「no」と一致するもの

最近、各社が高機能樹脂の増設を進めている

出光興産、千葉工場でSPS樹脂の生産を再開

出光興産は独自開発の耐熱性エンジニアリングプラスチックのシンジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂(商標:ザレック)の本格生産を千葉工場にて再開した。Sps

1985年にメタロセン触媒を用いて、ポリスチレンをシンジオタクチック構造にすることで、耐熱性の高いエンジニアリングプラスチックスとしての特性を付与することに成功、1997年に千葉工場内に5,000/年の商業プラントを建設し、供給を開始した。

同社は1988年からダウと共同研究を行ってきたが、ダウにライセンスを行い、ダウが1999年にドイツのSchkopau 36千トンプラントを建設したため、千葉の生産を停止した。

しかしダウは2004年秋に、同社が想定したほどは需要が伸びなかったとして、本事業からの撤退を決めた。工場は他の製品に転用する。

このため出光では独自に世界展開を図ることを決めた。
2006年1月から米国の
DHコンパウンディング(ダウとPolyOneのJV)にコンパウンドを委託して米国で販売を開始、5月には英国のPerrite にコンパウンドを委託して欧州での販売を開始した。10月から千葉の年産5,000トンのニートレジン製造設備を再開したもの。

これにより日本、アジア、米国、欧州の世界四極でのコンパウンド供給体制と併せ、SPS製品のニートレジン生産から販売までのグローバル供給体制が整えた。設備増強の検討にも着手する。

SPSは、耐熱性、電気特性、耐薬品性、耐スチーム性、軽量性などに特長があり、鉛フリーハンダ対応のコネクタなどの自動車電装部品、IH炊飯器・洗濯乾燥機・スチームオーブンレンジなど加熱部のある家電部品、アンテナなどの電子部品に用途を拡大している。

 

東レ、高機能樹脂PPS、LCPの生産設備増強

東レは10月末に、高機能樹脂のPPS(ポリフェニレンサルファイドLCP液晶ポリマー)の増強を発表した。

PPSは
東海工場に年産2,500トンの重合設備を新設し、年産能力は11,500トンに拡大、LCP樹脂については愛媛工場に年1,000トンの重合設備を新設し、現有能力倍増の年2,000トンに拡大する。PPSは更に2009年までに2,500トンを増設する計画。

PPS樹脂は、耐熱性や耐薬品性、機械的強度、難燃性等に優れたスーパーエンプラで、電気・電子機器やOA機器、自動車の電装部品等に使用されており、世界需要はニートレジン換算で約4万トン推定されている。クレハ、大日本インキ、東レの国内3社グループが供給の8割を占める。

LCP樹脂は、耐熱性や薄肉流動性に優れているのが特徴で、携帯機器の高性能化に伴う電子部品の小型精密化の進展により需要が急速に拡大している。世界需要はニートレジン換算で約2万トン

 

大日本インキ、PPS樹脂の生産倍増

大日本インキ化学もPPS樹脂の倍増を決めた。鹿島工場(茨城県神栖市)に100億円を投じて1万トンの新設備を導入、能力を年2万トンに倍増する。まず第1期として3,500トンの設備を2008年夏にも稼働させる。

なお、クレハも錦での能力7,500トンをデボトルネッキングで10,000トンにするとともに、米国のFortron Industries (Ticona との50/50 JV)の能力を2007年に年15,000トンに倍増する。

 

クラレ、耐熱性ポリアミド樹脂の生産体制強化

クラレは独自技術により開発した耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>=ノナンジアミン(炭素数9 のジアミン)を使用した新しい半芳香族ポリアミド樹脂(PA9T)の能力増強を決定した。Jesta_1

原料ノナンジアミンについては鹿島の3,000トン設備をS&Bで7,000トンとする。
樹脂PA9T
は西条の4,500トンを5,500トンにするとともに、鹿島に新しく 2期に分けて計7,000トンを建設し、合計12,500トンとする。
投資額はモノマー80億円、樹脂 20億円の合計100億円。

