「no」と一致するもの

東芝は6月1日、Bain Capitalがこの目的のために設立し、参加各社が出資する ㈱Pangeaへの東芝メモリの譲渡が完了したと発表した。

中国の独占禁止法当局が売却案を承認したことが5月17日に分かった。既に日米欧など他の全ての国の独禁法当局の承認は得ている。

譲渡価格は契約で決められた調整を加え、2兆3億円となった。

東芝メモリ株式譲渡とともに、東芝は譲受会社のPangeaに合計3,505億円を再出資し、Pangeaの議決権のある普通株式を約1,096億円分(約40.2%)、転換権付き優先株式を約2,409億 円分(総数の約40.8%)取得し、約40.2%の議決権を取得した。

Pangeaの出資は、BainやSK Hynix とともにApple等の需要家も加わり、1兆4千億円となるが、議決権は、東芝とHOYAの日本勢が50.1%、Bainが49.9%となる。

2017/9/30 東芝メモリの株式譲渡契約締結


現在のNAND型フラッシュメモリーの世界シェアは、韓国のSamsungが38.3%でトップ、これを東芝(16.1%)と東芝が提携するWestern Digital (15.8%)が追う形となっているが、Samsungは膨大な投資を続けており、差が広がる方向である。

ここにきて、中国の紫光集団の子会社が年内に生産を開始する。

中国の国策半導体メーカー、紫光集団(Tsinghua Unigroup)の子会社の長江存儲科技(Yangtze Memory Technology Corp:YMTC)が総額3兆円を投じる湖北省武漢市のNAND型フラッシュメモリー工場が年内に稼働する。

紫光集団は清華大学が経営する半導体関連企業グループで、株式の51%を清華大学傘下の清華控股有限公司、49%を民間企業である健坤集団が保有する。

当初は、半導体チップの開発に専念するファブレス(工場無し)の経営形態をとり、主にスマホ用のシステムLSI(大規模集積回路)を手がけてきた。

2009年に破綻したドイツの半導体大手 Qimonda AG の西安工場を継承し、西安紫光国芯半導体とした。

2015年7月、紫光集団は、Micron Technology に230億ドルでの買収を持ちかけたが、拒否された。

2015年9月、紫光集団は、傘下の紫光 (Unisplendour) を通してWestern Digitalの株式の15%を37.8億ドルで買収することを決めたが、2016年2月、「米当局が調査に入ることを決めたため」断念した。

2016年1月、台湾の半導体封止・検査大手、南茂科技に25%の出資(約425億円)を決めた。しかし、台湾独立を志向する民主進歩党(民進党)の蔡英文政権が発足し、中台間の投資を巡る当局の審査が厳しくなったため、断念した。

合わせて台湾の半導体封止・検査大手の矽品精密工業(Siliconware Precision Industries)に25%の出資(約1900億円)を提案したが、審査で難航し、その後、矽品精密は同業の日月光半導体製造(ASE)と合併した。中国商務部は2017年11月に条件付きでこれを承認している。

2016年に国有半導体メーカ―の武漢新芯集成電路製造(Wuhan Xinxin Semiconductor Manufacturing Corp.:XMC) の株式の過半を取得し、自社の半導体メモリ製造部門と統合し、長江存儲科技(YMTC)を設立した。

XMCはSpansionからNOR型フラッシュメモリの受託製造を行っていたが、Spansionからライセンスを受け、3次元NANDに進出した。

第1棟の生産能力は東芝とWestern Digital が共同投資する世界最大のメモリー工場である東芝メモリ四日市工場の半分程度と されるが、今後10年で1千億ドルを投資する方針である。同規模の建屋を2棟建設し、10年後には四日市工場の1.5倍に相当するシリコンウエハー月産100万枚規模に生産能力を増やす。 武漢の次に江蘇省南京市にも同規模の工場を建設する計画を持つ。

なお、下図の通り、MicronとIntelが2019年に合弁を解消することを発表しているが、台湾の調査会社が本年3月に、Intelが紫光集団とNANDの供給・販売について協議中と報じた。


競争で価格も下がりつつあり、これまでのような利益は望めない。新しい東芝メモリが、Samsungや紫光集団に対抗して、大投資を継続できるであろうか。

ーーー

NAND型フラッシュメモリーの開発の経緯は次の通りとされる。(Wedge Report June 2017)

富士通が開発したNORフラッシュメモリを基に、SamsungがNAND型を開発した。

①富士通が、ソフトウエアを格納用にNORフラッシュメモリを開発した。

NAND型フラッシュメモリとは異なり、データの読み出しにおいて、RAM(Random access memory)と同様にアドレス指定によるアクセスができ、コードをRAMにコピーすることなく直接実行することが可能。

