「no」と一致するもの


両社は県有地の秋田湾産業新拠点に出力65万キロワットの石炭火力発電所2基を建設する計画で、環境影響評価(アセスメント)の手続きは既に終えている。環境アセスの評価書では、着工時期を当初計画通り「2019年8月」と記載。2024年の運転開始を目指していた。

事業の実施に際しては、利用が可能な最良の技術(Best Available Technology:BAT)である超々臨界圧(USC)発電設備の導入により、電源の高効率化や低炭素化に貢献し、適切に環境設備を配置することで、硫黄酸化物や窒素酸化物、ばい塵の排出も抑制するとしていた。

【発電設備の完成予想図】


計画のアセスに対しては環境相が2018年9月、「CO2排出削減の具体的道筋が示されないまま容認されるべきではない」とする意見を経済産業相に提出。経産相はこれを踏まえ、一層のCO2排出削減に努めるよう勧告していた。

2018年9月28日 環境省

事業者である丸紅、関電エネルギーソリューションに対し、世界の潮流に逆行するような地球温暖化対策が不十分な石炭火力発電は、是認できなくなるおそれもあること等を踏まえ、

(1)石炭火力発電に係る環境保全面からの事業リスクが極めて高いことを改めて強く自覚し、2030年度及びそれ以降に向けた本事業に係る二酸化炭素排出削減の取組への対応の道筋が描けない場合には事業実施を再検討することを含め、あらゆる選択肢を勘案して検討すること、

(2)とりわけ、 本事業者については、現在高効率のガス火力等を有している本事業者のグループ会社等との共同実施により、2030年度までに同目標の達成を目指すとしているものの、引き続きその達成に向けた努力が必要不可欠であること、

(3)そのほか大気環境、水環境及び廃棄物に係る適切な環境保全措置の検討等を求めている。

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2018年10月30日 済産業大臣勧告

  • 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し、本事業を検討すること。
  • このような国内外の状況を踏まえた上でなお本事業を実施する場合には、ベンチマーク指標の目標を確実に達成するとともに、共同実施者を含む事業者全体として、2030年以降に向けて、更なる二酸化炭素排出削減を実現する見通しをもって、計画的に実施すること。
  • 本事業の工事の実施及び施設の供用に当たっては、二酸化炭素の排出削減対策をはじめ、排ガス処理設備の適切な運転管理及び騒音・振動の発生源対策等による大気環境の保全対策、排水の適正な処理及び管理による水環境の保全対策等の環境保全措置を適切に講ずること。
  • その他、大気環境、水環境、廃棄物等について勧告。

両社は環境保全対策を実施して計画を進める考えを示していた。

なお、2019/2/21付の日本経済新聞は、「関電・丸紅、秋田石炭火力見直し バイオマス転換も」というタイトルで以下のように報じたが、その後、両社の発表はない。

秋田市での大型石炭火力発電所の事業計画を見直す。石炭だけを燃料にする想定だったが、木質チップを混ぜるバイオマス混焼や液化天然ガス(LNG)への切り替えを軸に検討する。石炭火力は二酸化炭素(CO2)排出が多く、環境対策費がかさむ傾向にあり、大手各社の計画変更や撤回が続いている。


参考

中国電力とJFEスチールが共同出資した「千葉パワー」は2018年12月27日、千葉市のJFEスチール東日本製鉄所構内で計画していた石炭火力発電所「蘇我火力発電所」の建設を中止すると発表した。

出光興産、九州電力、ならびに東京ガスは1月31日、千葉県袖ケ浦市にある出光興産所有地を活用した千葉袖ケ浦エナジーの石炭火力発電所の共同開発を断念すると発表した。

2018/12/30 千葉の石炭火力計画中止 & 付記


電源開発、大阪瓦斯および宇部興産が出資する山口宇部パワーは2019年4月24日、宇部市西沖の山で進めてきた西沖の山発電所新設計画に関し、今後、計画変更を検討し、環境影響評価手続を休止すると発表した。大阪ガスが、本計画からの撤退を決定した。

これらは、今回の秋田計画と同様、全て超々臨界圧石炭火力計画である。

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この事業を関電とともに推進している丸紅は2018年9月18日、脱石炭火力発電の方針を発表している。

サステナビリティへの取組み方針に関するお知らせ
(石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業について)

丸紅は、気候変動を人類共通の重要な課題と認識している。地球環境と社会との共存共栄を脅かす問題であり、早急に取組むべき課題であると考えている。

サステナビリティ経営推進の一環として、丸紅の石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業に関する取組み方針を定めた。

1. 脱石炭火力発電へのプロセス

石炭火力発電事業によるネット発電容量を、2018年度末見通しの約3GWから2030年までに半減させる。また、新技術の導入等による保有資産の効率化、環境負荷軽減を積極的に推進する。

2. 新規石炭火力発電事業への取組み

新規石炭火力発電事業には原則として取組みません。

但し、BAT(Best Available Technology, 現時点では超々臨界圧発電方式)を採用し、国家政策に合致した案件については取組みを検討する場合もある。

3. 再生可能エネルギー発電事業への積極的な取組み

再生可能エネルギー発電事業の拡大に向け、再生可能エネルギー電源の比率を、ネット発電容量ベースで現在の約10%から2023年までに約20%へ拡大することを目指す。

秋田計画は超々臨界圧発電ではあるが、環境省意見などからみて、国家政策に合致したものではない。


米商務省は8月19日、中国の華為技術(Huawei)への米国製品の禁輸措置を強化すると発表した。


米商務省は本年5月15日、安全保障上の懸念があるとして輸出を規制する外国企業のリスト(Entity List ) に華為技術(Huawei)を追加した 。米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置である。