<ジェネスタ>は耐熱性、低吸水性、摺動性、耐薬品性などに優れた特長を持ち、電気・電子分野や自動車分野で需要が伸びている。
同社では電気・電子分野におけるターゲット市場(耐熱樹脂需要)を現在で年43千トン、2015年に68,700トンと想定している。

 

三菱ガス化学、低誘電性樹脂「オリゴ・フェニレン・エーテル」製造装置新設

三菱ガス化学は、四日市工場で低誘電性樹脂であるオリゴ・フェニレン・エーテル(OPE:2官能PPEオリゴマー)の製造装置を完工した。年産300トンで、10月から量産品のサンプル配布を行なっている。

ポリフェニレンエーテル(PPE)の低誘電性、高耐湿性などを活かしつつ、溶剤に溶けにくいなどの加工性における難点を、低分子量化および分子量分布の均一化により解決することで、低誘電特性、高耐湿性、高耐熱性に優れるとともに、汎用溶剤に溶ける機能性樹脂として、これを開発した。
同社では
また、熱硬化性や光硬化性を有するエポキシ体やスチレン体などの誘導体を開発している。

Enplaope

 

青島麗東石油化学の山東省青島のパラキシレン工場が近く商業生産を開始する。9月に工場が完成したが、中国政府が原料のナフサの輸入を許可。この問題が解決し12月初めからは商業生産を始める。

青島麗東石油化学は韓国GSグループのオーナーの一族のシンガポール法人GSアロマティックスが設立した。2005年にオマーン石油が出資、現在の株主はGSアロマティックス 60%、オマーン石油 30%、現地のRed Star Chemical Groupが10%。

同社の製造能力は、パラキシレン 700千トン、ベンゼン 250千トン、トルエン 150千トン、ラフィネート 113千トン。青東には、ほかに40万坪の土地を確保しており、今後事業拡大に取り組む。

GS Caltex でなく、一族の個人投資で会社を設立したのは、中国では個人投資が有利なためとされている。

GS Caltexは河北省に同社100%の廊坊佳世化学工業(Langfang GS Chemical )をもち、PPやエンプラのコンパウンド2万トンを生産しており、5万トンへの増設を検討している。
同社は当初は中国側とのJVでGS Caltex Langfang Plastics Co.と称したが、本年6月に100%子会社とした。Hyundai Motor、Kia Motors、LG Electronics 等、現地進出の韓国企業に材料を供給する。

また、同社は本年2月に中国青島市経済技術開発区でGSガソリンスタンド1号店の起工式と現地法人GS Caltex Qingdao Petroleum の開所式を行った。青島一帯でガソリンスタンドと整備のチェーン事業にも本格的に乗り出す。

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韓国GSグループは2005年1月にLGグループの分離で誕生した。

LGグループは第二次大戦後に生まれた。
最初はクリームなど、家庭用品事業からスタート、名前の売れていた煙草のラッキーストライクからラッキー(楽喜)と名付けた。
クリームの瓶の製造から合成樹脂事業に参入してラッキー化学を設立、更に家電製品製造のためゴールドスターを設立し、グループ名をラッキー・ゴールドスター(
Lucky-Goldstar)とした。
その後、グループ名をLGに変更した。

2001年には会社分割で、持株会社LG Chem Investment、
石油化学、情報電子材料、産業資材の「LG化学」、化粧品や日用品などの「LG生活健康」の3社体制となった。

200311月にLG電線グループが分離し、LS」グループ(Leading Solution)となった。

2005年1月、LGはLG
Corp とGS Holdingsに分離した。

分離に際し、GSの許会長「LGが取り組んでいる事業領域には少なくとも私の代では進出しないなど、お互いを尊重するほか、事業のシナジー効果に向けLGとGSの間の緊密な協力関係は維持する」とした。

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LG Chem. の中国進出については 2006/9/12 LG Chem、中国で2工場竣工」 参照

LG Corp とGS Holdings

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GE EPS は当初名 LG Energy で、韓国で最初のIndependent Power Producer

