む)、足ケア、胃腸などの薬で、allergyのClaritin™、coldのAfrin™、足ケアのDr. Scholl's™やスキンケアのCoppertone™、胃腸薬のMiraLAX™などが有名。

米国のMerck & Co. は1891年にドイツのMerck KGaA の一族が設立したが、第一次世界大戦で敵国企業の子会社として米国政府に接収され、1917年に独立した。接収後は両社は別会社である。

米国
Merckは米国、カナダ以外の地域では「MSD」(Merck Sharp & Dohme)の名称を使用、逆にドイツのMerck KGaAは米国とカナダでは「EMD」の社名を使用している。

米国のSchering-Plough も同様で、元ドイツSchering AGの米国子会社であった。
  
2006/3/23 2つのMerck社

Merck & Co. は2009年3月にSchering-Plough と合併することで合意した。
   2009/3/11 
米Merck、米Schering-Plough を買収

Dr. Scholl's™やCoppertone™など上記の製品はSchering-Plough の製品である。


Bayerはグローバルに戦略的買収を行ってLife Sciences事業を強化しようとしており、OTC分野でも拡大を図っている。

2013年5月にドイツのハーブ薬メーカーSteigerwald Arzneimittelwerk を買収する契約を締結した。

2014年2月には、雲南省昆明市の市販薬 (OTC)と漢方薬(TCM) のメーカーの滇虹集団(Dihon Pharmaceutical Group)を買収すると発表した。

2014/3/4 Bayer、中国の漢方薬メーカーを買収

同社はこれまでの買収に続く今回の買収により、OTC分野で世界2位の地位を確保し、多分野・多地域で同社の事業を著しく高めるとしている。

一般用医薬品市場ではJohnson & Johnson (J&J)が首位で、Bayerは2位である。

本年4月22日にNovartisが大規模な事業再編を発表、GlaxoSmithKline (GSK) から抗がん剤製品群を買収するとともに、大衆薬事業はGSKの事業と統合してGSK主体のJVとすることとなり、このJVがこの分野でBayerを抜くこととなった。
   2014/4/25 Novartis、GSKとの取引等で事業再編

しかし、今回の買収で、Bayerは世界2位の地位を確保する。

Bayerの一般用医薬品事業は鎮痛剤のAspirinや皮膚薬のBepanthenなどを手がけ、世界各地に販路を持つ。

今回の買収により、5つの重要なOTCの分野のうちの2分野、スキンケアと胃腸薬でグローバルなリーダーの地位を得ることとなり、各種風邪薬でNo.2となる。栄養剤ではNo.2、鎮痛薬ではNo.3 の地位を維持する。

2013年ベースでの買収事業の売上高は22億ドルで、合算売上高は74億ドルに達する。

買収により、2017年までに販売費や製造コスト面で2億ドルのコストシナジーを期待している。
また、Merckの製品(現在、米国内販売が7割)をBayerの世界的なインフラを使って海外で販売することで4億ドルの販売シナジーを期待する。

ーーー

両社は別途、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤のグローバルな共同開発・共同販売を行う。

肺動脈高血圧症の治療薬であるが、この薬をフルに活用するには更なる開発努力が必要であり、両社がこれに協力する。

現在、Adempas™が外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療薬として承認を得ているが(日本でも2014年1月に製造販売承認を取得)、更に適用範囲を広げる。
加えて、現在開発の初期段階にあるものも共同開発に含める。

両社は開発のコストと利益を均等にシェアし、開発及び販売戦略を共有する。

Adempas™の販売はBayerが米大陸、Merckがそれ以外を担当し、それ以外についてはBayerは米大陸以外、Merckは米大陸で商業化を主導するが、互いに相手のテリトリーでも協力するオプションを持つ。

MerckはBayerに一時金として10億ドルを支払い、更に販売目標を達成した場合は 最高11億ドルのマイルストン支払いを行う。

ーーー

Merckは医療用医薬品に経営資源を絞り込み、開発主導の一流バイオファーマ企業になるというゴールを目指す。

Merck expects after-tax proceeds from the sale of MCC to be between $8 and $9 billion. The company will use the after-tax proceeds -- consistent with its capital allocation strategy -- to resource those areas within its business that represent the highest potential growth opportunities, such as MK-3475, to augment the company's pipeline with external assets that can create value and to continue to provide an industry-leading return of capital to shareholders. - See more at: http://www.mercknewsroom.com/news-release/consumer-care-news/merck-announces-sale-consumer-care-business-bayer-ag-142-billion#sthash.4F0Y8bch.dpuf
Merck expects after-tax proceeds from the sale of MCC to be between $8 and $9 billion. The company will use the after-tax proceeds -- consistent with its capital allocation strategy -- to resource those areas within its business that represent the highest potential growth opportunities, such as MK-3475, to augment the company's pipeline with external assets that can create value and to continue to provide an industry-leading return of capital to shareholders. - See more at: http://www.mercknewsroom.com/news-release/consumer-care-news/merck-announces-sale-consumer-care-business-bayer-ag-142-billion#sthash.4F0Y8bch.dpuf

OTC事業の売却で税引き後で80~90億ドルの利益を見込んでいる。

 


