「no」と一致するもの

中国政府7月1日付で、シノペックとBASFが2008年3月に提出した両社の50/50JVの南京のエチレンコンプレックス BASF-YPCの増設計画のFSを承認した。

BASF-YPC2000年に50/50JVとして設立され、シノペック揚子石化に隣接して建設された。
第一期(投資額 29億ドル)は2005年6月に商業生産を開始した。

約14億ドル(当初計画では9億ドル)を投じて、既存のエチレンを60万トンから74万トンへ増強するとともに、新しく10基のプラントを建設、既存3基のプラントを増強する。

2010年のエチレン定修時に繋ぎこみを行い、2011年に稼動する。

また、シナジー効果を高めるため、隣接するBASFとシノペックのJVのYangzi-BASF Styrenics をBASF-YPCに統合する。

Yangzi-BASF Styrenics SINOPEC揚子石化が40%、BASFが50%、BASF (China)が10%を出資して199410に設立され、1997末に生産を開始した。

SM、PS、EPSを製造販売している。

計画は次の通り。(単位:千トン)

製品 既存   増設計画
チレン エチレン  600 増設(→740
C4 complex  - Butadiene
2-propylheptanol
Isobutene
Polyisobutene.
EO EG  300 EO 増設 
EO Derivatives  - Butyl glycol ether
Non-ionic surfactants
Amines complex  - Ethanolamines
Ethyleneamines
Dimethylethanolamine
   - DMA3
LDPE  400  
Acrylics value chain アクリル酸  160  
アクリル酸エステル  215  
   - Super-absorbent polymer (SAP)
C4オキソアルコール  250 増設
蟻酸  50  
プロピオン酸  30 増設
メチルアミン  30  
ジメチルホルムアミド(DMF  40  
Yangzi-BASF Styrenics Ethylbenzene  130 BASF-YPCに統合
Styrene monomer  120
Polystyrene  200
EPS  52

参考  2006/7/10 BASFの中国戦略


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帝人は米国Cargill との合弁会社のNatureWorks LLCの保有持分50%全てをCargillに譲渡し、6月30日を以って合弁契約を解消した。
今後は、
Cargill が全持分を保有することになり、将来の成長を目指してポリ乳酸ポリマーの生産・販売事業を継続して運営する

NatureWorks は、1997年に Cargill Dow 50/50JVCargill Dow LLC して設立された。
2005年1月にCargill
Dow の持分を買収、100%子会社となった同社をNatureWorks LLC に改称した。
2007年10月、帝人が同社に50%出資した。

2007/10/6 帝人、Cargill NatureWorks に出資 

世界最大である年産14万トン規模のポリ乳酸ポリマー(PLA)の商業生産施設を有し、「Ingeo」ブランドのバイオポリマーを製造・販売してきた。

ーーー

今回、帝人は、事業の「選択と集中」を徹底する中で、独自開発の「バイオフロント(BIOFRONT)に経営資源を集中し、技術開発・市場開拓をさらに加速していくこととした。既に2008年度にNatureWorks 出資に関わる損失処理を実施している。

帝人は2006年3月、武蔵野化学研究所と共同で新型耐熱性バイオプラスチックの開発に成功したと発表した。

ポリ乳酸(PLA)をはじめ、バイオプラスチックは耐熱性や耐衝撃性などの性能面において石油由来のプラスチックに及ばないが、新型耐熱性バイオプラスチックはポリ乳酸に使用されるL乳酸と、その光学異性体であるD乳酸を原料とし、両者のユニークな結晶構造が高耐熱性を生み出している。

・使用する原料が植物由来であるため、生分解性がある。
・融点は約210℃で、ポリ乳酸の融点を40℃も上回る。
 (代表的な耐熱性プラスチックのPBTに匹敵)
・高耐熱特性により、既存のバイオプラスチック製の繊維では不可能であったアイロンがけも可能。
 また、フィルムや樹脂の高温成型プロセスへの適合性も有している。
・透明性においても、PETを上回る高透明性を有する。

帝人は20079この耐熱性バイオプラスチックに帝人グループとして統一ブランドを「バイオフロントとし、グループを挙げて具体的に市場展開を図っていくと発表した。

繊維  :帝人ファイバー
フィルム:帝人
樹脂  :帝人化成

その市場展開の第一弾として、帝人ファイバーがマツダと共同で、自動車内装に使用可能な品質と耐久性を有する「バイオフロント繊維を100%使用した自動車用シートファブリックの開発に成功した。

本年6月、帝人は「バイオフロント」について、高温・高湿度下での耐久性を大幅に向上させることが可能な「加水分解防止技術」の開発に成功したと発表した。

バイオフロントは他のバイオプラスチックと同様に、高温・高湿度の環境においてはポリマーが加水分解を起こしやすく、PETなどに比べて使用条件に制限を受ける場合があった。

