「no」と一致するもの

英国のMMAメーカーのLucite International の売却が噂に挙がっている。
同社は投資会社のCharterhouse Development Capital
78%、Ineos が残り22%を出資している。

同社筋によると、同社の取締役会は戦略的レビューを行なっており、Deutsche BankMerrill Lynch が、売却や上場など、いろいろなオプションを検討する。

同社は以前にも事業売却を検討したが、価格が折り合わなかった。年末にシンガポールのAlpha technology (下記)の新工場がうまく立ち上がるのを待って、希望価額での売却か、又は上場を狙うもの。

銀行筋は売却先の最有力候補はLucite と提携関係にある三菱レイヨンとしている。同社は以前に買収の打診を行なったとされる。
そのほか、MMA事業を持つ
Rohm & Haas を買収したDow Chemical や、
BASF、MMA事業を持つ旭化成も噂に挙がっている。
売却価額は
13英ポンド(25米ドル)程度とされる。

付記

9月7日のFinancial TimesLucite が三菱レイヨンとサウジのSipchem から20億ドルでの買収提案を受け取ったと伝えた。
Lucite
はシンガポールのアルファ法プラント完成を待って売却する意向であったが、2社はそれを待たずに提案した。

三菱レイヨンは下記の通り、Lucite と提携している。

Sipchem は第三段階の計画で、いずれもLucite技術を導入して、
ANM 200千トン、MMA 250
千トンを事業化する。
(エチレン、PE、PPは取り止め)

2008/2/29 サウジ Sipchem の石油化学計画

付記

10月31日の英紙は、三菱レイヨンが近く10億ポンドで買収する模様と伝えた。
   
2008年7月初めには210円/ポンドであったが、11月上旬には155円/ポンド程度となっており、2100億円が1550億円に下がることとなる。

   

付記   

三菱レイヨンは11月11日、ルーサイト買収を発表した。
Ineos 持分を含め 100%を、16億米ドル(外部借入金引受を含む)で買収する。

Lucite の前身はICIMMA事業である。
ICI1934年に世界で初めてMMAの商業生産を行なった。
ICI1993年にDuPont MMA事業をナイロン事業との交換で取得した。

ICI1997年に事業の転換を決定、Unileverの特殊化学品4社を買収するとともに、既存事業を次々に売却した。
その一環でMMA事業は
Charterhouse Development Capital Ineos の連合に 960百万ドル売却された。

    2006/3/7 ICIの抜本的構造改革

新しいMMA会社は当初 Ineos Acrylics として発足したが、その後2002年に、現在のLucite International に改称した。

Lucite は世界のMMAの25%のシェアを持ち、売上高は15億ドル。

MMAの生産方法は昔からのACH法(アセトン+青酸)、日本メーカーの開発した直酸法(イソブチレン+メタノール)が中心だが、Lucite はエチレンを原料とするAlpha technology を開発した。

同社は上海にACH法で10万トンのプラントを建設したが、下記の通り、シンガポールで新法による能力12万トンのプラント建設を行なっている。2008年末に稼動の予定。

2006/4/13 MMA事業の拡大
    (日本のメーカーの動きも上記参照)

ーーー

2005年6月、Lucite と三菱レイヨンはMMA事業での提携契約を締結した。

両社は投資を分担し、相互に製品を供給すること、将来両社工場をJVとするための検討を行なうこととした。

1. 北米 建設: 三菱レイヨン
  場所: テキサス
  規模: MMA及びMAA(メタクリル酸)14万トン
  製造法: C4法
  時期: 2009年末完工、2010年商業運転

2. アセアン 建設:
Lucite International
  場所: シンガポール
  規模: MMA12万トン
  製造法: アルファ法(C2法)
  時期: 2007年末完工、2008年商業運転

 

付記 MMAモノマー能力 (三菱レイヨン 第6次中期経営計画より)

  全世界シェア
  2007/末 2010/末
三菱レイヨン   12%   14%
Lucite   23   22
住友化学     6    8
LG (住化JV)    3    5
旭化成    3    5
R&H   15    13
Evonik   14   12
Arkema    6    5
その他   18   17
 2007年 310万トン

 


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台湾のT.T.Chao が米国に設立したWestlake Chemical は8月29日、ビニルチェーンの強化のため、Geismar, Louisiana に最新技術で電解設備を新設すると発表した。

同社にはOlefins Business と、Vinyls Business がある。
現在の能力は以下の通り。(単位:千トン)

Olefins Business Lake Charles, LA エチレン 1,140 LDPE 680
LLDPE
 445
SM
 220
     
Vinyls Business Calvert City, KY エチレン 205 塩素  225+50 VCM 590 PVC 360  
Geismar, LA   (塩素  250 VCM 270 PVC 270  
North American Pipe         PVC Pipe 415
     (25+55