富士フイルムは10月27日、超音波画像診断分野に参入すると発表した。
富士フイルムメディカルを通じ、高画質と小型化を両立させたフルデジタル超音波画像診断装置を発売する。
超音波検査は腹部検査、乳腺・甲状腺検査、産婦人科などの幅広い臨床領域で使われており、特に近年、女性の乳がん罹患率が増加しているため、乳腺超音波検査のニーズが高まりつつある。

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富士フイルムの事業領域は
①イメージングソリューション分野、
②インフォメーションソリューション分野、
③ドキュメントソリューション分野の3つで、

①はカラーフィルム、デジタルカメラ、フォトフィニッシング機器、現像プリント用のカラーペーパー・薬品・サービス等の従来からの同社の事業領域。③富士ゼロックスによる事業。

②のインフォメーションソリューション分野は、医療診断用・ライフサイエンス機材、印刷システム機材、フラットパネルディスプレイ材料、記録メディア、光学デバイス、電子材料、インクジェット用材料等から構成されている。

 

同社は、「先進・独自の技術をもって、人々のクオリティオブライフのさらなる向上に寄与していく」という企業理念のもと、メディカル・ライフサイエンス事業を主要な事業領域の一つとしてグローバルに事業展開している。

・世界に先駆けてデジタルX線画像診断システム「FCR」(Fuji Computed Radiography)を開発
・FCRやCT、MRなどの各種画像診断機器で撮影された医用画像をネットワーク上で管理する医用画像情報システム

FCRの技術をライフサイエンス機器として発展させたバイオ・イメージングアナライザー「BAS」、
・フルオロ・イメージングアナライザー「FLA」、
・ルミノ・イメージングアナライザー「LAS」、
・前処理した血液などの各種サンプルから高速・高純度・高収量で核酸を抽出する画期的なシステム「QuickGene」、
・写真化学反応を使った血液生化学検査システム「富士ドライケム」
・ヘルスケア分野への新規参入
・創薬ベンチャーのペルセウスプロテオミクスへの出資
・放射性医薬品のリーディングメーカーである株式会社第一ラジオアイソトープ研究所の100%子会社化

最近のトピックスは以下の通り。

2003/8 独シェーリングと共同で、乳がんの早期発見を容易にする蛍光造影剤を開発
  富士フィルムの感光材料技術とシェーリングの造影剤技術を融合、従来のエックス線診断では見つけにくいがん細胞だけを浮かび上がらせる毒性のない蛍光造影剤を開発。
   
2005/10 治験支援大手シミックと新会社富士フイルム・シミックヘルスケア設立
  富士 60%/シミック 40% 出資で、シミックが持つ医薬品の治験ノウハウを富士の新製品開発に生かす。
   
2006/2 創薬VBに出資 がん・糖尿病薬開発
  東大教授らの医薬品技術をもとに研究用試薬などを開発するベンチャー、ペルセウスの第三者割当増資を引き受け、発行済み株式の22%を持つ筆頭株主に。
  共同で癌や糖尿病の治療に使う副作用の少ない抗体医薬品の開発に取り組む。
   
2006/9 第一三共から第一ラジオアイソトープ研究所を買収
  放射性医薬品、および放射性標識化合物の研究、開発、製造、販売、輸出入などの事業を行っており、画像診断領域での貢献期待。
   
2006/7 「FCRシステム」が乳房X線撮影用途で米国FDAの市販前承認申請に対する認可PMA)を取得
  コンピューテッドラジオグラフィ(CR)方式のシステムとして、世界で初めて同用途でのPMA認可取得
   
2006/9 ヘルスケア分野に参入
  写真感光材料の開発研究で蓄積したコア技術を活用
  ・FTD技術
   機能的に配合したFormulationを、新鮮なまま安定した状態で狙った場所に(Targeting)、タイミング良く Delivery
   (「油溶成分可溶化」、「ナノ分散・乳化」、「安定化(酸化/熱/水分に対して)」などの多くの技術)
  ・活性酸素の制御 
   写真の化学の原理で、ビタミンCを還元剤として活用した活性酸素の制御
  ・コラーゲンの研究
   フィルムの主原料は体の構造体のコラーゲンと同成分で、ヒトと全く同じコラーゲンペプチドを遺伝子工学で創ることに成功
   