2019/5/16 米国、Huawei を対象に2施策

今回制裁回避を防ぐため関連会社46社を追加した。 これらの企業への米国製品の輸出は商務省の許可が必要で、今後も企業の申請は原則却下される。

Bureau of Industry and Securityによる発表

Huawei Technologies Co., Ltd. 別名 Shenzhen Huawei Technologies
子会社3社を別記 Huawei Digital Technologies (Suzhou)、Shanghai Huawei Technologies、Zhejiang Huawei Communications Technology
(以上は5/15の指定分を明確化したもの)

追加 27社
次の各国の子会社
Argentina、Australia、Bahrain、Belarus、China(3社)、Costa Rica、Cuba、Denmark、France、India、Indonesia、Italy (2社)、Kazakhstan,、Mexico、New Zealand、Panama、Portugal、Romania、Russia、South Africa、Sweden、Thailand、UK(2社)、

追加 中国の関係会社19社

なお、商務省は5月15日の当初の発表直後の5月20日、リスト記載企業に対して「一時的一般許可証」を発行した。

5月16日までに有効になった契約について、5月20日から90日間(8/19まで)に限り、携帯電話のソフトウェア更新やネットワークの保守・運用に必要な一部の取引を認めた。「現在Huawei 製のスマートフォンを使っている一般ユーザーと地方のブロードバンドネットワークのための運用継続を認めるもの」としている。

8月19日に期限の到来を受け、商務省は今回、この猶予措置を更に90日間、11月18日まで延ばす。

ロス商務長官は声明で「米消費者がHuawei 製品から離れるのを促す中、混乱を避けるためにもう少し時間が必要だ」と説明した。

付記 11月18日、2020年2月17日まで、さらに90日延長することを発表した。


トランプ大統領は6月末の会談で習近平国家主席の要請を受け、「安保に脅威とならない取引を認める」と制裁緩和を表明した。

しかし、トランプ大統領は8月18日、「Huaweiとは一切ビジネスをしたくない」と強調した。

制裁解除を求めてきた習近平指導部は反発するとみられる。

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米商務省は6月21日、輸出管理法に基づき安保上懸念がある企業を列挙したEntity List (規則 744.11(b) )にスーパーコンピューター大手5社とそれぞれのグループ会社を追加した。

商務省は、スパコンが「核爆発のシミュレーション」などの軍事目的に利用されていると指摘。無錫江南については、中国人民解放軍の傘下にある研究施設が所有者で「中国軍の近代化を使命としている」とした。



米商務省のBureau of Industry and Security (BIS) は8月13日、中国国有の原子力発電最大手、中国広核集団 とその子会社をEntity List (事実上の禁輸リスト)に加えると発表した。

米国の原子力技術を軍事転用しているとして、米国製品の販売を阻止する。原発は中国がハイテク産業育成策「中国製造2025」で掲げる重点分野 で、米政権は禁輸措置などを駆使して中国ハイテクへの締め付けを強めている。

2019/6/24 米、中国スパコン大手を禁輸対象に指定 及び 付記


トランプ米大統領が デンマーク領のグリーンランドの買収について、買収の合法性に加えて、自治政府が存在する島を購入する場合の手続きについて調査するよう周辺に指示した。米紙が報じた。

数週間にわたって買収構想を持ち出しており、周辺は冗談なのか真意を測りかねているという。

米政権は中国が北極政策の一環としてグリーンランドに接近していることに警戒を強めている。国防総省は5月の報告書で、中国が衛星通信施設や空港の改良工事をグリーンランドに提案していると指摘 、軍事転用の可能性を懸念してきた。米国の安全保障に支障が出る可能性も懸念する。

米国は北部のThule に空軍基地を持っている。1951年の冷戦時に建設したもので、レーダーとモニター基地で600人の要員を置き、米国のグローバルな防衛システムの一つである。

グリーンランドの空域を中国が抑えることは、米軍にとって耐えがたいことである。

一部の専門家は、米のチューレ空軍基地が島から追い出されかねないと懸念する。

米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は8月18日のFOXニュースのインタビューで、デンマーク領グリーンランドの買収構想が政権内で浮上していると認めた。

天然資源が豊富な点などをあげて「要衝の地だ」と強調した。ロシアや中国が北極進出を強めていることを念頭にグリーンランド買収は米国の国益と合致するとの見方をにじませた。

1946年に当時のトルーマン大統領もグリーンランド買収に乗り出したと指摘した。トルーマン米大統領が1億ドルで買収をデンマークに打診したが拒否された。

トランプ大統領は9月2、3両日にデンマークを公式訪問し、フレデリクセン首相やマルグレーテ女王と対面する。

グリーンランド自治領政府は16日、声明を発表し「グリーンランドは当然ながら売り物ではない」と表明した。

デンマークのフレデリクセン首相は地元紙の取材に対し、「グリーンランドは売り物ではない。グリーンランドはグリーンランドのもの」「これが本気ではないことを強く望む」とコメントした。

付記

トランプ米大統領は8月20日、デンマークのフレデリクセン首相との会談を延期する意向を明らかにした。グリーンランド購入提案を首相が一蹴したため。

Denmark is a very special country with incredible people, but based on Prime Minister Mette Frederiksen's comments, that she would have no interest in discussing the purchase of Greenland, I will be postponing our meeting scheduled in two weeks for another time.

