「no」と一致するもの

沖縄市諸見里にある市サッカー場で6月13日、ドラム缶15本ほどが見つかったが、このドラム缶にDow Chemicalの社名が記載されていた。

Dowはベトナム戦争当時に米軍が散布したダイオキシンを含む枯れ葉剤 Agent Orange を供給した企業であることから、枯れ葉剤が県内で貯蔵されていたことを示すものである可能性が出てきた。

ドラム缶に内容物は見当たらないが、石油系燃料の異臭を放っている。
ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤は、散布しやすくするため、液体のディーゼルなどの燃料と混ぜて使用されていた事実がある。

小野寺防衛相は6月24日、ドラム缶の中身の調査を実施する考えを示した。「今週中に(調査の)契約を結ぶ。問題があれば最後まで責任をもって対応する」と述べた。
 
7月2日の調査では発見地点の残土やドラム缶から試料を採った。ダイオキシン類や農薬が残留しているかどうか、1カ月ほどかけて調べる。

Dow ChemicalではAgent Orange の缶ではないとするが、古い話で情報不足のため、ドラム缶の中味が何であるかは分からないとしている。

現地は嘉手納基地に隣接しており、1987年に返還された。
この周辺はゴミ捨て場になったが、沖縄市は1996年に2箇所の土質調査のみでサッカー場用に造成した。

今回、芝を人工芝に張り替える工事に取り掛かり、地下に排水管等を敷設する必要が生じ、50センチほど掘った時、ドラム缶が出て来た。


ベトナム戦争時に米軍はベトコンの隠れ場となる森林の枯死と、ゲリラ支配地域の農業基盤である耕作地域の破壊を目的に大量の除草剤を散布した。

オレンジ、ホワイト、ブルーの3種類の除草剤(Agent)が用いらた。総称して虹枯葉剤と呼ばれる。
Agent Orangeは2,4-D と2,4,5-Tの50/50混合物、Agent Whiteは2,4-D
Picloram4:1の混合物で、Agent Blueはカコジル酸を元にしたもので植物の脱水化を図る。

このうち特に大量に使用されたのがAgent Orangeで、Defence Production Actに基づき、Dow Chemical、Monsanto、Hercules、Diamond Shamrock、Uniroyal、Thompson Chemicals、T-H Agricultural & Nutrition が製造した。

Agent Orangeにはダイオキシン類が含まれており、動物実験では催奇形性が確認されている。
 
ベトナムの枯葉剤散布地区では、散布前と比べ流産が2.22.7倍に、奇形は約13倍になっている。

ーーー

 

米国はこれまで、沖縄に枯葉剤が保管されたことはないとしてきた。

 

しかし、本土復帰前の沖縄に持ち込まれていたことが、住民や米軍関係者の証言で明らかになっている。


琉球朝日放送は1月14日、
ベトナム戦争当時枯れ葉剤が嘉手納のアメリカ軍施設に保管されていたことを示す公文書がアメリカ陸軍への情報公開請求で見つか ったと報じた。

1971年に作成された国防総省の文書で、太平洋軍司令部の管内で枯れ葉剤が備蓄されている場所として「タイ、そして沖縄・嘉手納」の名前が明記されている。

2012年には復帰直前にアメリカ空軍が沖縄にあった25千本の枯れ葉剤のドラム缶を南太平洋のジョンストン島に運んだという公文書が見つかってい るが、米政府は沖縄に枯れ葉剤があったことを否定し続けている。


付記

沖縄市は7月31日、市独自の調査を発表した。

ドラム缶の周辺液体や付着物から水質基準値の280倍、土壌基準値の8.4倍のダイオキシン類が検出された。
Agent orange の主要成分 2,4,5,T はドラム缶22検体中18検体で検出されたが、同様に主要成分の2,4-Dは全検体で検出されなかった。
一部検体でPCBやヒ素も検出された。

Agent Orangeは2,4-D と2,4,5-Tの50/50混合物。

調査結果の最高値
採取物 項目 検出値 環境基準値
ドラム缶付着物 ダイオキシン類 8400pg-TEQ/g 土壌参考 1000pg-TEQ/g 以下
ドラム缶周辺の液体 同上 280pg-TEQ/L 水質参考 1pg-TEQ/L 以下
ドラム缶付着物 PCB 3.2mg/kg 0.5mg/kg 以下
ドラム缶埋設地の土壌 フッ素 5.5mg/L 0.8mg/L 以下

 

中国農業部は6月14日、数日前に3種類の遺伝子組み換え大豆の輸入安全証書を発行したことを発表した。
中国政府がアルゼンチンとブラジル産の遺伝子組み換え作物の輸入を許可したという報道に続くもの。

農業部の発表では、承認を受けたのは:
 CV127   BASF開発    イミダゾリノン系除草剤耐性 大豆
 MON 87701   Monsanto開発    チョウ目害虫耐性大豆
   MON 87701 x MON 89788
     (INTACTA RR2 PRO)
  Monsanto開発    上記と、除草剤グリホサート(Roundup)耐性ダイズの掛け合わせ


この発表はアルゼンチンとブラジルの発表と一部異なっている。
MON 87701の代わりに
Bayer CropScienceが開発した除草剤グリホシネート耐性Liberty Linkが入っており、アルゼンチンの場合はコーンも入っている。