②富士通と米AMDの合弁会社Spansion LLCが新型のNORを開発し、これを武漢新芯集成電路製造(XMC)に生産委託していた。

Spansion はその後、メモリの単価の下落に打ち勝てず、2009年3月にChapter 11を申請した。

2010年5月にChapter 11 から脱却、2015年3月に米半導体メモリー大手、Cypress Semiconductorが40億ドル相当の株式交換によって吸収合併した。

Spansion のNORフラッシュメモリの技術をSamsung がNANDに転用した。技術を盗まれたSpansionはSamsung を訴えた。
 Samsung は敗訴し、2009年に
Spansionに対して和解金7000万ドル(約66億円・当時) を支払うとともに、クロスライセンス契約を締結した。

④Samsung は、SpansionのNORの技術を用いて3次元NANDを開発し、2016年から中国の西安工場で最先端3次元NANDの量産を開始した。

⑤東芝は、3次元NANDの開発に苦しみ、Samsung の技術を模倣して、3次元NANDの量産を開始した。
  正確には、東芝はSamsungの技術を模倣したSK Hynix の技術を模倣した。

⑥2016年3月、XMCが3次元NANDに参入することを発表した。XMCは、Samsungとクロスライセンスを締結している
Spansion (Cypress Semiconductor) から技術を有償で入手した。

 これが現在の長江存儲科技(YMTC) の計画につながる。


以上とその他情報を合わせると、現在のNAND業界の経緯は下図の通りとなる。

米政府は5月31日、カナダ、メキシコ、EUに対し鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税を適用すると発表した。適用は午前0時からで、税率は鉄鋼が25%、アルミニウムが10%。

ロス商務長官は、EUとの通商交渉、カナダとメキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で十分な進展がなかったため、鉄鋼関税の恒久的な適用免除は認められないと判断したと説明した。

「解決が必要な他の案件もあるため、カナダとメキシコ、およびEUと引き続き協議したい」と述べた。また、トランプ大統領は関税変更や撤廃、数量枠設定の権限を有しているため、今後、「柔軟性」を持たせる可能性があるとも語った。

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鉄鋼やアルミニウムの輸入制限は米東部時間3月23日午前0時1分に発動された。

ホワイトハウスはカナダ、メキシコ、EU、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチン、韓国への関税を5月1日まで猶予する方針を示した。

ブラジル、アルゼンチン、オーストラリアは米国にとって貿易黒字国で、米国への鉄鋼・アルミ流入抑制対策で協力する。

韓国については、3月に米韓FTAの改正・延長交渉で合意した。鉄鋼に関しては25%の追加関税を免除する代わりに、韓国は米国向け輸出数量を減らす

トランプ大統領は、猶予期限切れ直前の4月30日、カナダ、メキシコ、EUへの関税の猶予を更に1カ月延長すると発表した。
その間に譲歩を迫る。カナダ・メキシコとはNAFTAの再交渉中。EUは「断固とした対応をとる」としており、難航する見通し。

2018/3/26 米国、鉄鋼とアルミの輸入制限を発動

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米国と
NAFTA再交渉を進めているカナダとメキシコはすぐさま反応した。

カナダのフリーランド外相は、対抗措置として米国からの鉄鋼とアルミニウムなど最大166億カナダドル(128億米ドル)相当に7月1日から関税をかけることを明らかにした。

特定の種類の米国産鉄鋼に対し25%、ヨーグルト、ウイスキー、焙煎済みのコーヒー豆など他製品にも10%の関税を課す予定。

メキシコは鉄鋼製品や農業生産品を含む幅広い品目に対し「同様の」対抗措置を講じる方針を表明した。
メキシコ経済省は、鉄鋼、豚足や豚肩肉、リンゴ、ブドウ、ブルーベリー、チーズに新関税を導入する意向だと述べた。

ビデガライ外相は、米国の関税措置は「不公正で一方的」としながらも、メキシコはNAFTA再交渉協議を継続するとの姿勢を示した。


EUは速やかに報復措置を取ると表明した。
EUはすでに報復関税の対象製品リストを発表済み。リストには米国産バーボン、クランベリー、ジーンズが含まれている。

EUは3月16日、EUが輸入制限の対象となった場合の対抗措置として、最大25%の報復関税 を課す対象品目リストを公表した。

品目リストの提示は域内企業を対象にしたパブリックコメント(意見公募)が目的で、今後、集まった意見をもとに、最終的な品目リストを絞り込む 。

対象品のリストは10ページにわたり、とうもろこし、コメ、オレンジジュース、バーボンウイスキー、たばこなどの農産品からボート、オートバイやジーパンなどの衣料品、鉄製の家電製品(レンジやヒーター等々)まで様々な品目が並ぶ。

