2018年3月アーカイブ


米国のConstantine Cannon法律事務所は3月27日、同事務所の依頼人のタカタ元従業員2名が、米国政府によるタカタの刑事捜査で政府に提供した情報に基づき、113万米ドル余の報奨金を受け取ることになると発表した。

2015年12月に自動車安全公益通報者法(Motor Vehicle Safety Whistleblower Act)が成立した。
米国議会におけるタカタ聴問会の後、共和党の John Thune 上院議員と民主党のBill Nelson 上院議員が提出した。

このプログラムでは、安全に関わる深刻な違反を報告した自動車業界関係者に対し、政府が徴収する100万ドル以上の罰金の10%~30%を報奨金として与えるとしている。

2名は同法に基づき、報奨金を受け取る。

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2004年以降、硝酸アンモニウムを使用したタカタ製エアバッグのガス発生装置(インフレータ)が異常破裂し、金属片が飛散する不具合が発生した。

米国では、爆発で22名の生命を奪い、全世界で1億台近いリコールを出し、経営破たんしたタカタが捜査対象となった。

米司法省は2017年1月13日、タカタが自動車メーカーに虚偽の検査データを伝えたことで有罪を認め、罰金など10億ドルを支払うことに合意したと発表した。

司法省によると、タカタは1990年代後半から、硝酸アンモニウムを使ったエアバッグの開発を開始した。このエアバッグが自動車メーカーが要求する基準に満たないことや、作動時に破裂のおそれがある欠陥を認識ながら、自動車メーカーに示す検査データから破裂の事例を取り除くなどしていた。
またタカタの幹部らはデータの捏造について繰り返し協議し、欠陥による死者が出た後も正確なデータを隠し続けたという。

タカタは罰金2500万ドル、犠牲者の家族らへの補償金として1億2500万ドル、自動車メーカーへの補償金として8億5000万ドルの合計10億ドルを支払う。
またタカタの元幹部3人を訴追したことも明らかにした。

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タカタの元従業員の Mark Lillie 氏および匿名のもう1人の公益通報者は、2015年12月に新しく制定された自動車安全公益通報者法(Motor Vehicle Safety Whistleblower Act)のもと、政府捜査官による捜査に協力した。

Mark Lillie 氏は2001年にトップレベルのエンジニア職から辞職する前に何度も、タカタの幹部に対し、タカタのエアバッグが死亡事故を招く可能性があると警告した。 
エアバッグを膨らますガス発生剤に廉価だが危険な硝酸アンモニウムを採用した時、抗議し辞職した。タカタの上層幹部に対し「このままでは死者が出る」と警告したが、無視された。

同氏が米国政府に提供した証拠は、タカタのエアバッグが死亡事故を招きかねないことを同社が1999年から知っていたことを示している。
Eメールや設計書、証言者リストほか、刑事訴追を助ける決定的情報を提供した。

第二の公益通報者は、タカタがデータ操作していたこと、試験手続を無視していたこと、エアバッグ欠陥の可能性を指摘した報告を隠蔽していたことを証明するため協力を申し出た。
また、不正な製造方法に異議を唱えた従業員をタカタが組織的に免職していたことも語った。
(タカタは最終的にロット受け入れ検査過程を大幅に操作していたことを認めた。)

EUの欧州委員会は3月21日、日本ケミコンやニチコンなど日本企業9社がコンデンサーの販売を巡ってカルテル行為をしていたと認定した。調査に協力したとして制裁金を免除された旧三洋電機を除く8社に、合計で約2億5400万ユーロ(約330億円)の制裁金を科した。

欧州委によると、9社は1998年から2012年にかけて、スマートフォンから家電製品、自動車部品などに幅広く使われるアルミ電解コンデンサーやタンタル電解コンデンサーを巡るカルテル行為に関与していた。

制裁金は下記の通り。

  Leniencyによる減額 制裁金 
  千ユーロ
三洋電機 & パナソニック 100% 0
日立化成エレクトロニクス &
日立化成
35% 18,476
ルビコン 30% 28,424
エルナー 15% 18,162
トーキン & NEC 15% 16,445
松尾電機 824
ニチコン 72,901
日本ケミコン 97,921
ビシェイポリテック &
Holy stone
782
合計   253,935

三洋電機 &パナソニックはカルテルの存在を伝え、約 32,389千ユーロの制裁金を免除された。

・ 他4社は欧州委員会への協力で制裁金が減額された。減額は、協力のタイミングや提出した証拠により決められた。

・ 当初カルテルの始期は2003年8月と思われていたが、ルビコンの提出した証拠で、1998年6月からであることが分かった。
  この結果、ルビコンの制裁金の計算で、1998/6~2003/8 の売上高は外した。

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公取委は2016年3月29日、家電や自動車に使われる2種類のコンデンサーの価格でカルテルを結んだとして、独禁法違反で、ニチコン、日本ケミコン、ルビコン、松尾電機、NECトーキンのメーカー5社に計約67億円の課徴金納付命令を出した。

自主申告したため課徴金を免除された日立AICは日立化成の子会社。 

台湾の公平交易委員会(公取委に相当)は2015年12月9日、スマートフォンなどに使う電子部品のコンデンサーについて、日本ケミコンなど日本企業とその海外子会社10社が価格カルテルを結んでいたとして、総額約215億円の課徴金を科すと発表した。台湾でのカルテルに対する課徴金としては過去最高額。

日本 
(2016/3/29)
台湾
(2015/12/19)

千円

減免 排除命令

百万円

アルミ電解
コンデンサー
日本ケミコン 1,435,240 8,307
ルビコン 1,067,740 4,618
エルナー 283
三洋電機 3,115
ニチコン 3,362,230 412
日立AIC 0

免除

小計 5,865,210 3社 16,735
タンタル電解
コンデンサー
NECトーキン 127,150 50% 4,507
ニチコン 277,950
ビシェイポリテック 0 免除 115
松尾電機 427,650 90
小計 832,750

3社

4,712
合計 6,697,960

6社

21,447

2016/4/2 公取委、コンデンサーメーカーに課徴金納付命令 

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米国では2015年9月2日に 、コンデンサのカルテルでNEC TOKIN が罪を認め、1380万ドルの罰金を支払うことで合意した。
これとは別に、2015年3月12日に大陪審は日本のコンデンサメーカー(Company A とし、社名を明らかにしていない)の前事業部長のT. I. 氏をカルテルに参加したとして起訴した。

米国司法省は2016年4月27日、日立化成が司法取引を行ったと発表した。
米国子会社が2002年から2010年の間、米国その他で電解コンデンサの価格でカルテルを結んだことを認め、罰金を支払うとともに、調査に協力することを約束した。
司法省と日立化成ともに、罰金額については明らかにしていない。

2016/4/30  日立化成、コンデンサ事業でのカルテルで米国司法省と司法取引 

日立化成もNEC TOKINも調査の協力を約束しており、今後も摘発が続くと思われる。

日本ケミコンは2017年10月20日、コンデンサーの販売を巡り価格カルテルを結んでいたとして、米司法省に反トラスト法違反の疑いでカリフォルニア州の連邦地裁に提訴されたと発表した。



三菱商事は3月26日、英国の新規洋上風力発電事業へ参画すると発表した。

英国100%子会社のDiamond Generating Europeを通じて、スペインの再生可能エネルギー事業者であるEDP Renewablesから、Moray Offshore Windfarm (East) Limitedの株式の33.4%を取得し事業参画する。

株主はEDP Renewablesが43.6%、三菱商事が33.4%、2017年7月に参加したフランスのENGIEが 23%となる。

英国スコットランドMoray湾沖合、約22㎞の海域でMoray East洋上風力発電所の開発・建設・運転を担うプロジェクト会社で、2018年中に同発電所の建設を開始し、2022年に運転を開始する予定。

総発電容量は約95万kW、英国最大級の洋上風力発電所になり約100万世帯の電力を賄う規模。

三菱商事の子会社のDiamond Generating Europeは洋上風力事業の開発・建設・運転等を管理する専門チームを擁している。


三菱商事は2013年1月にオランダ公営の総合エネルギー事業会社であるEnecoと欧州の洋上風力発電事業分野で戦略的提携を行うこととした。Enecoがオランダ沖合に建設予定のLuchterduinen洋上風力発電所(総発電容量13万kW)の持分の50%をEnecoより取得し、建設・運転を、両社共同で行うことに合意した。

2016年12月には、子会社のDiamond Generating Europeと オランダ公営の総合エネルギー事業会社 Enecoと折半にて出資する新会社を通じて、Norther 洋上風力発電事業会社へ50%出資参画することに合意した。同事業会社の残る50%は、ベルギーの地方自治体が100%出資するエネルギー・通信会社Nethysが保有して おり、今後、3社共同で建設・運転を行う。

Norther 洋上風力発電所(約37万kW)はベルギー沖合約23km(水深約20m)の北海海域に建設するもので、総事業費は1,500億円、2017年1月から建設を開始し、2019年夏頃の運転開始を目指す。

欧州では、2030年までに約5,000万kWの洋上風力発電が導入される計画で、欧州で洋上風力発電の導入が進むことで、発電機の大型化、発電所の大規模化を可能にする技術開発が進み、低廉な発電コストの洋上風力発電が世界的に普及すると見込まれて いる。

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他方、丸紅は3月27日、英国政府100%出資の再生可能エネルギー支援機関 UK Green Investment Bank と50%ずつ出資するWMR JV Investco Limited の持分をGreen Investment Bank に譲渡したと発表した。

WMR JV Investco は世界最大手の洋上風力発電事業者であるデンマークの大手総合エネルギー会社DONG Energy A/Sと50/50で、英国東部ヨークシャー沖に位置する210MWのWestermost Rough 洋上風力発電所を建設・運営している。(2014年4月に参加)
Siemens Gamesa Renewable Energyの6MW ダイレクトドライブ式風力発電機35基を備え、2015年6月に商業運転を開始、以降順調に稼動している。

譲渡に伴い、Green Investment Bank GIGと欧州のインフラ事業への投資ファンドのMacquarie European Infrastructure Fund 5 及び英国の大学関係者の年金ファンドのUniversities Superannuation Schemeが、共同で本事業における50%の株式を保有することになる。

丸紅は、今後はより主体的な役割を担い洋上風力発電事業に取組んでいくいとしている。

新潟水俣病の症状を訴える男女2人が精神的、肉体的苦痛を受けたとして国と新潟県、原因企業の昭和電工に1人当たり1200万円の損害賠償などを求めた第3次訴訟の控訴審判決が3月23日、東京高裁であった。

斉木敏文裁判長は「2人は汚染された魚を多く食べていたとは認められない」とし、2人が訴えている症状は他の病気が原因の可能性があると判断し、請求を棄却した1審新潟地裁判決を支持し、2人の控訴を退けた。

阿賀野市の原告男性の症状は「水俣病の主な症状に合致するとは言えない」と指摘。新潟市の原告女性についても「阿賀野川の汚染状況が相当改善した後に出生している」などとした。

新潟水俣病を巡る行政の責任の有無については、これまでの新潟地裁判決(2次訴訟第1陣、3次訴訟)で認められたことはない。
今回の裁判でも国と県の責任を問うているが、高裁判決は「水俣病であるとは認められないから、判断するまでもない」とした。

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水俣病と診断されながら国の基準では認定されなかった新潟市などの男女11人が国と新潟県、原因企業の昭和電工に1人当たり1200万円の損害賠償などを求めた新潟水俣病3次訴訟 判決が2015年3月23日に出た。

1) 原告7人を患者と認定し、昭電に1人330万〜440万円(総額2420万円)の支払いを命じた。

同居家族に認定患者がいることを重視する見解を示し、7人を患者認定した。
3人については感覚障害を認めたが、同居家族に認定患者がいないなどとして請求を退けた。
故人1人は係争中に水俣病と認定され、昭電への訴えは取り下げていた。

2) 国と県の賠償責任については、工場排水を規制しなかったことが違法とはいえないとして認めなかった。

2015/3/26 新潟水俣病 3次訴訟判決

国と県の責任を認めなかったこともあり、10人全員が控訴した。今回はこの控訴審の判決である。



別途、新潟市から法律に基づく水俣病の患者認定申請を棄却された市内の9人(うち8人は上の裁判の原告)が市に処分の取り消しと患者認定を求めていた。

2016年5月に新潟地裁の判決で、原告7人を水俣病と認定するよう市に命じた。2人については請求を退けた。

この控訴裁の判決が2017年11月29日に東京高裁であり、1審の新潟地裁が認めなかった2人についても水俣病と認めるよう市に命じる判決を言い渡した。

2017/11/30 東京高裁、新潟水俣病で提訴の9人全員の認定命じる判決

この結果、損害賠償裁判で控訴していた8人は全員が水俣病と認定されたため、控訴を取り下げ、1審で敗訴し、行政訴訟に加わっていない2人だけが残った。

今回、この2人の控訴が却下されたもの。

JXTGエネルギーはこのたび、静岡市清水区で計画していた清水天然ガス発電合同会社のLNGガス火力発電新設計画の白紙撤回を決めた。景観を損ねると反対した地元の声に配慮した。
石炭火力発電所の建設計画に対しては環境省などが厳しい姿勢を示しているが、LNG火力に対する反対は珍しい。


計画は2015年1月に東燃ゼネラル石油が清水油槽所内での建設を発表した。(東燃ゼネラル石油は2017年1月にJXTGの完全子会社となった。)

清水天然ガス発電合同会社はJXTGが85%、清水建設が10%、静岡ガスが5%を出資する。

当初は発電容量最大200万キロワットとしていたが、2度の計画変更を経て、現在は60万キロワット級と50万キロワット級の各1基、合計110万キロワットとなっている。2018年に着工し、2022年に運転開始を目指すとしていた。

建設用地の清水油槽所は清水港及びJXTGが出資する清水エル・エヌ・ジー㈱の袖師基地に隣接し、LNGの調達が可能な場所である。
同時に、東日本地域(50Hz)・西日本地域(60Hz)の両方に送電可能な場所に位置していることから、この有利な既存インフラ及び戦略的な立地を活かす。

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この計画に対し、2017年8月に静岡市長が反対の意向を伝えた。
清水都心で進めるまちづくりの方向性とLNG火力発電計画は一致しないと判断した。

計画地はJR清水駅から約400メートルの位置にあり、市が発表した新しい市役所清水庁舎建設予定地にもほど近い。
隣接地にはフェリーターミナルの整備構想もあり、清水港への国際クルーズ船の寄港を起爆剤に都心のにぎわいを作る「国際海洋文化都市構想」にふさわしくないとの結論に至った。

川勝静岡県知事も8月23日の記者会見で反対を表明した。近くに国際クルーズ船拠点として整備が進む清水港があり、景観、環境、住民意思の3点から「ふさわしくない」と述べた。

JXTGは9月15日、環境アセスメントに絡む準備書提出の延期を発表し、県と静岡市、地元との話し合いを優先する方針を表明した。「街づくり構想との両立、共存は可能だ」との立場で、地元との話し合いを通じ計画実現を目指すとしていた。


今回、計画を白紙に戻し、
関東など他地域での発電所建設に向けて戦略を変更する。

米国の Mnuchin財務長官は3月25日、米韓FTAの改正・延長交渉で合意したと発表した。

鉄鋼に関しては25%の追加関税を免除する代わりに、韓国は米国向け輸出数量を減らす。 (2015~2017年平均輸出量383万トンの70%を限度)

ホワイトハウスのNavarro通商製造業政策局長は3月22日、「鉄鋼関税が課されなかったすべての国はクォータ制に直面するだろう」と述べた。

2017年の韓国からの輸入鉄鋼は米国の輸入全体の10.2%を占める。

交渉に参加した韓国の金鉉宗通商交渉本部長も仁川国際空港で、「韓米FTAと貿易拡大法第232条の鉄鋼製品の関税賦課について原則的に合意・妥結した」と明らかにした。

直前にトランプ大統領は、「韓国との交渉はもうすぐまとまる。素晴らしい同盟国と素晴らしい取引ができる。雇用と他の多くの点で米国に問題となっていたものだ」と述べていた。

韓国側の説明によると、FTAの改正点は次の通り。

農産物市場関連の追加開放はない。

米国製自動車部品の使用義務など原産国関連の米国側の要求は反映されない。

一方、米自動車を輸入する際に適用してきた非関税障壁の自動車安全・環境基準のハードルを下げる
韓国の安全基準を満たさなくても、米基準を満たす車両の韓国輸入台数の拡大などを受け入れた模様。
(現在、米国車は年間2万5000台まで米国基準にだけ合わせれば韓国で販売できるが、 これを5万台に引き上げる。

米国に輸出する韓国製ピックアップトラックに対する関税撤廃日程を 2041年まで遅らせる。
(現行FTAでは、米国はピックアップトラックの25%の関税を来年から段階的に引き下げ、2021年までに完全撤廃となっている。)

付記

トランプ政権は3月27日、大筋合意を正式発表した。
同時に両国が競争的な通貨切り下げを禁じる「為替条項」の導入でも合意したことを明らかにした。為替条項は(1)競争的な通貨切り下げを禁じる(2)金融政策の透明性と説明責任を約束するといった内容。
「付帯協定」との位置づけのため強制力は持たない。

米国への輸出拡大を狙った韓国の通貨安誘導を防ぐためで、米国が同条項を結ぶのは初めて。

米国が今回合意した背景には、韓国の対米貿易黒字が2016年の230億ドルから2017年には178.7億ドルまで減っていることがある。

また自動車が中心になったのは、昨年の貿易黒字178.8億ドルのうち、部品を含めた自動車分野の黒字が177.5億ドルとほぼ100%であり、米国がFTA改定交渉で最も力を入れていたためである。
昨年の韓国の輸入車市場で米国車のシェアは8.6%に過ぎない。(ドイツ車が56.7%、英国車が 8.6%)

今回の交渉で、韓国は鉄鋼関税を避けるため、自動車市場を差し出したこととなる。

韓国では、実際に米国の自動車が韓国にもっと入ってきても、韓国の自動車産業への影響は鉄鋼産業に比べ大きくないという診断が出ている。
韓国開発研究院の教授は「韓国に米国製自動車がもっと入ってきても、韓国メーカーよりは韓国にきた海外メーカーのシェアを奪う可能性が大きい」と話した。


トランプ大統領は対韓貿易赤字の解決に向けて「在韓米軍カード」の利用を示唆した。

大統領は3月14日の演説で、「われわれは韓国との貿易でとても大きな赤字を抱えているのに、彼らを防衛している」と 、「われわれは貿易で金を失い、在韓米軍でも金を失っている」と述べた。さらに「今、韓国と北朝鮮の間には米国の軍人32千人(実際には28千人とされる)がいる。何が起きるのか見てみよう」と 述べた。「同盟国は自国のことは気に掛けるが、米国のことは気に掛けない」とも述べた。

We have a very big trade deficit with them, and we protect them.
We lose money on trade, and we lose money on the military. We have right now 32,000 soldiers on the border between North and South Korea.

