2015年11月アーカイブ

第4回中国・中東欧諸国首脳会議(16+1)が11月24、25日の両日、江蘇省蘇州市で開催され、李克強総理と中東欧16カ国の首脳が出席した。

中国による同会議の開催は今回が初めて。

温家宝総理は2012年4月26日、ワルシャワで中東欧16カ国首脳との初の「中国・中東欧諸国首脳会談」に出席した。

温総理は、グローバル化の急速な進展、世界金融危機と欧州債務問題のもたらした厳しい試練を前に、中国と中東欧諸国は一層の関係の緊密化と協力の深化を強く望んでいる」と指摘し、中国とと中東欧諸国の関係推進の原則として次の4点を提言した。

(1) 相互尊重と対等な付き合いを堅持し、互いの重大な懸念に配慮し、政治的相互信頼を深化する。
(2) 経済・貿易分野の実務協力の強化に力を入れる。作業枠組みと交流のプラットフォームを整備し、中国の打ち出した一連の重要な措置を十分に活用して、短期間で具体的成果を得られるようにする。
(3) 人的・文化交流を強化する。戦略的観点から青年・メディア交流を強く重視する。
(4) 中国・欧州関係の発展に共に新たな活力を注ぐ。

中東欧16カ国は下記の通り。

アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、
エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マケドニア、
モンテネグロ、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア

今回の蘇州での会議には、オーストリアとギリシャが初めてオブザーバー国として参加した。イタリアも将来の加入を希望している。

中国人民大学国際関係学部の王義桅教授は以下の通り述べている。

今回の中国・中東欧諸国首脳会議は『1ベルト、1ロード』(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海のシルクロード」計画)という大きな環境の下で受け止める必要がある。
中国は最大の発展途上国であり、中東欧は欧州の新興国が集中する地域であり、両者の協力には大きな将来性がある。
『1ベルト、1ロード』は中国と中東欧をより緊密に結びつけ、中国と中東欧の発展に大きな建設空間と発展の潜在力を提供する。

人民日報は以下の通り述べている。

「1ベルト、1ロード」の60カ国余りの沿線諸国のうち、中欧・東欧諸国は4分の1を占め、世界の新興市場の重要な地域となっている。
「1ベルト、1ロード」の建設は、沿線諸国の企業の投資の道や貿易の道を広げるだけでなく、中国と中東欧諸国との文化の道と友情の道を広げるものともなる。
「16+1協力」は、中国とASEANによる「10+1協力」に続き、中国が提案して実現した新たな協力メカニズムとして成功を収めつつある。

今回の会議は、「新たな原動力」「新たなプラットフォーム」「新たなエンジン」を用意するものともなった。

 「新たな原動力」

国際電子商取引への協力分野の拡大や「バーチャル 16+1技術移転センター」設立の奨励・支援などでの協力は、新たな成長源として「16+1協力」の価値を高めている。

 「新たなプラットフォーム」

「16+1協力」は、中国による中東欧諸国への投資の促進という当初のねらいを超え、金融協力での双方向的な進展ももたらし、中国・中東欧諸国金融会社などの新たな融資プラットフォームの構築も進んでいる。

 「新たなエンジン」

相互連携・相互接続や地方協力は、「16+1協力」の新たなエンジンとなっている。

近年開通した「蘇満欧」(蘇州・満州里・欧州)国際列車は、中国・欧州国際鉄道コンテナ列車建設をさらに一歩前進させ、「16+1」の物流協力連合会や交通インフラ協力連合会などの形成を後押ししている。
ポーランドのウッチ市が四川省成都市に事務所を設け、成都とポーランドが教育協力協定を締結するなど、地方外交の革新が進み、地方協力の水準は高まっている。
中国の地方と中東欧諸国は現在、科学的で合理的な分業体系を形成している。
例えばブルガリアは「16+1協力」の農業協調国、ハンガリーは観光協調国、セルビアはインフラ協調国となるなど、「16+1協力」の活力をさらに高めている。
中国・中東欧諸国の地方首脳会議や地方省・州知事連合会などによる地方協力のメカニズムは、「16+1協力」の新たなエンジンとなっている。

李克強総理は11月25日、第4回中国・中東欧諸国首脳会議に出席した中東欧諸国首脳と共に、蘇州北駅から上海虹橋駅まで100キロ、20分余り、中国の高速鉄道に乗車した。

李総理は「中国は交通インフラ分野で優れた製造能力、先進的技術を持ち、コストパフォーマンスに優れ、国際的競争力を持つ。これは長年の経済発展、技術進歩、装備高度化、事業建設人材育成など多方面の要素が蓄積した成果だ。現在、中国側は中東欧諸国と連携して協力し、交通インフラなどの分野で製造能力協力を展開し、高速鉄道と鉄道の設計、建設においてカスタマイズした案と製品を提供し、各国の工業化と地域統合プロセスを手助けすることを望んでいる」と述べた。

また「中国・中東欧諸国協力は一両の列車のようなものであり、最初の始動から3年間で徐々に加速し、すでに高速レーンに入っている。高速なだけでなく、快適で安全だ。われわれの協力は快速であるだけでなく、互いのニーズと快適度を十分に考慮し、さらに世界の発展、繁栄、平和、安定を促進する積極的なパワーでもある」と強調した。

米食品医薬品局(FDA)は11月19日、成長が早くなるよう遺伝子を組み換えたAtlantic Salmonを食用に養殖し販売することを認めたと発表した。

米マサチューセッツ州の新興企業 AquaBounty Technologiesが開発した「AquAdvantage Salmon」で、Atlantic Salmonの卵に、Chinook Salmon (キングサーモン or マスノスケ)の成長遺伝子とOcean Pout(ゲンゲ)というウナギに似た魚の"promoter"を組み合わせた遺伝子を導入した。

通常のAtlantic Salmonは成長ホルモンを1年のうち一定期間しか出さないが、Chinook Salmonの成長ホルモンが加わり、Ocean Poutの遺伝子がホルモンのスイッチを"on" にすることで、成長ホルモンを年中出し続ける。

通常は3年の養殖期間を半分に縮めた 。同じ1年半の時点での通常のサケとの比較は下記の通りで、エサの量を25%カットでき養殖の効率が上がるという。
米国では消費するAtlantic Salmonの95%以上を輸入している。

遺伝子を組み換えた動物が食品として認可されたのは初めて。

FDAは、同社から提出されたデータや情報を検討した結果、食品として通常のサケと成分が変わらず、安全性を確認できたと発表 した。
成長が速いという同社の主張も確認した上で、遺伝子を組み換えていないサケとの間に生物学的な違いはないと認定した。
このため遺伝子組み換えのラベル表示は義務付けられない。

養殖施設から誤まって逃げても、基本的に不妊になるため、自然界で繁殖する可能性は極めて少ない。

通常種との交配を避けるため養殖はカナダとパナマにある2カ所の施設でのみ許可される。

AquaBounty では販売開始の時期は未定だが、複数の流通経路について検討している。、

一方、養殖業者や消費者などからは、遺伝子組み換えサケの承認に強く反対する声が上がっていた。
表示が義務付けられていないことに対しても「食品の製造方法について知る消費者の基本的権利がないがしろにされた」と訴えている。
一部では「FrankenFish」とも呼ばれている。


AquaBountyは1991年の設立で、Massachusetts州のMaynard とPrince Edward IslandのFortune に事務所を持つ。
遺伝子組替技術と
陸上での閉鎖循環式養殖システム(recirculating aquaculture systems:RAS) の組み合わせがサケの養殖に最適との信念でやってきたという。


スペインのエネルギー会社 Cepsa は11月12日、タイのIndorama Ventures にPTA /PIA/PET事業を売却することに合意した。 
スペイン南部
San RoqueGuadarranque Plant の能力は、PTA 480千トン/PIA 220千トン/PET 175千トンとなっており、PIAは欧州で唯一のプラント。

PIA(高純度イソフタル酸 )はPETの原料として使われるほか、ペイントなどの生産にも使われる。

メタキシレンを酸化して生産(オルソキシレン原料でフタル酸、パラキシレン原料でテレフタル酸となる)

現在、アジアでは次の各社がイソフタル酸を製造している。

1)韓国 KP Chemical(蔚山) 200千トン

KP Chemical はロッテグループの湖南石化の子会社であったが、2012年12月に湖南石化と合併し、Lotte Chemical となった。

2)台湾 東展興業 (Tuntex Petrochemical) 10千トン

Tuntexは台湾石化合成(Tasco Chemical)の子会社となった。

3)中国 北京燕山石化 36千トン

4)シンガポール Perstorp 70千トン

当初スイスの医薬会社 Lonza が建設したが、医薬に専念するため2007年にPerstopに売却した。

5)三菱ガス化学   水島で70千トン(当初は120千トン、停止した松山の100千トンと合わせ220千トン)

2012/3/22 三菱ガス化学、高純度イソフタル酸事業の構造改革で特別損失 

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Cepsaは現在、アブダビ国営の投資会社IPIC の100%子会社。

IPICは当初、CEPSAに25%出資していたが、 2009年に47.1% にまで増やし、2009年8月にTotal から48.83% を買収、最終的に100%をおさえた。

本年3月にカナダのMontrealにある年産60万トンのPTA工場をIndoramaに売却している。(6月1日に売却完了)

今回の売却で、Cepsa は40年以上続けてきたポリエステル事業から撤退する。

Indoramaを売却先に選んだのは、この分野のワールドリーダーに売却し、工場の従業員の労働条件を悪化させないためとしている。

Cepsaは今後ともこのPTA /PIA/PET工場に原料や燃料を供給し、サービス契約に基づき、メンテナンス作業を受託する。

Cepsa は今後、フェノール/アセトンやLAB/LABSAなどの事業に集中する。

CepsaはLABの世界のリーダーで、50万トン以上の能力を持ち、世界の供給の13%を占めている。

Cepsaは2015年3月にカナダのPTA工場をIndoramaに売却したが、同年7月には、カナダのBécancourのLAB工場(Cepsa 51%、Investissement Québec 49%、能力年産12万トン) のInvestissement Québecの持分を買収し、Cepsa 100% としている。

Puente Mayorga Plant (San Roque, Spain) 22万トン
Plant Becáncour (Quebec, Canada) 12万トン
Camaçari Plant (Salvador de Bahía, Brazil ) 22万トン 72%出資 


LABSAはリニアアルキル
ベンゼンスルフォン酸 。

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スペインのPalos de la Frontera Plant では、フェノール 60万トン/キュメン 80万トン/アセトン 37万トンを生産している。

中国では上海で、フェノール 25万トン/キュメン 36万トン/アセトン 15万トンの工場を建設しているが、2014年4月に住友商事が25%を出資した。

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Indorama Group 1974年にMohan Lal Lohia ML Lohia)によりインドで設立され、インド、インドネシア、タイなどでPTAPET、ポリエステルなどの事業を拡大した。
ML Lohia は事業を3人の息子に分割した。長男OP Lohiaはインド、次男 SP Lohia はインドネシア、三男 Aloke Lohia (APL) はタイを受け継いだ。同じような事業を行っているが、それぞれが独立して事業を行っている。 

Indorama Venturesは三男 Aloke Lohia が引き継いだ会社(その後、Aloke株を手放し、上場)で、現状は以下の通り。(単位:千トン)

