「no」と一致するもの

中国海洋石油総公司(CNOOC)傘下の海洋石油工程がShellからのオーダーで製造した巨大スマート集積化円筒型浮体式石油生産貯蔵積出設備 「Penguins FPSO(Floating Production Storage and Offloading System)」が11月29日、山東省青島市で引き渡された。

この設備の全体の高さは118メートル、総重量は約3万2千トンに達する。 (写真は新華社)

このPenguins FPSOは北海のBrent 油田のなかのPenguins oil and gas field の掘削に使用される。

Penguins はShell 50%、ExxonMobil50%であったが、昨年、NEO Energy がExxonMobilの権利を買収した。Shellがオペレーターである。

生産量は45,000 barrels of oil equivalent per day (boe/d) である。


この油田は1974年に発見され、2002年に開発を開始、当初は4つの井戸で汲み上げ、近くのBrent Charlie platformに送られていた。
2017年にBrent Charlie platformの閉鎖を決め、Shellは2018年にPenguins をFPSOで再開発することを決めた。新たに8つの井戸が掘削され、FPSOに接続される。

FPSOで処理された原油はタンカーで製油所に送られ、ガスは Far North Liquids and Associated Gas System pipeline経由でスコットランドのSt Fergusのガスターミナルに送られる。

海洋石油工程は2018年に建設を開始、当初は2021年3月に引き渡しの予定であったが、COVID-19の影響で遅れた。

ーーー

2015年に韓国の現代重工業がノルウェーのENI Norge ASからの注文で世界最大となる100万バレル級の円筒形FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)を製造、ノルウェー北部ハンメルフェストから北西85km離れたGoliat海上油田に送られた。

高さ75メートル、重量5万9000トンである。

アメリカのFCC(連邦通信委員会)は11月25日、華為技術など中国の大手企業の通信機器の輸入と販売を禁止すると発表した。

決定:REPORT AND ORDER, ORDER, AND FURTHER NOTICE OF PROPOSED RULEMAKING

発表:FCC Bans Authorizations for Devices That Pose National Security Threat

今回の措置について、FCCは声明で「安全保障上の脅威からアメリカ国民を守るための継続的な取り組み」だとしている。

政府から補助金を受けるアメリカ企業が華為技術などから機器を購入することは既に禁じられている 。

2018/12/11 2019年度米国防権限法(NDAA2019) --- Huawei、ZTE等の米政府機関との取引からの排除

今回の規制で国内からの排除を徹底する。

バイデン政権は先月に最先端半導体技術の中国への輸出規制を強化したばかりで、ハイテク製品をめぐる米中の対立は深まる一方 である。

米商務省は10月7日、国家安全保障上の懸念を理由に、中国に対する半導体および関連製造装置の輸出制限を強化した。

中国は同技術を使用して、大量破壊兵器を含む軍事システムを製造し、軍の効力を向上させ、人権侵害を犯しているとし、中国による高度な半導体の購入や製造、スーパーコンピュータの開発を規制する。

「国家安全保障を守り、軍事用途の機密技術が中国の軍や諜報機関、セキュリティサービスに不正に入手されるのを防ぐために、あらゆる手段を適切に講じている。脅威の環境は絶えず変化している。本日政策を更新したのは、同盟国やパートナーとの支援活動や調整を継続する中で、中国がもたらす課題に確実に対処するためだ」としている。

具体的には、国家安全保障と米国人の安全に容認できない脅威をもたらし得るとして指定された「対象機器・サービス」("Covered List" に掲載されたもの)について米国への輸入と販売を禁止するもの。

現在のリストは下記の通り。

Covered Equipment or Services*

Date of Inclusion
on Covered List

Telecommunications equipment produced by Huawei Technologies Company

March 12, 2021

Telecommunications equipment produced by ZTE Corporation.
Video surveillance and telecommunications equipment produced by Hytera Communications Corporation
Video surveillance and telecommunications equipment produced by Hangzhou Hikvision Digital Technology Company
Video surveillance and telecommunications equipment produced by Dahua Technology Company
 以上について 2021/6/22 米、Huaweiなど中国製の通信機器の認証禁止へ
 その後、下記が追加された。
Information security products, solutions, and services supplied, directly or indirectly, by AO Kaspersky Lab or any of its predecessors, successors, parents, subsidiaries, or affiliates. March 25, 2022
International telecommunications services provided by China Mobile International USA Inc.
Telecommunications services provided by China Telecom (Americas) Corp.
International telecommunications services provided by Pacific Network Corp and its wholly-owned subsidiary ComNet (USA) LLC
September 20, 2022
International telecommunications services provided by China Unicom (Americas) Operations Limited


本件はFCCが2021年6月17日に安全保障上のリスク
とみなす中国企業5社の通信機器の認証を禁じる(その場合、国内販売が出来ない)方針を決め、米議会はこれを法制化し、法案は下院では2021年10月20日、上院は10月28日に可決、バイデン米大統領は11月11日にこの法案(Secure Equipment Act of 2021)に署名、成立している。

この法律では、安全保障上の脅威をもたらし得ると指定された"Covered Equipment or Services List"に掲載された製品について認証をしないということを明らかにするルールを制定することを命じている。

これに従い、正式にそのルールを定めたもの。

We adopt revisions to our equipment authorization program to prohibit authorization of equipment that has been identified on the Commission's Covered List - published pursuant the Secure and Trusted Communications Networks Act of 20192 - as posing an unacceptable risk to national security of the United States or the security or safety of United States persons, and we prohibit the marketing and importation of such equipment in the United States.
We also address what constitutes "covered"
equipment for purposes of implementing the equipment authorization prohibition that we are adopting.
The actions we take today in adopting new rules and procedures comply with Congress's directive in the Secure Equipment Act of 20213 to prohibit authorization of "covered" equipment on the Covered List within one year of that Act's enactment and lay the foundation to prohibit the authorization of any additional "covered" equipment that may be added to the Covered List based on a determination that such equipment poses an unacceptable risk to national security