Let's see what happens.

Our allies care about themselves. They don't care about us.

鉄鋼やアルミニウムの輸入制限は米東部時間3月23日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に発動された。同時刻以降に米国に輸入された製品から追加関税を徴収する。

ホワイトハウスはカナダ、ブラジル、メキシコ、EU、オーストラリア、アルゼンチン、韓国への関税を5月1日まで猶予する方針を示した。完全に除外するかどうかは各国と貿易問題などを交渉して決める。

日本は除外対象にならなかった。

付記

トランプ大統領は、猶予期限切れ直前の4月30日、カナダ、メキシコ、EUへの関税の猶予を更に1カ月延長すると発表した。その間に譲歩を迫る。
カナダ・メキシコとはNAFTAの再交渉中。EUは「断固とした対応をとる」としており、難航する見通し。

ホワイトハウスによると、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリアについてはほぼ合意に達しており、30日以内に詳細を詰める。 3か国は米国にとって貿易黒字国で、米国への鉄鋼・アルミ流入抑制対策で協力する。

韓国については、3月に米韓FTAの改正・延長交渉で合意した。鉄鋼に関しては25%の追加関税を免除する代わりに、韓国は米国向け輸出数量を減らす。

2018/3/26 韓米FTA改正交渉妥結、鉄鋼の追加関税免除

なお、ある国を輸入制限の対象外とするかどうかについては大統領が最終決定するが、米国内で調達しにくい特定製品について関税の適用除外するかどうかは商務省が決定する。

商務省は米国企業からの申請に基づき、製品ごとに、①満足できる水準の品質と②十分な利用可能の量で、米国内で製造されているかどうかを審査する。

3月19日から受け付け、最長90日で判断する。


日本政府は適用除外を求めて再交渉するとともに、日本企業には品目別の除外を働きかけるよう促す。

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トランプ米大統領は3月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明した。

2018/3/9 トランプ大統領、鉄鋼・アルミの輸入制限発動を命令


しかし、実際は米国の貿易赤字解消のための交渉手段であることが明白である。

トランプ大統領は3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名した。

今回の命令は、いくつかの国を除外するようになっており、国ごとに税率を変えたり、適切と思う国をリストに加えたり、リストから除外する権限を大統領に与えていると述べた。

署名前の閣議で、「我々は非常にフレキシブルだ。我々には友人もおれば、長年にわたり我々を利用し続けてきた敵もいる」と述べた。

また、署名前に「真の友人で、貿易と軍事で米をフェアに扱う国は弾力的に扱う」と呟いた。

We have to protect & build our Steel and Aluminum Industries while at the same time showing great flexibility and cooperation toward those that are real friends and treat us fairly on both trade and the military.

その後の呟きでも貿易赤字解消のための交渉手段であることが分かる。

2018/3/12 鉄鋼とアルミニウムの輸入制限問題、大統領のつぶやき

米国は「世界貿易機関(WTO)でも認められた措置だ」とする。
WTO協定第21条 「安全保障のための例外」では、加盟国が安保を理由に輸入制限を取ることを例外として認めている。しかし、定義が曖昧で、これ自体、問題とされる。

それが、貿易赤字の解消のためなら、WTO協定違反である。


今回、5月1日まで猶予された国のうち、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンは米国が貿易黒字である数少ない国である。

カナダとメキシコはNAFTA再交渉中であり、韓国もFTA再交渉中である。今後、米国の要求を受け入れるよう要求するとみられる。

大統領は3月23日の会見で、「韓国との合意は非常に間近だ」と述べた。取引内容については触れなかったが、「米国の雇用などに非常に大きな問題を引き起こしてきた協定だ」と指摘した。米韓FTAのことと思われる。

EUについては、EUは輸入制限の場合、対抗策を発動することを公表している。これに対し、トランプはEUからの自動車に関税をかけると発言、米国とEUの貿易戦争になる恐れもある。
また米国はEUに対し、対中国で共同歩調をとるよう求めるとの観測もある。
とりあえず、輸入制限を猶予して、交渉することとしたとみられる。

2018/3/20 EU、米の鉄鋼・アルミ輸入制限への報復関税案を発表

米国は、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限をしたが、輸入の半分を占める国を猶予した。

Steel 輸入 2017年  アルミ輸入2017/1-10
千トン % 千トン %
5/1まで猶予 カナダ NAFTA再交渉中 5,800 16.1 2,478 43.0
メキシコ 3,249 9.0 57 1.0
EU 対中国協調? 3,233 9.0 49 0.9
韓国 FTA再交渉中 3,654 10.2
オーストラリア 米国が貿易黒字
ブラジル 4,679 13.0 33 0.6
アルゼンチン 182 3.2
(小計) (20,615) (57.4) (2,799) (48.6)
対象 日本 1,781 5.0
中国 784 2.2 547 9.5
ロシア 3,124 8.7 626 10.9
総合計 35,927 100 5,764 100

EUについて:
Steelは米商務省発表の統計のトップ20のうち、独、蘭,伊、西、英の合計、アルミは同トップ15のうち、独のみを取った。EU全体ではもっと多い。


安倍首相は、トランプとの親密な関係を謳ってきた。しかし、トランプ政権は対日貿易赤字を問題にしてきた。

Trump大統領は2017年3月31日、中国や日本などとの貿易赤字削減を目指す大統領令(Executive Order)に署名した。
商務長官と米通商代表部(USTR)代表に貿易赤字の要因を分析させ、相手国の不公正な関税や輸出補助金などを徹底的に調査する内容。

米通商代表部(USTR)は同日、2017年版の貿易障壁報告書を公表した。

日本に関しては農産物市場に「重大な障壁」が存在すると批判し、牛肉や豚肉などで一層の市場開放を要求した。
日本側の食品添加物や農薬規制、自動車流通市場に非関税障壁があるとの見解も示した。

2017/4/3 貿易赤字削減を目指す大統領令

安倍首相とトランプ大統領は2017年2月の首脳会談で、日米間の通商問題を麻生副総理兼財務相とペンス副大統領がそれぞれトップを務める「日米経済対話」で協議することとした。
2017年4月の東京での初会合では、「貿易・投資ルール」「経済・構造政策」「分野別協力」の3分野で協議を進めることを確認した。

日本の政府関係者によると、これは「結論を先送りする仕組み」だった。

しかし、大統領は騙されていなかった。

3月22日に日本に関して次のように述べた。「こんな長期間、米国をだませたとは信じられない 」と喜んでいるようだが、もうこれまでだと。

I'll talk to Prime Minister Abe of Japan and others --- great guy, friend of mine --- and there will be a little smile on their face.
And the smile is, "I can't believe we've been able to take advantage of the United States for so long" So those days are over.

安倍首相は3月9日に北朝鮮問題で大統領と電話会談をしたが大統領はその後のtwitterで対日貿易赤字(1000億ドル)を問題視し、フェアでなく続かないと述べた

Spoke to Prime Minister Abe of Japan, who is very enthusiastic about talks with North Korea.

Also discussing opening up Japan to much better trade with the U.S.
Currently have a massive $100 Billion Trade Deficit. Not fair or sustainable. It will all work out!

河野外相は3月15日にUSTRのライトハイザー代表と会談し、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限について、日本を適用除外とするよう求めた。
これに対し、ライトハイザー代表からは直接の返事はなかったが、米国の対日貿易赤字に言及した。

今回、主要な米国の友好国のうち、日本だけが猶予されなかった。

今後、日米FTAを強硬に求めてくると思われる。

問題の一つは自動車分野の日本の非関税障壁(関税はゼロなのに輸入されない)である。

また、米国には、TPP-11の調印で、農産物、畜産物などで豪州、カナダ、ニュージーランドなどに市場を奪われる懸念が強く、これも問題にすると思われる。

さらに円安問題が取り上げられる可能性もある。

現在の対日貿易赤字が実際に減少するような方法を求めてくると思われる。

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中国は報復策を発表した。

商務部は3月23日、米国から輸入するワインやドライフルーツ、豚肉などを対象に最高25%の関税を上乗せする準備をしていると発表した。対象は米国の2017年の輸出額で約30億ドル分。

鉄鋼・アルミの輸入制限の撤回や中国側が受けた損失の補償を求めて交渉し、まとまらなければ先ず、ワイン、果物、ナッツ、継目なし鋼管など120品目(輸入額10億ドル)を対象に15%を上乗せする。

その後もさらに交渉を続け、決裂すれば、豚肉、アルミニウムのスクラップなど8品目(輸入額20億ドル)を対象に25%を上乗せする。交渉期限は明らかにしていない。

この措置は、緊急輸入制限(セーフガード)への対抗措置として、WTO協定でも認められている。

ロシア高官は3月23日、米国からの輸入品に対する報復措置の準備を検討する考えを表明した。

ロシア側は輸入制限により鉄鋼だけで少なくとも20億ドルの損失があると試算しており、それに応じた対抗措置を取る可能性がある。

国際石油開発帝石は3月20日、エクアドルの石油鉱区返還に関し、エクアドル政府から約199億円の補償金を受け取ることで合意したと発表した。

石油鉱区の権益を取得後、エクアドル政府の提案でサービス契約に切り替えることとし、協議を続けたが、同国政府と合意に至らず、鉱区を返還した。

同国の法律に基づき、一部のパートナーとともに、鉱区返還に伴う補償金を受け取るべく交渉し、国際商事仲裁を申し立てていたが、今回、同国政府と総額318.7百万ドル(約350億円)を受け取ることで合意したもの。

経緯は下記の通り。

帝国石油(2006年に国際石油開発と合併)は2005年1月、ブラジルのPetrobrasのアルゼンチン子会社 Petrobras Energia からエクアドル東部オリエンテ地方の石油鉱区のブロック18とブロック31の各40%の権益を取得する契約を締結した。

取得後の権益比率は次の通り。

ブロック 18 ブロック 31 各社の概要
Teikoku Oil Ecuador 40% Teikoku Oil Ecuador 40% 帝国石油子会社
Ecuadortlc S.A. 30% Petrobras Energia Ecuador 60% ともにPetrobras Energia 子会社、オペレーター
Cayman Int'l Exploration 18% 米国人の石油会社
Petromanabi 12% エクアドル大手石油事業会社

その後、ブロック18について、2008年10月にエクアドル当局の承認を取得し、条件について協議を続け、同年12月に最終合意に達した。
取得価額については明らかにしていない。

なお、ブロック13については、想定された鉱区の開発の見通しが不透明なことから、取得を断念した。

ブロック18では当時、日量3万バレルの原油を生産中で、今後、既発見構造の開発を行っていく予定で、2009年には日量約5万バレルへの増産を考えていた。

2010年3月期の営業報告書では、「ブロック18鉱区において、既存油田から順調に生産を継続しております」としていた。

2010年にエクアドル政府からブロック18鉱区をコンセッション契約(採掘権付与)からサービス契約(探鉱・開発作業の請負)に切り替えるとの提案があり、協議を続けた。

しかし、政府側と合意に至らず、2010年11月に本鉱区を返還した。

エクアドルの法律では、コンセッション契約からサービス契約に移行しなかった場合は、政府から補償金を受け取ることができることとなっている。

国際石油開発帝石はPetrobrasなどとともに政府との交渉を続けたが、まとまらず、国際商事仲裁を申し立てた。

今回、エクアドル政府との間で合意に達したもの。

総額350億円のうち、同社分199億円は57%で、ほぼ同社(持分40%)とPetrobras(持分30%)で分け合うものとみられる。

補償金は2018年中に数回に分けて入金する。

同社では損益予想にはこれを折り込んでおらず、追って影響を公表する。

付記  同社は3月26日、当期純利益への貢献額として約120億円を折り込むと発表した。

法案は難航の末、可決されたが、その後、トランプ大統領が拒否権発動をほのめかし、大騒ぎとなった。

民主党に対し、「ドリーマー」の救済(DACA制度)と引き換えにメキシコとの壁建設の予算承認を求めていたが、壁の予算がほぼ削られた。DACA制度についても決められなかった。

大統領はtwitter でVETOを考えていると述べた。理由として壁建設費をあげたが、その前に民主党がDACAについて放棄したことをあげた。

DACA was abandoned by the Democrats. Very unfair to them! Would have been tied to desperately needed Wall.

I am considering a VETO of the Omnibus Spending Bill based on the fact that the 800,000 plus DACA recipients have been totally abandoned by the Democrats (not even mentioned in Bill) and the BORDER WALL, which is desperately needed for our National Defense, is not fully funded.

As a matter of National Security I've signed the Omnibus Spending Bill.
I say to Congress: I will NEVER sign another bill like this again.
To prevent this omnibus situation from ever happening again, I'm calling on Congress to give me a line-item veto for all govt spending bills!

日本経済新聞(2018/3/20 )によると、デンソーが有機EL事業のJOLEDに300億円を出資する。

JOLEDは2019年中に世界初となる低コスト方式での有機ELパネルの量産を始めるが、デンソーとパネルを共同開発して車載分野を強化し、先行する韓国勢に対抗する。

JOLEDは、RGB印刷方式による21.6型4K高精細の有機ELパネルを世界で初めて製品化し、2017年12月5日より出荷を開始した。
大画面に均一に一括塗布する設備技術・プロセス技術の実用化とともに、光取り出し効率が高い独自の「トップエミッション構造」により、優れた色再現性や広視野角を実現した。

住友化学が開発した高分子発光材料を使用する。印刷方式は蒸着よりコストが安い半面、パネルが大型になるほど均一に材料を塗布するのが難しかったが、これを使えば塗布のムラができにくくなる。 



(JOLEDについて)

中国企業の大増設により、液晶パネル業界には「2012年問題」が発生し、2011年7-9月期に液晶パネルで世界の上位4位を占めるSamsung、LG、友達、奇美の4社が赤字となり、シャープは2012年3月期決算で3761億円の最終赤字を計上した。

これに対し、中小型液晶については日本勢はまだ頑張っていたが、個別には十分な能力増強投資ができず、競争力を失ったテレビ用パネルの二の舞いになる可能性が高い。

このため官民ファンドの産業革新機構は東芝とソニー、更に日立ディスプレイズ中小型の液晶パネル事業を統合させ、機構が2000億円を出資して「ジャパンディスプレイ」を設立した。

しかし、最大顧客の米アップルが iPhone の新モデルで初めて有機ELを採用したことから、ジャパンディスプレイも有機EL事業の進出を図った。2015年1月にソニーとパナソニックの有機ELディスプレイパネルの開発部門を統合し発足したJOLEDに15%を出資した。

ジャパンディスプレイは2016年12月にJOLEDに51%の出資とすることを決めたが、中期経営戦略の見直しに伴い、実現していない。

ジャパンディスプレイは主力のスマートフォン向けの液晶パネルが振るわず、2017年3月期決算の純損益は317億円の赤字で、3年連続の赤字だった。
2016年にも資金難に陥り、産業革新機構から750億円の支援を受けたが、すでに底をついている。

2017/8/4 ジャパンディスプレイ、1千億円融資要請

付記 ジャパンディスプレイは2018年3月30日、JOLEDへの51%出資方針を取り消した。

JOLEDは2017年12月、生産拡大のため2018年3月末までに約1000億円の第三者割当増資を実施する方向で検討していると発表した。

約1000億円の3分の2をジャパンディスプレイの能美工場(石川県能美市)に投資し、生産規模を現在の10倍程度まで引き上げたい考え。残りは運転資金に充てる。

増資引き受けについて国内外の装置メーカーや材料メーカーなどと交渉している。

日経報道では、今回、この1000億円のうちの500億円を決めたという。

デンソーの300億円に加え、既存株主のパナソニックとソニー、発光材料の住友化学、生産設備のSCREENホールディングスもそれぞれ50億円ずつ出資する。

SCREENホールディングスは、京都府京都市にある半導体・液晶製造装置・印刷関連機器などの産業用機器を製造する企業グループの持株会社

残り500億円については、国内外の部材メーカーや商社などと交渉を続けている。

報道の通りなら、1000億円増資後の同社の出資は次の通りとなる。2018/8/23 の発表後の出資は下記の通り。

現状 増資-1 増資-2 増資完了後
産業革新機構 75% 196億円 196億円
ジャパンディスプレイ 15% 39億円 39億円
Sony 5% 13億円 13億円
Panasonic 5% 13億円 13億円
デンソー 300億円 300億円
豊田通商 100億円 100億円
住友化学 50億円 50億円
SCREEN 20億円 20億円
others(交渉中)
合計 262億円 470億円