    PTA PET  
タイ Rayong 770 90  
Map Ta Phut 600  
Nakhon Pathom     2008年Tuntexを買収
Lopburi   180  
タイ合計  1,370   270  
英国 Workington   168 2008年Eastmanから買収
オランダ Rotterdam 350
(+250)
400
リトアニア Klaipeda   274 2006年Orion Global PET設立
イタリア Ottana 161 Ottana Energia との50/50JV
2010年7月、Equipolymers(Dow/PIC)から買収
ポーランド Wloclawek 227
欧州合計 350 1,230  
USA Asheboro   252 2003年StarPet買収(当初116千トン)
Decatur   432 AlphaPet 2009年稼動
Spartanburg 387 元 Hoechst
カナダ Montréal 600 Cepsaから買収
メキシコ Querétaro 454 2011 Invista から買収
北米合計 600 1,525  
中国 広東 522
インドネシア Tangerang 88 2011 SK Chemicals から買収
West Java 500 Indorama Petrochemicals 43%保有
102 Indorama Polypet Indonesia
ナイジェリア 84
トルコ Corlu 252
その他 500 1,048
総合計 2,820 4,073  

2007/4/14 タイのIndorama Polymers、北米でPET工場新設へ
2010/11/18 タイのIndorama、米国と中国でポリエステル等の工場を買収
2010/4/1 Dow/PIC のPET合弁会社、イタリア工場をIndoramaに売却
2012/3/28 Indorama、ナイジェリアでPET製造

Pfizerとアイルランドに拠点を置く同業のAllerganの両取締役会は11月23日、満場一致で両社の合併を承認した。

株式交換方式で合併する。
Allergan株主は1株当たり統合会社の11.3株を、Pfizer株主は1株当たり統合会社の1株を受け取る。
実質的に、Pfizerによる1600億ドルでのAllergan 買収となる。

形式的には、Pfizerの事業とAllerganの事業は Allergan plc に統合され、アイルランド法での企業となるが、社名を"Pfizer plc" に改称し、New York Stock Exchangeに上場する。
実務上の本拠はNew Yorkに置く。

Allergan plc は10月29日、Pfizerから事業統合の提案を受け、友好的に予備的交渉を行っているという報道を認めている。

2015/11/12 Pfizer、Allergan と統合交渉 

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Allerganについては上記を参照。

Pfizerはこれまで、M&Aで成長を続けてきた。

2000年2月にWarner Lambert を買収した。

Pfizer と Warner-Lambert は1996年から高脂血症治療薬 Lipitor 開発の partnership を組み、Pfizer は販売権を有していたが、1999年11月にWarner Lambert はAmerican Home Products との友好的対等合併を発表した。
その数時間後、Pfizeは
Lipitor の販売権を失うことを恐れ、Warner Lambertの敵対的買収を発表した。

2007/10/11 高杉良 「挑戦 巨大外資」

Pfizer はWarner-Lambert を吸収後、2003年4月にはPharmacia を吸収合併し、世界の医薬メーカーのトップとなった。

有力な新薬を会社ごと買収して収益を上げる手法は Pfizer Model と呼ばれる。

Pfizer は2009年1月、Pfizerが以前にWarner-Lambert との統合を阻止したWyeth (旧称 American Home Products) を680億ドルで買収すると発表した。

2009/1/27 Pfizer、Wyeth を買収

Pfizer は2015年2月、同業の米 Hospira, Inc.を170億ドルで買収する契約を締結したと発表した。

2015/2/11 Pfizer、米製薬会社 Hospira, Inc. を買収


合併後の企業はPfizerの肺炎球菌ワクチンPrevnar (Wyethが開発) 、Allerganのしわ取り注射剤 Botox といったベストセラー製品を擁し、アルツハイマー病、がん、眼病からリウマチ性関節炎まで幅広い病気に対応する薬品やワクチンを提供する、業界最大の研究開発費を誇る巨大製薬会社となる。

Pfizerの売上高は、リピトールの特許切れなどで減少、2014年にはNovartisにトップを奪われたが、Allerganの買収により、再びトップを取り返す。

2014年の世界の処方薬売上高(億ドル、EvaluatePharma 調べ

Pfizer + Allergan 556
1 Novartis 461
2 Pfizer 445
3 Roche 401
4 Merck & Co 366
5 Sanofi 382
6 J & J 307
7 GSK 303
8 Astrazeneca 257
9 Gilead Science 245
10 AbbVie 199
11 Amgen 193
12 Teva Pharma 175
13 Eli Lilly 163
14 Bayer 163
15 Novo Nordisk 158
16 Boehringer-Ingelheim 134
17 武田薬品工業 130
18 BMS 120
19 Allergan(旧 Actavis) 111

以上 合計 

4,713
その他各社合計 2,717
総計 7,430

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この買収は過去最大の"inversion"(納税拠点の低税率国への移転)」となる。

米国は連邦法人税率が35%だが、アイルランドは12.5%と低く、形式的には、Pfizerの事業とAllerganの事業 を Allergan plc に統合し、アイルランド法での企業となることで、年間で約20億ドルの節税効果があると言われている。

世界一位のNovartis が本社を置くスイスのバーゼルは法人税率が20%強である。

Pfizerは2014年1月にAstraZenecaに買収提案を行った。

Pfizerの経営幹部は、この買収目的の一つを「効果的な租税負担を構築する」こととした。買収後は英国に多くの利益を留保・移転し、米国の高い税を回避するというもの

しかし、AstraZenecaはこの提案を拒否、2014年5月にPfizerは買収断念を発表した。

2014/5/12 Pfizer が AstraZenecaに買収提案

租税回避を巡っては、各国が対応策を検討しており、今後はメリットがなくなる可能性がある。

欧州委員会は10月21日、Starbucksがオランダ政府から、Fiat Finance and Tradeがルクセンブルグ政府から、それぞれEUでは違法となる優遇税制を受けていたと判断し、更に、アイルランドによる米 Apple、ルクセンブルクによる米 Amazonへの税優遇などでも正式調査を進めている。

G20は10月8日、ペルーの首都リマで財務相・中央銀行総裁会議を開き、タックスヘイブン(租税回避地)などを使った多国籍企業の税逃れを防ぐ新たなルールを採択した。

2015/10/27 欧州委員会、StarbucksとFiatの税優遇を違法と認定、追加徴税を指示

米財務省は11月19日、米国企業が節税を目的に納税地を国外に移転しにくくするための新たな規則を発表した。

この規則には米国企業が外国事業部門を新たな外国親会社に移転するのを制限する項目があり、2014年9月22日以降にインバージョンを完了させた全企業の将来の取引に適用される。このため、既にインバージョンを終えた後発薬医薬品メーカーのMylanにとって問題となる可能性がある。

2014/7/21  MylanがAbbottのジェネリック事業の一部を買収、本社移転も目的の一つ

既存の米国の税法では、企業は外国企業と合併しない限り米国の税制度を免れないが、新規則はこの部分をさらにてこ入れする。
現行の法律では、合併後の会社に対する米国企業の株主の保有率が80%未満であれば、インバージョンが認められている。

しかし、アイルランド企業のAllergan がPfizerを買収する形をとる今回のインバージョンは、今回の規制の対象外となる可能性が強い。

大統領候補のクリントン前国務長官は、「米国の納税者が貧乏くじを引く(holding the bag)」としてPfizerを強く批判した。

「大統領になれば、米国での成長、イノベーション、雇用に報いる税制改正を行う。米国の税基盤を破壊するInversion の厳重な取り締まりを遅らすわけにはいかない」と述べた。

Statoil は11月17日、アラスカ州沖合のChukchi Seaでの探査が同社のグローバルなポートフォリオの中で、もはや競争力はないとし、撤退すると発表した。

Statoil が運営する16区画と、ConocoPhillipsが運営し、Statoil が25%の権益をもつ50区画からの撤退となる。これらは2008年にリース権を取得し、2020年に期限が来るもの。

これは9月に同じ理由でShellが撤退したのに続くもの。

Shell とStatoil が経済性がないとして撤退したため、他の各社も撤退を決める可能性が強い。

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これまでUS Geological Surveyが行った調査では、アラスカ沖の海底油田は、全世界のガスの未採掘田の30%、石油に関しては13%を埋蔵量を持つとの調査結果が得られていた。

2008年2月、Chukchi Sea の探鉱ライセンスの入札が行われ、Shell は総額21億ドルで275の鉱区を取得した。
同社は、1990年代初頭に試掘して埋蔵量を発見していたものの、経済性に見合わないとして撤退していた。

ShellはBeaufort Seaにも鉱区を持つ。

Shell はChukchi Sea のBurger J 油田を含む北極圏での新油田探査のために既に70億ドルもの巨費を投資してきた。

Shell は9月28日、有望な油田層の発見に至らなかったことを理由にChukchi Seaで行ってきたBurger J 油田の探査活動を停止したことを発表した。
「Burger J 油田の採掘活動の結果、石油とガス田の発見に至ったが、今後も掘削を続けても十分な埋蔵量を持つ油田の発見に至る十分な保証を得ることはできないことが判った」としている。

探査の結果のほか、高コストと米政府の環境規制を撤退の理由にしている。

北海での石油掘削に反対する環境団体はこれを歓迎した。

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Chukchi Seaでの各社の鉱区は下記の通り。


産業ガス世界大手のフランスのAir Liquid は11月17日、米同業のAirgas を買収することで合意したと発表した。

直近1カ月間の株価に50.6%上乗せした1株あたり143ドルでの買収で、負債を含めて134億ドルとなる。

Air Liquid はドイツのLinde と世界シェア首位の座を激しく争っているが、世界最大の産業ガス市場である米国地盤のAirgasを傘下に収め 、Lindeを突き放す。

   Source : http://youtu.be/4mshZnZPUzM


Air Liquid は80カ国に拠点を構え、鉄鋼、製薬、自動車の水素スタンドなど幅広い業界にガスを提供している。米国では140余りの産業ガスプラントを構えている。

Airgas は北米が収益のほとんどを占め、食品の鮮度を保つため包装のなかに封入するガスや、関連サービスに強い。酸素、窒素、アルゴンなど大気ガスの生産でも大手。

大口中心のAir Liquidと、小口配送が中心の Airgas のユニークな統合となり、米国市場を包括する。 

Air Liqid は欧州・中東やアジアで首位だが、今回の買収で、米最大手のPraxair を抜いて米国でも首位に立つ。
セグメント別でも、大口産業用、小口産業用、エレクトロニクスでいずれも首位に立つ。


地域別売上構成もバランスの取れたものとなる。

日銀は11月20日、「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」というレポートを発表したが、結論として以下の通り述べている。

わが国で利用されているコア指標のパフォーマンスについて、分析期間を通じた安定性に注目して検討した。

その結果を総括すると、「除く生鮮食品」、「刈込平均値」(
価格変動の大きい上下10%の品目を除いて算出)のパフォーマンスが総じて高いことが確認されたが、同時に、原油価格の大幅な変動の影響を受けた一時的なものである可能性が高いとはいえ、足許、「除く生鮮食品」のパフォーマンスが低下していることも確認された。

除く生鮮食品」の前年比は直近でマイナス0.1%まで下がっているが、変動の大きい原油価格の物価に対するかく乱的な影響度が高まっており、物価の基調を十分捉えられなくなっている可能性があるというもの)

物価の基調を的確に判断し、対外的な説明を行っていくうえでは、指標としての定着度の高さも踏まえると、引き続き「除く生鮮食品」を中心的な指標としつつも、「刈込平均値」、「除く生鮮・エネルギー」など幅広い指標を活用していく必要がある。