同社については 2006/9/16 Westlake Chemical、20周年 

           2008/3/12 T.T. Chao 逝去 

Vinyls Business Calvert City, KYGeismar, LA VCMPVCのプラントを持つが、原料のエチレンと塩素はCalvert Cityのみにプラントを持っている。
現在、
Calvert Cityで電解工場を50千トン増設中で、完成すれば塩素能力は275千トンとなる。

今回の決定は電解工場をGeismarに新設するもので、能力は塩素が250千トン。
建設費は
250300百万ドルで、2011年上半期にスタートの予定。
資金の一部は
2005年のハリケーン・カトリーナの被害地に2010年までの時限立法で認められた湾岸特区債(Gulf Opportunity Zone Bonds)で賄われる。この債券の利子は非課税扱いとなる。

これが完成すれば全社の塩素の能力は525千トンとなる。
* 同社発表では525,000 electro chemical units (ECU's) となっている。
 
1ECU  塩素1.0 ton+苛性ソーダ 1.1 ton 

同社は子会社のNorth American Pipe で塩ビパイプを生産しているが、本年3Yucca, AZ に新しく塩ビパイプ工場を建設すると発表した。
能力は
55千トンで、2009年第1四半期に生産を開始する。
なお、
Calvert City, KYでも25千トンのプラントを建設中で、間もなく完成する。

Westlake の社長兼CEO Albert Chao は次のように述べている。
「新設備は同社にとって重要な戦略投資で、塩ビ事業の垂直統合を更に進め、ビニルチェーンの価値を高めるものである。
先に発表した
Calvert Cityでの電解増設、アリゾナでの塩ビパイプ工場建設とともに、需要家に米国全土で(on a coast to coast basis)良質の製品の供給を可能にするものである」

米国ではShintech のビニルチェーン拡大計画が目立つが、塩ビ事業の採算悪化のなかで Westlake もこれに力をいれているようだ。

なお、Shintech の能力は以下の通り。(単位:千トン)

立地 PVC VCM 塩素
Texas州 Freeport  1,450   -   - VCMは 隣接のDowから購入
2007/5 発表の計画*1  (825  (500 Dow品VCM代替
Louisiana州 Addis   590   -   - VCMは 隣接のDowから購入
Plaquemine  第1期   300   500   300 2008年8月初めに稼動
第2期   300   250   150
Addis (買収→廃棄) 270→0   -   - Bordenから購入、廃棄
合計  2,640  1,575   950

*1 本計画はダウ・ケミカルが2008年1月に信越化学への長期供給を決めたため、自社生産の緊急性が薄らいだ。
白紙撤回はしない考えだが、稼働時期は見直す。

     


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Sinopec は、ロシアで石油開発をしている英国 Imperial Energy Corp Plc の買収を狙い、インドのOil and Natural Gas Corp (ONGC)と争っていた。

これはSinopec にとって、TNK-BP からUdmurtneft 油田の買収、サハリン3への参加に次ぐ、ロシアの石油を狙う3度目のケースであった。

    2008/8/7 Sinopec、ロシアで石油開発の英国 Imperial Energy の買収狙う 
        

インドのONGC は826、14英ポンド(26億米ドル)でImperial Energy を買収することで合意したと発表した。
同社は
Sinopec の意向表明以前に価格を提示して買収交渉を行なっていた。

ONGCの海外での油田開発担当の子会社 ONGC Videsh が買収する。

Imperial Energy の油田からインドに直接原油を輸送することは出来ないが、ONGC にとっては原油値上がりに対するヘッジとなる。

Sinopec はこれに対し、対抗ビッドをしないことを明らかにした。「最早 Imperial Energyに対してオファーをする考えはない」と表明した。

ONGC のImperial Energy 買収にはロシア政府の承認が必要だが、ONGC100%買収することでは承認が得られないだろうとの見方が多い。

インドの石油相は8月29日に上海協力機構サミットの間にロシア大統領と会談、本件を話し合った。石油相は、ロシア大統領は「非常に協力的であった」としているが、ロシアはおそらく、Imperial の株の一部をロシア国営の Rosneft Gazprom に譲渡することを求めるだろうとの見方が強い。


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シノペックは8月25日、上半期の決算を発表した。

中国会計基準による損益は以下の通り。(単位:百万人民元)

  2008/上 2007/上 増減
営業損益  -23,784  53,285  -77,069
赤字補填  33,400   0  33,400
税引後損益  9,339   35,110  -25,771

営業損益の大幅悪化は、本年に入って原油価格が高騰するなかで、政府が石油製品の価格を統制しているため。

政府から334億人民元の赤字補填を受けた結果、税引後損益は93億人民元となった。
(2007年は49億人民元の補填を受けているが、受領は本年3月であり、2007/上の損益には含まれていない)

赤字補填内訳:
 2008/1Q 赤字補填   74.0億人民元
 2008/2Q 赤字補填  229.3億人民元
 2008/2Q 増価税戻し  30.7億人民元
 合計            334.0億人民元