帝人では得意とするポリマー基盤技術の駆使と、分子レベルでの反応をコントロールする革新的な技術の創生により、 「バイオフロント」の本来有する耐熱性を損なうことなく、加水分解の原因となる要素をコントロールすることにより、それらの作用を極限まで抑制することに 成功したもの。

従来品と比較して10倍以上の耐加水分解性が発現することが確認されており、PETとほぼ同等の耐久性を 実現した。

これにより、既に採用されているカーシート用繊維として耐久性が向上することはもとより、電気・電子分野や自動車分野などにおいて、より高温・高湿度の厳しい環境にさらされる部品や部材として使用することが可能となる。

帝人は2008年7月に岩国事業所に年産200トンの実証プラントを稼動させたが、同時にトヨタから豊田市にある年産能力1,000トンの実証プラントを譲り受けた。(トヨタは実証実験にメドがつき、稼動を停止していた。)

解体して松山事業所に移設し、改造、本年8月から立ち上げるが、今回の改良技術を生かす。

同社は2011年度にも、年間3,000~5,000トンの生産規模で事業化する方針といわれている。

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付記

NatureWorksは7月9日、オランダに本拠を置く Avantium との提携を発表した。

Avantium は20002にシェルからスピンオフして設立された。PfizerGSKEastman ChemicalWR GraceAkzo Nobel などのコンソーシアムが出資し、戦略的パートナーとなっている。

同社は糖質からバイオ燃料、プラスチックを生産する技術を開発した。(製品名 Furanics

Avantiumの製造技術とNatureWorksの市場開発技術を統合するもので、AvantiumのバイオプラスチックをNatureWorksがいろいろの分野でテストを行う。



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中国商務部は6月24日、輸入メタノールのダンピング調査を開始すると発表した。サウジアラビア、マレーシア、インドネシア、ニュージーランドの4カ国原産のものを対象としている。 

上海焦化(Shanghai Coking Chemical)、内蒙古遠興エナジー(Yuanxing Energy)、エン礦國泰(Yankuang Cathay)、Yankuang Lunan、Pingmei Lantian などの中国メーカーからダンピング調査の申請を受理し、その後検討してきたもの。 

過去1年で中国東部のメタノール価格は劇的に下落した。
昨年第2四半期にトン当たり4930人民元であったのが、最近は1900人民元になっている。
これは経済危機の影響とともに、安価な海外のメタノールの流入によるもので、国内メーカーは輸入数量の増加と価格の低下の被害を受けたとして、メタノール市場の安定化のため政府にダンピング調査を要請した。
   

中国のメタノールのバランスは以下の通り。(千トン)

  生産 輸入 輸出 消費
2007  10,760    845   563  11,042
2008  11,120   1,434   368  12,186
2009
(1-5)
  3,910   2,906    1   6,815

本年の輸入数量は年換算で6,974千トンとなる。   

ーーー

サウジ政府はダンピングを否定し、今回の措置に遺憾の意を表した。
これを受け、中国の大使館スポークスマンは、調査の段階であり、調査完了まではダンピング課税をしないと説明し、サウジ政府の懸念を考慮すると述べた。

National Centre for the Development of Saudi Exports の会長でサウジ商工会議所会頭(メタノールメーカーの1社の株主のSipchem の取締役)は74日、サウジの輸出業者は中国が検討している間に被害を受けるのを心配していると述べ、サウジ政府は報復措置として中国からの鉄や化学品などの輸入品に対して関税を課するよう主張した。
「中国の鉄やプラスチックや電機産業がダンピングで我国の産業に害を与えている」としている。

これに対しては昔のサウジのWTO交渉チームのヘッドは、感情を持ち込まず、中国でダンピングをしていないことを立証すればよい、としている。商工会議所にWTOのルールを教育すると。

サウジの中国へのメタノール輸出はサウジの石化製品の10-15%になり、2008年では20億ドルに達するという。
2008年のサウジの生産量は620万トンで、うち中国に84万トンを輸出した。

SABIC74日、中国市場でダンピングをしていないとの声明を発表した。

サウジの石化メーカーは低コストの原料を入手できるため、競争上、不公平なメリットを受けているとの批判を受けてきた。

サウジは2005年12月にWTOに加盟したが、最後まで問題になったのが政府の決めたエタンとメタンの固定価格(75cent/百万BTU)で、WTOは最終的にこれを承認した。(サウジ政府は天然ガス輸出用の液化費用を勘案すれば安くはないと説得した)

GCC 6ヶ国のうちクウェート、UAE、カタール、バーレンは1998年以前に加盟済みであり、オマーンも2000年末に139番目のメンバーとして正式加盟を果たしており、残る未加盟国はサウジのみであった。