日銀は金融経済月報の7月号に消費者物価指数の新指標「除く生鮮・エネルギー」のグラフを掲載した。天候に左右され、変動が大きい生鮮食料と、昨年以来の原油安の影響が大きいエネルギーを除いたもの。以降、毎月グラフを掲載している。

2015/7/20 日銀の新しい消費者物価指数

今後、これを「日銀コアコア」(新聞報道での通称)として、総務省のCPI公表時に同時に発表する。

このほか、「上昇品目数と下落品目数の比率」、価格変動の大きい上下10%の品目を除いて算出する「刈込平均値」を公表する。

各CPIの内容と、最近の実績は下記の通り。

総合

コア

コアコア

その他全て
(酒類を含む)

日銀コアコア指標
総合(除く生鮮食品・エネルギー)

その他食品(酒類を除く)

食品(酒類を除く)
ガソリン                    エネルギー エネルギー
電気・都市ガス・プロパンガス・灯油 
生鮮食品(天候に左右され、変動が大きい) 生鮮食品 生鮮食品

月次(前年同月比 % )
2015/7 2015/8 2015/9
総合 0.2 0.2 0.0
生鮮食品を除く総合 (コア) 0.0 -0.1 -0.1
生鮮食品及びエネルギーを除く綜合(日銀コアコア) 1.0 1.1 1.2
食料及びエネルギーを除く総合(コアコア) 0.6 0.8 0.9

9月の前年比をみると、「除く生鮮食品」は前月と同じ-0.1%となった。一方、「除く生鮮食品・エネルギー」の前年比をみると、1~2月をボトムに再び伸びが高まってきており、9月は+1.2%と、昨年2月の直近ピーク(+0.9%)を明確に上回っている。

金融経済月報 2015年11月

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「除く生鮮食品」(コア)では値下がりの大きいエネルギーが含まれる。「除く食料・エネルギー」(コアコア)では輸入価格転嫁で値上がりの大きい食品が入らない。
このため、値下がりの大きいエネルギーを除き、輸入価格転嫁で値上がりの大きい食品(生鮮食品を除く)を含めようというもの。

しかし、円安による輸入価格の転嫁による食品の値上がりについては、その後の為替レートは安定しているため、一旦転嫁すると価格はそれ以上は上がらない。このため来年以降は 前年比での変動は少ない。

日銀の期待する更なる消費者物価上昇はなく、日銀コアコアも下降に転じる可能性がある。


三菱商事と千代田化工建設は11月17日、EDP Renewables、Engie、Repsol の3社とともに、Windplus 社を設立し、ポルトガルの浮体式洋上風力発電事業に出資参画すると発表した。
三菱商事と千代田化工はそれぞれ20%ずつ出資する。

EDP Renewables はポルトガル電力会社を主要株主とする再生可能エネルギーに特化した上場子会社で、世界有数の風力発電事業者。世界12カ国で事業を展開する。
Engie はフランスガス公社(GDF)とスエズの合併により誕生した世界第1位のIPP事業者で、電気・ガス事業、ガストレーディング、ガス輸送、発電事業等を展開する。
Repsol はスペインの石油・ガス会社で、原油・天然ガス・石油精製等の開発に従事する。

計画概要は下記の通り。

投資先事業会社 Windplus
事業名称 WindFloat Atlantic Project
事業概要 Viana do Castelo市の沖合20kmの大西洋上に3~4基 合計25MWの浮体式洋上風力発電設備を設置。
発電容量 25MW
設置予定地 Viana do Castelo市の沖合20km

総事業費 約160億円
商業運転開始 2018年を予定
採用技術 浮体技術 "WindFloat"は、米国の洋上風力エネルギー市場への技術・サービスプロバイダーのPrinciple Power Inc が開発した半潜水型(semi-submersible)浮体式基礎構造による技術。

既にVestas製タービンV80(発電容量2MW)を搭載した実証機(WindFloat 1)がPóvoa de Varzim市の沖合で稼動する。
(運用開始から4年間で16GWhを発電し安定的に稼動)

浅瀬が多い欧州洋上風力発電は海底に設備を固定する「着床式」が主流だが、深海でも利用できる浮体式の商業運転はStatoilの英国の北海での風力発電(2.3MW) に次ぐ2件目。
(日本では、長崎県五島市の椛島沖と福島県楢葉町沖にある。)



WindFloat 3 では30基 150MWを目指している。


三菱商事は、現在オランダにおける着床式洋上風力発電事業や、イギリス・ドイツでの海底送電事業を手掛けている。

三菱商事は2013年1月、オランダ公営の総合エネルギー事業会社であるEneco と欧州の洋上風力発電事業分野で戦略的提携を行うこととし、Enecoがオランダ沖合に建設予定の Luchterduinen 洋上風力発電所の持分の50%を取得し、建設・運転を、両社共同で行うことに合意した。

今後も引き続き、欧州で再生可能エネルギーを含めた発電事業を積極的に拡大し、現在グローバルベースで保有する発電資産約500万kWを2020年までに750万kWへ拡大することを目指す。

化学会社の9月中間決算の発表がほぼ出揃った。

原油価格の下落で、石油化学製品などのコストが大幅に下がり、ほとんどの会社で前期比で大幅な増益となった。


各社の実績(売上高、営業損益、経常損益、当期損益、配当の推移、セグメント別売上高、営業損益推移)は下記を参照。

http://www.knak.jp/kessan/

営業損益では、三菱ケミカル、住友化学、三井化学、東ソー、帝人などが、前期比で大幅増となっている。

いずれも石油化学が大幅増益となっている。
帝人の場合は、「電子材料・化成セグメント」が前期の赤字から大幅黒字に転換しているが、中心はポリカーボネート樹脂(構造改善益を含む)である。

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営業損益と経常損益では、①三菱ケミカル、②信越化学、⑤住友化学の順になっているが、当期損益では①信越化学、②住友化学、③三菱ケミカルとなっている。
これは、連結対象会社の内容の違いによるところが大きい。

(百万円) 営業利益 持分法損益 経常損益 税引前 税金 税引後 少数株主利益 当期損益
三菱ケミカル 136,351 5,966 135,192 134,460 -46,051 88,409 -29,315 59,094
信越化学 109,816 - 113,020 113,020 -35,304 77,716 -1,082 76,633
住友化学 74,244 28,558 100,395 105,028 -27,095 77,933 -17,037 60,896


信越化学と、三菱・住友との違いは少数株主利益である。

信越化学の収益源のShintech や信越半導体グループは信越化学100%のため、連結損益が全て同社の当期損益となる。

これに対し、三菱ケミカルの場合、田辺三菱製薬(当期損益 29,148百万円)への出資比率は56.34%、大陽日酸(同13,303百万円)は50.56% などのため、連結子会社の他の株主の持分が大きい。

住友化学も同様で、大日本住友製薬(当期損益 13,214百万円)への出資比率は50.22%である。

なお、住友化学の場合、PetroRabigh など、持分法損益が大きく、営業利益の少なさを補っている。

イタリアの高級ジャケットメーカーの Moncler (フランス発祥)は11月16日、偽ブランド品を製造・販売している中国の業者に勝訴したと発表した。

2013年に同社のロゴを偽装したダウンジャケットが販売されているのを確認した。

  問題のダウンジャケットと同社の商標


販売していたのは北京の諾雅卡特服裝公司Nuoyakate Gourmet)で、国内外で偽の商標登録やドメイン登録を行うことも予定していた。

Moncler は2014年12月に、同社ブランドのロゴつきダウンを販売したとして前月(11月)に新設されたばかりの知的財産法院に提訴した。

今回、知的財産法院は300万人民元(約5800万円)の損害賠償を命じた。

Moncler は、「新制度のもとに最大の賠償が認められた画期的な判決」と述べ、中国当局の偽ブランド品に対する姿勢が改善されたことも指摘している。


 

ジェネリック医薬品大手のMylan N.V. はアイルランド製薬大手 Perrigo Company plc に買収を提案し、拒否されて、敵対的TOBを行っていたが、11月13日の締め切り時に全体の約40%しか応募がなかったため、TOBは成立せず、元の株主に返却された。

Mylan は4月8日、アイルランド製薬大手のPerrigo に買収を提案したと発表した。

4月6日にPerrigoに対し現金と株式交換で1株当たり205ドルでの買収を示した。
提案前の終値を25%上回るもので、買収総額は300億ドル近くにのぼる見通し。

欧米で大衆薬や健康食品を手掛けるPerrigoの買収を通じて後発薬以外にも事業を多角化し、顧客基盤を広げる考え。

Mylanでは、ユニークで比類のない多角化したグローバルな医薬業界のリーダーになるとし、「両社の組み合わせは短期的にも、また長期的にも価値の創造につながる」と述べ た。大衆薬、健康食品を商品群に加え、世界の主要市場で事業基盤を拡大するとしている。

Perrigo は提案を「検討する」と発表した。両社の2014年ベースの合計売上高はおよそ153億ドルに達する。

2015/4/16 ジェネリック医薬品大手のMylan、アイルランド製薬大手に買収提案

その後、4月21日にPerrigoは同社の取締役会が満場一致でMylanの買収提案を拒否したと発表した。
Mylan の提案はPerrigoの価値とその将来の成長見通しを「著しく過小評価」しているとしている。

Mylanは敵対的買収に踏み切った。

先ず、4月29日に買収価格を引き上げた。

現金 75ドルと2.3株のMylan株としたもので、時価ベースで232.23ドルとなる。(従来は 205ドル)

6月にMylanの最大の株主でMylan株 14.5%をもつAbbott Laboratoriesが買収に賛成する発表を行った。

Mylanは当初、TOBをPerrigoの「全株式の80%以上」としていたが、8月13日に「50%以上」に引き下げた。

9月14日に Perrigoの全株を対象とするTOBを開始した。TOBに応じるPerrigo株主は、1株当たり、現金75ドルとMylanの 2.3株を受け取る。
全株式の50%以上の応募でTOBは成立する。

Mylanは並行してEUと米国の独禁当局に買収の承認を求めていたが、6月29日にEUから承認を受けた。11月3日には米国FTCから、特定の製品の分離を条件に承認を受けた。

しかし、TOBに応じた株主は40%に止まり、TOBは失敗した。

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Perrigoの取締役会が満場一致でMylanの買収提案を拒否したと発表した4月21日、イスラエルの後発医薬品メーカーのTeva PharmaceuticalsはMylanに対し現金と株式による400億ドルでの買収提案を行ったことを明らかにした。Mylanの全株式を1株当たり82ドルで、半分を現金、半分をTeva の株式で買収するもの。

Mylanは4月27日、Tevaの買収案を拒否した。Mylanの企業価値を「大幅に過小評価している」としている。
Mylanの会長はTevaに宛てた書簡で、「1株当たりの価格が100ドルを大幅に上回る」という「出発点」でなければ、協議を行うことは検討しないと言明した。

2015/4/24 イスラエルのTeva Pharmaceuticals、同業のMylanに買収提案 

Teva Pharmaceutical Industriesは7月27日、米医薬大手Allergan plc から後発薬事業を買収することで最終合意したと発表した。
TevaはAllergan の 後発薬事業買収で、Mylanに仕掛けていた買収提案は撤回した。

2015/7/29 後発薬最大手のTeva、米 医薬大手の Allerganから後発薬事業買収



環境省は11月13日、関西電力などが千葉県市原市と秋田市で計画している2件の石炭火力発電所の建設について「現段階では是認できない」とする環境影響評価(アセスメント)の意見を経済産業省に提出したと発表した。

