「no」と一致するもの

水俣病と認定された男性が、民事裁判で賠償金が支払われたことを理由に法律に基づく補償費の支給を受けられないのは不当だと熊本県を訴えた裁判で、2審の福岡高等裁判所は6月16日、「支給すべき補償費があるか検討せずに賠償金によって、すべて補償されたと判断した県の処分は違法だ」として、処分を取り消す判決を言い渡した。

原告(91歳)は2004年に水俣病関西訴訟の最高裁判決で勝訴、慰謝料 800万円を受け取り、2011年には水俣病患者と認定された。

公害健康被害補償法では、認定患者には以下の補償が与えられる。

項目 内容                                  
一時金 Aランク 1,800万円/人+近親者慰謝料(最高1,900万円)
B     1,700    +近親者慰謝料(最高1,270万円)
C     1,600 
年金 170~67千円/人・月
医療費 患者医療費全額を支払い
その他
継続補償
医療手当、介護費、温泉治療費、針灸、葬祭費
患者医療生活基金(チッソが7億円拠出)からの支給
原告は認定後、公害健康被害補償法に基づき障害補償費を請求したが、同法には損害賠償を受けた患者に対して県は補償の義務を負わないとする免責規定があるため、県は2013年に不支給の決定をした。


これを不服として訴えた
1審の熊本地方裁判所は2015年3月、「法律の規定で補償の対象外になるのは明らかだ」として、訴えを退け、原告は控訴していた。

今回の判決で裁判長は、公健法の規定について、賠償を受けた場合でもあくまでその価格を限度に支給義務が免除されるにとどまると解釈し、「チッソから賠償金が支払われても、原告と熊本県との関係では損害や慰謝料がすべて補償されたとは言えない。支給すべき補償費があるか検討せずに賠償金によって、すべて補償されたと判断した県の処分は違法だ」と判断し、処分を取り消す判決を言い渡した。

民事訴訟で賠償金を受け取ったことによって補償が一切支給されないとすると「訴訟を起こさなかった水俣病患者との関係で、不公平が生じる」とも指摘した。

障害補償費の支給義務付け請求については「県が判断すべきだ」として認めなかった。

熊本県の蒲島知事は「今後については判決内容をよく検討したうえで対応したい」というコメントを出した。




大津地方裁判所は6月17日、福井県の高浜原発 3、4号機について、同地裁が 3月に運転停止を命じた仮処分の決定の効力を停止するよう求める関西電力の執行停止の申し立てを退けた。

関西電力高浜原発3、4号機の稼動の動きは下記の通り。

No.3 No.4
規制委員会 2015/2/12 安全審査合格

停止

停止

福井地裁 2015/4/14 運転差し止めを求めた仮処分申請で、再稼働を認めない決定
 
2015/4/15 高浜原発、再稼働認めず 福井地裁が仮処分決定
福井地裁 2015/5/18 関電申し立ての仮処分の執行停止要請を却下
福井県知事 2015/12/22 再稼働に同意
福井地裁 2015/12/24 仮処分の決定を取り消し
名古屋高裁 2016/1/6 住民側が抗告
関西電力 2016/1/29 3号機再稼動

稼動

2016/2/26 4号機再稼動
2016/2/29  直後にトラブルで停止
大津地裁 2016/3/9 運転の停止を命じる仮処分の決定  停止 停止
大津地裁 2016/6/17 関電の仮処分の決定の効力停止申立てを却下
大津地裁 2016/夏? 関電の決定取り消しの申し立てについての判断 ?

付記

大津地裁(同じ裁判長)は7月12日、関西電力の異議の申し立てを退けた。
「福島の原発事故の原因に関する説明が不足しており、原子力規制委員会の新規制基準の許可を受けたこと自体で、安全性が確保されたとみることはできない」とした。

関西電力は、決定を不服として大阪高等裁判所に抗告する方針。


福井地裁が2015年4月に仮処分申請で再稼動を認めない決定をしたが、2015年12月に同地裁の別の裁判官がこれを取り消した。住民が抗告中。

4月には、関電が想定する基準地震動を超える地震で過酷事故に陥る危険性があるとして、新規制基準を事実上否定し、再稼働差し止めを命じた。
12月には、新規制基準に基づく判断は「不合理な点はなく、高浜原発の安全性に欠ける点はない」と判断。「周辺住民らの人格権を侵害する具体的危険は認められない」と結論付けた。

高浜原発3号機は2016年1月29日に再稼動した。(4号機は2月26日に再稼動したが、直後に停止した。)

---

滋賀県内の高浜原発から約30~70キロ圏内に居住する住民29人が、地震災害に伴う重大事故が原発で起きた場合、放射性物質で琵琶湖が汚染されて水が飲めなくなり、生命や健康を脅かされるとして、運転の停止を求める仮処分を申し立てていた

大津地裁は2016年3月9日、「福島の原発事故を踏まえた事故対策や緊急時の対応方法に危惧すべき点があるのに関西電力は十分に説明していない」として稼働中の原発では初めて、運転の停止を命じる仮処分の決定を出した。

