第4回中国・中東欧諸国首脳会議(16+1)が11月24、25日の両日、江蘇省蘇州市で開催され、李克強総理と中東欧16カ国の首脳が出席した。
中国による同会議の開催は今回が初めて。
温家宝総理は2012年4月26日、ワルシャワで中東欧16カ国首脳との初の「中国・中東欧諸国首脳会談」に出席した。
温総理は、グローバル化の急速な進展、世界金融危機と欧州債務問題のもたらした厳しい試練を前に、中国と中東欧諸国は一層の関係の緊密化と協力の深化を強く望んでいる」と指摘し、中国とと中東欧諸国の関係推進の原則として次の4点を提言した。
(1) 相互尊重と対等な付き合いを堅持し、互いの重大な懸念に配慮し、政治的相互信頼を深化する。 (2) 経済・貿易分野の実務協力の強化に力を入れる。作業枠組みと交流のプラットフォームを整備し、中国の打ち出した一連の重要な措置を十分に活用して、短期間で具体的成果を得られるようにする。 (3) 人的・文化交流を強化する。戦略的観点から青年・メディア交流を強く重視する。 (4) 中国・欧州関係の発展に共に新たな活力を注ぐ。
中東欧16カ国は下記の通り。
アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、
エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マケドニア、
モンテネグロ、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア
今回の蘇州での会議には、オーストリアとギリシャが初めてオブザーバー国として参加した。イタリアも将来の加入を希望している。
中国人民大学国際関係学部の王義桅教授は以下の通り述べている。
今回の中国・中東欧諸国首脳会議は『1ベルト、1ロード』(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海のシルクロード」計画)という大きな環境の下で受け止める必要がある。
中国は最大の発展途上国であり、中東欧は欧州の新興国が集中する地域であり、両者の協力には大きな将来性がある。
『1ベルト、1ロード』は中国と中東欧をより緊密に結びつけ、中国と中東欧の発展に大きな建設空間と発展の潜在力を提供する。
人民日報は以下の通り述べている。
「1ベルト、1ロード」の60カ国余りの沿線諸国のうち、中欧・東欧諸国は4分の1を占め、世界の新興市場の重要な地域となっている。
「1ベルト、1ロード」の建設は、沿線諸国の企業の投資の道や貿易の道を広げるだけでなく、中国と中東欧諸国との文化の道と友情の道を広げるものともなる。
「16+1協力」は、中国とASEANによる「10+1協力」に続き、中国が提案して実現した新たな協力メカニズムとして成功を収めつつある。
今回の会議は、「新たな原動力」「新たなプラットフォーム」「新たなエンジン」を用意するものともなった。
「新たな原動力」
国際電子商取引への協力分野の拡大や「バーチャル 16+1技術移転センター」設立の奨励・支援などでの協力は、新たな成長源として「16+1協力」の価値を高めている。
「新たなプラットフォーム」
「16+1協力」は、中国による中東欧諸国への投資の促進という当初のねらいを超え、金融協力での双方向的な進展ももたらし、中国・中東欧諸国金融会社などの新たな融資プラットフォームの構築も進んでいる。
「新たなエンジン」
相互連携・相互接続や地方協力は、「16+1協力」の新たなエンジンとなっている。
近年開通した「蘇満欧」(蘇州・満州里・欧州)国際列車は、中国・欧州国際鉄道コンテナ列車建設をさらに一歩前進させ、「16+1」の物流協力連合会や交通インフラ協力連合会などの形成を後押ししている。
ポーランドのウッチ市が四川省成都市に事務所を設け、成都とポーランドが教育協力協定を締結するなど、地方外交の革新が進み、地方協力の水準は高まっている。
中国の地方と中東欧諸国は現在、科学的で合理的な分業体系を形成している。
例えばブルガリアは「16+1協力」の農業協調国、ハンガリーは観光協調国、セルビアはインフラ協調国となるなど、「16+1協力」の活力をさらに高めている。
中国・中東欧諸国の地方首脳会議や地方省・州知事連合会などによる地方協力のメカニズムは、「16+1協力」の新たなエンジンとなっている。
李克強総理は11月25日、第4回中国・中東欧諸国首脳会議に出席した中東欧諸国首脳と共に、蘇州北駅から上海虹橋駅まで100キロ、20分余り、中国の高速鉄道に乗車した。
李総理は「中国は交通インフラ分野で優れた製造能力、先進的技術を持ち、コストパフォーマンスに優れ、国際的競争力を持つ。これは長年の経済発展、技術進歩、装備高度化、事業建設人材育成など多方面の要素が蓄積した成果だ。現在、中国側は中東欧諸国と連携して協力し、交通インフラなどの分野で製造能力協力を展開し、高速鉄道と鉄道の設計、建設においてカスタマイズした案と製品を提供し、各国の工業化と地域統合プロセスを手助けすることを望んでいる」と述べた。
また「中国・中東欧諸国協力は一両の列車のようなものであり、最初の始動から3年間で徐々に加速し、すでに高速レーンに入っている。高速なだけでなく、快適で安全だ。われわれの協力は快速であるだけでなく、互いのニーズと快適度を十分に考慮し、さらに世界の発展、繁栄、平和、安定を促進する積極的なパワーでもある」と強調した。
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