本年に入り、合計5件となった。

2015/8/20 環境相、中部電力の石炭火力計画 是認せず

環境影響評価法及び電気事業法は、出力11.25万kw以上の火力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境相は、提出された計画段階環境配慮書について経産相からの照会に対して意見を言うことができるとされており、この手続きに沿うもの。

事業が、国の目標・計画と整合を取るためには、電力業界全体で二酸化炭素排出削減に取り組む実効性のある枠組が必要不可欠である 。

政府は7月17日、地球温暖化対策推進本部を開き、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を「2030年までに2013年比26%削減」とする目標を正式決定した。

2015/7/18 温室効果ガス 2030年に2013年比 26%減 

政府は目標の検討にあたり、2030年時点の再生可能エネルギー比率を22〜24%、原発を20〜22%と決め、2013年比で排出量を21.9%削減できるとした。さらに代替フロン類削減などで1.5%減、森林整備などによるCO2吸収分2.6%を上乗せし、計26%削減を目指す。

    2015/6/4 エネルギーミックス最終案

しかし、電気事業連合会など電力業界が2015年7月に公表した「電気事業における低炭素社会実行計画」では、2030年度の販売電力量1kWh当たりのCO2排出量を2013年度比約35%減らすとするが、「参加各社はそれぞれの事業形態に応じた取り組みを結集する」というだけで、具体的な「実行計画」はない。
「実効性のある枠組」ではなく、単なる目標に過ぎず、これらの事業については、「日本の約束草案」及びエネルギーミックスの達成に支障を及ぼしかねない。

このため、環境省は今回も、本事業の計画内容について、国の二酸化炭素排出削減の目標・計画との整合性を判断できず、現段階において是認することはできないため、早急に具体的な仕組みやルールづくり等が必要不可欠であるとした。

石炭火力は、最新型であってもCO2排出量が天然ガス火力の2倍以上とされ、欧米各国は事実上、新設を不可能にする規制を導入しつつある。
日本が大量の石炭火力発電の増強を進めれば、温暖化対策に逆行するとして、国際的な批判にされるのは必至である。

少なくとも、(1)石炭火力のCO2排出量をどう減らすか(2)CO2排出が目標通りに収まらない場合どう対応するか−−を明確にしない限り、環境省は是認できない。

丸川珠代環境相は「石炭火力発電のCO2排出削減は極めて重要だ」と述べ、早急に実効性のある対策をまとめるよう電力業界に求めた。

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これを受け、経済産業省は11月17日、総合資源エネルギー調査会の専門委員会で、電力各社の火力発電に占める石炭火力の比率を上限5割(電力量ベース)に抑える案を正式に示した。年内にも省エネルギー法の告示を変え、2016年度以降、電力会社に指標の達成を求める。

新設する場合も現在普及している中で最新鋭クラスの高効率な設備のみ認め、老朽設備の廃止や稼働休止を求める。

既存設備では、ベンチマーク制度を活用し、発電効率に応じて事業者を評価する指標を導入、一定の基準を満たさず、改善の努力が見られない事業者名を公表する。

経産省によると、現時点では大手電力10社の大半が達成できていないという。

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環境省が「現段階では是認できない」との意見を提出した案件は下記の通りで、全て、超々臨界圧石炭火力である。

超々臨界圧発電所は超高温・超高圧(蒸気温度593℃以上、蒸気圧力24.1Mpa以上)の蒸気でタービンを駆動させ、発電効率を向上するとともに、燃料消費量・CO2排出量を低減する。

意見書 立地 事業者 石炭火力計画 備考
6月12日 山口県宇部市
西沖の山
(宇部興産所有地)
山口宇部パワー 120万kw(60万kw x2基) 運転開始:2020年代前半
電源開発 45%
大阪ガス 45%
宇部興産 10%
8月14日 愛知県知多郡武豊町 中部電力 5号機 107万kW 原油・重油燃焼の1号機は停止済み
同2号機~4号機(各37.5万kw)を2015年に停止、全機を撤去
運転開始:2021年度
8月28日 千葉県袖ケ浦市
出光興産
貯炭場に隣接
千葉袖ケ浦エナジー 200万kW(100万kW×2基) 運転開始:2020年代半ば
出光興産 33.3%
九州電力 33.3%
東京ガス 33.3%
11月13日 千葉県市原市
東燃ゼネラル石油千葉工場構内
市原火力発電 100万kW

運転開始:2024年
東燃ゼネラル石油 50%
関電エネルギーソリューション 50%
11月13日 秋田県秋田市 秋田港発電所 130万kW(65万kW×2基) 運転開始:
 1号機 2024/3
 2号機 2024/6

丸紅
関電エネルギーソリューション



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石炭火力発電所の輸出に関しては、国際規制の強化を主導したい米国と、輸出を推進したい日本が対立しているが、日米両政府が一部規制の導入で合意したことが分かった。

加盟国が石炭火力の輸出時に政府系金融機関を通じて行う公的融資について、発電効率が高く温室効果ガス排出が比較的少ない「超々臨界圧」技術を用いる場合は認める一方、効率が低い技術を用いた場合は原則として支援を禁止する。

パリで11月16日に開幕するOECDの作業部会に共同提案し、加盟各国に協調を呼びかける方向で最終調整している。

付記

OECD作業部会は11月17日、下記を除き、公的金融機関からの融資を制限することで合意した。
   ①「超々臨界圧」技術、
   ②低所得国と島嶼国向けに限り、出力50万kw以下の「超臨界圧」や30万kw未満の「亜臨界圧」

米政権の高官が匿名を条件に語ったところでは、石炭プロジェクト全体の85%に当たる案件で今後、金融支援が打ち切られる。
合意によると、融資制限は4年後に再び厳格化される見通し。

国際協力銀行(JBIC)が2003~2014年度に資金支援した石炭火力の輸出案件(計画段階を含む)23件のうち、超々臨界圧はわずか1件にとどまる。


国際通貨基金(IMF)は11月13日、外貨不足に陥った加盟国を支援する特別引き出し権(SDR)の構成通貨に中国の人民元の採用が妥当とする見解をまとめた。
11月30日のIMF理事会で正式決定する。

評価方法の決定は70%の賛成で決まるため、米国(17.67%)と日本(6.56%) が反対しても通る。

SDRの評価の原則の変更や現行の原則の適用の抜本的な変更には85%の賛成が必要。
IMFは2010年に、新興国の出資比率を引き上げ、理事会への登用を増やす「IMF改革」に合意したが、85%の賛成が必要で、米国議会が賛成しないため、実施できない。

SDRは、加盟国のIMFへの出資比率に応じて各国に割り振られており、金融危機などで外貨不足に陥った場合、SDRと引き換えにドルや円など構成通貨と交換できる。
構成通貨は5年に一度、見直しを検討する決まりで、今年が見直しの年にあたっている。

構成通貨に採用する条件は、「財とサービスの輸出額」と「通貨が自由に取引できるかどうか」−−の2点で、2010年の見直し時には、中国はすでに財とサービスの輸出額の基準は満たしていたが、取引の自由度が不足とされ、採用を見送られた。

中国は今年に入って、SDR入りを目指す方針を公式に示し、人民元の取引活発化に向けた通貨・金融市場改革を実施した。
IMF事務局が7月に、「運用上の課題がある」との報告書をまとめた後、中国が人民元相場を従来より市場実勢に従って変動させるなど一段の改革を約束したことで、今回の判断につながった。

中国人民銀行(中央銀行)は11月14日、「人民元のSDR入りは、現行の国際通貨体制を改善し、中国と世界にともに利益をもたらす」との声明を発表し、理事会での正式決定に向けて各国の支持を求めた。

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出光興産と昭和シェルは11月12日、対等の精神に基づく両社の経営統合に関する基本合意書を締結したと発表した。

出光興産は7月30日、昭和シェル石油の株式 33.24% をShellから取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。
出光と昭和シェルはこの株式譲渡を前提に経営統合に向けた協議を進めてきたが、これを加速する。

2015/8/3 出光興産と昭和シェル石油、経営統合で基本合意 

その後、交渉を続け、今回、両社の経営統合に関する基本合意書を締結したもので、対等の精神をうたっている。

統合会社の国内石油下流事業及び石油化学事業の基本戦略として、以下を挙げている。

他社を効率性で凌駕する業界 No.1 の収益力を持つリーディングカンパニーを構築し、国内石油精製販売事業を安定的なキャッシュフローを生み出すビジネスにする。
内需の構造的な減少が避けられない中、両社が持つ資産の統廃合を積極的に進めるとともに、既存資産の有効活用につながる他社とのアライアンスを積極的に進める。
国内石油精製販売事業において事業の競争優位性がある領域においては規律の効いた投資を行う。
系列特約店・販売店との相互信頼関係をベースとした取引の価値を重視しつつ、特約店・販売店を中心としたサプライチェーンを更に強化する。
内需が減少し続ける中で競争力のある製油所のポテンシャルを活かす。プロフィットマックスの観点からフレキシブルな需給調整が可能な体制を構築する。
競争優位性がある石油化学事業の拡大を目指す。


統合の概要は以下の通り。

(1) 経営統合の方式 : 合併によることを基本方針とする。

(2) 経営統合の日程 : 2016年10月から2017年4月を目途に本統合会社を発足させることを目指す。

(3) 統合会社の商号 : 未定

(4) 取締役会の構成 : 代表取締役及び業務執行取締役は、当面は両社から同数ずつ候補者を指名。

(5) 統合会社のブランド : 一定期間は、両社の既存のブランドを併用

(6) シナジー統合 : 統合5年目に総額500億円程度(年間)
               需給・生産計画の最適化、物流最適化、販売・間接部門の効率化等による

両社では、製油所の統合は考えていない。海上オイルフローの最適化を図る。

「両社が持つ製油所の配置は、東から西まであり、バランスが良い。どこかの製油所を閉めるとそのバランスが崩れる。現在の体制を維持するため、輸出も含めて考えていきたい」

給油所については、「両社を合わせた数は7000カ所だが、8割が(直営でない)特約店や販売店だ。減らす、減らさないより、顧客に利便性を感じてもらうことや、付加価値のあるサービスの方に注力したい」としている。


トッパー処理能力(千bbl/d)

トッパー処理能力

 当初 高度化法 現状
昭和四日市石油 四日市 205 255 255
西部石油 山口 120 120 120
東亜石油 京浜

70

70 70
昭和シェル 扇町 120 0
昭和シェル合計 515 445 445
出光興産 北海道 140 160 160
千葉 220 220 200
愛知 160 175 175
徳山 120 0
出光興産 合計 640 555 535



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なお、11月16日付けの日本経済新聞は、JXホールディングスが東燃ゼネラル石油と経営統合に向けた交渉に入ったと報じた。

実現すれば日本の石油精製会社は実質3社体制となる。

ExxonMobil Chemical / Shell Chemical との間で、米国のシェールガスからのエタンを、IneosのスコットランドのGrangemouth工場からExxonMobilのエチレン工場に供給する契約を締結した。

Fife Ethylene Plant はスコットランドのMossmorran のExxonMobilの工場にあり、北海の石油・ガス田からのNGLを原料にエチレン年産83万トンを生産している。
Shell は製品の50%の引取権をもっている。

1986年に開所したもので、北海のNGLを原料とする最初のプラントである。(欧州に4基しかない天然ガス原料のスチームクラッカーの1基)

Ineosは2012年9月、欧州のエチレン原料用にエタンを輸入するため、Marcellus shaleを開発する独立系石油・ガス業者のRange Resourcesとの間で、2015年からエタンを購入する契約を締結した。
Ineosは、Sunoco 子会社のSunoco Logistics Partnersとの間で、エタンをペンシルバニア州Houstonから同州Marcus Hookまで輸送するため、パイプライン輸送契約とターミナルサービス契約を締結した。

