「no」と一致するもの

SaudiAramco の関係会社の韓国の石油精製会社 S-Oil は、以前に雙龍セメントが所有していた金庫株 28.4% を時価の14%増しの25億ドルで韓国航空など韓進グループに売却することを決めた。

S-Oilには SaudiAramco の子会社 Aramco Overseas Company B.V. 1991年以降35%出資しており、韓進グループは第二の株主となる。

韓進グループは本買収のため、3月2日に韓進エネルギーを設立した。グループの韓国航空が82.5%、韓進海運が14.6%、韓進空港サービスが2.9%出資した。

S-Oil はSK(蔚山)、LG-Caltex(麗水)に次ぐ韓国第三位の石油会社で、温山に製油所を持つ。

第4位は現代Oilbank(大山)で第5位は仁川製油(仁川)
仁川製油は2001年に会社更生法で再建を図り、一時は中国のSinochemによる買収の覚書を締結したが、最終的に2006年3月にSKが買収した。SKはこれにより、Sinopec中国石油天然気集団(CNPC)、新日本石油に続き、アジア地域で第4位の石油会社として急浮上した。
  

同社は中国の需要増を見込んで、忠清南道瑞山市に2010年までに37億ドルを投じて日産48万バレルの製油所建設を計画しており、株式売却資金をこれに充当する。
新製油所が完成すると、同社の能力は106万バレルとなり、第二位のGS Caltex (65万バレル)を追い越す。

S-Oil は今後、韓国航空や韓進海運など韓進グループへの製品供給を行うとともに、韓進海運を使って原油や製品の輸送を行う。

SaudiAramco は原油の安定的供給で韓国の安定的発展に寄与しており、S-Oil は韓国とサウジの経済協力のシンボルとなっている。

ーーー

なお、第4位の現代OilbankにはアブダビのInternational Petroleum Investment Company (IPIC)70%を出資している。
1999/1250%2002年に更に20%取得。
 現在の出資はIPICが20%、IPIC子会社のHanocal Holding が50%)

ーーー

SaudiAramcoは日本では昭和シェル石油に15%の出資をしている。
2004年に50%株主のシェルから10%分の譲渡を受け、2005年に更に5%分を購入した。

昭和シェル石油はこれまで原油の過半をシェルから購入していたが、SaudiAramcoからの出資受け入れで原油調達能力を高め、競争力を強化、SaudiAramcoは悲願の日本市場進出を果たした。

住友ベークライトはこのたび、スイスの熱硬化性樹脂メーカー Neopreg AG 買収した。
同社は繊維強化熱硬化性樹脂のメーカーで、繊維強化ポリイミド成形材料 Kinel、繊維強化エポキシ成形材料 Neonite を製造販売している。
住友ベークライトは同社を、2005年に
スウェーデンのPerstorp AB から買収したベルギーの熱硬化性樹脂成形材料メーカーのVyncolit N.V. に統合するが、Neopreg の名称は存続させる。

ーーー

住友ベークライトは、最初のプラスチックの「ベークライト」を日本で最初につくった会社である。
 2006/2/15 「
プラスチック100周年 参照  

住友ベークライトは米国オキシデンタルとの合弁で世界各地でフェノール樹脂事業を行っていたが、2000年9月、オキシデンタルから同事業全体を1億5千万ドルで買収した。これにより、買収後の生産能力はフェノール成形材料67千トン、フェノールレジン112千トンとなり、世界シェアはそれぞれ25%、11%となった。

会社 工場所在地 買収対象 事業内容 製品
デュレズ事業部 オハイオ
ニューヨーク
オンタリオ
100%事業・株式 生産・販売 フェノールレジン成形材料
ヨーロッパ法人 ゲンク・ベルギー 100%株式 同上 フェノールレジン他
スミデュレズ カナダ オンタリオ 50%持分 生産 高機能フェノール成形材料
スミデュレズ アメリカ 50%持分 販売
スミデュレズ シンガポール シンガポール 25%株式 生産・販売 フェノール成形材料
住友デュレズ  静岡 25%株式 生産 フェノールレジン
OXYSIM技術 導体テープ用レジン技術

* 住友デュレズは2001年4月1日付で吸収合併した。

ーーー

同社は2003年8月に、フェノール樹脂事業のうち摩擦材用レジンを主力製品とするスペインのFers Resin SA社およびその関連会社を買収した。コア事業のフェノール樹脂事業の重点用途である摩擦材用レジンのグローバル展開を促進するのが目的。

買収したのは販売会社 Fers Resin SA製造会社 Fenocast SA及び両社が保有する子会社3社。

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同社は2005年、スウェーデンのPerstorp AB から子会社のVyncolit N.V.(ベルギー)とVyncolit North America, Inc.(米国)の全株式を約 114億円で買収した。

住友ベークライトはフェノール樹脂関連事業について、日本、米国、東南アジア、中国、欧州の5大市場に拠点を有しているが、戦略用途である自動車分野で米国や欧州には、これまでフェノール樹脂(レジン)拠点を持つのみで、フェノール樹脂成形材料の拠点は持っていなかった。
Vyncolit N.V. はベルギーに拠点を持ち、欧州における自動車部品用フェノール樹脂成形材料の分野で需要家から信頼を得ている。