アルゼンチンの農業大臣は6月8日、中国の農業部長(大臣)と北京で会談後、中国が新たに3種の遺伝子組み換え大豆と1種のコーンの輸入を承認したと発表した。

対象:CV127、PR2 PRO、Liberty Linkの各大豆と、1161という名前のコーン

ブラジル農業省は6月10日、中国がブラジルの3種の遺伝子組み換え大豆の輸入を認めたと発表した。
両国の農業大臣は北京で開催されている中国ーラテンアメリカ・カリブ海農業大臣フォーラムに出席していた。

対象:CV127、RR2 PRO、Liberty Link の各大豆

中国農業部によると、中国では既に下記の5種の遺伝子組み換え大豆の輸入が認められている。

GTS40-3-2  〔モンサント〕  除草剤Roundup 耐性 Roundup Ready 
MON89788  〔モンサント〕
  除草剤グリホサート(Roundup)耐性
A2704-12   〔Aventis Crop Science〕 除草剤グルホシネート耐性
356043  〔
DuPont-Pioneer ] 除草剤グリホサート及びアセト乳酸合成酵素阻害剤耐性
305423  〔DuPont-Pioneer ] 高オレイン酸含有

ーーー

農林水産省のレポート「中国における遺伝子組換え作物の導入と今後の見通し」によると、中国では非食糧では既に、トマト、綿花、ペチュニア、ピーマン、ポプラ、パパイヤなどの遺伝子組み換え作物の栽培が承認されている。

このうち、綿花については1998年に中国と米国(Monsantoの抗虫綿花MON531/757/1076)がそれぞれ開発した遺伝子組換え抗虫綿花の商業化生産を許可し、河北省などで試験栽培が始まった。

遺伝子組み換え抗虫綿花の栽培面積推移は下記の通りで、全体の80%近くにも達している。

栽培用ではなく、生産加工用としては、トウモロコシ、綿花、大豆、ナタネでの輸入が承認されている。

食糧作物では2009年に、10年を超える研究開発と試験段階を経て安全性評価の審査を通過した2種類の遺伝子組換え稲と1種類の遺伝子組換えトウモロコシが「農業遺伝子組換え生物安全証書」を取得した。
引き続き、商業栽培の審査プロセスに入っている。

抗虫稲「華恢1号」:華中農業大学
抗虫稲「Bt 汕優 63」:同上 (上記「華恢1号」と一般の「珍汕97A」を交雑したもの)
トウモロコシ「BVLA430101」:中国農業科学院生物研究所 フィターゼ挿入

フィターゼはフィチン酸からリン酸を切り離す酵素群。
豚、鶏ではフィターゼ産生菌をほとんどもたないため、植物性飼料原料に多く含まれているフィチン態リンを消化・吸収することができず、消化・吸収できなかったフィチン酸は、糞中に排泄され、環境汚染の原因となる。
フィターゼ挿入でフィチン酸のリン酸を切り離し、体内で吸収させ、排出させない。


中国需要の減で鉄鉱石の価格が低迷するなか、豪州の鉄鉱山開発を巡り、日本企業で2つの異なる動きがあった。

1)伊藤忠と三井物産、ジンブルバー鉄鉱山の新規権益取得

伊藤忠商事と三井物産は6月21日、BHP Billitonの鉄鉱石事業の一部で、西豪州Pilbara地区のJimblebar 鉄鉱山を開発しているBHP Iron Ore Jimblebarの株式を一部取得する契約を締結した。

取得後の権益比率は伊藤忠商事8%、三井物産7%、BHP Billiton 85%となる。
取得総額は伊藤忠商事が約8億米ドル、三井物産が約7億米ドルで、両社はJimblebar 鉄鉱山に関連し今後発生する開発費用も、持分権益比率に応じ負担する。

Jimblebar 鉄鉱山は西豪州Pilbara地域のNewmanより東41km地点に位置し、年産35百万トン(100%ベース)体制に向け現在開発中 。

ーーー

両社とBHP Billitonは同じPilbara地区の
Mt Newman、Yandi、Mt. Goldsworthy の3つの鉄鉱石・鉄道・港湾JVを運営している。
このうち、Mount GoldsworthyはYarrie Nimingarra 地区とNewmanの北西のC地区に分かれている。

3社の持分は、今回のJVと同じく、BHP Billiton 85%、伊藤忠商事 8%、三井物産 7%となっている。

これら3つのJVの2012年度の出荷量は約180百万トンで、中国向けを中心に輸出している。

開発中の上記のJimblebar鉄鉱山(35百万トン)を含め、年間出荷量220百万トン体制へ向け、拡張を進めている。

ーーー

両社とBHP Billitonはこれまで、西豪州鉄鉱石事業の出荷能力拡張に向け、段階的な拡張計画(Rapid Growth Projects)を推進してきた。

2007年にはPort Headlandで行っていた最終処理プロセスをMt. Newman 鉱山に移設する工事や、鉄道と港湾の拡張を行った。

2010年には19.3億米ドルの先行投資を行い、鉄道・港湾、並びにJimblebar 鉱山(BHP Billiton 100%)の開発推進のため、資機材の調達や、鉄道複線化・港湾拡張工事のエンジニアリングを実施。

2011年には74億米ドルを投じ、港湾での鉱石ブレンディング用設備を新設、年間出荷能力を220百万トン超とした。

2012年には9.17億米ドルを投じて、Port Headlandの外洋に鉄鉱石出荷設備、内陸にストックヤード及び鉄道支線等の鉄鉱石供給設備を新設して年間100百万トンの港湾出荷能力を追加する計画の先行投資を決めた。