Ineosは2014年2月3日、米国のCONSOL Energyとの間でMarcellus Shaleのエタンの購入契約を締結したと発表した。
エタンはSunoco LogisticsからMariner East pipeline で運ばれ、Marcus Hookから船積みされる。

2012/10/2   Ineos、米のシェールガスからのエタンを欧州のエチレン原料用に輸入

Ineosは4億5千万英ポンドを投じて、Grangemouth工場に新しいエタン輸入ターミナルを建設した。

今回、ExxonMobil とShell は、Ineos が米国から輸送しGrangemouthの輸入ターミナルに陸揚げしたエタンの一部をFife Ethylene Plant に受け入れる。
北海からの原料を補完して工場のフル稼働を維持するとともに、エチレン工場のコスト競争力を高め、長期的に熟練労働者の雇用を維持する。

ExxonMobil とShellでは、今回の契約でIneosの新しいインフラを活用して米国の競争力あるエタンを使用でき、需要家の長期的なニーズを満たすことができるとしている。

 

2015年3月5日、中国の李克強首相は第12期全国委員会3回会議に出席する経済界や農業界の連合組織チームの委員と顔を合わせ、討論に参加した。

国家観光局前局長が、「観光産業の発展の潜在力をより一層発揮させ、さらに多くの産業の発展につなげることが必要だ」と述べたのに対し、李首相は、「中国の国民の消費水準は確かに上昇している」とした上で、中国人が海外に行ってトイレの温水洗浄便座を購入しているとのニュースを特に取り上げ た。

李首相は、 「開放的な態度で望むべきであり、貿易障壁には反対だ。消費者にはより多くの選択肢を享受する権利がある」とする一方、「中国企業はレベルアップが必要だ。もし国内にも同じような品質の商品があれば、競争力がより高まることになるだろう」と中国企業に奮起を促した。

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2015年11月12日付けの人民網日本語版は「大型飛行機が作れる中国はなぜ良い便座が作れないのか 」という題でこれを取り上げた。

中国が作った高速列車、有人潜水艇「蛟竜号」、月探査機「玉兎」、中国の職人は技能コンテスト世界大会においても金賞や銀賞を受賞している。
なのになぜ使いやすいボールペンを作るのが困難なのか?  国民が海外で買い漁っている便座がつくれないのか?

これに対する回答は下記の通り。

人的資源・社会保障部の副部長:

国家の立場からすると、その国が生産する製品の品質は実質的に熟練技術者のレベルによって決まる。

国のトップクラスの製品はハイクラスの人材が生産にあたっている。ボールペンが使いづらい背景にはやはり熟練技術職人の育成問題がある。我々は人材育成面において大きな差がある 。

中国はすでに生産実績において経験豊富な名人級の職人がいるが、これらの立派な職人の持つすばらしい技術をどのようにすれば後継者へと引き継ぐことができるのか。これは今の中国の製造業が真剣に向き合わなければならない問題だ。

中国社会科学院人口・労働経済研究所人的資源研究室の室長:

これはメイド・イン・チャイナの『重点分野はリードしているが、システム性が遅れている』という現状そのものを映している。

世界のテクノロジーの更新速度が速いが、企業はテクノロジーへの追随や研究開発、人材育成においてはタイムラグが存在する。中国にとっては専門技術者の人材不足が特に著しい。

現在、職業教育を含む技術職人の育成が直面する問題は、多くの若者やその両親は社会的評価が低いとみなし、この職業を選択することを良しとしない。
キャリアアップの道をスムーズにし、収入のレベルアップ、仕事環境の改善の3つの面から着手すべきだ。

中国航空工業集団公司の総経理補佐:

デザインから製品に転化させ、市場競争力のある製品にするには、全体的なプロセスとして、技術転化とスムーズな移転メカニズム、優良な製造保証、成熟した人材マーケット、信頼できる市場環境などが必要だが、現在中国の製造業の短所だ 。

 

アステラス製薬は11月10日、細胞医療アプローチによる眼科領域での新たなステップとして、米国のバイオテクノロジー企業 Ocata Therapeutics, Inc. を買収する契約を締結したと発表した。

Ocata の発行済みの全ての普通株式を1株当り8.50 米ドルの現金を対価として取得する。
これは、11 月6 日終値に対して79%のプレミアムを加えた価格となり、総額は約379 百万米ドルとなる。

Ocata 社は、眼科領域における細胞医療の研究開発に重点的に取組むバイオテクノロジー企業で、多能性幹細胞から分化細胞を取得する基盤技術と、細胞医療の臨床開発に強みを有している。

最も開発が進んでいるのは、萎縮型加齢黄斑変性及びStargardt 病を対象とした網膜色素上皮(RPE: retinal pigment epithelium)細胞プログラムで、現在、臨床試験段階にある。

網膜色素上皮(RPE: retinal pigment epithelium)細胞は正常な視覚機能及び網膜細胞の生存に重要な役割を持つ。

加齢黄斑変性は網膜にある黄斑の機能が、加齢等の原因により障害される病気で、高齢者の失明原因の一つ。
滲出型と萎縮型があるが、萎縮型は、細胞が加齢で変性し、老廃物が溜まって栄養不足になり、網膜色素上皮が萎縮する。
(加齢黄斑変性は米国で失明原因の第1位で、未だ治療薬が存在しない。)

Stargardt 病は、眼底黄斑部の網膜色素上皮、または網膜深層にポフスチンと言われる黄白色不規則な斑点が蓄積され、黄斑が変性され、萎縮性病変となる。(家族性疾患で若年期から発症する。希少疾患であり、有病率は数万人に1人程度とみられる。)

Ocata 社の手法は、ヒト胚性幹細胞(hES細胞)株から分化誘導したRPE細胞を網膜下に注入移植する治療法で、分裂増殖が停止し最終分化した細胞を用いる。

その他にも、眼科疾患を中心に複数の細胞医療プログラムが研究・前臨床段階にある。

アステラス製薬では、細胞医療のアプローチで先端創薬を実現することにより、アンメットニーズの高い眼科疾患治療に貢献できると考えており、本買収の戦略的意義を以下の通りとしている。

 ・ 眼科領域におけるプレゼンスの確立
 ・ 細胞医療における Ocata 社の世界トップクラスのケイパビリティの獲得により、細胞医療におけるリーディングポジションの確立

 詳細は同社の「Ocata社買収について」参照

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アステラス製薬は2015年5月に「経営計画 2015-2017」を発表した。

そのなかで、重点研究疾患領域として、①アンメットニーズの変化、②最新の研究開発の実行可能性を踏まえ、下記を選定したとしている。

 既存疾患領域:泌尿器、がん、腎疾患、免疫科学、神経科学
 新疾患領域: 筋疾患、眼科

眼科領域のOcata 社を買収する一方、同社は11月11日、皮膚科領域に重点を置くデンマークのLEO Pharmaにグローバル皮膚科事業を譲渡する契約を締結した。

アステラス製薬は本事業譲渡により、競争優位の源泉となる機能へ再投資することで新薬創出力の更なる強化を図る。

譲渡の対象はアトピー性皮膚炎治療剤プロトピック®(日本は除く) と、主にEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域で販売されているにきび・皮膚感染症を対象としたローカル製品から構成されるグローバル皮膚科製品群に関する資産及び関連権利義務で、譲渡対価は 6億7,500万ユーロとなっている。

日本でのプロトピック®については、2010年12月にマルホ株式会社に日本におけるプロモーション活動を委託し、日本における販売権を2014年4月1日から移管している。

英製薬大手のAstraZenecaは11月6日、米のバイオ医薬品会社 ZS Pharma を27億ドルで買収すると発表した。

AstraZenecaはZSの株主に対し1株あたり90ドルを現金で支払う。11月5日終値に42%上乗せした水準になる。

主力の高脂血症治療薬 Crestor ®の特許が米国で切れたことを受け、心疾患治療薬のポートフォリオ拡充を目指す。

ZSが開発中の高カリウム血症 (hyperkalaemia) の治療薬「ZS-9」が将来、全世界で10億ドルを超える売上高になる可能性を評価した。
ZS-9 は現在、米当局が審査中で、来年5月26日までに承認の是非が判明する見通し。
欧州の販売申請も2015年末に行う。

AstraZeneca は循環器・代謝性疾患を中核に位置づけており、相乗効果が見込める。

カリウムの過剰摂取などが原因の高カリウム血症は、腎臓病や心不全を引き起こすリスクがある。

ZS-9は不溶解性、非吸収性のけい酸ジルコニウムで ion­-trap 技術によりカリウムイオンを取り込む。
ZS-9 は消化管を通り、大便に含まれ排出される。

AstraZenecaは昨年、米Pfizer からの買収提案を拒み独自路線を追求しており、買収で自社の治療薬を補完する。

Pfizerは2014年1月に合併の可能性についてAstraZenecaに打診した。

買収案は現金と合併後の新会社株式で支払う内容で、1株 46.61ポンド、時価総額は587億3000万ポンドとなる。

その後、数度増額したが、AstraZenecaは応じず、Pfizerは5月18日、最終案として1株55ポンド、総額約693億ポンドを提示した。
AstraZenecaは5月19日、この提案を拒否、5月26日、Pfizerは買収断念を発表した。

2014/5/12 Pfizer が AstraZenecaに買収提案


アイルランドに本社を置く医薬会社 Allergan plc は10月29日、Pfizerから事業統合の提案を受け、友好的に予備的交渉を行っているという28日付けのWall Street Journal の報道を認めた。

Allerganは後発医薬品世界最大手の イスラエルのTeva Pharmaceutical に 後発薬事業を売却することで最終合意しているが、Pfizerとの話がどうなろうと、売却は実行するとしている。

2015/7/29 後発薬最大手のTeva、米 医薬大手の Allerganから後発薬事業買収

米メディアは「実現すれば今年最大のM&Aになる」と伝えている。Allergan の時価総額は1100億ドル前後で、実現すると、ビール世界最大手のAnheuser-Busch InBev による同2位の英のSAB Millerの買収金額(1,036億米ドル)を上回り、今年最大のM&Aになる可能性が高い。

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Allergan plc は下記の歴史を持つ。

2012年4月に米ジェネリックメーカーのWatson Pharmaceuticalsは同じくジェネリックメーカーのActavis Groupを買収し、社名をActavisに改称し、2014年11月にしわ取りの医薬品BOTOX®が有名なAllergan plc を買収して、買収した会社の社名のAllerganに改称した 。

2回の買収で、ともに被買収会社の社名に改称したこととなる。

   

旧Allerganのしわ取りの医薬品BOTOX®が有名で、Pfizer は商品群をさらに広げるねらいがある。

Allerganはアイルランドを本拠にしており、Pfizerは統合後、本社をアイルランドに移すことを検討している。報道では本社海外移転によって年間の納税額は20億ドル前後も少なくなるという。

Pfizerは2014年1月に英同業のAstraZenecaに買収提案を行い、交渉を続けたが、同年5月26日、買収断念を発表した。Pfizerの経営幹部が、買収目的の一つを「効果的な租税負担を構築する」ことと述べており、買収目的の一つが、買収後は英国に多くの利益を留保・移転し、米国の高い税を回避するというものであった。

