2013年1月アーカイブ

 

資源エネルギー庁は1月29日、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において、海底面下のメタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す、世界初の海洋産出試験を実施すると発表した。

事前掘削作業として2012年2月から3月には生産井やモニタリング井の坑井掘削を行い、6月から7月にはメタンハイドレート層から圧力を保持したコアサンプル(地質試料)を含むコアの採取作業を行った。

2012/1/18 愛知沖でメタンハイドレート掘削スタート 

これをもとに、メタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す。

試験時期は2013年1~3月末の予定で、石油天然ガス・金属鉱物資源機構が事業主体となり、石油資源開発がオペレーターとなる。
地球深部探査船「ちきゅう」を使用して行う。

地球深部探査船「ちきゅう」が清水港を出港し、1月28日、試験地点にて準備作業を開始した。準備作業終了後、メタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す試験を実施する。

2013年度には本試験の結果解析作業等を実施し、商業的産出のために必要な技術の整備に向けて取り組んでいく。

付記

この地域のメタンハイドレートは海底深くにある「砂層型」である。
日本海側には海底数メートルから数十メートルの浅いところに「表層型」が分布する。政府は近くこれも調査する。


メタンハイドレート海洋産出試験の概念図


メタンハイドレートの調査は、石油や天然ガスと同様に、音波を使った物理探査(反射法地震探査)によって実施される。

この調査データからBSR(海底擬似反射面:Bottom Simulating Reflector)と呼ばれる反射面を確認することによって、地層中のメタンハイドレートの存在を推定する。

今回の試験場所は渥美半島から約80km、志摩半島から約50kmの地点(第二渥美海丘)で、濃集帯が存在している。

 
  資料:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム

 

 




米国の天然ガス輸出を巡って、Dow Chemical と ExxonMobileが米国の産業界を2分して争っている。

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米エネルギー省は2012年12月、LNGに関する報告書を発表したが、そのうち、NERA レポートでは、LNG輸出の米国経済への影響を、輸出の量、グローバルな市場状況、天然ガスコスト等々、いろいろな前提で検討したが、全てのシナリオで、LNG輸出は輸出をしない場合と比べ、ネットで経済的メリットがあるとしている。

2012/12/7 米エネルギー省、LNG輸出に向けての報告書を発表

これに対し、Dow Chemical はその翌日にAndrew N. Liveris CEOによる反論を発表した。

製造業は米国で最大の天然ガスのユーザーであり、天然ガスを使って、他のどのセクターよりも多くの雇用を生み、より多くの価値を生み出している。


製造業で使われたエネルギーの価値は、バリューチェーンを通じて多くの高付加価値の製品をつくることにより、20倍にも拡大される。

これに対して、LNGとしてエネルギーを輸出すれば、その価値分しか得られない。

2012/12/12  Dow、エネルギー省のLNG輸出に関する報告に反論

ダウのLiveris CEOは2010年6月の論文で、製造業のルネサンスが必要と主張、そのための一つとして「業界の競争力維持のための豊富なエネルギーの必要性」を挙げている。

2010/6/25 ダウCEOの論文「米国製造業のルネサンスを」 

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エネルギー省は現在、日本など米国とFTAを締結していない国への輸出用の16のターミナル建設申請をレビューしている。

Exxon は、天然ガス輸出は雇用を創出し、生産を増やし、米国の貿易赤字減らしに役立つと主張する。

輸出により、需要が増え、投資が増え、生産量が増える。

少数の企業が自社の利益のために米国の豊富なエネルギーの自由貿易を制限するよう政府に求めているとし、ExxonMobilはエネルギーを含むすべての製品の自由貿易を支持するとしている。

なお、ExxonMobil自身、天然ガスを使ってテキサス州Baytown に年産150万トンのエチレン工場を建設することを決め、認可手続きに入っている。

全米製造業者協会(National Association of Manufacturers:NAM)と米国化学工業協会(American Chemical Council:ACC)は、自由貿易により米国経済が拡大するとして、天然ガス輸出を支持した。

これに対しDowは1月18日、NAMとACCは石油・ガス業界の影響を受けているとし、全米製造業者協会(NAM)を脱退した。
DowはNAM会長に手紙を送り、会員会社間で意見が分かれる問題では中立の立場を取るべきなのに、天然ガス業界に味方したと批判した。

Dowは本年、天然ガスの輸出に反対するAmerica's Energy Advantage (AEA)というグループをつくった。

メンバーは以下の通りで、Huntsmanは1月22日に新しく加盟した。
  石油化学:Dow Chemical、Celanese、Eastman、Huntsman
  アルミ精錬:Alcoa
  鉄鋼:Nucor
  団体:American Public Gas Association

AEAは、米国の天然ガスが米国の製造業のルネサンスに役立つと主張、輸出により、国内の天然ガス価格が上昇し、米国の製造業の投資を傷つけるとしている。

・価格の安さ:電力コスト低減につながる。
  米国:3.34ドル
  英国:9.73ドル、ドイツ:10.48ドル、インド:10.75ドル、ブラジル:11.95ドル、中国:12.75ドル

・雇用
  競争力ある天然ガスのおかげで、2010年以降、53万の職が追加された。
  ガス価格が同水準で止まれば、2020年までに500万の職が追加される。

・影響
  製造業で1の雇用が生まれると、周辺で5の雇用が生まれる。
  製造業で最終的に1ドルの売り上げが増えると、他のセクターで1.34ドルの収入が生じる。

・逆に天然ガスが輸出されると、
  天然ガス価格は14.54%上昇する。

AEAは、2012年12月に行った世論調査で、「天然ガスを他国に輸出するよりも、雇用を生み、経済を成長させるために国内で使用すべきだ」との説に87%が賛成したと主張している。

一方、ShellはAppalachia地方でエチレンクラッカーと誘導品プラントの建設を検討しているが、1月28日、LNG輸出のため天然ガスの液化設備の建設を発表した。(別記事)

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大阪ガスと中部電力は2012年7月31日、米国のFreeport LNG Development との間で、天然ガス液化加工契約に関する契約を締結した。

Freeport LNGはFreeport LNG受入基地に、液化設備を新たに3系列(1系列あたり年間約440万トン)を建設することを計画しており、2017年に液化事業を開始することを目指している。

このFreeport LNGは4社のパートナーシップだが、パートナーの1社がDow の子会社のTexas LNG である。元々がLNGの輸入基地であり、そのために参加していた。

DowはFreeport LNGによる輸出計画には反対してきたが、このたび、この65億ドルの投資計画に参加しないことを発表した。
計画自体には影響はないだろうと見られている。

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AEAのメンバーのNucorはルイジアナ州St. James Parishで直接還元鉄(direct  reduced iron)の工場建設を行っている。
高炉に依らない新世代型の製鉄法で、コークスを使用せず、天然ガスを使って鉄鉱石を還元するもの。

神戸製鋼所の100%子会社のMidrex Technologies, Inc.のプロセスは、世界の約6割のシェアを持つ。

US Steel も建設を検討しているとされる。

 


Shellは1月28日、米国のエネルギー会社 Kinder MorganとのJVを設立して、ジョージア州Savannahの近くのKinder Morgan子会社のEl Paso Pipeline の既存のElba Island LNG Terminalに 2段階で天然ガス液化プラントを建設すると発表した。

El Paso Pipeline 社のElba Express PipelineとElba Island LNG Terminal を改造し、ターミナルに天然ガスを送り、液化し、輸出用に船積みする。

認可を得た段階で、El Paso Pipeline 社はJVの51%を所有して、設備の運営を担当する。
ShellはJVの49%を所有し、液化能力の100%の権利を得る。
液化設備はShellの画期的な小規模液化ユニットを既存の設備に統合することで、早期の完成を目指す。

設備能力は、LNGで年間250万トンで、天然ガスベースでは日量350百万立方フィートに相当する。

Elba Island LNG Terminal は2012年6月にエネルギー省からFTA締結国に年間400万トンのLNGを輸出する認可を取得した。
同社は同年8月、エネルギー省に対し、非FTA締結国に年間400万トンまでのLNGを輸出する申請を提出した。

JVの第一段階(年間150万トン)は追加の認可を必要としない。

Shellでは、計画的で段階的なアプローチによって、天然ガス輸出は世界のエネルギーのニーズに対応するとともに、米国経済を後押しするとしている。

一方で、ShellはMarcellus Shaleガスからのエタンを原料とし、Appalachia地方でエチレンクラッカーと誘導品プラントの建設を検討している。

2011/6/14 Shell、アパラチア地方でエチレンクラッカー建設へ

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Kinder Morganはエネルギー輸送、貯蔵、販売会社で、2011年に同業のEl Pasoを211億ドルで買収した。

この結果、El Pasoの43千マイルの天然ガスパイプラインを含め、75千マイル以上のパイプラインで
天然ガス 、原油、石油製品等の輸送を行い、180のターミナルでガソリン、ジェット燃料、エタノール、石炭、コークスなどの貯蔵を行っている。
炭酸ガスのパイプラインも持ち、輸送と販売を行っている。



ウクライナ政府とShellは1月24日、 ウクライナでのシェールガス開発に関する契約を締結した。
DavosのWorld Economic Forumの会場でウクライナの大統領が見守るなか、ShellのCEOとウクライナのエネルギー相が調印した。

開発するのは東部のKharkiv とDonetsk地区のYuzovskaガス田。ウクライナ政府によると、2018年から年間で70億~200 億立方メートルの生産を計画。同国のガスの年間消費量の最大4割に相当する。

生産分与協定の期間は50年で、シェルは権益の5割を取得する。
残り5割はNadra Yuzovska 社で、同社はウクライナ政府が90%出資している。

投資額は100億ドルを超える見込みで、欧州のシェールガス開発では過去最大の規模となる。

シェルは2012年5月に入札でこのYuzovskaガス田の開発権を手中に収めた。
同時に
Chevronも西部のLvivとIvano-Frankivsk地区のOlesskaガス田の開発権を得ている。

米エネルギー省エネルギー情報局の資料によると、ウクライナのシェールガス埋蔵量は約42兆立方フィートで欧州4位。ウクライナ自身の推定埋蔵量はこれをはるかに上回る。

技術的に回収可能なシェールガス埋蔵量(兆立方フィート)

ポーランド   187
フランス 180
ノルウェー 83
ウクライナ 42
スウェーデン 41
欧州のシェールガス    
 

   資料: World Shale Gas Resources: An Initial Asse ssment of 14 Regions Outside the USA (2011/4)

 

ウクライナはロシアとの間で、ロシアの天然ガスの価格を巡り、長期にわたり争っており、EUにも影響が出た。

2009/1/2 ロシア、ウクライナ向け天然ガス供給停止

ロシアとしては、EUへの加盟も視野にいれるウクライナに欧州向け天然ガスパイプラインを抑えられるのは問題で、この対策として北側のNord Streamを建設したが、今回、南側のSouth Streamの建設も開始した。

2012/12/13 ロシア、サウスストリームパイプライン計画着工

ウクライナは、自国でのシェールガス開発により、ロシアへのエネルギー依存を引き下げる。

ウクライナのほか、ポーランド、ルーマニアなど中・東欧を中心にシェールガスの開発計画が相次いで浮上しており、これらの開発が進めば、欧州向けの天然ガス輸出を収益源としてきたロシアにとっては、戦略の見直しが必要となる。

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欧州ではシェールガス開発に対する考え方が国によって大きく異なっている。

以下、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の「欧州におけるシェールガス開発動向」(2012/7/19) 

欧州委員会

現在の手順が既存のEU法(水質汚濁防止や使用薬剤に関する規制他)と重大なギャップがなく、直ちにEU法を改正する必要がない、と発表。(2012/1)

積極的な推進 ポーランド ・2011年までに試掘井が23坑掘削され、12年末までに更に41坑が掘削予定
・ポーランド地質調査所はEIAの埋蔵量推定を下方修正
・Exxonは試掘結果を基に撤退を表明
ウクライナ 上記
リトアニア 2012年6月、同国初のシェールガス探鉱ライセンス入札を開始
推進するも
抗議運動あり
ルーマニア Chevronへのライセンスに対する抗議活動が発生、政府内にモラトリアムの発動を伺う動き
スペイン バスク地方政府は、シェールガスの開発を望むが、複数の環境保護団体が、抗議運動を実施
モラトリアムを検討 チェコ 政府が2年間のモラトリアムを計画中
ドイツ 実質的なモラトリアム状態
環境省は、水圧破砕技術を規制する法律を準備中(使用可能な薬剤の制限等)
水圧破砕の使用を禁止 フランス 2011年6月、水圧破砕の禁止を議会で採択
2011年10月、2企業3鉱区のシェールガス探鉱鉱区を撤回
ブルガリア 2012年1月、水圧破砕の禁止を採択
2012年6月、在来型資源に対する水圧破砕の使用を許可
論理的な対応  英国 2012年7月、独立調査機関が、ベストプラクティスの適用と厳格なルール適用により水圧破砕活動は安全とのレポート発表、リスクの可能性に対し、理論的検証実施中