米メディアは与党共和党の有力議員の地元特産品を標的にしたと指摘した。

2018/3/20 EU、米の鉄鋼・アルミ輸入制限への報復関税案を発表 

まず、6月20日にも28億ユーロ規模の輸入品に高関税を課す。さらにWHOが米の輸入制限をルール違反と認定した後に、36億ユーロの品目に関税を課し、最終的に米輸入制限によるEUの損失64億ユーロと同規模にする。

欧州委員会のユンケル委員長はブリュッセルで、「世界貿易にとって不幸な日になった」と発言。「世界貿易において、一国が一方的な措置を導入することは全く受け入れられない」と述べた。


EUは6月1日、世界貿易機関(WTO)に提訴した。 同時に中国による知的財産権の侵害についても提訴した。米中双方への同時提訴は、国際ルールに基づく貿易システムを守るためだとしている。

付記 カナダも6月1日WTOに提訴したと発表した。

付記 メキシコも6月4日、手続きを始めると発表した。

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米国でも経済界や議員の多くが、トランプ政権の関税政策を厳しく批判している。共和党議員の中でも、批判の声が上がっている。

共和党のブレイディ下院歳入委員会委員長は、地元ビジネスに打撃を与えるとして、EU、カナダ、メキシコに対する除外措置を復活させるよう、トランプ政権に呼びかけた。

米アルミニウム協会も、関税は取引国との関係を悪化させるほか、供給超過問題の解決につながらないと、政府決定を批判した。

デンカは5月28日、グループ会社のデンカ生研が、エボラウイルス迅速診断キット(クイックナビ TMシリーズ) 試作品をコンゴ民主共和国の国立生物医学研究所(INRB)へ提供した と発表した。

同社は、昨年の同地域でのエボラ出血熱流行時に、同国保険省のアドバイザーとしてJICAから派遣されている専門家からの要請で この試作品を提供し、拡大防止に貢献した。

今回、エボラウイルス病の流行発表を受け、同国保健省エボラ対策国家調整委員会検査部会が、昨年の成果を踏まえ、JICA 経由で検査キットの提供要請を行い、それを受けてデンカ生研が無償にて実施した。JICAは医療従事者の移動手段としてバイク5台、簡易検査施設の電力供給用に発電機1台を提供した。

コンゴ民主共和国保健省は5月8日,赤道州ボコロ保健圏において,2例のエボラ出血熱が発生したことを発表した。

世界保健機関(WHO)は5月14日、4/4~5/13に報告された感染例を次のとおり発表している。

確定 高い可能性 疑い
ビコロ保健圏 2 20 7
イボコ保健圏 0 3 5
ワンダカ保健圏 0 2 0
合計(うち 死亡 19) 2 25 12


この検査試作キットは、高田礼人教授(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター)とデンカ生研が 、
ザンビアで実施中の地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「アフリカにおけるウィルス性人獣共通感染症の調査研究プロジェクト」の研究成果を活用し、共同で開発したもので、特別な器具や装置無しに約15分で検査結果を判定でき、医療施設が十分に整っていない地域においても迅速な検査が実施できる。

デンカ生研では、インフルエンザ、ノロウイルス、RSウイルスなどの迅速診断キット製品群を有している。

同社はかねてより、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人教授と共同でエボラウイルス迅速診断薬の開発を行っていたが、2015年3月にその試作品開発に成功した 。

デンカ生研が製造・販売を行う感染症迅速診断キット「クイックナビ™」シリーズのプラットフォームをベースとするもので、血清を検体とした測定を行う。

毒性の高いウイルスを扱うことの出来る米国のBSL4施設(Biosafety Level 4)において、エボラウイルスに感染したサルの血清を用いた試験を行い、約15分でエボラウイルス感染の有無が判定できることを確認した。


エボラウイルス感染の判定には、主にELISA法や RT-PCR法などの測定法が使用されているが、これらは特別な装置と長い測定時間を必要とする。

ELISA(Enzyme-linked immuno-sorbent assay)法: 抗原抗体反応を利用して、特定物質を測定する免疫学的測定法

RT-PCR (Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction)= 逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法:

RNA(リボ核酸)から逆転写酵素によってcDNA(相補的デオキシリボ核酸)を合成し、ポリメラーゼ連鎖反応を行うことで、目的の遺伝子を増幅する方法

これに対し、デンカ生研の「クイックナビ™」シリーズが採用するイムノクロマト法は、特別な器具や装置を必要としないため、簡便且つ迅速な検査が可能で、電源などが十分でない地域においても活用が期待される。

クロマト(クロマトグラフィー)は、固定相の一端から多成分試料を移動させ、各成分の固定相に対する吸着や、分配の差異による移動速度の大小によって分離する方法 で、イムノクロマト法は、この原理と抗原抗体反応を組み合わせたもの。検出方法としては、酵素抗体法と凝集法(金コロイドや着色ラテックスなど)がある 。