この買収により同社は、フェノール樹脂関連事業で 日本、米国、東南アジア、中国、欧州の5大消費マーケットに、8ヶ国16拠点を持つことになった。

今回、スイスのNeopreg AGが加わることとなる。

中国の2006年のエチレン生産量は941万トンとなり、2005年の755万トンを24.5%上回った。
一方、
200711日現在の生産能力は967万トンとなった。(200611日は778万トン)
日本の2005年末の能力は796万トンで、中国の能力は日本の能力を上回った。

3つの海外企業とのJVが生産量の拡大に寄与した。
中海シェル(シェルと中国海洋石油
ほかとのJV)は広東省恵州市大亜湾800千トンクラッカーを第1四半期にスタートし、646千トンを生産した。
2005年にスタートした上海SECCOBP/Sinopec/上海石化:900千トン)と南京のBASF-YPC(BASF/Sinopec:600千トン)は、それぞれ、336千トン、306千トンの増産となった。

生産能力は2006年中に189万トン増えた。中海シェルの800千トンのほかに、Sinopecの茂名石化が640千トン、PetroChinaの蘭州化学が450千トンの能力増強を行った。

各社の能力と生産量の推移は添付の通り。

        能力 生産
05/1/1 06/1/1 07/1/1 2004年 2005年 2006年
大慶石化 CNPC 龍江省   600   600   600    456   556   517
吉林化学 CNPC 吉林省   530   750   750    580   511   752
盤錦エチレン Liaoning Huajin Group 遼寧省   160   160   160    166   157   180
遼陽石化化繊 CNPC   遼寧省   120   120   120    142   146   150
撫順石化 CNPC 遼寧省   150   150   150    175   168   180
北京東方化工 Sinopec 北京市   150   150   150    181   178   168
燕山石化 Sinope 北京市   710   710   710    801   812   820
天津石化 Sinopec 天津市   200   200   200    228   207   232
斎魯石化 Sinopec 山東省   720   720   720    456   825   839
揚子石化 Sinopec 南京市   650   650   650    813   776   755
上海石化 Sinopec 上海市   850   850   850    956   962   960
廣州エチレン Sinopec 広東省   200   200   200    217   214   196
茂名石化 Sinopec 広東省   380   380  1,020     394   348   522
中原石化 Sinopec 河南省   180   180   180    209   192   214
蘭州化学 CNPC 甘粛省   240   240   690    239   246   240
新疆独山子 CNPC 新彊省   220   220   220    254   261   247
BASF-YPC BASF/Sinopec 江蘇省      600   600    ー    341   647
Secco BP/Sinopec/上海石化 上海市      900   900    ー    642   978
中海シェル Shell/CNOOC 広東省         800    ー       646
合計  6,060  7,780  9,670   6,266  7,555  9,412

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ホームプロダクツ、薬品、食品の3事業などを擁するカネボウ・トリニティ・ホールディングスグループは2月27日に、本年7月1日付けで商号及びコーポレート商標を「Kanebo」から「Kracie(クラシエ)」へ変更すると発表した。
「快適な楽しい“暮らしへ”」という願いを込めているという。

事業分野 新社名 現社名
管理・統括 クラシエホールディングス カネボウ・トリニティ・ホールディングス
ホームプロダクツ クラシエホームプロダクツ カネボウホームプロダクツ
クラシエホームプロダクツ販売 カネボウホームプロダクツ販売
薬品 クラシエ製薬 カネボウ 製薬
クラシエ薬品 カネボウ薬品
食品 クラシエフーズ カネボウフーズ
クラシエフーズ販売 カネボウフーズ販売
デザイン・マーケティング クラシエファッション研究所 カネボウIKSM研究所

産業再生機構の下でカネボウとカネボウ化粧品が花王と投資ファンド3社の連合に売却されたが、花王はカネボウ化粧品、ファンド3社はカネボウを引き受けることとなり、その際の取り決めで、「カネボウ」ブランドは2年経過後は化粧品のみが使うこととなっていた。

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カネボウ再建の歴史

カネボウは1887年、「東京綿商社」として創業、紡績所設立認可を得た。
1893年「鐘淵紡績株式会社」となった。太平洋戦争直前には国内企業売上高一位を誇り隆盛を極めた。

1949年に、非繊維事業を鐘淵化学工業(現・カネカ)として分離独立させている。
(1961年に鐘化から化粧品事業を、1971年には石鹸事業を買い戻している)

1968年、伊藤淳二氏が45歳で社長に就任、労使運命共同体論で労使協調路線を進めるとともに、「ペンタゴン経営」といわれる多角化路線を取った。
「ペンタゴン(五角形)経営」では繊維、化粧品、薬品、食品、住宅の5事業を均等に拡大し、多角化の成功例と賞賛された。

しかし二度の石油危機と円高不況で収益環境が悪化したが、ペンタゴンの生みの親の伊藤氏が不振事業の縮小を認めず、経営は悪化した。「収益力も事業特性も全く異なる事業群が混在したことで全体の競争力を失った」(再生機構)。