2016/3/10 高浜原発3、4号機、運転差し止め仮処分決定

関西電力は決定の取り消しを求めて異議を申し立てるとともに、仮処分の決定の効力を停止するよう申し立てていた。

関電は仮処分決定は「科学的知見をふまえず、主観的な危惧・不安から短絡的に結論づけた」と批判。
差し止めの経済的損失は1日約3億円にのぼり、予定していた電気料金値下げの見送りで市民生活や経済活動に大きな影響が出ていると主張した。

今回の決定は、仮処分の決定の効力停止の申し立てに対するもので、3月と同じ裁判長が、「関電が安全性に欠ける点のないことの立証を尽くさなければ、欠ける点のあることが推認される」と指摘。「福島第1原発事故の原因究明が完遂したと認めることはできず、新規制基準に従って許可を受けたことで安全性が確保されたとはみられない」とも言及した。

関電が決定取り消しを求めて申し立てた保全異議の審理(異議審)が終わるまで、再稼働は不可能になった。

異議審は5月10日の第1回審尋で法廷審理が終わり、6月10日に関電と住民の双方が追加書面を出し主張を終えた。
地裁は今夏にも結論を出すとみられる。今回と同様、山本裁判長が担当しており、決定が取り消されない可能性が高まった。


付記

関西電力はこの決定を受け、停止中の高浜原発3-4号機の核燃料を取り出すと発表した。執行停止の申し立てが地裁に却下されたことで「一定期間、原子炉が動かせないことが確定したため」としている。取り出した燃料は、使用済み燃料プールで保管する。



Shellは6月7日Shell Chemical Appalachia LLCがPittsburgh, Pennsylvania の近くでエチレンクラッカーとPEプラントを建設する最終決定を行ったと発表した。
18ヶ月以内に建設を開始し、商業生産は2020年代の初めを目指す。

Shellは2011年66日、Appalachia地方でエチレンクラッカーと誘導品プラントの建設を検討していることを明らかにした。

エチレンは豊富なMarcellus Shaleガスからのエタンを原料とする。
誘導品としては
PEを第一候補としている。今後も米国北東部のPE需要は伸びるとみている。
Shellではまた、この地域での雇用拡大も狙っている。

2011/6/14 Shell、アパラチア地方でエチレンクラッカー建設へ 

2015年6月15日、Shell ChemicalsはPotter Townshipの亜鉛精錬所跡地1000エーカーをHorsehead Corporationから買収した。

Marcellus basin とUtica basinのシェールガスからの低コストエタンを原料とし、年産160万トンのエチレンとポリエチレンを生産する。

原料ソースから近いという利点のほか、米国のポリエチレンの需要家の70%はピッツバーグの700マイル圏内にある。

ーーー

今回の発表は、Shellにとって石油化学事業の強化の(昨年の終わり来の)3番目の発表である。

1)Geismar, Louisiana でのアルファオレフィン増設

Shell Chemical はGeismar, Louisianaで年産425千トンのアルファオレフィン第4系列を新設し、同地での能力を130万トン以上とすると発表した。

ShellはGeismarに加え、英国の Stanlowで、Essar Oil (UK) Ltd にアルファオレフィンの生産委託を行っている。

Essar Group はインドで急成長しているグループで、製鉄、石油・ガス、電力、モバイル通信、海運、建設など、幅広い活動をしている。グループの資産は60億ドル、従業員は約2万人。石油・ガス部門のEssar Oils はインドとミャンマーで石油と炭層メタン(coal bed methane)の採掘を行っている。

Essar Oil (UK)は、2011年に Shell からStanlow refineryを買収してスタートした。


2)
中海シェル石油化学(CNOOC and Shell Petrochemicals Co.)増設

Shellは3月22日、CNOOCとShell Nanhai B.V. が広東省恵州市の大亜湾経済技術開発区中海シェル石油化学の増設の最終決定を行ったと発表した。

CNOOCがJVに隣接して建設を計画している石油化学施設を中海シェル石油化学が引き継ぐ。

年産100万トン以上の新しいエチレンクラッカーを建設し、エチレン能力を倍増以上にするとともに、中国最大となるSMPOプラントを含む誘導体を建設する。

Shell のOMEGA法(MEG)、SMPO技術、ポリオール技術を使用し、エチレンオキサイド150千トン、エチレングリコール480千トン、高品質ポリオール600千トンを生産する。

韓国の検察は6月10日、ロッテグループの幹部が帳簿外の裏金づくりを行った疑いがあるとして、大々的な家宅捜索を行った。

ソウル中央地検が、ソウル市内のロッテグループ本社にある辛東彬(重光昭夫)会長の執務室と自宅、グループ会社など計17カ所を家宅捜索した。グループ創業者、辛格浩(重光武雄)氏の執務室なども捜索した模様。

付記

韓国紙は7月8日、ソウル中央地検が創業者の辛格浩(重光武雄)氏と次男の辛東彬(重光昭夫)会長に対し出国禁止措置を取ったと報じた。

持ち株会社にあたるホテルロッテをはじめ、ロッテショッピング、ロッテホームショッピング、ロッテ情報通信などと、これら企業の主要役員の自宅も捜索対象となった。検事や捜査官約200人を投入し、コンピューターのハードディスクや会計帳簿、下請け契約書、資産取引に関する資料などを確保したとされる。
また、グループナンバー2のロッテショッピング政策本部長(副会長)ら数人の役員に出国禁止措置を取ったとされる。