ーーー

足元の鉄鉱石需要は低迷し、アジア向けの豪州産スポット(随時契約)価格はピーク時に比べると4割程度安いが、両社は中長期でみれば需要は回復すると判断している。

両社は中長期的に見込まれる鉄鉱石の世界的な需要増に対応する為、今回の権益取得により、西豪州鉄鉱石事業の供給能力を更に拡充する。

なお、BHP Billitonは2004年にJimblebar鉱山の一部のWheelarra鉱区を中国の製鉄会社4社とのJVにサブリースした。
JVはWheelarra JV で、近隣のMt. Newman に出資する伊藤忠と三井物産も参加した。

 出資
  中国4社(武漢鋼鉄、馬鞍山鋼鐵、江蘇沙鋼集団、唐山鋼鉄集団)40% 
  
BHP Billiton  51%
  伊藤忠         4.8%
       三井物産         4.2%

Wheelarra JVは中国4社に25年間にわたり年間約12百万トンのMt. Newman鉄鉱石を供給する。
BHP Billitonはこれに加え、追加で10年間にわたり12百万トンの
C地区のMarra Mamba 鉄鉱石を供給する契約も締結した。


2)三菱商事、豪西部の鉄鉱山開発 を延期

豪州紙は6月17日、三菱商事が子会社Crosslands Resourcesの西豪州のJack Hills鉄鉱山開発とOakajee港湾・鉄道プロジェクトの作業を正式に延期したと報じた。

昨年11月には、コスト削減と縮小改編を発表していたが、JVパートナーが見つからず、今回の決定となった。

このプロジェクトは、Jack Hills鉱山の37億豪ドル規模での拡張と、Oakajeeでの港湾・鉄道インフラ整備の59億豪ドル規模の事業で合計96億豪ドルの予定であったが、Crosslands ResourcesのCEOは現状では100億豪ドルを超えるとし、パートナーの支援が必要としている。

三菱商事では、鉄鉱石の価格が下がっているため、現状では採算が合わないと判断した。

ーーー

三菱商事は2007年6月、豪州のMurchison Metalsと50/50JVで鉄鉱山拡張と輸送インフラの建設を行うことを決めた。
鉄鉱山開発のCrosslands Resources、これに関連する鉄道・港湾インフラ事業体のOakajee Port and Railを設立した。

Murchison Metalsには韓国のPoscoが14%出資している。

Jack Hills鉄鉱山では年産150万トン程度の小規模な試験操業が2006年末から開始されていたが、2011年頃に年産2,600万トン規模に拡張し、約420kmの鉄道を敷設、Geralton北方23kmにOakajee港を建設する計画であった。
当時は総事業費を30億豪ドルとみていた。

鉄鉱山の拡張には港湾・鉄道プロジェクトがキイとなるが、その後、建設予算は急騰、Murchison Metalsの資金繰りが難航したことから、同プロジェクトは保留状態が続いていた。

このため、三菱商事は2011年11月にMurchison Metalsの権益を3.25億豪ドル(約250億円)で買収し、100%子会社とした。

三菱商事はこの6 - 12カ月の間に提携先を求める意向で、候補とし中国の中鋼集団(SinoSteel)、宝山鋼鉄、鞍山鋼鉄集団、韓国のPoscoなどが挙がっていたが、いずれもまとまらなかった。

ーーー

西豪州での日本企業の鉄鉱山開発計画は以下の通り。

西豪州 Pilbara
  Robe River 鉱山
  
West Angelas鉱山
Robe River 三井物産   33%
新日鉄     10.5%
住友金属工業 3.5%
Rio Tinto 53%
西豪州 Pilbara
  Mt Newman
  Yandi
  Goldsworthy
   +
Jimblebar
BHP Billiton J/V 伊藤忠   8%
三井物産 7%
BHP Billiton 85%
西豪州中西部
  
Jack Hills 鉱山
Crosslands Resources 三菱デベロップメント
(三菱商事)
50%
Murchison Metals Ltd
 50%
三菱デベロップメント 100%
西豪州 Pilbara
  Beasley River 鉱山
Beasley River JV Beasley River
 Iron Associates 47%
新日鉄  60%
三井物産  20%
住友金属工業  20%
Hamersley Iron 53%
(Rio Tinto group)



Michelin とインドネシアのChandra Asri は6月17日、インドネシアに合成ゴム製造JVを設立する契約に調印した。

設立するJV(名称未定)はMichelin が55%、Chandra Asriの100%子会社のPT Petrokimia Butadiene Indonesia (PBI)が45%出資する。
投資額は435百万ドルで、工場建設は2015年初めに開始、2017年初めのスタートアップを目指す。

生産品目は明らかにしていないが、Michelin は、新興国での自動車産業の高成長とグローバルな高機能タイヤ(安全で長持ちし、燃料効率がよい)への傾向で、より技術的な合成ゴムの需要が増えているとしており、溶液重合SBRなどではないかと思われる。

Petrokimia Butadiene はインドネシア初のブタジエン工場をジャワ島西部 Cilegon Chandraのコンプレックスに隣接して建設 している。
能力は年産
10万トンで、本年7月の商業生産開始を目指している。
原料のC4はChandraのナフサクラッカー(エチレン 60万トン)から供給を受ける。

2011/6/8  Chandra Asri の増設計画

Michelin はアジア市場でのタイヤ生産を増やすことを計画している。

インドネシアではタイヤメーカーのPT Gajah Tunggalに10%出資しており、乗用車用タイヤの製造に焦点を当てた協力協定を2004年に締結している。

ーーー

Chandra Asri は当初、Barito group75%日本インドネシア石油化学投資(丸85%、昭和電工 10%TEC 5%)が25%出資して設立され、1995年に生産を開始したが、2005年に日本側は撤退した。