2004年3月期の同社の事業と売上高(億円)は以下の通り。
繊維  1,150 羊毛、合成繊維、ファッション
ホームプロダクツ   399 入浴剤、シャンプー
食品   465 冷菓、飲料、カップめん
薬品   187 漢方薬(漢方薬を除いた新薬事業すべてを1999年に日本オルガノンへ売却)
新素材等   228 電池、電子関連、人工皮革、ビデオ検査システム
化粧品  1,948  

2003年に伊藤名誉会長が退任して初めて、同社は不振のアクリル事業からの撤退を決めた。

 

更に、経営不振を補うため、「宇宙遊泳」と呼ばれる粉飾取引が行われた。

Kanebo3
カネボウは子会社のカネボウ合繊を通じて毛布原料のアクリルを興洋に売り、興洋は毛布にして商社に販売していた。
安価な中国製品に押され興洋の製品は競争力を失い、商社からの返品が増加した。カネボウは製品をいったん買い取って興洋に販売し、返品代金を興洋から手形で受け取っていたが、業績不振の興洋は現金支払いが滞り、多くが回収不能になった。
カネボウは2003年9月中間期までに流通在庫の損失も含め、計522億円の損失を蒙った。
しかし、カネボウは興洋に役員の半数近くを送り込んで実質的な子会社だったが、カネボウが14.5%出資するカネボウ物流が興洋に14%出資しているだけで、カネボウの連結対象にはなっていなかった。

ーーー

2005年7月、東京地検特捜部は、2003年3月期まで2年間の連結決算で総額約750億円の粉飾をしたとして、元社長、帆足隆容疑者ら元役員3人を証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。

2005年9月、東京地検特捜部は証券取引法違反有価証券報告書の虚偽記載の共犯容疑で中央青山監査法人の会計士4人を逮捕した。連結決算の新会計基準が始まる直前の99年、ダミー会社に株を移して赤字子会社を連結対象から外す粉飾方法をカネボウ側に具体的に指南していたことが分かった。

なお、一連の粉飾決算が上場廃止基準に該当するとし、カネボウ株は2005年6月13日に上場廃止となった。

ーーー

2003年、同社は事業構造改革計画を作成した。

・2004年3月末までに化粧品事業を分離し新会社を設立。
  花王が49%を出資、2007年3月末をメドに花王の同事業と統合
・2006年3月末までにグループ従業員の2割にあたる2,800人を削減し、全従業員を12,000人に
・320億円を投じ、ナイロンの生産縮小や不採算事業から撤退で合繊事業の収益力を強化
・「フィラ」「ランバン」を除くアパレルブランドの縮小
・シャンプーなど家庭用品のブランド再構築。薬品、食品事業のスリム化

カネボウと花王は200310月、両社の化粧品事業を統合すると発表した。
カネボウは多額の有利子負債を抱え経営難に陥っているうえ、2003年9月中間期も400億円の事業構造改革に伴う特別損失の計上などで約630億円の債務超過となる。花王から630億円以上の出資を受け、これ相当の売却益で債務超過を解消するという予定であった。

2004年1月、花王は方針を変更し、カネボウの化粧品事業を完全買収することとした。
交渉過程で企業文化の違いが浮上したことなどから方針を転換した。買収にかかる金額は4千億円以上になる見通し。
この時点で花王は「カネボウ」ブランドを化粧品以外には使用しないことを求め、カネボウ側は「他の事業はつぶせというのか」と不信感を持ったと伝えられた。

この花王の計画に対抗して、国内大手投資ファンドのユニゾン・キャビタルがカネボウに、化粧品事業の買収・新会社設立を提案した。
また、花王によるカネボウの化粧品事業買収に、カネボウの労働組合が反対
を表明した。

2004年2月、カネボウは花王への化粧品事業売却を白紙撤回し、産業再生機構に支援を要請することを決めた。
収益源の化粧品事業を手放した後、生活用品など残る事業だけでは再建の見通しが立たないと判断したもの。
とりあえず、化粧品事業に機構の支援を受け、追って、本体にも支援を要請する。

Kanebonew_1

2004年3月、産業再生機構は政策決定機関である再生委員会を開き、カネボウ再建の具体策を協議した。

 ・本体から分離する化粧品新会社を出資と債権買い取りで計3,800億円支援、出資比率を86%とする案。
 ・繊維事業など本体もカネボウから支援要請を受けた。

 

5月、化粧品会社の詳細が決定した。
 社名:「カネボウ化粧品」
 資本金:1千億円
 出資:再生機構86%/カネボウ14%(カネボウの連結から除外)
 再生機構拠出額:3,660億円(出資860億円+貸付金2,800億円)

  *2004年12月、貸付金のうち1,500億円を優先株(15百万株)に転換
 

6月、カネボウと再生機構はカネボウ本体の再建策を決定した。
同社は構造改善費用の拡大(3,343億円)で2004年3月期末で3,553億円の連結債務超過に陥った。

・取引金融機関に対し995億円の債権放棄を要請
 株主に対し99.7%の減資を実施
 主力行の三井住友銀行が300億円の出資(議決権なし)
 再生機構が50%超の議決権で200億円出資