大統領はツイッターに、グリーンランドに建つトランプタワーの合成写真を載せ、"I promise not to do this to Greenland!" と述べた。

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グリーンランドはデンマークの旧植民地で、1979年5月に自治政府が発足し高度な自治権を獲得した。現在はデンマーク本土、フェロー諸島と対等の立場でデンマーク王国を構成している。

2008年11月、グリーンランドで自治拡大を問う住民投票が行われ、承認され、2009年6月21日に施行された。
公用語をグリーンランド語と明記し、警察と司法、沿岸警備などの権限が中央政府から自治政府に移譲されることとなった。
また、これまで本国と二分していた地下資源収入について、7500万デンマーク・クローネまでを自治政府の取り分として、残りの超過分を本国と折半することが盛り込まれている。

エノクセン首相は「遠くない将来に完全独立が実現することを望む」と語った。

人口は約5万7,000人で、デンマーク人は12%に過ぎず、88%がエスキモー系の先住民族のKalaallit(広義のイヌイット)である。(カナダのイヌイットと区別して呼ばれる。)

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米国が懸念するように、中国はグリーンランドを狙っている。

中国政府は2018年1月、北極海の開発や利用に関する基本政策をまとめた「北極政策白書」を初公表した。北極海を通る航路を「氷上のシルクロード(Polar Silk Road)」と呼び、「一帯一路」と結びつける方針を示した。中国はグリーンランドをPolar Silk Roadの拠点とみなしている。

地球温暖化で船舶の通航や資源開発が容易になった北極海で権益拡大をめざす。

中国は白書で「北極圏に最も近い国の一つ」と位置づけ、経済や環境など幅広い分野で北極の利害関係国だと明示した。「中国はエネルギーの消費大国であり、北極海航路や資源開発は中国経済に大きく影響する」とし、権益確保に向けて積極的に関与する方針を示した。

具体的には「企業が北極海航路のインフラ建設や商業利用に参加することを奨励する」「企業が石油や天然ガス、鉱物資源の開発に参加することを支持する」と白書に盛り込んだ。

北極における持続可能な開発,環境保護といった共通の課題について協力等を促進することを目的とし、1996年のオタワ宣言に基づき、北極圏国8か国によってする「北極評議会」が設立され、議論を行っている。

メンバーは、カナダ,デンマーク,フィンランド,アイスランド,ノルウェー,ロシア,スウェーデン,米国の8カ国で、中国は日本や韓国などとともにオブザーバーとなっている。

中国はグリーンランドをPolar Silk Roadの拠点とみなしている。中国資本が島の主要産業に相次いで出資 している。

1) 資源

グリーンランド南端のKvanefjeldではウラニウムとレアアース(neodymium, dysprosium, and yttrium など)の採掘事業が進んでいる。

2016年に豪州企業のGreenland Mineralsが中国の盛和資源(Shenghe Resources)に12.5%の権利を与えた。2018年8月の覚書により、盛和資源が採掘したレアアースの製造、販売を主導する。

盛和資源は本年1月、中国核工業集団(CNNC)の子会社とレアアースの製造、販売のためのJVを設立した。Kvanefjeld鉱のウランとトリウム(原子番号90)からレアアースを分離する。

Greenland Mineralsと盛和資源は別の子会社 China Nuclear Hua Sheng Mining を設立する。Kvanefjeld鉱のウランとトリウムを中国に送り、中国でレアアースを分離加工する。

この事業については自治政府の野党から環境問題や中国の関与度合いなどに関して疑問が呈されており、実現には時間がかかるとみられている。

北端のCitronen Fjordでは豪州のIronbarkが中国企業とのJVで亜鉛採掘を行っている。

陸上原油・ガス田については、China National Petroleum Corp. (CNPC) とChina National Offshore Oil Corp. (CNOOC) がグリーンランド西部で調査が始まるブロックに関心を示している。

2) 空港整備計画


グリーンランドでは移動や輸送を空路に大きく依存している。島内のほとんどの空港は滑走路が短く、40席足らずのプロペラ機しか飛べない。
現在、国際空港は首都から遠く離れ、人口が500人のKangerlussuaq Airportであり、首都のNuukにはプロペラ機しか降りられない。

そのため自治政府は、推定6億ドルをかけて、大型ジェットが離着陸できる3つの国際空港の新設を検討している。(Nuuk と Ilulissatに新設、Kangerlussuaqの改装)

中国のインフラ大手の中国交通建設 (China Communications Construction Company)が 受注した。

デンマークと米国はこれに反対しているが、多数を占める Kalaallitは賛成している。

デンマーク政府は急遽1億ドル余りを自ら出資すると言い出した。島内に米空軍基地を抱えることから安全保障面で問題視し、米国の警戒にも配慮した。

この受け入れをめぐって政権与党は分裂し、議会は混乱したが、自治政府が最終的に受け入れを決めた 。

2019年6月、中国交通建設は撤退を決めた。


Saudi AramcoとインドのReliance Industriesは8月12日、AramcoがRelianceのOil-to-Chemicals 部門に出資する非拘束のLetter of Intent を結んだ。
今後、due diligence を行い、関係部門の承認を得て、来年3月までに確定させる。


Oil-to-Chemicals 部門は石油精製と石油化学と燃料のマーケティングの事業で、西海岸GujaratのJamnagar refining complex (精製能力 日量124万バレル)を含む。
燃料の卸事業については、下記の通り、BPとのJV(BPが49%)とすることを決めたため、JVの51%分が対象となる。

Oil-to-Chemicals 部門の事業価値を750億ドル(債務込み)と想定し、これの20%を取得する。150億ドルの投資となり、外国企業によるインドへの投資の最大のものの一つとなる。