付記

JOLEDは8月23日、第3者割当増資により、総額470億円を調達したと発表した。
引受先の内訳はデンソーが300億円、豊田通商が100億円、住友化学が50億円、SCREENファインテックソリューションズが20億円。
デンソーとは車載向けディスプレイの開発で協力するほか、豊田通商には販売面の協力を仰ぐ。住友化学とは材料開発での協力体制を強化する。

JOLEDは同日、生産設備の開発設計を行うパナソニック プロダクションエンジニアリング、ディスプレイ製造工程で使われる各種装置と関連サービスを提供するSCREENファインテックソリューションズと、主にテレビ向けを想定した、印刷方式による大型有機ELディスプレイ製造のための印刷設備の開発・製造・販売・サービスに関する業務提携契約を締結したと発表した。

ーーー

デンソーは、「先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカー」である。

新技術の開発のため、積極的な投資・出資を行っている。

センサーやカメラを大量に搭載する次世代車向けでは、情報を分かりやすく表示するディスプレーの需要が高まる。

JOLEDとパネルを共同開発し、車向けの新たな販路を開拓する。 速度などの計器類を統合した大型パネルや車外のカメラ画像を映し出す「電子ミラー」などへの採用を見込んでいる。


デンソーは3月9日には、自動運転システムを始めとして、高度化、複雑化、大規模化する車両向け各種システムの開発を加速するため、そのキーデバイスである半導体の最先端技術を保有するルネサス エレクトロニクス株式の保有比率を引き上げることを決定した。

産業革新機構から4.5%分を買い取り、出資比率を5.00%とする。

ルネサスエレクトロニクスは2010年4月に、三菱電機および日立製作所から分社化していたルネサス テクノロジと、NECから分社化していたNECエレクトロニクスの経営統合によって設立された。

その後、下記の変遷をたどった。

2012/12 産業革新機構・トヨタ自動車・日産自動車など9社に1500億円の第三者割当増資
          産業革新機構 69.16%  デンソー 0.5%

2017/6 産業革新機構などの持ち株の一部を国内外投資家に売却
          産業革新機構 50.10%

2018/3/14 産業革新機構が持ち株(4.5%分)をデンソーに売却
          産業革新機構 45.60%、デンソー 5.00%

付記 ルネサスは4月3日、産業革新機構が12.2%分を放出すると発表、日立とNEC(退職給付信託)も一部売却する。
     革新機構 45.6%→33.4%、日立 5.6%→3.7%、NEC 6.4%→4.3%


デンソーはまた、トヨタが自動運転技術の先行開発分野での技術開発を促進するために設立する「Toyota Research Institute Advanced Development」にアイシンとともに出資する。

共同技術開発を行うことに加え、3社で3000億円以上の開発投資を実施することに基本合意した。

3月23日の暫定予算期限が近づく中、共和・民主両党の議会トップ4人は3月21日夜、10月までの政府予算を手当てする歳出法案で合意した。

本年2月8日につなぎ予算が切れ、政府機関が再度の閉鎖となった直後、2月9日早朝に両院で3月23日までの暫定予算を承認し、閉鎖が解除された。
両院で可決した上院の法案には、連邦政府支出を約3000億ドル増やす期間2年の予算合意、債務上限を1年間停止が含まれている。

2018/2/10 米国政府機関、再度の閉鎖、数時間後に予算合意で解除

米下院は同日、総額1兆3000億ドルの包括的歳出法案を公表した。
国境警備とインフラ、軍事予算を増やし、共和、民主両党議員へのアピールを狙った内容となっているが、与党共和党の内部にも反対が強かった。

歳出の大幅増額と減税により財政赤字が増大するため、歳出抑制、均衡予算を唱える多くの共和党議員にとって受け入れがたいものであった。
2200ページにも及ぶ予算案が前夜に初めて公表され、「誰も読んでいない、恥を知れ」と叫ぶ議員もいた。

トランプ大統領はメキシコとの壁建設費用として250億ドルを求めていたが、法案ではフェンス建設費など国境警備予算16億ドル だけを認めた。

大統領は事前協議で不満を示したが、法案を通すため、しぶしぶ認めた。

なお、民主党側は未成年時に親に連れられ不法入国する形で米国に来た「ドリーマー」の救済を求めていたが、共和党との協議がまとまらず、司法の判断に任すこととなり、不満を抱いている。

このほか、銃購入時の身元確認に用いるデータベースへのより厳格な報告を連邦省庁に義務付ける条項や、インフラプロジェクト予算210億ドル、過剰摂取による死亡者数の急激な増加が問題となっている麻薬性鎮痛薬オピオイド乱用対策の追加予算40億ドルも盛り込まれた。

共和党首脳は反対を抑えるため、軍事費の増額を強調し、賛成するよう求めた。

共和党のPaul Ryan下院議長は投票前に次のように叫んだ。
"Vote yes for our military. Vote yes for the safety and the security of this country."

下院は3月22日に法案を可決した。共和党から保守派を中心に90人が反対した。

共和党 民主党 合計
賛成 145 111 256
反対 90 77 167
棄権 3 4 7
合計 238 192 430

しかし上院では保守派の反対が多く、難航した。

最後に投票に入り、22日深夜を過ぎて、可決した。共和党から23人が反対した。

共和党 民主党 無所属 合計
賛成 25 39 1 65
反対 23 8 1 32
棄権 3 3
合計 51 47 2 100

トランプ大統領は3月22日、米通商代表部(USTR)に中国の知財侵害に制裁関税を課すよう指示する大統領令に署名した。

テーマは、中国の、技術移転・知財・イノベーションに関する、法律・政策・慣行・行動についての通商法301条による行動となっている。

Presidential Memorandum on the Actions by the United States Related to the Section 301 Investigation

内容は次の通り。

大統領は2017年8月14日、不公正貿易での制裁も視野に、中国に対する通商法301条に基づく調査を開始するよう指示した。
米通商代表部(USTR)は8月18日、中国による知的財産権の侵害を対象に通商法301条に基づく調査を開始したと発表した。

2017/8/18 米大統領、通商法301条で対中調査指示

USTRは下記の調査結果を大統領に報告した。

1) 中国は、JV規制、出資制限、その他の投資制限などの外国企業の中国での所有制限を使って、米国企業から中国企業への技術移転を強要している。
 また、監査やライセンス手続きなどを使い、技術移転を求め、米国の投資や技術の価値を下げ、米国企業のグローバルな競争力を弱めている。

2) 中国は、技術供与の条件に制限を加えるなどにより、米国企業の投資や活動に重要な制限を加えたり、介入している。 
 結果として、米国企業は、中国側をアンフェアに利する条件でライセンスをすることとなる。

3) 中国は、最新の技術、知財を得られるよう、中国企業による米国企業や資産への投資・取得をシステマチックに行い、中国政府の産業計画に重要と思われる産業への大規模技術移転を行っている。

4) 中国は米国企業のコンピューターネットワークに不法に侵入している。それにより、中国政府は知財、事業秘密、秘密の情報にアクセスしている。これは、科学技術の進歩、軍の近代化、経済発展といった中国の戦略開発目的を支えている。

このため、下記を命じる。

USTRは、米国の通商を制限するような中国の不合理な、差別的な行動、政策、方針に対応する通商法301条の下での全ての行動をとること。
その行動に、中国製品への関税の増加を含めるかどうかを検討すること。

このため、USTRは15日以内に対象となる候補の製品と追加関税率のリストを公表すること。

その後、関係省庁と協議のうえ、最終リストを公表すること。

大統領令の60日以内に、状況を大統領に報告すること。

ーーー

USTRは米経済の被害額を年500億ドルと断定した。

USTRは15日以内に制裁関税を課す中国製品のリストを作成するが、約1300品目を想定している。

ホワイトハウス高官は、制裁対象の製品は、知財侵害の被害額と同規模の500億ドルと説明したが、トランプ大統領はその後に「600億ドルになるだろう」と述べた。
USTRによると、対象製品に航空宇宙や情報・通信技術、機械などが含まれるという。リストを向こう「数日」中に公表する。
これらに25%の関税を課す。

大統領は同時に、米財務省に中国企業の対米投資を制限するよう指示した。同省は60日以内に具体策を決める。中国の政府系企業などが最新技術の確保を狙って米国企業を買収するのを避ける狙いがある。

大統領はさらに、中国の知財侵害をWTOに提訴するよう要求した。

大統領は、中国によって「知的財産権が著しく侵害される状況が続いており」、貿易への影響は年間で数千億ドルに達すると指摘した。ホワイトハウスで署名する際に、「多数のうちの第1弾だ」と記者団に語った。

大統領はtwitterで呟いた。

As a candidate, I pledged that if elected I would use every lawful tool to combat unfair trade, protect American workers, and defend our national security.
Today, we took another critical step to fulfill that commitment.

ーーー

これに対し、中国政府は猛反発している。

中国大使館は「強烈な不満と断固とした反対」とする声明を発表した。「中国は貿易戦争を望まないが、恐れてもいない。あらゆる挑戦に対応できる自信と能力がある」とし、「米国は慎重に政策を決め、米中双方の経済貿易関係を危うくしないよう求める。他人を傷つけようとして自らを害する結果となることを避けるべきだ」と制裁関税の発動を見送るよう求めた。

元中国商務部次官は、「対中貿易戦争の宣戦布告だ」と述べ、「中国は貿易戦争を恐れていないし、避けようとしないだろう。われわれには自動車輸入、大豆、航空機、半導体の分野で、反撃できる多くの手段がある。トランプ大統領はこれが極めて悪いアイデアであり、勝者はおらず、両国にとって良い結果は出ないと知るべきだ」と指摘した。


米国が通商拡大法232条に基づき鉄鋼やアルミニウムに追加関税をかけることへの対抗措置としては、商務部は3月23日、米国から輸入するワインやドライフルーツ、豚肉などを対象に最高25%の関税を上乗せする準備をしていると発表した。対象は米国の2017年の輸出額で約30億ドル分。

鉄鋼・アルミの輸入制限の撤回や中国側が受けた損失の補償を求めて交渉し、まとまらなければ先ず、ワイン、果物、ナッツ、継目なし鋼管など120品目(輸入額10億ドル)を対象に15%を上乗せする。

その後もさらに交渉を続け、決裂すれば、豚肉、アルミニウムのスクラップなど8品目(輸入額20億ドル)を対象に25%を上乗せする。交渉期限は明らかにしていない。

この措置は、緊急輸入制限(セーフガード)への対抗措置として、WTO協定でも認められている。

鉄鋼やアルミニウムの輸入制限は米東部時間3月23日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に発動された。同時刻以降に米国に輸入された製品から追加関税を徴収する。

ホワイトハウスはカナダ、ブラジル、メキシコ、EU、オーストラリア、アルゼンチン、韓国への関税を5月1日まで猶予する方針を示した。完全に除外するかどうかは各国と貿易問題などを交渉して決める。
日本は除外対象にならなかった。

2018/3/9 トランプ大統領、鉄鋼・アルミの輸入制限発動を命令

2018/3/12 鉄鋼とアルミニウムの輸入制限問題、大統領のつぶやき

EUは3月21日、バイエルのモンサント買収を承認すると発表した。

問題となった両社の種子、殺虫剤、デジタル農業での重複に対応するため、バイエルが提出した対策を実施することが条件となっている。

付記 ロシアは4月20日、条件付きで承認した。

付記 

バイエルは2018年4月26日、2017年10月のBASFとの合意内容に加え、BASFに事業と資産を17億ユーロで売却することで合意した。(合計76億ユーロ≒ 90億ドル)
新たに追加されたのは以下の事業で、EUや他の諸国の独禁法当局との約束を満たすための処理。

  • Nunhems®ブランドで世界的に販売されているすべての野菜種子事業
  • Poncho®、VOTiVO®、COPeO® 、ILeVO®の各ブランドで販売されている種子処理製品
  • 小麦交配種の研究開発プラットフォーム
  • 最新のデジタル農業プラットフォーム、xarvioTM

付記 米国は5月29日、条件付きで承認した。

ーーー

Bayerは2016年9月14日、Monsantoの現金での買収で合意したと発表した。

買収は2017年末までに完了する見通しとしていた。

2016/9/19 Bayer、Monsantoを買収 

EUは2017年8月22日、買収によって農薬や種子などの分野で、競争が損なわれ、販売価格の上昇や品質の低下、選択肢の減少、技術革新の停滞などにつながる懸念があるとの暫定的な判断を示し、本件についてのin-depth investigation を開始した。
2018年1月8日までに買収を承認するかどうか判断するとした。

これを受け、Bayerは2017年10月13日、Monsanto買収を進めるため、特定の Crop Science事業をBASFに59億ユーロで売却すると発表した。
売却事業の2016年の売上高は約13億ユーロ。Monsantoの買収の完了を条件とする。

売却する事業は次の通り。

1) 非選択性のアミノ酸系除草剤グルホシネートアンモニウム塩(製品名:Liberty®、Basta® 、Finale® ) 対象地域は全世界。

2) 下記の種子事業

北米でのハイブリッド キャノーラ油 InVigor®(LibertyLink® 技術使用:除草剤Liberty に耐性を持つ)
欧州での菜種(oilseed rape)
欧州、米大陸での棉(インドと南アは対象外)
米大陸での大豆
関連知財、設備、育種技術
LibertyLink® 形質 及び trademark
従業員1,800 人超 (主として、米国、ドイツ、ブラジル、カナダ、ベルギー。BASFは最低3年の雇用継続を約束)

2017/10/16 Bayer、Monsanto買収の独禁法対策で、BASFに一部事業を売却 

EUは当初2018年1月8日までに買収を承認するかどうか判断するとしたが、これを3月12日に延ばし、更に4月5日に延ばした。

Bayerは承認を確実にするため、Nunhems®ブランドで世界的に販売されている野菜種子事業の売却について、BASFと最終的な合意に向けた独占的協議をしていることを3月7日に明らかにした。

中国商務部は2018年3月13日、BayerによるMonsanto買収を条件付きで承認すると発表した。

承認に当たり、次の条件をつけた。

1) Bayerの世界の野菜種子事業、関連設備、人員、知財その他の処分

2) Bayerの非選択性除草剤(
グルホシネートアンモニウム塩)事業と関連設備、人員、知財その他の処分

3) Bayerの世界のコーン、大豆、綿花、菜種の品種と関連設備、人員、知財その他の処分

4)
 中国でのデジタル農業
   Bayer、Monsanto、および統合会社の中国市場でのデジタル農業製品の商品化の5年以内に、
   中国の全ての農業ソフトウエア開発企業は、正当で差別的でない条件で、ソフトウエアの使用を認められること。

Bayerはデジタル農業についての条件を受け入れた。

2018/3/16 中国商務部、BayerのMonsanto買収を条件付きで承認 

ーーー

EUは①種子・形質 (Seeds and traits)、②農薬、③デジタル農薬の分野で多くの懸念を示した。

EUは今回、Bayerが提案した下記の対策が、これらの問題を完全に解決するとした。

・両社で重複する種子と農薬の事業で、Bayerの事業と資産を処分
・それらには、種子・形質のグローバルなR&Dと、Monsantoの除草剤
glyphosateと競合する製品の開発活動を含む。
 処分対象にはBayerの線虫に対する種子の処理と将来競合すると思われるMonsantoの資産を含む。
・最後に、Bayerはグルーバルのデジタル農業についてライセンスを認めると約束した。

Bayerは前記の通り、2017年10月13日に特定の Crop ScienceをBASFに売却すると発表、さらに2018年3月7日に、Nunhems®ブランドで世界的に販売されている野菜種子事業の売却について、BASFと最終的な合意に向けた独占的協議をしていることを明らかにしている。

EUは現在、この売却がEUの求める条件に合致するかどうか、また、新たな競争上の問題を生まないかをチェックしている。
このチェックが完了してから、BayerはBASFにこれらを売却できる。

ーーー

前記の通り、中国は2018年3月13日に承認を発表した。

ブラジルは2018年2月7日、買収を承認した。(2017年10月発表の特定の Crop Science事業のBASFへの売却を条件)

オーストラリアは3月22日、買収に反対しないと発表した。

ロシアは審議中。

米国は今回、審査を早めるとしたが、欧州とは状況が違うと述べた。「欧州では遺伝子組み換え種子はほとんど禁止されているが、米国では広く使われている。買収が米国の農家と消費者に与える影響の調査を続ける」とした。


アブダビ国営石油会社(ADNOC)は3月21日、ADMA鉱区の3つの油田の権益を中国石油天然気集団(CNPC)の子会社 PetroChinaに与えたと発表した。

国際石油開発帝石の子会社のジャパン石油開発(JODCO)がADNOCと共同で運営してきた油田の一部である。

契約地域

当初権益比率

JODCO ADNOC その他
ウムシャイフ油田 12% 60% BP   14.67%
TOTAL 13.33%
ナスル油田
ウムルル油田
下部ザクム油田
上部ザクム油田 12% 60% ExxonMobil 28%
ウムアダルク油田  12% 88%