旭化成

ケミカル事業の営業損益が大きく増加し、増収増益となった。特別損益も黒字であった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2016/3 19,409 1,652 1,614 -150 918 10 10
2017/3 18,830 1,592 1,606 -32 1,150 10 14
2018/3 20,422 1,985 2,125 58 1,702 14 20
前年比 1,592 392 519 90 552 4 6
2019/3予 21,550 1,900 1,990 1,400

34

営業損益は下記の通り。

事業部別 

  16/3 17/3 18/3 増減

内訳

19/3予
数量差 売値差 コスト差
マテリアル ケミカル 609 744 1,001 257 87 550 -379 935
繊維 139 117 121 5 27 16 -38 140
エレクトロニクス 44 25 97 72 49 -25 48 75
住宅 住宅 654 595 602 7 26 23 -42 610
建材 58 45 40 -4 15 -2 -18 45
ヘルスケア 医薬・医療 243 171 197 25 -5 6 24 175
クリティカルケア 119 148 198 50 112 13 -75 200
その他 38 20 19 -1 -1 20
全社 -253 -271 -290 -19 -19 -300
合計 1,652 1,592 1,985 392 311 581 -499 1,900


ケミカル事業は、アクリロニトリル等の交易条件差、数量差で大幅増益となった。

クリティカルケアは2012年に買収した米国の救命救急医療機器大手であるZOLL Medical Corporationだが、毎年増益となっている。
  2013/3 -37億円、2014/3 -35億円、2015/3 41億円、2016/3 119億円、2017/3 148億円、2018/3 198億円

2012/3/19 旭化成、米国ZOLL Medical Corporationを買収 


特別損益は有価証券売却益が大きく(152億円)差引黒字となった。

 

ーーー

三菱ガス化学

営業損益は前年を190億円上回り、当期損益でも126億円の増益となった。大幅増配とし、次期も更に増配する。

特別損益は投資有価証券評価損 83億円を含む。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 持分法 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2016/3 5,935 340 167 454 4 341 8.0 8.0
2017/3 5,565 438 211 624 -13 480 8.0 22.0
(11.0)
2018/3 6,359 627 183 807 -73 605 24.0
(12.0)
35.0
(17.5)
前年比 794 190 -28 183 -60 126 (4.0) (6.5)
2019/3予 6,400 530 750 610 35.0
(17.5)
35.0
(17.5)


三菱ガス化学は海外メタノール事業が持分法であり、営業損益に含まれないため、部門別損益については従来からこれを含む経常損益を発表している。

2015年3月期までは経常損益に占める持分法損益の比重が非常に高かった。その後、 メタノールを主とする天然ガスの利益が減り、この3年間、利益が横ばいであるのに対し、芳香族、機能化学品の利益が急増している。

このうちの持分法

iii
16/3 17/3 18/3 増減 19/3予想
天然ガス系 139 143 149 6 180
芳香族 137 175 251 76 212
機能化学品 156 268 386 118 306
特殊機能材 39 62 63 2 63
その他 3 3 3 -1 0
全社 -19 -27 -46 -18 -11
合計 454 624 807 183 750
天然ガス系化学品 メタノール、アンモニア、アミン系製品、メタクリル酸系製品、多価アルコール類、酵素・補酵素類
芳香族化学品 キシレン異性体及びその誘導品
機能化学品 過酸化水素、電子工業用薬品類、エンジニアリングプラスチックス
特殊機能材 プリント配線板用材料、プリント配線基板、脱酸素剤「エージレスR」
その他 不動産業他

持分法損益は、 天然ガス系(メタノール)で93億円、機能化学品ではエンプラなどで79億円を、特殊機能材で3億円を計上した。

海外メタノールでは、ベネズエラのMETORの税制改正や、サウジのプラントトラブル、ブルネイメタノールの定修などで減少した。

芳香族では、高純度イソフタル酸の市況が大幅に上昇、メタキシレンの休止していた生産装置1系列を2017年3月末に再稼働し、販売数量が増加
メタキシレンジアミンも販売数量増加、販売価格上昇で増益となった。

機能化学品では、半導体向け薬液の販売数量が増加。ポリカーボネートも中国を中心に需要が好調、ビスフェノールAのスプレッドは非常に高い水準で推移。


2017年3月期よりIFRS方式に変更した。

損益は前期を大幅に上回った。

法人税については、米国の連邦法人税率の引き下げで繰延税金負債の取り崩しによる減少があった。

田辺三菱製薬や大陽日酸のような高収益子会社の持ち株比率が50%台に止まるため、少数株主帰属損益が大きい。

年間で12円の増配とした。

営業損益のうち、コアに含まれない非経常的損益は下記の通り。(億円)