光ファイバーケーブルと自動車用ワイヤーハーネスの2件の価格カルテルで課徴金合計88億円を支払った住友電工に対し、同社の株主が当時の経営陣に同額の損害賠償を求めた株主代表訴訟で、5月7日、経営陣側計22人が同社に解決金5億2000万円を支払うことなどを条件に大阪地裁で和解が成立した。

株主代表訴訟の和解額としては過去最高である。

2件の課徴金支払いを受け、関西在住の株主が2010年と2012年に相次いで提訴したもの。地裁の勧告を受けて和解が成立した。

和解では、外部調査委員会が発生原因や責任の所在を調査し、再発防止策をまとめることが含まれる。
解決金は、内部通報制度の外部受付窓口の運営や、社員の研修プログラムの充実など、コンプライアンス体制の推進に充てる。

ーーー

問題のカルテルは以下の2件。

1)光ファイバーケーブル

公正取引委員会は2010年5月、NTT東日本などが発注した光ファイバーケーブルなどの受注をめぐり、価格カルテルを結んだとして、住友電気工業など5社に排除措置命令を出し、総額約160億円の課徴金納付を命令した。

アドバンスト・ケーブルシステムズ(Corning Cable Systems 50%、日立電線 50%)は自主申告で課徴金免除となった。
古河電工は、自主申告で課徴金が3割減の46億円となったことを明らかにしている。
しかし、住友電工は自主申告による課徴金減額を受けていない。

課徴金納付命令                         単位:千円
  NTT東日本等向け  NTTドコモ
向け
合計      
光ファイバー
ケーブル
FAS
 コネクター
熱収縮
 スリーブ
光ファイバー
 ケーブル
住友電工 6,267,740 182,230 33,560 279,190 6,762,720
古河電工 4,273,350 136,800 22,470 173,400 4,606,020
フジクラ 4,176,050 118,360 15,400 101,830 4,411,640
昭和電線
ケーブルシステム
199,030 199,030
住友スリーエム 120,020 120,020
アドバンスト・
ケーブルシステムズ
(自主申告で免除)
合計 14,916,170 557,410 71,430 554,420 16,099,430
 

2010/5/26  光ファイバーケーブルのカルテルで過去最高の課徴金

株主は以下の点を問題視したが、監査役は提訴しないことを決めたため、代表訴訟を行った。
① 本件カルテルに関与又は黙認した過失
② カルテル防止に関する内部統制システム構築義務違反
④ 実際にリーニエンシーを利用しなかった過失

2010/11/8 光ファイバーカルテルで住友電工に株主代表訴訟 

2)自動車用ワイヤーハーネス

公取委は2012年1月、トヨタ自動車等の自動車メーカーが発注する及び同関連製品の見積り合わせの参加業者らに対し、排除措置命令と課徴金納付命令を行った。

住友電工は日産自動車向けでは1番目の自主申告で課徴金が免除されたが、残る3社分は2番目で50%の減額だった。
株主側は「早期に不正を発見し、日産のケースと同様にリーニエンシーを十分に利用しなかった過失がある」と主張した。

  排除
命令
課徴金額 (千円)   《 》は減免率
トヨタ
    向け
ダイハツ
     向け
ホンダ
    向け
日産
   向け
富士重工
    向け
合計
矢崎総業 5 4,979,950
《30
%
872,150
《30
%
2,763,500
《30
%
440,030
《30
%
551,500
《30
%
9,607,130
 
住友電気工業 738,610
《50
%
482,950
《50
%
880,660
《50
%
0
《100
%
2,102,220
 
フジクラ 1件 1,182,320
《30
%
1,182,320
 
古河電気工業 0
《100
%
0
《100
%
0
《100
%
0
《100
%
0
 
合計 12,891,670

    2012/1/28  公取委、自動車用ワイヤーハーネスのカルテルで課徴金 

ーーー

和解内容は、被告役員が会社に対して解決金を支払い、外部委員会を設置して原因調査や再発防止策を策定することを内容としたもの。

これは2009年6月に大林組の防衛施設庁談合事件、名古屋市地下鉄談合事件、和歌山県談合事件、枚方市談合事件に対する株主代表訴訟において、大阪地裁で成立した和解の内容に従うもので、その後も同様の和解が相次いだ。

和解月日 被告 訴訟内容 和解内容
09/6/1 大林組
旧経営陣ら15人
12億8190万円の賠償金 ・解決金として2億円の支払い
・原因調査及び再発防止策の策定は外部委員を含む
 「談合防止コンプライアンス検証・提言委員会」を設置して行い、
 同委員会は調査結果の報告と再発防止策の提言を行う。
・委員会は外部委員を3名とし、内1名は、原告の推薦する弁護士
09/12/21 日立造船
元役員4人
約9億5千万円の返還 ・4人が解決金計約2億円を支払う
・談合の原因調査や再発防止のため、社内に
 「談合防止コンプライアンス検証・提言委員会」を設置。
 3人の委員のうち1人は原告が推薦する弁護士
・解決金は委員会の運営、談合防止マニュアル整備施策に
10/2/10 神戸製鋼所
会長、社長ら6人
課徴金2億146万円
の返還
・6名は、会社に対し、連帯して解決金8800万円を支払う
・「談合防止コンプライアンス検証・提言委員会」を設置
 1年以内に、その提言内容と再発防止策を公表
 委員会のうち3名は外部委員とし、
 うち1名は原告が推薦する弁護士から選任
10/3/30 住友金属工業
現会長ら14人
76.7億円の損害賠償 ・14人が連帯して2億3千万円を会社に支払う。
・それを原資に、社外委員でつくるコンプライアンス委員会設置
10/3/31 三菱重工業
元社長ら役員7人
指名停止措置による
受注減などで被った
損害35億円
・元社長らが解決金1億6000万円を同社に支払う。
・事件の原因調査と再発防止策の策定を1年間をめどに行う
・「談合防止コンプライアンス検証・提言委員会」を設置
・和解金を委員会や談合防止施策の費用に充てる