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これまでの経緯は次の通り。

米司法省は2019年1月28日、イランとの違法な金融取引に関わった罪などで中国の通信機器最大手、華為技術(Huawei)と同社の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を起訴したと発表した。

2019/2/1 米司法省、Huawei を起訴

カナダ司法省は2018年12月1日、中国の通信機器最大手、華為技術(Huawei Technologies )の創業者 任正非(Ren Zhengfei)の娘である孟晩舟(Meng Wanzhou)副会長 兼 最高財務責任者(CFO)をバンクーバーで逮捕した。米司法省は孟氏を逮捕したカナダに身柄の引き渡しを求めた。

2018/12/10 華為技術(Huawei Technologies )の副会長の逮捕

米上下両院は2018年8月、華為技術(Huawei)や中興通訊(ZTE)と、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(HIKVISION )、浙江大華技術(Dahua Technology)、海能達通信(Hytera)の計5社への締め付けを大幅に強化することを盛り込んだ「2019年度米国防権限法(NDAA2019)」を超党派の賛成で可決し、8月13日にトランプ大統領が署名、成立した。

禁止を国防総省以外の政府機関にも拡大するもので、禁止対象製品は次の通り。

(A) Huawei Technologies と ZTE (関係会社を含む)製の通信機器 (Telecommunications equipment)

(B) Hytera Communications、Hangzhou Hikvision Digital Technology、Dahua Technology Company (関係会社を含む)製のセキュリティ用のビデオ監視・通信機器 (video surveillance and telecommunications equipment)

禁止は2段階に分かれる。

第1 段階(発効日の1年後=2019年8月13日以降)

  米政府機関(連邦政府、軍、独立行政組織、政府所有企業)が5社の製品や、5社が製造した部品を組み込む他社製品を調達することを禁止

第2段階(発効日の2年後=2020年8月13日以降)

5社の製品を社内で利用している世界中の企業との取引を禁止
(米政府機関に収めている製品・サービスが通信機器とは一切関係のない企業でも、5社の製品を使っておれば禁止)

2018/12/11 2019年度米国防権限法(NDAA2019) --- Huawei、ZTE等の米政府機関との取引からの排除

Trump 大統領は2019年5月15日、米企業が安全保障上リスクがある企業の通信機器の調達を禁じる大統領令に署名した。名指しはしていないが、中国の通信機器最大手、華為技術(Huawei)などが念頭にあると報じられている。

米商務省は同日、安全保障上の懸念があるとして輸出を規制する外国企業のリスト(Entity List)に中国の通信機器最大手、華為技術(Huawei)を追加したと発表した。

2019/5/16 米国、Huawei を対象に2施策

米連邦通信委員会(FCC)は2019年11月22日、政府の補助金を受けている米通信事業者に対し、中国通信機器大手の華為技術(Huawei)と中興通訊(ZTE)製の通信機器の利用を禁止する規制の導入を決めた。

2019/11/26 米FCC、補助金を受けている米通信事業者に HuaweiとZTE機器の利用禁止

米商務省の産業安全保障局 (Bureau of Industry and Security ) は5月15日、Entity Listによる華為技術(Huawei)に対する輸出禁止措置を強化すると発表した。
米国に由来する技術を使った半導体は、外国製でも同社への輸出ができなくなる。

2020/5/18 米商務省、Huawei向け輸出規制を強化

米政府は2020年7月14日、米政府機関が Huaweiなど指定企業の製品などを利用している企業と契約を行うことを禁止する2019年度国防権限法第889条に関する最終暫定規則を官報で公表した。

米政府は8月13日、華為技術(Huawei)など中国企業5社の製品やサービスを使う企業と、米政府との取引を禁止する規則を施行した 。

2020/7/20  米国、Huaweiなどの中国企業の通信機器等利用者からの政府調達を禁ずる規則案を発表

米国務省は2020年7月15日、Huaweiなど中国のハイテク企業の従業員に対するビザ制限を発表した。「当該の外国人の入国が、『米国の外交政策にとって深刻な悪影響を及ぼす可能性がある』と国務省が信じるに足る理由があれば、特定の従業員の米国への入国資格を認めない」としている。

2020/7/21 米、Huaweiなど中国ハイテク企業の従業員にビザ制限

米商務省の産業安全保障局は8月17日、Huaweiに対する輸出規制を更に強化すると発表した。
米国技術が関わる半導体やソフトがHuaweiにわたるのを完全に遮断する。さらに禁輸リストであるEntity ListにHuaweiの関連会社38社を追加した。

2020/8/20 米商務省、Huawei向け輸出規制を更に強化

中国の華為技術(Huawei)に対する米政府の新たな輸出規制が9月15日に発効した。米国の技術を活用してつくる半導体について、国外で製造されるものも含めてHuaweiへの供給を認めない。

2020/9/16 Huaweiへの半導体供給 停止 

米連邦通信委員会(FCC)は2021年3月12日、米国の通信ネットワークの保護のための2019年の法律に基づき、上記5社を安全保障上の脅威に認定した。

FCCは通信機器の安全性確のため、米国内で使える通信機器を認証している。今後は対象の中国5社の製品を認証しないほか、過去の認証を取り消すことも検討する。一般から意見を募って規則の詳細を決める。当局の認証がなくなれば、米国内で販売できなくなる。

FCCは2021年6月17日、安全保障上のリスクとみなす中国企業5社の通信機器の認証を禁じる方針を決めた。

禁止の対象は次の5社の製品:

企業名

Covered Equipment or Services

華為技術
 Huawei Technologies Company
Telecommunications equipment including telecommunications or video surveillance services
中興通訊
 