2016/3 2017/3 2018/3
減損損失 -136 -150 -97
固定資産売却損益 21 -20 -19
関係会社株式売却 3 -10 37
過去勤務費用 -8 -50
子会社統合費用 -10 -38
特別退職金 -155 -25 -24
環境対策費 -68 -10
その他 -50 -98 -47
合計 -317 -389 -248

 
営業損益は下記の通り。2016/3からはコア営業利益で、これまで営業外損益扱いで除外されていた持分法損益等を含む。

2017年4月に三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンを統合し、三菱ケミカルにしたのに伴い、2018年3月期のセグメントを変更した。

MMA部門の営業利益の伸びが大きい。特にモノマーの市況が上昇した。MMAのコア営業利益は1096億円となり、前年を717億円上回り、 これは全社の増益額とほぼ同じである。

MMA部門の営業利益が大き過ぎ、将来、状況が変われば、影響は大きい。
1990年の三菱油化のスチレンモノマーの利益は200億円とも300億円とも言われた。翌年にはバブルがはじけ、これがほぼゼロとなり、同社の損益悪化が三菱化成との統合に至った。

旧三菱レイヨンのMMA部門と、田辺三菱製薬、大陽日酸のコア営業利益を加えると2,481億円となり、全体の65%を占める。

IFRS コア営業損益対比(億円)    
  2017/3 2018/3 前年比 増減内訳 2019/3
予想
売買差 数量差 コスト
削減
機能部材 623 580 -43 -141 133 99 -93 625
機能化学 319 360 41 325
MMA 379 1,096 717 646 100 50 57 910
石化 209 259 50 230
炭素 38 124 86 165
産業ガス 521 575 54 -9 45 16 2 615
ヘルスケア 984 812 -172 -2 40 25 -235 730
その他 2 -1 -3 0 -8 2 3 -50
合計 3,075 3,805 730 494 310 192 -266 3,550

     その他差には、受払差・持分法投資損益差等の金額が含まれる。


田辺三菱製薬の実績は以下の通り。
2017年度よりIFRSを適用。(三菱ケミカルHDの出資比率は56.3%)

単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 コア営業利益 税引前損益 株主帰属損益   配当
中間 期末
2016/3 4,258 818 1,070 833 593 22 24
2017/3 4,240 941 945 961 713 24 28
2018/3 4,339 773 785 788 580 38 28
前年比 99 -168 -160 -173 -133 14 0
2019/3 4,350 670 700 675 470 28 28

コア営業利益は、後期開発へのステージアップやNeuroDerm社の買収などによる研究開発費の増加により減益となった。

2017/7/27 田辺三菱製薬、イスラエルの医薬品企業 NeuroDermを買収


2014年下期から連結対象とした大陽日酸の業績は下記の通り。 
2017年3月期よりIFRSを適用(2016/3もこれに組換え)。(三菱ケミカルHDの出資比率は50.7%) 

単位:億円 (配当:円)

売上高 営業損益 コア営業利益 税引前損益 株主帰属損益   配当
中間 期末
2016/3 5,944 489 475 466 290 7 9
2017/3 5,816 537 547 502 347 9 11
2018/3 6,462 599 600 559 489 11 12
前年比 646 62 53 57 142 2 1
2019/3 6,700 645 640 600 400 12 12

富士フィルムは5月14日、大正製薬から7月31日に富山化学株式34%を取得して富山化学を完全子会社化すること、放射性医薬品の富士フイルムRIファーマと富山化学を10月1日付で統合し、富士フイルム富山化学としてスタートさせることを発表した。

同社は現在、富山化学の低分子医薬品、富士フイルムRIファーマの放射性診断薬・治療薬を中核として医薬品事業を展開している。

昨今、アンメットメディカルニーズへの対応がますます求められるとともに、治療の適正化に貢献する診断の重要性が高まっている中、富山化学と富士フイルム RI ファーマを統合して、診断薬・治療薬の新薬開発のスピードアップ、さらには「診断」と「治療」の連携強化をより一層図る。

付記

富士フィルムは7月27日、ジェネリック医薬品を中心に事業活動を行ってき富士フイルムファーマを2019年3月31日付で解散すると発表した。

製薬業界を取り巻く環境が急激に変化しており、現在の事業活動では安定的な収益を将来にわたって確保することが困難であると判断した。

富山化学:

富士フイルム、大正製薬、富山化学工業の3社は2008年2月13日、富山化学の医療用医薬品事業の強化を中心とする戦略的資本・業務提携を行うことで基本合意したと発表した。

下記の手順により、富山化学株式の最終的な保有比率は富士フイルム 66%、大正製薬 34%となった。今回、富士フィルム100%とする。

2008/2/19 富士フイルム、富山化学を買収、総合ヘルスケア企業を目指す

富山化学は抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠200mg」(Favipiravir) を開発した。