2010/4/10 株主代表訴訟での和解、相次ぐ

これまでの株主代表訴訟の和解最高額は、住友商事の銅取引の巨額損失をめぐる訴訟の4億3000万円。

1996年6月、住友商事の元部長が約10年間にわたり会社の許可を得ずに銅地金の簿外取引をしていたことが発覚し、18億ドル(約2850億円)の損害が発生した。
東京地検が同年12月、詐欺罪で元部長を起訴、1999年に懲役8年の実刑が確定した。

1997年4月に株主代表訴訟が大阪地裁に提起された。

遅くとも1991年の末に、ロンドン金属取引所より取引上の不正についての照会が同社宛になされた時点で、チェック機構を整備すべき善管注意義務が各取締役に生じたが、この義務を怠ったことを根拠にし、社長に2000億円、上司の非鉄金属本部長や非鉄化燃部門統括役員など取締役5人に各1億円ずつ、合計2005億円の賠償を求めた。
(会社の管理上の最高責任者たる社長には企業トップの責任の重さに象徴的意味をもこめて、損害のほぼその全額を、他の取締役にはその全額の責任を負担させることは、信義則上酷に過ぎるとの配慮から、 役員報酬や役員退職慰労金の額を参考にその額を請求した。)

2001年3月、事件当時の社長ら5人(残る1人は死亡のため訴え取り下げ)が住商に約4億3千万円を支払うことで和解が成立した。

大和銀行事件では、大阪地裁は2000年9月の1審判決で、取締役は「善管注意義務」および「忠実義務」を怠ったという原告らの主張の一部認めて、被告役員のうち、11名に対して、総額7億7500万ドル(829億円)という巨額の損害賠償を命ずる判決を言い渡した。

大和銀行ニューヨーク支店の行員が無断かつ簿外に米国財務省証券の取引を行って11億ドルの損失を出し、この損失を隠蔽するために顧客、大和銀行所有の財務省証券を売却して、大和銀行に11億ドルの損害を与えた。

さらに、大和銀行はこの損害を米国当局に隠匿していたとして、刑事訴追を受けた複数の訴因の一部について有罪の答弁をし、罰金3億4000万ドルを支払った。

本件では高裁が双方に非公式に和解を打診、2001年12月、被告の現元役員49人全員で約2億5000万円を同行に支払うことなどを条件に和解が成立した。

協議の過程で、高裁は被告側に和解金額について、「10億ないし20億円」と打診。被告側は「とても払えない」として、1審判決で敗訴した11人の被告の手取り年俸の総額に当たるという約2億5千万円を提示し、同額で決着した。



日経新聞は5月4日、国際カルテルを巡り、米国での裁判を避けて海外にいた外国人被告の身柄引き渡しが初めて実現したことから、 米司法省が日本企業幹部の引き渡しを要求するとの観測も浮上していると報じた。

本件は2007年のマリーンホースカルテルに関するものである。

米司法省は2007年5月、原油の海上輸送に使うマリンホースの販売で国際的な価格カルテルに関与した疑いがあるとして日欧企業の幹部8人を逮捕したと発表した。

司法省が横浜ゴムの自主申告で調査を開始し、横浜ゴム担当者になりすまして開かせた会合現場で横浜ゴム担当者以外を逮捕した。

2007/7/9 マリーンホース国際カルテル事件

これまで、個別に司法取引や裁判を行ってきたが、状況は以下の通り。

企業:

 

罰金

Dunlop Marine and Oil(英)  4,540千ドル
Trelleborg (仏)  11,000千ドル
Parker ITR(伊) 2,290千ドル
Manuli SPa (伊) 2,000千ドル
ブリヂストン 28,000千ドル
横浜ゴム 自主申告により免責 


個人:

    現場
逮捕
禁固 罰金 備考
PW Consulting
(元
Dunlop
Peter Whittle 30 months $100,000 英国で同一期間の禁固刑を受け、米国での禁固刑は免除
Dunlop Oil & Marine Bryan Allison  24 month $100,000
David Brammar 20 months $ 75,000
Uwe Bangert       逃亡中 時効中断
Manuli Rubber Industries SpA Robert L. Furness   14 months $ 75,000  
Charles J. Gillespie   12 months and
one day
$ 20,000  
Francesco Scaglia

陪審裁判で無罪

Val M. Northcutt  
Trelleborg Industrie S.A.S Christian Caleca 14 months $ 75,000  
Jacques Cognard 14 months  $100,000  
Parker ITR S.r.l. Giovanni Scodeggio six months
自宅監禁
$ 20,000  
Romano Pisciotti   2 years $50,000 今回、引渡し
ブリヂストン Misao Hioki two years $ 80,000  