支払は、契約の確定時に50%、1年後に25%、2年後に25%となっている。

Aramcoは過去25年以上にわたり、Relianceに原油を供給してきた。これまでにRelianceのJamnagar 製油所向けに約20億バレルの原油を供給してきた。同製油所は世界でも最大級の精油所で、石油精製から石油化学まで一貫したもの。

今回の投資により、AramcoはJamnagar 製油所に日量50万バレルの原油を供給する。これは、Relianceが現在購入している原油の倍以上である。

原油価格の低迷で収益が落ち込む中、石油部門の多角化を目指す。Aramcoはこれまで、中国や日本、韓国、米国などの石油精製事業や備蓄施設に出資しているが、燃料や石油化学製品需要が急速に伸びているインドへの出資はさほど行っていなかった。


Saudi Aramco は2018年6月、Abu Dhabi National Oil Company (Adnoc) と共同でインド西海岸での440億ドルの精油所建設計画に共同で投資する契約に調印したと発表した。
両社はそれぞれ25%出資する。

2018/7/7 アブダビ国営石油、Aramcoと組み、インドの石油精製・石油化学事業に出資

AramcoのCEOが昨年、ガソリンや燃料の生産能力を倍増したいと述べたが、少なくともそれ以降、インドでの製油所の獲得を目指していた。


一方、Relianceは最近、テレコミュニケーションなどへの投資が嵩んでおり、昨年12月末の借入金は320億ドルに達する。現在、借入金を減らすため、携帯電話基地局から石油・ガス田まで、売却を行っている。

「2021年3月までに実質無借金にする」としている。

Relianceは別途、燃料の卸事業(1400箇所のステーションと、30以上の空港での航空燃料事業)をBPとのJV(BPが49%)にすることを決め、BPから990百万ドルを受け取ると発表した。


今回、両社の思惑が一致した。


Jamnagar精油所は
西海岸Gujaratにある。

1999年に日量660千バレルでスタートした。

2008年に増設し、1,240千バレル(年産5000万トン)になった。世界最大級である。

Fluidised Catalytic Cracker (FCC)、Coker、Alkylation、Paraxylene、Polypropylene や、Refinery offgas cracker、Petcoke gasification プラントなどを持つ。

PPについては、当初の3系列77万トンに、2006年に第4系列28万トンが加わり、新製油所には100万トンのプラントを新設した。

米トランプ政権は8月12日、低所得者向けの公的医療保険 Medicaid や住宅補助、政府の食費補助(フードスタンプ)などの公的扶助を3年間で1年以上受け た低所得の合法移民について、ビザ(査証)の延長や永住権(グリーンカード)取得を制限する新規則を発表した。アメリカへの入国や滞在許可を得ることが一層難しくなるとみられる。

既に永住権をもつ人や難民申請中の人は対象外。

AP通信によると、年約54万人の申請者のうち約38万人が新規則の影響を受ける可能性がある。

移民規制を強めるトランプ政権で、非正規移民に加え、合法的に移住しようとする移民も、所得や能力で選別する姿勢を打ち出した。

今回の「公課規則」は、 12日付けの連邦官報 の中で公表された。10月15日から施行される。 妊婦や子ども、救急医療や災害支援などは対象外という。

政府は、「自給自足の理想型」を推し進めるとしている。

ホワイトハウスは、現行の規則は「自立性があり、我々の公的資金を圧迫しない」移民よりも、「家族との結びつき」がある移民をひいきしていると主張している。アメリカへ流入する移民の3分の2が、能力や実績よりも、家族に基づいて入国しているという。 また、その多くが公的扶助を受けているとする。

トランプ大統領は、「米国人の利益を守るため、移民には経済的に自立してもらう必要がある」と述べた。

1996年にClinton大統領が決めた方針では、外国人はその必要を満たすために公的資源に頼るべきでないとしており、以前からの方針であるとする。

https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/president-donald-j-trump-ensuring-non-citizens-not-abuse-nations-public-benefit/

担当の市民権・移民局(Citizenship and Immigration Services)のKen Cuccinelli 局長代行は公共放送NPRの番組に出演、司会者から「自由の女神に刻まれているEmma Lazarusの詩句なかのの『疲れし者、貧しき者を我に与えよ』もアメリカの精神の一部であることに同意するか」と問われた。

"Give me your tired, your poor,
Your huddled masses yearning to breathe free,
The wretched refuse of your teeming shore.
Send these, the homeless, tempest-tossed to me,
I lift my lamp beside the golden door!"

疲れ果て、貧しさにあえぎ、自由の息吹を求める群衆を、私に与えたまえ。
人生の高波に揉まれ、拒まれ続ける哀れな人々を。
戻る祖国なく、動乱に弄ばれた人々を、私のもとに送りたまえ。
私は希望の灯を掲げて照らそう、自由の国はここなのだと。(意訳 青山沙羅)

Cuccinelli 局長代行は、司会者の質問に「もちろんだ」と答え、続けて、こう述べた。
「疲れし者、貧しき者を我に与えよ――自分の2本の足で立つことができ、公的負担とならない者を

"Give me your tired, your poor, who can stand on their own two feet and who will not become a public charge"

政権を批判する勢力からは「アメリカンドリームを否定し、米国の姿を変える行為だ」と反発の声が上がっている。

今回の措置は中南米からの不法移民に厳しい態度で臨むトランプ大統領の移民政策の延長線上にある。

対象となるのは合法的に滞在許可を得た移民ではあるが、市民権を取得した家族や親類を頼って渡米した低所得者を狙ったものであることは明らか である。

新規則が導入されれば、ビザが更新できなくなることを恐れ、病気になっても医療扶助などを諦める移民が増える可能性が高くなる。移民を支援する全国移民法センターは「合流しようとする移民の家族への罰を拡大するものだ」と非難し、法的手段を検討すると表明 した。