アビガンは、ウイルスの細胞内での遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐRNAポリメラーゼ阻害剤である。

富士フイルムは2014年9月26日、グループの富山化学が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン® 錠200mg」が、エボラ出血熱に罹患した患者の治療のため、フランスの病院で投与されたと発表した。

2014/9/27 富士フィルム、エボラ出血熱患者に「アビガン」提供 

富士フイルムRI ファーマ:

富士フイルムRI ファーマは治療用放射性医薬品メーカーで、旧称 第一ラジオアイソトープ研究所。

1968年に第一製薬とMallinckrodt とのJVで設立、1988年に第一製薬の100%子会社となり、2006年10月に富士フィルムが買収した。

富士フイルムRI ファーマは2014年10月14日、大手製薬企業のEli Lilly and Companyとの間で、同社のPET検査用放射性医薬品「florbetapir(18F)注射液)」の日本国内における共同開発契約を締結した。

同年11月4日、脳疾患や心臓疾患、腫瘍などの各種疾病の機能診断に役立つPET(陽電子放射断層撮影)検査用の放射性医薬品市場に参入すると発表した。富士フイルムRI ファーマが約60億円を投資し、川崎と茨木に研究開発拠点を新設する。

2014/11/18 富士フイルム、PET検査用の放射性医薬品市場に参入  


富士フイルムは、写真フィルムで培った、化合物の合成力・設計力や解析技術、ナノ分散技術などの高度な技術を活かして新薬の研究などを行う。

統合会社となる富士フイルム富山化学は、富士フィルムと連携し、アンメットメディカルニーズが高い「がん」「中枢神経疾患」「感染症」領域において、新規の放射性診断薬・治療薬、独自の作用メカニズムを持った治療薬の開発を行う。

さらに、必要な量の薬物を必要な部位に必要なタイミングに送達するドラッグ・デリバリー・システム(DDS)のさらなる技術開発も推進し、下記の技術を、既存薬のみならず、次世代医薬品として期待されている核酸医薬品や遺伝子治療薬へ応用展開していく。

リポソーム製剤技術:細胞膜や生体膜の構成成分である有機物のリン脂質などをカプセル状にした微粒子 (リポソーム)の中に薬物を内包する製剤技術
マイクロニードルアレイ:100~2000 ミクロンの長さの微細な突起をシート上に配した薬剤送達部材で、皮膚表面に貼ることで、 突起部分から薬剤を皮膚に浸透させ、体内に届けることができるもの


第一期計画は次の通り。

2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2


米国の物言う株主の投資会社 Elliott Managementは、2015年の Samsung Groupの第一毛織とサムスン物産の合併を巡り、米韓自由貿易協定(FTA)の「ISDS(投資家と国家の紛争解決)」条項に基づいて韓国政府に6億7000万ドルの損害賠償を要求した。

韓国法務省が5月11日、Elliott から受け取った仲裁意向書を公開した。FTAのISDS条項を根拠に企業が韓国政府に賠償を求めた初のケースになる。

付記

米国のヘッジファンドのMason Capital Management は6月8日、韓国政府に仲裁意向書を提出した。当時Samsung C&Tに2.2%出資しており、合併に反対した。175百万ドルの賠償を要求。

付記

韓国法務部は7月13日、Elliott ManagementがISDS仲裁申請書を前日に提出した、と明らかにした。韓国政府に7億7000万ドル(仲裁意向書より1億ドル増)を被害補償額として請求した。政府関係者の不当な決定でサムスン物産の株価が下落し、7億7000万ドル以上の損害が発生したと主張した。仲裁地を英国と提案した。

Elliotが問題視するのは、2015年にSamsung Groupの第一毛織とサムスン物産が合併を決めた臨時株主総会で、当時、サムスン物産株を7%強保有していた Elliottは反対したが、韓国政府傘下の国民年金公団が賛成するなどし、合併は承認された。

第一毛織とサムスン物産(Samsung C&T) の合併は2015年7月18日の臨時株主総会で承認を受け、9月1日に新しいサムスン物産(Samsung C&T) となった。

新しいSamsung C&T は李一族のSamsungグループ支配構造の事実上の持ち株会社となる。

2014/12/2 Samsung Group の持株会社 第一毛織の上場 付記参照

2017/12/26 韓国公取委、2年前のたサムスン物産と第一毛織合併での株式売却命令を遡及修正

朴槿恵前大統領とその友人の国政介入事件の裁判で、国民年金が第一毛織とサムスン物産の合併の賛成を決めたのは、サムスンから朴槿恵前大統領への賄賂の効果であると認定された。