  第一弾として、機能性スキンケア化粧品、機能性体内ケア食品を発売。
   
2006/10 東京大学「生体認識分子工学」講座を開設
  寄付講座「生体認識分子工学(富士フイルム)」が開設
 

上田助教授が開発した、生体が作り出す分子認識素子である抗体(免疫グロブリン)の能力を最大限に引き出す新規な免疫測定法「オープンサンドイッチイムノアッセイ(OS-IA)法」をもとに、この方法に適した目的物質(抗原)との親和性の高い抗体を作製する技術および、その利用技術を開発。

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キャノンは遺伝子診断事業に参入する。
米国現地法人の100%子会社、Canon U.S. Life Sciences が特定の遺伝子を1時間で検出できる技術を開発、病気の診断や薬の副作用が発生する可能性の有無を調べる装置に応用する。米ベンチャーのCaliper Life Sciencesから遺伝子増幅などの技術供与を受けた。 
キャノンは今後の成長戦略として医療・バイオ分野を強化する方針を掲げている。

同社は眼科機器、X線機器、医療画像記録機器等の医療機器を既に扱っている。

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オリンパスの事業にも、医療分野、ライフサイエンス分野がある。

オリンパスメディカルシステムズは、1950年に世界で初めて胃カメラを実用化して以来、直接体内を観察できるファイバースコープ、ビデオスコープを開発、現在は、診断にとどまらず種々の治療を行うための処置具や治療機器、さらに内視鏡下外科手術用機器に至るまで、開腹せずに処置・治療する低侵襲の診断治療事業を幅広く展開している。

ライフサイエンスでは、顕微鏡で培った遺伝子・タンパク質の解析技術・ノウハウ、さらに分析機で培ったシステム化技術・臨床展開のノウハウ等、入口となる研究領域から出口である臨床まで、すべてを基礎から把握しているという財産を活用する。

2002/11 再生医療事業に参入
  培養骨・多検体自動細胞培養装置の販売を目指す
   
2004/9 オリンパスバイオマテリアルを設立
  人工骨補填材や培養骨など、生体材料事業、再生医療事業および関連製品の研究開発、製造、販売に特化
   
2004/11 内視鏡の適応拡大と進化を目指すカプセル内視鏡と周辺技術を開発
   
2005/5 骨補填材事業買収
  住友大阪セメントが製造し、住友製薬が販売する骨補填材の事業部門をオリンパスバイオマテリアルが買収
   
2006.7 グローバルな免疫検査分野に本格参入
  生化学分析装置の技術・ノウハウを活かした免疫検査装置「AU3000i」と専用試薬をグローバルに販売(当初、欧州から)
   

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ペンタックスにもライフケア事業がある。

事業内容は、内視鏡、メディカルアクセサリー、骨補填材、充填剤の製造、販売。

同社は生体内で自然に消失しながら自分の骨に置き換わる次世代人工骨「生体置換型有機無機複合人工骨」の開発ならびに実用化を目指し科学技術振興事業団から委託開発企業に選定された。

2004年6月には、三菱マテリアルの生体材料事業(セラミックス人工骨の製造および販売)を買収している。

Naphthagraph_19月のナフサ輸入価格が52,950円となり(7月51,082円、8月52,397円)、3Qの平均輸入価格は52,100円となった。この結果、3Qの国産ナフサ価格は54,100円となり、1982年4Qの59,700円以来、24年ぶりの高値となった。

バブル後の最安値は1999年1Qの12,300円で、これの4.4倍となる。

 

3Qの平均輸入価格の52,100円は7-9月の平均レート116円/$で換算すると、約651$/t となる。

これはスポット価格グラフの5-7月の高値の時の契約分が入ってきたもので、8月取引はまだ高いものの、9月には平均555$、10月は531$程度と、100$/t程度の値下がりとなっている。