8月13日にはサンフランシスコ市と同郡、隣接するサンタクララ郡が差し止めを求めて訴訟を起こした。

8月14日には、ワシントン州、ニュージャージー州、ネバダ州、ニューメキシコ州など13州が、トランプ政権の新たな移民規制措置は「違法だ」として差し止めなどを求めワシントン州の連邦地裁に提訴した。


東芝メモリホールディングスが8月8日に発表した4~6月期連結決算は、売上高は2,142億円、最終損益が952億円の赤字となった。

営業利益は989億円の赤字だった。これにはPangeaによる旧東芝メモリ買収に伴う固定資産・棚卸資産の取得金額の配分手続き(PPA=Purchase Price Allocation)の影響 285億円(損)と停電の影響344億円(損)を含む。

営業外損失として、借入金期限前返済、優先株期限前償還等で194億円の損失を計上した。

PPAでは、棚卸資産を1,388億円、固定資産を4,295億円 増加した。
棚卸資産については2019年3月期に全額コスト化した。
固定資産については2019年3月期に884億円を償却、残りは総額の95%まで、2022年3月期までに各年1,000億円程度償却する。

2019年3月期では、合計2,272億円を費用化した。当期損益は税効果で1,584億円の損失増となった。

2017年4月1日に東芝からメモリ事業を会社分割し(旧)東芝メモリが発足した。2018年6月1日にBain Capitalを軸とする企業コンソーシアムにより組成される ㈱Pangeaが買収、東芝メモリ ㈱となった。 議決権は、東芝 40.2%、HOYA 9.9%、Bain Capital 49.9%である。

2019年10月1日付で社名を「キオクシア㈱」に変更する。

2019/7/19 東芝メモリ、「キオクシア㈱」に改称 

同社の決算推移は次の通り。(億円)

旧東芝メモリ

東芝メモリ

2018/3月期 '18/4~5 '18/6~19/3 2019/3月期計 2019/1~3 2019/4~6
売上高 12,294 1,894 10,745 12,639 2,470 2,142
営業利益 4,568 704 459 1,163 -284 -989
 (うち一般) (4,568) (704) (2,731) (3,435) ( 23) (-360)
 (PPA影響) (-2,272) (-2,272) (-261) (-285)

(停電影響)

(-344)
当期純利益 7,186 489 116 605 -193 -952

 2018/3月期の当期純利益には、法人税調整額▲3,346億円(益)を含む。

特殊要因を除いた営業利益が大幅に減少している。主力製品であるNAND(ナンド)型フラッシュメモリーの価格下落が続いているためである。

フラッシュメモリーの価格は、2016年後半から2017年にかけて急騰した。その結果、2017年9月に2兆円という価格で売却が成立した。

ところが2018年以降、メモリー価格は急落を続けてきた。

朝日新聞(2019/2/27)によると、東芝メモリの2018年7~7月期に「30%台後半」だった利益率が、10~12月期は「20%台半ば」に低下。2019年1~3月期は営業利益がゼロに近い状態に落ち込みそうだという。
同社幹部は「昨年末から厳しい局面にある」と話す。

米中摩擦の激化で世界経済の先行きに不透明感が広がり、スマホの増産やデータセンターの増設などの投資が控えられていることが大きい。

2019年1~3月期は営業利益がほぼゼロであったが、4~6月期には実質で360億円の赤字となった。当面、事態が好転する気配は無い。

昨年6月に発足したイタリアの「五つ星運動」と「同盟」の連立政権が崩壊の危機に瀕している。

左派「五つ星運動」のLuigi Di Maio党首(副首相・産業相)と極右「同盟」のMatteo Salvini党首(副首相・内務相)は、インフラや移民などのさまざまな政策を巡ってたびたび対立していた。

「同盟」のMatteo Salvini党首は8月8日に「政権は壊れた」と述べ、Giuseppe Conte首相に総選挙の実施を求めた。同盟は8月9日、内閣不信任案を上院議会に提出した。

イタリア議会は既に夏季休会に入っているが、Salvini 氏は今週にも内閣不信任案を審議をするように要求した。

一方、 Conte首相はSalvini 氏に対し、議会を招集するのは同氏ではないと突き放し、政府の活動を突如妨害する理由について、「有権者に説明し、正当性を示す必要がある」とクギを刺した。

現地通信社は、早ければ8月20日にも上院が開会され、Conte首相の退陣表明が行われる可能性があると報じた。その後数日のうちに議会解散もあり得るとしている。

憲法では、議会解散後50~70日以内に選挙を実施しなければならないと定められている。

秋の選挙となれば、2020年の予算についてEUとの交渉のさなかとなる。

付記

イタリア議会の上院は8月13日、与党の「同盟」が提出していた内閣不信任案について、14日に審議するよう求める同党の要請を拒否し、政権危機を巡る議論を来週に先送りした。

上院は審議を見送る代わりに、コンテ首相が8月20日に政権危機について演説することを決めた。

付記

イタリアのコンテ首相は8月20日、議会上院で演説し、辞意を表明した。連立政権をつくる同盟が内閣不信任案を提出したことで政権運営は困難と判断した。

マッタレッラ大統領がコンテ氏の辞表を受理すれば、21日から各党と新政権樹立に向けた協議を始めるとみられる。大統領は議会の解散権を持つ。各党との協議が円滑に進まない場合、解散して総選挙を実施する可能性もある。イタリアの政治情勢は混迷が避けられない。