EUはサウジがWTOに加盟した場合、これまでサウジの石化製品に課していた関税障壁を撤廃しなければならず、EU内の石化産業が打撃を受けることは必至である。このため、上記のエタン価格問題や、サウジ国内の工業所有権等の法制度の未整備、商慣習が透明性に欠ける等の点をあげ、反対していたが、米国が説得したといわれている。

サウジのエコノミストは、サウジのWTO加盟の際に他の加盟国はこれに同意しており、サウジの石化製品は輸出のためのインセンティブを与えられているとはいえないと述べている。

ーーー

中国はこれまでサウジ製品に対しては2件、ダンピング調査を行った。

2005年9月にオクタノールについて、日本、韓国、EU、インドネシア品とともに調査を開始したが、これについては2007年1月に「損害なし」との結論で、調査を終結した。

2008年9月に1,4ブタンジオールについて、台湾品とともに調査を開始、2009年5月にクロの仮決定を行い、現在調査を継続している。
この際には、影響が少ないためか、サウジ側に動きはない。
サウジでは Sipchem がマジョリティのInternational Diol Company がブタンから無水マレイン酸→ブタンジオール→テトラヒドロフラン、ガンマブチロラクトンを生産している。)

ーーー

サウジのメタノールに関して(仮にダンピングの事実があった場合)、中国政府がサウジとの政治的関係を考慮するかどうか、見ものである。

これまでの中国のアンチダンピング措置のうちに、政治的配慮がなされたと見られるのが1件だけある。

中国商務部は2004年3月に、米国・韓国・タイ・台湾原産の無漂白クラフト紙についてダンピング調査を開始し、2005年5月にクロの仮決定、2005年9月にクロの最終決定を行った。

ところが2006年1月9日、国務院決定でこれが取り消された。理由は挙げていない。
(中国の反ダンピング法50条では、商務部が決定の変更や取り消しを提案し、関税委員会がこれを決定できるとなっている)

米政府は2007年2月、「企業に不当な補助金を与えて輸出を促進、輸入を阻害して米国企業に被害を与えている」として中国をWTOに提訴した。
USTRはその発表の中で、過去の米中間のWTOを巡る3つの問題点を挙げている。
その第3が無漂白クラフト紙のダンピング問題で、米国が本件でWTOに提訴すると伝えると、中国側が決定を取り消したとしている。 

ーーー

今回の中国のダンピング調査の対象は、サウジアラビア、マレーシア、インドネシア、ニュージーランドの4カ国原産のものである。

各国のメーカーは以下の通り。

  社名 能力 出資
ウジアラビア AR-RAZI
(Saudi Methanol)
490万トン SABIC 50%/日本・サウジアラビアメタノール(JSMC) 50%
 JSMCは三菱ガス化学 47%/海外経済協力基金 30% ほか
IBN SINA
National Methanol Company)
110万トン SABIC 50%/
CTE (Hoechst-Celanese Duke and Energy) 50%
International Methanol Company 100万トン Sipchem 65%/Japan-Arabia Methanol (JAMC)35%
 JAMCは三井物産55%/三菱商事15%/
 ダイセル
15%/飯野海運15%
マレーシア Petronas 66万トン
170万トン
 
インドネシア Pertamina 33万トン  
PT Kaltim Methanol Industri 66万トン 双日 85%/ダイセル 5%/ PT Humpuss 10%
ニュージーランド Methanex 240万トン  


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合成ゴム100年 - 化学業界の話題

本ブログは2006年2月15日に始まった。

第1号のタイトルは「プラスチック100周年」であった。

「来年2007年はプラスチックが初めて誕生してから100周年に当たる。
1907年、ベルギー系アメリカ人のベークランド博士がフェノール樹脂(商品名:ベークライト)を開発した。・・・・」

本年は「合成ゴム100周年」である。

バイエル(当時の社名はElberfelder Farbenfabriken vormals Friedrich Bayer & Co.)のFritz Hofmann が1909年9月12日、「合成ゴム製造過程」に関する特許第250690号を取得した。

天然ゴムは10万~100万のイソプレン分子からなる付加重合体(cis-1,4-ポリイソプレン)であることは1905年に解明されたが、誰も重合することが出来なかった。

Hofmann isoprene の代わりに methyl-isoprene を使用した。

彼は原料をスズ製容器にいれ、熱して、待った(時には数ヶ月も)。温度により軟らかさは異なったが、常に弾力性があった。
最初の合成ゴム(メチルゴム)である。

Continental Tireは、早くも1910年に、これを使った最初の自動車用タイヤの生産を始めた。

Hofmann1866年にWeimarの近くで生まれた。薬学と化学を勉強し、2年間大学で教えた後、1897年にBayerに入社した。
1956年に90歳で死亡。

その後の研究で、ナトリウムを加えることで速く、効率的に生産できることが分かった。

Hoffmanの後継者は1920年にブタジエンとナトリウムから別の合成ゴムの製造に成功した。このブタジエンゴムは(Butadien + Na から) Buna と名付けられた。