2006/4/26    インドネシアのエチレン計画への日本企業の参加-1

その後、株主が次々に代わった。

PT Chandra Asri2007年に豊田通商からスチレンモノマー製造・販売の PT.Styrindo Mono Indonesia を買収し、2011年11日付でPPメーカーの PT Tri Polyta Indonesiaを統合し、新社名PT. Chandra Asri Petrochemical Tbk.として上場した。

タイのSiam Cement Group は2011年9月、Chandra Asriの株式30%を取得、経営に参画した。
シンガポールのTemasekから23%、Baritoから残り7%を買収した。

Barito Pacific    59.35%    当初の株主
Temasek Holdings      シンガポールの政府系投資機関
Siam Cement Group   30.06%    
Marigold Resources   5.52%    
一般株主   5.07%    (上場)

現在の同社の能力は以下の通り。

  能力
 千トン
系列 スタート 技術
ナフサクラッカー   1 1995 Lummus
 Ethylene 600
 Propylene 320
 Crude C4 220
 Py-gas 280
LLDPE 200 1 1995 Union Carbide
HDPE 120 1 1995 昭和電工
PP
(旧
Tri Polyta )
480 2 1992 Union Carbide
1 1995
SM
(Styrindo Mono)
340 1 1992 Lummus
1 1999
Butadien
(Petrokimia Butadiene )
100 1 2013  


 

昨日の記事「Rosneft とExxonMobil、戦略的協力関係を促進」で、
・RosneftとExxonMobilが
ロシア極東でのLNGプラント建設について、2013年末までに 細目を決定する
Rosneft がこれにサハリン石油ガス開発(SODECO;石油公団・伊藤忠・丸紅等のJV)やインドのONGC Videshを参加させる可能性がある
Rosneft が丸紅及び
サハリン石油ガス開発(SODECO)との間でLNG供給の覚書(Heads on Agreement)に調印した
ことを報告した。
プラントはサハリン1に建設する見込み。

現在のロシアの法律では、Gazpromのみが天然ガス、LNGを輸出する権利を持っている。

しかし、プーチン大統領は「ロシアが世界のLNG供給で3.6%しか占めていない」とGazpromに対する不満を示しており、2月13日、LNG輸出の段階的な自由化を検討するよう政府に指示した。

今回のRosneft のLNG供給の覚書締結はこれに基づくもの。

これに対し、GazpromもウラジオストクでのLNGプラント建設を計画している。

伊藤忠商事、石油資源開発(JAPEX)、丸紅、国際石油開発帝石(INPEX)及び伊藤忠石油開発が出資する極東ロシアガス事業調査㈱ とロシア国営ガス会社の Gazpromは6月22日、ウラジオストクにおけるLNGプロジェクトに関するMOUに調印した。

極東ガスは、2011年から2012年の間、Gazpromとの間で、ウラジオストク市周辺におけるLNGプロジェクトの共同事業化調査を実施致した。
この結果を受け、共同事業会社の設立に向けた協議を行い、並行して日本での共同マーケティング活動を実施することにつき基本合意した。

2030年に年産500万トンの第1プラントを、2032年に第2プラントを建設し、将来は年産1500万トン態勢とする計画。
LNG生産のためのガス田は、サハリン3のキリンスキー鉱区を想定している。

資源エネルギー庁とGazpromは2011年1月17日、ロシア東部での協力推進に関する合意文書に調印したと発表した。

内容は、
・ウラジオストク周辺における
LNG製造プラント建設に関するPre-FEED(初期設計前段階)、
CNG(圧縮天然ガス)生産・海上輸送、
・ガス化学製品の生産
に関する共同FSを2011年末までに完了するというもの。

2011/1/21 日ロ、LNG事業協力で正式調印

事業遂行のため、2010年12月6日に新会社「極東ロシアガス事業調査」が設立された。
  伊藤忠 32.5%、
伊藤忠石油開発 5%、石油資源開発 32.5%、丸紅 20%、国際石油開発帝石 10%

Gazpromは現在、サハリン南端のPrigorodnoyeにあるロシア唯一のLNG施設(サハリンエナジー所有)を通じて日本にサハリン2の天然ガスを供給している。

サハリン2プロジェクト
事業主体 Shell 55%→27.5%-1株
Gazprom 0%→50%+1株
・三井物産 25%
→12.5%
・三菱商事 20%
→10%
投 資 額 200億ドル
開発鉱区 ピルトン・アストフスコエ、ルンスコエ
推定可採
埋蔵量
①原油 10億バレル
②天然ガス 4,080億立方メートル
<石油>プリゴロドノエまでパイプラインで運搬後、新設港湾よりタンカーで日本等へ輸出
<ガス>プリゴロドノエまでパイプラインで運搬、同地で液化後、LNGをタンカーで輸出

Gazpromはサハリン3でも、キリンスキー鉱区とアヤシ・東オドプト両鉱区を開発している。

                       サハリン3プロジェクト
鉱  区 キリンスキー アヤシ(Ayashsky)、東オドプト(Odopinsky) Venin
事業主体 未定(2006年入札の見込み)
ガスブロム
未定(2006年入札の見込み)
ガスブロム
ヴェニネフチ(ウェーニン)