ZTE Corporation
海能達通信
 Hytera Communications Corporation
Video surveillance and telecommunications equipment to the extent it is used for the purpose of public safety, security of government facilities, physical security surveillance of critical infrastructure, and other national security purposes
杭州海康威視数字技術 (Hikvision)
 Hangzhou Hikvision Digital Technology
浙江大華技術
 Dahua Technology Company


米議会はこれを法制化し、法案は下院では2021年10月20日、上院は10月28日に可決された。バイデン米大統領は11月11日、この法案に署名、成立した。

2021/6/22 米、Huaweiなど中国製の通信機器の認証禁止へ

アラスカ州の中間選挙の結果が11月23日にようやく発表された。いずれもトランプ派が敗北した。

上院:

Lisa Murkowski(共和党) 現職、反トランプ 53.7%
Kelly Tshibaka(共和党) トランプ派の刺客 46.3%
Patricia Chesbro(民主党) 0%
Buzz Kelley(共和党) 0%


共和党のLisa Murkowski(現職)は、トランプ大統領支持者らによる昨年1月の連邦議会襲撃を受け、共和党上院議員として初めてトランプ氏の辞任を求め、その後、弾劾裁判でトランプ氏の有罪に投票した。

下院:

Mary Peltola(民主党) 現職、アラスカ先住民 54.9%
Sarah Palin(共和党) トランプ派、2008年の副大統領候補 45.1%
Nick Begich(共和党) 0%
Chris Bye(Libertarian) 0%


共和党下院議員 Don Young が2022年3月18日に死去、補欠選挙が8月末に行われた。その結果、Mary Peltola(民主党)が共和党のSarah Palin(元アラスカ州知事、元副大統領候補)を破り、アラスカ先住民として初めて連邦下院議員になった。Don Young 議員の残り任期を務め、今回、中間選挙に臨んだ。

8月末と今回と2回とも、Mary PeltolaがSarah Palinに勝利した。 先住民エスキモーにはイヌイット族とユピック族があるが、Sarah Palinの母親はユピック族。

Sarah Palinについて 2008/9/8 Governor Sarah Palin Alaska Gas Pipeline

今回、選挙結果の確定が遅れたこと、両院とも3位以下の得票率がゼロとなっていることは、アラスカ州で2020年の住民投票で導入が決まり、今回から採用された優先順位付き連記投票(Ranked choice general election )制度によるもの。

東部メイン州で2020年11月3日に行われた大統領選挙と連邦議会上下両院の選挙で米国で最初に採用された。西部ネバダ州でも導入に向けた動きが進んでいる。

Ranked choice general electionについて(NPB放送による説明):

得票率50%以上を勝利とし、ジョージア州のように50%以上が無しの場合に再選挙を避けるための仕組みを折り込んだ。

予備選挙により、候補者を4人までに制限、投票に当たり1位から4位までを予め、決めさせる。

1.予備選で候補を上位4人に絞る。

2.投票  候補に順位(rank)をつける。

  

3.集計の結果、1位が50%超の候補があれば、確定

4.全てが50%未満なら、最下位の候補の票をその票の第2rankの候補に配分

5.それでも全てが50%未満なら、3位の候補の票(配分を受けた最下位候補の票を含む)を2候補に配分
   (3位の候補の票を、2候補のうちの上位のrank の候補に配分)

従来の制度では、各党で強硬な主張をする候補が有利になりやすい。今回の制度では、逆転勝利もあり得ることとなる。


今回の投票結果と最終結果は下記の通り。

上院:

投票 最終
Lisa Murkowski(共和党) 現職、反トランプ 43.4% 53.7%
Kelly Tshibaka(共和党) トランプ派の刺客 42.6% 46.3%
Patricia Chesbro(民主党) 10.4% 0%
Buzz Kelley(共和党) 2.9% 0%


1位、2位はいずれも共和党候補となった。

下院:

投票 最終
Mary Peltola(民主党) 現職、アラスカ先住民 48.8% 54.9%
Sarah Palin(共和党) トランプ派、2008年の副大統領候補 25.7% 45.1%
Nick Begich(共和党) 23.3% 0%
Chris Bye(Libertarian) 1.7% 0%


Sarah Palinは共和党が割れたため、得票率は低いが、新制度で善戦した。但し、3位のNick Begichに入れた共和党員の多くが、第2ランクに共和党のSarah Palinではなく、民主党のMary Peltolaを入れたことを示している。

塩野義製薬は11月24日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する予防ワクチン(開発番号:S-268019)について、成人における初回免疫(1回目、2回目接種)および追加免疫(3回目接種)によるCOVID-19の予防を適応として、日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表した。

国内の製薬会社が開発を進めてきた新型コロナワクチンの承認申請は初めて。

S-268019は、同社グループ会社のUMNファーマが有するBEVSを活用した遺伝子組換えタンパクワクチンで、ウイルスの遺伝子情報から目的とする抗原タンパクを発現・精製後に、アジュバントを添加して投与される。

BEVS(Baculovirus Expression Vector System)は昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術で、UMNファーマが有する技術ではバキュロウイルスや昆虫細胞由来の成分・病原ウイルスの混入なしに抗原タンパクの精製が可能である。

同社は2021年12月27日に、S-268019について、グローバル第3相臨床試験 をベトナムで開始したと発表している。

同社は安全性の観点から2種類のヘルパーT細胞のバランスを重視して選択したアジュバント を用いて、2020年12月より第1/2相臨床試験を実施してきた。

2021年7月末より、2種類のヘルパーT細胞のバランスを維持しつつもより高い中和抗体価の誘導が必要と判断し、アジュバントを変更した新製剤を用いて国内における第1/2相臨床試験を新たに開始した。10月20日に国内第2/3相臨床試験を開始、12月3日には国内において、追加接種による臨床試験を開始した。