2014/5/12 Pfizer が AstraZenecaに買収提案

但し、租税回避を巡っては、各国が対応策を検討しており、今後はメリットがなくなる可能性がある。

欧州委員会は10月21日、Starbucksがオランダ政府から、Fiat Finance and Tradeがルクセンブルグ政府から、それぞれEUでは違法となる優遇税制を受けていたと判断し、更に、アイルランドによる米 Apple、ルクセンブルクによる米 Amazonへの税優遇などでも正式調査を進めている。

G20は10月8日、ペルーの首都リマで財務相・中央銀行総裁会議を開き、タックスヘイブン(租税回避地)などを使った多国籍企業の税逃れを防ぐ新たなルールを採択した。

米国も課税ルールの変更を検討している。

2015/10/27 欧州委員会、StarbucksとFiatの税優遇を違法と認定、追加徴税を指示

 


オバマ米大統領は11月6日、カナダと米メキシコ湾をつなぐ原油パイプライン Keystone XLの建設計画について、環境に悪影響を与える懸念から却下したと発表した。

米国務省が入念な調査の結果、パイプラインは「米国の国家的利益に沿わない」との結論に達したのを受けたもので、大統領は「この決定に同意する」と述べた。

大統領はホワイトハウスでの記者会見で、COP21に向け環境対策が国際的課題となる中、計画を承認すれば気候変動対策での「米国の国際的指導力を損ないかねない」と説明。業界などが主張する建設のメリットに関しては、ガソリン価格下落やエネルギー安全保障の強化につながらず、「米経済に意義ある効果はない」と退けた。

建設を申請したカナダのエネルギー企業 TransCanadaは、大統領の決定を受けて、あらゆる選択肢を見直す考えを示した。

TransCanadaが建設計画中のKeystone XL Pipelineは、カナダのOil sandを採掘・処理した合成原油の輸入拡大を目指す取組みで、既に操業中のKeystone パイプライン(Phase 1-2)が、カナダ産合成原油を米国中西部製油所に輸送するのに対し、Keystone XL パイプライン(Phase 3-4)はメキシコ湾岸製油所まで輸送する。

問題になっているのは、Phase 4 で、ネブラスカ州の1/4を占めるSand Hills 地域は湿原地帯で、Ogallala Aquifer (帯水層)の上にある。
ネブラスカ州の責任者や住民はSand Hills 地域への懸念に加え、Great Plains 諸州の飲用水のソースであるOgallala 帯水層を横切ることに懸念を表していた。

2015年1月9日に下院が建設を推進する法案を可決し、上院は別の法案を1月29日に可決した。これを受け、下院は2月11日に上院が通した法案を可決し、大統領に送った。

Obama大統領は2月24日、この建設推進法案に拒否権を発動した。

大統領は拒否権発動に当たり、国境を越えるパイプラインの建設承認は国務省の権限であることを踏まえ、「法案は行政上の手続きに違反し、パイプラインが国益にかなうかどうか判断する手続きを回避しようとしている」と米議会を批判し、地球温暖化や安全保障など国益への影響を考慮すべきだとの意向を改めて訴えた。

2015/3/2 Obama大統領、パイプライン法案に拒否権

米上院は3月4日、大統領の拒否権を覆すための採決を行ったが、62票の支持に対し反対票が37票と、大統領の拒否権を覆すために必要な3分の2に届かなかった。これにより、下院での採決は行われないこととなった。

カナダのハーパー首相は7月29日のインタビューで、「非常に長期にわたり前向きな決定が下されておらず、期待できる兆候でないのは明らかだ」と述べ、オバマ大統領と最近この問題を話し合ったとした上で、「この政権特有の政治があると私は考えている」と述べた。

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John Kerry国務長官は11月6日、調査結果の結論を発表した。

綿密なレビューの結果、パイプラインの承認却下が米国の国益に最も資するとの結論に達した。
大統領はこれに同意し、協議した8省庁はこれを受け入れた。

キイとなる事実は下記の通り。
・計画は米国のエネルギー安保にマイナスの影響を与える。
・米国の消費者にガス価格低下を導かない。
・米国の経済への長期的な貢献は限定的である。
・地域コミュニティや水の供給、文化遺産への影響に懸念がある。
・ダーティな燃料を米国に輸送する。

決定的な要素は、この計画の推進で気候変動への対応で世界のリーダーとなろうとしている立場を著しく弱めることである。

この計画は、一般に言われているような米国経済の牽引力にはならない。

中国の重機械メーカーの三一重工の子会社Ralls Corp.は2012年3月に、オレゴン州の4つの風力発電企業を買収したのに対し、オバマ大統領が2012年9月に、「国の安全保障に関わる」として、風力発電企業4社の買収と所有を禁止し、売却も認めず、所有権を放棄することを求め、三一重工が理不尽だとして訴えていた事件で、11月4日、三一重工と米国政府の間で全面和解に至った。

三一重工側が訴訟を撤回し、米国政府も大統領令の強制執行を撤回する。

Ralls Corp.は風力発電企業4社を第三者に売却できる。
外国投資委員会(CFIUS)はRallsが買収した他の風力発電事業が国の安全保障上で問題がないことを認め、将来の更なる投資を歓迎する。

実質的には三一重工の勝利である。

経緯は下記の通り。

三一重工の子会社Ralls Corp.は2012年3月に、オレゴン州の4つの風力発電企業(合計発電能力40百万ワット)を買収した。
買収目的は、三一重工の子会社の 三一電機が製造する風力発電タービンで風力発電を行うこととされる。

買収直後に、米海軍が、風力発電の場所が軍用機の訓練の邪魔になるとの懸念を表し、設備を除去するよう求めた。

外国投資委員会(CFIUS)は安全保障を理由にRallの4つの風力発電の建設と操業を止めるよう命じ、すぐに設備を除去することを求めた。

これに対し、Rall側は土地と設備を売りたいと申し出たが、CFTUSは許可なしに売却することを禁じ、その土地での三一重工の製品の使用を禁止した。

オバマ大統領は2012年9月、「国の安全保障に関わる」として、風力発電企業4社の買収と所有を禁止し、取得した所有権を放棄することを求めた。

これまで中国企業の買収阻止を命じたのは、1990年2 月にGeorge Bush大統領が行ったもので、China National Aero-Technology Import and Export Corp(中国宇宙航空技術輸出入公司)による航空機部品メーカーのMAMCO Manufacturing, Inc.の買収のみ。

2012/10/4  オバマ大統領、米国内での中国企業の風力発電買収を阻止 

三一重工は10月18日、これを不服として、オバマ大統領と米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)を米コロンビア地区連邦地裁に提訴した。

「一枚の禁止令により、2000万ドル以上の直接的な損失が生じ(間接的な損失を含まず)、企業の対外的なイメージも損なわれる。提訴はやむなきことだった。誰も裁判を望んでおらず、当社は潔白を証明するため仕方なく訴訟措置を講じた」

「米国は何の説明もなく、中国の風力発電プロジェクトを無理やり中止させた。中国製の設備の使用を禁じた上、当社が米国人の経営する米国企業に譲渡するのを禁じ、補償すら行わなかった」

2013年10月の一審では三一重工は敗訴したが、2014年7月15日、コロンビア特区連邦上訴合議法廷で、三人の判事が満場一致で、大統領令は多額の資産価値を奪うもので、明確な憲法違反であるとした

その後、話し合いを続け、和解に到った。

中国外務省は11月6日、「中国は欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and DevelopmentEBRD)に加盟の意向を示した」と述べた。

加盟の理由として、「中国の一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀の海のシルクロード)構想と欧州投資計画との連係を後押しし、中国とEBRDの協力関係を深めるためだ」と説明、「中国のEBRD加盟は各方面の利益に合致し、双方に利益をもたらす選択になる」とその意義を強調した。

中国が主導し年内に運営を始めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、英国やドイツ、フランスなど欧州各国が相次いで参加した。EBRDとの間でも、協調融資を含む協力関係を築く可能性が高い。
AIIBはすでに世界銀行、アジア開発銀行(ADB)との間で協調融資を実施する具体的な案件の検討に入っている。

習国家主席は10月に英国を訪問した際、英政府に対して中国のEBRDへの加盟を支持するよう要請している。中国から中央アジアを抜け、欧州に至る地域に巨大な経済圏をつくる一帯一路構想を進めており、EBRDに加盟することで、中央アジアや中東欧を舞台に欧州との連携を強めていく狙いがある。

EBRDは12月にも中国の加盟を認めるかどうかを判断する。

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欧州復興開発銀行(EBRD) は、ハンガリーやポーランド等の中東欧諸国における市場指向型経済への移行並びに民間及び企業家の自発的活動を支援するため、1991年3月に設立された。

現在の支援対象国は、中東欧の旧社会主義国及び旧ソ連構成国を中心とする35カ国で、市場経済化・民営化を進めるための民間部門に対する投融資及び技術支援等を中心に業務を行っている。

中東欧諸国の市場経済化の進展に伴い、市場指向型経済への移行が遅れている中央アジアやコーカス地域等の初期段階移行国(キルギス、モンゴル、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、グルジア、モルドバ)に対する支援活動を中長期的に拡大していくこととしている。

さらに、2010年末に中東・北アフリカ地域で発生した民主化運動(アラブの春)を受け、2012年8月に支援対象地域を南・東地中海地域(Southern and Eastern Mediterranean)へ拡大することを決定し、これまでにエジプト、チュニジア、モロッコ、ヨルダンが支援対象に加わっている。

一方で、中東欧諸国のうち、2004年にEUへ加盟した8カ国(チェコ、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトアニア)については、市場経済化が進展したとして、支援からの早期の卒業が期待されており、チェコは2007年12月に卒業した。

欧州諸国とEU、欧州投資銀行のほか、日・韓・米・加・豪・NZ・イスラエル・メキシコ・モロッコ・トルコが資金拠出加盟国となっている。

日本は設立当初からの加盟国であり、英独仏伊と並び、米国に次ぐ第2位の出資国となっている。

国共産党の中央委員会第5回全体会議は10月29日、4日間の日程を終えた。

主な議題は、次期人事のほか、①「一人っ子政策」の廃止、②経済政策(13次5ヶ年計画 )などであった。

① 「一人っ子政策」の廃止

中国は人口の増加を抑制するため、1979年から「一人っ子政策」を採用、少数民族などを除いて、夫婦がもうけることのできる子どもの数は原則として1人しか認めず、違反した場合には罰金を課してきた。 人権の侵害が指摘され、戸籍外の子どもが増えるなどの問題も生んだ。

中国では一人っ子政策の影響などから、世界的にも例のない速度で少子高齢化を引き起こしている。
15歳から59歳までの人口は2012年から減少に転じている一方、65歳以上の高齢者は増え続けていて、経済成長への影響を懸念する声が出ている。

中国の人口は2028年に14億人超でピークに達した後、減少に転じると予想されている。

2012年に減少に転じた労働力人口は、2020年代に至ると年間790万人のペースで急減していくと見込まれる。

農村などで男子を選んで産む風習も根強いため、2020年には、24~28歳の男性が22~26歳の女性を1千万人上回るとの研究もあり、性別のバランスを欠く人口が社会不安を引き起こす恐れもある。

このため、2013年には「夫婦のどちらかが一人っ子ならば2人目を認める」と緩和に踏み切ったが、新制度の利用率は低迷し、わずか2年でさらなる変更を迫られた。

今回、30年以上にわたって実施されてきた「一人っ子政策」を改め、すべての夫婦に対して2人の子どもをもうけることを認める。

しかし、計画出産そのものについては「基本国策として堅持する」として、2人までの制限を残す。

閉幕後公表されたコミュニケは、「人口の均衡ある発展を促進するため、計画出産の基本国策は堅持する。しかし人口発展戦略をより完全なものにするため、1組の夫婦が2人の子供を産める政策を全面実施し、積極的に高齢化に対する行動を展開していく」としている。