 中国財務部は 2008/2QからSinopecとPetroChinaの輸入する石油類について、増価税(17%)の75%を払い戻すと発表。
 但し業界では政府はこれを今後は取り止めるのではと見ている。

過去の赤字補填は次の通りで、本年上期の赤字補填はこれらを遥かに上回る。
  
2005年 9,415百万人民元
  2006年 5,000百万人民元
  
2007年 4,900百万人民元

国際会計基準ベースでのセグメント別営業損益(赤字補填を含む)は以下の通り。(単位:百万人民元)

  2008/ 2007/ 増減
Exploration and Production   27,098  22,750  4,348
Refining  -46,021  5,730  -51,751
Marketing and Distribution  22,334  16,795  5,539
Chemicals  4,533  8,542  -4,009
Corporate and others  -722  -233  -489
営業損益合計  7,222  53,584  -46,362
税引後損益  8,255  36,375  -28,120


化学品部門の生産数量は以下の通り。(単位:千トン)

  2008/ 2007/
エチレン  3,307  3,273
合成樹脂  4,923  4,774
合繊原料  3,768  3,938
合成繊維  681  721
合成ゴム  460  360
尿素  685  813

注)エチレンJV BASF-YPCSHANGHAI SECCO の生産量(100%)を含む

ーーー

中国石油天然気(PetroChina)の利益も 53,620百万人民元となり、前年同期比 34%の減益となった。

このうち、石油精製事業は前年同期の営業損益が3,900百万人民元の利益であったのに対し、59,020百万人民元の赤字となっている。
他方、石油採掘事業では130,230百万人民元と、前年同期比 35%の増益となった。
このほか、化学事業は6,710百万人民元の益(24.4%増)、Natural Gas and Pipeline 8,400百万人民元の益(37%増)となっている。

石油採掘が中心で石油精製事業の比率の低い中国海洋石油(CNOOC)の利益は 27,540百万人民元と前年同期比 89%の大増益となった。

 


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Abu Dhabi 政府の投資会社 International Petroleum Investment Company (IPIC) と、同社が65%出資する石化会社 Borealis はこのたび、Uzbekistan Uzkimyosanoat (ウズベキスタン化学品公団)との間で、ワールドスケールの肥料コンプレックス建設のFS実施に関する契約に調印した。

アンモニア工場と尿素工場を建設する計画で、FSを年末までに終え、2009年初めに決定する。2012年のスタートを目指している。

Uzkimyosanoat は国営で、12の化学工場、13の販売会社などを運営している。

ーーー

IPIC は海外の石油・ガス事業を急速に拡大している。 

IPICは本年7月、 Kazakhstan 政府との間で、エネルギーその他への投資のため10億ドルのファンドを設定することで合意した。
それぞれが
5億ドルずつを出資する。詳細は明らかにされていない。

同社はまた、同国での大規模な石油ガス化学事業への参加を検討している。

同国は石油・ガスの販売から、付加価値製品販売への転換を図る多くの計画を持っており、本件はその一つ。

50億ドルを投じて、年産80万トンのPE40万トンのPPを生産、世界中に輸出しようというもの。

AO Kazakhstan Petrochemical Industries (KPI) 50%を出資、IPICBasell が提携相手候補にあがっている。

ーーー

本年8月初めに、UAEの国営報道機関WAMIPICShellTurkmenistan で共同で石油・ガスの採掘を検討していると報じた。
Shellは、IPICとともに同国でこの事業を行うのは成長率の高いこの地域でのShellの立場を強化する絶好の機会であると述べている。

IPICはまた、同国との間で5億ドルを投じて年産70万トンの尿素プラントを建設することを協議している。
WAMIPIC社長と同国大統領が会談したと報じた。<p>HTML clipboard</p>

ーーー

なお、Abu Dhabi National Oil Borealis JV Abu Dhabi Polymers Company Limited Borougeはこのたび、Abu DhabiAgility社との間で上海にコンパウンド基地と物流ハブを建設し、2010年から10年間、Borouge の需要家への物流サービスを行なう契約を締結した。
上海物流ハブでは年間
60万トンのポリオレフィンを扱う予定。

BorougeAbu DhabiRuwais でエチレン60万トン、HDPE/LLDPE 60万トンを生産しているが、加えてエチレン150万トン、オレフィン転換75万トン、PP 2系列計80万トン、PE 54万トンを建設中で、中国への輸出を促進する。

 

    参考  2006/6/2 湾岸諸国の石油化学ー3 アラブ首長国連邦(UAE 
     


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スペインの石油・石油化学メーカーCEPSACompania Espanola de Petroleosは上海ケミカルパークでフェノール(年産25万トン)/アセトン(15万トン)プラント建設を計画している。政府の認可待ちの状況。
Sunoco/UOP 法を採用し、キュメン法で生産する。キュメンは当面は輸入する。

上海ケミカルパークではBayer がPCプラントを持ち、10万トンを稼動中(第ニ期で倍増)で、同地に20万トンのビスフェノールAの建設を計画しており、これにフェノールを供給する考え。