2021/12/31 塩野義製薬、COVID-19ワクチンのグローバル第3相臨床試験開始 


製造販売承認申請は、国内で実施した5つの臨床試験の良好な結果に基づくもので、1回目と2回目の接種を想定した臨床試験で、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値がアストラゼネカのワクチンよりも高いと確認できたほか、3回目の接種を想定した臨床試験では、中和抗体の値がファイザーのワクチンを接種した場合と同じ程度だった。

また、これまでの臨床試験で、安全性に大きな問題は確認されなかった。

ーーー

厚生労働省の専門家分科会は11月22日、塩野義製薬が開発した新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」の緊急承認を了承した。安全性を確認したほか、症状改善を早める有効性が推定できると判断した。厚労省は同日、承認した。

2022/7/25 塩野義コロナ飲み薬、「緊急承認」見送り 付記

ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫上席研究員の試算によると、2023年度の公的年金の額面上の支給額が3年ぶりの引き上げられる。各紙が報じた。

但し、本年の物価は年間で2.5%上昇するのに対し、少子高齢化に応じて年金額を抑制する仕組みが適用され、68歳以上の場合、支給額は1.8%の増加にとどまり、差し引き0.7%分が目減りすることになる。

これに対し、米国で約7千万人に支給される年金給付(Social Security Benefit)は、物価上昇に伴う生計費調整(COLA:Cost-of-Living-Adjustment)の規定により、前年第3四半期の勤労者消費者物価指数の平均がそのまま採用され、2023年は8.7%の大幅増額となる。

2022/10/18 米国の2023年の年金給付、生計費調整で8.7%の大幅アップ 


日本の場合は、既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)の場合、基本は物価変動率をとるが、賃金変動率が物価変動率より低い場合は賃金変動率を採用する。更にマクロ経済スライドを適用し、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を改定率から控除する。

詳細は 2022/1/22 2022年度の公的年金支給額、前年度から0.4%引き下げ


具体的計算は下記の通りだが、来年度の計算に当たり、ニッセイ基礎研究所では次の予測を使った。

直近1年の物価変動率 +2.5%

過去3年の名目手取り賃金変動率 +2.8%

マクロ経済スライド -0.4%


既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
予想
原則
直近1年の物価変動率(基本) +0.5% +0.0% -0.2% +2.5%

基本は物価変動率
賃金変動率が物価変動率より低い場合は賃金変動率を採用

過去3年の名目手取り賃金変動率 +0.3% -0.1% -0.4% +2.8%
(採用) +0.3% -0.1% -0.4% +2.5%
マクロ経済スライド
公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を改定率から控除
-0.1% -0.1%

当期 -0.2% 
繰越 -0.1%
計  -0.3%

当期 -0.4%
繰越 -0.3%
計 -0.7%

上記の(採用)がマイナスの場合は、調整せず、その分を翌年に繰り越す。

最終改定率 +0.2% -0.1% -0.4% +1.8%
マクロ経済スライド繰り越し -0.1% -0.3%


65歳に到達し、新たに年金を裁定(決定)するときには、直近の賃金の動向を反映させるため、賃金の変動による改定(+マクロ経済スライド)を行う。

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
予想
原則
過去3年の名目手取り賃金変動率 +0.3% -0.1% -0.4% +2.8%
マクロ経済スライド
公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を改定率から控除
-0.1% -0.1%

当期 -0.2% 
繰越 -0.1%
計  -0.3%

当期 -0.4%
繰越 -0.3%
計 -0.7%

上記の(採用)がマイナスの場合は、調整せず、その分を翌年に繰り越す。

最終改定率 +0.2% -0.1% -0.4% +2.1%
マクロ経済スライド繰り越し -0.1% -0.3%

英国のJeremy Hunt蔵相は11月17日、Autumn Statement 2022 speech を行ない、財政再建策の概要を発表した。

概要(BBC)https://www.bbc.com/news/business-63555313

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Liz Truss保守党新党首は9月6日新首相に任命され、新政権のKwasi Kwarteng 財務相は9月23日、1972年以来の大規模減税を柱とする「成長プラン」を発表した。

5年間で1610億ポンド(約25兆5000億円)の経済対策で概要は次のとおり。

1) エネルギー対策  10月から半年で600億ポンド(約9.3兆円)

家計向け:光熱費価格に上限、加えて、所帯ごとに半年で400ポンド割引

企業向け:電気・ガス卸売価格に上限、光熱費は想定水準の半分に

2) 大規模減税   5年間で450億ポンド(約7兆円)  *党首選での公約は総額300億ポンド

2023/4予定の法人税率引き上げ(19%→25%)を取り止め (G20で最低税率)〈10/14 撤回〉

2022/4の国民保険料1.25%引上げの撤回

2023/4からの所得税基本税率1%引き下げ(20%→19%)
最高税率の引き下げ(45%→40%)〈10/3 撤回〉

住宅購入者の印紙税引き下げ

海外からの買い物客の消費税を免除するデジタルシステムの早期導入

3)バンカーの賞与制限は撤廃


この経済対策は財源が明確でないことから、財政やインフレの悪化につながる懸念を生み、9月26日の外国為替市場で、英ポンドが一時、1.035ドルまで下落し、過去最安値を更新した。

Kwarteng 財務相は10月3日、高所得者向けの所得税の減税を撤回すると表明した。撤回するのは、年収15万ポンドを超える部分にかかる所得税率を45%から40%に引き下げる計画。

Truss首相は10月14日、Kwasi Kwarteng 財務相を解任し、後任にJeremy Hunt元外相が就任すると発表した。9月の政権発足直後に打ち出した経済対策を巡って混乱が広がった責任を明確化した。同時に前政権が計画した「法人税率引き上げ(19%→25%)」の取り止めを撤回した。

2022/10/17 英トラス首相、財務相を解任 法人税減税を撤回


Truss首相は10月20日、辞任を表明した。与党保守党党首の選挙の結果、
英国の次期首相にSunak元財務相(42歳)が決まった。蔵相にJeremy Huntが就任した。