2008/12/12 マリンホース国際カテル事件で日本人に有罪判決


上記のうち3人を除く全員が司法取引で有罪を認めたが、Manuli Rubberの2人は裁判で無罪を訴えた。

裁判では政府側の証人の上司2人(いずれも禁固刑)が私腹を肥していたことなどが明らかになり陪審員の印象を悪化させた。
弁護士は、Sherman法では外国との取引の場合、米国の取引又は米国の競合者に直接の、実質的な、予期しうる影響を与えない限り適用されないとの規定があると指摘、最終的に無罪を勝ち取った。
弁護士のブログより)

ーーー

なお、欧州委員会は2009年1月に5社に合計131.51百万ユーロの制裁金支払いを命ずる決定を下した。

2009/1/29 EU、マリンホースカルテルに制裁金


当時米国におらず逮捕を免れていたイタリアのParker ITRのRomano Pisciottiは、2013年6月にドイツで逮捕され、本年4月3日に米国に送還された。
独禁法違反で海外から米国に引き渡された最初の例になる。

Romano Pisciottiはナイジェリアからイタリアに戻る途中、ドイツの空港で逮捕された。
その後、Pisciottiはイタリアの裁判所とEUの人権裁判所に訴え、EUの法律が適用されるべきこと、ドイツによる国籍差別の犠牲者であると主張していた。

Romano Pisciottiは4月24日、有罪を認め、禁固2年、罰金5万ドルを受け入れた。
ドイツでの拘束期間の(9ヶ月+ 16日)がこれから差し引かれる。

ーーー

米国で個人が起訴された場合、海外在住であれば米国から見ると国外逃亡で時効中断となる。
米国入国の際に逮捕されることはもちろん、他国に入国しても、犯罪人引渡し条約で米国に引き渡される。

但しこれまでは、独禁法違反の場合には日本政府は該当せずとし、引渡しは行われないとされていた。

起訴された某氏によると、当時、米国の弁護士に相談したところ、海外に行くと逮捕され、米国に送られる可能性があるが、日本に留まっているなら全く問題なしとのことであったという。

2004年までは、日本人で起訴されたのは役員クラスだけで、すべて時効中断となっていた。

日本人の服役の第1号はダイセルの社員(防カビ剤のソルビン酸価格カルテル、チッソの自主申告で摘発)で、チッソの提出した詳細情報のために若い担当者が起訴されることとなった。
日本にいたため、そのままでは「国外逃亡」のままとなるが、海外に行けないのでは仕事にならないため、自主的に服役(3ヶ月の禁固刑)を選んだ。

米国司法省は、独禁法を有効に施行するという司法省の能力を示すものとして、「日本人で最初に服役」と誇らしげにこれを発表している。
http://www.usdoj.gov/opa/pr/2004/August/04_at_543.htm

第2号がこのマリーンホースカルテルである。
この場合は米国で逮捕されたため、刑に服するしかなかった。

それ以外に多数が起訴されたが、刑に服したのはこの2人だけであった。

この後、2011年から今日まで、自動車部品カルテルで多くの日本企業と日本人が起訴され、これまでと異なり、日本にいたと思われる多くの日本人が有罪を認め、刑に服している。

現時点で、自動車部品カルテルで32名が起訴され、うち有罪を認め禁固刑に服したのが23名となっている。(うち、外国人は1名のみ)
残り9名は「国外逃亡」で時効中断と思われる。

http://www.knak.jp/blog/2013-10-1.htm#cartel

全くの推測だが、今回、非常に多数の日本人が刑に服したのは、米国の姿勢が強硬で、企業が司法取引をする際に、これを罰金の減額の条件にしたのかも分からない。

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今回の件を受け、日本でも引渡しがあるのではとの意見が出ている。

日米犯罪人引渡条約では、日本及び米国の法令により、死刑又は無期若しくは長期1年以上の拘禁刑(懲役 or 禁錮)に処すべき罪を犯したとされることが要件となっている。

日本の独禁法では、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金となっており、米国では最高10年以下の拘禁刑が適用される。

また、条約の付表では、独禁法は対象となっている。

45) 私的独占又は不公正な商取引の禁止に関する法令に違反する罪

更に、米国では最近は(上表の通り)ほとんどが1年以上の禁固となっている。
(日本では刑事告発は少なく、判決も懲役1年以上はあるが、全て執行猶予となっている。)

時効については海外逃亡で時効中断となっており、問題にはならない。

以上から、本件のような場合は、条約上は対象となる。

但し、条約第5条では、「被請求国は、自国民を引渡す義務を負わない。ただし、被請求国は、その裁量により自国民を引き渡すことができる」となっており、日本政府の判断で引渡しを行うこととなる。

米司法省は先ず、自動車部品カルテルの残りの9名について 、引渡の請求をするかも分からない。



 


出光興産と三井物産は米国に折半出資の合弁会社を設立し、Dow Chemicalからシェールガス由来のエチレンを購入し、アルファオレフィンを生産する計画を進めていたが、5月2日、この事業を断念すると発表した。三井物産も取り止める。

計画では、両社はDow Chemical と提携し、同社が米国湾岸地区にて展開しているエチレン製造供給網を活用して、競争力ある製造コストベースでのエチレンの引取権を確保し、1000億円程度を投じて年産33万トンのアルファオレフィンを製造、製品の一部をDow に販売する 。