 




英国のDavid Cameron首相は1月23日、ロンドンで演説し、2015年に行われる次の総選挙で与党が勝利した場合、遅くとも2017年末までに、英国がEUに残るかどうか(in or out )の国民投票を実施すると述べた。

英国では国民の40%以上がEU離脱を望んでいるとの世論調査がある。英与党内では一部議員が国民投票の実施を求める圧力を強め、EUからある程度の権限を取り戻すべきだとの声も高まってい る。

首相は「国民投票ではEU残留を支持する」と語っており、 強気の演出により、今後行われるEU協定改定で英国の主張を通した上で、EUにとどまる筋書きを描いている。

これに対し、世論調査では優位に立っている野党労働党の党首は「Cameron首相の考えは国民の利益にかなっていない」と批判しており、欧州統合にどう関わるかが総選挙の争点になる。

ユーロ圏諸国は、ギリシャへの支援を再開し、財政規律の強化や銀行同盟など統合強化に動いているが、この動きに反対する英国が離脱の脅しで方向を変えようというもので、EUの将来に新たな不安要素となる。

ドイツのWesterwelle外相は、「"cherry-picking" (選り好み) という選択肢はない」と述べ、Merkel首相も、「英国の意向に関して話し合う準備はもちろんできている」としながらも、「他国にもそれぞれの希望があり、最終的に公正な妥協に落ち着く必要があることを忘れてはならない」とくぎを刺した。

フランスのHollande大統領は、「基本的には英国人が決めること」としつつも「EU脱退をめぐって英国と条件交渉する気はない」として、英国が行うであろう駆け引きを早くも牽制した。

Obama米大統領も1月17日、「強いEUの中の強い英国が大切だ」と再考を促した。

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スピーチの概要は以下の通り。

1)現在のEUの問題点

  前提として、英国は島国で、独立心があり、主権の維持に熱心である。
英国にとりEUは手段であり、目的ではない。
但し、英国の特長は independent であるとともにopenである。
     
  現在のEUは大きな問題を抱える。
一つは通貨Euro の問題。
大改革が必要だが、英国のEuro圏市場へのアクセスに障害が出るようなものは困る。
     
  第二は労働市場規制の複雑なルールなど、過剰な規制、規則によるEUの競争力の低下 。
欧州の生産のシェアは次の20年で約1/3減ると予想されている。
    このままなら、競争力が減り、成長がとまり、失業が増える。
     
  第三はEUとメンバー諸国の国民の乖離で、各国で国民の不満が増大している。
     
2)首相の考える 21世紀にフィットした新しいEUのビジョン
  第一は競争力の強化。
そのためには、各国の競争力強化を絶えず支援する効率的な、官僚的でないEUであることが必要。
     
  第二はフレキシビリティ。
    単一市場維持にはルールが必要だが、新たな展開に即応する必要がある。
硬直性ではなく、スピードとフレキシビリティが必要。
     
    EUの根源は単一通貨ではなく、単一市場である。
多様性があってよい。
     
     (英国は通貨統合や国境検問をなくす「シェンゲン協定」に参加していない。今回の 「新財政協定」にも参加していない)
     
  第三として、権限をメンバー諸国から取り上げるだけでなく、メンバー諸国に戻すことも認めるべきだ。
これは2001年の「EUの将来についてのLaeken 宣言」でも約束されたのに、実現していない。
EUが何をやるべきで、何をやめるべきかと十分検討する必要がある。
     
  第四は民主的な説明責任(democratic accountability)の問題。
EUにおいて、各国の議会が民主的な正当性と説明責任を持つ。
各国の議会にもっと大きな役割を与えるべきだ。
     
  第五は公平さ
Euro圏で決められたことは、Euro圏内外に公平に適用されねばならない。
単一市場の全てのメンバーの
integrityとfairness の保護が重要。
     
3)英国民の気持ち
    英国では現在、EUへの幻滅感がこれまでになく高い。
     不必要な規則で国民生活が阻害されている。
 EUが、英国人が我慢できる範囲を超えたレベルの政治統合に向かっていると感じている。
     
4)対応策
    ユーロ危機の解決のため、想像を超えた変革がなされ、現在と異なった形になる。
それには、上記のビジョンが織り込まれるのが最も望ましい。
     
    その交渉を待って、国民投票を行う。
これは国民の判断を仰ぐもので、英国にとって最善の未来であるかどうかを問うものである。
     
5)離脱ケース
    離脱は簡単なものではない。
     
    英国がEUを離脱しても、欧州から離れる訳にはいかない。
離脱しても、EUの決定は英国に大きな影響を与えるし、離脱すれば現在の拒否権を失い、EUの決定に関与できなくなる。
    EUという単一市場のメンバーでなくなることの影響を十分考えるべきだ。
     
6)結論
    EUにとっても英国を失うことは大きな痛手になる。
フレキシブルで適応可能でオープンなEUが英国の利益に適う。
また、英国がEUのメンバーであることは、そのようなEUの利益に適う。


演説全文は http://www.guardian.co.uk/politics/2013/jan/23/david-cameron-eu-speech-referendum

 


石油化学拠点はAbu Dhabi首長国にある。

Abu Dhabi National Oil Company (ADNOC) は1971年11月に設立された。

石油化学分野では以下の子会社を持つ。

1)Abu Dhabi Polymers Company Limited (BOROUGE) エチレン、PEの生産
2-1)Ruwais Fertilizer Industries (FERTIL) アンモニアと肥料の生産
2-2)Abu Dhabi Melamine Industry 尿素を原料にメラミンを生産
3)ADNOC Linde Industrial Gases Company Ltd. (ELIXIER)  産業用ガスの供給
4)Abu Dhabi National Chemicals Company (ChemaWEyaat)  新石化事業

2006/6/2 湾岸諸国の石油化学ー3 アラブ首長国連邦(UAE)
2009/10/20 
アブダビの新石化コンプレックス、2015年に完成

ADNOCは1)BOROUGEでは欧州各国で石化事業を行うBorealisと組んでいるが、Borealis自体がAbu Dhabi首長国の事業会社である。

Borealisはアブダビ国営の投資会社 IPICADNOCが50%出資) が64%、オーストリアの石油・ガス会社OMV Aktiengesellschaftが 36%出資するJV。IPICはOMVにも17.6%出資している。

また IPICは、日本のコスモ石油に出資したり、カナダのNOVA Chemicals を買収するなど、海外各地に進出している。


ADNOC子会社各社の概要は以下の通り。

1)Abu Dhabi Polymers Company Limited (Borouge)

設立:1998年
立地:Ruwais

株主:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 60%
      Borealis   40%  

 製品:(千トン)

  Borouge 1 Borouge 2 現状合計 Borouge 3
(mid-2014)
エチレン 600 1,500 2,100 1,500
HDPE/LLDPE 600 540 1,140 1,080
LDPE
(
wire and cable用)
      350
プロピレン(OCU)   752 752  
PP   860 860 960

      2010/6/15 UAEのBorouge、石油化学第三期計画進展、中国事業も拡大

なお、Abu Dhabi Polymers (Borougeは中国にPPコンパウンド工場を持つ。
   上海  
第一工場 50千トン
                  第二工場    30千トン
       広州               105千トン

    2010/6/15 UAEのBorouge、石油化学第三期計画進展、中国事業も拡大

2-1)Ruwais Fertilizer Industries (FERTIL)

油田のlean gasの有効利用が目的

設立:1980/10
立地:Ruwais Industrial Zone
株主:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 66.66%
   
Total 33.34%
 
製品: 2期は2013年初めにスタート

  FERTIL 1 FERTIL 2
アンモニア 1,310トン/日 2,000トン/日
尿素  2,200トン/日 3,500トン/日

2-2)  Abu Dhabi Melamine Industry

立地:Ruwais Industrial Zone
株主:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 60%
   Agrolinz Melamine International (Austria)  40%
                  (IPIC 50%
/ OMV 50%)

   製品:メラミン 80千トン
   (原料の尿素は
FERTILが供給)

3)ADNOC Linde Industrial Gases Company Ltd (Elixier)

株主:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 51%
   
Linde Group   49%

工場:Ruwais Air Separation Plant
    The Mirfa Nitrogen Plant

4)Abu Dhabi National Chemicals Company (ChemaWEyaat) 

2008年に新しい石油化学事業のため設立された。
アブダビの
Taweelah地区にChemaWEyaat工業都市の建設を行う。

2009/10/20 アブダビの新石化コンプレックス、2015年に完成

株主:Abu Dhabi National Oil Company (ADNOC)  20%
     IPIC    40%
            Abu Dhabi Investment Council    40%

立地:アブダビ市 Taweelah地区 Mina Khalifa Industrial Zone

第一期:Tacaamol Aromatics Project


なお、Abu Dhabi 政府は、拡大しつつある同国の石油化学、鉄鋼、アルミニウムの川下分野の開発のため、Abu Dhabi市のMussafah industrial estate に 'Polymer Park' と 'Metal Park' を創設することを決めた。

2008/2/14   Abu Dhabi、'Polymer Park' と 'Metal Park' 創設へ

ーーー

海外進出

Borougeのパートナーであるオーストリアの石化会社 Borealisはアブダビ国営の投資会社 IPICが64%出資する子会社である。

Borealisの株主の変遷

  Statoil Neste OMV IPIC
1994 50 50 - -
1997 50 - 25 25
2005 - - 36 64

* IPICにはADNOCが50%出資

同社の能力は以下の通り。(単位:千トン) 

  Austria Germany Italy  Belgium Finland Norway
 売却
Sweden USA  Brazil
エチレン           330   225   625    
プロピレン         480   230    40   220    
PE   595   175     330   330   270   600    
PP   435   240     635   160   175      
Compounds   90     30   115         65   49
フェノール           130        


・Norwayのエチレン、プロピレンはNorsk Hydro とのJVのNoretyl の同社持分
  2007/6/9
INEOS、Borealis からノルウエーの石化事業を買収
・他にベルギーにデュポンとのJV、Speciality Polymers Antwerp (PE 125)
・2004年にポルトガルの
Borealis Polimeros Lda
をRepsolに売却(エチレン350、プロピレン 180、LDPE 145、HDPE 130)

2006/11/10 OMVとBorealis、オーストリアとドイツで石化増強


IPICは活動を全世界に広げている。日本のコスモ石油の筆頭株主である。

UAE 内陸油田ハブシャンからの全長360kmの原油パイプラインとフジャイラ港でのタンクターミナルの建設
フジャイラにて50万バレル/日の能力の輸出を主体とした製油所の建設
オーストリア 石油、ガス会社OMVに17.6%の出資
石化会社Borealisに65%の出資
  2006/11/10 
OMVとBorealis、オーストリアとドイツで石化増強

AMI Agrolinz Melamine International に50%出資(OMVが残り50%)
日本 コスモ石油に出資
韓国 Hyundai Oil Bankに出資(70%)
    ↓
2009/11/21 
現代グループ、Hyundai Oilbank の経営権を奪還
パキスタン パキスタンのPak-Arab Refinery Co.株式40%を保有(残りはパキスタン政府)。
キスタン政府との間で30万バレル/日規模の製油所建設を検討中(IPICが74%出資予定)
オマーン Oman Polypropylene に出資(出資するGulf Investment Corporationを通して)
エジプト Arab Company に出資
スペイン CEPSAに出資(47%にアップ)
中央アジア 2008/8/27 Abu Dhabi のIPIC、中央アジアに進出
カナダ 2009/2/24 アブダビのIPIC、カナダのNOVA Chemicals を買収
 

中国国家統計局は1月18日の記者会見で、2003年から12年までのジニ係数(Gini coefficient:基尼系数)を発表した。

それによると、ジニ係数は2008年に急上昇して0.491ポイントとなったが、12年は0.474ポイントに低下した。

ジニ係数は不平等度を測定する尺度。

係数の範囲は0から1で、0に近いほど所得分配が平等である(格差が小さい)ことを示し、1に近いほど所得分配が不平等である(格差が大きい)ことを示す。

下の図で、ジニ係数は 面積①/(面積①+②)で表される。
①の面積が小さいほど、ジニ係数は小さく、所得分配が平等である。

ジニ係数 計算例


OECDの2000年代央の加盟各国の対比は以下の通りで、平均は0.31となっている。

OECD30か国で最も高いのがメキシコ(0.47)、次がトルコ(0.43)、ポルトガル(0.42)となっており、4番目が米国(0.38)となっている。
逆に低いのは、デンマーク(0.23)、スウェーデン、ルクセンブルグ、オーストリアの順。