同地にはシノペック高橋石油化学がフェノール(124千トン)、アセトン(76千トン)、キュメン(162.4千トン)を生産しているが、こちらは同地に建設中の上海石化と三井化学のビスフェノールA(120千トン)に供給する。

  BPA PC
Bayer 立地:上海ケミカルパーク
能力:200千トン(時期未定)
立地:上海ケミカルパーク
能力:200千トン(第一期 100千トン稼動)
JV :Bayer 90%/上海クロルアルカリ10%
三井化学 立地:上海ケミカルパーク
能力:120千トン(建設中)
JV :
上海石化三井化工
    (Sinopecと50/50)
(帝人化成に供給)
  立地:
浙江省嘉興市
  能力:100千トン(60千トン)

ーーー

CEPSAは石油・石油化学の総合メーカーで、石油の探鉱・開発から精製、輸送、販売と合成樹脂、合成繊維、洗剤原料等の生産販売を行っている。

石油化学については、
これまで、子会社ERTISA(フェノール)、Petresa(アルキルベンゼン)、Interquisa (PTA)で製造販売し、製油所で生産したプロピレンやBTXなどの石化製品についてはPetrocepsa で販売していたが、本年5月、これらを1社にまとめ、 CEPSA Quimica とすることを決定した。

新しいCEPSA Quimica の体制は以下の通り。

製品 従来 能力 (千トン) 備考
洗剤原料(LAB) Petresa (Spain)  220  
Petresa-Canada  120 CEPSA 51%/SGF 49%
Deten Quimica -Brazil  220 CEPSA 72%/Petrobras 28%
Polyester 原料
(PTADMTPIPA: purified isophthalic acid)
Interquisa (Spain) PTA 750DMT 80PIPA 30  
Interquisa-Canada PTA 500 CEPSA 51%/SGF 49%
Phenol / Acetone/Cumene
Methylamines
Ertisa (Spain) Phenol 550/ Acetone 340
(
現状は合計で970
Cumene
800
 
石化製品
(BTX, PX, OX,
シクロヘキサン、プロピレン)
2つの製油所で生産
Petrocepsa で販売
 1,110  

  注 SGF はSociété Generale de Financement du Quebec

なお、昨年12月にCEPSA スペインのLa Seda de Barcelona, S.A に対してInterquisa 595百万ユーロで売却することで合意した。カナダ事業の持分(51%)を含む。
見返りに
Cepsa La Seda の株式 12% を取得することとなっていた。 

La Seda 2006年に、元はDuPontとトルコのSabanci の合弁で、Sabanci 100%子会社となっているAdvansa から英国Wilton PTA工場 670千トン)と英国とトルコのPET工場(合計能力 280千トン)を買収している。

しかし、本年1月に入り、La Seda の株価が12月中旬の2.40ユーロから1.44ユーロに急落したため、この取引は無期限に延期された。


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7月28日のブログで、ニューヨーク市場の原油先物相場のWTI原油価格が下降に転じ、15日には140ドルを割り、17日には130ドルを割って、25日の終値は123.26ドルとなったと伝えた。

但し、このまま下がり続けるかどうかは分からないとした。

    2008/7/28 最近の原油事情 


その後も、一時的な値上がりはあったものの、下降を続け、15日には一時、111.34ドルまで下がった。(終値は113.77ドル)
途中でトルコのパイプライン爆発、グルジア紛争などで一時戻したが、すぐに下落に転じている。

13日には、同日発表の米週間石油在庫統計でガソリン在庫が予想以上の大幅減となったことが理由とされ、急反発して 2.99ドル高となった。
(ガソリン在庫は予想の3倍の640万バレルの減少となったが、これは製油所の稼働率が85.9%に止まったためで、米国のガソリン消費は過去4週間で2%減少している。)

しかし景気減速に伴う需要鈍化懸念が売りを誘発し、再び下落した。

年初来平均価格は114.6ドルとなっている。

  WTI   終値   一時
     :    :  
  8/4   121.41    
    5   119.17    
    6   118.58    
    7   120.02    
    8   115.20    
  11   114.45   112.72
  12   113.01   112.31
  13   116.00    
  14   115.01   112.59
  15   113.77   111.34

背景には最近のドル高と、世界的な景気減速に伴う需要鈍化懸念がある。

7月に欧州経済の悪化懸念でドル高・ユーロ安に転じた。

欧州連合は8月14日、ユーロ圏15カ国の第2四半期のGDPが前期に比べ実質ベースで0.2%減となったと発表、マイナスは1999年の通貨統合以来初めて。加盟27カ国全体でも0.1%減となった。

また、米国の投機規制強化の動きを嫌ったマネーが商品市場から米ドルに流入している。

最近の商品市況は、原油(最高値比 23.3%のダウン)のほか、金(20.3%)、白金(34.3%)、銅(20.0%)、アルミ(18.0%)、トウモロコシ(33.5%)、大豆(26.6%)、小麦(40.8%)など、軒並最高値から大幅に下落している。(2008/8/14 日本経済新聞)