サター油田(SARB) 40% 60%


これらの油田は 相次いで期限が来るが、
生産コストが安く探鉱リスクもないことから、BPやTOTALが比率拡大を狙うほか、中国も新規参入を目指しており、今後、激しい国際競争が予想された。
国際石油開発帝石も政府の支援を得て、延長交渉を行ってきたが、
ADNOCは2017年8月7日、他数(more than a dozen )の相手と交渉中であると発表した。

国際石油開発帝石は最終的にウムシャイフ油田、ナスル油田、 ウムルル油田の権益は失ったが、下部ザクム油田は10%を確保、ウムアダルク油田はこれまでの12%を40%に増やした。
上部ザクム油田とサター油田はこれまでの権益を維持した。

この時点ではスペインのCepsa、インドのONGC Videsh のグループが新たに権益を取得した。

2018/2/28 国際石油開発帝石、アブダビの下部ザクム油田の権益取得

ADNOCは3月21日、CNPC(PetroChina)にウムシャイフ/ナスル油田と下部ザクム油田の権益各10%を与えたと発表した。

CNPCは参加料として、下部ザクムについて6億ドル、ウムシャイブ/ナスルについて5.75億ドルを支払う。

別途、ADNOCは3月11日にイタリアのENIにウムシャイフ/ナスル油田の権益の10%と下部ザクム油田の権益の10%を、3月18日にはフランスのTotalにウムシャイフ/ナスル油田の権益20%と下部ザクム油田の権益5%を与えた。Total はジャパン石油開発とともに、これらの油田に当初から参加している。

Eniは参加料として、下部ザクムについて3億ドル、ウムシャイブ/ナスルについて5.75億ドルを支払う。
Total は参加料として、下部ザクムについて3億ドル、ウムシャイブ/ナスルについて11.5 億ドルを支払う。

鉱区

今回改正(青字は2018/2、赤字は2018/3の変更点)

新期限
JODCO ADNOC その他
ウムシャイフ油田

12%→0%

60% PetroChina 10%
Total 20%
Eni 10%
2058/3/8
ナスル油田 60%
ウムルル油田 

60%

Cepsa 20%
未定 20%
下部ザクム油田 12%→10% 60% ONGC Videsh 10%
PetroChina 10%
ENI 5%
Total 5%
上部ザクム油田 12% 60% ExxonMobil 28% 2041/12/31
ウムアダルク油田 12%→40% 60% 2043/3/8
サター油田(SARB) 40% 40%

Cepsa 20%

2043/3/8

残るウムルル油田の相手先が未定である。また、下部ザクムについては、前回、ADNOCは20%分の放出を明らかにしたが、これも未定となっている。

ーーー

中国石油天然気集団(CNPC) はこれ以外にもUAEの石油事業に参加している。

国際石油開発帝石(INPEXは2015年4月27日、ジャパン石油開発(JODCO)がアブダビ首長国の陸上のADCO鉱区の5%の参加権益を取得し2015年1月1日からの40年間を契約期間とする利権契約を同国政府及びアブダビ国営石油会社(ADNOC)と締結したと発表した。

ADNOCの出資比率は1974年に60%となったが、他のメンバーは以下の通りであった。

BP、Shell、Exxon Mobil、Total  各9.5%、計38%
PortugalのPatex Oil and Gas 2%

これら各社の権益は2014年1月10日に期限切れで失効した。

新しく40年間の権益が与えられることとなり、各社が応札した。

先ず2015年1月1日付けでフランスのTotal が10%の権益を取得した。
INPEXの5%権益取得はこれに続くもの。

残りの25%分を次の各社が争った。

2015/4/29 国際石油開発帝石、アブダビ首長国の陸上ADCO鉱区の権益取得

2017年2月にCNPCは8%の権益を取得した。

最終の権益比率は次の通り。

ADNOC 60%
Total、BP 各10%、CNPC 8%、
ジャパン石油開発 5%、中國華信能源(CEFC China Energy:中国の新興エネルギー企業) 4%、韓国 GS Energy 3%

ーーー

CNPCは2014年に、CNPC 40%、ADNOC 60%の陸上及び海上採掘JV Al Yasat を設立した。

海上利権は、Bu Haseer、Belbazem、Umm Al Dholou、Umm Al Salsal、Yaser の油田で、2018年には生産開始が期待されている。

陸上油田はAbu Dhabi の南西の地域にあり、面積は7800 km²。現在開発中。


更に、中国は最大の石油輸入国であり、UAEは中国への10番目の輸出国である。

ADNOCとBorealisの60/40のJVのAbu Dhabi Polymers (Borouge)は現在、下記の能力を持つが、中国は最大の輸出先である。Abu Dhabi Polymers (Borougeは上海と広州にPPコンパウンド工場を持つ。

  • HDPE/LLDPE 年産230万トン
  • LDPE(wire and cable用) 35万トン
  • PP 176万トン

2013/1/26 アラブ首長国連邦(UAE)の石油化学の現状


日揮は3月19日、同社とイタリアのTecnimont のJVがフィリピンの JG Summit Petrochemical から石油化学プラント建設プロジェクトを受注したと発表した。

首都マニラの南120kmのBatangasにあるJG Summit Petrochemical のコンプレックスに年産25万トンのHDPE設備を新設するとともに、既存のPPプラントを現在の19万トンから30万トンに拡大する。
同社は
現在、HD/LLスイングプラント2系列計32万トンを持っており、今回の計画が完成すると、PE能力は総計57万トンとなる。

JVはTecnimont Philippinesが65%、日揮子会社のJGC PHILIPPINESが35%出資する。

契約内容は建設に係るEPC (設計、機材調達、建設工事)役務で、契約金額は180百万ドル(日揮分 63百万ドル=約70億円)。納期は2020年中頃。

JG Summit Petrochemical は同じBatangasに姉妹会社でオレフィンを生産するJG Summit Olefinsを持つ。

JG Summit Olefinsは年産32万トンのエチレンとプロピレン、mixed-C4、分解ガソリンを生産しているが、2021年までに3期に分けて、エチレン増強、ブタジエンプラント新設、BTXプラント新設を行うことを計画している。(フィリピン通商産業省の発表)

同社グループの各製品の能力の推移は下記の通りとなる。(千トン)

メーカー 製品 当初 2014/11 今回計画
JG Summit Olefins エチレン

320 480
プロピレン 190 241
mix-C4 110 136
分解ガソリン 216 295
ブタジエン 70
ラフィネート 89
ベンゼン 126
トルエン 76
キシレン 46
JG Summit Petrochemical PE(HD/LL) 175→200 320 320
PE(HD) 250
PP 180 190 300

ーーー

JG Summit Holdingsはフィリッピンのコングロマリットで、下記の7つのコア事業を行う。

消費財、食品:Universal Robina Corporation
不動産、ホテル:Robinsons Land Corporation、United Industrial Corporation (Singapore)
航空:Cebu Pacific Air
石油化学:
JG Summit Petrochemicals、JG Summit Olefins
金融:Robinsons Bank
テレコム:
Philippine Long Distance Telephone Company
電力:Manila Electric Company

JG Summit Petrochemicalは1998年4月に JG Summit Holdings 80%、丸紅20%のJVとして設立された。

Batangasにいずれも
UNIPOL™ 法で PE(HDPE/LLDPE) 175千トン、PP 180千トンプラントを建設した。

丸紅はその後、出資比率を17.72%としたが、2007年に撤退し、JG Summit Holdingsの100%子会社となった。

JG Summit Olefinsは2008年に設立され、2014年11月に商業生産を開始した。同国最初のナフサクラッカーとして、6年間(2014年1月から)の免税など、税務上その他の恩典を受ける。

JG Summit Olefinsの完成に合わせ、JG Summit Petrochemicalは PEを1系列増強し年産32万トンに、PP能力は1万トン増強し、年産 19万トンにした。

2015/7/17 フィリッピンの石油化学の現状 

1945年頃から2010年までに建設現場で働き、建材用アスベスト(石綿)を吸って肺がんや中皮腫などになったとして、首都圏の元建設労働者や一人親方と遺族ら354人が、国と建材メーカー42社に計約117億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が3月14日、東京高裁であった。

1審の東京地裁は2012年12月、原告170人に総額10億6394万円の賠償を命じた。
一人親方については、国は責任を負わないとし、メーカーについては、
共同不法行為は成立しないとした。屋外作業については、危険性を容易に認識できたと言えないとした。

今回の控訴審では、1審判決から賠償額を増額し、「一人親方」(被災者ベースで150人ほど)を含む327人に計約22億8140万円を支払うよう国に命じる判決を言い渡した。

一人親方については、「建設現場で労働者とともに作業に従事した一人親方らは法律上、保護される」と指摘した。労働安全衛生法の趣旨などに照らし、有害物の規制や職場環境の保全については、労働者以外も保護対象になると判断した。

メーカーへの請求は、「健康被害との因果関係が立証されていない」などとして、棄却した。

屋外作業に関わっていた原告も救済の対象にならなかった。

判決は、1972年頃には、少量の石綿粉じんにさらされても中皮腫を発症し得るとの医学的知見が集まっていたことなどから、「国は屋内で建設作業に従事していた労働者らについて、遅くとも1975年10月(改正特定化学物質障害予防規則施行日)には防じんマスクの着用などを義務付けるべきだった」と指摘した。
1審で明確に示されなかった終期を2004年9月30日(改正労働安全衛生法施行令施行日前日)とした。

1審判決では、遅くとも1981年以降に対策をとっておれば、多くの被害を防止できたと結論づけており、今回、国の責任期間を6年早めた。

ーーー

地裁段階ではこれまでの7件、高裁では今回を含め2件の判決があった。控訴審はほかに札幌、大阪、福岡の各高裁で係争中で神奈川訴訟は最高裁で争われている。

2012年5月の横浜地裁は国もメーカーも無罪としたが、他はすべて国の責任を認めた。

建材用アスベストについては、一人親方について国の賠償責任を認めたのは初めて。

メーカーについては、2016年1月の京都地裁、2017年10月の横浜地裁、
2017年10月の東京高裁判決で一部メーカーの責任が認められている。
他は、発症原因のメーカーが特定できないなどとして認めていないが、2017年2月の札幌地裁は国と建材メーカーによる損害補償制度の創設の必要性を指摘した。

過去の判決については、下記を参照。

2017年10月30日 建設現場でのアスベスト被害で高裁で賠償命令、一審逆転 

トランプ米政権の鉄鋼とアルミニウムの輸入制限の発動予定日の3月23日が迫る中、EUの通商担当のマルムストローム欧州委員は近くロス米商務長官と会談し、NATOに属するEUを、安全保障を理由とした輸入制限の対象とすべきではないと訴える方針である。

ホワイトハウスのサンダース報道官は3月16日、「国家安全保障で協調でき、一定の柔軟性が存在する分野について複数の国と協議中」と説明、来週末にかけ交渉を続けると述べた。

付記

鉄鋼やアルミニウムの輸入制限は米東部時間3月23日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に発動された。同時刻以降に米国に輸入された製品から追加関税を徴収する。

ホワイトハウスはカナダ、ブラジル、メキシコ、EU、オーストラリア、アルゼンチン、韓国への関税を5月1日まで猶予する方針を示した。完全に除外するかどうかは各国と貿易問題などを交渉して決める。
日本は除外対象にならなかった。

EUは3月16日、EUが輸入制限の対象となった場合の対抗措置として、最大25%の報復関税 を課す対象品目リストを公表した。

品目リストの提示は域内企業を対象にしたパブリックコメント(意見公募)が目的で、今後、集まった意見をもとに、最終的な品目リストを絞り込む 。

対象品のリストは10ページにわたり、とうもろこし、コメ、オレンジジュース、バーボンウイスキー、たばこなどの農産品からボート、オートバイやジーパンなどの衣料品、鉄製の家電製品(レンジやヒーター等々)まで様々な品目が並ぶ。
  http://trade.ec.europa.eu/doclib/docs/2018/march/tradoc_156648.pdf

米メディアは与党共和党の有力議員の地元特産品を標的にしたと指摘した。

バーボンウイスキー:Kentucky州(上院 Majority Leader Mitch McConnelの地盤)
クランベリージュース:Wisconsin州(下院 Speaker Paul D. Ryanの地盤)
オレンジジュース:Florida 州(political swing state=
選挙結果を左右する州
タバコ:North Carolina州 (同上

ユンケル欧州委員長は3月2日、報復関税の対象に検討する米製品として、オートバイのHarley-Davidsonやバーボン・ウイスキー、Levi'sのジーンズといった代表的な米ブランドを例示していた。

対象品の年間輸入総額は64億ユーロで、EUから米国向けに輸出される鉄鋼とアルミの金額に相当する。

リストは2つに分かれている。

Part A は米国がEUに対し輸入制限を発動すれば即座に報復関税を課するもので、金額は28億ユーロ。これについては25%の関税を課する。

Part BはWTOが米国の措置を違法と判断した場合、若しくは3年が経過した時に発動するもので、金額は36億ユーロ。

EUはこの対抗策を5月23日までに(又は米国の発動後60日以内に)WTOに通知する。

ーーー

なお、ある国を輸入制限の対象外とするかどうかについては大統領が最終決定するが、米国内で調達しにくい特定製品について関税の適用除外するかどうかは商務省が決定する。

商務省は米国企業からの申請に基づき、製品ごとに、①満足できる水準の品質と②十分な利用可能の量で、米国内で製造されているかどうかを審査する。

3月19日から受け付け、最長90日で判断する。


Wall Street 紙は3月14日、トランプ政権が中国に対して米国の対中貿易赤字を1千億ドル減らすよう求めたと報じた。

貿易赤字削減の要請は、習近平国家主席の経済ブレーンで政治局員の劉鶴氏が2月下旬から3月上旬にかけて訪米した際に米政府から伝えた模様。

トランプ大統領は習首席に「対中貿易赤字は持続的ではない」と不満を直接伝えるなど、赤字削減に強い意欲を示してきた。

大統領は3月7日のツイッターで「貿易赤字を1000億ドル減らす計画の策定を求めた。中国がどのように返答してくるか楽しみだ」と述べている。

China has been asked to develop a plan for the year of a One (hundred ) Billion Dollar reduction in their massive Trade Deficit with the United States.

Our relationship with China has been a very good one, and we look forward to seeing what ideas they come back with. We must act soon!

TwitterではOne Billion Dollar(10億ドル)となっており、White House は「タイプミスで、大統領が意味したのは1千億ドルだ」と訂正した。

米国の対中貿易赤字は2017年に3757億ドルに達する。これから1000億ドルを減らすよう求めている。

しかし、不思議なことに、中国の統計では2017年の対米貿易黒字は2758億ドルで、米国の統計と1000億ドルの差がある。
米国統計では中国からの輸入が中国側の対米輸出よりも遥かに多く表示されている。

(付記 中国の貿易統計では、香港向けで多額の黒字が出ており、このうち、かなりの部分が中国向けと思われる。)

中国の商務相はトランプの1000億ドルを意識して、「米国の貿易統計は対中貿易赤字が約20%も高めに出る」と指摘した。

両国の統計の差がなぜ生じるかは明確でない。米中両政府が専門家チームをつくり、統計の差が米中間の貿易収支に与える影響を分析したとされる。


中国:中国税関総署 商品 国别(地区)总值表
米国:US Sensus 統計  Exhibit 20a. U.S. Trade in Goods by Selected Countries and Areas - BOP Basis

なお、日本の場合はあまり差はなし。(簡便法で日本の統計を1$=110円で換算)


別途、中国商務部は本年1月には、ハイテク製品の対中輸出を制限する米国の規制が米国の対中貿易赤字の原因になっているとの認識を示した。

米国では安全保障の観点から、軍事転用可能な民生品、ソフトウェアおよび技術の輸出を商務省内の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security)が輸出管理規制(Export Administration Regulations)によって管理している。

この問題は2011年5月の米中戦略・経済対話の時点で既に取り上げられている。中国側は「米国は中国市場でのチャンスをみすみす失っている」と述べ、規制を緩めれば米国の対中輸出が増え、貿易不均衡は縮小するとの見通しを示した。

ーーー

トランプ大統領は、貿易赤字の縮小に躍起になっており、中国を始めとし各国に次々と圧力をかけている。


トランプ大統領は3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名したが、Twitterの発言では建前の安全保障ではなく、貿易赤字を問題にしている。
米国が貿易黒字である豪州は対象外とし、日本やEUは貿易赤字を指摘、当面対象外としたカナダとメキシコについてはNAFTA交渉の結果次第としている。

2018/3/9 トランプ大統領、鉄鋼・アルミの輸入制限発動を命令

2018/3/12 鉄鋼とアルミニウムの輸入制限問題、大統領のつぶやき


トランプ政権が、知的財産権侵害を理由に中国に制裁措置を発動する方針であることが明らかになった。追加関税総額が300億~600億ドルに達する可能性があると報じられた。

大統領は2017年8月14日、不公正貿易での制裁も視野に、中国に対する通商法301条に基づく調査を開始するよう指示している。
米通商代表部(USTR)は8月18日、中国による知的財産権の侵害を対象に通商法301条に基づく調査を開始したと発表した。

2017/8/18 米大統領、通商法301条で対中調査指示


トランプ大統領は対韓貿易赤字の解決に向けて「在韓米軍カード」の利用を示唆した。

大統領は3月14日の演説で、「われわれは韓国との貿易でとても大きな赤字を抱えているのに、彼らを防衛している」と 、「われわれは貿易で金を失い、在韓米軍でも金を失っている」と述べた。さらに「今、韓国と北朝鮮の間には米国の軍人32千人(実際には28千人とされる)がいる。何が起きるのか見てみよう」と 述べた。「同盟国は自国のことは気に掛けるが、米国のことは気に掛けない」とも述べた。


We have a very big trade deficit with them, and we protect them.
We lose money on trade, and we lose money on the military. We have right now 32,000 soldiers on the border between North and South Korea.