2013年3月に3社間で原料調達と製品の一部販売に関し基本合意に達しており、2014年に最終投資判断を行い、2016年の生産開始を予定していた。


計画断念の理由はコンビナートの建設費の増加で、「シェール関連の開発が活発になり、米国で資材や人件費が上がっている」としている。

出光興産は2014年3月期決算で、これまで進めてきた機材調達、コンビナートの設計、用地整備などの費用 42億円を特別損失に計上した。

当初のFSがどうであったか不明で、建設費の当初予想との差額も明らかにされていないが、競争力あるコストベースのエチレンを使用するとしても、競争相手のエチレンのコストも下がり、販売価格も下がる筈で、米国内での販売を狙うのであれば、多額の投資での新設ではやっていけないのかも分からない。

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出光のアルファオレフィン (商品名:リニアレン)は出光独自の技術でエチレンを重合させてできる、末端に二重結合を持つ直鎖のオレフィンで、重合度合により、炭素数4~24の幅広いグレードがある。

  • 同社独自の技術 (世界最高水準の高純度製造技術により石油学会賞、触媒学会技術賞を受賞)
  • 芳香族化合物、ジオレフィン化合物などの不要物を含まない
  • 二重結合が直鎖の内部に移動した内部オレフィンが少量で、高いαオレフィン純度をもっている
  • 直鎖率が高いため、高純度・高性能の製品を製造するのに適する
ルファオレフィンの用途は、ポリエチレンなど合成樹脂の添加剤、洗剤、高機能潤滑油、製紙用薬剤など多岐にわたり、世界需要は300万トンを超え、今後も安定的な伸長が見込まれ る。

Dow Chemical はリニアアルファオレフィンの大需要家で、同社のPerformance Plastics 部門で、LLDPE(DOWLEX™)、エンハンストポリエチレン樹脂(ELITE™)、EPDM(NORDEL™)、ポリオレフィンプラストマー(AFFINITY™ )、ポリオレフィンエラストマー(ENGAGE™)などの高機能製品の生産に使用している。

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Dow Chemical も5月2日、これについて発表を行った。

本計画の取り止めに関わらず、Dow Chemical が進めているシェールガスを原料とする戦略的なエチレン計画は予定通り進めており、アルファオレフィン用に予定していたエチレンの他の用途での使用をいくつか評価している。
更に、リニアアルファオレフィンの購入については既存の供給ネットワークを利用する。

 



Sinopec は4月30日、カナダBritish Columbia 州North Montney地域でのシェールガス開発・生産プロジェクトおよび同州西海岸のNorthWest LNGプロジェクトに参画することでPetronasとの間で合意したと発表した。

両プロジェクトに同社が10%、パートナーの中國華電集團(China Huadian Corporation)が5%の合計15%を出資し、LNG設備能力の15%の年間180万トンを20年間引き取る。
これに加え、Sinopecは年間300万トンのLNGを20年間購入する覚書を締結した。

Sinopecは合計480万トン(うち60万トンは華電集團分)のLNGを中国沿岸部の現在拡張中及び将来建設するターミナルに運び、天然ガス市場での国内のシェアをアップし、クリーンエネルギー需要の増大に対応する。


この計画は、カナダのProgress Energy Resources Corporationが行っていたものだが、Petronasは2011年6月にシェール鉱区の権益の50%を取得し、その後2012年6月に、PetronasはProgressを55億カナダドルで買収することで合意し 、年末に取得した。

石油資源開発(JAPEX)は2013年3月、このプロジェクトに参画することで基本合意したと発表した。

2013/3/7   石油資源開発、カナダのシェールガス開発計画及びLNG計画に参画

Petronasはその後も参加者を募り、2013年12月にPetroleum Brunei がこの計画に3%の出資を行った。
2014年3月にはインド最大の石油会社 Indian Oil Corporation Limited (IOCL) が10%の参加を決めた。

2014/3/15   Petronas と石油資源開発のカナダのシェールガス開発・LNG輸出計画にインドとブルネイが参加


今回の合意により、Petronasのシェアは62%となる。

Progress Energy Resources
 
   →
 参加
Progress Energy Resources 50%
Petronas 50%
  →
買収


  Petronas

 
   →
  参加
Petronas 62%
Japex                 2013/3 10%
PetroBRUNEI  2013/12 3%
IOCL                 2014/3 10%
Sinopec 10%
中國華電集団 5%


中国はエネルギーミックスでの天然ガスのシェアを現在の5%以下から2020年には10%に倍増することを計画しているが、自国でのシェールガス等の開発には時間がかかるため、LNGでの輸入が当面の目標となる。

このため、LNG受入基地の建設が進んでいる。

JOGMEC 輸入LNGインフラ整備の現状 から

これらが全て完成し、中国がLNGの買い漁りを行う場合、LNG価格は大幅に上昇するのではないか、懸念される。

ーーー

Sinopecは4月29日に15%の取得を発表したが、翌日5%分を華電集團に譲渡すると発表した。

華電集団は国営電力会社で、本年1月に単独で Petronasとの交渉を開始していた。
中国の電力業界は石炭依存から、よりクリーンな燃料に多様化するよう圧力を受けている。