日本は0.32で平均並み。

中国は所得の不平等度の悪さで(低下した現状でも)メキシコと肩を並べる。

 OECD諸国はmid-2000s     資料:OECD Factbook 2010
    中国は2012年 0.474


人民日報は、中国は今、所得分配における格差の問題をしっかりと見据え、しっかりと解決するべき時にきている とし、以下のように報じている。

ここ数年来、中央政府から地方政府まで、所得分配における格差を縮小するためにさまざまな取り組みを行ってきた。医療保険や社会保険の制度を整え、国有資本の収益に対する税率を引き上げ、国民生活への投資を年を追って拡大してきた。こうした国民を豊かにするための一連の力強い措置によって、ジニ係数の上昇傾向をくい止めることができた。だが所得分配の格差の問題はかなり複雑なもので、実践を通じて「下を引き上げ、中を増やし、上を抑える」ための取り組みをさらに進めなければならない。

現実に起こっている問題から、所得分配の格差のめぐって、今、次のような難しい問題を抱えていることがわかる。
「下を引き上げ」ようとしても上位法によって法的な支持を行うことができず、「中を増や」そうとしても税制度が整備されておらず、「上を抑え」ようとしても政策措置が整っていない、という問題だ。

所得分配制度の改革を深化させ、国民の所得分配の状況を調整し、給与制度を改革し、所得分配の秩序を規範化し、発展の成果をより多くより公平に国民全体に行き渡らせる必要があるのだ。

現在、先進国のジニ係数は0.24ポイントから0.36ポイントの間に収まるのが一般的で、「中所得のわな」に陥った経済体は0.5ポイント前後をうろうろしている。過去の失敗例をみて、われわれはトラブルへの警戒の意識と問題意識をより強くもち、積極的な態度と慎重な政策で問題を深く探り、解決していかなければならない。

しかし、中国の今回の発表数値でさえ、低すぎるとの批判が出ている。

2012年12月に西南財經大學は、2010年の中国のジニ係数は0.61と発表した。

上海の中欧国際工商学院の許小年教授は1月18日、発表されたジニ係数について「偽りの数字だ」とコメントし、実際の格差はさらに大きいとの見方を示した。



財務省が1月24日発表した2012年の貿易統計(速報)によると、輸出額は63兆7446億円で前年比2.7%減、輸入額は70兆6720億円で3.8%増となった。

液化天然ガスと原油の輸入増が輸入全体の3.0%増を構成している。

輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6兆9273億円の赤字で、過去最大だった。
赤字は2011年(2兆5647億円)に次ぐ2年連続だが、赤字幅は2.7倍となった。
過去最高の1980年の2兆6129億円を32年ぶりに更新した。



地域別ではEU向け輸出が前年比14.7%減となり、初の貿易赤字(1397億円)となった。

中国向け輸出も10.8%減となり、3兆5213億円の貿易赤字となった。

米国向け輸出は11.7%増であった。



 



Rio Tintoは1月17日、2012年の実績で約140億米ドル(税引後)の評価損を計上する見込みと発表した。最終数値は2月14日の決算発表時に明らかにする。

内訳は以下の通り。

・Rio Tinto Coal Mozambique 30億米ドル
・アルミ関連(主としてRio Tinto Alcan、他に Pacific Aluminium )100~110億米ドル
・その他 5億米ドル

同社のCEOのTom Albanese は引責辞任する。
取締役会は、特に最近取得したMozambiqueでの大規模な評価損は受け入れがたいとし、世界的に状況が悪化しているとはいえ、アルミ事業で更に評価損を計上することに失望したとしている。

同社は2011年決算でアルミ関連で89億米ドルの評価減をしており、これに追加する形となる。

1)Rio Tinto Coal Mozambique

Rio Tintoは2010年12月に豪州のRiversdale MiningのTOBを開始し、2011年6月にタタ製鉄が保有する26.28%を取得することで株式の99.74%を獲得した。取得価額は39億豪ドル(約3600億円)であった。

RiversdaleはMozambiqueのTete州のMoatize 盆地で二つの石炭鉱山 Benga鉱山とZambeze鉱山の開発を行っており、Rio Tintoはこのプロジェクトを取得した。

Benga鉱山は年産10百万トン、Zambeze鉱山は25百万トンを予定、Valeが同じTete州で操業中のMoatize炭鉱(年産25百万トン)と並ぶ大規模プロジェクトである。

問題はTete州が内陸にあり、港までどうやって輸送するかである。

ValeはBeiraまで鉄道輸送しているが、運搬能力は少なく、Beira港は整備されていない。
天然の良港のNacala港のターミナルと鉄道を建設中だが、完成は2015年になる。

Rio Tintoはザンベジ川をバージで下り、河口で大型船に積み替える計画を立てたが、政府がこれを認めなかった。また、川を浚渫する必要もあるとされる。

さらに、両鉱山の埋蔵量が当初の想定よりも少なかったと報道されている。

この結果、Rio Tintoは2011年に39億豪ドル(約41億米ドル)で取得したRio Tinto Coal Mozambiqueについて30億米ドルの評価損を計上することとなった。

2)アルミ関連

Rio Tintoは2007年、カナダのアルミ大手、Alcanを381億ドルで買収することで合意したと発表した。

両社のアルミ部門を統合し「Rio Tinto Alcan」を設立した。両社のアルミ地金生産量は合計で430万トン強に達し、統合後は世界首位に躍り出た。

2007/7/17 Rio Tinto、Alcanを買収 アルミ生産で世界最大に

しかし、直後に金融危機が発生し、アルミ価格の低下と需要の伸び悩みに直面した。

同社は2011年10月17日にアルミグループの再編を発表、豪州とニュージーランドのアルミ関連事業を売却対象とし、売却までの間はPacific Aluminiumという新部門に移し、Rio Tinto Alcanと別管理することとした。
なお、米、仏、独の7つの非コア事業については、Rio Tinto Alcanが管理するが、売却の検討も行う。

 豪州:Gove ボーキサイト鉱山とアルミナ製錬所
        Boyne アルミ精錬所と付属のGladstone発電所 :日本の各社が出資
        Tomago アルミ精錬所
        Bell Bay アルミ精錬所
 NZ   :New Zealand Aluminiumアルミ製錬所(NZAS):住友化学とのJV

同社は2011年決算でアルミ関連で89億米ドルの評価減を行ったが、今回、これに追加する形で100~110億米ドルの評価損を行う。
主としてRio Tinto Alcanの事業だが、Pacific Aluminium についても評価減する。

同社の2012年の生産量は以下の通り。(千トン)

  アルミナ アルミ
Rio Tinto Alcan 6,968 2,174
Pacific Aluminium 2,742 1,063
その他 331 220
合計 10,041 3,456


シンガポールの塗料大手
Wuthelam Group
(ウットラム)は1月21日、日本ペイントの議決権ベースで30%強に当たる8千万株を取得する提案を日本ペイントの取締役会に提出した。1株900円、買収額720億円を想定している。

Wuthelamは子会社 First Industries Corp. を通じて日本ペイント株14.51%を持つ筆頭株主だが、これを約45%まで高めて傘下に収める計画で、 「日本ペイントが持つ高い技術を成長につなげるため、積極的な財務戦略が必要」と説明している。

日本ペイントでは、「受領した内容に関し現在確認・検討中であり、当社の対応につきましては追って速やかに開示いたします」としている。

同社の「大規模買付行為に関する対応方針」によれば、「大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、反対意見の表明、代替案の提示、株主の皆様への説得等を行う可能性は排除しないものの、原則として、大規模買付行為に対する対抗措置は取りません」としている。今回Wuthelamは大規模買付ルールを遵守するとしている。

Wuthelam Groupはシンガポール国籍のGoh Cheng Liangが設立した企業グループで、現在は息子のGoh Hup Jin の一族が所有している。

Goh Cheng Liangは1955年にシンガポールで開業し、日本ペイントのディストリビューターとなった。

日本ペイントとWuthelamグループは、1962年にJVのNippon Paint Southeast Asia グループ(NIPSEAグループ)をつくり、その後、アジア各国で自動車や建築用塗料などを中心に 、日本ペイントが技術、Wuthelamがマーケティングを担当して合弁事業を展開してきた。

現在、15か国に30のプラントを持ち、従業員は15千人以上となっている。中国やマレーシア、シンガポールなどの塗料市場ではシェアトップを誇る。

付記

Wuthelamは2013年3月12日付で日本ペイントへのTOB提案を取り下げた。

今後は、Wuthelamの日本ペイントに対する持株比率の引き上げ、日本ペイントとWuthelamの間のアジアにおける合弁会社の日本ペイントによる将来においてのマジョリティ化について協議を開始する。

ーーー-

当初、日本ペイントはシンガポール、タイ、韓国、中国などのJVでは40%、その他ではそれ以下の出資比率であったが、2006年5月に、両社は合弁事業の更なる企業価値向上と両社の協業関係をより強固にするため、合弁会社の出資比率を見直す協議を行うことで基本合意に達した。

基本合意では、合弁会社における日本ペイントの持株比率を51%以上とするよう協議を行うと決め、逆にWuthelamが日本ペイントの株式を最大10%まで取得することが決められた。(当時の持株は5%弱)

その後、タイ、韓国、台湾のJVの日本ペイント出資比率が51%に引き上げられた。

しかし、2008年12月に
Wuthelamが日本ペイントへの出資を14.51%に引き上げたことが判明した。
基本合意での「最大10%」を超えたため、この合意を一旦白紙に戻し、改めて協議することとなった。

現在のNIPSEAグループ の状況は以下の通り。
黄色の部分が基本合意の時点のJVで、2008年までに変更になった3社以外は出資比率は以前のままである。

その後に設立されたJVのうち、統括会社は50/50。
 
日本ペイントの100%子会社であった船舶用塗料 事業の日本ペイントマリンには2004年に
Wuthelamが40%出資した。

      日本ペイント  
本部 シンガポール Nipsea Management 50% アジア地域統括
Nipsea Technologies 50% 研究開発
塗料&
表面処理剤

 

 

シンガポール Nippon Paint (Singapore) 40%  
マレーシア Nippon Paint (Malaysia) 21%  
タイ Nippon Paint (Thailand) 40%→51%  
Nippon Paint
Decorative Coatings (Thailand)
51% 上記から分離
韓国 Nipsea Chemical 40%→51%  
台湾 Asia Industries 34.8%→51%  
香港 Nippon Paint (H.K.) 40% 中国統括&塗料販売
中国 Nippon Paint (China) 40%  
Guangzhou Nippon Paint 40%  
Nippon Paint (Chengdu) 40%  
Guang Li Chemicals (Shanghai) 38.65%  
Nippon Paint(Tianjin) (40%) Nippon Paint(HK) 100%
廊坊立邦立東塗料&天津立邦聖連達粉末塗料を統合
Nipsea Chemical (Shanghai) 51%  
フィリピン Nippon Paint Philippine 51%  
インド Nippon Paint (India) 50%  
パキスタン Nippon Paint (Pakistan)    
スリランカ Nippon Paint Lanka
 
  Nippon Paint (Singapore) 60%
Silicon Coatings 40%
バングラデシュ Nippon Paint (Bangladesh)
 
  Nippon Paint (Malaysia) 90% 
現地10%
船舶用塗料 日本 日本ペイントマリン 60%  
シンガポール Nippon Paint Marine (Singapore) 60%  
マレーシア Nippon Paint Marine (Malaysia) 60%  
韓国 Nippon Paint Marine (Korea) 60%  
台湾 Nippon Paint Marine (Taiwan) 60%  
中国 Nippon Paint Marine (China) 60%  
Nippon Paint Marine (Zhangjiagang) 60%  
Nippon Paint Marine (H.K.) 60%  


日本触媒は1月21日、9月29日の事故の中間報告を発表した。

日本触媒 事故調査委員会中間報告

2012年9月29日 14時35分頃、日本触媒姫路製造所において、高純度アクリル酸精製塔のボトム抜出液を一時貯蔵する中間タンク(機番V-3138、公称容量70m3)が爆発・火災を起こし、隣接するアクリル酸タンク、トルエンタンク及び消防車輌にも延焼した。