・今後3年間で全社員の4割弱に当たる1,800人の人員削減

・事業整理
 主対象は繊維部門
  天然繊維は長浜、大垣両工場を売却・閉鎖し完全撤退
  合成繊維もナイロンを大幅に縮小し防府工場を売却もしくは閉鎖。
 食品はカップめん、飲料から撤退

この後、下記の事業分類基準に従って、順次事業整理が行われた。

    売却先
第一分類 事業性があり今後コアとなる可能性が高い
・ホームプロダクツ(シャンプーなど)  
・薬品  
・食品(菓子など)  
・ファッション 海外衣料ブランド:ロレアル、モルガン・スタンレー連合
繊維委託加工
あつみファッション
第ニ分類 事業性はあるがコアになるか見極めが必要
・合繊(ナイロン、ポリエステルなど) 合繊事業:KBセーレン(セーレン51%/カネボウ49%)
       →将来、セーレン100%
樹脂事業(機能性及びAペットシート):三菱化学
・紙パック飲料 チルド飲料:アサヒビール
第三分類 事業性を精査し、継続・売却・清算を判断
・食品(冷菓)
・カネボウ物流
継続する事業
(1)カネボウフーズで行なう冷菓事業
(2)カネボウ物流の事業
(3)婦人インナー部門のオリジナルブランド事業
第四分類 売却先を探し見つからない場合は清算
・食品(カップめん・飲料) カップめん:加ト吉
缶入り飲料:清算
・天然繊維 国内羊毛事業(大垣工場):三甲
・合繊(防府工場関連、海外) ラクトロン(防府工場生分解性繊維:東レ
海外:撤退
・新素材 電子関連:シキノハイテック
人工皮革「ベルエース」
倉本製作所
テキストグラス(
ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維):日東紡績
ベルパール事業(機能性高分子フェノール樹脂、ニューカーボン、PSA):エア・ウォーター
・電池 電池事業:昭栄エレクトロニクス
その他 医用材料事業:睦化学工業
カネボウ化成が行う建材事業:岩尾株式会社
カネボウ化成及び室町化学が行う化成品事業:富士ケミカル商事
室町化学が行うスリングベルト製品事業:日東物産
カネボウ合繊の新規市場開発事業:帝人ファイバー

カネボウベルタッチ(両ファスナー):伸和
半導体(先端ASIC、中級マイコン機種)の最終検査:カネボウ菊池電子のMBO

 

機構は2004年5月にカネボウとカネボウ化粧品を別途に再建することを決めたが、1年で「一体再生」へ方針転換した。

2005年6月、カネボウはカネボウ化粧品が200億円の増資を引き受け、カネボウの議決権の37.9%を持つことを決めた。
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2005年12月、再生機構は入札の結果、カネボウとカネボウ化粧品を、花王とアドバンテッジパートナーズ、MKSパートナーズ、ユニゾン・キャピタルの国内投資フアンド3社の連合に売却すると正式発表した。(文末参照)
2006年1月末に機構が保有する株式と債権を花王側に譲渡し、再生機構は投入した資金を回収し、200億円前後の利益を得た。

花王はカネボウ化粧品を取得し、完全子会社として自らの化粧品事業との相乗効果を狙う。
   ・花王がカネボウ化粧品の株式のうち再生機構が保有する86%と本体保有分の14%を2,790億円で取得
     機構   普通株式 86百万株(86%)+無議決権株式 15百万株 計 2,634億円
     カネボウ 普通株式 14百万株(14%) 156億円
   ・花王がカネボウ化粧品から
ブランドなど知的財産権1,480億円で取得
     
「カネボウ」ブランドはカネボウ化粧品だけが使えるようにするが、2年間はカネボウにも使用を認める。
    (現金・現金同等物を除き合計約
4,100億円で買収)
   ・2006/2にカネボウ化粧品は所有するカネボウ株式 62.5百万株(37.9%)をトリニティに売却

カネボウ本体は3ファンドが出資するトリニティ・インベストメントが取得し、再上場も視野に再生を進める。
  ・国内3ファンドが「トリニティ・インベストメント」を通じ、カネボウ本体株のうち再生機構が保有する32.11
%を取得
  ・カネボウ化粧品が保有する本体株37.9%も花王から譲渡を受け、持ち株比率を70.25%にする
  ・
ファンドは本体株の29.75%を保有する一般株主に対しTOB公開買い付けを実施
Kanebo2_1

結局、紆余曲折のうえ、2004年2月にカネボウが白紙撤回した花王への化粧品事業売却案の通りとなった。

但し、旧「カネボウ」に関しては、問題はまだ解決していない。

トリニティ・インベストメントは一般株主に対してTOBを行ったが、TOB価格が上場廃止時の360円から大きく乖離し162円という想定外の安値である上、算定方式や手続きに問題があった。このため、株主は反発し、適正な株式買い取り価格の決定を求める民事訴訟を東京地裁に起こしている。
トリニティ・インベストメントはTOBでカネボウの100%株主になる予定であったが、現在、議決権ベースで83%に留まっている。

2006年5月、トリニティ・ホールディングスは日用品、薬品、食品の3事業をカネボウから切り離し、「カネボウ・トリニティ・ホールディングス(新カネボウ)」の100%子会社にしたが、3事業の譲渡代金425億円はカネボウには支払われていない。