華電集団は江蘇泰州市に38億ドル強を投じて年間1200万トンのLNGを受け入れるLNGターミナルを建設することを計画している。

 


中国商務部は4月30日の公告25号、26号で、EU原産の輸入Solar gradeポリシリコンの反ダンピング・反補助金調査でクロの最終決定を行ったと発表した。

太陽光パネルとポリシリコンについては、米国とEUが中国製のパネルについて反ダンピング・反補助金調査を行い、これに対抗して中国が米国とEU原産の太陽光パネル用ポリシリコンに対して反ダンピング・反補助金調査を行った。

これまでのところ、米国・中国とEU・中国では対応が異なった。

ーーー

米国は強硬で、反ダンピング・反補助金調査でクロの決定を行い、対抗して中国も米国産ポリシリコンでクロの決定を行った。

米国は更に、中国製の結晶シリコン太陽電池製品(バッテリー、モジュール、合板、パネル、建築一体化材料など)に対して、再度、反ダンピング・反補助金調査を実施する決定を下した。ITCは2014年2月14日、米国の関連産業に実質的な損失をもたらしたとする仮裁定を下した。

2014/1/31   中国商務部、米国とEUの太陽光パネル用多結晶シリコンで異なる対応


これに対して、EUと中国はこれまでは友好的対応を行っていた。

中国はEUによる太陽光パネルの調査に対抗して、EU産のワインについても反ダンピング・反補助金調査を行った。

2013/7/5 中国、EU原産の輸入ワインで反ダンピング&反補助金調査を開始

これを契機に双方で話し合いを行い、太陽光パネルとワインでともに和解した。

2013/7/28 EUと中国、太陽光パネルダンピング問題で和解

2014/3/26    中国とEU、欧州産ワインのダンピング問題で和解

残るポリシリコンについても、中国は本年1月にクロの仮決定を下したにもかかわらず、「特殊な市場状況を勘案し」 反ダンピング税・反補助金税に対応する保証金を徴収しなかった。
その後にワインについて和解し、中国商務部が反ダンピング調査を打ち切ったこともあり、これについても和解が想定された。

しかし状況が変わった。

EUは本年4月に、中国原産の太陽光パネル用ガラスについて、中国のメーカーが違法な補助金を得て、不当に安い価格で売り、欧州のメーカーを脅かしているとし、17.1%~42.1%の課税を決めた。

2013年2月と4月に、EUのパネル用ガラスメーカーの約半分が加盟するEU ProSun Glass の申請に基づき、反ダンピング調査と反補助金調査を開始した。

恐らく、これを受けて中国は今回の決定を行ったと思われる。

これを見ると、どの国も補助金を支給し、ダンピングを行っていることとなる。

輸入ポリシリコン課税でパネルのコストが上がり、その輸入パネルの課税で更にパネル価格が上がることで、最終的には太陽光発電コストが上昇する。


今回の反ダンピング税率は下記の通り。

    反ダンピング税 反補助金税
ドイツ Schmid Group 42% 1.2%
Joint Solar Silicon V 42% 1.2%
イタリア MEMC Electronic Materials SpA        42% 1.2%
MEMC Electronic Materials       42% 1.2%
SILFAB S.p.A.        42% 1.2%
Estelux S.r.l.  42% 1.2%
PrimeSolar S.r.l. 42% 1.2%
スペイン Siliken Spain 42% 1.2%
その他 14.3% 1.2%


なお、仮決定後にWacker Chemie AG が価格協定書を提出したため、同社については税を免除する。

 

 

日米TPP交渉については、読売新聞のみが当初から「実質合意」と報道している。

同紙は5月3日には、複数の政府筋が5月2日に明らかにしたとして、以下の通り報じている。

 ・豚肉は、差額関税制度は維持するが、最も安い価格帯の輸入豚肉にかかる関税を15年程度かけて1キロ当たり482円から50円に段階的に引き下げる。

 ・牛肉関税は10年程度かけて現在の38.5%から9%に引き下げる。

 ・日本が聖域と位置づけてきた牛・豚肉やコメなど農産品の「重要5項目」の関税はすべて残った。


これに対し、同日の日本経済新聞は、農産品5項目すべてと自動車の主要な論点については日米が合意していたとはするが、牛肉と豚肉については双方の主張に隔たりがあるとしている。

 ・(読売の報じている)牛肉9%、豚肉 50円/kg は米国の主張であり、これに対して日本側は牛肉を20%前後、豚肉を100円/kgとしている。

 ・関税率、関税の引き下げ期間、輸入急増の場合に輸入を制限するセーフガードの3つの組み合わせで妥協点を探っている。

これをまとめると、以下の通りとなる。

(牛肉)


( 豚肉)

日本が聖域とする重要5項目と現行関税率は以下の通りで、コメや麦などは関税ゼロの輸入枠などの拡大で収める見込み。

コメ 778%
小麦 252%
大麦 256%
乳製品 脱脂粉乳 218%
バター 360%
砂糖 328%
牛肉 38.5%

読売新聞はオバマ大統領訪日前の4月21日に単独書面インタビューを行っており、今回の報道も事実である可能性はある。

実際には、守秘条項により、TPP交渉が全体でまとまるまでは発表されないため、何が真実か、分からない。




米政府は4月28日、ウクライナ東部の緊張緩和に向けた措置を講じていないとして、ロシアに対する追加制裁を発動すると発表した。

軍事産業に用いられる恐れのあるハイテク製品の輸出を禁じ、プーチン大統領側近で国営石油会社Rosneftの Igor Sechin 社長 ら7人を新たに資産凍結と渡航禁止の対象に指定、大統領に関係する企業17社の資産も凍結する。

