米連邦議会のジョンソン下院議長(共和党)ら上下院指導部は2月28日、政府機関の一部閉鎖を回避するための新たな「つなぎ予算」で合意した。現行のつなぎ予算の最初の失効期限が3月1日に迫り、対応を求められていた。
米議会上院と下院は1月18日、3回目のつなぎ予算案を可決した。19日に迫る連邦政府機関の一部閉鎖を回避するための同予算案はバイデン大統領に送付され、 大統領は19日、これに署名し、同法が成立した。
今回のつなぎ予算案は 退役軍人省やエネルギー省、農務省、運輸省、住宅都市開発省向けを3月1日まで、他の機関 (金融・サービス、商務・司法・科学、労働・保健・教育、国防、国土安全、内務・環境、立法、外交の8分野)の資金を3月8日まで手当てするもの。
歳出カットは実施せず、ウクライナとイスラエルへの軍事支援は含まない。
2024/1/22 米国つなぎ予算案成立、政府機関の閉鎖回避
ジョンソン氏らは今回、審議が難航している2024会計年度(23年10月~24年9月)予算案を、3月22日までに成立させることで合意した。
共同声明によると、与野党交渉担当者は24会計年度予算案の一部(12本の予算のうちの6本で、退役軍人省やエネルギー省、農務省、運輸省、住宅都市開発省向け)で昨年合意したレベルにすることで合意。これについて最終文書を策定し3月8日までに上下院で可決させる。
残る6本の歳出分野でも詰めの交渉を進め、3月22日までに可決させる。
これらの手続きを進める時間を確保するため、今週中に新たなつなぎ予算を成立させる。現行のつなぎ予算の失効期限は3月1日と8日だったが、新たな失効期限は3月8日と22日となる。
ただ、共和党の一部保守強硬派は大幅な予算削減を求めており、先行き不透明な面もある。
米下院は2月29日、つなぎ予算の延長に関する法案を賛成320票、反対99票で可決し、上院に送付した。上院は29日中の法案可決を急ぐ。
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ただし、ウクライナ、イスラエルや他の同盟国への950億ドルの緊急支援予算については、下院で進展はない。.
上院はこれまで与野党の対立で宙に浮いていたウクライナへの軍事支援の予算について、2月13日に緊急の予算案を可決した。
バイデン案 2/7 否決 2/13 可決 ウクライナ支援 614億ドル 601億ドル 600.6億ドル 米国国境不法移民対策 136億ドル 202億ドル 除外
イスラエル支援 143億ドル 141億ドル 141億ドル ガザ支援 92億ドル 100億ドル 91.5億ドル インド-太平洋 74億ドル 48.3億ドル 48.3億ドル 紅海対策 24.4億ドル 24.4億ドル その他 63億ドル 47.6億ドル 合計 1060億ドル 1180億ドル 953.4億ドル
2024/2/15 米議会上院 ウクライナ支援の予算案可決 成立は不透明な状況
西側同盟国はジョンソン下院議長がこれをどう処理するか、注目している。バイデン大統領が2月27日に議会指導者をWhitehouseに集め説得した。
なお、下院は除名された共和党のSantos議員の後任に民主党員が選任され、共和党 219 対 民主党 213(欠員 3 )となっている。
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イスラエル支援に関しては、米国内で民主党のリベラル系支持者やアラブ系住民を中心にイスラエルの軍事作戦への批判が高まっている。
米国は2月8日、武器を供与する同盟国や友好国に対して、国際法に沿った使用などの誓約を求めることを決めた。
米政府は2月27日、ガサでの民間人被害を防ぐため、イスラエルに対し米国供与の武器使用の際に国際法を順守することを誓約する書面を3月中旬までに提出することを求めた。期限までに提出されない場合、武器供与の停止の可能性がある。
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