ロッテは李明博前大統領の政権で最も恩恵を受けた企業だとされる。

辛格浩氏の宿願だったソウルの複合商業施設「ロッテワールドモール (第2ロッテワールド)」の認可を受けるために裏金を使って政界に金品を供与した疑いをはじめ、釜山のロッテワールド用地の用途変更やビール事業進出、免税店運営事業の受注など、前政権時代の恩恵に絡む数々の疑惑がある。

検察は役員が下請け業者との取引単価を水増しして差額を受け取ったことを示す手がかりを確保した。グループ会社間の資産取引の過程で裏金をつくった疑いがあるともされる。

韓国メディアは、前政権の関係者に捜査の手が及ぶ可能性に言及する。

また、辛格浩(重光武雄)氏の長女・辛英子ロッテ福祉・奨学財団理事長が化粧品会社から免税店入店に関して20億ウォン台の裏金を受け取った容疑で検察の捜査を受けている。

2年前にはロッテホームショッピングの前社長・現社長・役員らが複数の納品業者から20億ウォンを受け取った容疑で実刑判決を受けた。
特にロッテ免税店は中国人観光客の増加により「金の卵を産むガチョウ」になっているため、入店のためのロビー活動もいっそう激しさを増しているとされる。

付記

ソウル中央地検は7月4日、辛英子理事長について、背任収財や横領などの疑いで逮捕状を請求した。業者から便宜を図るよう頼まれて不正に30億ウォン(約2億7千万円)を受け取った疑い。自身が実質的に運営する会社から資金40億ウォンを横領した疑いもあるという。

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ソウル中央地検は7月7日、辛英子容疑者を背任収財や横領の疑いで逮捕した。
韓国の化粧品会社などからロッテ免税店への出店を認めるよう頼まれ、リベートとして計30億ウォン(約2億6400万円)を受け取ったほか、辛容疑者が実質的に運営する企業から40億ウォン(約3億5200万円)を横領した疑い。
検察は、家宅捜索の過程で、辛英子理事長の長男が所有する会社がコンピューターサーバーを交換し、関連文書を破棄するなど、組織的な証拠隠滅を行っていたことも確認したと発表した。


別途、大型スーパーのロッテマートが有毒物質を含む加湿器用殺菌剤をプライベートプランド商品として販売し多数の被害者を出したとして、業務上過失致死傷の疑いで捜査が進んでいる。

ソウル中央地方検察庁は5月14日、有害な化学物質、PHMG(ポリヘキサメチレングアニジン)入りの加湿器用殺菌剤を製造・販売したイギリスに本社を置く Reckitt Benckiser の韓国法人の元代表ら3人と別の会社の代表1人を業務上過失致死傷の疑いで逮捕した。

2001年から2011年に韓国で販売され、妊婦と乳幼児等221人が被害を受け、そのうち95人が死亡した。

問題を放置した政府の不作為を、修学旅行中の高校生ら300人以上が犠牲になった旅客船セウォル号の沈没事故になぞらえ、「家の中のセウォル号」とも呼ばれている。

ロッテマートは、2006年からPHMGを原料とした加湿器殺菌剤をプライベートブランド商品として製造して販売した。

ロッテマートは、「2011年8月以来、加湿器殺菌剤の問題点が提起され、被害者が発生したという報道が出る中でも、『正式に明確な調査結果が出ていない』、『被害状況の確認が難しかった』などの理由で、原因究明と事態の解決により積極的でなかった点について、おわび申し上げます」と述べた。

検察は6月11日、ロッテマートの元代表で現ロッテ物産社長を業務上過失致死容疑で逮捕した。


ロッテでは武雄氏の長男の重光宏之氏と次男の昭夫氏が経営権を巡って争っているが、さらに経営に不安が出てきた。

長男の宏之氏は、下記のコメントを出した。

家宅捜査されている事実について、グループの社会的信用や企業価値が毀損される極めて深刻な事態であると認識しており、------- 現経営体制の重大な問題点が新たに顕在化したものと受け止めている。

事態の全容解明に向けて説明責任を果たすことを求めるとともに、----- 経営正常化のための緊急協議の場を設けるよう求める。


韓国ロッテグループの事実上の持ち株会社、ホテルロッテは6月13日、韓国の金融委員会に上場撤回申告書を提出し、7月中に予定していた株式上場を無期延期すると決めた。検察の捜査が進む中で投資家保護を考慮した。


ロッテは6月10日、米国のAxiall への買収提案(下記)を撤回すると発表した。

ーーー

Lotte Chemical は6月7日、米国でWestlake Chemical から買収を仕掛けられている米国の塩ビメーカー Axiall に買収提案をしたと発表した。