企業としてのRosneft や天然ガス大手のGazprom は含まれていない。Gazpromの社長の名前もない。

http://www.treasury.gov/resource-center/sanctions/OFAC-Enforcement/Pages/20140428.aspx

さらに、ロシアがウクライナとの国境付近に集結させている部隊をウクライナ東部に進軍させるようであれば、エネルギーや防衛セクターを含むロシアの主要産業に対する制裁を発動する構えを鮮明にした。

ーーー

エネルギーに対する制裁が発動された場合、多くの欧米企業が影響を受ける。欧州諸国はガスの30%をGazpromから輸入しており、EUはロシアの最大の貿易相手国である。


EUの産業担当委員は「ロシアへのいかなる制裁措置も、欧州の企業をたくさん傷つけることになる」と語った。

BPは「欧州連合が厳しい制裁を課した場合に危機にさらされる」と述べ、BASFは「用心している」としている。


エネルギー関連の欧米各社の状況は以下の通り。

1)BP

BPはRosneft に19.75%を出資し、CEOのBill Dudley など2人がRosneft の取締役になっている。

BPはTNK-BPの持分(50%)をRosneftに譲渡し、現金171億ドルとRosneftの株式 12.84% を取得、同時に、ロシア政府からRosneft株式 5.66%を48億ドルで買収した。
BPは既にRosneft株式 1.25%を保有しており、この取引で合計19.75%を保有することとなった。

BPは2013年にRosneft から配当4億5600万ドル(約467億円)を得たと明らかにしている。

2012/10/24 ロシアのRosneft、TNK-BPを買収

今回、Rosneft のIgor Sechin 社長 が制裁対象となったが、BPのBill Dudley CEO がIgor Sechinが社長のRosneft の取締役となっていることが問題となる。

米国務省によると、米国民は一般的に制裁ブラックリストに載った人物と取引することを禁止されるが、Bill Dudleyは米国市民である。

2)Centrica (英国の電力・ガス会社でBritish Gas の親会社)

2012年9月にGazpromとの間で、2014年後半から3年間で24億m3の天然ガスを購入する契約を締結した。

3)BASF

ロシアの天然ガスはウクライナ経由、ベラルーシ経由のパイプラインのほか、バルト海の海底約1200キロを通ってドイツ北東部まで繋ぐ Nord Stream Pipelineで欧州に供給される。

Nord Stream PipelineにはGazprom が51%、BASF子会社のWintershallが15.5%、オランダのGasunieが 9%、フランスの GDF SUEZ が9%出資する。

Wintershallはロシアの South Stream 天然ガスパイプライン計画に参加することで合意している。

2011/8/27 Nord Stream Pipeline、欧州ネットワークに接続

4) ExxonMobil

Rosneft とExxonMobil は2011年に戦略的協力協定を締結し、2012年4月にこれを実施する契約を締結した。

・黒海と北極海(Kara Sea)開発
・北海の7ブロック追加
・西シベリアのタイトオイル開発
・ロシア極東でLNGプラント建設

2013/6/24 Rosneft とExxonMobil、戦略的協力関係を促進

同社はまた、サハリン1プロジェクト を主導している。日本企業も参加。

事業主体 ・エクソンネフテガス社
 (米、エクソン・モービル子会社、オペレーター、30%)
・サハリン石油ガス開発(株)(通称:SODECO)
 (日、石油公団・伊藤忠・丸紅等 出資30%)
・ONGCヴィデッシュ社(インド、20%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社(ロシア、11.5%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 8.5%)
投 資 額 約120億ドル以上
開発鉱区 オドプト、チャイヴォ、アルクトン・ダギ
推定可採
埋 蔵 量
①石油    約23億バレル
②天然ガス 約4,850億立方メートル

5)Shell

Shellは三井物産、三菱商事と共に、Gazpromが過半数を獲得したサハリン2プロジェクト に参加している。

事業主体 Shell 55%→27.5%-1株
・Gazprom 0%→50%+1株
・三井物産 25%→12.5%
・三菱商事 20%→10%
投 資 額 200億ドル
開発鉱区 ピルトン・アストフスコエ、ルンスコエ
推定可採
埋蔵量
原油 10億バレル
天然ガス 4,080億立方メートル

2007/1/9 サハリン2計画 再スタートとその背景


更に、Shell とGazprom Neftは50/50の合弁会社 Salym Petroleum Developmentを設立し、本年1月から西シベリアのBazhenov formation でシェールオイルの試験掘削を開始した。