その後、Walter Bock Eduard Tschunkurがブタジエンとスチレンからスチレン・ブタジエンゴム Buna S を開発、19294月に特許を取得した。

更にEduard TschunkurHelmut KleinerErich Konrad がニトリルゴム Buna N (その後Perbunan に変更)を開発、19304月に特許を取得した。

その後、ナイロンの発明者デュポンのWallace Carothers がクロロプレンゴムを、IG Farben (1925年にBayer, BASF, Hoechst, Agfa 等8社が統合)のOtto Bayer がウレタンゴムを、GE社がシリコーンゴムを、戦前から戦中にかけて次々に開発していった。
第二次大戦後は1954年チーグラー・ナッタ触媒によって天然ゴムと同一構造のシスポリイソプレンの合成天然ゴム(イソプレンゴム)が完成した。
その後、EPDMやTPE(熱可塑性エラストマー)が開発されて現在に至っている。

ーーー

Bayerは2003年末までに、Bayer CropScienceBayer HealthcareBayer PolymersBayer Chemicalsの4社と、サービス会社3社の合計 7社を分社化したが、2004年7月にBayer Chemicalsの大半とBayer Polymersの一部を新会社 Lanxess として分離し、2005年に上場した。

RubberやRubber chemicals 事業はLanxess に移された。

2006/9/6 Bayer と Lanxess 

Lanxess は合成ゴムの世界トップメーカーである。(単位:千トン)

会社名 能力 製品
Lanxess 独、仏、ベルギー、米、加  1,043 ESBR, BR, EPDM, IIR, NBR, CR, SSBR
Goodyear   775 SSBR, BR, IR, ESBR
Kumho   713 ESBR, BR, NBR, SSBR, SBC
ExxonMobil 米、仏、英   592 EPDM, IIR
Polimeri 伊、英   553 EPDM, NBR, ESBR, BR, SSBR, SBC, SSBR
JSR   453 BR, IR, EPDM, NBR, SBC, ESBR
Petroflex ブラジル   401 SSBR, BR, NBR, ESBR, SBC
日本ゼオン 日、米、英   363 SBR, BR, IR, NBR 

 資料:日本ゼオン ファクトブック 2009 

Lanxess は2007年にブラジルのBraskem Unipar などからブラジルの合成ゴムメーカー Petroflex の株式の70%を購入、2008年に残りの株式についてTOBを行い、100%を買収した。

Lanxessは2008年2月、シンガポールに年産10万トンのブチルゴム生産拠点を新設すると発表した。2010年稼動の予定であった。

しかし、昨年12月にこれを2012年に延期したが、本年6月29日、需要の減少を受け、2014年稼動に再延期すると発表した。
この期間を利用し、製造技術の更なる改良を行う。

同社では計画の延期はあるが、アジア重視は変わらないとしており、将来的にブチルゴム事業の世界本部をシンガポールに置く方向でシンガポール開発庁と交渉をしている。

また同社は最近、韓国No.1のハンコックタイヤとの間でブチルゴムの5年間の供給契約を結んだ。SBRとポリブタジエンゴムに関しては既に2007年に同社と長期供給契約を締結している。


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これまで何度か、日本のバイオガソリンの動きについて述べてきた。

1) バイオエタノール・ジャパン・関西が環境省の補助を受けて建設した廃木材からエタノールを製造する世界で初めての商業プラントが竣工した。大都市でのエタノール3%混合ガソリン(E3)大規模供給実証のためのエタノール供給元となる。

日本エタノール販売とペトロブラスの50/50JVの日伯エタノール(Brazil-Japan Ethanol)は3月初めから東京でエタノール3%混合ガソリン(E3)の試験販売を開始。

   
2) 他方、石油連盟は「バイオマス燃料供給有限責任事業組合」を設立、バイオエタノールを石油系ガスと合成し、バイオETBE としてガソリンに混合して利用する。

新日本石油は6月1日、関東1都6県のガソリンスタンド(計861カ所)で、バイオエタノールを混ぜたバイオガソリンの販売を開始した。
コスモ石油も5
13日から埼玉、千葉、東京、神奈川の9カ所のセルフスタンドで販売を開始している。

石油連盟では(1) 大気環境への悪影響、(2) 車の安全性や実用性能から、バイオエタノールをそのままガソリンに混入するのではなく、バイオETBE のガソリン混合を主張している。