2006年末、カネボウの個人株主約500人が同社の再建手法は違法だとして、取締役5人を会社法の特別背任罪で東京地検に告発した。

参考 カネボウ個人株主の権利を守る会 公式サイト
     
http://www.geocities.jp/tob_kanebo/index.htm

ーーー

2005/12/16 産業再生機構 発表

産業再生機構は、産業再生委員会の決定を経て、下記の対象事業者にかかる株式及び債権の譲渡等を決定しました。これにより、機構が対象事業者に対して持つ債権その他は一切なくなります。

出資額等
機構は、カネボウ化粧品に対し、86,000百万円の現金出資により、議決権割合の86%に当たる普通株式を取得していたほか、額面合計150,000百万円の債権の現物出資(DES)により、カネボウ化粧品が発行するA種優先株式の全てを取得していました。
また、カネボウに対しては、10,000百万円の現金出資及び、額面合計10,000百万円の債権の現物出資(DES)により、議決権割合の32.11%に当たるC種類株式を取得していました。
今般、機構がカネボウ化粧品及びカネボウに対して保有する株式の全てを譲渡するものです。

債権額等
機構は、カネボウ化粧品に対する元本150百万円の債権をカネボウから1円で買取り、事業再生計画に沿って債権放棄(150百万円)を行いました。その後、化粧品事業の譲受に伴い280,000百万円の新規融資を実行し、前述の150,000百万円の現物出資(DES)を行った後の130,000百万円の債権に関し、事業収益等による一部弁済を受けておりましたが、今般クロージング時点で残存する全額について額面で譲渡等を行うこととしました。
また、機構は、カネボウに対する元本103,821百万円の債権を金融機関等から47,235百万円で買取り、事業再生計画に沿って66,543百万円の金融支援(債権放棄56,543百万円、DES10,000百万円)を行った後、残った37,278百万円の債権に関し、事業売却・資産処分等により一部弁済を受けておりましたが、今般クロージング時点で残存する全額について額面で譲渡等を行うこととしました。

注 売却価格は「守秘義務に当たる」として公表しなかった。

付記

産業再生機構は32日、最後の支援先として残っていたスカイネットアジア航空の支援を終了した、と発表した。

同機構が03年発足以降に手がけた41件の支援はすべて終わり、法律で決められた解散期限より1年早く、今年3月中に解散することになる。
06年3月末時点で178億円の剰余金があり、さらに06年度にもダイエー株式の売却益などが上積みされるため、国民負担は生じない。解散時に残った財産は、国庫と出資者である預金保険機構、農林中金に分配される。

Lyondell は226日、酸化チタン事業をサウジのNational Titanium Dioxide Company Ltd. 通称 Cristal に売却する契約を締結したと発表した。売却額は負債込みで12億ドル、現金での支払いは10.5億ドルとなる。

2007/2/26 「Lyondell とシノペック鎮海煉油化工、寧波で PO/SM 生産」記載の通り、2004年12月にLyondell Millennium Chemical Equistar を吸収合併し、これらを子会社とした。

合併時のMilleniumの事業と能力は以下の通り。(千トン/年)

TiO2
 Chloride
 Sulfate

  515
  155
VAM   385
Acetic Acid   545

今回、旧Millenniumのうちの酸化チタン事業子会社 Millennium Inorganic Chemicals を売却する。
Millennium Inorganic Chemicalsは能力67万トンで、世界第2位の酸化チタンメーカー。米国に2箇所(Ashtabula, OH と Baltimore, MD)、ブラジル(Camacari)、英国(Stallingborough)、フランス2箇所(LeHavre とThann)及び豪州2箇所(Australindに2つ)の工場を持つ。
なお、酸化チタン以外の旧
Millenniumの事業(酢酸関係、香料、シリカ等)は売却しない。

National Titanium Dioxide  (Cristal) はサウジの企業で、世界で9位の酸化チタンメーカー(商品名 CristalYanbu Al-Sinaiyah 工場で1991年から生産しており、2002年に3万トン増強して10万トンになった。設計能力は18万トン。中東/北アフリカでの唯一のメーカー。
本社はJeddah で、英国とシンガポールに販売拠点を持ち、世界70カ国以上に輸出している。
サウジの石化会社
TASNEE66%、湾岸6カ国が均等出資する Gulf Investment CorporationGIC33%出資している。残り1%は個人投資家。

TASNEEについては 2006/5/13 「サウジの民間ポリオレフィン計画」 参照。
GICはガルフの6国(バーレン、クウェート、オーマン、カタール、サウジ、アラブ首長国連邦)が均等出資する投資会社で、TASNEEにも出資している。

1.レジ袋税の動き

2006/6/13  「改正容器リサイクル法成立」で「アイルランドでは、2002年からプラスチック税『Plastax』が課せられており、スコットランドでも検討されている」とした。 

アイルランド
アイルランド政府は、市民団体の要求を受け入れ、本年7月1日にレジ袋税「Plastax」を現在の 0.15ユーロ(24円)から 0.22ユーロ(35円)に引き上げる。    