<出資企業>
・ロスネフチ・アストラ(露、49.8%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ
 (露、25.1%)
シノペック(中、25.1%)

    
Rosneft 74.9%
Sinopec25.1%

当初
・エクソンモービル社(米、33.35%)
・テキサコ社(米、33.35%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社
 (ロシア、16.55%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 16.55%)
当初
・エクソンモービル社(米、66.7%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社
 (ロシア、16.65%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 16.65%)
推定可採埋蔵量 ①石油    約4.53億トン
  天然ガス  約7,200億立方メートル
①石油    約1.67億トン
②天然ガス  約670億立方メートル
①石油 約1.682億トン
②天然ガス
    約2,580億立方メートル
開発の現状 99.4 生産物分与対象鉱区に認定
   (ただし、未だ生産物分与契約は締結
    されていない。)
02.9 テキサコが今後20年間で90億ドル
   の投資を検討していることが明らかに
   した。
04.1 ロシア政府が生産物分与協定対象鉱区
   から外し、入札が無効となった

09.6 ガスプロムが開発権を取得
93   開発権を入札、モービル
   (現エクソンモービル)とテキサコが落札
04.1 ロシア政府が生産物分与協定対象鉱区
   から外し、入札が無効となった
09.6 ガスプロムが開発権を取得
03  ロスネフチが地質調査の権利
  を取得
05.7 中国のシノペックと探鉱事業
   のための合弁企業を設立   

   地震探査調査を開始 


Gazpromは、LNG輸出事業の一環として、サハリンからハバロフスクを経由しウラジオストクに延びるガス輸送用パイプラインの敷設を進めている。プリゴロドノエに次ぐ国内2番目のLNGプラントをウラジオストクに建設し、LNGを輸出する計画である。

 


Rosneft とExxonMobilは6月21日、2011年に締結した戦略的協力協定の進展状況を発表した。

Rosneftは2011年にBPとのグローバルな戦略的提携が破綻した後、BPに代わる提携先を探していたが、2011年8月30日にRosneftとExxonMobilは両社が北極海と黒海の開発、技術協力、米国その他での共同事業の実施で合意したと発表した。

両社はこれに先立ち、黒海の海底油田の開発で合意しているが、これを包含した。

両社は2012年4月16日、上記のStrategic Cooperation Agreementを実施する契約を締結した。

  2011/9/1     Rosneft、石油開発でExxonMobil と提携

両社はまた、サハリン1計画に参加している。


1)黒海と北極海(Kara Sea)開発のJV

2つのJV、黒海(Tuapse Block)のTuapsemorneftegaz SARL、Kara SeaのKarmorneftegaz SARLが設立され、活動を開始する。
ともに、Rosneftが66.67%、ExxonMobilが33.33%を出資する。

これらの開発資金は合計で32億ドル以上とみなされており、大半はExxonMobilが負担する。

2013年中にデータを収集し、2014年に掘削を開始する。


2)北海の7ブロック追加

本年2月、両社は戦略的協力の範囲を拡大、北海の7つのブロックを追加した。ロシア領北海のChukchi Sea、Laptev Sea、Kara Seaの鉱区で、約60万平方kmに及ぶ。

近くJVを設立する。


3)西シベリアのタイトオイル開発

西シベリアでタイトオイルを開発するJVの設立を準備中。

Rosneft が51%、ExxonMobil が49%出資する。

4)ロシア極東でLNGプラント建設

2013年末までにLNGプラントの立地、天然ガス液化技術、運営形態を決定する。
現在のところ、プラントはサハリン1に建設する見込み。

Rosneft のSechin社長は、サハリン1計画に30%出資するサハリン石油ガス開発(SODECO;石油公団・伊藤忠・丸紅等のJV)や同じく20%出資するインドのONGC Videshを参加させる可能性があると述べた。
また、
生産能力は年500万トンを想定しており、既にこれを上回る購入希望があるという。

Rosneft は6月21日、丸紅及びサハリン石油ガス開発(SODECO)との間でLNG供給の覚書(Heads on Agreement)に調印した。
丸紅に年間125万トン、SODECOに100万トンを供給する。


これらに加え、両社は6月11日に、Arctic Research Centerの設立と、世界中の他の地域で技術を共同利用する契約に調印した。

Arctic Research Centerの出資比率はRosneftが 66.67%、ExxonMobil が33.33%で、第一段階の費用200百万ドルはExxonMobilが負担する。第二段階の250百万ドルは両社が折半する。


BPは6月18日、広東省珠海のPTA第三期計画の最終承認を中国政府から取得したと発表した。

本計画は2011年2月に発表したもの。
   
2011/2/22  BP、中国のPTA事業を拡大

第三期計画は能力125万トンで、2014年遅くにスタートする予定。
BPの最新技術を使用するもので、既存技術と比べ、排水量が75%減、温室効果ガスも65%減少する。固形廃棄物は95%少ない。

建設するのはBP Zhuhai Chemical で、BPが85%、Zhuhai Port Co.(珠海港集団、旧称 Fu Hua Group:富華集団)が15%出資する。

同社は1997年に設立され、2003年に第1系列 35万トン、2008年に第2系列 90万トンの生産を開始した。
第1系列はその後、60万トンに増強され、2012年に第2系列のデボトルネッキングで20万トンの増強を行った。