ナフサ100$/tの下落は Kl 当たりで8,000円程度の値下がりとなる。4Qの価格は急落するのは必至。

石化業界にとってはナフサ価格の大きな変動は好ましいものではない。
2006/9/25 「ナフサ価格 急落」参照

Hibetunaphtha

中国化工集団公司(ChemChina)は2004年5月に国営のChina National Blue Star (Group) (藍星グループ)と China Haohua Chemical Industrial (Group) (昊華化工)を統合して設立された。

中国藍星は10月26日、フランスのローディアとの間でローディアのシリコーン事業を買収する契約を締結した。事業価値を同事業の2005年の金利・税金・償却前利益の7倍強の4億ユーロをベースにしている。

ローディアのシリコーン事業は、2005年の売上高が417百万ユーロで従業員は合計1200人、欧州が中心で、フランスに2箇所大きな工場を持っている。アジアでは、上海と江西省、マレーシアと豪州に工場を持つ。

藍星は本年、江西省南昌市に年産10万トンの新しいシリコーンモノマー工場を建設、これにより同社の南昌での生産能力は同20万トンとなる。

藍星とローディアは2004年10月にシリコーン事業で提携の覚書を締結し、2005年5月にはローディア技術により年産20万トンのメチルクロロシランのプラントを建設することで合意書を締結、同時に両社はそれぞれのシリコーンの上流及び下流分野での活動をグローバルに戦略統合する可能性について2006年央までに検討するとしていた。検討の結果、今回の事業売却にいたったと思われる。

ローディアは、この売却は世界で主導的地位を占める事業に専心するという基本戦略に沿い、かつ負債縮減に役立つものとしている。

ローディアは元はローヌプーランで、1998年に化学品事業部と繊維・ポリマー事業部を統合し、新会社ローディアとなった。
(残りのライフサイエンス部門は1999年にヘキストと合併してAventis となった。)

ローディアでには3グループ、7事業がある。

Performance Materials Polyamide
Acetowcellulose acetate fiber
Functional Chemicals Novecaresurfactants, phosphorus derivatives, natural polymers and specialty polymersand monomers
Silcea“Electronics & Catalysis” (rare earths),
“Silica Systems” (highperformance silicas) and “Silicones”
Organics and Services  Eco Servicessulfuric acid
Organics:diphenols and derivativesisocyanatesfluorinated compounds and derivatives
Energy Servicesreduction of greenhouse gases

ーーーーーーーーー

一方、ChemChina はこの数年海外の化学事業の買収に積極的で、2005年10月には豪州の石化会社Qenosを買収した。

Qenosは1999年10月に当時のケムコアエクソンとモービルの折半会社とオリカ旧ICIオーストラリアが豪州の両社の石化事業を統合して設立したもので、エクソンモービルが53%、オリカが47%出資している。シドニーとメルボルンに工場を持ち、以下の能力をもっている。従業員920人。
 エチレン 500千トン、プロピレン 50千トン、ブタジェン 20千トン
 HDPE 180千トン、LDPE 90千トン、LLDPE 120千トン
 ブタジェンゴム 12千トン
このほか、
Qenosはエクソンモービル、錦湖、BASF等の代理店として、EPDM、PP、ポリエステルレジン等々の輸入販売を行っている。

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BlueStar は、本年1月にはCVC Capital Partners から子会社で動物用栄養製品メーカーの Adisseoを買収している。売買代金は4億ユーロ。

Adisseoは、CVCがアベンティス現在サノフィ・アベンティスの動物栄養製品部門を2002年に購入して設立した会社で、メチオニン、ビタミン、飼料用酵素を製造販売しており、年間売上高は5億ユーロ。メチオニンは年20万トンを生産し、世界シェアは29%。

中国では2005年にメチオニンを12万トン輸入しており、今後も需要は10ー15%増加すると見られている。
BlueStarは将来、Adisseo技術により中国内に20万トンプラントを建設する計画をもっている。



 

 