アイルランドでは2002年に世界で初めて、レジ袋等の減少を目指して1枚 0.15ユーロのPlastax が課せられた。
その結果、1人当たりレジ袋は年間328枚から21枚にまで激減し、12億枚のレジ袋が節約され、プラスチックのゴミが95%以上減って環境改善に役立った。
1999年には買い物客の36%しか買物袋を持参しなかったが、2003年には90%が持参している。
税収は環境計画に使われている。
 

しかし、市中のゴミ削減を目指すロビー「Irish Business Against Litter」では昨年、市民がPlastax に慣れてしまって抑止力にならないとして、Plastax を0.30ユーロに倍増することを要求した。
Plastaxが0.15ユーロのままであったため、2006年には1人当たり 30枚にまで増えている。
 

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スコットランド:

スコットランドではプラスチック税は廃案となった。

2005年秋、1袋10ペンス(約20円)課税の「プラスチック袋に対する環境税」法案が審議され、通れば2007年から施行されることとなっていた。

スコットランドの環境及び農村開発委員会は同年暮れに、情報不足を理由に法案の審議を延期した。
法案は、レジ袋を減らすことで環境問題への意識を高めること、レジ袋の再使用・リサイクルによりゴミの埋め立て量を減らすこと、市中のゴミを減らすことを目的としているが、委員会では以下の点の追加情報が必要とした。
 ・レジ袋業界と小売業界への雇用及び経済的影響
 ・課税の手間とコストが大変で、目的達成が困難ではないか
 ・レジ袋税に付加価値税(VAT)を課すのかどうか

2006年10月、提案議員からの報告を受け、議会の委員会が審議した結果、本案実施が多くの予想外の影響を生むこと、ゴミを減らすという目的を果たし得ないということで、満場一致で本提案を却下した。

提案議員は尚も抵抗を示したが、環境大臣が政府の廃棄物管理戦略のなかでレジ袋縮減問題を検討することとなったため、目的を達したとして提案を引き下げた。しかし、政府が真剣に本問題に取り組まない場合は、再度提案するとしている。

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日本

2007年1月、スーパー大手のイオンは京都市左京区にあるジャスコ東山二条店でレジ袋の有料化に踏み切った。1枚5円。名古屋市、仙台市、横浜市の店舗でも有料化の協議を進めている。 

また、東京都杉並区とスーパー「サミット」はレジ袋を有料化して、削減効果や売り上げへの影響を調べる実験を成田東店で始めた。3月末まで行われる実験は、レジ袋を1枚5円で販売し、30%にとどまっている同店来店者のマイバッグ持参率を60%まで引き上げることを目標としている。

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2.ナイジェリア Eleme石油化学

2006/5/26 「アジア企業の海外展開」で以下の通り述べた。 

インドネシア最大のポリエステルメーカーのインドラマSPL がナイジェリアの国有石油化学会社を買収した。
ナイジェリア政府は昨年
、国営の Port Harcourt 製油所と 石油化学会社 Eleme Petrochemicals Company の民営化を決定、インドラマが競売で韓国のLGやナイジェリア企業に勝ち、Eleme石化の75%225百万ドルで取得した。

国連傘下の国際金融公社(International Finance Corporation IFC)はこのたび、ナイジェリアのEleme石油化学に155百万ドルの投融資を行うことを決めた。

国連では同社がサハラ以南アフリカの最大の民営化事業であり、NGLをプラスチックへと付加価値を高めてナイジェリアの発展に資するものであるため、新生石油化学の成長を支えたいとしている。ナイジェリアには豊富な資源があり、また大きな消費者市場もあるため、石油化学の競争力はあるとしている。

具体的には経営主体のIndorama Petro Limited 50百万ドルの融資と80百万ドルの借入保証を行い、更に、Eleme 石油化学に補修投資資金として25百万ドルの直接融資を行う。

同社の能力は、オレフィンが30万トン、PE25万トン、PPが8万トンとなっている。

 

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3. アル ゴア

Al Gore のAn Inconvenient Truthがアカデミア賞(長編ドキュメンタリー賞)を獲得した。

The Economist (2007/2/22) は今秋のノーベル平和賞候補になるのではとし、理想的な大統領候補としている。
今のところ、本人は絶対に出ないとしているが、大統領になるはずであった彼が、ブッシュに代わってブッシュの失敗を覆すほど、素晴らしいことはないとしている。

 

Dow 買収説 - 化学業界の話題

Dow Chemical が買収されるかもしれないとの噂で、ミシガン州が大騒ぎになっている。

ロンドンのSunday Express が伝えたもので、Kohlberg Kravis Roberts KKR)、Blackstone Capital PartnersCarlyle Group などの投資ファンドがチームを組んでDow Chemical 買収を狙っているという。ニュースソースは明らかにしていない。
同紙はグループの目標価格は
1株60ドル(2月23日終値の38%増し)程度としており、これが事実なら史上最高の540億ドルの買収となる。

これを受け、インド紙はインドのReliance Industries が60億ドルを手当して、ファンドと組んで買収に参加するのではないかと伝えている。

Relianceはグローバルに石油化学、合成樹脂事業を拡大する機会を探っており、Innovene 買収には失敗したが、GEプラスチックの買収を狙っているほか、ダウと提携してJamanagar経済特区の新製油所での石化事業計画を実施し、見返りにダウの北米の石化事業に参加する交渉を進めている。
 