Westlake Chemical は1月29日、Axiall Corporationの全株式を14億ドルで買収する提案をしたと発表した。
1株当たり20ドルの買収で、現金11ドルとWestlakeの株式 0.1967株で支払うもので、総額で約29億ドルとなるが、約15億ドルの負債込みとなるため、ネットでは14億ドルでの買収となる。

しかし、Axiallの取締役会はAxiall の資産価値と将来性を著しく低く評価しているとして 拒否した。

Westlakeは4月4日、新提案を行った。
1株当たり23.35ドル(20ドル)の買収で、現金14ドル(11ドル )とWestlakeの株式 0.1967株(同じ)で支払うもので、買収額は約15億ドルの債務込みで31億ドル、ネットで16億ドル(14億ドル )となる。

Westlake側はAxiall の株主に対し、Westlakeの提案を通すため、6月17日のAxiall の株主総会でWestlake側の推薦する取締役を選任するよう要請、これに対し、Axiall も会社側に投票するよう要請している。

2016/2/4 Westlake Chemical、Axiall に14億ドルでの買収を提案、拒否される 

Lotteは買収額を31億ドル(Westlake の修正提案)以上というだけで、詳細は明らかにしていない。

ロッテによるAxiall買収提案は、Westlakeに対抗するWhite Nightの役割のほか、相乗効果を狙ったものでもある。

Axiall はロッテが手薄なカセイソーダやVCM、PVCなどに強く、顧客の大半が北米地域であるのに対し、ロッテはエチレンなどオレフィン系に強みがあり、事業の中心はアジア地域で、製品群や顧客基盤が重ならない。

また、両社は米国で提携している。Lotte と Axiall は2015年6月18日、ルイジアナ州に石油化学JVを設立すると発表した。

シェールガスに付随するエタンを分解し、エチレンを生産するもので、 Lotte Chemicalが90%、Axiall Corp.が10%出資する。

エチレン能力は年産100万トンで、出資比率に応じ、Lotteが90万トン、Axiallが10万トンを引き取るが、Lotteは自社枠のうち40万トンをAxiallに販売する。Axiallはエチレンを自社のPVCに使用する。Lotteはエチレングリコール 70万トンを生産する。

2015/6/22 韓国 Lotte Chemical、米国で石油化学


ロッテは6月10日、Axiall への買収提案を撤回すると発表した。


付記

ルイジアナ州 Lake Charlesで開かれたエタンクラッカーおよびエチレングリコール合弁事業の起工式に出席した辛東彬(重光昭夫)会長は6月14日、グループが裏金疑惑で検察の捜査を受けていることについて「申し訳なく思う」と謝罪した。

ホテルロッテの韓国取引所への株式上場延期については「無期限延期ではない。年内上場に向け努力する。国会で国民と約束したので必ず上場する」と説明した。

オバマ米大統領は6月7日、訪米中のインドのモディ首相とホワイトハウスで会談し、東芝傘下のWestinghouseが原子炉6基をインドに建設することで基本合意した。
共同声明で「インドで拡大する電力需要に応え、化石燃料への依存を減らすという両国の意志を示すものだ」と意義を強調した。

2008年発効の米印原子力協定に基づく最初の契約となる。

またオバマ大統領は48カ国で構成される原子力供給国グループ(NSG)へのインド加盟について改めて支持を表明した。
NSGは民生用の原子力関連資機材の軍事転用防止を目的として輸出管理を行っている。
(インドは核拡散防止条約に加盟していないため、米国がインドのNSG加盟を後押しすることを問題視する声もある。)

Westinghouseとインド原子力発電公社(Nuclear Power Corporation of India Limited =NPCIL) が、2030年までに加圧水型軽水炉「AP 1000」6基をインドに建設する契約を2017年6月までに締結する。米輸出入銀行が資金支援する。原子炉設計や立地選定は「すぐに始める」としている。

ーーー

インドは経済成長に伴う電力不足への対応に加え、温暖化対策として2030年までに総発電量に占める非化石燃料の割合を40%に引き上げる目標を掲げる。
太陽光などの再生可能エネルギーとともに原発の増設を重視している。

インドは現在21基 (5,780MW) の原子炉を抱え、6基(4,300MW)を建設中。これに加え、既に政府は2015年4月に10発電所、44基の新設承認を行った。さらに2基の計画がある。
計画には今回のWestinghouseの案件や、フランスのArebaと三菱重工の案件、GEの案件、ロシアの案件も含まれている。

しかし、これまでインドへの原発輸出には2つの障害があった。

第一は、インドが核拡散防止条約(NPT)に加盟せず核兵器を保有したため、米国が原発輸出を禁じていた。

このため、インドはかつて導入した米製技術を元に国産化した。1974年以降に納入された外国製原発はロシアの2基だけで、うち1基が稼働、1基が建設中。

しかし米国は2008年の米印原子力協定の調印で方針を転換した。
日本も日本の原発輸出を可能とするため、2015年末に日印原子力協定の締結に向けて原則合意した。

第二の問題は、インド国会が2010年8月末に可決させた「原子力損害賠償法」 である。

インドで1984年に起きた史上最悪の産業事故であるボパール化学工場有毒ガス漏出事故は未だに解決をみていない。

2010/12/8 インド政府、Bhopal事故補償で13億ドルの追加請求

インドはこの経験から、「汚染者負担の原則」を原子力にも取り入れた。

放射能漏れなどの原発事故が発生した際、通常は原発の操業会社のみに負わせていた賠償責任を、原子炉などのメーカーつまり供給企業にも負わせるとしたもの。
これにより、万一の際の保障体制がより強力な形で整うことになる。
いざという場合には政府のバックアップが期待できるロシアやフランスなどに比べ、米国企業は相対的に不利益を受ける可能性が出てくる。