第3系列完成で、合計能力は295万トンになる。

第一系列  35万トン  60万トン
第二系列  90万トン 110万トン
第三系列     125万トン
合計     295万トン

この完成後のBPの全世界能力は930万トン、BP持分では830万トンとなる。

ベルギー Geel 130万トン PX 70万トン
PETプラント誘致
英国 Huls

ー 

酢酸 60万トン
台湾 高雄 140万トン
(90万トン)
China American Petrochemical Company (CAPCO)
   BP     61.4%

他に麦寮で酢酸 40万トン
Formosa BP Chemicals:BP 50%)

台中 70万トン
(50万トン)
210万トン
(140万トン)
インドネシア Merak 60万トン
(30万トン)
Amoco Mitsui PTA Indonesia
 BP50%、三井化学45%、三井物産5%
中国 珠海 295万トン 重慶で酢酸 40万トン(YARACO:BP 51%)
南京で酢酸 60万トン(
BYACO:BP 50%)
米国 Cooper River,
South Carolina
130万トン  
Decature, Alabama 100万トン PX 110万トン
PET工場誘致
230万トン 他にTexas CityでPX 130万トン、酢酸 60万トン
MX 10万トン
合計   925万トン
(825万トン)
 
 
韓国 蔚山 110万トン Samsung Petrochemical
2006年 持分を三星に売却

他に蔚山で酢酸60万トン
(Samsung BP Chemicals:BP 51%)

大山 70万トン
180万トン
マレーシア Kuantan 60万トン 2012年 Relianceに売却

 ーーー

BPが石油化学に参入したのは、1947年にBP(当時はAnglo Iranian Oil)がウイスキーメーカーのDistillers とのJVのBritish Petroleum Chemicals を設立したのがきっかけである。

2006/8/29 BPの石油化学のオリジン

BPは2005/4/1、石油化学の大半をInnoveneとして分離、2005年末にIneosに売却した。
     2006/6/14 
事業買収で急成長した化学会社

但し、PTAとその原料であるパラキシレン、酢酸、及び中国でのエチレンJVはその後もBPのコア事業である。


現在のBPの事業一覧は http://www.bp.com/content/dam/bp/pdf/investors/FOI_2008_2012_full_book.pdf

 

 

中国の有人宇宙船「神舟10号」が6月11日、内モンゴル自治区の酒川衛星発射センターから中国の最先端ロケット「長征2F」に搭載されて宇宙に打ち上げられ、6月13日に中国宇宙ステーションの実験第1号機「天宮1号」とのドッキングに成功した。
女性1人を含む3人の宇宙飛行士は「天宮1号」に10日間以上滞在し、部品交換や科学実験、宇宙からの授業などを行う予定となっている。

神舟は打ち上げのたびに研究対象を搭載する。神舟10号は人参のタネを宇宙に運んだ。

専門家は「現在われわれは漢方薬の重点研究室を澳門に設けている。澳門科技大学はこの分野で非常に高い水準と進んだ設備を備えている。今回われわれは人参の種を宇宙へ運んだ。帰還後に栽培し、澳門と吉林省の協力、わが国の新たな漢方薬産業の発展を促す」と説明した。

宇宙環境は種子に大きな影響を与える。「科学研究機関は良い変異を選択して栽培し、良質な人参の生産を実現する」としている。

酒泉衛星発射センターがあるゴビ砂漠の
東風航天城の北東の一隅に野菜栽培エリアがあり、宇宙に運ばれた野菜の種子を植え、栽培している。
種子を宇宙に運ぶのは「宇宙でのアップグレード改造」の第一歩に過ぎず、地上での栽培、ふるい分け、鑑定を経て合格した種子のみが試験栽培の対象となる。

ーーー

2003年10月に中国は有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げと回収に成功し、世界で三番目に人類を宇宙へ送り出した国となった。

神舟5号はカボチャのタネを宇宙に運んだ。

宇宙で育種したカボチャが、150キログラムを超える実を結んだ。この巨大カボチャは哈爾濱の軍隊基地で育てられ、哈爾濱香坊公園に運び込まれた。重さ150~200キログラムの実が次々と収穫されているという。

この巨大カボチャは400斤巨型太空南瓜と呼ばれている。(中国の1斤は500g)
高い価格で販売されているという。

人民網日本語版 2004/9/2

ーーー

日本もカボチャのタネを宇宙に上げた。

国際宇宙ステーション「きぼう」が民間にも有償利用されることになり、さまざまな植物の種子を打ち上げて「きぼう」に一定期間保管し、回収後は教育及び文化事業に活用するという企画が採用された。
国際総合企画とラグランジェが提案したペポカボチャ
(Cucurbita pepo)別名「おもちゃカボチャ」の種子もその一つ。 ハロウィンの飾りに使われるもので、西洋カボチャに比べるとずっと小さく、形も丸やひょうたん形などさまざまで、見て楽しむ種類。

200811月にスペースシャトル「エンデバー」で打ち上げ国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」に搭載、保管され、2009年7月、若田宇宙飛行士ととも地球に帰還した。

弘前大学農学生命科学部で栽培・採種され、応募した各地の小学校に贈られ、栽培された。
特に通常と異なった結果
は報告されていない。

 

信越化学は6月19日、米国子会社のShintechがルイジアナ州での電解、塩ビモノマーおよび塩ビ樹脂の生産能力の増強を決定したと発表した。
増強する生産能力はVCM 約30万トン/年、カ性ソーダ 約20万トン/年、PVC 約30万トン/年で、完成は2015年頃を目指す。投資額は5億ドル。