2022/10/25 英国の次期首相にSunak元財務相 

新政権は財政への市場の信頼回復とインフレ抑制を目的に、Truss前政権の減税路線を転換し、300億ポンドの歳出削減と250億ポンドの増税を実施する。

1. 歳出削減

 業務の効率化などを通じ、300億ポンドの歳出削減 

  • 予定された公共事業は2025年までは継続、その後は予定より遅らせる。
  • Englandでは国民保険サービス予算は次の2年は年33億£ 増、教育費は23億£ 増
  • Scotland, Wales、Northern Irelandでも予算増
  • 防衛費はNATO目標の2%維持
  • 海外支援は5年間は0.5%とする。(目標は0.7%)

2. エネルギー支援

  • 家庭向けエネルギー価格上限 4月以降も1年延長 但し、上限は年 £2,500から £3,000 に。
  • 一定の資産以下の家庭に来年、£900 の支援
  • 年金家族に£300, 身体障碍者に £150 の支援
  • 石油・ガス企業への棚ぼた課税を25%から35%に引上げ、2028/3まで延長
  • 発電企業に1月から新たに45%課税

3. 税制  5年間で450億ポンド(約7兆円)から250億ポンドの増税 へ

 ・法人税率引き上げ 19%→25% 利益5万ポンド以下の小企業は従来通り19%

9/23には19%に留めると発表されたが、10/14に撤回。

 ・所得税最高税率(45%)の対象を年収15万ポンド以上から12万5140ポンド以上に引き下げ

税率

所得

現状 改正
所得控除 0% 最初の12,570ポンド 2028年まで凍結
基本税率 20% 12,571~50,270ポンド 同上
高税率 40% 50,271~150,000ポンド 50,271~125,140ポンド
追加税率 45% 150,000ポンド以上 125,140ポンド以上

9/23には最高税率を40%にする案が出され、10/3に撤回された。

 ・Windfall tax エネルギー価格高騰による棚ぼた課税

現状、石油・ガス企業に追加で25%が課税されているが、今回 35%課税に変更、2028/3まで延長

新たに発電企業に1月から45%課税

 ・株式配当への課税対象を段階的に引き上げ

 ・電気自動車に2025/4から新たにRoad Tax を課税

4. その他

 ・Minimum wage 引上げ 4月から£9.50 → £10.42

LG Energy Solution は11月10日、米国の鉱物会社のCompass Mineralsとの間でバッテリーグレードの炭酸リチウムを購入する契約を締結したと発表した。

米国のインフレ対策法の新車購入時の税額控除の要件に対応する。

LG Energy Solutionは2025年から6年間、Compass Mineralsがユタ州OgdenGreat Salt Lakeでの開発計画(Ogdenで長年行っている硫酸カリ、塩、塩化マグネシウム生産の副産物としてリチウムを抽出)のPhase 1で生産する炭酸リチウム(年間約11,000トン)の40%の供給を受ける。

両社は計画のPhase 2での生産品についても誠意をもって協力するとしている。

Compass Mineralsは、EnergySource Minerals LLCの開発したリチウム直接抽出技術(ILiAD)を使用し、塩水からリチウムを直接抽出する。

環境にやさしい方法でのリチウム生産であり、他の工法に比べて炭素排出量が少ないのが特徴である。

ーーー

バイデン米大統領は8月16日にインフレ対策法案:Inflation Reduction Act of 2022 に署名し、同法案は成立した。大統領は「気候変動に関するこれまでで最大の前進だ」と強調した。

エネルギーコスト引き下げ、クリーンな生産、2030年までにカーボン排出の40%削減を狙い、3,690億ドルを投じる。

新法では、

低・中所得者がエコカーなどの新車を購入する際に1台当たり最大7500ドルの税控除を受けられる。

既存のEV減税は適用対象を自動車メーカーごとに20万台と定めていたが、台数の上限を撤廃する。  

ただ、EV減税の対象となる新車について、北米地域での最終組み立てを義務付けた。さらにEV用電池の原材料である重要鉱物の調達先を、米国か、米国と自由貿易協定(FTA)を結んでいる国に事実上制限する。世界シェアの高い中国製品をサプライチェーン(供給網)から排除する狙い。

EV減税の対象となる新車について、北米地域での最終組み立てを義務付けたことについては、EUや韓国、日本は問題視している。

2022/8/24 米「インフレ抑制法案」成立 電気自動車補助金で波紋 

LG Energy Solutionは、米現地でコア素材の供給を受けることになり、インフレ対策法案への対応力を高めることになった。

LG Energy Solutionでは、「環境にやさしいリチウムを生産するCompass Mineralsと契約し、インフレ対策法案への対応だけでなくESGの競争力を強化する『一石二鳥』の成果を上げることになった」としている。


LG Energy Solutionは、供給網の多角化のために、最近、グローバル鉱物業者との契約に攻撃的に乗り出している。

同社は9月22日、カナダ鉱物メーカーのElectra Battery Material Corp.、Avalon Advanced Materials、Snow Lake Lithiumとそれぞれ業務協約を結び、バッテリーの核心原材料である硫酸コバルト·水酸化リチウムなどの供給を受けることにしたと明らかにした。

2023年から3年間、北米地域で硫酸コバルトを精製できる唯一の供給業者であるElectraから硫酸コバルト7000トンの供給を受ける。

Avalonとは2025年から5年間、5万5000トン規模の水酸化リチウム供給契約を締結した。

Snowlakeからは10年間、水酸化リチウム20万トンの供給を受ける。

LG Energy Solutionは10月19日、オーストラリア黒鉛業者のSyrah Resourcesとの間で天然黒鉛供給の業務協約(MOU)を締結したと明らかにした。 2025年の天然黒鉛2000トンの供給を皮切りに、協力規模を持続的に拡大する。