国家衛生計画出産委員会は、「労働力の供給を増やし、高齢化の圧力を軽減する。さらに持続的な経済発展にも役立ち、家庭の幸福や社会の調和を促進する」と説明している。

参考

政策で人口を操作すると、その影響はずっと続く。
日本の少子高齢化、人口減少も過去の二つの政策の影響であり、対策はない。

第一は戦前(1920~40年前半)の「産めよ増やせよ」政策で、出生数が急増している。
この年代は現在70歳~90歳で、今後人口急減の原因となる。

第二は1948年の優生保護法である。
1947~49年に復員や外地からの引き揚げ等で第一次ベビーブームが起こった。
食料不足のなか、餓死を避けるため優生保護法がつくられた。産児制限により、年間270万人の出生数が160万人にまで減少した。

この結果、次の世代、その次の世代の出生数が激減することとなった。

2012/12/17 紙おむつと日本国債


②経済政策(13次5ヶ年計画 )

中国共産党は11月3日、2016~20年の第13次5カ年計画の草案を公表した。併せて、習主席による「計画の解説」も発表した。

それによると、「第13次五カ年計画」は中国の経済発展が新常態(New Normal) に移行した後の初の五カ年計画で、新常態に適応し、新常態を把握し、新常態を牽引する役割が求められる。

新常態下では、中国の経済発展は速度の変化、構造の最適化、原動力の転換という3つの大きな特徴を備える。
 ・成長速度は、高速から中高速へと転換し、発展の方式は規模・速度型から質・効率型へと転換する。
 ・ 経済構造調整は、増量・能力拡大を主とするものから、ストック調整・最適化と増量が併存するものへと転換する。
 ・発展の原動力を、主に資源と安価な労働力といった要素への依存から、イノベーション駆動へと転換しなければならない。

2016年から2020年にかけての年間経済成長率を6.5%以上とする。
(数値目標などを盛った詳細な計画は、来年3月の全国人民代表大会で正式に決定する。)

2020年までに国内総生産(GDP)と都市・農村住民の1人当たり国民所得を10年比で倍増させるという目標を実現させるために必要な成長速度である 。

2010年の都市住民の1人当たり可処分所得は19109元、農村住民の1人当たり可処分所得は 5919元であり、2020年までに倍増を実現するためには、年間経済成長率は少なくとも6.5%を達成しなければならない 。

過剰生産能力の改善、産業構造のグレードアップ、イノベーション駆動発展の実現といった点で一定の時間と余地が必要になり、経済の下方圧力は顕著となり、やや高い経済成長を維持するには多くの困難を要する。


ハウス食品グループ本社は、"切っても涙が出ない、辛みのない全く新しいタマネギ" を 「スマイルボール」と名付け、数量限定・チャネル限定で10月末から発売した。

・販売価格は、約400g(中玉2個相当)で450円(税別)
・有機野菜などの食材宅配ネットスーパーを展開する「Oisix」、都内の一部の百貨店で販売。

「涙を流さなくなることで、全てのお客様が笑顔になる新しいタマネギでありたい。これまでのタマネギにとらわれず、新しい食べ方や食シーンをお客様と一緒に(キャッチボールをしながら)創造できるタマネギでありたい。 」という想いを込め、笑顔とボールを組み合わせて「スマイルボール」とした。

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2013年のIg Nobel 賞で、ハウス食品の今井真介研究主幹のグループが「タマネギの催涙成分をつくる酵素」の発見で「化学賞」を受賞した。発見に貢献した石川県立大の熊谷英彦学長が共同受賞者となった。

今井主幹が「これまでたまねぎに泣かされてきたすべての人々にこの賞を贈ります」とあいさつ、会場から喝采を浴びた。

タマネギを切ると涙が出てくる成分は、タマネギやニンニクの風味をつくる成分と同じ酵素でつくられると考えられてきた。

レトルトカレーの製造過程でニンニクとタマネギを一緒に炒めると、緑色に変色する現象が起きた。
その理由を解明中に、タマネギの催涙成分としてすでに知られている酵素とは別に、もう1種類の新たな催涙因子合成酵素を発見した。

2002年 催涙成分合成酵素(lachrymatory factor synthase)の発見。
催涙成分ができるには、アリイナーゼとLFS が必要なことを発表(Nature 掲載)。

この酵素と、たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると、涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっていることが分かった。

その後、この酵素の働きを止めることで、切っても涙が出ないタマネギを作ることに成功している。

催涙成分生成の仕組み(反応経路)がわかったことで、その反応が進まないタマネギが、「涙の出ないタマネギ」となると考え、研究は次のステップへ。

非遺伝子組み換え手法(重イオンビーム照射したタマネギの中から、催涙性の弱いものを選び育てる)によるタマネギの作出をスタート。

2012年 非遺伝子組み換え手法によって、アリイナーゼの働きが著しく低いタマネギ(今回のタマネギ)の作出に成功。

また、この酵素をドライアイの検査に応用する研究が進んでいる。

2013/9/16 2013年 Ig Nobel 賞、日本の2チームが受賞



塩野義製薬は10月30日の投資家向けの経営説明会で、インフルエンザを1回の投与で治療できる新薬を 2018年にも発売する計画を公表した。

従来のインフルエンザ治療薬とは全く異なる仕組みの薬で、売上高が年間500億円以上の大型薬になるとみられ、抗エイズウイルス(HIV)薬や、複数の薬に耐性ができた菌の治療薬とともに事業の柱に育てる。

11月以降に数百人規模の患者を対象にした第2段階の治験を行い、有効性などを確認し、最速で2017年度内の申請を目指す。


インフルエンザウイルスは、感染した細胞内で遺伝子を複製し、増殖・放出することで他の細胞に感染を拡大する。



現在、治療に用いられている抗ウイルス剤はノイラミニダーゼ阻害剤(Neuraminidase inhibitors)で、増殖されたウイルスの放出を阻害して感染の拡大を防ぐもの。

オセルタミビル(oseltamivir)  ロシュ 商品名 タミフル
ラニナミビル(Laninamivir) 第一三共 商品名 イナビル
ペラミビル (Peramivir)    米国 BioCryst Pharmaceuticals

発症後48時間以内に服用しなければ効果が得られず、タミフルの場合は5日間程度服用を続ける必要がある。

エボラ出血熱の治療に使われた富士フィルムのファビピラビル(favipiravir)(商品名アビガン)は元々インフルエンザ用治験薬で、ウイルスの細胞内での遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐRNAポリメラーゼ阻害剤である。

現時点では厳しい条件がついており、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合に、患者への投与が検討される。

2014/8/11  富士フイルムのインフルエンザ治験薬、エボラ出血熱治療に有望か →効果確認

これに対し、塩野義が開発中の新薬(S-033188) は、ウイルスが細胞に進入後、最初の反応となるmRNA合成の開始を特異的に阻害するCapエンドヌクレアーゼ阻害剤である。ウイルスの増殖に必要なタンパク質が合成できなくなり、ウイルス粒子が形成されなくなる。

・ 高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む各種 A型、B型ウイルスに強い活性を示す。
・ 一回の投与で治療完結を目指す。
・ Phase 1 試験で、安全性と動態プロファイルを確認
・ 厚労省の「先駆け審査指定制度」対象として指定 

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先駆け審査指定制度は、2014年6月に厚労省が取りまとめた「先駆けパッケージ戦略」の重点施策や、「日本再興戦略」改訂2014を踏まえて導入したもの。

患者に世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目指し、一定の要件を満たす画期的な新薬等について、開発の比較的早期の段階から対象品目に指定し、薬事承認に係る相談・審査における優先的な取扱いの対象とするとともに、承認審査のスケジュールに沿って申請者における製造体制の整備や承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで、更なる迅速な実用化を図る。

原則として既承認薬と異なる作用機序により、生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して、極めて高い有効性が期待される医薬品を指定する。
審査期間をこれまでの半分の6ヶ月まで短縮することを目指す。

2015年度は試行的な取組みとして実施するが、厚労省は10月27日、6品目の医薬品を初めて指定した。

医薬品の名称 予定される効能または効果 申請者
シロリムス(NPC-12G) 結節性硬化症に伴う血管線維腫 ノーベルファーマ
NS-065/NCNP-01 デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD) 日本新薬
S-033188 A 型またはB型インフルエンザウイルス感染症 塩野義製薬
BCX7353 遺伝性血管浮腫(HAE)の患者を対 象とした血管性浮腫の発作の管理 Integrated Development Associates
ASP2215 初回再発または治療抵抗性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病 アステラス製薬
ペムブロリズマブ
(遺伝子組換え)
治癒切除不能な進行・再発の胃癌 MSD

既報のとおり、Samsung Group は2014年11月、防衛産業を手掛ける Samsung Techwin などと、石油化学のSamsung General Chemicalsの57.6%とSamsung Total Petrochemicals の持分(50%)を韓国Hanwhaに1.9兆ウォン(約2000億円)で売却すると発表した。

防衛関連 Samsung Techwin の32.4% 8400億ウォン
Samsung Thalesの 持分(50%)
Samsung Techwinと仏大手電機メーカーThalesのJV
石油化学 Samsung General Chemicalsの57.6% 1兆0600億ウォン
Samsung Total Petrochemicals の持分(50%)
Samsung General Chemicalsと仏Total のJV

2014/12/1 Samsung Group、防衛、石化事業をHanwhaに売却 

Samsung Group には他に、電子化学素材や精密化学などを扱う Samsung Fine Chemicals があったが、電子素材との関連性を踏まえ、売却対象から外したとみられた。
また、Samsung General Chemicals 49%、BP 51%出資で、酢酸や酢ビのメーカーのSamsung BPがあり、Samsung SDI にもエンプラ事業がある。


今回、Samsung Group はこれらをロッテに売却することを決めた。石油化学事業から撤退し、IT、バイオ事業に集中する。
ロッテグループは10月30日、Samsung Groupの石油化学事業を3兆ウォン(約3千億円)で買収すると発表した。

Samsungが売却する事業は下記の通り。

 1)Samsung SDI の化学部門(エンプラ等)

分社した上で、90%をロッテに売却し、10%は引き続きSamsungが保有する。

 2)Samsung Fine Chemicals のSamsung 持分

尿素、アンモニア、エピクロルヒドリン、苛性ソーダ、ジメチルホルムアミドなどの一般および精密化学品を製造。
メセロース、マロネートなど医薬品・塗料製造で使用される化学製品も手掛ける。

Samsung SDI (14.7%)、Samsung Electronics (8.39%)、Samsung C&T (5.59%)、自社株 (1.28%)、Samsung Asset Management (1.12%)など保有の31.23%を売却。

 3)Samsung BP の49%(酢酸、酢ビなど)

Samsung BP の49%はSamsung SDIが保有していたが(残りはBP)、本年8月にSamsung Fine Chemicalsから、同社と戸田工業の電池の正極材のJVであるSTM(Samsung Toda Material)の持分約72%を買収し、同時に所有するSamsung BPの持分をSamsung Fine Chemicalsに売却した。

今回、Samsung Fine Chemicalsの持分と合わせ、同社に移したSamsung BP の持分をロッテに売却する。

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三星グループ総帥の李健熙会長は病床にあり、後継者の李在鎔 副会長が体制つくりを行っている。防衛産業と石油化学事業の売却はその一環である。