インド政府は国会審議の過程で、原子炉供給企業の責任を軽減する修正案を閣議了承するなど、米企業などへの配慮を示したが、結局これは野党の激しい批判で撤回に追い込まれた。
米国の駐印大使や国務次官補らが懸念を表明し、これがまた野党の反発をあおるという悪循環に陥った。

これでは海外の原子炉を使えないため、インドは2016年2月4日、原発事故の賠償に関する国際的なルールとなる「原子力損害補完的補償条約」(CSC)を批准した。
CSC加盟国は、過失の有無にかかわらず電力会社などの原子力事業者が賠償責任を負うとされる。

CSCが発効すれば「国内法は事実上骨抜きとなり、外国企業が進出しやすくなる」と指摘されている。

ただし、国民から反発を招く可能性もあり、対外条約と矛盾する国内法の改正に課題が残る。

ーーー

インドの原子力発電の現状と計画は下記の通り。

付記
Westinghouseは当初、Gujarat州での建設を計画していたが、地元の反対を受け、Andhra Pradesh州に変更した。

*1 Westinghouse

*2 Areva & 三菱重工業の原発建設計画

*3 VVER-1000 はロシア製のWater-Water Energetic Reactor
旧ソ連で開発され、旧ソ連・東欧諸国で広く発電炉として運転されている加圧水型原子炉
  Kudankulamで1基が稼動、1基が建設中で、さらにKudankulamで4基、Haripurで6基を計画している。

*4 ESBWR(Economic Simplified Boiling Water Reactor)
  設計はGE日立ニュークリア・エナジー 

2016年1月、インドのModi 首相とフランスのHollande 大統領は、年内にJaitapurでArevaのEPR 6基 建設の契約をまとめると述べた。
同月にインドの内閣は、Westinghouseとの契約を年内にまとめることを確認した。

Kovvadaに建設する原発では、GEのEconomic Simplified Boiling Water Reactor (ESBWR) を初めて採用する。

計画分で、Kalpakkam の600x2 以外は 2015年4月に政府の承認を受けている。

ーーー

回、WestinghouseのAP1000が採用され、6基が建設されることとなるが、東芝の計画では、インドで35基を建設するとなっており、道は遠い。

 

IUPAC (国際純正・応用化学連合)は2015年12月30日、新元素113、115、117、118 を公式に認めた。
発見者に命名権が与えられる。

2012/10/1 新元素 113
2016/1/1 理研に新元素113 の命名権

IUPACは6月8日、新しい4元素の名称案を発表した。
5ヶ月間のパブリックレビューの後、IUPACから正式な元素名と元素記号名が発表される。

元素番号 元素名 元素記号
113 Nihonium Nh
115 Moscovium Mc
117 Tennessine Ts
118 Oganesson Og

・ 113=Nihonium

理研仁科加速器研究センター超重元素研究グループの森田浩介グループディレクター(九州大学大学院理学研究院教授)を中心とする研究グループが発見。

「日本」からNihonium と命名した。(ニッポニウムは下記の理由で使用できない)

1908年に当時第一高等学校教授であった小川正孝が第43番元素を発見し、ニッポニウム(Nipponium: Np)と命名した。
しかし後にそれは43番元素ではなかったことが判明し、ニッポニウムは幻の元素となった。
これは原子番号75のRheniumであった。
一度間違いとされた元素名ニッポニウムは使用できない。

原子番号93のネプツニウム (Neptunium) に元素記号 Np が使われている

115=Moscovium と 117=Tennessine

これらは、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所(Joint Institute for Nuclear Research, Dubna)と米国のOak Ridge National Laboratory、Vanderbilt University、Lawrence Livermore National Laboratory の合同チームが発見した。

それぞれが立地する Moscow とTennessee州からとった。

・ 118=Oganesson

ロシアのドゥブナ合同原子核研究所 と米国のLawrence Livermore National Laboratory の合同チームが発見した。

ゥブナ合同原子核研究所のフレロフ核反応研究室(Flerov Laboratory of Nuclear Reactions)のリーダーの Professor Yuri Oganessian (1933年生まれ) の功績を讃え、彼の名前をとった。

Professor Yuri Oganessian は1998年にプルトニウムとカルシウムの衝突実験で原子番号114のフレロビウム(flerovium:Fl)を生成した。

生存中の人物にちなんで名付けられた元素は、Glenn Theodore Seaborg の名前をとった原子番号106のSeaborgium=Sg についで2件目。