米国エネルギー省のエネルギー情報局(EIA)は8月12日、エネルギー短期見通しを発表した。
    http://www.eia.doe.gov/emeu/steo/pub/contents.html?featureclicked=1&

今後の18ヶ月の石油市場のファンダメンタルからは、需給緩和と価格弱含みが予想される。
米国とグローバルの石油需要の伸びの鈍化、第3四半期からのOPECの原油・NGLの能力増、非OPECでの供給増があいまって、OPEC原油に対する需要減、過剰能力の増加が予想される。
景気のダウンがもっとひどいとか長引くことが予想されたり、高価格のために予想以上に需要が減少した場合、値下げ圧力が更に強まる。
勿論、需要が予想以上に増えたり、能力増が予想以下の場合に、値下がりが少なかったり短期間となる可能性もあり、地域紛争やハリケーン、OPECの自主減産などが価格に影響を与える可能性もある。

2008年上半期の世界の需要は前年比で日量50万バレルの増加となった。
OECD以外で日量130万バレル増加したが、米国需要が80万バレル減少した。
2008年下半期は日量100万バレルの増、2009年は通期で日量100万バレルの増(前回予想より46万バレル減)が予想される。

米国の需要は1-5月が前年比で日量90万バレルの減、6-7月が40万バレル減となった。
1-6月の80万バレルの減少は1982年上半期に前年比80万バレル減となって以来の26年ぶり。

WTI価格は2007年平均が72ドルであったが、2008年平均は119ドル、2009年は124ドルと予想する。
(8/15までの単純平均は
114.6ドルで、年平均119ドルになるには残り期間の平均は127ドルとなる)

ーーー

なお、米連邦取引委員会(FTC)は13日、石油産業による相場操縦を禁じるための規制案を公表した。
原油やガソリン、天然ガスなどの市場を人為的に操作するのを目的にウソの情報を流すなどの不正行為をした者に対し、1日あたり最大100万ドルの罰金を科せるようにするというもので、9月18日まで一般の意見を募る。

The FTC's proposed rule would make it unlawful for any person, directly or indirectly, in connection with the purchase or sale of crude oil, gasoline, or petroleum distillates at wholesale:

    a.   To use or employ any device, scheme, or artifice to defraud,
    b.   To make any untrue statement of a material fact or to omit to state a material fact necessary in order to make the statements made, in the light of the circumstances under which they were made, not misleading, or
    c.   To engage in any act, practice, or course of business that operates or would operate as a fraud or deceit upon any person.

ーーー

東京市場ではドバイ原油、ナフサとも、WTIに合わせ下落している。

ドバイ原油は7月4日の過去最高 140.60ドルに対し、15日は108.45ドルと、32ドルの下落となっている。

オープンスペックナフサも、7月4日の過去最高 1,248ドル/トンに対し、12日には980ドルとなった。1,000ドル以下となったのは5月13日の991ドル以来初めて。(15日終値は999ドル)

 


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ニッケル世界最大手のNorilsk Nickelは8月8日の取締役会で、KGB出身のVladimir I. Strzhalkovsky 前ロシア連邦観光局長官の最高経営責任者(CEO)就任を承認した。

同社は7月7日の取締役会(下記のRusal を新たな株主として迎えた初めてのもの)で、Denis Morozov 社長が解任され、大株主のInterrosのオーナーのVladimir Olegovich Potaninを会長に、Interros副社長のSergei BatekhinCEOに選出したばかり。

短期間のトップ交代は、同社の29.78%を保有するInterrosVladimir Potanin と、本年4月にNorilsk Nickel の元社長Mikhail Prokhorov から〔25%+1株〕を取得したロシアのアルミ大手Rusal のオーナーOleg Deripaska との争いの結果で、Rusal は将来的にNorilsk との完全合併を含むさまざまな選択肢を検討していると表明し、「市場の環境が好ましければ、われわれは追加的な株式取得を検討する」と述べている。

Potanin はこれに危機感を持ち政府を味方につけたもの。
政府の強硬派はエネルギーに続き非鉄などの産業へ利権拡大を目指しており利害が一致した。

Rusal は、専門家が必要として、今回のStrzhalkovskyCEO選出に反対したが、押し切られた。
Norilsk Nickel Rusal の合併は遠ざかったと見られている。

ーーー

Norilsk Nickel はシベリア北部のNorilsk を拠点に作られた国営の非鉄金属企業。
北シベリアの
Taimyr半島における銅・ニッケル鉱床の探鉱は1920年代に開始され、開発はソ連の連邦保安院の保護の下、政治犯や囚人を利用して1935年に開始された。
1953年までには、ソ連邦生産の35%のニッケル、12%の銅、90%の白金族金属を
Norilsk のコンビナートから生産されるようになった。