この事故で、消防署員1名が死亡、合計36名が負傷した。

2012/10/1  日本触媒・姫路製造所で爆発事故


 

中間タンク(V-3138)の概要:

精製塔の停止時等に精製塔からの抜き出し液を一時貯蔵する中間タンクであり、通常は液の出入りはない。
タンク内部には、冷却水コイルが設置されている。(下部のみ)
アクリル酸は引火性液体のため、タンク空間部にはM-Gasでシールしている。
タンクの貯蔵液は送液ポンプで液面計リサイクル及び天板リサイクルする。

ーーー

姫路製造所では事故前の9月18日から20日の3日間にわたって全面停電による電気・計装保全工事が実施され、その後、各製造設備を順次、スタートさせていた。

9月25日9時30分頃より回収塔能力アップのテスト準備のため、V-3138 の液溜めを開始した。

事故の原因は以下の通りと推定された。

V-3138の冷却水コイル上面より上部の液は冷却されにくくなり、貯蔵液縦方向に不均一な温度分布が生じた。
その結果、比較的温度が高い領域において、アクリル酸の二量体(DAA)生成反応が緩やかに進行、この反応熱が温度を徐々に上昇させた。
天板リサイクルを実施しなかったために、上部が冷却不足となった。
V-3138 には温度計が設置されておらず、温度上昇を検知できなかった。〔温度検知および温度監視の不備〕
温度の上昇の結果、アクリル酸の重合反応が開始し、重合熱により温度が更に上昇した。
   
アクリル酸二量体が、高温時において早い反応速度で生成することは認識していたものの、その反応熱がタンク貯蔵液の温度上昇まで繋がる潜在的危険性があることを十分に認知していなかった。

ーーー

驚くべきことに、同社では潜在的危険性を十分に認識していなかったという。

このため、温度の監視をせず、本来なら計器室で常時温度を監視すべきであるのに、タンクにさえ温度計が設置されていなかった。
また、貯蔵量を増やす際には、冷却水コイルのない上部に天板リサイクルをすべきだが、その必要性も考えなかったのであろう。

自社で消火作業を行い、事故の通報が遅れたのも、爆発の危険性を認識していなかったからであろう。

今回の作業は特別な作業ではないため、これまでに事故が発生しなかったのが不思議なくらいである。

2012年 回顧と展望 (2012/12/25) の後半部で化学工場の事故多発を取り上げている。

(企業トップの発言で) 世代交代で、マニュアル通りに運転するだけで、各プロセスでの反応の意味や潜在的な危険性を認識せず、異常事態時に対応が出来ないというのである。

まさにこの通りで、ぞっとする。

ーーー

また、「事故当時の報道では、出入りの業者は火災等の場合、消防への直接通報を禁止されていたという」と述べた。

日本触媒は1月21日、これを報道したテレビ朝日「報道ステーション」(2012/10/2)に抗議した。

「消防への通報が遅れていた。」「その理由は何か」とした上で、「会社の上の方から、直接、消防の方には連絡するなという指示が出ていたということがわかりました。」として、事故当時現場に居合わせたと称する作業員の証言を次のとおり引用しています。

「工事に入る前に安全教育というのを2~3時間受けるんですね。で、そのなかで、何か異常を見つけても、勝手に、その、消防署には連絡しないでほしいということと、まず担当者に連絡して所内の固定電話からかけるようにということを言われておりました。」

更に、下請業者が個人の判断で通報すると内部基準に照らされて罰則を受ける可能性があり、萎縮して通報できなかったと話す。

同社では、「目的は、携帯電話の電波による製造所計器類の誤作動防止及び製造装置の爆発防止のためです。そのため、当社社員を含め、事業者の個人の携帯電話の現場持ち込みは禁止されています。従って本件対応の目的は、専ら安全上の理由によるものです 」とし、報道されたような「隠匿を目的」として「罰則を背景に事業者を委縮させる」ものではないとしている。

        http://www.shokubai.co.jp/ja/news/news0100.html


 


Kansas Cityの連邦裁判所で1月16日、Dow Chemical の独禁法違反裁判が始まった。

問題の製品はPolyether Polyol 製品で、酸化プロピレン系のポリエーテルポリオール、MDI、TDI、MDI-TDIブレンドなど。
1999年~2003年の市場が危機的な状況の際に、Dow Chemical、Bayer、BASF、Huntsman、Lyondellの各社が価格カルテルを結んだとして米国の需要家が集団訴訟を行った。

これに対して、Bayerは2006年に、違法行為はなかったとしながらも、和解し、55百万ドルを支払った。
2011年に、Huntsmanは同様に和解し、33百万ドルを、BASFも同様に51百万ドルを支払った。
破産処理中のLyondellも和解した。
各社はいずれも違法行為はなかったとしている。

Dow Chemicalだけが、違法行為はなかったとし、和解に応じなかった。

Dowは裁判開始に当たり、裁判所に対し、和解に応じた各社がいずれも違法行為はなかったとしていることを理由に、事実審理を省略する略式裁判で訴えを棄却することを要請した。

しかし裁判所は2012年12月18日、これを却下した。
裁判長は、原告側は陪審員が違法行為があったと考えるのに十分な直接的及び間接的証拠を提出しているとした。

直接的証拠には、価格協定を行ったとするDowの従業員の証言や、これを確認する競争相手の従業員の証言が含まれる。さらにいくつかの状況証拠もこの証言を裏付けているとしている。

裁判長は、これらの会議が別の理由による合法的な会議であるとのDowの主張を否定した。

裁判は6~7週間かかると見られている。

原告側は被害額は10億ドルを超えるとみており、Dowが敗訴した場合、懲罰賠償で30億ドルを超える賠償額になる可能性がある。

ーーー

よく分からないのは、第一に、原告側が被害額は10億ドル以上といいながら、何故、少額で各社と和解したのかということである。
Lyondellの和解額は分からないが、4社合計で2億ドル以下と思われる。

第二に、他社がこの程度で和解したのであれば、何故、Dowは和解しなかったのであろうか。
各社と同様、違法行為はないが長期間の裁判を避けるためとして和解すれば、なんら問題は起きなかったと思われる。






アルジェリアは天然ガス生産量でアフリカ最大で、世界でも9位。石油もアフリカ2位の生産国。
なかでも天然ガスは地中海の海底パイプラインでイタリア、スペインに送られており、欧州の経済を支えている。
2010年のイタリアの天然ガス輸入でアルジェリア産は37%、スペインでは33%を占める。

今回の事件で一部の欧州系石油大手は従業員の避難を指示した。
原油・ガスの生産、輸出が滞るのは必至で、消費国にも打撃を与える可能性がある。

2013/1/17     速報 アルジェリアで日揮従業員らを拘束 


アルジェリアの原油、ガスはいずれも内陸部にある。
原油とガスはパイプラインで沿岸部に送られる。
   パイプライン詳細マップ http://www.sonatrach.com/en/PDF/transport_par_canalisation.pdf

ガスはLNG、LPGにして出荷されるとともに、ガスのままでパイプラインでイタリアとスペインに輸送される。


製油所は4か所にある。

  年間能力 増設中
Algiers 2,700千t   3,450千トン
Skikda 15,000千トン 16,500千トン
   +5,000千トン
Arzew 2,500千トン   3,800千トン
Hassi Messaoud 1,100千トン  

他に、Biskra、Tiaret、Ghardaia、Hassi Messaoud の4か所に、各500万トンの製油所建設計画がある。

ガス処理設備は以下の通り。

    既存 増設中
LNGコンプレックス
 (輸出用)
Arzew 3基 年間440億m3 1基 470万トン
Skikda 1基 1基 450万トン
LPGコンプレックス Arzew 2基 年間10.4百万トン  



欧州向けのガスパイプラインは2本が稼働中で、2本が建設中。
他に、ナイジェリアのガスをこれらのパイプラインで欧州に輸出するために、ナイジェリアとアルジェリアを結ぶパイプラン建設の計画がある。

1) Trans-Mediterranean Gas Pipeline

Hassi R' Mel 大ガス田の天然ガスを、イタリアへ供給するガス・パイプラインで、チュニジアを通過し、地中海を渡り、シシリー島、メッシナ海峡、バグナラ、ローマを経由し、イタリア北西部のラ・スペチアまでの全長 2,800km にも及ぶパイプライン。

Sonatrach(アルジェリア国営石油会社)、チュニジア、ENI の分割所有となっている。

1984 年 6 月に、年間120 億m3、25 年間の供給が開始された。

2)Galsi Pipeline(建設中)

アルジェリアのEl Kalaから地中海をSardinia島を経由してイタリアのCastiglionne Della Pescaiaまで結ぶ。


3)Maghreb Burrop Gas Pipeline (MEG)

アルジェリアからモロッコを経由し、スペインと結ぶ。

4)Medgaz Pipeline(建設中)

アルジェリアのBeni-SafからスペインのAlmeriaまで地中海の深さ2160mの海底200kmを結ぶ。

新日鉄住金と三井物産は共同で、高強度・深海用途UO鋼管(大径溶接鋼管)を受注した。


5)Trans-Saharan Gas Pipeline(TSGP) (計画)

ナイジェリア~ニジェール~アルジェリア間の総延長4300kmのパイプラインを建設し、ナイジェリアのガスをアルジェリアから欧州向けパイプラインを経て欧州へガス輸出しようというもの。


ーーー

石油化学

Sonatrachの子会社 ENIPがSkikdaにエチレンコンプレックスを持っている。

エチレンは東洋エンジニアリングが1978年に120千トンプラントを完成させた。
(現在は220千トンに増強)

誘導品は以下の通り。
 VCM   40千トン
 PVC   35千トン
 LDPE   48千トン
 HDPE   130千トン
    可塑剤   70千トン


Sonatrach とフランスのTotalは2007年12月、アルジェリアのArzew での石油化学コンプレックス建設の基本契約を締結した。

南アルジェリアのガス田のガスを原料に、Arzew に 140万トンのエタンクラッカーを建設、年産110万トンのエチレン、2系列合計80万トンのポリエチレン、55万トンのMEGを生産する。製品は一部国内市場で販売、大部分は輸出する。

2007/12/10 アルジェリアの石油化学計画スタートへ

しかし、この計画は、原料エタンをHassi R'meil のガス田から送る予定であったが、エタンの輸送に問題が生じ、遅れている。

その間にアルジェリアで「51/49 法案」が成立し、JVでアルジェリア側が51%を占めることが必要となった。
 このため、新たにQatar Petroleumの出資を求め、出資比率を以下の通り変更した。

  当初 変更後
Sonatrach 49% 51%
Total 51% 39%
Qatar Petroleum 10%

現在の事業計画は以下の通り。

エチレン  110万トン
LLDPE 45万トン
HDPE 35万トン
MEG 41万トン

アルジェリアの第二の石化プロジェクトはメタノール計画で、同じくArzewに年産100万トンプラントを建設するもの。
国際コンソーシアムの
Almet (Algerian Methanol Company) が 51%Sonatrach 49% 出資する。
(これも出資比率が問題になっている)

Almet consortium のメンバーは、Kuwait のQurain (Dow/PICのEquate に出資する民間会社)、ドイツのLurgi、TrinidadのPPSL、日本の三井物産、アルジェリアのSotraco である。



 

中国国家統計局が1月18日に発表した2012年第4四半期のGDP伸び率は前年同期比7.9%となった。

2012年通年では7.8%となり、1999年 (7.6%) 以来13年ぶりに8.0%を下回った。
しかし、市場予想の7.7%を若干上回ったほか、中国政府が目標とする7.5%も上回った。

中国経済を支えてきた輸出の伸びが、欧州の信用不安などによる世界経済の低迷や、中国の労務費上昇による輸出競争力の低下を背景に、大幅に鈍ったことなどによる。


 

国家統計局では、「共産党と政府は穏やかな成長を一層重視して、経済を一定の水準に保ち、社会を安定的に発展させている」としている。

 

 


1月16日のNHKクローズアップ現代は、"コンビナート危機"ー急増する事故なぜー、を放送した。

この10年で10倍に急増している"コンビナート事故"。去年9月の姫路の事故では、消防隊員1人が死亡し、周辺住民の生活を脅かした。経済産業省は、去年11月に審議会を開き、この喫緊の課題の検討を始めた。笹子トンネルの事故などインフラの老朽化が指摘される中、同じく高度経済成長期に作られ、産業基盤として日本経済を下支えしてきたコンビナートも設備の経年劣化が懸念されている。さらに、効率化の中で進められた分業が技術継承を阻み、競争力維持のために高度・複雑化した製造方法にヒトの技術力が追いついていない現状も浮かび上がってきた。対応に模索する現場を見つめ、これからの安全のあり方について考える。 (番組紹介から)