韓国の前大統領、朴槿恵被告側への贈賄罪などに問われた国政介入事件で、ソウル中央地裁は2017年8月25日、サムスングループを事実上率いる李在鎔・サムスン電子副会長に懲役5年(求刑12年)の判決を言い渡した。贈賄や横領など問われた罪のすべてを有罪とした。

李在鎔副会長の主要容疑は賄賂供与など5つ。

特検チームはこうした支援が2015年7月に朴大統領が保健福祉部傘下の国民年金公団を通じサムスン物産と第一毛織の合併を助けたことに対する答礼だとみており、これらの資金協力が李副会長の指示もしくは了解のもと実行されたとし、副会長に崔被告側への贈賄罪が成立すると判断した。

2017/8/28 サムスン電子副会長に実刑判決、ソウル地裁

Elliotは、合併の成立は不当であり「6億7000万ドル以上の被害を受けた」として、仲裁裁判所を通じて韓国政府に賠償を求める考えを明かした。

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ISDS(Investor‐State Dispute Settlement)条項は、企業が進出先の政府から不公平な待遇を受けたり、財産を不当に収用されたりした場合に、仲裁を申し立てることができる仕組み。

韓国法務省によると、FTAを巡っては初のケースだが、同国政府が国家間の投資協定を根拠に企業から賠償請求を受けるのは5件目となる。

米国系ファンドの現代グロービスUAEのInternational Petroleum Investment Co (IPIC) のオランダ法人 Hanocal BV、イランのEntekhab Industrial Group、と他に1件(不明)。

2015/9/25 韓国にイラン企業から3番目のISD提起

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韓国の財閥は複雑な資本関係を改善するグループ改編の途上にあり、改編計画が創業家に有利な条件で立てられているとの批判がつきまとう。

Elliottは5月11日、現代自動車グループの再編について5月29日に予定する臨時株主総会で、反対票を投じる意向を表明した。
Elliott は、現代自動車と起亜自動車、現代モービスというグループ3社の株式を合わせて10億ドル余り保有していること、普通株の保有比率は3社それぞれで1.5%を超えることを明らかにしている。

現代自動車グループは未来事業の競争力を強化し、循環出資など政府の規制を解消するための出資構造の再編に乗り出した。
グループの財源と資源を効率的に配分し、各グループ社の事業力量と独立性ㆍ自律性を向上し、同時に大株主の責任経営を強化するためとしている。

現代モービスと現代グロービスの分割合併、循環出資の完全解消などで行われる。

現代モービスは、投資や重要部品の事業部門と、モジュール及びAfter Service 部品事業部門を人的分割する。
モジュール及びAS部品事業部門を現代グロービスと合併する。

これに対し、Elliottは、同グループの再編計画は一部の株主を不当に扱っており、事業上の論理的な考え方が欠けていると主張する。
現代モービスの一部事業を現代グロービスに移すのではなく、現代自動車と現代モービスを合併させ、グループ全体を統括する持ち株会社を創設するよう提案している。

グループ内の12兆ウォン(約1兆2100億円)を超える余剰資金を株主に還元し、配当を引き上げ、自社株の消却をすべきだと求めたほか、ガバナンス改善のため新たな外部取締役の起用を増やすよう各社に促した。

現代自動車と現代モービスが合併すれば、資産規模で世界7位の自動車会社になるとする。



Xeroxは5月13日、富士フィルムホールディングスによる買収契約を終了すると発表した。

買収に反対する大株主のCarl Icahn、Darwin Deason と5月1日に和解し、5月3日に撤回、5月9日に株主宛ての書簡で富士フィルムと再交渉するとしていたが、株主側と再度和解し、買収契約自体を終了させた。

2018/5/2 Xerox、富士フィルムとの統合見直し、株主のCarl Icahn、Darwin Deason と和解 

2018/5/4 Xerox、株主との和解を撤回、現取締役会メンバー全員が留任 

2018/5/11 Xerox、富士フィルムと条件面で再交渉へ

Xerox によると、現地時間 5月13日午後5時(日本時間14日午前6時)に富士フィルムに契約終了を通知した。理由としては、①富士ゼロックスの監査済決算を4月15日までに提出しなかったこと、②監査済の財務数字が契約締結前にもらっていた監査前の財務数字と著しく違っていること、③その後の事態の変化で契約の実行が難しくなったことを勘案したとしている。

1月22日、Carl IcahnとDarwin Deasonはゼロックスに関する共同声明を発表したが、そのなかで、今回の富士ゼロックスの経理スキャンダルに鑑み、JVを解消するか、ゼロックスに有利なように改定すべきであるとしていた。

富士ゼロックスの財務スキャンダルはXeroxの他の株主の間でも問題になっていた。

富士フィルムへの通知後、大株主のCarl Icahn、Darwin Deasonと新しい和解契約を結んだ。これにより、株主総会での委任状争奪戦、および、Darwin Deasonによる会社及び取締役に対する訴訟を回避する。