同社はソ連崩壊後の1993
年に民営化された。民営化にあたっては当時「オリガルヒ」と呼ばれた新興の寡頭資本家の一つOnexim Groupが株式の過半数を握って支配権を得た。(これを同グループの二人、Vladimir Potanin Mikhail Prokhorov が分け合った)

その後のパラジウムとニッケル価格の上昇による増収により、投資が可能となった。

現在、
Polar Division はTaimyr半島でニッケル・銅・パラジウム・プラチナ・金を生産、Norilsk などのプラントで溶錬や製錬を行なっている。
Kola Division はKola半島の4鉱山でニッケル・銅・パラジウム・プラチナ・金を含む鉱石を掘っている。
100%子会社のPolyusは、クラスノヤルスク地域で金を含む酸化鉱と硫化鉱を採掘している。

Norilsk Nickelは2003年にカナダの鉱山会社Stillwater Mining Companyの55.4%を買収。さらにフィンランド、オーストラリア、南アフリカ、ボツワナの非鉄金属企業を次々に買収し、多国籍企業になった。

2007年にはニッケルで世界第10位のカナダのLionOre Mining International Ltd. を48億ドルで買収した。
ニッケルと金の採掘業者で、豪州、ボツワナ、南アで活動している。

同社の売上高内訳(2006年ベース)は以下の通りとなっている。

 ニッケル  54%
 銅  24%
 パラジウム  11%
 プラチナ  10%
 金   1%

Norilsk Nickel によると、2007年の同社の世界シェアは以下の通り。
(下記の表と若干異なる)

 ・ニッケル   18.8%
 ・パラジウム   46.3%(うちStillwater 3.1%)
 ・プラチナ   12.0% (うちStillwater 1.0%)
 ・銅    2.7%
     
シェア(石油天然ガス・金属鉱物資源機構まとめ:日経記事より)
ニッケル鉱石 Norilisk Nickel (ロシア)  20.6%
Vale do Rio Doce (ブラジル)  17.6
BHP Billliton (英豪)  10.9
Xstrata (スイス)   5.7
中国 (国全体の生産量)   4.8
5社合計  59.6
プラチナ鉱石 Anglo Platinum (南アフリカ)  40.9
Impala Platinum (南アフリカ)  22.2
Norilisk Nickel (ロシア)  12.7
Lonmin PLC ()  12.0
Vale do Rio Doce (ブラジル)   2.2
5社合計  90.0

Potanin会長は鉄鉱石、石炭、ウランなどへの多角化をしたいとしており、株式の50% がロシアの手に残ることを条件に合併もありうるとしている。

ーーー

20084月、ロシアのアルミ大手Rusal が、Onexim Group (Norilskの元社長Mikhail Prokhorov が所有)からNorilsk Nickel 株の25%+1株の購入取引を終了した。(現在の持ち株は25%+2株)

2007年12月に、優先権をもつPotanin所有の持株会社Interrosが、Onexim Group保有のNorilsk Nickel 株を購入しないと発表、この結果、さきに締結していたRusal との合意が有効となった。

対価は Rusal の株式14%および現金(およそ70億ドルとされている)で、この結果、Rusalの保有比率は、Oleg Deripaska が56.76%、Prokhorov が14%、Glencore10.32%Sualの元株主が18.92%となった。

Rusal については 2006/9/5 ロシアのアルミ最大手RUSAL、同国2位のSUALを買収

8月5日、Onexim Group がNorilsk Nickel の株式の16.66%を取得手続中で、これをPotaninInterros に売却する意向であると発表した。
取引は11月15日までに完了しなければならず、
Potaninが100億ドルでこれを購入する準備があるとされている。

これが実現すれば、Interrosの持ち株は30%を超えることになり、法律に則って他の株主に買取りオファーを行わなければならなくなる。
また、
Interrosがすでに30%以上を保有しているにも関わらず買取りオファーを行っていない可能性もある。

このためRusal Interrosに詳細情報提供を求めるとともに、連邦金融市場庁に対して、株主構成比率に関する調査を行うよう要請した。

これに対し、連邦金融市場庁は、InterrosNorilsk Nickel の株式の30%以上を保有しているという情報はないとしている。

ーーー

今回の取締役会の前日、Rusal は声明を発表、過去数年、 Vladimir Potanin の Interros Norilsk Nickel を牛耳ってきたが、その間、業績は低迷したと批判、 StrzhalkovskyCEO選任についても、頻繁にCEOを交代し、しかも鉱業の知識も経験もない人間を選ぶのはおかしいとして反対した。

これに対し Norilsk Nickel は、業績は上がっており、批判は的を得ていないと反論している。

ーーー

Rusal は法的措置も含め、今後も争うとしており、混乱が続きそうだ。

 