Let's see what happens.
Our allies care about themselves. They don't care about us.

日本にも同じことを言いかねない。

ドイツ連邦議会(下院)は3月14日、首相選出投票を行い、シュタインマイヤー大統領の提案通り、国政最大会派の中道右派キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を率いるメルケル首相を再選した。

第4次となるメルケル政権は、首相のCDU・CSUと第2党のドイツ社会民主党(SPD)の大連立政権で、2017年9月24日のの下院選挙から約半年続いた政権空白が収束した。

投票結果は賛成364、反対315、棄権9 で、選出に必要な355(定数709の過半数)を僅か9票上回っての再選である。 与党議員総数から35票下回った。

首相の任期は4年で、任期を全うすれば、コール元首相の戦後最長在任16年に並ぶこととなるが、求心力は著しく低下しており、前途多難である。

ーーー

2017年9月24日の連邦議会(下院)選挙で、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は709議席のうち246議席しか確保できなかった。

メルケル独首相の与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が自由民主党(FDP)や緑の党と進めていた連立協議が11月19日、決裂した。

2017/11/23 ドイツ、メルケル首相の4選に暗雲

2018年2月7日、CDU・CSUが第2党の社会民主党(SPD)と続けてきた大連立交渉が、長時間の交渉の結果、原則合意に達した。
メルケル首相が率いるCDU・CSUが SPDに大幅に譲歩したもので、4カ月間の政治空白の解消に向けて前進した。

政権樹立に向けた最後のハードルとなる社民党の46万4千人のすべての党員
による投票は今後、郵送で3~4週間にわたって行われ、3月初めにも結果が公表される。
否決されれば、連立合意は白紙となり、再選挙の可能性が高まる。

2018/2/12 ドイツ連立交渉合意、 社会民主党の党員投票結果待ち 

ドイツ社会民主党(SPD)は3月4日、連立合意を党員投票で了承したと発表した。連立合意への賛成が66.02%、反対は33.98%だった。

SPDのシュルツ党首は、昨年9月の総選挙直後に「メルケル政権には入閣しない」と断言し、連立から離脱した。

その後、連立に方向転換し、さらに外相として第4次メルケル政権に入閣すると発表した。

シュルツ氏の変節に、党内外から非難が集中し、シュルツ党首は2月13日、記者会見し、党首を即日辞任した。外相就任も断った。

下院の勢力図は下記の通り。

キリスト教民主同盟 (CDU) キリスト教
民主・社会同盟
(CDU/CSU)
246 連立
与党
399

(首相選出投票)
賛成 364
(過半数 +9)
(与党全数 -35)

反対 315
棄権  9
欠席 21

キリスト教社会同盟 (CSU)
ドイツ社会民主党(SPD) 153
緑の党 67  

野党

 
310
自由民主党(FDP) 80
ドイツのための選択肢(AID) 92
左派党 69
無所属 2
合計 709 計 709
過半数は355

中国商務部は3月13日、公告31号を出し、BayerによるMonsanto買収を条件付きで承認すると発表した。

中国はこの買収に関連して、下記の点を問題にした。

中国での非選択性除草剤市場 (MonsantoがNo.1、BayerがNo.3で、合計シェアは非常に高い)
中国の
長日照タマネギ種子市場(Bayer シェア 40-50%、Monsanto シェア 10-15%)
中国の人参種子市場 (Bayer シェア 45-50%、Monsantoシェア 15-20%)
中国のトマト種子市場
世界市場での、コーン、大豆、綿花、菜種の品種での競争制限
世界のデジタル農業市場での集中
  デジタル農業ではMonsantoが先行、
  Bayerは2016年に進出、
農地ごとの最適な農薬選びや投与する量・時期、感染病対策などを伝えるサービス開始

商務部は承認に当たり、次の条件をつけた。

1) Bayerの世界の野菜種子事業、関連設備、人員、知財その他の処分

2) Bayerの非選択性除草剤(
グルホシネートアンモニウム塩)事業と関連設備、人員、知財その他の処分

3) Bayerの世界のコーン、大豆、綿花、菜種の品種と関連設備、人員、知財その他の処分

4) 中国でのデジタル農業
   Bayer、Monsanto、および統合会社の中国市場でのデジタル農業製品の商品化の5年以内に、
   中国の全ての農業ソフトウエア開発企業は、正当で差別的でない条件で、ソフトウエアの使用を認められること。

ーーー

EUは2017年8月22日、本件についてのin-depth investigation を開始した。
買収によって農薬や種子などの分野で、競争が損なわれ、販売価格の上昇や品質の低下、選択肢の減少、技術革新の停滞などにつながる懸念があるとの暫定的な判断を示した。
2018年1月8日までに買収を承認するかどうか判断するとした。

これを受け、Bayerは2017年10月13日、Monsanto買収を進めるため、特定の Crop Science事業をBASFに59億ユーロで売却すると発表した。
売却事業の2016年の売上高は約13億ユーロ。Monsantoの買収の完了を条件とする。

売却する事業は次の通り。

1) 非選択性のアミノ酸系除草剤グルホシネートアンモニウム塩(製品名:Liberty®、Basta® 、Finale® ) 対象地域は全世界。

2) 下記の種子事業

北米でのハイブリッド キャノーラ油 InVigor®(LibertyLink® 技術使用:除草剤Liberty に耐性を持つ)
欧州での菜種(oilseed rape)
欧州、米大陸での棉(インドと南アは対象外)
米大陸での大豆
関連知財、設備、育種技術
LibertyLink® 形質 及び trademark
従業員1,800 人超 (主として、米国、ドイツ、ブラジル、カナダ、ベルギー。BASFは最低3年の雇用継続を約束)

2017/10/16 Bayer、Monsanto買収の独禁法対策で、BASFに一部事業を売却 

EUは前年8月には2018年1月8日までに買収を承認するかどうか判断するとしたが、これを3月12日に延ばし、更に4月5日に延ばした。

Bayerは承認を確実にするため、Nunhems®ブランドで世界的に販売されている野菜種子事業の売却について、BASFと最終的な合意に向けた独占的協議をしていることを3月7日に明らかにした。

今回の中国の条件は上記の売却でほぼ達成できる。Bayerはデジタル農業についての条件を受け入れた。

なお、ブラジルは2018年2月7日、買収を承認した。(2017年10月発表の特定の Crop Science事業のBASFへの売却を条件)


DowDuPontは2017年9月1日、The Dow Chemical Company とE.I. du Pont de Nemours & Company が合併が2017年8月31日に完了したと発表した。

統合会社 DowDuPont の株式は9月1日付でNew York Stock Exchange に上場された。(会社略号"DWDP")

Dow株主は1株当たり新株1株を、DuPont 株主は1.282株を受け取る。

取締役は両社から8人ずつが選ばれた。

DowのAndrew Liveris会長兼CEOがDowDuPontのExecutive Chairman に、DuPont のCEOの Ed BreenがCEOに就任した。

2017/9/5 DowDuPont 合併完了

両社は2015年12月、統合会社発足後の18カ月以内に農業関連、汎用化学品、高機能化学品の3社に分割・独立させる計画を明らかにしていた。

分離する3つの会社の事業についてDowの大株主が反対したため、2017年9月12日に見直しを完了した。

2017/9/16 DowDuPont、新組織の見直し完了

ーーー

DowDuPont は2018年2月26日、今後分離する3つの事業会社の社名を発表した。

DowDuPont は3月12日、Andrew N. Liveris 会長兼CEOが4月1日付で退任すると発表した。7月1日には取締役からも退任する。

後任の会長(Executive Chairman of the Board of DowDuPont)にはDowDuPontの社外取締役の共同トップ(co-Lead Independent Director)であるJeff Fettig(Whirlpool のCEO)が就任する。

Liveris会長は、「過去14年間で Dow をcyclical な化学品製造会社から科学によって、イノベーションを行い、世界の問題を解決する会社に変貌させた。積極的にR&Dに投資し、事業態様を根本的に変える一方で、我々の伝統と価値を守ってきた。変貌が完成し、新たな成長段階に移ることとなり、退任する時が来たと考えた」と述べた。

Liveris会長は当初、2017年夏に引退するとしていたが、物言う株主からの異議で統合・分割作業が長引くとみて、引退を延期し、DowDuPontのExecutive Chairman に就任した。


トランプ米大統領は3月12日、シンガポールに本社を置く通信用半導体大手Broadcom Limitedによる米Qualcomm Incorporatedの買収を禁じる命令を出した。

https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/presidential-order-regarding-proposed-takeover-qualcomm-incorporated-broadcom-limited/

外国企業による米国企業への投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)の勧告に基づく。
Qualcommは国防総省と取引があり、米国が中国などと競う次世代通信規格の「5G」でも規格の策定や半導体供給で中心的な役割を果たしている。

シンガポールに本拠を置く Broadcom が米国の安全保障を妨げる行為をすると信じさせる十分な証拠があるとし、次のことを命じた。

・今回の買収及び将来の直接間接の同様の買収を禁止
・BroadcomがQualcommの買収を進めるために指名したQualcommの取締役候補の立候補を禁止
・両社は直ちに、永遠に、この買収交渉を終了し、CFIUSにその旨を連絡する。

BroadcomはQualcommに敵対的買収を仕掛けており、Qualcommの株主総会では、6人の取締役を、Qualcommの買収を求めるBroadcomが指名する候補と入れ替えるかどうかを投票することとなっていた。

Broadcomはシンガポール法人ではあるが、実質は米国法人であると主張、米国に本拠を移す議題を株主総会にかけており、買収は米国法人になってから行うとしている。

付記 3月23日のBroadcom株主総会で本社を米国に移す議案が承認された。


今回の買収では、大統領の命令に先立ちCFIUSが懸念を示していた。CFIUS はQualcomm を5G wireless 技術の開発で米国の貴重な財産であるとみている。
短期収益と株主資本主義を重視する
Broadcomが買収すれば、研究開発が滞り、次世代移動通信システム開発で中国の華為技術(Huawei Technologi)などに遅れる恐れがあると懸念した。

3月4日には買収の米国の安全保障への影響を調査するため、Qualcommが2日後の3月6日に予定していた取締役選任の株主総会を1カ月延ばすよう要請した。

半導体業界のアナリストは「Broadcomと華為技術の企業としての近さも警戒された」と指摘する。

Broadcomは3月12日、「Qualcommの買収が安全保障上の懸念を引き起こすという点に強く異を唱える」との声明を出した。

付記

Broadcomは3月14日、不満だが命令に従うと発表した。

Qualcomm は3月17日、同社の創業者の一人 Irwin Mark Jacobsの息子で2014年3月まで同社のCEOをしていたPaul E. Jacobsが同社の買収を検討している旨通知してきたと発表した。

報道では、同氏は長期での開発投資を重視する企業文化を守るため買収を検討しているとされ、同氏が孫正義会長兼社長と親しいことから、ソフトバンクグループが資金の出し手候補として浮上している。
Qualcommはソフトバンクの10兆円ファンド
SoftBank Vision Fundに出資している。

1985年7月にDr. Irwin Jacobsの書斎に7人の実業家が集まり、テレコミュニケーション分野で "Quality Communications" を作ることを決め、Qualcomm を設立した。

ーーー

Qualcomm, Inc. は、アメリカの移動体通信の通信技術および半導体の設計開発を行う企業である。

1985年に設立され、CDMA方式携帯電話の実用化に成功して成長を遂げた。

当初は携帯電話端末と通信設備の部門を併せ持っていたが、その後、携帯電話端末部門は京セラに、通信設備部門はスウェーデンのEricssonに売却された。

CDMA携帯電話用チップでは、ほぼ独占に近いマーケットシェアを保持している。

ファブレスメーカーであり、半導体の製造は委託している。

ーーー

中国の国家発展改革委員会(NRDC)は2015年2月10日、米半導体大手のQualcomm60.88億人民元(975 百万ドル)の罰金支払いを命じた。中国の独禁法違反では、過去最大の制裁金となる。

NRDCは、主に下記の点を問題とし、「Qualcommの違法行為は悪質で長期にわたり、極めて重大だ。ただちにやめるよう命じた」としている。

(1)不公平な高額の特許使用料を徴収していた。
(2)正当な理由なく、モバイル通信で標準的に必要としない特許の使用料を抱き合わせで販売した。
(3)半導体チップの販売において不合理な条件を押しつけた。

2015/2/14 中国、独禁法違反でQualcomm975 百万ドルの罰金 


Broadcom Ltd.は、無線およびブロードバンド通信向けの半導体製品などを製造販売する企業であるが、2つの段階がある。

当初のBroadcomは1991年に創業された。世界各地の15カ国以上で事業を展開し、約1.1万人を雇用、2009年にフォーチュン500にランクインした。

2016年2月に、Hewlett-PackardやAgilent Technologiesの半導体部門を起源とするAvago TechnologiesがBroadcomを370億ドル(現金170億ドルとAvago株式200億ドル)で買収し、Avago Technologiesは社名をBroadcom Ltd.に改称した。現在のBroadcomは、当初のBroadcomを含めた元のAvago Technologiesである。

Avago Technologiesは法人税率の低いシンガポールを本社にしており、現在のBroadcom もシンガポール法人となる。
President &CEOはHock E. Tan 氏。

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Broadcomは2017年11月6日、Qualcommに対し1030億ドルの非友好的買収案を提示したと発表した。債務を含めると買収総額は1300億ドルとなる。

Broadcomは2016年に2社統合の可能性を打診している。今回は発表前の通知はしていない。

買収が実現すれば、通信用半導体大手2社の統合となり、スマートフォン技術への事業拡大を進めるIntelを追撃することになる。

これに対し、Qualcommは提示額が低過ぎるとして、拒否した。

Broadcomは2018年2月に、約1200億ドルでの新たな買収提案を行ったが、Qualcommはこれも拒否した。
今回の提案がクアルコムの企業価値を著しく過小評価するだけでなく、受け入れ難い高水準のリスクを伴うとした。買収が反トラスト法に抵触しかねない問題も懸念した。

Broadcomは独自のQualcomm取締役候補を擁立し、3月6日の株主総会で取締役を入れ替えて、買収を受け入れさせることとし、両社で委任状争奪戦の様相を見せた。

Broadcomは2017年12月に投資ファンドと組んで、3月の株主総会で選出する11人の取締役候補を発表した。

2018年2月13日、新たな取締役案について当初の11人から6人に減らすと発表した。買収提案を受け入れ、Broadcomに賛同し続けてくれる候補に絞り込んだ。
Qualcomm株主向けの資料も公開し、近年の業績や株価の低迷を指摘して、Broadcomによる買収を支持する取締役を選ぶよう呼びかけた。

QualcommはBroadcommとの交渉の裏で秘密裏にCFIUSに調査依頼を行った。

前述の通り、CFIUSは3月4日に、買収の米国の安全保障への影響を調査するため、Qualcommが2日後の3月6日に予定していた取締役選任の株主総会を1カ月延ばすよう要請、Qualcommはこれに従い、延期した。

これを受け、Qualcommは3月5日、登記上の本社はシンガポールだが、本拠地はカリフォルニア州にあり、役員はほとんどが米国人で、株式の大半は米国の機関投資家が保有しているとし、5月までに登記上の本社を米国に移転すると発表した。そのうえで、Qaulcommが秘密裏にCFIUSに調査依頼をしたことを批判した。

3月12日には、5月に予定していた本社移転を4月初めに前倒しすることを表明、5Gや次世代通信技術の研究開発を維持することや、防衛などに関わる事業を売却しないことも約束した。

しかし、トランプ米大統領は3月12日、買収を禁じる命令を出した。

CFIUSの勧告は、外国企業による米国企業への投資の審査に基づくものである。Qualcommは米国法人になる予定で、米国法人として買収するとしており、本来は審査対象とならない筈である。

ーーー

米大統領がCFIUSの異議に基づいて買収を阻止したのは5件目。トランプ氏としては就任以来2件目となる。

最初は 1990年2 月にGeorge Bush大統領が行ったもので、China National Aero-Technology Import and Export Corp(中国宇宙航空技術輸出入公司)による航空機部品メーカーのMAMCO Manufacturing, Inc.の買収である。

オバマ大統領は2012年9月28日、「国の安全保障に関わる」として、中国の三一重工系企業Ralls Corp. によるオレゴン州の米海軍施設近くの風力発電企業4社の買収と所有を禁止し、本年取得した所有権を放棄することを求めた。

2012/10/4  オバマ大統領、米国内での中国企業の風力発電買収を阻止 

しかし、これについては、2015年11月4日、三一重工と米国政府の間で全面和解に至った。
外国投資委員会(CFIUS)はRallsが買収した他の風力発電事業が国の安全保障上で問題がないことを認め、将来の更なる投資を歓迎する。

2015/11/10 中国の三一重工、米国での風力発電買収阻止事件で米政府と和解、実質勝利

オバマ米大統領は2016年12月2日、中国の福建芯片投資基金による半導体製造装置メーカーのドイツのAixtron のカリフォルニア州の子会社 Aixtron Inc の買収を禁止すると発表した。軍事利用が可能な技術が対象に含まれ、米国の安全保障の脅威になると判断した。

2016/12/7 米政府、中国企業による独社の米子会社買収を禁止 

トランプ米大統領は2017年9月13日、中国系投資ファンドCanyon Bridge Capital Partners による米半導体メーカー Lattice Semiconductor の買収を阻止する命令を出した。