ーーー

なお、LG Chem は11月15日、正極剤工場を米国に建設することを検討していると発表した。

ソウル経済新聞が同日、LGが米国のインフレ対策法案への対応として、テネシー州Clarksvilleで32億ドルを投じて建設すると報じたのに対し、発表したものだが、詳細は決まっていないとしている。

中間選挙の結果は最終的にはまだ確定していないが、上院は民主党、下院は共和党が抑えた。

上院と下院で多数派が異なる「ねじれ議会」になるため、バイデン政権は難しい政権運営を迫られる。

上院:

共和党 民主党 民主系
無所属
合計 未定
選挙前 50 48 2 100
非改選 30-1 34 2 65
改選 20 14 34
引退補選 1 1
選挙結果 19+1 14 34 1
合 計 49 48 2 99 1

50

ジョージア州は既報の通り、過半数を得た候補者がいないため、12月6日に決選投票を行う。

仮にジョージア州で共和党が勝っても、選挙前と同じ50対50となり、上院議長である副大統領の票で決まるため、民主党が主導権を維持する。

但し、民主党は是非ともジョージア州を抑えて51議席を確保したい。民主党穏健派の Joe Manchin議員 (2024年改選クラス) に煮え湯を飲まされているためである。

51議席があれば、Manchin議員 の賛成がなくても、副大統領の票で決定できる。

Manchin議員は West Virginia州選出で、以前は石炭産業で栄えた地域で民主党の地盤であったが、現在は共和党 支持が強い「Red State」となっ ており、議員の生き残りには保守層を取り込むしかない。

民主党政権の「左傾化」を阻むことで多額の政治献金も集まる。同議員は2021年に9月末までに300万ドル超の政治資金を集めたが、これは2019~20年実績の4倍を超える。石油・ガス、石炭などエネルギー業界からの献金が上院議員のなかで最高を誇る。

バイデン大統領の「10年で3.5兆ドルの予算案」は進展せず、Manchin議員の要請で2021年10月28日に1.75兆ドルに修正した Build Back Better Act を発表した。

しかし、Manchin議員は12月19日、法案修正を求めるのではなく、「この法案はノーだ」として法案に反対すると断言した。

2022/1/4 米国民主党の混乱 

下院: 11/23時点

  共和党 民主党 欠員 未定 合計
選挙前 212 220 3 435
結果 220 213 2 435
増減 8 -7 -3 2
過半数 218

下院は、共和党の票が過半数にあと1票の217票でながくとどまっていたが、日本時間17日朝に過半数獲得が報じられた。最終確定次第、修正する。

下院の州別定員は2020年の国勢調査結果により変更された。
議席定数が増えたのは、テキサス、コロラド、フロリダ、オレゴン、モンタナ、ノースカロライナの6州で、テキサスの2議席増以外は全て1議席増となる。
逆に減ったのは、カリフォルニア、イリノイ、ミシガン、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルベニア、ウェストバージニアの7州でそれぞれ1議席減となる。

なお、知事選ではアリゾナ州の候補で、トランプ前大統領からの推薦を受け、「Lady Trump(女性のトランプ)」と呼ばれるKari Lake候補が注目を浴びていたが、接戦の末、民主党の女性候補のKatie Hobbsに敗北した。

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中間選挙結果 11/18  上院のクラス①は2024年改選、クラス②は2026年改選で、クラス③が今回の改選。

上院 下院
改選前 改選後 改選前 議席増減 改選後
共和 民主 共和 民主 共和 民主 共和 民主
New England Maine 0 2 0 2
New Hampshire ②③ 0 2 0 - 2 -
Vermont 0 1 0 - 1 -
Massachusetts ①② ①② 0 9 0 - 9 -
Connecticut ①③ 0 5 0 - 5 -
Rhode Island ①② ①② 0 2 0 - 2 -
Mid-Atlantic New Jersey ①② ①② 2 10 3 +1 9 -1
New York ①③ 8 19 -1 11 +3 15 -4
Pennsylvania 9 9 -1 8 -1 9 -
Delaware ①② ①② 0 1 0 - 1 -
Maryland ①③ 1 7 1 - 7 -
The South Arkansas ②③ 4 0 4 - 0 -

Alabama

②③ 6 1 6 - 1 -
West Virginia 3 0 -1 2 -1 0 -
Florida ①③ 16 +11-2 +1 20 +4 8 -1
South Carolina ②③ 6 1 6 - 1 -
Georgia ②③ ②  1 8 6 9 +1 5 -1
Texas ①② ①② 23 13 +2 25 +2 13 -
Tennessee ①② ①② 7 2 8 +1 1 -1
Kentucky ②③ 5 1 5 - 1 -
North Carolina ②③ 8 5 +1 7 -1 7 +2
Virginia ①② ①② 4 7 5 +1 6 -1
Mississippi ①② ①② 3 1 3 - 1 -
Louisiana ②③ 5 1 5 - 1 -
Great Plains Oklahoma ②③ 5 0 5 - 0 -
Kansas ②③ 3 1 3 - 1 -
South Dakota ②③ 1 0 1 - 0 -
North Dakota ①③ 1 0 1 - 0 -
Nebraska ①② ①② 3 0 3 - 0 -
The Midwest Iowa ②③ 3 1 4 +1 0 -1
Indiana ①③ +7-1 2 7 +1 2 -
Illinois ②③ 5 13 -1 3 -2 14 +1
Ohio 12 4 -1 10 -2 5 +1
Wisconsin 5 3 6 +1 2 -1
Michigan ①② ①② 7 7 -1 6 -1 7 -
Missouri ①③ 6 2 6 - 2 -
Minnesota ①② ①② 4 4 4 - 4 -
Rocky Mountains Idaho ②③ 2 0 2 - 0 -
Colorado ②③ 3 4 +1 2 -1 5 +1 1
Montana 1 0 +1 2 +1 0 -
Wyoming ①② ①② 1 0 1 - 0 -
The Southwest Arizona ①③ 4 5 6 +2 3 -2
New Mexico ①② ①② 1 2 0 -1 3 +1
Nevada ①③   1 3 1 - 3 -
Uta ①③ 4 0 4 - 0 -
Pacific Oregon ②③ 1 4 +1 2 +1 4
Washington ①③ 3 7 2 -1 8 +1
California ①③ 11 42 -1 11 - 40 -2 1
Alaska ②③ 1 0 0 -1 1 +1
Hawaii  ①③ 0 2 0 - 2 -
合計 50