増設後のシンテックの塩ビ樹脂の生産能力は、ルイジアナ州の工場の既存分とテキサス州の工場を併せて295万トン/年となる。

立地 PVC VCM カ性ソーダ
Texas州 Freeport  145   -   -
Louisiana州 Addis   58   -   -
Plaquemine   60   160  106
今回増設 32 30 20
合計  295  190   126

信越化学では、Plaquemine工場の総投資額2500億円に上る塩ビの原料からの一貫生産工場建設を決断した2004年当時は、米国では天然ガスの高騰が続いていて、それが恒久化するという考えが趨勢であったが、同社は「米国にはエネルギー問題を解決する力がある」と確信して一貫工場の建設を進めたという。

シェールガス革命とも称されるブームが起きる前に踏み切ったこの投資が、シンテックの最高益に大きく貢献した。

ーーー

信越グループの全世界のPVC能力は415万トンとなる。

日本 鹿島 55  
USA Shintech  295  
オランダ Shin-Etsu PVC 45 1999年、ShellとAkzoの50/50 JV のRovinを買収
ポルトガル CIRES 20

2009年8月、完全子会社化

合計 415  

2006/5/16 世界一の塩ビ会社 信越化学

2007/6/1  シンテック、テキサス州にVCM工場の建設許可を申請

2010/4/6  信越化学、米国でVCM増強

 

Shintechが1974年に操業開始した当時の能力は10万トンで、米国での順位は13位であったが、今回の増設で、2位のOxyvinylの能力の約2倍のダントツのトップとなる。(能力:万トン)

 1974年当時

塩ビ事業のその後  

 増設完了後

1 BF Goodrich  49 GeonPolyone Oxyvinyls
その後PolyoneはOxyに持分売却
1 Shintech  295  
2 Diamond Shamrock 26 Goodrich (Geon)に売却 2 Oxyvinyl 168 OxyとGeonのJV
Oxy 100%
3 Borden 24 Westlake, Formosa, Shintechに工場売却
Shintechは廃棄
3 Formosa 127 台湾資本
4 Tenneco 22 Oxyvinyl、Bordenに売却 4 Georgia Gulf 120 カネカがペースト工場を
買収するが撤退。
5 Conoco 21 DuPontに売却
その後、Vista、Condea Vistaを経由、
Georgia Gulfに売却
5 Westlake 76 台湾資本
6 Firestone 20 Oxyに売却  
7 Union Carbide 18 閉鎖?
8 Stauffer 16 Formosaに売却
9 Certainteed 14 Saint-Gobain子会社
パイプ、窓枠など塩ビ製品製造
10 Goodyear 12 閉鎖
11 Robintech 11 当初、Shintechの50%株主で需要家。
倒産
12 Georgia Gulf 10  
13 Shintech 10  

 (各社の能力は信越化学発表から)

 

原子力規制委員会は6月19日、福島第1原発事故の教訓を踏まえた新しい規制基準を決定した。7月8日に施行する。

テロ対策などを盛り込んだ「過酷事故対策編」、既存設備の安全対策を強化する「設計基準編」、活断層調査の強化や津波防護策を定めた「地震・津波編」の三つに大別され る。手順やマニュアルまでを含めると約4000ページに及ぶ。

基準には、最新の安全対策を義務付ける「パックフィット制度」が導入され、既設原発も対象になる。

毎日新聞 2013/6/20

過酷事故対策編 「特定安全施設」(事故の際、中央制御室の代替として機能) 5年間猶予
「緊急時対策所」(前線本部となる免震重要棟) 仮設も当面可能(機能を満たせば)
フィルター付きベント装置 加圧水型原発は現状でも当面容認
電源車やポンプの配備  
航空機墜落などのテロ対策 5年猶予
非常用バッテリー(3つ目) 5年猶予
設計基準編 ケーブル難燃化(火災対策)  
活火山、竜巻対策の強化  
冷却装置、電源設備の多重化、多様化  
地震津波対策編 最高の耐震性  
防潮堤、水密扉  
活断層の調査対象を必要に応じて「40万年前以降」までさかのぼって拡大  
最高津波の高さ(「基準津波」)に応じた安全対策を実施  
活断層直上に重要施設の設置を認めない 日本原子力敦賀2号を認定


地震津波対策編では「活断層直上に重要施設の設置を認めない」とされたが、現在のところ、日本原子力敦賀2号は活断層直下とみなされている。

全ての基準が直ちに適用されるのではなく、5年間猶予されるものや、条件付きで当面容認されるものもある。


国内には運転開始から40年超の原発が3基、30年超が14基ある。

「40年運転制限制」では、運転期間が原則40年に限定される。1回に限り最大20年延長できるが、原子炉圧力容器のコンクリートのサンプル分析などを行う「特別点検」に合格しなければな らない。

ーーー

早期再稼働を目指す電力会社は、急場しのぎの対策で申請に殺到する見通しだが、審査の布陣は、規制委事務局である原子力規制庁や「原子力安全基盤機構」の職員ら約80人。3つの審査チームと、地震・津波分野について横断的に審査するチームに分かれて行う。
過去の審査では、申請から安全判断まで半年〜1年程度かかったが、今回は申請が殺到する上、過酷事故対策の審査も加わる。

現在、関西電力が高浜3、4号機と大飯3、4号機、九州電力が玄海3、4号機と川内1、2号機、北海道電力が泊1─3号機、四国電力が伊方3機の計12プラントについて安全審査を申請する見通し。 (大飯3、4号機は当面の運転継続は認められる模様だが、9月の定期検査で停止後の再稼働時に審査を受ける。)