2009/3/5  日本のバイオガソリンの動き-2 

2009/6/4 バイオガソリン販売開始

2009/3/5のブログでは以下の通り述べた。

政府(経産省、環境省)と石油業界の対立が続き、別々の方向で動いているのは問題で、普及促進のためには早急に方向をまとめる必要がある。

正当な理由なしに直接添加を妨げた場合、独禁法上は問題にならないのだろうか。

ーーー

公正取引委員会は7月3日、「ガソリンにおけるバイオマス由来燃料の利用について」という発表を行った。

2008年12月から2009年3月にかけて、ガソリンにおけるバイオマス由来燃料の利用の実態について、関連事業者及び関係省庁に対して行ったヒアリング等による調査に基づく。

調査の結果、公取委では直接混合方式ETBE方式が、市場における競争を通じて評価・選択される環境を整備するという観点から、以下の対応が必要であると考えた。

1)独占禁止法上の考え方の明確化(対石油元売会社)

石油連盟が各石油元売会社に対して直接混合方式による製品の製造又は販売に協力しないようにさせること及び各石油元売会社が共同して直接混合方式による製品の製造又は販売に協力しないことを決定することは、独占禁止法に違反する行為である。

さらに、石油連盟が二つの混合方式の一方についてだけ、否定的な見解を表明し続けることは、石油連盟の会員である各石油元売会社の間に、一方の混合方式を採用しないとする共通の認識を醸成するおそれもある。

石油元売会社の行為は、不当に、その取引の相手方に対して、競争者と取引しない条件を付して取引するものであって、競争者の取引の機会を減少させるおそれがある行為であり、不公正な取引方法第11項等に該当し、独占禁止法上問題となるおそれがある。

石油元売会社が、その系列特約店等に対して、他社製品を当該石油元売会社の商標を付さないで販売することを禁止する行為は、独占禁止法第21条(知的財産権の行使行為に対する適用除外)の問題ではない。

少なくとも、系列特約店等が一部の給油機を直接混合方式の製品専用のものとして、給油機を地下タンクとともに分け、当該給油機から給油する商品がサインポール の石油元売会社の製品でないことを明確に認識できるように表示してこれを販売するのであれば、その販売を禁止する行為は独占禁止法に違反しないとすることはできない。

2)関係省庁において必要な対応

独占禁止法違反行為が行われないような環境を整備するためにも、また、2つの混合方式の双方の促進を確保するためにも、関係省庁において次のような措置を採ることが必要である。

環境省及び経済産業省は、今後のガソリンにおけるバイオマス由来燃料の普及について、連携協力して必要な情報提供を行うこと。
   
環境省は、標準的な仕様のレギュラーガソリンを直接混合方式に用いることについて、環境に与える影響との比較考量を十分に行いつつ、蒸気圧に係る基準について、必要な見直しの可否を検討すること。
   
経済産業省は、バイオエタノールの混合方式について、ETBE方式、直接混合方式の双方について制度的な手当てがなされており、事業者が自由な選択を行うことができる旨を石油連盟及び各石油元売会社に周知すること。

 


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ダウは6月30日の取締役会で石化事業のリストラ計画を承認した。

今回のリストラ計画は、状況の変化に応じ、素早く積極的に製造体制を見直すというダウの方針に基づくものであるとともに、機能製品や先端材料分野に優先的に投資するという変身戦略にも合致するものとしている。

今回の設備停止で年間1億ドルの節約となる。(特別損失としては7億ドルを計上する)
ダウはRohm and Haas との合併で13億ドルのシナジー効果を出すとしている。

今回、下記の設備を停止する。

  立地 能力
エチレン Hahnville, Louisiana  409千トン
EO/EG Hahnville, Louisiana  385/330千トン
EDC/VCM Plaquemine, Louisiana  970/590千トン

同社では昨年、以下の設備の停止を発表している。

  立地 能力
EPDM Seadrift, Texas  
LDPE(The Poly 2 line) Freeport, Texas  100千トン
塩素化ポリエチレン Plaquemine, Louisiana  
Styrene monomer Freeport, Texas  

ーーー

ダウは6月29日、Algenol Biofuels, Inc.と共同で藻からバイオ燃料をつくるパイロットプラントを建設・運営すると発表した。

同社の Freeport, Texas に建設する。

Algenol の技術はCO2、海水、日光、非耕作地を使用してエタノールをつくるというもの。
ダウと、
National Renewable Energy LaboratoryGeorgia Institute of TechnologyMembrane Technology & Research, Inc. が技術や知見を提供する。

Algenol は藻類の細胞からエタノールを取り出す技術を開発した。藻類を乾燥・加圧してバイオディーゼル用の油を抽出するというコストのかかる工程を省略できる。

ハイブリッドの藻をシールした透明なプラスチック製の光バイオリアクターに入れ、 Direct to Ethanol(TM) 技術で日光とCO2と海水から低コストでエタノールを生産する。  光合成と天然の酵素の働きで糖分を直接エタノールに変換する。