両社はまた、ロシアの北極圏の東部のチュクチ湾、西部のペチョラ湾で、Gazpromが過半を出資する合弁会社を設立して石油・ガスの探査を進める。

北極海ではRosneftとExxonMobilがKara、Laptev、Chukchiで、GazpromとShellがPechoraとChukchiで開発する。

ーーー

欧米によるロシア制裁はロシア経済に大きな影響を与えるのは確実で、ルーブルは急落している。

しかし、4月29日付 日本経済新聞 によると、当面はプーチン政権の基盤は揺らいでいないという。

一つは原油価格の高止まりで、ロシアの代表的な油種であるウラル原油は、ロシア政府が当初予算に盛り込んだ2014年の年間予想の101ドル/bbl を上回り、108ドル/bbl前後で推移している。

そして皮肉なことに、制裁によるルーブルの急落で、ドル建てで取引される資源輸出の収入(ルーブル建て)が増加、資源輸出に対する課税額が膨らみ、2014年1~2月の歳入額は2兆3681億ルーブルで、前年同期を19.5%上回った。



Solvay と Invista は4月25日、フランスの両社の50/50 JVの Butachimie について新しいJV契約を締結し、2008年から争っていた知的所有権問題を解決した。

ーーー

ButachimieはDuPontのGen I technologyを使用してアジポニトリル(ADN)を生産するため、DuPontと Rhone-Poulenc のJVとして設立された。

ナイロン66 はヘキサメチレンジアミン(炭素数6)とアジピン酸(炭素数6)からつくるが、アジピン酸はアジポニトリルの加水分解により生産する。

Koch Industries は2004年にDuPont の繊維部門であった Invista を42億ドルで買収した。

Rhone-Poulenc は化学品部門をRhodia として分離した。
2011年に
SolvayがRhodiaを友好的買収 した。

この結果、ButachimieはSolvayとInvista のJVとなった。

2008年にInvistaは、Rhodia とDuPont が組んで、Invista の世界のトップレベルの技術をアジアでの競合工場建設のために不当に利用しようとしているとして、両社に対し、これの差し止めと、被害に対する補償を求めて提訴した。

2006年9月にInvistaは需要の伸びが大きいアジアでワールドスケールのナイロン6,6 プラントを建設すべく、設計業務を開始したと発表、同時に新設備はアジアで低コストで競争力ある地位を占めるため、次世代のブタジエンベースのADN技術を使用することを明らかにした。

その1週間以内に、RhodiaがアジアでADNプラントを建設するFSを実施していることを明らかにした。

Invistaによると、RhodiaはInvistaのブタジエンベースのADN技術のライセンスを受けておらず、同様の技術を無から自ら開発できるはずがない。
このため、Rhodiaが計画を実施しようとするなら、JVのButachimieで学んだ秘密情報を勝手に使用するか、若しくは、DuPontが違法に秘密情報をRhodia に渡したかのどちらかしかないというもの。

2008/8/22 Invista、ナイロン原料技術でDuPont とRhodia を提訴

2010年9月13日、DuPontとInvista は3つの訴訟(polymers technology、adiponitrile technology、 供給契約に関する紛争)で和解したと発表した。両社の権利と義務を明らかにしたとするが、詳細は明らかにしていない。

今回はRhodiaを買収したSolvayとInvistaとの間で和解を見たもの で、内容は以下の通り。

InvistaはButachimieで使っているADN技術の独占的保有者であり、JVのフランスの設備を最新のADN技術で改良することを検討する。
・SolvayはInvistaが中国で検討している新しいADNプラントから一定量を引き取るオプションを持つ。

ーーー

Shanghai Chemical Industry Park)でヘキサメチレンジアミン

Invista の最新鋭の



クラレは4月23日、新規バイオ系液状ゴムの開発を加速するため、原料供給元の 米国カリフォルニア州のバイオ化学品企業 Amyris Inc.との間で3月に新たな共同開発契約を締結するとともに、同社への戦略的出資を完了し たと発表した。


クラレはタイヤ用途を中心にイソプレン系・ブタジエン系の液状ゴムを事業展開してきたが、Amyrisが開発したバイオ由来の新規ジエンモノマー Farnesene (商品名 Biofene) を原料とした液状ゴム(Liquid Farnesene Rubber) を開発した。

Amyris は2003 年に設立され、サンフランシスコ郊外に拠点を置くバイオ分野の先端技術開発企業で 、同社のバイオ製品は、香料、化粧品やパーソナルケア、さらにはプラスチック添加剤やディーゼル燃料やジェット燃料など、幅広い用途に展開されている。

Amyris の trans-β-Farnesene は糖類をイーストで発酵させてつくる。
イーストのメタボリズムを変え、エタノールをつくるものをハイドロカーボンをつくるものに変換した。

クラレは、タイヤの主原料であるゴムにLiquid Farnesene Rubberを添加することでタイヤの転がり抵抗が低減、低燃費化につながることを見出し た。

このため、2011年にAmyris との間で共同開発契約を締結し、国内外のタイヤメーカー 10数社と性能評価を進めている。

クラレは今回、現在の2014年までのAmyris との共同開発契約 を更に2年間延長し、その間、開発費(金額非公表)を拠出するとともに、Farnesene を使用した共同開発の対象範囲を水添スチレン系エラストマーへ拡大する。

更に、Amyris に4百万ドルの出資を行った。

ーーー

AmyrisはLiquid Farnesene Rubber について、クラレとの提携以外に、イタリアのPETメーカーのGruppo Mossi & Ghisolfi との間でPETの原料として使用する共同開発を実施している。PETボトルの酸素遮断に役立つ。



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