株主側の和解内容は次の通りで、Robert J. Keegan 会長、Jeff Jacobson CEO と取締役5名が退任し、株主側推薦の5名が次の総会後に取締役に就任する。

新しい会長にはIcahn Enterprises L.P. のCEOの Keith Cozza が就任する。
副会長兼CEOには
Giovanni ("John") Visentinが就任する。同氏はExela Technologies のSenior Advisor to the Chairman で、また Advent InternationalのOperating Partner であった。

付記 

Xeroxは5月16日、Keith Cozza 会長、John Visentin CEOの就任を発表した。(取締役就任は株主総会後)
株主総会は7月31日に決まった。

買収合意撤回についてのSECへの提出資料では、株主への特別配当を5割積み増すよう富士フィルムに求めたが、回答がなかったという。

ーーー

今回合意 5/1 合意
新取締役
(株主推薦)
5名
Keith Cozza, Nicholas Graziano,
Scott Letier、John Visentin
Jonathan Christodoro
6名
Keith Cozza, Nicholas Graziano,
Scott Letier, John Visentin
Jay Firestone, Randolph Read
退任取締役 6名
Jeff Jacobson
Robert J. Keegan, Charles Prince,
Ann N. Reese, William Curt Hunter,
Stephen H. Rusckowski
7名
Jeff Jacobson
Robert J. Keegan, Charles Prince,
Ann N. Reese, William Curt Hunter,
Stephen H. Rusckowski、
Sara Martinez Tucker
留任取締役 4名
Gregory Brown, Joseph Echevarria,
Cheryl Krongard
Sara Martinez Tucker
3名
Gregory Brown, Joseph Echevarria
Cheryl Krongard
会長 退任 Robert J. Keegan
就任 Keith Cozza
退任 Robert J. Keegan
就任 Keith Cozza
CEO 退任 Jeff Jacobson
就任 John Visentin(副会長兼務)
退任 Jeff Jacobson
就任 John Visentin
(副会長兼務)

当初、株主側は取締役全員の候補を立てるとしていたが、今回就任の5名以外は引き下げる。なお、会社側は取締役候補の推薦期限を2017年12月11日としていたが、2018年6月13日までは受け付ける。
6月13日に予定されていた株主総会はそれ以降となる。

現在の取締役会は、次の通りコメントした。

過去数週間にわたり、富士フィルムに対し、直ちに契約変更の交渉に入るよう求めてきたが、富士フィルムはこれに応じなかった。

取締役会としては、裁判所の差し止め命令、株主が現在の条件での契約を支持していないこと、富士ゼロックスの経理スキャンダルが解決していないことなどの状況下で、取引の完了が見込めないと考える。

また、委任状争奪戦で混乱し、事業にも悪影響を与えることを懸念した。富士フィルムとの間で早期に取引が完了しないことから、富士フィルムとの取引を終了し、株主二人と和解するのが会社にとってベストと考える。

和解契約のもとで、新取締役会はXeroxの株主にとっての価値を最大限にするための代替案の検討に着手する。



付記 富士ゼロックスの経理スキャンダル

富士フィルムHDは2017年6月12日、傘下の富士ゼロックスの販売子会社で起きた不適切な会計処理を受けて375億円の損失が発生し、抜本的な対策のため富士ゼロックス会長に古森重隆会長が就くと発表した。

調査報告書によると、不適切会計の主な舞台となったのは富士ゼロックスのニュージーランドの販売子会社。中堅幹部であるマネージングディレクターが中心となって、複写機などのリース契約で問題のある取引を繰り返していた。

例えば、(1)顧客との契約時におけるサービス利用想定量を過大に計上した (2)リース契約期間満了前に契約を更新し、その際に過去の売り上げを取り消さずに、新たな売り上げを計上した (3)リース契約獲得のための販促費用相当額を売り上げに加算し、同額をリース債権に計上した、といった不適切な取引を行っていたという。

第三者委員会は理由として、過大なインセンティブ報酬の存在を指摘する。現地従業員の固定給を低く抑える代わりに、売り上げ目標を達成したときの「ボーナス」を大盤振る舞いする報酬体系だったという。

2015年7月、ニュージーランド販社が不適切な取引を行っているとの内容の告発メールが、富士ゼロックスに届くが、幹部は実質的な問題先送りを指示した。

2016年9月にニュージーランドの複数の報道機関が損失発生の事実を指摘。続報で「不正な売上計上の可能性」を報じ、同国の警察省の重大不正捜査局が捜査を始めた。

不適切な会計処理を回避できなかった原因として、調査報告書は「売上プレッシャー」の存在を指摘する。複数のインタビュー対象者から、本社からの業績達成圧力が非常に強いとの証言を得たとしている。

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