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ナフサ等の高騰で、石油化学会社の業績が悪化しつつある。

その中で、信越化学の有機・無機化学品部門の増益が目立つ。

注) 下記企業のうち、三井化学と住友化学は棚卸資産の評価で後入先出法を採用、他は総平均法を採用している。
原料のナフサ価格が急増している時点では総平均法では期首の安い在庫の評価益が損益に大きく反映される。

ーーー

三菱ケミカルホールディングス

三菱ケミカルは2008年4月からセグメントを全面的に組み替えた。

「事業区分の考え方自体を見直しており、従来の事業区分によった場合と比較するのが困難」としているが、下記の通り、従来の「石化」が新しい「ケミカルズ」+「ポリマーズ」にほぼ相当する。(炭素製品と肥料が加わった)
従来の〔「機能化学」+「機能材料」〕 が新しい 〔(エレクトロニクス・アプリ)+(デザインド・マテ)〕にほぼ相当。

ヘルスケアを除き、それぞれ減益となった。
ヘルスケアの大増益は田辺三菱製薬の発足による。

2007年10月に田辺三菱製薬が発足したため、2007年1Qは旧田辺製薬分が入っていない。
(旧田辺製薬の07/1Qの営業損益は105億円で、これを加えると07/1Qは220億円となる)

  06/1Q 07/1Q 08/1Q
ヘルスケア 130 115 266
石化 16 81  
ケミカルズ     24
ポリマーズ     10
機能化学 93 95  
機能材料 46 46  
Electronics Applications     57
Designed Materials     8
その他 20 22 14
全社 -11 -25 -35
合計 294 334 346

ーーー

三井化学

基礎化学品、機能材料は減益となった。

  06/1Q 07/1Q 08/1Q 増減       内 訳  
数量差 売価差 変動費
  差
固定費
ほか
基礎化学品   100   141   124 -17  -1 253 -264 -5 エチレン、プロピレン等、フェノール、
合繊原料・ペット樹脂、工業薬品、
PEPP
先端化学品 32 33 38  5   8  ー   1 -4 精密化学品、農業化学品
機能材料 33 81 56 -25  22   46 -66 -27 自動車・産業材(エラストマー)、
包装・機能材(工業樹脂)、
生活・エネルギー材(機能加工品)、
電子・情報材(電子材料、情報材料、機能性ポリマー)、
ウレタン樹脂原料
その他 7 7 2 -5  -2   ー   -1 -4  
全社 -5 -11 -13 -2
合計 167 251 207 -44  27 299 -330 -40  

 

ーーー

住友化学

前年同期に赤字となった情報電子化学は能力増強が寄与して黒字に戻ったが、石油化学は赤字に転落した。
医薬は研究費増大により減益。

  06/1Q 07/1Q 08/1Q  
基礎化学 27 43 16 無機薬品、合繊原料、有機薬品、メタアクリル、アルミナ製品、アルミニウム等
石油化学 36 23 -7 石油化学品、合成樹脂、合成ゴム、合成樹脂加工製品等
精密化学 32 34 13 有機中間物、添加剤、染料、機能性材料等
情報電子化学 37 -41 72 光学製品、半導体プロセス材料、電子材料、化合物半導体材料
農業化学 46 54 58 農薬、家庭用殺虫剤、飼料添加物、化学肥料、農業資材等
医薬品 153 139 110 医家用医薬品、放射性診断薬等
その他 7 4 -15  
全社 1 0 -0  
合計 339 256 247  

ーーー

東ソー

各部門とも大幅減益となり、VCMやPVCを含む基礎原料は再度赤字に転落した。

ナフサなど原燃料価格の急騰や、イソシアネート・チェーンの構築など積極投資による償却費の増大、隔年大型定修による修繕費の増大などが収益を圧迫した。

  06/1Q 07/1Q 08/1Q  
石油化学 11 33 15 オレフィン製品、LDPE、HDPE 及び樹脂加工製品、機能性ポリマー等
基礎原料 -31 2 -10 苛性ソーダ、VCM、塩化ビニル樹脂、無機・有機化学品、セメント等
機能商品 62 99 22 無機・有機ファイン製品、計測・診断商品、水処理装置、電子材料(石英ガラス、スパッタリングターゲット)、機能材料、ウレタン原料等
サービス 5 5 8 運送・倉庫、建設・修繕、検査・分析、情報処理等
合計 47 139 35  
 

ーーー

旭化成

ケミカルズの営業損益は前年同期比 -81億円となった。
ホームズは受注戸数が -7.9% となっている。

  06/1Q 07/1Q 08/1Q 増減
ケミカルズ 64 172 91   -81
ホームズ -37 -28 -37    -9
ファーマ 47 46 90   44
せんい 5 17 12    -5
エレクトロニクス 64 58 45   -12
建材 10 11 3    -7
その他 15 4 13    9
全社 -16 -20 -23     -3
合計 152 260 194   -65