付記

イタリアで、中道左派「民主党(PD)」とポピュリスト(大衆迎合主義者)政党「五つ星運動」が8月28日、新たな連立政権を樹立することで合意した。

セルジオ・マッタレッラ大統領は、連立協議の期限としていたこの日、両政党の党首と首都ローマで会談した。
両政党は、ジュゼッペ・コンテ首相を次期首相に推すことで合意、大統領はコンテ首相に再び組閣を要請した。

連立政権は、次期総選挙が開かれる2023年まで続くこととなる。

付記

イタリアのコンテ首相は9月4日、「五つ星運動」と「民主党」の2党連立による組閣名簿をマッタレッラ大統領に提出した。これを受け、大統領府は5日に新閣僚の就任宣誓式を行うと発表した。
両党は政策合意で、EUとの連携を打ち出した。

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2018年3月4日の総選挙では、パオロ・ジェンティローニ首相の「民主党」が大敗した。

総選挙後、政治の空白が続いていたが、反EUの「五つ星運動」と「同盟」が連立することとなった。

  2018年選挙
元老
(上院)
代議院
(下院)
五つ星運動 112 +58 227 +118
同盟 58 +41 125 +107
(小計) (170)   (352)  
民主党 53 -52 112 -185
フォルツァ・イタリア 57 -41 104 +6
その他 35 -6 62 -46
合計 315   630  
(過半数) (158)   (316)  


6月1日に両党の推す法学者Giuseppe Conteの内閣が発足した。首相は学者で政治経験がなく、両党の主張をうまく調整できるか、疑問視された。

反EUの立場では同じだが、政治姿勢の異なる2つの党の連立である。連立の早期瓦解の可能性も指摘されていた。

「五つ星運動」

大衆の不満に率直な賛同を示す人民主義政党(ポピュリズム)として行動。反政党政治(直接民主主義)やEU離脱など急進的政策を掲げ、政治不信の募る若年層の間で急速に台頭した。五つの星は社会が守り抜くべき概念(発展・水資源・持続可能性のある交通・環境主義・インターネット社会)を指している。
失業者らへの最低所得保障など「ばらまき型」の経済刺激策を重視する。

「同盟」

右派ポピュリズム政党。イタリア北部の郷土主義政党「北部同盟」であったが、近年は反EUや排外主義などが支持基盤に変わりつつある。
EUの移民政策を批判、違法移民の強制送還の強化や、難民が域内で最初に到着した国で保護申請することを義務づけたEUのダブリン規則の見直しを強く求める 。

2018/6/5 イタリアの混迷 

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もともと「五つ星運動」は左派、「同盟」は右派で、政策的にはかなり違いが大きい。共通していたのは、財政規律など、EUの各種ルールに従わずイタリアのやりたいようにやっていくという点だった。

最近になって対立が深まった大きな要因に、高速鉄道の建設がある。「同盟」は鉄道建設に賛成で、「五つ星運動」は反対だったが、議会では他党に賛成派が多く、最終的には鉄道建設は進められることになった。

「五つ星運動」は4月に、「同盟」幹部の汚職疑惑で連立崩壊の危機をもたらしていると批判した。同盟のSalvini党首の経済顧問が汚職容疑で捜査対象となった。

Salvini氏が強気に出ているのは「五つ星運動」との対立が深まったからだけではなく、最近の世論調査で「同盟」の支持率が高まっていることがある。解散総選挙を行えば五つ星運動を上回る第1党に躍進できる可能性がある。

解散総選挙が行われない場合、連立解消に動くと示唆している。同党より小規模で同じく右派の「フォルツァ・イタリア」との連立政権樹立の可能性も噂されている。


連立政権が解消になったり解散総選挙になると、イタリアの政治が不安定化し、影響はEU全体に広がる。

トランプ米政権は8月7日、昨年8月に成立した2019年度米国防権限法(NDAA2019)が8月13日に発効すると発表した。

2019年度米国防権限法(NDAA2019)は、指定された製品の購入禁止を国防総省以外の政府機関にも拡大するもので、禁止対象製品は次の通り。

(A) 華為技術(Huawei Technologies)と 中興通訊(ZTE)製の通信機器

(B) 海能達通信(Hytera Communications)、杭州海康威視数字技術(Hangzhou Hikvision Digital Technology)、浙江大華技術(Dahua Technology Company)製のセキュリティ用のビデオ監視・通信機器

(C) 国防長官が国家情報長官、FBI局長との協議で、中国政府の影響下またはつながりがあるとみなす企業の通信機器及びビデオ監視システムも同様の扱いとなる。
現時点では、これに該当するものはない。

禁止は2段階に分かれ、今回は第1段階である。

第1 段階(発効日の1年後=2019年8月13日以降)

  米政府機関(連邦政府、軍、独立行政組織、政府所有企業)が5社の製品や、5社が製造した部品を組み込む他社製品を調達することを禁止

問題は第2段階(発効日の2年後=2020年8月13日以降)で、5社の製品を社内で利用している世界中の企業との取引を禁止する。米政府機関に収めている製品・サービスが通信機器とは一切関係のない企業でも、5社の製品を使っておれば米政府機関との取引が禁止される。

既に世界の企業で多くの中国製通信機器が利用されている。企業が米国政府と取引を続けたい場合には、問題視されている機器の利用を一切やめ、その旨を米政府に報告・誓約しなければならなくなる。