2007/1/16 「インドの Reliance Industries」 

 

Dowは基礎部門(売上の24%のプラスチックと11%のケミカルズ)が原料高騰、値下がりにより収益性が低下しているのを受け、対策としてJV化による“asset lightstrategyを進めている。
 
2007/2/3 「ダウ、PSとPP事業のJV化を検討」  

ダウはミシガン州でGM、フォードに次ぐ3番目の大企業で、州内の従業員は約 6,000 人、JVのDow Corningを加えると 8,700 人となる。
もし買収が実現すれば、収益性の低い基礎部門の処分などで、人員整理、工場閉鎖が起こるのではないかとの懸念が強い。


BIG 3の不振が続く中で、1月にファイザーがミシガン州で2,400人をレイオフし、工場閉鎖を行うことを発表したばかり。

BASFは2月27日、ドイツ企業から「欧州会社(Societas Europaea, SE)」に変身し、社名をBASF AG(BASF Aktiengesellschaft )からBASF SE にすると発表した。4月26日の株主総会に議題として提出することを決めた。本社は今まで通り、ドイツのLudwigshafen に置く。

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欧州の複数の国で事業を行っている大手企業は、各国の国内法の下での会社設立に代わって、欧州法の下での「欧州会社」として設立できるようになることが、2001年10月8日の欧州閣僚理事会において決定され、2004年10月施行となった。
正式名称はラテン語で
ソシエタス・ヨーロピアSocietas Europeae)で通称は‘SE’。
この構想は、30年にわたり懸案となっていたもの。

SEは欧州全域において事業展開することができ、すべての加盟国に直接適用される欧州法に準拠する。
欧州会社法は二つの法令(legislation)から構成され、一つは会社法の諸条項を制定する規則(regulation=加盟国に直接適用される)、もう一つは労働者の経営参加に関する指令(directive=各加盟国の国内法として採択されたのち施行される)。

欧州会社は登録住所の置かれた加盟国において登録され、複数の加盟国にある既存企業を合併し、同じ規則と統合化された経営・報告システムの下に、EU全域で事業を展開することができる。(現在は他の国で子会社を設立)
   
また、法的制限を伴うことなく欧州域内のリストラクチャリング、事業再編および事業統合を柔軟に行うことが可能となる。
(子会社設立、解散、合併などの代わりに、単に事務所の設置、廃止、統合をすれば済む)
事業環境が変化した場合は、他の加盟国へ本社を容易に移転することが可能となる。
   
更に、子会社の場合は親会社又は他の子会社との取引では付加価値税(VAT)が課せられるが、欧州企業の場合は社内取引となるためVATは課せられないというメリットもある。
   
法人税課税は各国の税法に従い、他のすべての多国籍企業と同様に取り扱われる。
   
SEは上場する必要はなく、非公開企業も中規模企業もSEになることはできる。最低資本金は12万ユーロ。

 

今までに欧州会社になった企業には、ドイツの保険会社 Allianz、フィンランドの電機会社 Elcoteq、スウーデンの金融サービス会社Nordea、ノルウエーのバッテリーメーカーNarada Europe などがある。


参考 Statute for a European Company http://europa.eu/scadplus/leg/en/lvb/l26016.htm
    オランダ経済省企業誘致局 レポート 
http://www.nfia-japan.com/report/se.html

カタール石油 ExxonMobil は21、建設費高騰のためGTLプラントの建設を取り止めることを決めた。当初の予算70億ドルのうち、プロセスガスを製品化するための設備の建設費は50億ドルであったが、これが180億ドルにまで上昇している。

中東の石化ブームで建設費は異常に高騰しているが、原油価格の下落による収益性低下もこの判断の要素の一つになっていると思われる。Qatarnorth_2

タール政府と ExxonMobil は20047月、カタールのRas Laffan Industrial City70ドルを投じて1系列としては世界最大の日産154千バレルのGas-to-Liquid (GTL) を建設する基本覚書を締結した。

基本覚書には開発及び生産物分与契約(DPSA)があり、期間は2011年予定の生産開始から25年で、投資コストはExxonMobil 100%負担する。

GTLは天然ガスからつくるガソリンや灯油などの液体燃料で、計画ではExxonMobil AGC-21 GTL技術を採用し、製品の半分はサルファーフリー(10-15 ppm 以下)のディーゼル、20%は高品質の潤滑油、残りはナフサ等となっていた。

ーーー

カタール石油と ExxonMobil は代わりに ガス田開発を行う方針で、カタール石油は ExxonMobil に対して、世界最大のNorthガス田のなかの Barzanガス田開発を提案している。同ガス田は2012年に15億立方フィートのガスを産出する予定。

なおカタール政府は、他の計画には変更なく、シェルとのGTL計画は22に鍬入れ式を行うとしている。

カタール石油とShellは2004年7月に Pearl GTL 計画の開発及び生産物分与契約を締結した。

同計画は上流のガス生産設備と日産140千バレルのGTL設備から成っており、第1段階として2009年に70千バレルを生産、第2段階は2年後の完成を予定している。

シェルはこのほか、 Ras Laffan Cityでの大規模LNG計画(Qatargas 4)の覚書も締結している。

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ExxonMobil とシェルは、それぞれ、カタールでの石油化学計画も検討している。