コーンではエーカー当たり年間 400ガロンのエタノールが取れるが、Algenol 技術では6,000ガロンが取れるという。
2009年末にはこれを10,000ガロンにアップする計画で、将来は20,000ガロンまでアップする。

 


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伊藤忠が出資するイランのMehr Petrochemical は、Assaluyeh地区Pars Special Economic Energy Zoneで230百万ドルを投じ、高密度ポリエチレン年産30万トンプラントを建設していたが、5月に試運転を開始、現在はフル稼働をしている。

6月25日、Mahmoud Ahmadinejad大統領、Gholam-Hossein Nozari 石油相が出席し、竣工式を行った。

日本企業が参加する石化事業としては過去24年間で初めてのもの。

イラン・ジャパン石油化学(IJPC)は1989年10月に精算で最終合意し、1990年2月に清算が完了した。

2006/3/28 イラン・ジャパン石油化学(IJPC)の歴史-2

Mehr Petrochemical はイランの国営石油会社(NPC)が40%、日本/タイの合弁投資会社  Alliance Petrochemical Investment (Singaore)が60%を出資している。
投資会社には伊藤忠が約20%、タイのCementhai Chemicals が約63%、タイのナショナルペトロケミカル(NPC)が約17%を出資している。
NPCはその後、TOCと合併してPTTケミカルとなっている。)

タイの2社は原料立地の観点からHDPE事業の立地を中近東に求め、伊藤忠の紹介でNPCと交渉を行ったもの。

2005年6月に三井造船と三井化学が共同で建設を受注した。

三井化学は高密度ポリエチレン製造技術(CX技術)を供与し、三井造船は製造プラントの基本設計、機材の調達及び製造プラントの建設指導を行い、イラン国内の大手建設会社Rehabilitation & Maintenance of Petrochemical (RAMPCO) とコンソーシアムを形成してRAMPCOにイラン国内の機材調達および製造プラント建設工事を担当させた。

Cementhai Chemicals のタイの3系列のHDPEプラントは、いずれも三井化学が技術をライセンスし、三井造船が納入している。

また、国際協力銀行は2005年8月、ドイツ銀行東京支店とスタンダードチャータード銀行東京支店との協調融資で、同プロジェクトに総額約5,900万ドルを限度とする貸付契約(バイヤーズ・クレジット)に調印している。

ーーー

2006年6にバンコクポスト紙は業界筋の情報として、米国がイランの核問題を理由に本計画の中止を求めていると報じた。
「サイアムセメントや伊藤忠が米国から計画中止の圧力をかけられており、計画が遅れている」とした。

伊藤忠は2005年の発表時に、「本事業に際し、昨今のイランを取り巻く状勢を鑑み、米国の専門家とも内容を慎重に検討し、本事業が大量破壊兵器やテロに繋がる可能性あるいは米国の法律(ILSA等)に抵触する可能性が無い事を検証しており、案件の透明性・健全性を確立致しました」としていた。

本計画には世銀グループMultilateral Investment guarantee Agency (MIGA)が保険を付与している。契約不履行による出資・融資リスクに対し15年間の保証で、タイ側には戦争や内紛のリスクもカバーしている。

2006/6/20 伊藤忠のイランHDPE計画に米国の圧力?

2005年の発表時に本プラントの完成および生産開始は2008年の予定としていたが、若干の遅れで実現した。

ーーー

式典で石油省副大臣は次のように述べた。

現在、150億ドルを投資した24の石油化学計画が建設中である。
第5次5カ年計画の完了時(2015年)には合計250億ドルを投資する46の新しい石油化学計画が完成する。

2004年度(2005/3終了)の石油化学製品の輸出は32億ドルであったが、2008年度には82億ドルに増えた。

本計画に続き、近いうちに Arya Sasol Petrochemical の竣工式が行われる。

これは「オレフィン No.9」と称されるもので、NPCと南アのSasol の50/50JVである。
Mehr Petrochemical
と同じく Pars Special Economic Zoneにあり、エチレンが140万トン、MDPE/HDPEが30万トン、LDPEが30万トンとなっている。

投資額は13.5億ユーロで、2002年に建設を開始した。

 


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スイスに本拠を置き、ロンドンとカナダで上場している石油会社、Addax Petroleum は6月24日、Sinopecの買収提案を受け入れると発表した。

買収金額は約83億カナダドル(約6900億円)で、買収交渉が明らかになる前日(6月5日)の株価に47%のプレミアムを乗せた価格となっている。

Addax Petroleum はナイジェリアやイラク北部などで豊富な石油権益を持っている。中国政府の援助などをてこに、中国の石油大手はアフリカなどでの油田権益獲得を進めており、今回の買収もその一環である。