2017/9/18 米、中国系ファンドによる半導体メーカー買収阻止

今回が5件目である。George Bushが1回、Obamaが2回、Trumpが2回である。

エーザイと米 Merck は3月8日、エーザイ創製の抗がん剤、経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)を全世界で共同開発・共同販促する戦略的提携について合意したと発表した。

両社は、「レンビマ」の単剤療法、ならびにMerck の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における、共同開発と共同販促を行う。

エーザイでは、抗PD-1抗体「キイトルーダ」を有するメルクとの提携で、これまで治癒が見込めなかった難治性がんに対しても、新たな選択肢を提供することができるとしている。

Merck も、エーザイと共に、現在の適応症に対する「レンビマ」の価値を最大限に引き出すとともに、「キイトルーダ」との併用により、さらに幅広い種類のがんに対する追加承認をめざ すとしている。

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レンビマについて:

細胞には、「細胞増殖に関わるシグナル伝達」が存在し、この機構に関わる重要な因子として、チロシンキナーゼが知られている。

チロシンキナーゼには、血管の増殖に関わる因子のVEGF(血管内皮細胞増殖因子)、細胞の増殖を促したり血管を新たに作ったりする因子のFGF(線維芽細胞増殖因子)、組織の修復や細胞増殖に関わるPDGF(血小板由来増殖因子)」などがある。

がん細胞ではこの機構が活発になっているため、チロシンキナーゼを阻害すれば、がん細胞による無秩序な増殖を抑制できる。
(正常細胞ではがん細胞ほどチロシンキナーゼが活発ではないため、がん細胞に対して選択的に毒性を与えることができる。)

このような考えにより、血管伸長や細胞増殖などに関わるチロシンキナーゼ(VEGF、FGF、PDGFなど)を阻害することで、抗がん作用を示す薬がレンビマである。

キイトルーダについて:

癌細胞は、免疫細胞からの攻撃を逃れるために、PD-L1 というタンパク質を出し、これが免疫細胞のPD-1 に結合すると、免疫細胞の働きが抑制される。

これらの「免疫チェックポイント」を阻害して、免疫細胞に癌細胞を攻撃させるのが、免疫チェックポイント阻害薬である。

Merckの「キイトルーダ®」は小野薬品のオプジーボと同じ抗PD-1抗体である。

機能 承認 開発中
抗PD-1抗体 免疫細胞のPD-1に結合し、PD-1と癌細胞のPD-L1の結合を防止 オプジーボ(小野薬品/BMS)
キイトルーダ(米Merck)
抗PD-L1抗体 癌細胞のPD-L1に結合し、PD-1とPD-L1の結合を防止 Roche/中外製薬
AstraZeneca
独Merck
/Pfyzer
抗CTLA-4抗体 免疫細胞のCTLA-4に結合し、CTLA-4と樹状細胞のB7の結合を防止 ヤーボイ(BMS/小野薬品)
AstraZeneca


2016/11/30 オプジーボと競合する米メルクの癌免疫薬承認へ

ーーー

レンビマの開発状況と、今後の計画は下記の通りで、両社は、現在取得している適応に加え今後取得をめざす適応において、全世界の患者アクセスを促進する。

エーザイ 甲状腺がん 単剤療法 50か国以上で承認取得
腎細胞がん(二次治療) エベロリムス(免疫抑制剤・抗癌剤)との併用療法 40か国以上で承認取得
肝細胞がん(一次治療) 単剤療法 日本、米国、欧州、中国などにおいて承認申請
腎細胞がん(一次治療) エベロリムス or キイトルーダとの併用療法 フェーズⅢ試験進行中
キイトルーダとの併用療法はFDAからブレイクスルーセラピーの指定(承認プロセス短縮)
共同開発 6がん種(子宮内膜がん、非小細胞肺がん、肝細胞がん、頭頸部がん、膀胱がん、メラノーマ)における治療歴に応じた11の適応取得を目的とした臨床試験に加え、複数のがん種に対するバスケット型試験を開始


レンビマに関する売上高はエーザイが計上し、開発およびマーケティング費用ならびに粗利益を両社で折半する。

エーザイは本提携で下記の金額を受領する。

一時金 9.5億ドル 契約一時金  3億ドル
オプション権一時金 6.5億ドル(2020年度までに年次ごと)
研究開発費償還 4.5億ドル
マイルストン 最大43.6億ドル 開発マイルストン 最大3.85億ドル 承認取得時
販売マイルストン 最大39.7億ドル
合計 最大57.6億ドル


エーザイによる売上高、損益の予想は次の通り。

ーーー

米Merckは、米国とカナダ以外では社名を MSD としている。ドイツのMerck KGaA とは別会社である。

Merck KGaA の起源は1668年にフランクフルトの南のダルムシュタットでフリ-ドリッヒ・ヤコブ・メルクがエンゼル薬局を創業したことに始まり、現在では 28カ国、62地域に自社工場を展開するまでになっている。

1891年、メルク一族のジョ-ジ・メルクが米国に子会社 Merck & Co.を設立した。
この会社は第一次世界大戦で敵国企業の子会社として米国政府に接収され、1917年に独立した。接収後は両社は別会社である。

鉄鋼とアルミの輸入関税は3月15日に発動される。

大統領によると、今回の命令は、いくつかの国を除外するようになっており、国ごとに税率を変えたり、適切と思う国をリストに加えたり、リストから除外する権限を大統領に与えている。

大統領の「つぶやき」から大統領の考え方を探る。

ーーー

基本

トランプ大統領は3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名したが、その前に、「真の友人で、貿易と軍事で米をフェアに扱う国は弾力的に扱う」と呟いた。

We have to protect & build our Steel and Aluminum Industries while at the same time showing great flexibility and cooperation toward those that are real friends and treat us fairly on both trade and the military.


カナダとメキシコ:
発表では、鉄鋼とアルミについての大統領の懸念を晴らす変化を話し合うまでペンディングとし、除外の期限はつけていない。

3月5日の呟きでは、NAFTA問題の解決を条件にするとした。(その後、報道官は「安全保障に基づく」とした。)

We have large trade deficits with Mexico and Canada. NAFTA, which is under renegotiation right now, has been a bad deal for U.S.A. Massive relocation of companies & jobs.

Tariffs on Steel and Aluminum will only come off if new & fair NAFTA agreement is signed.

Also, Canada must treat our farmers much better. Highly restrictive.
Mexico must do much more on stopping drugs from pouring into the U.S. They have not done what needs to be done. Millions of people addicted and dying.

To protect our Country we must protect American Steel! #AMERICA FIRST


豪州については、適用除外を匂わせていたが、訪米中のMalcolm Turnbull 豪首相と会談し、適用除外を検討するとした。
米国は対豪で貿易黒字である。(2017年 輸出 246億ドル、輸入 101億ドル、収支 145億ドル黒字)

Spoke to PM TurnbullMalcolm of Australia.

He is committed to having a very fair and reciprocal military and trade relationship.
Working very quickly on a security agreement so we don't have to impose steel or aluminum tariffs on our ally, the great nation of Australia!

日本

安倍首相と電話会談、対日貿易赤字(1000億ドル)を問題視している。

Spoke to Prime Minister Abe of Japan, who is very enthusiastic about talks with North Korea.

Also discussing opening up Japan to much better trade with the U.S.
Currently have a massive $100 Billion Trade Deficit. Not fair or sustainable. It will all work out!

EU  

米国品への関税、障壁を問題視し、米国品への関税引き下げを要求、自動車への関税も示唆

The European Union, wonderful countries who treat the U.S. very badly on trade, are complaining about the tariffs on Steel & Aluminum.

If they drop their horrific barriers & tariffs on U.S. products going in, we will likewise drop ours. Big Deficit. If not, we Tax Cars etc. FAIR!

TPP-11 に署名

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米国を除く TPP 参加11カ国は3月8日午後、チリのサンティアゴで新協定「TPP 11」に署名した。これを受け、各国は国内手続きに入る。採択した閣僚声明では「迅速に発効させるために国内手続きを完了する決意」と強調した。

正式名称は包括的及び先進的なTPP」(CPTPP: Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)で、世界のGDPの13%、貿易額の15%を占める。

なお、現時点で、韓国、台湾、インドネシア、タイ、フィリッピン、コロンビア、英国がTPP-11に関心を示している。


付記 5月18日午後の衆院本会議で与党などの賛成多数で可決した。

ーーー

TPP 参加12カ国は2016年2月4日、ニュージーランドの最大都市オークランドで協定文に署名した。

日本は2017年1月20日(Trump大統領の就任日)に、閣議決定を経て、協定の国内手続の完了をニュージーランドに通報した。
ニュージーランドは2017年5月11日、手続きを完了した。(2国目)

参加12カ国は10月5日の閣僚会合で、協定を発効する条件として、
・すべての参加国が署名後2年以内に議会での批准手続きを終えるか、
・2年以内に参加国すべてが手続きを終了できなかった場合、TPP全体のGDPの85%以上を占める、少なくとも6か国が批准手続きを終えることと決めた。

発効には合計GDPの85%以上が必要なため、米国(60.4%)と日本(17.7%) の批准は必須となる。

2015/10/13 TPP の発効条件

その米国のDonald Trump 次期米大統領は2016年11月21日、ビデオメッセージを発表し、2017年1月20日の就任初日に「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から脱退する意志を表明する」と宣言した。

2016/11/23 Trump 次期米大統領、「就任初日にTPP離脱通告」を確認

Trump大統領は2017年1月23日、TPPからの離脱を宣言、米通商代表部(USTR)は1月30日、TPPからの離脱を参加各国に書簡で正式に伝達した。

Presidential Memorandum on January 23, 2017
 
Presidential Memorandum Regarding Withdrawal of the United States from the Trans-Pacific Partnership Negotiations and Agreement

  ・TPPから永久に離脱する。(再交渉の可能性も明確に否定)
  ・米国の産業を振興し、労働者を保護し、賃金を上昇させる 2国間貿易交渉を始める。

これにより、参加12カ国の名目GDPの85%以上の6か国の批准による発効は不可能となった。

その後、日本が中心となり、米国を除く11カ国での交渉を行った。

米国を除くTPP署名11カ国は2017年11月11日、新協定(TPP 11)について大筋合意の詳細な内容を発表した。

一連の交渉では「凍結項目」の取り扱いが最大の焦点となった。

各国が米国に配慮し譲歩を余儀なくされた計60項目超を米国が復帰するまで「凍結」するよう要求したが、調整の結果、最終的に20項目の凍結が決まった。
このうち11項目は医薬品の開発データの保護期間など知的財産分野だった。

農産物などの輸入関税の撤廃・削減などは変更せず。
 また、繊維で関税撤廃・削減の対象を厳しく制限する原産地規則に関する項目も含まれなかった。

・4項目は継続協議(2018年1月に下記の通り解決)

マレーシア:国有企業の優遇策の制限
ブルネイ:石炭産業のサービス投資ルール
カナダ:文化保護のための国内企業優遇
ベトナム:労働の紛争処理 

・ 農産物の緊急輸入制限(セーフガード)の発動基準などは発効後に見直し可能

・ 新協定は11カ国が署名後、6カ国の国内承認手続き完了してから60日後に発効
  (元の協定にあった「参加国のGDP総額の85%以上」という条件は削除した。)

・ 新協定の正式名称は「包括的および先進的なTPP」(CPTPP: Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership

2017/11/17 TPP 11 と RCEP

米国を除く環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加11カ国は2018年1月23日、前日に続いて首席交渉官会合を東京都内で開き、11カ国による新たな協定(TPP 11)の正式合意にあたる署名式を3月8日にチリで開催することで合意した。

継続協議の4項目のうち、
マレーシアとブルネイは「凍結」で決定 (「凍結」は22項目に)
カナダとベトナムは、
各国との間でルールの適用を一定期間猶予する内容のサイドレター(補足文書)を交わすことで決着した。

2018/1/27 カナダ、TPP 11 署名

ーーー

新協定では今後の新規加盟国の扱いについて、前文で「この協定への加入を歓迎する」と表明している。
そのうえで、新たに加入する際の条件として第5条で「締約国が合意する条件に従うこと」と規定している。


現時点で、韓国、台湾、インドネシア、タイ、フィリッピン、コロンビア、英国がTPP-11に関心を示している。

米国でも、TPP離脱で農産物、畜産物などで豪州、カナダ、ニュージーランドなどに市場を奪われる懸念が強い。

トランプ大統領は2018年2月23日、豪首相との会談後の記者会見で、
TPPは「米国にとって良くない協定」と改めて批判、米国にとって良い内容になれば復帰すると表明したが、多国間よりも2国間の協定を優先する立場も示した。

仮に米国が新協定に参加する意向を示した場合は、すべての締約国の合意を得なければ、事実上加入できない仕組みになっている。

茂木経済再生担当大臣は、「TPPは、極めて高い水準であるとともに、各国のさまざまな利益を調節した、いわばガラス細工のような協定だ。一部だけを取り出して再交渉する、修正するということは極めて困難だ。ただアメリカの考えも機会を見て聞いてみたいと思っている」と述べた。

なお、米国のTPPへの復帰の見込みが無くなった場合には、締約国が協定内容の見直しを要請できるとする「見直し条項」が加えられている。

日本が参加国を対象に設定した乳製品などの輸入枠は、米国の参加を前提とした規模であった。

中国の青島双星(Qingdao Doublestar )は3月5日、親会社のDoublestar Groupが経営難の韓国第二のタイヤメーカー 錦湖(Kumho)タイヤの株式の45%を6463億ウォン(約6億米ドル)で買収する契約にサインしたことを明らかにした。

韓国産業銀行(Korea Development Bank)を筆頭とするKumho Tire の債権団は2017年1月、保有するKumho 株(42%) を譲渡する優先交渉権を双星に付与した。譲渡額は9550億ウォンだった 。
だが、双星がKumhoの経営悪化を理由に買収価格を約16% 引き下げるよう提案するなどしたため、9月に交渉が決裂した。

しかし、これに代わる買い手が見つからなかった模様で、産業銀行は2018年3月2日、下記のKumho Tire の経営再建案を発表した。

Kumho Tire が実施する総額6463億ウォン規模の第三者割当増資を双星が引き受けるというもの。
この双星の株式取得額は、双星が昨秋要求した金額より低い。韓国国内に買い手が見つからなかったためとみられる。
中韓両国の外交関係が改善に向かっていることも影響した可能性がある。

再建案は双星に従業員の3年間の雇用保証と、最大2000億ウォンの設備投資などを求めた。

双星はこの案を呑んだとみられる。この結果、双星が45%を握る筆頭株主となり、産業銀行を中心とする債権団の持ち株比率は42%から23%に下がる。

韓国では、Hankook Tire(韓国タイヤ)が国内シェア46%で1位で、Kumho Tireは36%で2位で、その他メーカーが18%となっている。

青島双星は中国の国有企業Doublestar Groupが1996年に設立した。従来は靴や衣服の製造販売を手がけていたが、2002年からタイヤの生産や販売を開始した。
青島に生産拠点を有しており、乗用車用タイヤやトラック用タイヤ、農業機械用タイヤの生産を行っている。「DoubleStar」のブランドで世界で展開している。 

2015年の売上高でKumho Tireは14位の26億6300万ドル、Qingdao Doublestarは34位で7億4080万ドルで、両社の売上高を合わせると、10位のZhongce Rubber Group(中策ゴム)の33億9530万ドルを抜き、中国メーカーとしてはトップとなる。

付記

Kumho Tireの労使は3月30日夜、中国同業の青島双星による買収計画を受け入れることを決めた。

Kumhoの銀行債権団は、30日までに労使が受け入れない場合、計画を白紙化する意向だった。労組は最後まで抵抗したが、韓国政府から合意を強く促され、土壇場で受け入れを決めた。

ーーー

Kumho Tireは1960年に、光州タクシーを基盤に、三養(サムヤン)タイヤ工業として設立され た。

1963年に小型乗用車用タイヤを生産開始した。米国 Uniroyal と技術提携した。

1970年には関連会社として韓国合成ゴムを設立した。これは後に錦湖石油化学となった。

三養タイヤは1984年にクムホ産業と合併し、クムホとし、1996年にはクムホタイヤとなったが、1999年にクムホ建設を傘下に入れ、クムホ産業となった。

2003年にタイヤ部門がスピンオフし、Kumho Tireとなった。

その間、クムホグループは1988年にアシアナ航空を設立している。

また、2006年には大宇建設を買収した。

大宇建設は1963年の設立後、現代建設と双璧を成す韓国のゼネコンとして成長した。

その後、1990年代のアジア通貨危機を経て大宇財閥が解体される中で、銀行管理下に置かれ た。

しかし、2000年代初頭に韓国内外のプロジェクトの安値受注を行うことにより、単体としての企業業績を急上昇させ注目を浴びた。

大宇建設はその後経営が悪化し、2009年に売却することとなったが、この売却交渉が決裂、大宇建設は2009年12月30日、事業再生法によるワークアウトを申請し、経営破たんした。
クムホ・アシアナグループから離脱し、韓国産業銀行の管理下に置かれた。

クムホ産業は大宇建設の4兆ウォンの債務保証をしており、クムホタイヤは賃金支給を翌月に先送りするほどの状態で、大宇建設と同日の12月30日、いずれもワークアウトを申請した。

債権団4分の3以上の賛成で、2社のワークアウトは進行され、経営権は債権団に移った。

錦湖石油化学、アシアナ航空は自立協約(日本における会社分割制度)を利用し、クムホグループから外れた。

トランプ大統領は3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名した。

 https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/presidential-proclamation-adjusting-imports-steel-united-states/

それぞれ25%、10%の関税を課す。
15日後に発効する。
全ての国に適用するが、カナダとメキシコは当面猶予する。

オーストラリアも除外対象候補として挙げた。日本については触れていない。

署名前の閣議で、「我々は非常にフレキシブルだ。我々には友人もおれば、長年にわたり我々を利用し続けてきた敵もいる」と述べた。

今回の命令は、いくつかの国を除外するようになっており、国ごとに税率を変えたり、適切と思う国をリストに加えたり、リストから除外する権限を大統領に与えていると述べた。

カナダとメキシコについては、鉄鋼とアルミについての大統領の懸念を晴らす変化を話し合うまでペンディングとし、除外の期限はつけていない。

大統領は3月5日、難航しているNAFTA交渉にからめ、呟いた。

カナダとメキシコに対し大きな貿易赤字がある。NAFTAは米国にとり悪い取引だ。企業が海外に移り、職が失われた。
鉄鋼とアルミの追加関税は、新しい、フェアなNAFTA協定がサインされた場合のみに免除される。カナダは制限の厳しい農業でも譲るべきだ。
メキシコは麻薬の米国への流入を阻止すべきだ。

米国を守るために米国の鉄鋼を守る必要がある。米国第一だ!