Seaborg は加速器を用いて多くの新元素を発見した。
アクチニウム(89 Actinium=Ac) からローレンシウム(103
Lawrencium=Lr)までの元素を「アクチノイド系列」と命名し、この系列に属する元素の大半、すなわちプルトニウム(94 Plutonium=Pu) 、アメリシウム(95 Americium=Am)、キュリウム(96 Curium=Cm)、バークリウム(97 Berkelium=Bk)、カリホルニウム(98 Californium=Cf)、アインスタイニウム(99 Einsteinium=Es)、フェルミウム(100 Fermium=Fm)、メンデレビウム(101 Mendelevium=Md)、ノーベリウム(102 Nobelium=No)、ローレンシウム(103 Lawrencium=Lr)の発見に寄与した。

参考 

2009/8/26 112番目の元素 Copernicium
2011/12/8 新元素 Flerovium(原子番号114) とLivermorium(原子番号116)

欧米の医薬業界は1980年代から買収、分離を相次いで行ってきたが、最近になって活動が一層活発になった。

各社の動きをまとめた。

1.Pfizer

1999年にAmerican Home Products とWarner Lambert の合併が合意された直後、敵対買収を行ってWarner Lambert を買収、2009年にはそのAmerican Home Products (Wyeth と改称)を買収した。
2003年にPharmacia を買収している。

最近では、2015年にAllerganを買収し、本社を税率の低いアイルランドに移そうとしたが、米国の新たな税制では本社移転による恩恵がなくなり、断念した。
AstraZenecaに買収を打診し、断念している。

2006/3/6 世界の医薬会社の構造改革
2007/10/11 高杉良「挑戦 巨大外資」 Pfizer / Warner Lambert / American Home Products
2009/1/27  Pfizer、Wyeth を買収
2014/5/12 Pfizer が AstraZenecaに買収提案
2015/2/11 Pfizer、米製薬会社 Hospira, Inc. を買収 
2015/11/26 Pfizer、アイルランドのAllerganを買収 
2016/4/7 Pfizer とAllergan、合併計画断念

ーーー

2.Glaxo SmithKline

SmithKline Beecham と Glaxo \wellcome は1998年に一旦合併合意しながら破談となったが、2000年に合併した。
Pfizer、塩野義とHIV治療薬のJVを持つ。

2006/3/6 世界の医薬会社の構造改革 
2009/4/29 GlaxoSmithKline の動き
2012/11/2 塩野義製薬、HIV治療薬JVの枠組み変更

ーーー

3. Merck と Schering

両社はいずれもドイツの企業で、米国に子会社を持っていたが、第一次大戦でドイツ資産が没収され、別会社となった。

ドイツではMerck がSchering を買収しようとして断念、ScheringはBayer に買収された。

米国ではMerckがSchering-Ploughを買収、合併した。

なお、米国Merckは米国、カナダ以外の地域では「MSD」(Merck Sharp & Dohme)の名称を使用、逆にドイツのMerck KGaAは米国とカナダでは「EMD」Emanuel Merck, Darmstadtの社名を使用している。

2006/3/23 2つのMerck社
2006/3/24 バイエルがシェーリングの買収合意
2014/9/25 独Merck KGaA、研究用試薬の米 Sigma-Aldrich を170億ドルで買収
2009/3/11 Merck、米Schering-Plough を買収
2014/5/10 Bayer、米 Merckの大衆薬事業を買収

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4. Sanofi

Hoechst は米国で Celanese や Marion Merrell Dow を買収、1999年にRohne Poulent と合併してAventisとなった。(Celanese を再分離)

2004年にSanofi Synthelabo がフランス政府の支援を受け、Aventisを吸収、Sanofi Aventisとなった。現在名は Sanofi。

2006/3/6 世界の医薬会社の構造改革
2011/2/17  Sanofi-Aventis、Genzymeを買収 
2015/12/19 仏Sanofi と独 Boehringer Ingelheim、事業交換の交渉

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5. AstraZeneca、Novartis

AstraZeneca はICI から分離したZeneca とスウェーデンのAstraが合併してできた。

2014年にPfizerから買収提案があったが、拒否した。その後、買収を続けている。

NovartisはSandozとCiba-Geigyの合併で生まれた。

AstraZenecaの農薬部門とNovartisの種子部門が合併し、Syngenta となった。

2014/5/12 Pfizer が AstraZenecaに買収提案
2015/11/12 AstraZeneca、米製薬会社 ZS Pharma を27億ドルで買収
2015/12/22 AstraZeneca、買収による事業拡大 
2015/7/27 富士フイルム協和発酵キリン、バイオシミラー医薬品の開発・販売で AstraZeneca と提携

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6. Johnson & Johnson

Consumer Healthcare 傷ケア、ベビー用品、スキンケア・化粧品、オーラルケア、コンタクトレンズ、OTC医薬品
Medical Devices 外科手術関連、感染予防、心臓疾患関連、整形・脳神経外科関連、糖尿病関連、コンタクトレンズ
Pharmaceuticals 中枢神経系、真菌症、鎮痛・麻酔、がん、その他領域