Addax Petroleum は1994年に西アフリカの石油・ガス開発のために設立された。
1998年にナイジェリアで最初の生産物分与契約を締結、現在はナイジェリア、ガポンなどとイラクのクルド自治区で権益を有している。
原油生産量は1998年の 8.8 Mbbl/d から2009第1四半期には134.7 Mbbl/d に増えている。 

同社が権益を持つ油田の2008年末現在の原油埋蔵量は以下の通り。 (MMbbl)

  Nigeria Gabon Iraq total
Proved oil reserves
 Developed producing
 Developed non-producing
 Undeveloped
 Total

  82.0
  11.8
  39.9
 133.7

 20.0
 8.4
 38.2
 66.6

 -
 -
 13.7
 13.7

 102.0
 20.3
 91.9
 214.2
Probable  190.2  36.6  95.7  322.5
Possible  134.9  23.7  43.1  201.7
Total  458.8  126.9  152.5  738.4

イラクのクルド自治区ではTaq Taq 油田についてトルコのGenel Enerji が組んで2005年7月に自治区政府と生産物分与契約を結んだ。
2006年11月に生産を開始したが、イラク政府はこの契約を承認していない。
但し、本年6月、例外的措置としてイラク政府はこの油田からの原油輸出を承認した。

2009/6/9 イラクのクルド自治区の原油輸出開始 

Addax Petroleum には以前から買収の噂が流れており、中国海洋石油有限公司(CNOOC)や三菱商事、インドのOil & Natural GasKorea National Oil などの名前が上がっていた。

Sinopec のオファ価格は他社よりも高いと言われており、業界ではこれ以上の価格でオファする相手はいないだろうと見ている。
Addax が契約破棄した場合のペナルティは3億ドルとされている。

ーーー

中国の石油会社は以前からアフリカに進出している。

PetroChinaSinopecCNOOC はナイジェリアに石油・ガスの権益を持っており、Sinopec Addaxと共同でGulf of Guinea2箇所の深海油田探査を行っている。

またSinopec は昨年9月、シリアで油田の開発、生産を行なっているカナダの石油会社 Tanganyika Oil を買収した。

2008/10/1 Sinopec、シリアで活動するカナダの石油会社を買収

 

中国のアフリカ進出は単に資源獲得だけではなく、進出先の国と中国との関係を強化する政治的な目的も持っている。<p><p>HTML clipboard</p></p>

進出先の国との関係強化、石油資源獲得という国家戦略に加え、中国には人民元切り上げ圧力を避けるために外貨準備高を減らす必要があり、これらを背景に政府の支援を受け、買収価格を引き上げて勝ちとっており、他国の私企業は買収競争で太刀打ちできない。

ーーー

石油関連では中国は本年2月、ロシアとの間で政府間協定を結んだ。

中国開発銀行がロシア国営石油会社 Rosneft に150億ドル、東シベリア太平洋パイプラインを運営するTransneftに100億ドルを低利で融資する見返りに、Rosneft は20年間、毎年15百万トンの原油の供給を行い、Transneftはパイプラインを中国に延長する。

中国はまた、ブラジルのペトロブラスとも契約を締結している。

2009/2/27  中国、ブラジルに接近

 


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PetroChina Ineos のスコットランドの Grangemouth 製油所の買収交渉をしていることが19日に明らかになった。

PetroChina 524日にシンガポール石油の34.41%の買収を発表したばかりだが、今度は欧州に進出する。
PetroChina 昨年5月、新日本石油との間で、新日石子会社の新日本石油精製が保有する大阪製油所(115千バレル/日)を共同出資会社として運営することで合意している。

2009/5/28 ペトロチャイナ、シンガポール石油株 45.51%を買収

PetroChina では交渉をしていることは認めている(「欧州の製油所買収は欧州での活動の助けになる」)が、交渉は予備的段階であり、またダウンストリームは今は儲からないとし、決着には時間がかかるとしている。

Grangemouth 製油所は能力 日産20万バレルでほとんど全ての燃料をスコットランドで販売している。

フォース湾Firth of Forth)にある同製油所は1924年に開設された。
BP(その後
Innovene)が運営していたが、2005年12月にIneosに売却された。
同時に売却されたフランスの
Lavera製油所とともに、Ineos Refining となっている。
製油所は、
North Sea70以上の油田からの英国の石油生産の半分以上を輸送する Forties Pipeline System につながっている。<p>HTML clipboard</p>

Grangemouth 製油所に隣接し INEOS Olefins & Polymers があるが、これは今回の交渉の対象外。

PetroChina はこの買収に成功すれば、英国のエネルギー市場にポンド安による低価格で参入できる。また North Sea 油田の開発に参加する糸口も出来る。