付記  放送全文 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3294_all.html


放送では日本触媒や三井化学の事故を紹介し、事故の原因として2つを取り上げた。

第一は、老朽化問題。

高度経済成長期に相次いで建設されたコンビナートは、半世紀あまりが経過した今、一斉に老朽化が進行している。

法律では爆発や火災の恐れのある設備のうち、特に痛みやすい場所についてのチェック項目を決めているが、それ以外は各社の判断で行うことになっている。
ある社の社員が、老朽化対策の必要を訴えても、予算がカットされ、
必要なメンテナンスが全ては行えていない実情を証言している。

第二は技術力の低下。
創業時のベテランが退職し、技術力が低下して危機に対応できない例として、三井化学の岩国大竹工場の例を挙げている。

この問題は、2012年 回顧と展望 (2012/12/25) の後半部分で取り上げた。 


番組では老朽化対策として3つの例を取り上げている。

メーカーでつくる協会では、各社で見つけた腐食箇所などのデータベースをつくり、他社が活用できるようにした。
ガスの配管はこれまでは均一に老朽化すると思われていたが、ガスの流れなどから特定箇所が問題であることが分かった例もある。

四日市市では産業支援の一環として、老朽設備を更新した設備について、固定資産税を最大で5年間、半額にしている。
この制度をきっかけに、劣化が進んでいたボイラーを新しくするなど、7つの施設で更新が行われた。

日本ゼオンでは水島工場に統合生産センターを新設、オペレーターの作業内容の最適化を図るとともに、ベテラン技術者からの聴取で技能継承を図っている。




米商務省が1月17日発表した2012年12月の住宅着工件数は前月比12.1%増の年換算954千戸となり、2008年6月以来4年半ぶりの高水準となった。

2012年年間合計では780千戸となった。(今後、修正の可能性あり)

米景気の大きな追い風になるとの見方が強まっている。



 

塩ビ工業・環境協会(VEC)は1月16日、2012年1~12月のPVCとVCMの生産出荷実績を発表した。

PVCの生産は1982年以来の低水準となった。

国内出荷は若干の前年割れだが、輸出は前年比42.6%減で3年連続の前年割れとなり、1993年以来の低水準となった。

PVCの国内出荷は1997年の2,013千トンをトップに、ダイオキシン問題も影響して急減し、最近は低位安定の状況にある。

PVCの主たる需要の住宅の着工件数は、最盛期の半分の水準で推移している。
(2012年1~11月実績は807千戸。12月は2010年は75千戸、2011年は69千戸)

 

VCMは2011年11月の東ソー南陽工場の事故で生産が減少し、その分、輸出が大幅に減少した。

2011/11/17  東ソー・南陽事業所の第二VCMプラントで爆発事故

VCM設備は 1-3号機すべてが停止したが、第一プラント(年産能力:25万トン)は2012年5月8日から、第三プラント(年産能力:40万トン)は7月8日から稼働を再開した。

なお、VCM能力は2011年3月にヴイテックが391千トンのプラントを停止(同社は解散)、2011年11月の事故で東ソー南陽工場の第二プラント550千トンが破壊され、2011年末では2,574千トンになっている。



アルジェリアで1月16日、アルカイダ系のイスラム武装勢力が英BPなどが運営するIn Amenasの石油関連施設を攻撃し、外国人を人質にとる事件が発生した。報道によると、人質には日揮の従業員5人が含まれている。

武装勢力は、マリに軍事介入を行っているフランスに対しアルジェリアが自国空域の使用を認めたことに対する報復として、アルジェリアのガス関連施設を攻撃したとしている。
武装組織はフランスに対し、人質の安全と引き換えにマリ北部での軍事作戦を停止するよう求めている。

マリでは2012年4月に北部の遊牧民のアザワド解放民族運動(MNLA)が北部を掌握し、独立を宣言したが、7月にイスラム過激派がMNLAを放逐し、北部支配を固めた。
テロの温床となるのを恐れた西アフリカ諸国経済共同体は過激派を北部から掃討するため部隊派遣を決定、国連安保理が2012年12月にこれを承認した。
しかし、過激派が中部の政府軍要衝を攻略したため、フランスが軍事介入し、アルジェリア政府は1月13日、仏軍の領空通過を認めた。

In Amenasはアルジェリア有数のガス田で、アルジェリア国営炭化水素公社(Sonatrach)とBP、Statoilが共同で運営にあたっている。
日揮は2011年5月に、In Amenas天然ガス田の生産レベルを維持するための2億1300万ドル相当の契約を運営3社と締結した。

 BPにとっては、In AmenasとIn Salahがアルジェリアでの重要プロジェクト。

In Amenasでの1日当たりの生産量を今後12年間3000万立法メートル程度に維持する狙いで圧縮プラントを建設することなどが含まれ 、2013年8月完了の予定であった。

ーーー

日揮は1969年にアルジェリアの地中海沿岸のArzew製油所建設を受注して以来、同国で事業展開している。

2001年8月にアルジェリア国営炭化水素公社(Sonatrach)とBPからIn Salahでのガスプロジェクトを受注した。
1997年11月にKBRとのJVで本プロジェクトの概念設計を受注していた。

2009年6月にSonatrachからGassi Touil での大型ガス処理設備建設プロジェクトを受注。

2011年5月に本件 In Amenas天然ガス田の業務を受注。

2011年8月には、Groupement Bir SebaがBir Seba地区で計画している原油処理プラント建設プロジェクトを受注した。
16の生産井から産出される原油の収集設備、原油とガスの分離を含む原油処理設備、ならびに製品を送るパイプラインを建設するプロジェクトで、Groupement Bir SebaはSonatrachが25%、Petrovietnamが40%、PTTが35%出資の3社JV。  
  
  
  




1974年に副生エタンガスの利用のためにQatar Petrochemical Company (QAPCO) が設立された。

石油化学の立地はMesaieed だが、 その後、Ras Laffanに新しいクラッカーが建設され、Mesaieedにエチレンを送っている。

他に、Ras LaffanではShell/Qatar Petroleum、Exxon/Qatar Petroleumの計画がある。

2006/6/1 湾岸諸国の石油化学ー2 カタール

また、Qatar Petroleumは積極的に海外展開を図っている。 

 

国営石化計画

Ras Laffan

Shell/Qatar Petroleum JV 計画  計画中

     Qatar Petroleum とShellは2011年12月、カタールの石化計画でHeads of Agreement を締結した。

立地:Ras Laffan

出資:Qatar Petroleum  80%
             Shell                     20%

2011/12/14     Qatar Petroleum とShell、カタールの石化計画でHeads of Agreement を締結

 

ExxonMobil / Qatar Petroleum 計画 Pending 

2005/5 MOU 締結   
2006/10 基本契約書締結
2010/1 覚書締結

その後、計画白紙の報道が流れ、Exxonが否定するなど曲折を経ている。Exxonは
「次期ステップ、完成年など詳細は明らかにしない」としている。

立地:Ras Laffan
出資:Qatar Petroleum/ExxonMobil Chemical
製品:エチレン  1,600千トン
      PE         1,300千トン(650千トン x 2)
         EG                  700千トン 

2006/10/20 エチレン新設計画

 

その他計画(立地:Mesaineed)

 

2007/7/26 韓国湖南石油化学、カタールで石化事業に参加

ーーー

海外計画   

Qatar PetroleumとShellは2007年に戦略的パートナーシップ契約を締結し、川上から川下全般で、双方が関心を持つインターナショナルな計画を一緒に行うこととしている。

1)シンガポール

Qatar Petroleumは2009年、シンガポールの住化主導の2つの石化会社、Petrochemical Corporation of Singapore(PCS) とThe Polyolefin Company (TPC)に参加した。

ShellはPCSに50%、TPCに30%を出資していたが、この持分をQatar PetroleumとShellの新設の50/50JVのQPI and Shell Petrochemicals (Singapore) Pte Ltd に譲渡した。

Qatar Petroleumにとって初めての海外での石油化学への参加となる。

2009/11/26 カタール石油、シンガポールのPCS、TPCに出資

2)中国

Qatar PetroleumPetroChinaShell 3社は20086月 、中国での石油精製・石油化学コンプレックス建設の予備検討開始の覚書を締結した。

3社は2011年10月、浙江省台州市当局との間で、同市での石油精製・石油化学コンプレックス建設に関する協力枠組み協定を締結した。

立地:浙江省台州市路橋地区

出資:PetroChina            51%
          
Qatar Petroleum   24.5%
  
  Shell
              24.5%

計画:製油所 年産2000万トン
    エチレン   120万トン

2011/10/27 PetroChina/Qatar石油/Shellの中国の石油精製・石油化学コンプレックス計画、進展 

3)ベトナム

Qatar Petroleum International (QPI) のCEOは2009年に、アジアの拡大する需要に対応するため、2015年までに中国とベトナムで98億ドルに達する2つの石油化学プラントを建設することを明らかにした。

中国については上記。

ベトナムに関しては、40億ドルを投じる計画を、PetroVietnam、伊藤忠、タイのSiam Cement Group と予備的協議を開始した。

2009/11/27 カタール石油、中国とベトナムで石油化学事業

2012年2月にSiam Cement、Qatar Petroleum はベトナム側とベトナムでの石化JV設立の契約を締結した。

JV名:Long Son Petrochemical Ltd

出資: ベトナム側  29%  PetroVietnam 18%、Vinachem 11%
  Siam Group   46%  Siam Cement 28%、TPC 18% 
  Qatar Petroleum     25%  


立地:Long Son Island、Ba Ria-Vung Tau province, Vietnam

能力:オレフィン   1,400千トン
    HDPE        400千トン
    LLDPE          400千トン
    PP           450千トン

 


1.クウェート国内

クウェートの石油化学を担当するPIC (Petrochemical Industries Company K.S.C ) は1963年に国営会社として設立され、1980年のクウェート国営石油(KPC) 設立で同社の子会社となった。

1995年にDow Chemical(当時のUCC)とのJVでEquate Petrochemical Company を設立した。

2006/5/31 湾岸諸国の石油化学ー1 クウェート&バーレーン



その後、改組や増設で、現状は下記の通り。


 

2. MEG/PET JV (海外)

  PICとDow Chemical は2004年にDowのMEG、PTA、PET事業をJV化した。

ダウの "asset light" 戦略の適用第1号である。

  両社は2つの50/50JVを設立した。

  (1) MEGlobal 

 MEG、DEGの製造販売で、ダウのカナダの2工場 (合計能力100万トン)を移管した。他社製品の販売も行っている。

Fort Saskatchewan EO/EG plant  340千トン
Prentiss I   EO/EG plant         310千トン
Prentiss II EO/EG plant              350千トン

  (2) Equipolymers  現在はMEGlobal の100%子会社

工場 PTA PET  
Schkopau, Germany   335千トン
 
No.1:160千トン
No.2:175千トン
Ottana, Italy (190千トン) (160千トン) 売却

イタリアの工場は2010年7月、同地で発電所と用役工場を運営しているOttana Energia とタイのIndoramaのJVに売却した。

3. Dow Chemical とのGlobal 石化JV (海外) (破談)

   経緯については、2012/5/25     Dow、石化JV中止問題での調停で勝利、21.6億ドルを獲得


4. 中国 Sinopecとの
石油精製・石油化学JV (建設中)

  立地:広東省湛江市東海島
  出資:50/50

  製品:

原油精製   15,000 千トン
エチレン 1,000  
PE 460  
PP 750  
BTX 710  
MEG 400  
EO 38  
EVA 200  
ブタジエン 150  


2011/3/31 中国の国家発展改革委員会、
Sinopec-KPCの石油精製・石油化学計画を認可

 

5.ベトナム

  製油所・石油化学コンプレックス  2013/1 発注内示

社名:Nghi Son Refinery & Petrochemical Limited Liability Company
立地:タインホア省ニソン経済区
出資:出光興産 35.1%
    三井化学  4.7%
         Kuwait Petroleum International (KPI) 35.1%
         PetroVietnam  25.1%
設立:2008/4
能力:石油精製 20万バレル/
   パラキシレン 700千トン/
商業生産開始:2017年

2008/8/25 ベトナム最大の石化コンプレックス、9月に建設着工 後半部分



 