ECはこのたび、ECの協定による州政府の補助金支払い可否を審査した結果、ドイツのバイエルン自由州(英語読みでババリア州)政府による南部エチレンパイプライン社EPSEthylene Pipeline Sud GmbH & Co. KG) への補助金支払いを承認した。
パイプライン建設費
150百万ユーロに対し、当初申請の50%から29.9%44.85百万ユーロに引き下げて承認した。

EPS社はBASF, Borealis, Clariant, OMV Deutschland, Ruhr Oel, Vinnolit, WACKER のコンソーシアムで、 BASF本社工場のあるLudwigshafen (既存パイプラインの東南端)とババリアのMunchsmunsterを結ぶ 357kmのエチレンパイプラインを建設する。

ドイツ当局は、このパイプラインは既存のエチレンパイプラインと「内陸の島々」を結ぶとともに、更に西欧と中欧・東欧のパイプラインを結ぶものと、重要性を主張した。

コンソーシアム参加各社のババリアの拠点は以下の通り。

Borealis Polymere Munich
Clariant Produkte
Gersthofen
Ruhr Oel (BP) Munchsmunster .
WACKER
Burghausen
Vinnolit Gmbh&Co KG:①Gendorf 、② Burghausen (Wacker 敷地内)

Eps_1
 

 

信越化学は23日、中間決算を発表した。

連結売上高が前年同期比19.4%増の6,390億円、営業利益と経常利益は同33%増の1,200億円、当期純利益は同34.7%増の749億円といずれも大幅増加した。
国内の半導体シリコン製造設備の減価償却(定率法)の
耐用年数を、従来の5年から3年に短縮している。(短縮による償却費増は半年で70億円)

3月期決算でも増収、増益、増配を予想している。
但し来年の業績見通しについては、金川千尋社長は、「米国の景気が建設、自動車など下降気味なので楽観できない。今年と横ばいならいい方だと思う」と語っている。

 

信越化学決算推移         単位:百万円(配当:円)

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益 配当
連結 単独 連結  単独  連結 単独  連結  単独  中間 期末
05/9  535,103  276,079   90,291   35,611   90,037   36,027   55,611   22,787  17.5  ー
06/9  639,049  334,650  120,024   40,243  120,043   39,711   74,932   25,311  25.0  ー
                     
03/3  797,523  480,243  122,149   62,014  122,119   62,011   73,015   37,028   7.0   7.0
04/3  832,804  482,580  125,625   56,073  125,612   58,065   74,805   34,725   8.0   8.0
05/3  967,486  520,289  151,734   63,081  151,503   62,030   93,160   39,020  10.0  10.0
06/3 1,127,915  582,426  185,320   73,685  185,040   72,115  115,045   45,065  17.5  17.5
07/3 1,290,000  690,000  241,000   80,000  241,000   80,000  150,000   50,000  25.0  25.0

 

セグメント別営業損益と概況  (単位:億円) 

各分野ともに好調。

  05/9中間 06/9中間
塩ビ系 182 245
シリコーン系 193 200
その他有機・無機 94 106
有機・無機化学品計 469 551
半導体シリコン     258     421
その他      57      84
電子材料計 315 505
機能材料ほか 120 143
全社 -1 1
営業損益計 903 1,200

1)有機・無機化学品 Shinetusegeigyo_2

●塩ビ                               
 米国シンテック社が、北米市場を中心に需要が旺盛で、売値も高水準で推移したことから、増収増益になった。   
 オランダのシンエツPVC社は、欧州全体の需要に支えられ、売上と利益を順調に伸ばした。               
 国内事業は、中国向け輸出の採算悪化により営業利益は減少した。

【シンテック業績】  

  売上高  経常利益 当期純利益
2005/6中間  1,058億円   170億円   112億円
2006/6中間  1,303億円   251億円   168億円
       
2003/12月期  1,671億円   238億円   155億円
2004/12月期  1,971億円   271億円   179億円
2005/12月期  2,330億円   373億円   248億円

●シリコーン
 中国・米国向け輸出が総じて順調であったことに加え、国内販売が堅調に推移し、増収増益となった。
 信越ポリマー㈱の携帯電話用キーパッドなどの加工製品も好調だった。