2018/12/11 2019年度米国防権限法(NDAA2019) --- Huawei、ZTE等の米政府機関との取引からの排除


華為技術(Huawei)は本年3月7日、同社の製品を米政府機関が調達することを禁じる
2019年度米国防権限法が米国の憲法違反だとして、同社の米国子会社の本社があるテキサス州の裁判所で米政府を提訴したと発表した。

中国の王毅国務委員兼外相は3月8日、華為技術(Huawei)の米政府に対する訴訟を支援すると表明した。

2019/3/7 Huawei、米政府を提訴 


今回の発表を受け、Huawei は8月8日、メディアへの声明を発表した。

我々は本日のニュースを意外に感じてはいない。これは米国の『国防権限法2019』の実施条例に過ぎない。Huaweiは引き続き米連邦裁判所においてこの禁止令の合憲性を問うていく。

『国防権限法2019』及びその実施条項が Huaweiに不当行為があったと証明するいかなる証拠も存在しない状況において、Huaweiに対し懲罰的な行動を取るのは、原産国が設けた貿易障壁に基づいており、米国の電気通信のネットワークとシステムのセキュリティ保護にとっていかなる役にも立たず、最終的に損害を被るのは米国の農村地域でHuaweiのネットワークに頼っている数多くのユーザーたちだ。

ーーー

これとは別に、Trump 大統領は本年5月15日、米企業が安全保障上リスクがある企業の通信機器の調達を禁じる大統領令に署名した。
非常に抽象的で、米政府が問題だと思う企業をいつでも指定できるように見える。名指しはしていないが、華為技術(Huawei)などが念頭にあると報じられている。


米商務省は同日、華為技術(Huawei)に対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発表した。

2019/5/16 米国、Huawei を対象に2施策

米連邦準備理事会(FRB)は7月31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年2.25~2.50%から年2.00~2.25%に引き下げた。

但し、パウエル議長は「景気循環の途中の調整」と述べ、長期の利下げ局面入りは否定した。

利下げの理由を「海外経済の動向とインフレ圧力の停滞」とし、景気悪化を未然に防ぐ「予防的利下げ」とした。

 
2008/10 2.00%→1.50%→1.00%
2008/12  0.00%~0.25%
 0.00%~0.25%
2015/12  0.25%~0.50%
2016/12  0.50%~0.75%
2017/3  0.75%~1.00%
2017/6  1.00%~1.25%
2017/12  1.25%~1.50%
2018/3  1.50%~1.75%
2018/6  1.75%~2.00%
2018/9  2.00%~2.25%
2018/12  2.25%~2.50%
2019/7  2.00%~2.25%


大幅利下げを要求していた米政権はこれにいら立ちを示した。

Peter Navarro大統領補佐官(通商製造政策局長)は8月6日、FRBに対し年内にあと75~100bp (0.75%~1.00%) の利下げを実施するよう要求した。

「パウエルFRB議長は就任後 計1%利上げしたが,、利上げ幅が大きく、急ぎすぎた。経済成長を犠牲にした」と語った。
パウエル氏が議長就任後に引き上げた分の政策金利を下げるよう促した形だ。

Powell 議長は2018年2月25日に就任した。
2018年3月、6月、9月、12月に各0.25%、合計 1.00% 引き上げた。今回 0.25% 下げた。

トランプ大統領は8月7日、ツイッターへの一連の投稿で、FRBを強く批判した。

初めに、同日、インド、ニュージーランド、タイが利下げしたことに触れた。

"Three more Central Banks cut rates."

米国の問題は中国ではない。今までより強力で、資金は米国に流入している。一方、中国からは企業が逃げ出しており、人民元は包囲されている。

Our problem is not China - We are stronger than ever, money is pouring into the U.S. while China is losing companies by the thousands to other countries, and their currency is under siege -

我々の問題はFRBだ。引き締めをやり過ぎた誤りを認めようとしない。

Our problem is a Federal Reserve that is too proud to admit their mistake of acting too fast and tightening too much (and that I was right!).

FRBはより大幅かつ早急な利下げを行い、そのひどい量的引き締めを即刻停止しなくてはならない。

They must Cut Rates bigger and faster, and stop their ridiculous quantitative tightening NOW.

Yield curve is at too wide a margin, and no inflation!

無能ぶりは見るに堪えない。いとも簡単に対処できるというのに。

Incompetence is a terrible thing to watch, especially when things could be taken care of sooo easily.

いずれにせよ、われわれは勝利する。しかし、
米国は他国と競っており、いずれの国も米国の犠牲の上に成功したいと考えている。このことを米金融当局が理解していたら、状況はずっと簡単なのに、彼らは理解しなかったし、今もしていない。

We will WIN anyway, but it would be much easier if the Fed understood, which they don't, that we are competing against other countries, all of whom want to do well at our expense!

Trump大統領は、8月5日に人民元のレートが7元台に下落したのを受け、呟いた。FRBに暗にドル安に誘導する利下げを要求している。

中国は元の価値を大幅に下げた。これは為替操作だ。FRBよ、聴いているか?

China dropped the price of their currency to an almost a historic low.
It's called "currency manipulation." Are you listening Federal Reserve?
This is a major violation which will greatly weaken China over time!

中国の為替操作の結果、追加関税は中国が払っていることとなる。中国は為替操作で米国の職を奪ってきた。今後は許さない。何年も前に止めるべきだったのだ。

Based on the historic currency manipulation by China, it is now even more obvious to everyone that Americans are not paying for the Tariffs - they are being paid for compliments of China, and the U.S. is taking in tens of Billions of Dollars!

China has always used currency manipulation to steal our businesses and factories, hurt our jobs, depress our workers' wages and harm our farmers' prices.
Not anymore!