50

49

50

1 212 220 ±0 220 +8 213 -7 2

米国の中間選挙の結果について、11月11日に速報した。

  2022/11/11  米国中間選挙、共和党の圧倒的勝利ならず 上院の確定は来月に

開票が遅れているが、現在の状況は下記の通りで、上院では民主党が主導権を維持することが確実となった。下院では、共和党が優勢だが、民主党も善戦している。

バイデン大統領は9日の記者会見で、最終的な選挙結果はまだわからないとしつつ、「報道や専門家は共和党が席巻する『巨大な赤い波('Giant red wave ')』を予測していたが、それは起こらなかった」と指摘し、政争よりも政権として優先すべき多くの課題があると強調した。

ーーー

上院は各州2名、任期6年だが、1/3ずつにクラス分けされ、2年ごとに選挙が行われる。今回はClass 3 の34名が改選となる。

ほかに、オクラホマ州選出の共和党議員(非改選のクラス2)が来年の引退を決めているため、特別選挙(補選)が行なわれた。

速報時点では3議席が未定であったが、現地時間11日の深夜、アリゾナ州は民主党候補が当確となり、タイとなった。ネバダは、開票率94%で48.5%対48.4%と大接戦 が続いたが、日本時間の13日正午頃、米各紙は民主党の勝利を報じた。これで民主系50 対 共和党49となった。

ジョージア州は既報の通り、過半数を得た候補者がいないため、12月6日に決選投票を行う。

仮にジョージア州で共和党が勝っても、選挙前と同じ50対50となり、上院議長である副大統領の票で決まるため、民主党が主導権を維持する。

共和党 民主党 民主系
無所属
合計 未定
選挙前 50 48 2 100
非改選 30-1 34 2 65
改選 20 14 34
引退補選 1 1
選挙結果 19+1 14 34 1
合 計 49 48 2 99 1

50


下院は全員が改選で、8月以降に死亡、辞任した3人(共和党1名、民主党2名)を含め、435人が改選となった。過半数は218である。

ここでも民主党は善戦しており、大敗予想に反し、逆転勝利の可能性も出てきた。

  共和党 民主党 欠員 未定 合計
選挙前 212 220 3 435
結果 211 203 21 435
増減 -1 -17 -3 21
過半数 218


米国では国勢調査が10年に1度行われ、そこで確定した州別の人口数に基づき、全435の下院議席数が各州に配分される。

2020年の結果により議席定数が増えたのは、テキサス、コロラド、フロリダ、オレゴン、モンタナ、ノースカロライナの6州で、テキサスの2議席増以外は全て1議席増となる。

逆に減ったのは、カリフォルニア、イリノイ、ミシガン、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルベニア、ウェストバージニアの7州でそれぞれ1議席減となる。

米国民が北部から南部に移住している傾向が見て取れる。

経産省は11月11日、2020年代後半の次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けた取組について公表した。

次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けて

次世代半導体は、量子・AIなど大きなイノベーションをもたらす中核技術で、海外の研究機関や産業界とも連携しながら、国内のアカデミアと産業界が一体となって取り組むことで、我が国全体の半導体関連産業の競争力強化を目指す。

トヨタなど国内8社は同日、先端半導体の国産化に向けた新会社を共同で設立したことを発表した。

付記

新会社Rapidusと米国のIBMは12月13日、日本が半導体の研究開発・製造におけるグローバルリーダーを目指す取り組みの一環として、ロジック・スケーリング技術の発展に向けた共同開発パートナーシップを締結したことを発表した。

同社は下記の通り、開発テーマ として「米国IBM社他と連携して2nm世代のロジック半導体の技術開発を行い、国内短TAT(Turn Around Time:製品を完全に仕上げるまでに要する時間パイロットラインの構築と、テストチップによる実証を行っていく 」としている。

本パートナーシップの一環として、RapidusとIBMは、IBMの画期的な2ナノメートル(nm)ノード技術の開発を推進し、Rapidusの日本国内の製造拠点に導入する。

IBMは2021年に世界初の2nmノードのチップ開発技術を発表した。このチップは、現在最も先進的な7nmチップに比べて45%の性能向上、または75%のエネルギー効率向上の達成が見込まれる。


次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けた取組(概要)

1. 我が国半導体産業復活の基本戦略

IoT用半導体生産基盤の緊急強化(Step:1

日米連携による次世代半導体技術基盤(Step:2)

グローバル連携による将来技術基盤(Step:3)
グローバルな連携強化による光電融合技術など将来技術の実現

2. Beyond 2nmの次世代半導体の確保

世界中で次世代半導体の開発が加速

最先端半導体はFin型からGAA型に構造が大きく変わり、量産に向けて高度な生産技術が必要となる転換期
10年前にFin型の量産に至らなかった日本が改めて次世代半導体に参入するラストチャンス

その実現には、TSMC誘致、拠点拡大によるキャッチアップを進めるとともに、10年の遅れを取り戻す、これまでとは異次元の取組が必要。

3. 日米連携による半導体産業政策

本年5月に開催した第1回日米商務・産業パートナーシップ閣僚級会合において、半導体協力基本原則を合意した。

以下の基本原則に沿って、二国間の半導体サプライチェーンの協力を行う。

 ・オープンな市場、透明性、自由貿易を基本
 ・日米及び同盟国・地域でサプライチェーン強靭性を強化するという目的を共有
 ・双方に認め合い、補完し合う。

特に半導体製造能力の強化、労働力開発促進、透明性向上、半導体不足に対する緊急時対応の協調及び研究開発協力の強化について協力

半導体協力基本原則に基づいた日米間での共同研究の実施を見据え、次世代半導体研究における国内外の英知を結集するための新しい研究開発組織を立ち上げることを7月に決定した。