We have large trade deficits with Mexico and Canada.
NAFTA, which is under renegotiation right now, has been a bad deal for U.S.A.
Massive relocation of companies & jobs.

Tariffs on Steel and Aluminum will only come off if new & fair NAFTA agreement is signed. Also, Canada must.....treat our farmers much better. Highly restrictive.
Mexico must do much more on stopping drugs from pouring into the U.S. They have not done what needs to be done. Millions of people addicted and dying.

To protect our Country we must protect American Steel! #AMERICA FIRST

大統領は、NAFTAで合意できず、彼らが合意しないためにフェアなNAFTAを廃止するなら、カナダとメキシコにも関税をかけると述べた。

しかし、担当者は今回、永久に除外するかどうかは安全保障の問題が重要であるとしている。

その他の国・地域から申請があれば、米国の安全保障や経済的利益の観点から審査し、適用免除の是非を判断する。

大統領はオーストラリアについても、除外の例として挙げた。米国とオーストラリアとの貿易収支が黒字であることを理由としている。

付記 大統領は豪首相との会談後、オーストラリアを適用除外する方向であると呟いた。

Spoke to PM TurnbullMalcolm of Australia.
He is committed to having a very fair and reciprocal military and trade relationship.
Working very quickly on a security agreement so we don't have to impose steel or aluminum tariffs on our ally, the great nation of Australia!

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トランプ大統領は3月1日の輸入制限発動方針の表明時に、対象は全ての国からの輸入で、もし、どこかの国を免除すれば、全ての国が同様の扱いを求めるため、どの国も免除したくないと述べた。

しかし、サンダース米大統領報道官は3月7日、鉄鋼とアルミニウムへの輸入制限について「カナダやメキシコを除外する可能性がある。他の国も安全保障に基づき国単位、ケース・バイ・ケースで考える」と述べ、国によっては関税の対象から外す可能性を示唆した。

2018/3/3 トランプ大統領、鉄鋼とアルミに追加関税、日本も対象

2018/3/6 米国の輸入鉄鋼・アルミへの追加関税方針で貿易摩擦拡大も

ーーー

米アルミニウム協会は3月6日、Heidi Brock会長のトランプ大統領宛ての書簡を公開、全世界を対象とする関税に反対する考えを述べた。

大統領宛て書簡

まず、アルミニウム協会メンバーの114社と713千人の従業員を代表し、政府がアルミ業界に関心を示してくれたことに感謝した上で、全世界を対象とする関税が米国のアルミ生産と雇用に与える影響を深く憂慮すると述べた。

そのうえで、現在の米国のアルミ産業が直面する深刻な問題に対応するため、代替案を提案している。

1) 中国の過剰能力対策

直ちに中国と政府間交渉を行い、一次アルミ及び半加工分野での慢性的過剰能力に対処する。

2) 相手国を絞った関税

中国及び、関税を回避したり迂回輸出をした歴史のある国に的を絞り、中国の過剰能力に対応

3) 重要な貿易相手を除外

市場経済として機能している重要な貿易相手(カナダ、EUを含む)との摩擦を避ける。

4) アルミ産業の全バリューチェーンの維持

米国のアルミ産業の中流部分、下流部分の雇用を失うことを避けるため、国内のバリューチェーン全体のニーズを見る。(輸入品の使用が必要な業種もある?)

5) 輸入監視システム

米国に輸入されるアルミ及びアルミ製品をモニターし、より透明性を与える。

関税だけでは中国の過剰能力をどうしようもなく、逆にルールに従っている貿易相手とのサプライチェーンを傷つけることとなると主張し、関税がアルミ産業全体の雇用の97%(米国の中流及び下流セクションにいる)を逆に傷つけることとなるとしている。

中国からの輸入は問題であるが、米国の他の貿易相手からのアルミやアルミ製品の輸入には何もアンフェアなものはないとする。

書簡では最後に、これらの点を勘案してほしいと要望している。

商務省発表資料では米国の一次アルミの状況は次の通り。

米国の鉄鋼・アルミの最大の輸入国はカナダである。(米商務省発表資料より)

ベルギー政府は3月5日、老朽化が進む同国の原子力発電所で事故が発生した場合に備え、国民約1100万人に無料配布するヨウ素錠剤の薬局への配送を始めた。政府は1箱10錠入りのヨウ素錠剤を450万箱発注している。

政府は同時に、正式国語であるフランス語、オランダ語、ドイツ語でのWebside を開設し、もしもの場合にどう行動するかを知らせ始めた。

(トップページの翻訳)

原子力事故で何をすべきか知っていますか?

原子力事故が発生した場合の対処方法を知っていますか?この質問に対する回答が明確でない場合は、 www.nuklearrisiko.be にアクセスすることをお勧めします。このウェブサイトは、原子力事故の可能性を市民に知らせる「原子力リスク」キャンペーンの一環です。

自分を守るための最も重要なヒント:

安全を見つけよう:建物に入り、内部に留まる。
できるだけ窓を閉じ、通気孔を密閉してください。
メディアの推奨事項に従ってください。


(ヨウ素剤の項)

放射能ヨウ素は原子力事故で放出される可能性がある。 気道や汚染された食物を通して、体内に入ることがあります。 甲状腺はこのヨウ素を吸収し、 "内部からの放射線"をもたらす。 がんや他の病気のリスクが大幅に上昇します。

適切な時期に安定または非放射性のヨウ素を採取することによって、甲状腺はすでにヨウ素で飽和しているので、放射性ヨウ素の吸収が停止します。 しかし、ヨウ素錠剤は、他の放射性物質に対する保護を提供していない。 このため、できるだけ早く閉鎖された部屋に移動する必要があります。

ベルギー政府は、これらはあくまで予防的措置であり、「具体的な危険」はないとしている。

ベルギーの原発は老朽化が進んでおり、過去数年、潤滑油が漏出したり、原子炉容器にひびが見つかったりするなど問題が相次いだ。
人為的な不正操作によって原子炉の運転が停止する事件もあったが、未解決のままとなっている。

こうした事態を受け、近年、国内のみならず近隣のオランダ、ルクセンブルク、ドイツでも、ベルギーの原発に対する懸念が高まっていた。

オランダ政府は2年前、ベルギーとの国境近くに住む国民のため数百万錠のヨウ素剤を発注した。

2016年にはドイツやルクセンブルグが老朽化原発の停止を要求したが、ベルギー政府は応じていない。


ベルギーの稼働中の原発は下記の7基で、フランスのエネルギー大手GDF Suez 傘下のベルギー電力大手Electrabelが運用する。

原発 万kW 運転開始 運転停止
Doel  1 43.3 1974 2015→2025
2 43.3 1975 2015→2025
3 100.6 1982 2022
4 100.8 1985 2025
Tihange 1 96.2 1975 2015→2025
2 100.8 1982 2023
3 105.4 1985 2025

ベルギーは2025年までに国内の原発を段階的に全廃する原則を盛り込んだ脱原発法を制定している。

Doel原発の1、2号機、Tihange1号機は建造から40年が経過しているため、2015年の閉鎖が一度確定していた。

しかし、ベルギーでは代替エネルギーの確保が遅れ、電力供給不安が発生していることから、2009年10月に、事業者が再生エネルギー研究・開発へ資金提供することなどを条件に10年間延長された。

ドイツの環境相は2016年4月20日、ベルギー政府に対し、国境に近い南部Tiange 原発2号機と北部Doel原発3号機の運転停止と詳細な検査を求めた。2日後にはルクセンブルク政府も同調した。

2基はいずれも1980年代初めの稼働で、2012年夏の定期検査で原子炉圧力容器の内側に多数の微細なひび割れが見つかった。ベルギー連邦原子力管理庁は2015年2月、ひび割れは2基で計1万6千カ所以上あり、最大で18センチに達していると発表した。炉内で生じた水素が原因とみられるという。

しかし、ベルギー原子力管理庁はドイツなどの要請に「国際的な安全基準を満たしており、運転停止する必要はない」と反発、強気の姿勢を崩さなかった。

 

2017年6月25日、Tihange 原発2号機などを巡り、周辺住民ら 5万人超(主催者発表)が手をつなぎ、Tihange 原発前から Liege、オランダのMaastricht を経てドイツ西部Aachen に至る3カ国にまたがる約90キロの「人間の鎖」(上の地図参照)をつくり「危険な原発」の即時閉鎖を訴えた。
 



2017/7/1 ベルギー、原発閉鎖へ5万人の「鎖」 

ExxonMobilはこのたび、当局への届け出で、米国がロシアへの制裁を拡大したのに伴い、昨年後半にRosneftとのパートナーシップを止めることを決定したと明らかにした。

撤退に伴う税引後の損失は約2億ドルと少ないが、潜在的にオイルリッチのロシア領北極圏での採掘の希望を打ち砕くこととなり、Exxonの会長兼CEOであったRex Tillerson現国務長官の遺産を抹消することとなる。

ーーー

Tillersonは2011年に北極圏での掘削を期待し、Rosneftとの契約に調印した。Exxonの技術・経験と、Rosneftのこの地域で持つ権利を結びつけるものである。

Rosneftは2011年にBPとのグローバルな戦略的提携が破綻した後、BPに代わる提携先を探していたが、2011年8月30日にRosneftとExxonMobilは両社が北極海と黒海の開発、技術協力、米国その他での共同事業の実施で合意したと発表した。

両社はこれに先立ち、黒海の海底油田の開発で合意しているが、これを包含した。

2011/9/1 Rosneft、石油開発でExxonMobil と提携

Rosneft とExxonMobilは2013年6月、2011年に締結した戦略的協力協定の進展状況を発表した。両社は2012年4月16日、戦略的協力協定を実施する契約を締結した。 

1)黒海と北極海(Kara Sea)開発のJV

2つのJV、黒海(Tuapse Block)のTuapsemorneftegaz SARL、Kara SeaのKarmorneftegaz SARLが設立され、活動を開始する。
ともに、Rosneftが66.67%、ExxonMobilが33.33%を出資する。

これらの開発資金は合計で32億ドル以上とみなされており、大半はExxonMobilが負担する。

2)北海の7ブロック追加

本年2月、両社は戦略的協力の範囲を拡大、北海の7つのブロックを追加した。ロシア領北海のChukchi Sea、Laptev Sea、Kara Seaの鉱区で、約60万平方kmに及ぶ。

近くJVを設立する。

3)西シベリアのタイトオイル開発

西シベリアでタイトオイルを開発するJVの設立を準備中。

Rosneft が51%、ExxonMobil が49%出資する。

4)ロシア極東でLNGプラント建設

2013年末までにLNGプラントの立地、天然ガス液化技術、運営形態を決定する。
現在のところ、プラントはサハリン1に建設する見込み。

Rosneft のSechin社長は、サハリン1計画に30%出資するサハリン石油ガス開発(SODECO;石油公団・伊藤忠・丸紅等のJV)や同じく20%出資するインドのONGC Videshを参加させる可能性があると述べた。
また、
生産能力は年500万トンを想定しており、既にこれを上回る購入希望があるという。

Rosneft は6月21日、丸紅及びサハリン石油ガス開発(SODECO)との間でLNG供給の覚書(Heads on Agreement)に調印した。
丸紅に年間125万トン、SODECOに100万トンを供給する。

これらに加え、両社は6月11日に、Arctic Research Centerの設立と、世界中の他の地域で技術を共同利用する契約に調印した。

Arctic Research Centerの出資比率はRosneftが 66.67%、ExxonMobil が33.33%で、第一段階の費用200百万ドルはExxonMobilが負担する。第二段階の250百万ドルは両社が折半する。

2013/6/24 Rosneft とExxonMobil、戦略的協力関係を促進 

ーーー

しかしながら、ロシアによるウクライナ侵入、クリミヤ半島併合を受け、米国は2014年に制裁に踏み切った。

既存のエネルギー関連の取引には影響を与えないが、Rosneft のCEOのIgor Sechin との事業を全て禁止した。

Exxonは制裁の例外扱いを申請したが、認められなかった。米財務省は昨年、ExxonがSechin との新しい契約に調印したとして200万ドルの罰金を科した。(Exxonは不当として訴訟)

米国は2017年に、2016年の米大統領選挙に不当に介入したとして、ロシアへの制裁を拡大した。

Tillerson国務長官は、ロシアがウクライナ政策を元に戻し、クリミヤを返却するまでは制裁を続けると強硬である。

ここにきて、ExxonMobil はRosneftとのパートナーシップの解消に踏み切った。

これに対し、Rosneftは、将来 Exxonがプロジェクトに復帰するのを期待するとしている。


なお、両社はサハリン-1計画に参加しているが、ExxonとRosneftは、今回のExxonの撤退はこの計画には影響を与えないとしている。

事業主体 ・エクソンネフテガス社
 (米、エクソン・モービル子会社、オペレーター、30%)
・サハリン石油ガス開発(株)(通称:SODECO)
 (日、石油公団・伊藤忠・丸紅等 出資30%)
・ONGCヴィデッシュ社(インド、20%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社(ロシア、11.5%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 8.5%)
投 資 額 約120億ドル以上
開発鉱区 オドプト、チャイヴォ、アルクトン・ダギ
推定可採
埋 蔵 量
①石油    約23億バレル
②天然ガス 約4,850億立方メートル


<石油>サハリン島を東西に横断し大陸側に至るパイプラインで運搬、そこからタンカーで日本等へ輸出
 

<ガス>日本へは、北海道の内陸の一部(石狩平野)を経由する海底パイプラインにより運搬する予定であったが、 パイプライン敷設が漁業補償問題で進んでいないほか、最大需要家になるとみられた東京電力も購入に難色を示したため、この計画は白紙となった。
エクソンは中国と交渉。

  2006/8/31 サハリン原油の初購入

トランプ米大統領は3月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明した。

鉄鋼には25%、アルミには10%の追加関税で、期間については長期間だとした。対象は全ての国からの輸入で、大統領は、もしどこかの国を免除すれば、全ての国が同様の扱いを求めるため、どの国も免除したくないと述べた。

ナバロ通商製造業政策局長は3月4日、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限について「(企業が)事業を継続できるよう、特例として例外措置の手続きが行われる」と述べた。「現時点では国単位での例外措置はない」とも語り、国単位ではなく、国内調達が難しいケースなどで、一部製品の例外化を検討するとみられる。

日本メーカーが製造する強度の高い軽量鋼材など特定製品の例外を認める可能性がある。

また、内容の法的審査が必要なため、「今週の終わりか、遅くとも翌週になる」として、発表がずれ込む可能性を示唆した。

2018/3/3 トランプ大統領、鉄鋼とアルミに追加関税、日本も対象

この問題については、各国・地域から反対の声が上がっている。

カナダのトルドー首相は「統合された市場にもたらす混乱は大きくて深刻だ」と警告した。米国の輸入制限は「受け入れられない」と述べ、対抗措置を示唆した。

米国の鉄鋼・アルミの最大の輸入国はカナダである。(米商務省発表資料より)

付記

大統領は3月5日、難航しているNAFTA交渉にからめ、呟いた。

カナダとメキシコに対し大きな貿易赤字がある。NAFTAは米国にとり悪い取引だ。企業が海外に移り、職が失われた。
鉄鋼とアルミの追加関税は、新しい、フェアなNAFTA協定がサインされた場合のみに免除される。カナダは制限の厳しい農業でも譲るべきだ。
メキシコは麻薬の米国への流入を阻止すべきだ。

米国を守るために米国の鉄鋼を守る必要がある。米国第一だ!

We have large trade deficits with Mexico and Canada.
NAFTA, which is under renegotiation right now, has been a bad deal for U.S.A.
Massive relocation of companies & jobs.

Tariffs on Steel and Aluminum will only come off if new & fair NAFTA agreement is signed. Also, Canada must.....treat our farmers much better. Highly restrictive.
Mexico must do much more on stopping drugs from pouring into the U.S. They have not done what needs to be done. Millions of people addicted and dying.