米電力大手Exelon は6月2日、米中西部イリノイ州にある2つの原子力発電所を閉鎖すると発表した。廃炉の公算が強い。

原発名 場所 基数 能力 タイプ 閉鎖時期
Clinton Clinton, Ill. 1基 1,069MW BWR 2017/6/1
Quad Cities Cordova, Ill. 2基 1,871MW BWR 2018/6/1


シェール革命によるガス価格の下落(10年前に比し約1/3に低下)で電力卸売価格も大きく低下し、採算が合わなくなっていた。
同社では両原発は同社の原発のうち、最も効率がよいものだが、過去7年間で合計8億ドルの損失を計上していたとしている。
両原発で1500人を雇用しており、間接人員も含めると4200人となる。

ExelonやComEd などはイリノイ州議会に以下の点を含んだ "Next Generation Energy Plan" の法制化を求めている。

・ Zero Emission Standard の導入
  州が監査し、収入が支出をカバーできない原発に限り、補償を行う。
・Renewable Portfolio Standards の強化・拡張
・太陽光発電の推進
・電力料の50%引き下げ

州議会はこれを議論中だが、成立するかどうか見通しがつかないため、廃止を決めたとしている。
引き続き、 "Next Generation Energy Plan" の法制化に向け、運動を続ける。


Exelonは、2000年にUnicom (シカゴを基盤とする Commonwealth Edison の親会社) とフィラデルフィアに本拠を置く PECO Energy が合併し誕生した。

11箇所の原子力発電所を運営しているが、その中にはかつて大きな原子力事故を起こしたことがあるスリーマイル島原子力発電所が含まれている。

今回閉鎖する2原発以外の原発は下記の通り。

原発名 場所 基数 能力 タイプ
Braidwood Illinois 2基 2,389MW PWR (Westinghouse)
Byron Illinois 2基 2,347MW PWR (Westinghouse)
Dresden Illinois 2基 1,845MW BWR (General Electric)
LaSalle Illinois 2基 2,320MW BWR (General Electric)
Fort Calhoun #1 Nebraska 1基 484MW PWR (Combustion Engineering)
Limerick Pennsylvania 2基 2,317MW BWR (General Electric)
Oyster Creek #2 New Jersey 1基 636MW BWR (General Electric)
Peach Bottom #3 Pennsylvania 2基 2,599MW x 2 BWR (General Electric)
Three Mile Island Pennsylvania 1基 837MW PWR (Babcock and Wilcox)

#1 Fort Calhoun原発はOmaha Public Power District が所有し、Exelonが操業している。
#2
Oyster Creekは認可期限の2019年末までに停止を発表済み
#3 Peach Bottom はExelon とPublic Service and Gas of New Jerseyの共有で、Exelonが操業している。

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米国では主として採算を理由に廃炉する原発が相次いでいる。今回の2原発を含めると、合計9原発となる。

社名 原発 立地 発表 詳細
Dominion Kewaunee Wisconsin 2012/10 2012/10/26
米の発電会社、不採算を理由に原発を閉鎖
Entergy Yankee Vermont 2013/8 2013/9/2 
米・電力大手Entergy、Vermont Yankee原発の廃炉を決定
 
Duke Energy Crystal River Florida 2013/2
Southern California Edison San Onofre California 2013/6
Exelon Oyster Creek New Jersey 2010
Entergy James A. Fitzpatrick New York 2015/11 2016年末~2017年初めに閉鎖 採算悪化
Entergy Pilgrim Massachusetts 2015/10 2019/6/1までに閉鎖


このうち、San Onofreは
三菱重工業の蒸気発生器の欠陥を理由にするもの
  
2013/10/22 米国原発会社、三菱重工業の蒸気発生器の欠陥で仲裁申立て


2012年7月30日付の英 Financial Times は、"Nuclear 'hard to justify', says GE chief" のタイトルでGeneral ElectricのCEOのJeff Immeltのインタビュー記事を掲載した。
シェールガス革命で天然ガスが豊富に供給され、再生可能エネルギーの選択肢も増えたことから、原子力発電を正当化することは難しくなったというもの。

2012/7/31 原子力発電の正当化困難にーGE会長


新設の原発は旧基準に基づき稼動認可を得たものが1つで、新基準では3件の建設運転一括許可が出ている。

1) Watts Bar 原発2号機 (稼動認可)

米原子力規制委員会(NRC)は2015年10月22日、テネシー州のWatts Bar 原発2号機の稼働を認可したと発表した。
米Westinghouse製の加圧水型原子炉で、出力は約110万kw。1973年に建設認可を得たが、79年のスリーマイル島原発事故の影響で85年に建設を中断、2007年に建設再開に乗り出し、完成にこぎ着けた。

2015/10/31 米国、19年ぶり原発稼働認可 

2) Vogtle原発 3・4号機 (2012/2 建設運転一括許可=COL)
3) Virgil C. Summer 原発2・3号機 2012/3 建設運転一括許可=COL)

 いずれも新型加圧水型原子炉「AP1000」

2012/4/4 米、2件目の原子力発電所新設を承認 

4) South Texas 原発 3・4号機(2016/2 建設運転一括許可=COL)