ケミカルズ損益差 内訳
  数量差 
-14
  売価差  55 (うち為替差
-61、価格差 +116)
  コスト差 
-122

ーーー

信越化学

各社が減益となるなかで、信越化学のPVCを含む有機・無機化学品部門は増益となった。

PVCについては、国内事業は原料価格高騰の影響を受けたことに加え需要が低迷し低調であったが、シンテックは、米国内での住宅建設の低迷により需要が減少し、同業他社が大幅な減益や赤字となる中、輸出にも注力しフル操業を継続し堅調だった。

  06/1Q 07/1Q 08/1Q  
有機・無機化学品  252 244 275 PVC、シリコーン、メタノール、クロロメタン、セルロース誘導体、か性ソーダ、金属珪素、ポバール
電子材料  245 388 411 半導体シリコン、電子産業用有機材料、電子産業用希土類磁石、フォトレジスト製品
機能材料その他  75 63 75 合成石英製品、レア・アース、一般用希土類磁石、液状フッ素エラストマー、ペリクル、技術・プラント輸出、商品の輸出入、建設・修繕、情報処理ほかサービス
全社  2 0 -2  
合計  573 695 758  

 


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Sinopec は、ロシアで石油開発をしている英国 Imperial Energy Corp Plc の買収を狙い、due diligence を開始した。
Sinopec は既にロシア政府から買収の了解を取ったと伝えられている。

Imperial Energy に対しては既にインドのOil and Natural Gas Corp (ONGC)13億英ポンドでの買収の交渉を行なっている。

ロシアの石油を狙い、インドと中国の争いとなる。<p>HTML clipboard</p>

   

付記

   

インドのONGC は826、26億ドルImperial     Energy を買収することで合意したと発表した。

   

買収にはロシア政府の承認が必要だが、ONGC100%買収することでは承認が得られないだろうとの見方が多い。
   
ONGCでは一部をRosneft     などのロシア企業に譲ることも考えている。

ーーー

Imperial Energy 2004年に設立され、ロシアの西シベリアのTomsk 地区を中心に石油とガスの開発を行なっている。

このほか、同社はカザフスタンのSevkazgra (Northern Torgai Block) の油田の75%の権益を有している。

    Sevkazgra (Northern Torgai Block), Kazakhstan.  
   
Tomsk region of Western Siberia, Russia    
 
     

Imperial Energy は200712月に日量1バレルの生産をしており、2011末までに8バレルに増やす計画。

ーーー

中国の王岐山副総理は先月、エネルギー協力が中国とロシアの間の戦略的協力のなかで重要な役割を持つと述べた。

この買収はSinopec にとって、ロシアの石油を狙う3度目の試みとなる。

Sinopec とロシア国営石油会社Rosneft 2006 11 月に戦略的枠組み協定に調印し、TNK-BP からUdmurtneft(沿ヴォルガ地域)油田を買収、共同経営を開始した。

LyondellBasell の親会社のAccess Industries のオーナー Len Blavatnikはロシアの友人及びロシアの富豪と組んで Tyumen Oil Co. (TNK) を設立、更にBPとTNKの合弁で2003年にTNK-BPを設立した。

TNK-BP は現在ロシア第二の石油会社で西シベリア、ボルガーウラル地区、東シベリア、樺太等で石油の採掘をしており、ロシアとウクライナに5つの製油所を所有している。

Sinopec Rosneft からサハリン3の一部 Venin oil project 25.1%の権益を取得している。(残り74.9%はRosneft

 

サハリン3プロジェクト

鉱  区 キリンスキー アヤシ(Ayashsky)、東オドプト(Odopinsky) Venin
事業主体 未定 未定
ヴェニネフチ
<出資企業>
・ロスネフチ・アストラ(露、49.8%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ
 (露、25.1%)
・シノペック(中、25.1%)
    ↓
Rosneft International 74.9%
Sinopec
 25.1%
当初
・エクソンモービル社(米、33.35%)
・テキサコ社(米、33.35%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社
 (ロシア、16.55%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 16.55%)
当初
・エクソンモービル社(米、66.7%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社
 (ロシア、16.65%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 16.65%)
推定可採埋蔵量 ①石油    約4.53億トン
  天然ガス  約7,200億立方メートル
①石油    約1.67億トン
②天然ガス  約670億立方メートル
①石油 約1.682億トン
②天然ガス
    約2,580億立方メートル
開発の現状 99.4 生産物分与対象鉱区に認定
   (ただし、未だ生産物分与契約は締結
    されていない。)
02.9 テキサコが今後20年間で90億ドル
   の投資を検討していることが明らかに
   した。
04.1 ロシア政府が生産物分与協定対象鉱区
   から外し、入札が無効となった
93   開発権を入札、モービル
   (現エクソンモービル)とテキサコが落札
04.1 ロシア政府が生産物分与協定対象鉱区
   から外し、入札が無効となった
03  ロスネフチが地質調査の権利
  を取得
05.7 中国のシノペックと探鉱事業
   のための合弁企業を設立   

   地震探査調査を開始 


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