中国各地で1月11日ごろから大気汚染が悪化し、当局が市民に外出を控えるよう"警報"を出す事態になっており、北京では死者も出た。

北京などでは晴天が続いて放射冷却現象が起き、地表近くの高湿度の空気が飽和状態となった。
風も止まって濃霧が発生。空気中に汚染物質が滞留し大気汚染が悪化した。

車の排ガスなどに含まれ、肺癌などを引き起こすとされる直径2.5μm以下の超微粒子物質「PM2.5」の濃度が国際基準の3倍近くまで上昇し、6段階ある大気質指数(AQI:Air Quality Index)も最悪の水準に達した。

北京市当局はこの日、大気汚染を減らすため、58の企業に営業を停止させ、問題解決に取り組む姿勢を強調した。

北京の日本大使館も14日、在留日本人に対し、不要不急の外出を避けるよう注意を呼びかけた。

ーーー

大気質指数AQI:Air Quality Index)は下記の通り、PM2.5の濃度を基準にしており、100以下が問題なし。

AQI PM2.5
μg/m3
分類 健康アドバイス
050(緑) 115.4 通常の活動が可能
51100(黄) 15.540.4 特に敏感なものは長時間又は激しい屋外活動の減少を検討
101150(橙) 40.565.4 軽微汚染 心臓・肺疾患患者、高齢者及び子供は、長時間又は激しい屋外活動を減少
151200(赤) 65.5150.4 軽度汚染 心臓・肺疾患患者、高齢者及び子供は、長時間又は激しい屋外活動を中止
すべての者は、長時間又は激しい屋外活動を減少
201300(紫) 150.5250.4 中度汚染 心臓・肺疾患患者、高齢者及び子供は、すべての屋外活動を中止
すべての者は、長時間又は激しい屋外活動を中止
301(赤褐色) 250.5 重汚染

心臓・肺疾患患者、高齢者及び子供は、屋内に留まり、体力消耗を避ける
すべての者は、屋外活動を中止

 

各地の現状は http://www.aqicn.info/

2013年1月15日朝11時の北京のAQIは153だが、1月14日の最高値は661の重汚染となっている。

四川省成都市の場合、1月15日朝11時で重汚染の426、2日間の最低でも235である。

上海の場合は、2日間の最高が226、最低は84であった。

 



 

イタリアのM&G (Gruppo Mossi & Ghisolfi)は1月11日、テキサス州Corpus Christi に建設するPTAとPETプラントの設計・購買・建設契約(EPC Contract)をSinopec Engineering(Group) との間で締結したと発表した。

PTAは年産120万トンで1系列としては西欧諸国では最大、PETは年産100万トンで1系列としては世界最大となる。
契約はTurnkeyベースで、10億ドル。

M&Gの誇るEasyUp™ SSP technologyを使用する。

同社は2007年7月に、米国に80万トンの最新鋭のPET工場を建設すると発表、立地は追って発表するとしていた。
このうち
65万トンは2009年前半に完成する予定としていたが、用地の選定が遅れていた。

2012年9月にテキサス州 Corpus Christiで土地を買収したことを発表した。新設のPETの能力は当初の計画80万トンを100万トンに変更した。

認可手続きを含め、完成まで36か月をみている。

同社は米国、メキシコ、ブラジル、イタリアにPETプラントを有し、現在の合計能力は約170万トンとなっている。
これが完成すると、合計能力は270万トンとなる。

ーーー

M&Gについては 2008/7/25   M&G、ブラジルのPETプラントを拡大、1系列で世界最大に を参照。

同社の現在のPETプラントは以下の通り。

  立地 能力(千トン)
米国 Apple Grove(WV)      285+α (*1)
Mexico  Altamira Tamaulipas     400+α (*1)
Brazil   Suape      650 (*2)
Italy        190
合計      1,700 

(*1)  2007年発表 米国とメキシコでデボトルネッキングで合計200千トンの手直し増強
(*2)  2008/7/25  M&G、ブラジルのPETプラントを拡大、1系列で世界最大に




 

先週の記事のように、サウジや中東では依然として大規模石油化学プラントが建設されている。

次から次に新しいコンプレックスができるため、全貌の把握が難しくなった。

このため、現時点で筆者が把握している計画を別紙にまとめてみた。

次の目次から各社の計画概要に飛びます。

http://www.knak.jp/ichiran/saudi/new/mokuji.htm

中心となるのはSABIC。
同社はAl Jubail とYanbuに世界の各社とのJV及び単独で石化コンプレックスを展開し、順次、高機能性製品にまで拡大しつつある。
欧州ではDSMの石化部門とHuntsmanの英国石化子会社を買収した。
更に、GE Plastics を買収して
SABIC Innovative Plastics と改称、世界中で機能性樹脂の製造販売を行っている。
中国ではSinopecの天津石化事業に参加し、
SINOPEC SABIC Tianjin Petrochemical としている。

サウジの国営石油会社 Saudi Aramcoも石油化学に参入した。
住友化学とのJVで西海岸のRabighにPetroRabighを設立、新たにJubailでDowとのJVのSadaraを建設中。
中国ではSinopec、ExxonMobilと共同で福建省に石油化学コンプレックスを建設した。

民間企業では、Zamil グループとTasneeが、個別に、及び共同で、多方面に事業展開を行っており、他にも多くの企業がある。

サウジではExxonMobilやShell、その他の欧米企業がSabicと組んで、またDowがAramcoと組んで石化事業を行っているが、Chevronは民間企業と組んでいる。

日本企業は、サウジ石油化学及び日本サウジアラビアメタノールがSABICと、日本アラビアメタノールがSipchemと、住友化学がAramcoと組んで事業を行っている。更に三菱レイヨンと旭化成が新たにSABICとJVを設立した。




中国国家統計局が1月11日に発表した2012年12月の消費者物価指数(CPI)は寒波の影響等による食品価格の大幅上昇を主因に上昇した。

  11月 12月
CPI 2.0% 2.5%
うち食品 3.0% 4.2%
   非食品 1.6% 1.7%
PPI -2.2% -1.9%

参考 2011年の食品の高騰は豚肉によるものが大きい。

2012年通年では、CPIは前年比 2.6%となった。
政府の抑制目標「4%前後」の範囲に収まっているが、徐々に物価上昇の勢いが増している。
生産者物価指数(PPI)は企業の生産活動の低迷を受けて11年夏から下落しているが、ようやく持ち直しつつある。

市場関係者は、2013年のCPIは3%程度の予想で、政府にとり大きな懸念要因にはならないだろうと見ている。

 




中国税関当局が1月10日に発表した2012年12月の貿易統計によると、輸出が7カ月ぶりの高い伸びを示した。

12月の輸出は前年同月比14.1%増、輸入は6.0%の増となった。(ロイター予想では輸出は4.0%増、輸入は3.0%増であった)
この結果、12月の貿易収支は316億ドルの黒字となった。

年間では、輸出は20,489億ドルで前年比 7.9%増、輸入は18,178億ドルで4.3%増となり、貿易収支は2,311億ドルとなった。
輸出と輸入を合わせた貿易総額の伸び率は6.2%にとどまり、「10%前後の増加」としていた政府目標は達成できなかった。

最大の貿易相手であるEUとの貿易は3.7%減、対日本では3.9%減となった。

  輸出 輸入 収支 輸出入計
億ドル 前年比 億ドル 前年比 億ドル 億ドル 前年比
2012/12 1,992.3 14.1 1,676.1 6.0 316.2    
2012暦年 20,489 7.9 18,178 4.3 2,311 38,667 6.2

 



Saudi Kayan は2012年12月26日、同社とSadara Chemical Company、Saudi Acrylic Acid の3社がブタノールを生産するJV を設立する契約を締結したと発表した。

JV名はSaudi Butanol Companyで、3社が均等出資を行う。
工場をTasnee PetrochemicalsのJubail Industrial Cityのコンプレックスに建設し、Tasneeが操業を受託する。

能力はn-butanol  が年産 330千トン、iso-butanolが年産11千トンで、建設費は約480百万ドル。2015年第1四半期に操業開始の予定。

製品のn-butanol は3社が均等に引き取り、原料のプロピレンは各社が持ち込む。
iso-butanol はSaudi Acrylic Acid が引き取る。

3社は2011年1月29日にこのJVの設立の覚書を締結している。(Sadaraは当時は設立予定の段階)

3社の概要は以下の通り。

1)Saudi Kayan Petrochemical Company (Saudi Kayan)

2)Sadara Chemical Company (Sadara)

            Saudi Aramco と Dow Chemical のJV

3)Saudi Acrylic Acid Company (SAAC)

Tasnee Petrochemical とSahara Petrochemical がアクリル酸、吸水性樹脂の事業化のために設立した50/50JV。

Tasnee はサウジのワリード・ビン・タラール王子の投資・持株会社Kingdom Holding Companyが筆頭株主のNational Industrialisation Company 51%出資して石油化学事業を行う会社。
Tasneeには他に、
ガルフの6国(バーレン、クウェート、オーマン、カタール、サウジ、アラブ首長国連邦)が均等出資するGulf Investment Corporationなどが株主となっている。

SaharaはAl-Zamil Group の石油化学子会社。

Saudi Acrylic Acid Companyの相関図は下記の通り。
TasneeとSahara は個別にもBasell とのポリオレフィンJVを持っている。

 

 

 

 

三井物産は2012年12月21日、世界有数のガス田、モザンビークのRovuma Offshore Area 1 鉱区での海底天然ガス生産設備とLNGプラントの基本設計作業を発注したと発表した。

この鉱区の最大の権益を持ち、オペレーターを務めるAnadarko Petroleumは同日、隣接するArea 4のオペレーターのEni との間で共同開発の覚書を締結したと発表した。両グループは天然ガスの開発は連系はしつつも個別に行なうが、LNG生産設備建設は共同で行う。

  発注先 概要
Area 1 海底天然ガス田 Technip USA, Inc.
Subsea 7 Saipem SAの企業連合
McDermott及びAllseas USA の企業連合
推定可採資源量
 17~30兆立方フィート超
LNGプラント 日揮びFluor Transworld Servicesの企業連合
CB&I 及び千代田化工建設の企業連合
International Bechtel
LNG年産2,000万トン
   当初LNG年産500万トン×2系列
   追加2系列
  (Area 4との合計)
生産開始 2018年(予定)

両グループはLNGプラントについても独自で実施する考えであったが、モザンビーク政府が重複による全体のコストアップを懸念し、圧力をかけたといわれている。

東京ガス、中部電力、大阪ガスなどはそれぞれ、モザンビークで開発中のガス田からの調達を目指し、Anadarkoや三井物産と交渉に入ったとされる。

ーーー

三井物産は2008年2月、米国大手独立系石油・ガス開発会社 Anadarko Petroleumがモザンビークに保有する石油・天然ガス探鉱鉱区(Area 1)の権益の一部を取得することで同社と合意した。

権益保有者は以下の通り。

  当初 現在
Anadarko (オペレーター) 76.5% 36.5%
Mitsui E&P 20%
モザンビーク国営石油会社 15% 15%
Bharat Petroleum(インド) 10%
Videocon (インド) 10%
Artumas Group(現 Wentworth Resources) 8.5%
PTT Exploration & Production (タイ)   8.5%

ーーー

モザンビークとタンザニアの国境を流れるRovuma川の河口と沖合に世界最大規模のガス田が発見され、開発が始まった。

モザンビークの海底ガス田の開発は6区に分けて行われており、三井物産はArea 1に権益を持つ。
LNGプラントはPalmaの南に建設される。


各鉱区の権益保有者は以下の通り。ENHはモザンビーク国営石油会社。

Area 4 Eni 70%、ENH 10%、ポルトガルGalp 10%、韓国Kogas 10%
Area 2 Statoil (当初 Norsk Hydro)90%、ENH 10%
 Statoil 65%、英Tullow Oil 25%、ENH 10%
Area 5
Area 3 Petronas 90%、ENH 10%
Area 6

            Norsk Hydroの石油部門は2007年にStatoilに吸収された。

付記

国際石油開発帝石は4月2日、Area2&5鉱区の25%の権益をノルウェーのStatoilから取得したと発表した。

なお、モザンビークの陸上ガス田はオスロに上場しているArtumas Group(現 Wentworth Resources)が権益を持つ。

ーーー

タンザニア側では英BGと米Ophir Energyの連合、Statoil とExxonMobile連合等が開発を行っている。




山西省長治市潞城市の化学工場、天脊石炭化学工業で2012年12月31日、パイプが破裂し、有害物質アニリン8.7 トンが浊漳河に流れ出す事故があった。

しかし、企業側が当局に通報したのは、1月5日になってからであった。
当局は直ちに流出を止め、汚染の除去を始めた。
調査の結果、更に30トンのアニリンが近くの使用されていない貯水池で見つかった。