China is intent on continuing to receive the hundreds of Billions of Dollars they have been taking from the U.S. with unfair trade practices and currency manipulation.
So one-sided, it should have been stopped many years ago!


米中貿易摩擦の悪化や世界の需要後退を背景とした景気後退リスクを踏まえ、市場ではFRBが年内にあと3回の利下げに動くとの観測が高まっている。



付記

米連邦準備理事会(FRB)は9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%引き下げ、7月に続く利下げに踏み切った。

2018/3  1.50%~1.75%
2018/6  1.75%~2.00%
2018/9  2.00%~2.25%
2018/12  2.25%~2.50%
2019/7  2.00%~2.25%
2019/9  1.75%~2.00%


人民元相場が8月5日、対ドルで1ドル=7元台に下落した。16:30時点のレートは7.0352元となった。元安を食い止める7元の「防衛ライン」がついに崩れ、ほぼ11年ぶりの安値に沈んだ。

中国人民銀行(中央銀行)は間髪を入れずに声明を発表した。「一国主義や貿易保護主義、および対中追加関税などの影響で元相場はきょう7元を突破した」。

制裁関税の影響を緩和するために中国政府が人民元安を容認しているとの見方が広がっている。

中国人民銀行は6日、基準値を1ドル=6.9683元に設定したと発表した。基準値としては2008年5月以来、約11年ぶりの元安水準となる。



これを受け、米財務省は8月5日、中国を「為替操作国」に指定したと発表した。操作国への認定はクリントン政権以来で、相手国が対応を改めなければ関税の発動など制裁を強化する規定がある。中国が反発するのは必至で、米中対立が一段と激しくなる。


トランプ米大統領は5日、中国の通貨・人民元の対ドル相場が1ドル=7元台に下落したことに関連し「中国が通貨をほぼ史上最低の水準まで下落させた。為替操作だ」とツイッターで中国政府を批判していた。

China dropped the price of their currency to an almost a historic low. It's called "currency manipulation." Are you listening Federal Reserve?

This is a major violation which will greatly weaken China over time!

ーーー

Based on the historic currency manipulation by China, it is now even more obvious to everyone that Americans are not paying for the Tariffs - they are being paid for compliments of China, and the U.S. is taking in tens of Billions of Dollars! China has always used currency manipulation to steal our businesses and factories, hurt our jobs, depress our workers' wages and harm our farmers' prices. Not anymore!


米財務省は、1988年から毎年2回議会に対して為替政策報告書を提出している。それに基づき、対米通商を有利にすることを目的に為替介入し、為替相場を不当に操作している国に対してと議会が為替操作国と認定する。

為替操作国に認定された国は、アメリカとの間で二国間協議が行われ通貨の切り上げを要求される。またアメリカは必要に応じて関税による制裁を行う。

付記

国際通貨基金(IMF)は8月9日、今年の中国に対する「4条協議」に関する報告を発表し、「中国が重要な経済分野の改革で進展を収めた」と評価すると共に、「2018年の人民元相場はファンダメンタルズにおおむね沿った水準だった」と強調した。

IMFは「IMF協定」第4条に基づき、通常毎年1回、専門家チームを加盟国に派遣して現地の経済と金融の状況を調査した上で、調査結果について当該国の政府と議論し、更にその結果についてIMF理事会に諮っている。

今回の報告の中で、IMFは、「中国政府は最近、金融機関の脆弱性の軽減や経済の開放継続の面で進展を遂げた。また、過去数年の貿易の再均衡などにおける中国の努力を歓迎する」とした。

IMFアジア・太平洋課のアシスタント・ディレクター(中国担当)は記者会見で、米財務省が中国を「為替操作国」に指定したことについてのコメントを求められ、「2018年の人民元相場は中期的なファンダメンタルズにおおむね沿った水準であり、過大評価も過小評価もされていないと考えている」と述べた。

ーーー

米財務省は2019年5月28日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表した。

日本と中国とドイツ、韓国を引き続き「監視リスト」に指定した。スイス、インドは今回、リストから外れた。新しく、アイルランド、ベトナム、イタリア、マレーシア、シンガポールをリストに加えた。 合計9カ国となった。

今回から基準を一部変更したが、イタリアとマレーシアは旧基準では対象外で、変更により対象となった。 未確認だが、シンガポール(外為市場への介入月数)もその可能性がある。

中国について、こう述べている。

昨年1年間のモノの対米貿易黒字は4,190億ドルで、これは中国の非関税障壁、非市場メカニズム、国家補助金、その他の施策の結果である。中国への輸入を妨げ、また外国の投資を妨げている。

2018年1年間で人民元は米ドルに対し5.4%安くなった。更に中国の対米黒字が増えることとなる。

為替介入をしないというG20での約束を守ることを注視する。

2019/5/30 米国、半期為替報告書を公表、9か国を為替監視リストに

参考

Trump 大統領は、大統領選挙前の2016年10月下旬に、大統領に選ばれた場合の公約 "Donald Trump's Contract With The American Voter" を発表した。「アメリカを再び偉大にする」ための100日間のアクションプランである。

そのなかで、北米自由貿易協定(NAFTA) の再交渉又は撤退の意思の発表、TPPからの撤退の宣言などとともに、中国を為替操作国に指定することを挙げている。

2016/11/11 トランプの公約

トランプ大統領は2017年4月12日のWall Street Journalとの会見で、「考えを変えた。中国は現在は為替操作をしていない」と述べた。

2017/4/17 トランプ大統領、「中国を為替操作国に認定しない」 

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