●その他有機・無機
 セルロースは国内が医薬品向けを中心に堅調に推移したほか、ドイツのSEタイローズ社も建材向けの販売が好調だった。
 酢ビ・PVAの日本酢ビ・ポバール㈱の出荷も好調だった。

2)電子材料事業
●半導体シリコン
 携帯電話、パソコン、デジタル家電、自動車など幅広い分野でデバイス需要が伸びるなか、300mmウエハーでは、需要の拡大を的確に捉えながら、複数の拠点で製造能力の増強を行い、拡大が続く需要に対応した。
 200mmウエハーの需要も高水準で推移した結果、半導体シリコンは大幅な増収・増益となった。
 
 当中間期において、国内の半導体シリコン製造設備の減価償却(定率法)の
耐用年数を、従来の5年から3年に短縮した。(短縮による償却費増;70億円/半年)

●その他
 電子産業用希土類磁石はデスクトップパソコン、サーバー、映像記録機器用途等のハードディスクドライブ向けが好調。
 半導体用フォトレジストは、先端デバイス向けに本格採用が始まったArFレジストが好調。

3)機能材料その他
●合成石英
 液晶用大型マスク基板は、当後半に調整局面を迎えたが、光ファイバー用プリフォームは需要の回復の兆しが見られたことから、合成石英製品は増収増益となった。

●希土類磁石他機能材料
 希土類磁石は自動車、デジタル家電など多くの分野で採用が進み堅調に推移、液状フッ素エラストマーやペリクルも好調に推移。

ーーー

同社は中間配当を前年の17.5円から25円に増やした。年間(予想)では昨年の35円から50円にする。一昨年が20円であったので2年で2.5倍になる。
医薬業界では武田薬品が今期中間60円、年間120円を予定している。

Shinetuhaito

 

ダウは20日、タイでサイアムセメントとのナフサクラッカーJV計画を進めると発表した。

昨年のサイアムの発表では、11億ドルを投じてRayongに新しいナフサクラッカーを建設するもので、能力はエチレン90万トン、プロピレン80万トン。
サイアムが
67%、ダウは33%出資する。2010年稼動を目指す。

ダウは石油化学投資に当たり "asset-light" approach 取っている。Kuwait Oman JVのように、技術と資金を提供してワールドクラスの石化計画に参加するもので、本件もそれであるとしている。

同社ではこのアプローチの利点として、①低コスト原料の入手、②パートナーのローカルのノウハウ活用、③資金節減、④リスクが低い、の4つを挙げている。

ダウはタイでの誘導品事業も検討している。プロピレンではBASFと共同で開発した過酸化水素法POHPPO)を、エチレンでは既存のサイアムとのJVSiam Polyethylene でのhigher alpha olefins PE の増設を検討している。

ダウとサイアムはRayongMap Ta Phut に5つのJVを持っている。
 Siam Polyethylene (LLDPE)
 Siam Polystyrene (PS)
 Siam Styrene Monomer   (SM)
 Siam Synthetic Latex  (SB latex)
 Pacific Plastics (Thailand)  (
Polyol)

新クラッカーはこれらの立地に近いため、川上、川下の連携でより効果が得られるとしている。

なお、サイアム側も 4億ドルを投じてHDPE 30万トン、PP 40万トンのプラント建設を計画している。

タイの石化については 
2006/6/8 「タイの石油化学の現状」、
2006/10/6 「タイで年産100万トンエチレン建設」参照 
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ダウはまた同日、上海浦東新区の張江高科技園区Zhangjiang Hi-Tech Park)でダウセンターの建設を開始した。
65千m2の立地にR&DセンターとグローバルITセンター、付属設備を建設する。

R&Dセンターは数百人の科学者を擁し、60以上の研究室で、建設、自動車、健康、パーソナルケア製品など幅広い研究を行う。

 

ダウのGreater China (本土・香港・台湾)での2005年の売上高は23億ドルで、米国、ドイツに次ぐ3番目の市場となっている。

ダウの中国事業については 2006/8/23 「中国でのダウの活動」参照

 