被害は下流約80キロに及ぶとみられ、5日午後に下流の河北省邯鄲市で一時、断水措置が取られた。

中国の規定では水中のアニリン濃度は1リットルあたり0.1ミリグラムを超えてはいけないとしている。事故発生後、王家荘観測点での濃度は一時、1リットル中72ミリグラムに達していた。活性炭による吸着などにより6日までに濃度は3.4ミリグラムに減少した。

工場を経営する会社の社長ら4人が解任された。

山西省では昨年末に8人が死亡する鉄道トンネル工事の爆発事故があったが、工事を担当する企業が当局に通報していなかったことが発覚しており、新華社は「事故の隠蔽や通報の遅れは人民に対する犯罪」と批判する論評を配信した。


 


中国国家発展改革委員会は1月4日、LG電子、サムスン電子など韓国、台湾の液晶メーカー6社がカルテルを結んで液晶パネルの販売価格を不当につり上げていたとして、総額353百万人民元(約49億円)の制裁金を科したと発表した。

中国当局が外国企業に価格カルテルで制裁金を科すのは初めて。

中国企業の例

価格カルテル以外では、Unileverが値上げの情報をむやみに流して消費者の値上げ観測をあおったとして、価格法に基づき200万元(約2500万円)の罰金が科された例もある。

対象となったのは、韓国のLG、サムスン電子のほか、台湾の群創光電(当時は奇美電子、現在は鴻海グループ)、友達光電、中華映管、瀚宇彩晶の6社。

6社は2001年から2006年まで53回にわたり会合("晶体会議")を開いて液晶パネルの価格について談合を繰り返し、計208百万元の所得を違法に得たという。

制裁金353百万元のうち、144百万元が罰金となっている。不当利得208百万元のうち、172百万元は需要家に返却させ、37百万元は没収された。
(需要家に返却された金額が消費者に還元されるかどうかは疑問との報道がある。)

各社の期間中の販売個数と制裁金は以下の通り。
      販売個数     制裁金 個数当たり
制裁金割合
  LG 192.70 万片 118.00

百万元

     0.5
  三星 82.65   101.00        1.0
  群創光電 156.89   94.41        0.5
  友達光電 54.94   21.89        0.33
  中華映管 27.06   16.20        0.5
  瀚宇彩晶 0.38   0.24        0.5
     * 個別の制裁金の合計と全体額に若干の差がある。制裁金割合は筆者計算


制裁金は各社の協力度合いに応じて決定された。

液晶パネルメーカーが共同で液晶パネル価格を操作しているとの情報が2006年12月以降、発展改革委員会に寄せられていた。
これを受け同委員会が調査を開始したところ、自発的に液晶パネルの価格操作に関する報告があったという。

三星以外は協力し、制裁金が減額された。友達光電は最初に違反行為を認めたため、需要家への返却は命じられたが、罰金は免除された。

中国の独禁法にも自主申告の制度はあるが、減免のルールの規定はないため、実際に減免されるかどうかの保証がなく、これまでに自主申告しようという動きはなかった。

今回、協力の度合いにより制裁金に差がついたことから、自主申告する例が増えると見られている。

6社は、今後は中国の法律を遵守し、中国のテレビメーカーに公平な商品提供を行うことを承諾した。6社はまた、中国のテレビメーカーが国内で販売するテレビの液晶パネルの保証期間を18カ月から36カ月に延長した。

人民日報は以下の通り報じている。

日本メーカーの独占を破り、日本メーカーの一人勝ちを防ぐため、EUや米国などはこれまで韓国や台湾のメーカーの価格操作を黙認する態度を取ってきたのだという。

関係者によると、今回摘発された各メーカーによる共同での価格操作がなければ、日本メーカーにあれほどの打撃を与えることはできず、今のような地位に上ることもできなかったという。

共通のライバルが姿を消した今、新たな市場競争の局面でかつての結びつきは弱まり、これまでの独占行為を明らかにするメーカーも出てきたのだという。

ーーー

今回の罰金は独禁法ではなく、価格法に基づいて決められた。

中国の反壟断法(独占禁止法)は2008年81日に施行された。

2008/8/4 中国、独占禁止法施行

しかし、違法行為は2001年から2006年までに行われたものであるため、これを適用できず、それ以前から存在する価格法を適用した。

価格法第4条
 事業者は合意、決議、調整その他不正な方法で価格を決めたり、維持したり、修正したりしてはならない。

価格法第14条は以下のような異常な価格設定を禁止している。
 ・他と共謀して価格コントロールを行い、他の事業者や消費者の利益を損なうこと
 ・価格を過度に上げるために、値上げ情報をでっち上げたり、広めること

 ・法や規則に反して暴利をあげること
 ・その他

NRDCでは、もし独禁法が適用されれば、不当利益ではなく、期間中の売上高で制裁金が決まるため、制裁金はもっと高くなるとしている。

ーーー

中国では独禁法の執行機関は中国国家発展改革委員会、商務部、工商行政管理総局の3つとなっている。

発展改革委員会:価格独占行為の調査・処分を担当

商務部:事業者結合行為に対する独占禁止審査

工商総局:独占協定、市場支配的地位の濫用、行政権力を濫用した競争の排除・制限に対する執行
      (価格独占を除く)

 

 

米司法省は1月3日、世界最大の海洋掘削会社であるスイスのTransoceanが、Deepwater Horizon 事故で罪を認め、14億ドルの罰金を支払うことで合意したと発表した。
Transoceanも同様の発表を行った。

Transoceanは事故を起こしたリグの所有者であるとともに、掘削作業のコントラクターである。

コントラクターは他に2社がある。 
 
Halliburton:セメント作業(井戸内、または井戸と鉄管との間のセメント作業)
 
M-I SWACODrilling Fluid (mud)サービス

1)刑事上の罰金

Transocean は、BPのリーダーの下でリグで働いていた同社の作業員が、井戸が安全でなく、原油やガスが井戸に流れ込んでいるとの明確な兆候があるのに十分調査しなかった過失を認めた。

これに対する司法取引で、同社は刑事上の罰金4億ドルを支払う。

このうち、1億ドルの罰金を60日以内に支払う。
他に、1億5千万ドルを5年分割でNational Academy of Sciencesに、1億5千万ドルを3年分割でNational Fish and Wildlife Foundationに支払う。
前者はメキシコ湾での原油流出事故防止と対策のために、後者は自然の復活、沿岸の生態回復のために使われる。

2)民事上の罰金

同社は又、3か月に及ぶ大量の原油流出に関し、Clean Water Act での民事上の司法取引で 10億ドルを支払う。
合わせて、米国の領海で稼働するすべての掘削リグで安全策と緊急時の措置の改善を義務付けられた。

合計14億ドルの支払いは下記の通りの分割で行われる。

2013年 560百万ドル
2014年 460
2015年 260
2016年  60
2017年     60

ーーー

Transocean は、今回の米政府との合意以外に、原油流出で経済および健康上の被害を被ったと主張する10万人以上の個人や企業オーナーを代表する原告委員会と交渉している。
UBSのアナリストは、Transoceanの最終的な負担は40億ドル以上に達すると推測している。

ーーー

事故を起こした鉱区の権益保有者についての現状は以下の通り。

1)BP(権益65%、Operator)

   刑事訴訟:罰金 4,525百万ドル
        
2012/11/17  BP、Deepwater Horizon事故に関する米政府の全ての刑事訴訟で和解


   Clean Water Actによる民事訴訟:未定
      流出量
500万バレルの場合、過失なしで55億ドルと過失有では215億ドルとなる。

   一般民事訴訟:総額 約78億ドル
        2012/3/5 BP、メキシコ湾岸原油流出事故で漁業関係者などと和解

2)Anadarko (権益 25%)

   Clean Water Actによる民事訴訟:未定

          その他:BPが肩代わり(BPに40億ドル支払)
        2011/10/19   BP、メキシコ湾原油流出事故でAnadarko Petroleum と和解

3)三井石油開発(権益10%)

   Clean Water Actによる民事訴訟:罰金70百万ドル、土地買収等の費用20百万ドル
        2012/2/20  メキシコ湾原油流出事故で三井石油開発が米政府と和解  

          その他:BPが肩代わり(BPに
106500万ドル支払)
        
2011/5/20 BPと三井石油開発、メキシコ湾原油流出事故損失負担で和解 
 


シノペック武漢化学の80万トンエチレン計画が昨年末に完成した。2012年12月29日の新華社通信が報じた。

立地は湖北省武漢市の揚子江沿岸で、5年をかけて建設した。

シノペック武漢化学は1971年に設立され、1977年に年産能力500万トンの原油処理能力の製油所が稼働した。

この計画は2007年初めに承認を得て、同年12月に建設を開始したもので、製油所能力を800万トンに拡大し、次の石化プラントを新設する。

 エチレン   800 千トン
 LLDPE   300  
 HDPE   300  
 EG   300  
 PP    400  
 BTX   400  
 ブタジエン   120  


2007/4/9 中国、湖北省武漢市のエチレン計画を承認

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2008年5月に韓国のSK化学がこの計画に35%の出資をすることで合意した。

2008/6/2  韓国SK Energy、シノペックの武漢エチレン計画に出資

しかし、2009年4月に、SKは、当時の経済危機のなかで十分な資金がないとして、この投資を延期することを明らかにした。
但し、撤退の考えはなく、当初の構想どおり、エチレン計画に35%の出資をする予定とした。

その後、この件についての進展はなく、シノペック単独で完成させた。

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中国の2011年末のエチレン能力は15,510千トンであった。

2012年には、PetroChina 大慶石化が600千トンの増設を行って能力を倍増した。
続いて
PetroChina 撫順石化が800千トンの増設を行い、能力を約100万トンとした。
更に
PetroChina 四川石化が四川省彭州市にエチレン80万トンの彭州石化を建設中で2012年の年末に完成したと見られている(未確認)。

今回の大慶石化の増設を含めると、300万トンの増設となる。

中国のエチレン能力(単位:千トン)

    2011
年末
能力
2012
完成
PetroChina 大慶石化 黒竜江省 600 +600
PetroChina 吉林石化 吉林省 850  
華錦集団(盤錦エチレン) 遼寧省 620  
PetroChina 遼陽石化 遼寧省 200  
PetroChina 撫順石化 遼寧省 150 +800
PetroChina 彭州石化 四川省 800
Sinopec 北京東方化工 北京市 150  
Sinopec 燕山石化 北京市 710  
Sinopec 天津石化 天津市 200  
Sinopec 斎魯石化 山東省 840  
Sinopec 揚子石化 南京市 650  
Sinopec 上海石化 上海市 850  
Sinopec 広州エチレン 広東省 200  
Sinopec 茂名石化 広東省 1,020  
Sinopec 中原石化 河南省 280  
Sinopec 武漢化学 湖北省 800
PetroChina 蘭州化学 甘粛省 690  
PetroChina 新疆独山子 新疆自治区 1,220  
瀋陽化工 (残渣油から*) 遼寧省 300  
YPC-BASF 江蘇省 740  
SECCO 上海市 1,190  
CNOOC-Shell 広東省 950  
福建連合石油化工 福建省 800  
Sinopec SABIC (Tianjin) 天津市 1,000  
Sinopec 鎮海煉油 浙江省 1,000  
神華包頭石炭化学
(Coal-to-Olefin)
内蒙古自治区 300  
合計 15,510 +3,000


* 瀋陽化工

藍星集団の子会社、瀋陽化工は2010年に遼寧省の瀋陽でエチレンプラントをスタートした。

独自の技術を使用し、50万トンの残渣油を熱分解して12万トンのエチレンを生産する。(その後、300千トンに)

瀋陽化工は、中国最大のペースト塩ビのメーカーで、エチレンは全量、塩ビ用に使われる。
併産するプロピレンは、同社が三菱化学からライセンスを受けて建設した
アクリル酸(8万トン)及びアクリル酸エステル(12万トン)用に使用される。
 

 

 


12月26日付の毎日新聞のコラム(水説)に「日銀総裁の変心」 が出ている。

これまで金融緩和のためのインフレターゲット(物価目標)に反対していた日銀白川総裁が、1月の金融政策決定会合で導入に踏み切る考えを表明した。記者会見で、政策変更は次の首相になる安倍さんの強い要請に応えるためだ、と説明した。