2014年12月にSamsung Group の持株会社 第一毛織(Cheil Industries Inc.) を上場した。

Samsung Groupの創業事業の一つの旧「第一毛織」は織物事業から始まり、1980年代にファッション事業、1990年代にケミカル事業(PS、ABS等)、2000年代には電子材料事業へと進出してきたが、2013年にファッション部門を三星エバーランドに譲渡し、2014年7月1日Samsung SDI と合併した。

「三星Everland」は事実上のサムスングループの持株会社で、ソウル南方の龍仁市にあるテーマパークの三星Everlandを運営し、上記のとおり旧第一毛織からトータルファッションを買収している。

旧第一毛織がSamsung SDI と合併したのに伴い、創業事業の一つである「第一毛織」に改称し、2014年12月に上場した。

  2014/12/2 Samsung Group の持株会社 第一毛織の上場

三星グループの持株会社の第一毛織(旧 三星Everland)と、商社・建設部門の三星物産は2015年5月にそれぞれ取締役会で両社の合併を決議した。
7月に臨時株主総会で可決し、9月1日付けで合併した。

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Lotte Chemical は韓国(2箇所)とマレーシアに合計280万トンのエチレン能力を持つ。

旧 湖南石化 麗川 1,000千トン
旧 現代石化(第二系列) 大山 1,000千トン
Lotte Chemical Titan マレーシア ① 345千トン
② 495千トン
 合計 2,840千トン

Lotte Chemicalは2015年6月18日、ルイジアナ州に2つの石油化学JVを設立すると発表した。

第一のJVはシェールガスに付随するエタンを分解し、エチレンを生産するもので、 Lotte Chemicalが90%、Axiall Corp.が10%出資する。
立地は最終的には決まっていないが、
Lake Charles近郊とされている。

エチレン能力は年産100万トンで、出資比率に応じ、Lotteが90万トン、Axiallが10万トンを引き取るが、Lotteは自社枠のうち40万トンをAxiallに販売する。Axiallはエチレンを自社のPVCに使用する。

引取枠90万トンの追加で、Lotteのエチレン能力は370万トンとなる。

2015/6/22 韓国 Lotte Chemical、米国で石油化学

米国では2016年予算案(2015/10~2016/9)が決まらず、ギリギリの9月30日に、12月11日までの暫定予算法案を可決した。
連邦債務を巡る法定上限の引き上げについては、2015年3月16日以降は18兆1000億ドルの法定上限を超過する借り入れはできなくなり、政府が持つ基金の金を活用するなどの特別な措置でやりくりしており、11月3日にもデフォルトが発生する懸念があった。

暫定予算も下院のJohn Boehner議長(共和党)が10月末での議長退任、下院議員辞職を表明し、ようやく通ったもの。

2015/10/15 米国、2016会計年度予算も暫定予算でスタート 

オバマ大統領は10月2日、債務上限問題について、解決する責任は議会にあるとして、野党共和党とは「交渉しない」と改めて表明。議会が上限を引き上げなければ、米国債のデフォルトが発生し「金融システムは危機に陥る」と警告した。 

これを受け、米政府と議会指導部は協議を続け、10月26日遅く、連邦債務上限の引き上げと2年間の予算案の概要で合意に至った。

合意した重要事項は以下の通り。

 債務上限引き上げ

米財務省は債務上限凍結が切れた2015年3月以降、緊急の資金繰り策によって債務残高を上限の18兆1000億ドル以内に抑えてきた。

今回、債務上限凍結を2017年3月15日まで再び延長し、それ以降については期限までに行った借り入れを含む金額を新たな上限として設定する。

 予算合意

2017年9月30日までの全体的な資金調達額が決まった。
共和党と合意した歳出の強制削減(シクエスター)による上限を上回る支出を認め、上乗せ額は軍事関連支出と非軍事支出について同額とする。
裁量的支出は2016年度(15年10月〜16年9月)予算で500億ドル、2017年度予算で300億ドルそれぞれ増額する。
共和党の最優先課題である軍事関連支出も増額する。強制削減の対象となっていない国防総省と国務省の軍事予算を2016、17年両年度について160億ドルずつ増やす。

 財源の手当て

今後2年間の裁量的支出増加分800億ドルの大半は、歳入増と数年余り実現していない歳出削減でカバーする。
農家が加入する穀物保険に対する補助金を削減し、30億ドルの資金を確保する。
戦略石油備蓄の一部売却を認め、今後10年で50億ドルを手当てする。

米議会下院は10月28日、2016、2017会計年度(2015/10~2017/9) の予算案と債務上限の引き上げを盛り込んだ法案を賛成多数で可決した。

上院も10月30日、可決した。

上院   下院
共和党 民主党 無所属 合計 共和党 民主党 合計
賛成 18 44 2 64 79 187 266
反対 35 35 167 167
棄権 1 1 1 1 2
合計 54 44 2 100 247 188 435

オバマ米大統領は11月2日、この法案に署名し、法案が成立した。
大統領は、「2年分の資金を確保することで、政府閉鎖の脅迫やギリギリの修正の繰り返しから解放されるだろう」と述べた。

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下院は10月29日、辞任を表明したJohn Boehner議長(共和党)の後任を選ぶ選挙を行い、同じ共和党の45歳のホープ、Paul Ryan 歳入委員長を選出した。

三井物産は10月28日、Dow Chemical と共同でブラジルで手掛けてきたバイオマス資源事業からの撤退を決めたと発表した。

50/50JV のSanta Vitória Açúcar e Álcool Ltda (SVAA)の同社持分(50%)を約2億ドルでDow に売却する。


三井物産は2011年7月、Dow全額出資のSVAAの株式50%を増資引受にて取得すると発表した。
ブラジルでサトウキビ農園運営からバイオポリエチレン等、バイオ化学品製造までの一貫事業を合弁で行う。

ミナスジェイラス州に2013年以降、年産能力24万kl のバイオエタノール工場を複数建設する。
2015年にはこのエタノールを原料に年産35万トンの植物樹脂工場を建設する。植物樹脂工場としては世界最大規模。

名称 Santa Vitória Açúcar e Álcool Ltda
(Santa Vitória Sugar and Ethanol Inc.)
所在地 ブラジルMinas Gerais州Santa Vitória市
事業内容 サトウキビ農園運営、化学品原料としてのバイオエタノール製造事業。
バイオエチレン、バイオポリエチレン及びバイオマス資源からの化学品製造販売事業へ順次拡大予定。
出資比率
(出資後)
Dow:50%
三井物産:50%
三井投資額 約2億米ドル

プロジェクト概要

2011/7/21 三井物産、ダウのブラジル・バイオ化学品事業に参画

上記のとおり、バイオエチレン、バイオポリエチレン及びバイオマス資源からの化学品製造販売事業へ順次拡大する予定であったが、市場価格の低迷などから事業化の見通しが立たず、撤退を決めた。

三井物産は原油やガス等の化石資源に加え、バイオマス資源からの化学品事業(グリーンケミカル事業)を展開しており、SVAAからは撤退するが、引き続き再生可能なバイオマス資源を確保することで化学品原料の安定確保に貢献すると共に、同資源から環境負荷の低いさまざまなバイオ化学品を製造することを目指すとしている。

また、ブラジルを重点地域のひとつとして位置付けており、ダウ社を戦略的パートナーと位置付けている。

公正取引委員会が、納入業者に不公正な取引を強いるなど独禁法に違反する行為の改善を企業が約束した場合、調査を終了し、課徴金などの処分を見送る新たな制度(コミットメント制度)の導入を検討していることが分かった。

EUでは導入されており、TPPで同様の制度導入が義務付けされたことを受けた対応で、違法状態を迅速に解消し、企業活動の停滞を防ぐことなどが狙い。
TPPでは競争当局と企業の合意により自主的に問題解決できる仕組みの導入を義務付けた。

現状では、企業は公取委からの一方的な命令や課徴金を受け入れるか、不服として法廷で争うかの大きく2つの選択肢しかなかった。

コミットメント制度では、企業が独禁法に違反した疑いがある場合、公取委が法的な問題点を指摘する。
企業が解決策を公取委に提示し、公取委が妥当と判断し、企業が解決策の実行を約束すれば、公取委は本格的な調査に入らず違反認定もしない。

EUでは、対象となるのは、納入業者に圧力をかけ取引を妨害するなどの行為が対象で、制裁金の対象となる談合やカルテルは対象外になっており、日本でも同様と思われる。

公取委は早ければ来年の通常国会に独禁法の改正案を提出する。

EUでは、従前の実務慣行を明文化し、規則1/2003第9条で「コミットメント決定 (commitment decisions)」の制度が導入された。

違反行為の審査の過程で生じた懸念について、対象事業者が当該懸念を解消するための措置を講じる旨を申し出た場合に、EU委員会はこれを受諾することができ、手続を継続する根拠が失われた旨を宣言する。

対象事業者及びEU委員会の双方において、手続の負担を軽減させるメリットがあるとされている。

対象事業者が約束を守らなかった場合など一定の場合、EU委員会は手続を再開することができる。約束を破った企業に前年度売上高の最大1割の課徴金を支払わせている。

コミットメント決定は、カルテルなど制裁金を課すことが適当な事案においては利用できない。(規則1/2003 recital(13))。

三井物産は10月23日、ブラジル国内19州の地域ガス配給事業会社を保有する Petrobras Gás S.A.(Gaspetro)の一部株式を取得するため、ブラジル国営石油会社Petróleo Brasileiro S.A.(Petrobras)と株式売買契約を締結した。

買収額は約19億レアル(670億円)で、Gaspetroの株式の49%を取得する。(残り51%はPetrobrasが引き続き保有する)

ブラジルにおけるガス配給事業は、州政府から供与されたコンセッションに基づく地域独占事業であり、ガス事業会社は州政府と締結したコンセッション契約に基づき、州内・管轄域内でガスパイプライン網などのガス配給インフラ整備に取り組むと共に、Petrobrasから購入したガスを州内の発電所、一般産業・商業・民生需要家向けや天然ガス自動車用の燃料等として配給している。

今回取得するGaspetroは、ブラジル中部、北東部、南部等の各地域にバランスよく展開されたポートフォリオを構成しており、いずれも今後の経済発展とガス需要の増加が見込まれている地域。

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三井物産は、2006年にブラジル7州のガス事業会社に出資参画するGas Participacoes Ltda (Gaspart) をGlobal Petroleum & Gas から250百万米ドルで買収し、Gaspart をMitsui Gas e Energia do Brasil Ltda(三井ガス)と改称した。
7州のガス事業会社には、三井ガスが24.5%、Gaspetroが24.5%、各州政府が残り51%を出資する。

更に2014年12月にブラジル北東部セアラ州の地域ガス配給事業会社であるCompanhia de Gas do Ceara S.A.(Cegas)の株式(普通株24.5%、優先株50%、経済損益比率41.5%)をTaquari Participacoes S/A から買収した。
普通株の残りは、Gaspetroが24.5%、州政府が51% を保有し、優先株についてはGaspetroが50%保有する。

Cegas社株式を取得することにより、三井ガスが出資参画するガス事業会社の取扱配給総量は日量1,469万m3となり、ブラジル国内のガス配給取扱量の22%を担 うこととなったが、今般のGaspetro株式の取得により、出資参画するガス事業会社は19州へと拡大し、それらガス事業会社の取扱ガス配給総量は倍増の日量約30百万m3となる。

今回のGaspetroへの出資で、三井ガスの事業は下記の通りとなる。

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