各原発の状況は以下の通り。

 
申請準備中
電所名
運転開始 型式 40年
まで
年数
能力
(万KW)
稼働 PWR フィルタ

ベント
(PWRは
猶予)
緊急時対策所
(仮設可)
電源
ケーブル
活断層
(規制委)
北海道電力
 泊
① 1989/6/22   PWR   57.9   15年度 15年度   OK
② 1991/4/12   PWR   57.9  
③ 2009/12/22  PWR   91.2  
東北電力
 東通
① 2005/12/8  BWR
(Mark-I 改)
  110.0   X 15年 16年   調査中
東北電力
 女川
① 1984/6/1   BWR
(Mark
-I)
  52.4   X 検討中   OK
② 1995/7/28 BWR
(Mark-I 改)
  82.5  
③ 2002/1/30 BWR
(Mark-I 改)
  82.5  
東京電力
 福島第一
⑤ 1978/4/18 BWR
(Mark
-I)
5 78.4   X 未定   OK
⑥ 1979/10/24 BWR
(Mark-Ⅱ)
6 110.0  
東京電力
 福島第二
① 1982/4/20 BWR
(Mark-Ⅱ)
9  110.0   X 未定   OK
② 1984/2/3 BWR
(Mark-Ⅱ改)
  110.0  
③ 1985/6/21 BWR
(Mark-Ⅱ改)
  110.0  
④ 1987/8/25 BWR
(Mark-Ⅱ改)
  110.0  
日本原子力
 東海
② 1978/11/28 BWR 5 110.0   X 設置予定   OK
東京電力
 柏崎刈羽
① 1985/9/18 BWR
(Mark-Ⅱ)
  110.0   X 着工   調査必要性
検討中
② 1990/9/28 BWR
(Mark-Ⅱ改)
  110.0    
③ 1993/8/11 BWR
(Mark-Ⅱ改)
  110.0    
④ 1994/8/11 BWR
(Mark-Ⅱ改)
  110.0    
⑤ 1990/4/10 BWR
(Mark-Ⅱ改)
  110.0    
⑥ 1996/11/7 ABWR   135.6    
⑦ 1997/7/2 ABWR   135.6   着工
中部電力
 浜岡
③ 1987/8/28 BWR
(Mark-I 改)
  110.0   X '14年度   調査必要性
検討中
④ 1993/9/3 BWR
(Mark-I 改)
  113.7   '14年度
⑤ 2005/1/18 ABWR   138.0    
北陸電力
 志賀
① 1993/7/30 BWR
(Mark-I改)
  54.0   X '15年度 '13/9   調査中
② 2006/3/15 ABWR   135.8  
日本原子力
 敦賀
① 1970/3/14 BWR
(Mark
-I)
0 35.7   X 検討中 X 調査中
② 1987/7/25 PWR   116.0   検討中   リスク認定
関西電力
 美浜
① 1970/11/28 PWR 0 34.0   検討中 検討中 X 調査中
② 1972/7/25 PWR 0 50.0  
③ 1976/3/15 PWR 3 82.6  
関西電力
 大飯
① 1979/3/27 PWR 6 117.5     仮設
対応
X 調査中
② 1979/12/5 PWR 6 117.5    
③ 1991/12/18 PWR   118.0 '15年度  
④ 1993/2/2 PWR   118.0 '15年度
関西電力
 高浜
① 1974/11/14 PWR 1 82.6   検討中 検討中 X 調査必要性
検討中
② 1975/11/14 PWR 2 82.6  
③ 1985/1/17 PWR   87.0    
④ 1985/6/5 PWR   87.0  
中国電力
 島根
① 1974/3/29 BWR
(Mark-I)
1 46.0   X   '14年度 X OK
② 1989/2/10 BWR
(Mark-I改)
  82.0   '14年度  
四国電力
 伊方
① 1977/9/30 PWR 4 56.6   '15年度 X OK
② 1982/3/19 PWR 9 56.6    
③ 1994/12/15 PWR   89.0    
九州電力
 玄海
① 1975/10/15 PWR 2 55.9   '16年度 仮設
対応
X OK
② 1981/3/30 PWR 8 55.9    
③ 1994/3/18 PWR   118.0    
④ 1997/7/25 PWR   118.0  
九州電力
 川内
① 1984/7/4 PWR   89.0   '16年度 仮設
対応?
  OK
② 1985/11/28 PWR   89.0  


PWR:加圧水型、
APWR(Advanced PWR) :改良型加圧水型 ---フィルタ付ベント設置猶予 
BWR:
沸騰水型、
ABWR(Advanced BWR):改良型沸騰水型 ---フィルタ付ベント即時設置要

フィルタ付きベントは全て未整備だが、申請準備中の12基は全てPWR(加圧水型)のため、設置が猶予される。

また、12基のうち、「緊急時対策所」の整備を終えた原発は、四国電力伊方3号機1基のみだが、機能を満たせば仮設でも当面可能となる。

但し、九州電力川内は中央制御室横の「控室」を仮施設として位置付けているが、規制委は稼働中の中央制御室横の部屋を使うことに難色を示している。

大飯3,4号機は、2015年に完成するまで、1, 2号機の会議室を仮設として使う計画だが、規制委は、その間は「1, 2号機の運転停止を条件に」認める方針。(当初は3,4号機の会議室を使用する計画であった。)

関西電力大飯のように、同じ原発で申請しないものがあるのは、ケーブルの難燃化が出来ていないなど、他の条件が整わないため。

 


  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358  

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