総裁の変心(乱心という人もいる)に対し、筆者の潮田道夫・専門編集委員は以下のように述べている。

「変心の理由は明白で、ここで白川さんが突っぱれば、安倍さんは日銀法改正に動く。面目にかけてもそうせざるをえない。政府提案でなく議員提案になるかもしれないが、これは成立する。素案通りなら先進国とは思えない異常な中央銀行法になる。

白川さんはそれを回避するために、安倍提言を受け入れた。法改正が行われれば、国民の共有財産である中央銀行の価値を損なう。恒久的な損失につながる。政策変更は白川さんのメンツを傷つけるに過ぎない。副作用も制御不能というわけではないだろう。

日銀法改正を唱えてきた政治家たちは作戦成功と喜んでいる。あきれて声も出ない。日銀は日本国を形成するさまざまな集団の中で、いまだに信用を保持している希少な存在だ。政治家のなすべきことは政治不信の解消であって、日銀不信を作り出すことではないはずだ。」

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自民党は2012年4月の財務金融部会で、日銀法の一部改正案を取りまとめた。(2012/12/4 毎日新聞

 ・金融政策の目的に「雇用の安定」を追加
          「物価の安定を通じ、雇用の安定を含む国民経済の健全な発展に資すること」
 ・物価目標を定める協定を政府と結ぶ
 ・日銀は物価目標の達成状況を定期的に説明
 ・目標未達成の時は、達成できなかった理由、達成に向けた方針、政府の経済政策との整合性、
    達成に必要な時間−−を説明
  ・目標と現実の数値が著しく異なる場合、内閣は両院の同意を得て総裁、副総裁、審議委員を解任できる
  ・日銀は必要に応じ、自ら外国為替の売買を行うことができる
           現在は、政府の指示に従うだけ

   みんなの党も2012年04月10日、日銀法改正案を提出した。

ーーー

白川総裁は2012年11月12日に「物価安定のもとでの持続的成長に向けて」という講演を行い、日銀の考え方を分かり易く説明している。
これは辛口の評論家も激賞しているものである。

  1.はじめに
  2.海外経済の動向
  3.日本経済の動向
  4.日本銀行による金融政策運営
  5.デフレ脱却を巡る論点
   デフレ脱却と物価上昇率の関係
   インフレ予想の実像
   需給ギャップの意味
   成長力強化の重要性
  6.日本銀行の金融政策を巡る論点
   金融緩和は不足か十分か
   資産買入れを「無制限」に行うと宣言すべきか
   マネーの増加は問題を解決するか
   外債を買うべきか
  7.おわりに

「切迫感を持ちつつも悲観論には陥らず、日本全体の力を結集して、成長力の強化に真剣に取り組んでいくことが重要です。日本銀行としても、引き続き、デフレから早期に脱却し物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現に向けて、中央銀行として最大限の努力を続けていきたいと考えています。」

ーーー

  この中で、特に「需給ギャップの意味」が示唆に富む。

需給ギャップは、一般に「需要不足額」として認識されているため、これを埋めるだけの需要を政策的に付ければ、ギャップが直ちに解消してデフレから脱却できるはずだ、という議論がなされることがあります。

注意しなければならないのは、需給ギャップというのは、あくまで現存する供給構造を前提に、それらに対応する需要不足を捉えたものに過ぎない、という点です。

日本でも、高齢化や女性の社会進出、価値観の多様化などによって、新しいタイプの需要が潜在的にはどんどん生まれていると考えられます。例えば、医療・福祉産業では、高齢化により潜在需要が急拡大しているにもかかわらず、各種の規制や現場の人手不足などから、需要に見合うサービスが提供できていないとの声が多く聞かれています。また最近注目が集まっている高齢者の消費についても、所得、健康状態、嗜好の違いなどから若年層の消費よりも個別性が強く、供給者サイドの工夫如何でさらに拡大する余地があることが指摘されています。

いずれにせよ、こうした未充足の需要、すなわち成長分野における「供給不足」は、需給ギャップにカウントされていません。
本来「需給のミスマッチ」と認識すべき部分まで、「需要不足」という形で示されているということです。

持続的に需給ギャップを改善していくためには、潜在需要を顕在化させるように、経済の変化に合わせて供給構造を作り変えていくことが必要です。



12月29日の日本経済新聞は白川総裁のインタビューを掲載した。

白川総裁は物価目標について「金融政策の柔軟性が確保できれば『めど』か『目標』かという議論に意味はない」と述べ、安倍首相が求める物価目標の導入に前向きに応じる姿勢を示した。

インタビューでは総裁は上記の講演で述べたのと同じ趣旨で説明しており、「変心」は見られない。 

4つの論点

 ・「物価安定」や「デフレ脱却」の意味を正確に共有する必要
   単なる物価上昇ではなく、景気が良くなり、それから物価が上がるということが必要。
   賃金が上昇し、雇用が確保され、企業の収益も増えていく状況が望まれる。   

 ・物価上昇を達成するには、成長力の強化と金融面からの後押しの両方が必要 
   上場企業の43%が実質無借金で、手元現預金だけをみても47兆円ある。
   魅力的な投資機会がなければ、お金は有効に使われない。成長力強化の取り組みが不可欠。

 ・金融政策の柔軟性と金融システムの安定の確保

 ・政府の果たす役割
   マクロ経済政策、規制緩和をはじめとする成長力の強化、財政規律


日銀の独立性について
 ・中央銀行は、政府の財政赤字を穴埋めするために国債を引き受ける財政ファイナンスを行ってはいけない。

 ・ゼロ金利環境のもとでのデフレ脱却達成には、中央銀行と政府が力を合わせることが必要
   金融面の後押しと成長力強化の推進が欠かせない。

 ・中央銀行が採用する政策の性格を十分認識することも重要
   中央銀行が採用する非伝統的政策は、財政政策の要素を帯び始めており、損失発生の可能性がある。

注)中央銀行の非伝統的政策:
   マネタリーベースを拡大して市中に潤沢な資金を供給する量的緩和や、
   CPや社債などのリスク資産を従来の範囲を超えて購入する信用緩和など。
    社債などが大きく値下がりした場合、損失が発生し、国民の税負担となる。


 

付記

日本銀行は1月22日の政策委員会・金融政策決定会合において、金融緩和を思い切って前進させることとし、①「物価安定の目標」を導入すること、②資産買入等の基金について「期限を定めない資産買入れ方式」を導入することを決定した。
  http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130122a.pdf

①については、民間出身で2012年7月に就任した木内登英氏(野村証券出身)と佐藤健裕氏(モルガン・スタンレーMUFG証券出身)が、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とすることに反対した。

また、政府との共同声明「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について」を発表した。
  http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130122c.pdf



米与野党幹部は2012年12月31日夜、 2012年末から2013年初頭にかけて米国で減税の期限切れと政府支出の強制削減がほぼ同時に訪れる「財政の崖」への対応で、当面の回避案で合意した。

米議会上院は1月1日未明、この法案を89対8の賛成多数で可決した。

しかし、下院では共和党員が、この案はほとんどが増税で、歳出カットはほとんどないとして、猛反発した。
保守派が追加の歳出削減を盛り込む法案修正を目指したため、協議が長引いた。

最終的に賛成257、反対167で法案は可決された。共和党は過半数が反対した。

オバマ大統領は、2%の富裕層に対し増税し、中間層の増税を防ぐものと評価し、米国の税制をより公平なものにするという大統領選での公約を果たせたとするとともに、新年においてはこの種の政策をもう少し円滑にまとめられないか皆が考えることを期待すると述べた。

法案の成立は1月1日に持ち越したため、形式上は一旦全国民が増税となったが、遡って減税を実施する。

ーーー

財政の崖(Fiscal Cliff)は"Ben" Bernanke FRB議長が使った言葉で、次の2つによる増税と歳出減で(財政赤字は縮小するが)消費の大幅減 となり、アメリカの景気が崖から落下するように悪化するというもの。マイナス成長と失業増が懸念される。

米経済がつまずけば、世界景気への影響も大きく、格付け会社FitchRatingsは、米国が「財政の崖」を回避できなければ、控えめに見積もっても、2013年の世界の経済成長率が半減する可能性があるとの見通しを示している。

1)2012年末で大型減税が期限切れを迎える。

増税関連
・ 医療改革に伴う増税 110億ドル
・ 医療保険税(Obama Care)増税 180億ドル

特別措置の終了
・ 失業手当金給付期間延長措置の終了 260億ドル
・ 投資減税延長期間の終了 650億ドル
社会保障税の減税の終了 950億ドル
・ ブッシュ減税(所得税率や配当・キャピタルゲイン税率の軽減)の終了 2,210億ドル

2)財政管理法に基づく歳出の一律削減

連邦政府債務が上限に達したため、米与野党指導者は2011年7月、債務上限を2.1兆ドル引き上げるとともに、その条件として今後10年間で2.5兆ドルの財政赤字を削減することで合意に達した。

しかし与野党が具体的な削減案に合意できなかったため、2013年1月から10年間1.2兆ドルの予算カット条項が発動されることとなった。この半分は国防・安全保障費で、メディケアも一部カットされる。但し、Social Security とMedicaidは除外。

2012/10/8 米国経済の問題点

米議会予算局(CBO)は、「財政の崖」が現実になれば5000億ドル超の規模の財政緊縮となり、2013年の実質経済成長率はマイナス 0.5%、失業率は9.1%になる と予想する。

民主党と共和党では、「財政の崖」と赤字削減に関する主張に大きな隔たりがある。

民主党は富裕層への増税を主張、共和党はこれに絶対反対で、逆に福祉カットを主張している。

保守系の市民運動 Tea Party もオバマ政権の大型景気対策や医療保険制度改革などを批判し、増税なき小さな政府」を掲げるが、Tea は"Taxed Enough Already" (もう税金はたくさんだ!)を表している。

逆に、大富豪のWarren Buffettは高額所得者に応分の負担を求めるべきだとしている。

両党は12月21日を与野党協議の期限として交渉を続けた。

最大の対立点は税制で、民主党側は「富裕層増税抜きの合意はあり得ない」としたが、共和党はこれに反対した。

共和党のベイナー下院議長は12月14日に、それまでの「減税継続・増税ゼロ」の主張 から降り、「年収100万ドル以上の富裕層への増税」案を出した。

これに対し、オバマ大統領は12月17日、これまでの「夫婦合算年収25万ドル超での減税打ち切り」から降り、「40万ドル超での減税打ち切り」を提案した。

しかし、この後の交渉は進展せず、最終日を迎えた。

ーーー

今回の合意の内容は以下の通り。

・年収40万ドル超(夫婦合算申告では45万ドル超)の個人の所得税減税措置の打ち切り
  これにより、これら高所得層の税率は35%からクリントン政権の頃の39.6%に引き上げられる。

米国の所得税率(夫婦合算申告)  
所得 Bush減税前  現行税率 改正税率
~$14,400 15%  10%

同左 *
(Bush減税
          継続)

~$17,400  15%
~$70,700
~$142,700 28%  25%
~$217,450 31%  28%
~$388,350 39.6%  33%
~$450,000  35%
$450,000~ 39.6%
   * オバマ大統領の当初案は25万ドル以下のみを減税継続

・配当とキャピタルゲインへの税の引き上げ
  年収40万ドル超(夫婦合算申告では45万ドル超)の個人の所得に対し現在の15%から20%へ

・年収25万ドル超(夫婦合算申告では30万ドル超)の個人への所得控除、税控除の上限復活

・500万ドル以上の資産の遺産税は35%から40%に引き上げる。

・社会保障税(給与から控除)の減税打ち切り
  2011年にオバマ政権が経済刺激策として従来の6.2%を4.2%に下げたが、これを6.2%に戻す。

・逆に、2百万人に対する緊急失業 保険給付金の1年延長

政府予算の強制削減措置については、2カ月間延長する。

ーーー

今回の合意は「財政の崖」問題の当面の回避に過ぎない。

歳出の大幅カット問題は2011年夏以降の協議で結論を得られなかった。
共和党は今回、増税だけを呑まされたとの不満が大きく、強硬に福祉関連予算のカットを要求すると思われる。

2011年7月31日に連邦政府の債務上限14.3兆ドルを2.1兆ドル引き上げデフォルトを直前で逃れたが、2012年末には連邦債務はその16.4兆ドルに達している。
このため、財務省は公務員の年金基金などへの投資凍結などの「緊急措置」を発動したが、2月中には限度にくるとされる。しかも、その時期は、今回延期された国防費の自動的な歳出削減が発動される時期と重なる。

今後も両党の攻防は続き、協議がまとまらない場合は世界経済にも悪影響を与える。





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