東芝のSouth Texas 原発の事業開発会社Nuclear Innovation North America は2016年2月9日、NRCから、South Texas Project 3・4号機建設の建設運転一括許可(COL)の承認を受けた。ABWRとしてCOLが承認されたのは今回が初めて。


東芝は、今後 15年間で Westinghouseで 64基の原発を受注するとしており、うち米国では18基となっているが、現状では実現は非常に難しい。

今回COLを得たSouth Texas 原発 3・4号機も、当初の運営主体であったNRG Energyが離脱したため、東芝が抱え込んでおり、認可は得たものの、パートナーが見つかるまでは建設に入れない状況にある。

2016/5/16 東芝、米国大手エンジニアリング会社との原発建設に関する協力関係を解消

SABICは5月30日、神華寧夏煤業集団 (Shenhua Ningxia Coal Industry Group) との間で中国で石油化学コンプレックスを建設する協定書にサインしたと発表した。

SABICは声明で、共同計画は寧夏回族自治区での新規の石油化学コンプレックスで、SABICの原料ソース多様化に役立つとしている。
寧夏では、神華が供給する石炭を利用出来るメリットがあるとしている。

 

計画の詳細は明らかにされていない。

協定書では、3年間でFeasibility Study を行い、その後、国家発展改革委員会(NDRC)の承認を求める。

SABICにとって、計画は事業を他地域に広げ、新しい市場に展開する戦略の一環であるとしている。
中国のコンプレックスは、原料を幅広いソースで得るのにも役立つとしている。国際市場での原料価格のサイクリカルな変動からSABICを守り、利益ある成長戦略を確実にすると述べた。

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SABICは現在、中国でSinopec とのエチレンコンプレックスJV、韓国でSK Global Chemicalとの高機能ポリエチレンのJV を持っている。

SABICSinopec との50/50JVのSINOPEC SABIC Tianjin Petrochemical を設立し、天津でエチレン100万トンのコンプレックスを運営している。

2009/7/13 中国、シノペック天津石化計画へのSABICの参加を承認

SABICと韓国のSK総合化学は2014年5月26日、SKの最新ポリエチレン技術(Nexlene™ )を使って高機能ポリエチレン製品を製造するための50/50JVを設立する合弁契約に調印した。

シンガポールに本社を持つSabic SK Nexlene Company を設立し、韓国に100%子会社Korea Nexlene Company を設立し、SKの蔚山の年産23万トンのプラントを買収して運営する。

2014/5/31 SABIC、韓国のSK総合化学と高機能ポリエチレンのJVを設立

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神華集団はDow Chemical とのJVで陜西省楡林市でワールドスケールのCoal-to-Chemicals コンプレックスを建設している。

2007年5月21日、中国の国有石炭最大手・神華集団との間で、を建設するための詳細FS実施の契約を締結。

2009年11月、起工式

2012年10月、環境評価書を提出

2012/10/27 Dow/神華集団、楡林市の石炭化学コンプレックスの環境評価書を提出

Lotte Chemical が主導するウズベキスタンと韓国の石化JVのUz-Kor Gas Chemical は5月21日、現地で完工式を行った。

Uz-Kor Gas Chemical はSurgil ガス田の45億立方メートルのガスを処理し、エチレン/HDPE 387千トン、プロピレン/PP 83千トン、分解ガソリン102千トンなどを生産、発電した電気の余剰分を外販する。37億立方メートルのガスも外販する。
製品は
中央アジアやロシアのほか、中東や北アフリカの顧客に供給する。

Surgil ガス田の埋蔵量は1300億立方メートルで、液化天然ガス換算で9600万トン、原油換算で8億3000万バレルに上る。

ロッテグループの辛東彬(重光昭夫)会長は完成式典で、「今回の事業で北アフリカなど新たな市場に進出できる橋頭堡を確保した」と述べた。

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2011年8月23日、ウズベキスタンのアラル海に近いSurgil ガス田を開発し、ガス化学プラントを建設する総額41億6千万ドル規模の超大型プロジェクト契約が締結された。

2006年に韓国ガス公社 (KOGAS) とウズベキスタン国営ガス公社(UNG) が了解覚書を締結し、2008年に双方が50%ずつ出資する合弁会社(Uz-Kor Gas Chemical ) を設立し交渉を続けてきた。

2011/8/29  韓国の李大統領、中央アジア3か国歴訪、ガス田開発、石化事業などで合意 

Uz-Kor Gas Chemical の韓国側株主には、当初、KOGAS、ロッテ大山石化、STX Energy のほか、LG International とSK Gaz が入っていたが、2011年末にLG International とSK Gaz が離脱し、出資比率が変更になった。

当初 現在
ウズベキスタン Uzbekneftgaz(UNG) 50.0% 50.0%
韓国 韓国ガス公社(KOGAS) 17.5% 22.5%
Lotte Chemical
(当初は子会社のロッテ大山石化)
17.5% 24.5%
STX Energy(双竜グループ) 5.0% 3.0%
LG International 5.0% 0%
SK Gaz 5.0% 0%



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ロッテは米ルイジアナ州など海外で大規模プラントの建設を相次いで進める

2015/6/22 韓国 Lotte Chemical、米国で石油化学

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358  

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