次世代半導体研究のための新しい研究開発組織について、名称を「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC:Leading-edge Semiconductor Technology Center)」とし、年内の立ち上げを目指す。

参加機関:物質・材料研究機構、理化学研究所、産業技術総合研究所、東北大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学、
     大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構、
Rapidus

4. 次世代半導体プロジェクトの体制


LSTCは上記のとおり。

Rapidusは11月11日設立を発表した。

下記8社が出資する。

トヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、NTT、NEC、ソフトバンク、キオクシア(半導体大手)、三菱UFJ銀行
出資額は三菱UFJ銀行が3億円、他の7社は各10億円。

付記

社名:Rapidus株式会社(英文名:Rapidus Corporation)

設立日:2022年8月10日

資本金等:73億4,600万円(2022年11月時点。資本準備金の額を含む)

Homepage:https://www.rapidus.inc/


自動運転やAI、スマートシティーなど大量のデータを瞬時に処理する分野に欠かせない先端半導体の技術開発を行い、5年後の2027年をめどに回路幅が2ナノメートル以下の先端半導体の量産化を目指す。

政府も研究開発拠点の整備費用などに700億円を補助する。(下記)

社長に就任した小池淳義氏(ウエスタンデジタルジャパン元社長)は、「日本には半導体をしっかり作る技術があると確信している。強みを生かすのが我々に課せられた最後のチャンスだ」と述べた。

小池社長は「パイロットラインで2兆円、量産ラインで3兆円かかるとみる」としており、今後の資金調達が問題となる。


今回、次世代半導体の将来の製造基盤の確立に向けた研究開発プロジェクト(ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業)の採択先をRapidus㈱とすることに決定した。

開発テーマ:日米連携に基づく2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発

• 米国IBM社他と連携して2nm世代のロジック半導体の技術開発を行い、国内短パイロットラインの構築と、テストチップによる実証を行っていく。

•2022年度は、2nm世代の要素技術を獲得、EUV露光機の導入着手、短TAT生産システムに必要な装置、搬送システム、生産管理システムの仕様を策定し、パイロットラインの初期設計を実施する(開発費:700億円)。

• 研究期間終了後は、その成果をもとに先端ロジックファウンドリとして事業化を目指す。

5. 次世代半導体研究開発プロジェクトのスケジュール

次世代半導体事業については、日米首脳間合意に基づいて設置された日米ジョイントタスクフォースにおいて、経産省と商務省の間で進捗を継続的に管理をしていく。

今後立ち上がる米国
NSTCと日本版NSTCLSTC)との連携により、日米のベスト&ブライテストの結集を図る。

ーーー

半導体の開発や生産に関しては、米国は本年8月、520億ドル以上を投じることなどを盛り込んだ法律を成立させたほか、EUも本年2月、官民合わせて430億ユーロ余りを投じる方針を示している。

2022/7/29 米議会、「CHIPS法」を可決

日本でも、先端半導体工場の新増設を支援する改正法が2021年12月20日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。

高速・大容量通信規格「5G」のシステム構築に不可欠な「特定半導体」を製造する事業者が対象で、継続的な生産、需給逼迫時の増産対応などを条件とし、工場の新増設にかかる設備費用の最大半額を補助する。(その後、最低10年間は生産を続けることを求めることとした。)

経済産業省は2022年6月17日、TSMCが熊本県で建設中の半導体の工場に最大4760億円の助成をすると決めた。TSMCとJASMが申請していた計画を同日付で認可した。
半導体産業の強化に向けた6170億円の基金から補助する第1号の案件になる。

2021/10/18 半導体大手、台湾のTSMCが日本で工場建設  (TSMCの米国事業も記載)

経済産業相は7月26日の閣議後会見で、キオクシアと 、同社と米Western Degitalの合弁会社から共同で申請されていた生産設備整備の計画を 、「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律」(5G促進法)に基づく「特定半導体生産施設整備等計画」に認定したと明らかにした。
  • 経産省として同計画が5G促進法の認定基準を満たし、日本における先端メモリー半導体の安定的な生産に資するものと判断
  • 足元の半導体サプライチェーンの強靱化や半導体産業の発展への貢献に加え、半導体に関する日米連携の強化にも資する
  • 助成額の上限は約929億円

2022/7/28 経産省、キオクシアの半導体工場計画を認定

経産省は9月30日、Mycron Technologyのマイクロンメモリ ジャパンを認定した。助成額上限は464.7億円。
DRAMの新工場を総投資額最大8000億円で東広島市の既存工場近くで建設、2024年までに稼働する。

この3件で助成額は6,154億円となり、ほぼ上限に達した。


付記

Rapidusは12月6日、ベルギーに本拠を置く研究機関「imec(アイメック)」と技術協力を進める覚書を交わした。

imecは非営利の国際的な研究機関で、世界で5000人超の人員を抱え、電機や医療などの先端技術に関する研究開発を主導してきた。

imecは半導体の微細な回路形成に使う先端技術の確立などで中心的な役割を担ってきた。

半導体に微細な回路を形成するためのEUV(極端紫外線)露光技術もimecとオランダの装置大手、ASMLが中心となり確立した。台湾積体電路製造(TSMC)などの半導体メーカーをはじめ、半導体関連の装置、素材メーカーが社員を派遣している。

Rapidusはimecに技術者を派遣し、先端分野の知見を獲得する。imecも日本での研究開発チームの設立を検討するほか、国が年内の設立を予定する半導体の研究開発拠点での協力も視野に入れる。

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