Ineos は経済危機の影響で苦境に陥り、昨年11月17日、銀行団に対し、総額70億ユーロの2つの借入契約を2009年5月末まで免責するよう要請した。

その後、期限の再延長を要請、本年5月27日、債権者の2/3以上の賛成で7月17日までの延長の承認を得た。
同社は
Grangemouth 製油所売却を数社と交渉していたとされている。


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ダウケミカルは6月2日、アジア太平洋地区の新しいビジネスと革新の拠点、上海ダウセンターを開設したと発表した。

ダウ上海センターは浦東新区の張江高科技園区(ハイテクパーク)にあり、アジア太平洋地区の新事業・イノベーションのセンターとなる。面積は10万平方メートル以上で、ダウのグローバルな第一級のR&Dセンターと、ダウの事業の地域本部となる。

Andrew N. Liveris CEO によれば、これはダウの3番目に大きい市場である中国での重要な一歩というだけでなく、最近のRohm and Haas 買収と並んで、「新しいダウ」-より市場志向、需要家志向の企業 - に変身するという決意の表れである。

80以上の研究室に500人以上の研究員、技術者を抱え、建設、自動車、エネルギー、水処理、エレクトロニック、パーソナルケア製品など、アジア太平洋地区や世界中の住民の生活の改善に必須の分野での革新的な解決策を開発する。

これの特徴はユニークなCustomer Innovation Center を有していることで、需要家と相携えて市場機会と新アイディアを利益のある事業に変えていくことを目指している。また、ダウとしては初めて、ダウの広範なR&D、事業の専門知識を需要家のニーズ、知識とを結びつけ、「Our Lab is Your Lab, Together We Will Grow」という哲学を実行する。

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ダウはこの10年、中国での事業を拡大している。

2006/8/23 中国でのダウの活動

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ダウは現在、神華グループと陝西省楡林市での大規模石炭化学のJVのFSを行っている。これには年産300万トンのメタノール計画、100万トンのオレフィン計画が含まれており、本年下期にNDRCに申請する予定となっている。

ダウは2007年5月21日、中国の国有石炭最大手・神華集団との間で、陜西省楡林市にワールドスケールのCoal-to-Chemicals コンプレックスを建設するための詳細FS実施の契約を締結した。

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ダウは6月3日、江蘇省張家港市で酸化プロピレンベースのグリコールエーテル工場の商業生産を開始したと発表した。

最新技術の設備で能力は年産12万トン。アジアで伸びているエレクトロニクス産業で使用されるとともに、塗料や洗剤等の幅広い用途がある。
張家港市は上海から200kmの揚子江の南岸に位置し、中国の拡大する需要に対応するとともに、日本、韓国、台湾の既存の需要家への供給基地にもなる。

張家港市にはダウのエポキシレジン、SBラテックス、PS、スタイロフォームのプラントがある。

張家港のPS事業は1998年に旭化成とダウが50/50のJV、SAL Petrochemical (Zhangjiagang) Co., Ltd. を設立し、2002年11月に商業生産を開始したもので、能力はHIPS 12万トン。

旭化成は1994年に香港にダウとの50/50JVのStyron Asia Limited を設立し、PSの中国顧客および東南アジア日系顧客へのマーケティングを行っていたが、中国での現地生産のため上記のJVを設立した。

しかし、旭化成は2006年3月に新中期経営計画 「Growth Action-2010」を策定、PS事業を、差別化・特殊化により付加価値アップを指向していく 事業と位置付け、同年8月、汎用用途が主体のアジアの二つのPSのJVの持分をダウに譲渡することで合意した。

2006-8-11 旭化成、ダウとのPS合弁から撤退

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Dow Epoxy Systems は313、武漢に混合工場を立ち上げた。現地のニーズに合わせた供給が可能となる。

Dow Epoxy Systems は、ダウの戦略である川下の機能製品事業への投資として2007年にダウのEpoxy 部門がEpoxy formulatorのドイツのUPPC、米国のPoly-CarbおよびGNS Technologiesを買収し、開設した新事業部。

エポキシ樹脂に硬化剤や添加剤を混ぜることにより、顧客仕様の性能に適合した配合製品を提供する。

同社は土木、特殊防食コーティング、コンポジット、風力発電などの用途分野に注力している。

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ダウは20068月、中国でエポキシ事業で5年間で2億ドルの投資をすると発表したが、2007年3月、上海ケミカルパークに世界最大級の10万トンの液体エポキシ樹脂(LER)プラントと、エポキシ原料のエピクロルヒドリンの新工場15万トンを建設すると発表した。
エピクロはバイオディーゼルの製造で副生するグリセリンを原料とする
Glycerine-to-epichlorohydrin 法を採用する。

ダウは上記の通り、江蘇省張家港市の揚子江国際化学パークにエポキシ樹脂の工場を持っている。
2003年5月にスタートした
 41千トンのプラントで、2008年に34千トン増設し、75千トンに拡大した。


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