張江高科技園区は「中国のSilicon Valley & Pharmaceutical Valley」と呼ばれ、多くの企業が進出している。
http://www.localglobal.de/gbf2004/vortraege/shanghai_zhangjiang.pdf 参照)

Zhangjianghitechpark  
 

 

OPEC、減産合意 - 化学業界の話題

 OPECは19日、カタールのドーハで緊急会合を開き、イラクを除く加盟10カ国の生産量を公式生産枠2,800万バレルから170万バレル、実質生産量2,750万バレルから120万バレル減らして2,630万バレルにすることを決めた。11月1日から実施する。

 OPECは2005年7月1日に生産枠を50万バレルアップし2,800万バレルとして以来、公式生産枠を維持してきた。しかし、8月後半以降の原油価格の急落を受け、減産による価格維持策が必要と判断した。

 当初は公式生産枠から100万バレルの減産との説が流れたが、実質生産量は生産枠を50万バレル程度下回っていることから、現状追認に過ぎないとの見方が出て、価格は下落傾向をたどっていた。

 このため、OPECは実質生産量を基準にし、かつ120万トンと減産幅を上積みした。

 OPECでは市場の動きを見守り、12月4日にナイジェリアで開く会合で見直しを行うとしている。

各国の状況及び減産幅は以下の通り。(単位 千b/d)

  生産枠  06/9
  実績
06/9
  能力
減産幅
Algeria    894    890    890    59
Indonesia   1,451   1,400   1,400    39
Iran   4,110   3,750   3,750    176
Kuwait   2,247   2,600   2,600    100
Libya     1,500   1,700   1,700    72
Nigeria   2,306   2,200   2,200    100
Qatar    726    850    850    35
Saudi Arabia   9,099   9,200  10,500
 - 11,000
   380
UAE   2,444   2,600   2,600    101
Venezuela   3,223   2,450   2,450    138
Total 1 28,000 1 27,640  28,940
 - 29,440
  1,200

 OPECの減産合意を受けて、ニューヨーク商業取引所の原油市場は19日、WTI原油の先物価格が夕方の時間外取引で1バレル=61ドル台に急伸した。しかし、実際の減産は合意の70-75%にとどまるとの見方が広がり、一時57ドル台まで下げている。

付記 ニューヨーク原油市場、20日終値は 56.82ドルで約11カ月ぶりに57ドルを割り込んだ。

OPEC生産枠推移

Opecwaku  

台湾プラスチックの雲林県麦寮の第3期エチレン計画が来年上半期に完成することが明らかになった。
完成するのはエチレン 120万トン、プロピレン 60万トン、ブタジェン 17万トン、芳香族 110万トンで、これによりFPCの麦寮のエチレン能力は、1,2期計 1,735千トンと合わせ、2,935千トンとなる。

台湾では2005年のエチレン需要の3,325千トンに対して能力は2,850千トンで、エチレンを輸入して誘導品を生産し輸出している状況だが、この完成でエチレン輸入は不要となる。日本からはこの数年10万トン程度のエチレンを台湾に輸出しているが、これがなくなることとなる。

なお、台湾では中国石油も林園のNo.3エチレン 23万トンをS&Bで100万トンにする計画で、2011年の完成を予定している。

台湾の石油化学については 2006/4/15 「台湾の石油化学」 参照 (添付の能力表は最新版に更新している)

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カタール石油とエクソンモービルは15日、ラスラファンに30億ドルのワールドクラスの石化コンプレックスを建設する検討を進める基本合意書を締結したと発表した。

North Field ガス田からのエタンを原料に、エクソンモービルの技術で、エチレン130万トンのほか、ポリエチレンやエチレングリコール等を生産する計画で、アジアと欧州市場を対象にし、2012年のスタートを予定している。

両社は2004年6月に本件に関する基本覚書を締結している。

なお、カタール政府とエクソンモービルは2004年7月に、ラスラファンでの70億ドルのGas-to-Liquid (GTL) 計画の基本合意書を締結している。

カタールの石油化学については 2006/6/1 「湾岸諸国の石油化学ー2 カタール」参照

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