ExxonMobil とカタール石油は昨年10月、Ras Laffan Industrial City 30億ドルのワールドスケールの石化コンプレックス建設を検討する基本合意書を締結した。130万トンのエタンクラッカーとPEEGを含む誘導品を含むもので、2012年スタートを目指している。

シェルとカタール石油も20062月にRas Laffan Industrial Cityでワールドスケールのエタンクラッカーと誘導品のコンプレックス建設の覚書を締結している。

 

参考 2006/6/1 「湾岸諸国の石油化学ー2 カタール

 

Lyondellは20日、シノペック鎮海煉油化工(ZRCC)が浙江省寧波市の鎮海地区でのワールドスケールのPO/SM計画の最終承認を得たと発表した。

2006/12/6 中国でエチレン増設相次ぎ完成、新規着工も」 で記載の通り、ZRCCは昨年12月に浙江省寧波市の鎮海地区で100万トンのエチレンクラッカーの起工式を行った。

エチレン 1,000千トン
HDPE/LLDPE  450 千トン
PP  300 千トン
MEG  650 千トン
BTX  500 千トン
Butadiene  150 千トン
SM (jv)  600 千トン
PO (jv)  280 千トン
PG (jv)  100 千トン

このうち、SM/PO及びPGについては、既にLyondell と50/50JVを設立しており、政府の認可待ちとなっていた。

今回発表では能力はPOが年産274 トン、SMが同 602 千トンとなっている。
Lyondell の技術を使用、POは両社が共同で販売するとしている。2009年に完工の予定。

ーーー

Lyondell について:

1966年に Halcon International and ARCO Chemical のJVとして Oxirane Chemical Company が設立され、Halcon法によりPO/SM(後にPO/TBAも)の生産を始めたが、これがLyondellの元である。住友化学とLyondellの合弁会社の日本オキシランも最初はOxirane (及びARCO)とのJVであったので、この名前を持つ。 

1985年にARCOの子会社としてLyondell 設立され、1989年に独立した。
ARCOは2000年にBPに買収されたが、これに先立ち、1998年に
Lyondell ARCO Chemical Company を買収している。

1997年にはMillennium Chemicals とのJVでオレフィンおよぴポリオレフィンメーカーEquistar Chemicalsを設立した。
当初はLyondell
が41%出資で、MillenniumとOccidental が各29.5%出資であったが、2001年にOccidentalは持株をLyondellに売却し、その代金でLyondell株を購入している。

2004年12月、Lyondell とMilleniumが合併した。合併後の姿はMilleniumとEquistarがLyondell の子会社の形をとっている。

合併時の各社の能力は以下の通り。(千トン/年)

Lyondell Equistar Millenium
PO  2.050 Ethylene  5,270 TiO2
 Chloride
 Sulfate

  515
  155
SM  2,270 Propylene  2,270 VAM   385
MTBE   * Butadiene   545 Acetic Acid   545
PG & PGE   570 EG   455    
TDI   260 EO   500    
Butanediol   180 HDPE  1,450    
    LDPE   640    
    LLDPE   500    

 * MTBE58,500bbl/

Hensen7

Lyondellは世界のPO技術リーダーで、拠点は次の通り。

地区 場所 能力
(千トン)
併産 備考
米国 Bayport, Tex   545 TBA  
Channelview, Tex   530 SM  
欧州 Fos-Sur-Mer, France   220 MTBE  
Botlek, the Netherlands   250 TBA  
Maasvlakte, the Netherlands   285 SM Lyondell/Bayer 50/50 *
アジア 日本オキシラン(千葉)   181 SM 住化 60%/Lyondell 40%
住友化学(千葉)   200 単産法 日本オキシランに移管予定

* 199911月、Lyondell Chemical はBayerに世界のポリオール事業と米国のLyondell PO事業の36%持分を譲渡した。
 この取引の一環としてオランダでの共同事業(
PO-11と呼ばれる)で合意した。

他の併産法メーカーは次の通り。

    場所 能力
(千トン)
併産  
Huntsman Port Neches, Tex   240 MTBE 1997年Texacoから買収
Koch への売却対象
欧州 ELLBA CV Moerdijkthe Netherlands   250 SM Shell/BASF 50/50
アジア SKC Chemical 蔚山   160 SM 当初 ARCO/油公JV、
1992年ARCO撤退
Seraya Chemicals Singapore   220 SM Shell 100%*
ELLBA Eastern  Singapore   250 SM Shell/BASF 50/50

他にDowが米国Gulf Coast でPO/SMを計画したが、取り止めとなった。
同社は塩素法プラントを持っている。

* Seraya Chemicals Singaporeには当初三菱化学が30%出資
  シェルに持分とPOの引取権を売却するとともに、
   2期分を合わせたSM 38万トン分の建設費相当額を預託し、引取権を確保したが、その後、引取権を放棄。

ーーー

POの製法については下記参照。

 2006/3/24 「ダウとBASF、POを新製法で生産」 
 
2006/11/28 「韓国の錦湖石油化学、南京でPO生産」 

今回の発表のなかで、Lyondell は世界のPOの需要を約650万トンとみている。

 



 

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