To protect our Country we must protect American Steel! #AMERICA FIRST

中国の全国人民代表大会の報道官は3月4日、「米側と貿易戦争は望まない」とする一方、「中国の利益を損なう行為を座視しない」と述べ、米側を強くけん制した。

李告強首相は全人代の「政府活動報告」のなかで、「保護貿易主義に反対し、自らの合法的な権益を断固として守る」と強調した。

米商務省は鉄鋼、アルミそれぞれについて、3つの選択肢を提示した。
このうち、特定国に高関税をかける案では、いずれも中国が対象に含まれている。(最大手のカナダは含まれていない)鉄鋼:中国、ブラジル、コスタリカ、エジプト、インド、マレーシア、韓国、ロシア、南ア、タイ、トルコ、ベトナム
アルミ:中国、香港、ロシア、ベネズエラ、ベトナム

鉄鋼の場合、中国は粗鋼生産能力では世界の53%を占め、圧倒的第一位だが、米国の中国からの輸入量は極めて少ない。
Trump大統領は、中国が米国に迂回輸出しているとみる。安価な中国品の流入で、アジアや欧州の製品が押し出され、米国に流れ込んでおり、また、中国製品の一部が韓国、台湾などで加工され、米国に輸出されているとみる。


EU 28カ国は米政権の関税に対し単一経済圏として対応する。

米国の輸入では、鉄鋼ではドイツが8位、オランダが13位、イタリーが14位、スペインが16位となっている。
アルミでは、ドイツが6位、フランスが9位となっている。

欧州委員会はトランプ米大統領がこれに署名をすれば、28億ユーロ規模の米輸入製品に対する報復措置に動く方針 で、3月7日の欧州委員会の定例会合で対象製品などを固め、加盟国に提案する。
鉄鋼製品に加え、鉄鋼以外の工業品、農産品の3分野で、25%程度の輸入関税を課すことの検討に入った。

ユンケル欧州委員長は3月2日、報復関税の対象に検討する米製品として、 オートバイのHarley-Davidsonやバーボン・ウイスキー、Levi'sのジーンズといった代表的な米ブランドを例示した。

米国の輸入制限がWTOのルールに違反するとして他国と共同提訴したり、米国の輸入制限で余剰になった鉄鋼の流入が急増するのを防ぐために緊急輸入制限(セーフガード)を発動したりする選択肢も検討している。


EUの報復措置案に対しては、Trump大統領は早速、反応した。

Twitterで、EUが既に高い関税をさらに増やすなら、米国に自由に入ってきている彼らの自動車に関税をかけるだけだとした。
EUが米国製の自動車などをEU 内で売ることを不可能にしているとし、「大きな貿易不均衡だ!」としている。

If the E.U. wants to further increase their already massive tariffs and barriers on U.S. companies doing business there, we will simply apply a Tax on their Cars which freely pour into the U.S.
They make it impossible for our cars (and more) to sell there. Big trade imbalance!

前日にはこうも呟いている。

 相手が50%の関税をかけ、米国がゼロなら、公平ではない。間もなく報復関税を始める。同じ関税をかける。

When a country Taxes our products coming in at, say, 50%, and we Tax the same product coming into our country at ZERO, not fair or smart.
We will soon be starting RECIPROCAL TAXES so that we will charge the same thing as they charge us.
$800 Billion Trade Deficit-have no choice!

報復が更なる報復を呼ぶという悪循環に陥る恐れもある。

ーーー

大統領は輸入制限を発動する方針の表明時に twitter で 、米国の鉄鋼、アルミ、その他多くの産業が何十年にもわたり世界中の国の不公正取引でやられてきたと述べ、「これ以上はやらせない。自由でフェアでスマートな貿易を望む」と呟いた。

Our Steel and Aluminum industries (and many others) have been decimated by decades of unfair trade and bad policy with countries from around the world.

We must not let our country, companies and workers be taken advantage of any longer. We want free, fair and SMART TRADE!

When a country (USA) is losing many billions of dollars on trade with virtually every country it does business with, trade wars are good, and easy to win.
Example, when we are down $100 billion with a certain country and they get cute, don't trade anymore-we win big. It's easy!

 国と労働者を守る必要がある。鉄が無くなれば国が無くなる。

We must protect our country and our workers.
Our steel industry is in bad shape. IF YOU DON'T HAVE STEEL, YOU DON'T HAVE A COUNTRY!

 米国はこれまでの非常に馬鹿げた貿易政策のため、年8000億ドルの貿易赤字だ。仕事と富が他国に移っている。
 我々のリーダーの行動は笑いものになっている。 これからは違うぞ!

The United States has an $800 Billion Dollar Yearly Trade Deficit because of our "very stupid" trade deals and policies.
Our jobs and wealth are being given to other countries that have taken advantage of us for years.
They laugh at what fools our leaders have been.
No more!

Xerox の大株主Darwin Deason は3月2日、Xeroxを相手取り、新たな取締役を推薦する権利を求める訴訟をニューヨーク州の裁判所 (Supreme Court of the State of New York County of New York) に起こした。



Xeroxは本年1月31日に富士フィルムによる買収を発表した。この時点で、Xeroxが敵対的買収で株式の30%を売却する場合、アジア太平洋の360億ドルの市場でのXeroxの知的財産権と製造権を富士フィルムに渡すという企業買収防衛策としての重要資産の売却条項("crown jewel" lock-up right)
の存在も初めて明らかにされた。

2018/2/1 富士フィルム、米国Xerox Corporationを買収

これ以降Darwin Deasonは、Xeroxの筆頭株主で「物言う株主」として知られる著名投資家のCarl Icahnと共同で買収反対の運動を続けている。

Darwin Deasonは2月13日、富士フィルムによるXerox買収は不正だとして、差し止めを求める訴えをニューヨーク州の裁判所に起こした。

"Crown jewel" lock-up rightは Xeroxの戦略の柔軟性を制限するもので、実質的に今回の富士フィルムへの売却は17年前に株主に知らされずに決められていたことになり、不正行為であり、取締役は受託者としての義務に違反し たとして、裁判所に対し、この取引を中止し、既存のJV契約を終了することを求めた。

2018/2/15  富士フイルムによる買収、Xerox大株主が差し止め提訴  

Darwin Deasonは2月末に、反対の手段として、今春の株主総会で全取締役の候補を推挙する権利を求めたが、会社側は候補の推挙の期限の2017年12月11日が既に過ぎているとして、これを拒否した。

今回、これを不服とし、12月11日の推挙期限を延ばすことを求め訴訟を起こした。期限は過ぎてはいるが、Xeroxの取締役会はその後に株主にとって重要な一連の決定をしたとしている。

Carl Icahn と Darwin Deasonは同日、Xerox株主に対する公開状を発表した。

今週の初めに Darwin Deasonは会社側に、株主が全取締役候補を推挙することを認めるよう求めた。特に、12月11日の締め切りの6週間以上も過ぎるまで、"Crown jewel" lock-up の存在を17年間も明らかにしなかったことを理由としている。

しかし会社側は昨日、この要求を拒否した。このためDarwin Deasonは株主が全取締役候補を推挙する権利を求めて訴訟を行った。

会社側は失敗を続けている。"Crown jewel" lock-up の存在などを開示しなかった。富士ゼロックスの経理スキャンダルに適切に対応しなかった。今回も取締役推挙の期限問題で小手先の対応をした。
推挙期限の延期という第3位の株主の明らかに正当な要求を拒否することは、会社側の責任を認めようとしないこと以外にない。

これらに対して、Xeroxの株主の直面する質問は:
富士フィルムが会社の50.1%を支配して事態がよくなるだろうか?
少数株主になった場合、事態がよくなると期待できるのか?

Xerox株主が会社の支配権を取り戻す必要性の理由は沢山あるが、主な理由は取締役会が事実を曖昧にしてきたことだ。「強い少数株主保護」などと言っているが、富士フィルムを信用できない。
何故、競争相手に支配される会社で少数株主に甘んじなければならないのか。

会社側の主張する合併のメリットの計算は間違いだ。 Barclaysの最新のレポートでも疑問視している。

希望は戦略ではない(Hope is not a strategy)。拡張を希望するだけでは駄目だ。シナジーを希望するだけでは駄目だ。富士ゼロックスの経理スキャンダルがXeroxに更なる負担をもたらさないと希望するだけでは駄目だ。富士フィルムが支配権を持った時に我々をフェアに扱うと希望するだけでは駄目だ。これまで統合でうまくやる能力を持たなかった2社が一緒になって成果を生みだすことを希望するだけでは駄目だ。

希望的観測ではなく、現実に基づいた戦略が必要である。来る数週間、これこそが我々が考える必要がある点である。

トランプ米大統領は3月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明した。

ホワイトハウスに鉄鋼やアルミ業界のトップを10人以上集め、その席で、鉄鋼には25%、アルミには10%の追加関税をかけると述べた。 期間については長期間だとした。来週正式に命令にサインする。

対象は全ての国からの輸入で、大統領は、もしどこかの国を免除すれば、全ての国が同様の扱いを求めるため、どの国も免除したくないと述べた。

「我が国が他の国々から如何にひどく扱われているか、国民は知らない。正直言って、彼らは我が国の鉄鋼産業をつぶし、アルミ産業をつぶし、他の産業をつぶした」と述べた。

大統領はtwitter で 、「これ以上はやらせない。自由でフェアでスマートな貿易を望む」と呟いた。

Our Steel and Aluminum industries (and many others) have been decimated by decades of unfair trade and bad policy with countries from around the world.

We must not let our country, companies and workers be taken advantage of any longer. We want free, fair and SMART TRADE!

本件の法的レビューは完了しておらず、アドバイザーはまだ、いろいろなオプションを議論しており、全面的か(その場合、EUやカナダなど同盟国にも及ぶ)、対象国をしぼるかについて意見は大きく分かれているとされる。

厳しい対応は大統領の公約ではあるが、相手国の報復で貿易戦争になる可能性がある。外国政府や多国籍企業やペンタゴンは、全ての国への追加関税は経済及び安保のつながりを壊すことになるとして反対してきた。

しかし、大統領が公言したため、変更はないと思われる。

既報の通り、WTO協定では、加盟国が安保を理由に輸入制限を取ることを例外として認めている。

ただし定義が曖昧で、拡大解釈して乱用される恐れがあり、WTOを形骸化させかねず、現在の自由貿易体制を揺るがす懸念がある。

中国などの対応が注目される。

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米商務省は2月16日、鉄鋼製品とアルミニウム (鍛造品及び未加品)の輸入増が安全保障上の脅威になっているとして、トランプ大統領に輸入制限の実施を提言したと発表した。
1962年通商拡大法232条に基づくもの。

鉄鋼については3つの選択肢を勧告した。

1   すべての国からの輸入に最低24%の追加関税をかける。
2   下記 12カ国に最低53%の関税をかける。
  中国、ブラジル、コスタリカ、エジプト、インド、マレーシア、韓国、ロシア、南ア、タイ、トルコ、ベトナム
その他の国全てには2017年実績と同じ輸入量割当を設ける。
3   すべての国に2017年実績の63%に相当する輸入割当を設ける。

アルミについても3つの選択肢を勧告した。

1   すべての国からの輸入に7.7%関税
2   中国、香港、ロシア、ベネズエラ、ベトナムの5カ国・地域に23.6%の関税をかけ、他の全ての国には2017年実績と同じ輸入量割当を設ける。
3   すべての国に2017年実績の86.7%に相当する輸入割当を設ける。

2018/2/19 米商務省、鉄鋼・アルミの輸入制限を提言 

今回、いずれについても、すべての国からの輸入に追加関税をかける選択肢を採用する。

ーーー

これとは別に、米商務省は2月27日、中国から輸入するアルミホイルに反ダンピング関税と補助金相殺関税を課す方針を発表した。

2017年3月に業界から調査の要請があり、調査をしてきたが、中国製アルミホイルの一部が不当に安い価格で販売されており、製造業者は中国政府の補助金を受けていると認定した。

米国際貿易委員会(ITC)が国内産業に悪影響を与えていると判断すれば、4月にも発動する。

2016年の中国からのアルミホイルの輸入は389百万ドル。

税率は反ダンピング関税が48.64%~106.09%、相殺関税が17.14%~80.97%となっている。

詳細:https://enforcement.trade.gov/download/factsheets/factsheet-prc-aluminum-foil-ad-cvd-final-022718.pdf

サウジのKhalid al-Falihエネルギー相(Saudi Aramco会長兼務)は最近、訪問中のインドで、Saudi Aramco がインド西部の計画中の大製油所への参加と既存のインドの製油所への出資を検討していると述べた。

Saudi Aramcoは既に、インド西部Maharashtra州の海岸部 Tavsal 村 Ratnagiri で計画中の年産60百万トン、280億ドルの製油所計画への参加を前提に、設計ベースやプレFS を協議するという契約に調印済みであるとしている。Aramcoはまた、インドの既存の製油所(複数)への出資や、既存製油所の増強への参加の機会を探っていると述べた。

インドの石油・天然ガス相は、2017年10月のインタビューで、AramcoがMaharashtra州の60百万トンの製油所と、Hindustan Petroleum Corporation Limited (HPCL)Rajasthan州で開発する年産9百万トンの製油所に関心を持っていると述べている。

「今日はエネルギー相として来ているが、石油やエネルギーでの提携にとどまらず、石油化学、肥料、発電計画についても期待している」と述べた。石油を超えて、インドとの関係を深めたいとしている。

インドの石油・天然ガス相は、サウジのエネルギー相の訪印中にMaharashtra州の製油所の問題と、インド東南部のAndhra Pradesh 州で計画中の50億ドルの石油化学コンプレックスが話題になったと述べた。

中東の業界紙はさきに、Saudi Aramco がインドでの石化事業を検討し、JV交渉を行っていると報じていた。

サウジはイラクに次ぐインドへの原油供給国で、インドの需要の1/5 弱を供給している。

付記 

Saudi Aramcoは4月11日、インド側3社のコンソーシアム"Ratnagiri Refinery and Petrochemicals Ltd." (RRPCL)との間でMOUを締結したと発表した。

Maharashtra州Ratnagiri に大規模石油精製・石油化学コンプレックスを建設する。製油所は日量120万バレル(60百万トン/年)の原油を処理する。

ーーー

Maharashtra州Tavsal 村の製油所計画 はインド国営の石油会社が計画しているもので、Indian Oil Corp. (IOC) が50%、Bharat Petroleum Corp. (BPCL) とHindustan Petroleum Corp. (HPCL) が各25%を出資する。

220億ドルを投資し、第1期 40 百万トン、第2期 20 百万トンで60 百万トンの製油所を建設する。石油、ディーゼル、LPG、航空燃料、石化原料を生産する計画で、2022年のスタートを目指している。

しかし、政府が土地の取得を行っているが、村民が反対し難航している。現地では原発計画についても8年間反対し、潰している。


インドの石油・天然ガス相が触れた石油化学コンプレックス計画は、
Visakhapatnamと Kakinadaの間のNakkapalli に計画されているもので、Hindustan Petroleum Corporation Limited (HPCL)がGail その他と協力して推進している。.


カリフォルニア州の連邦地裁は2018年1月9日、子供の頃に親に連れられ入国した不法移民の強制送還を免除する制度の撤廃について、一時差し止めを命じた。

これについてトランプ政権は、控訴裁を飛ばして最高裁の判断を求めていたが、米連邦最高裁は2月26日、トランプ政権の訴えを退けた。

救済措置は打ち切りが3月5日に迫っていたが、カリフォルニア州の連邦地裁による一時差し止め命令は効力が全米に及ぶため、司法手続きや議会での対応が続く間は引き続き有効となる。


米国のセッションズ司法長官は2017年9月5日、幼少時に親と米国に不法入国した若者 (「ドリーマー」)に滞在許可を与える制度(DACA)を撤廃すると発表した。
対象者の在留資格は2018年3月までは保護されるが、新たな申請は認めない。

制度が、議会を通った法律ではなく、大統領令で決まったことが問題であるため、議会に代替の法律をつくる猶予を与えた

2017/9/6 新たな不法移民問題

カリフォルニア州の連邦地裁は2018年1月9日、「ドリーマー」の強制送還を免除する制度の撤廃について、一時差し止めを命じた。

3月に撤廃期限が迫っており、対象者は全米で80万人に上るとされ、カリフォルニア大学などが「学生らの損失に直面している」などとして、撤回を求めて提訴していた。

判事は制度の対象になったことがない人の新たな申請を受ける必要はないが、更新には対応するよう命じた。効力は全米に及ぶ。

USCIS(米国市民権・移民業務局)は1月にDACAの更新申請受付を再開した。

トランプ政権は、リベラルな判断で知られるサンフランシスコの連邦巡回控訴裁(9th Circuit)では敗訴する可能性が高いとみて、控訴裁を飛ばして、保守系判事が多数を占める最高裁の判断を仰ぐという極めて異例の対応を取った。


最高裁は2月26日、最高裁が判断する前に、下級審で審議をせよとして政権の要請を拒否した。もともと、下級審を飛ばして最高裁に判断を求めるのは極めて異例である。
この結果、連邦地裁の判断が生き、3月5日の期限切れは無くなった。また、それまでに法律を通さねばという議会への圧力も緩和される。

トランプ大統領は2月26日、最高裁のこの判断を嘆いた。

サンフランシスコの連邦巡回控訴裁(9th Circuit)ほど悪いものはない。政府相手の裁判では負け、負け、負けだ。最後は最高裁で勝つのに。

今後、9th Circuitの控訴裁では、大統領の言う通り、政府側が負けることとなると思われ、それから最高裁への上告、審議となる。

暫くはDACAは継続する。

また、本件は議会を通った法律ではなく、大統領令で決まったことが問題であるため、議会がこれに関する法律を通せば、訴訟は意味を無くす。
(但し、下記の通り、議会は昨年来、野党
民主党予算成立に協力する条件として、ドリーマーに滞在許可を与える制度を続けるよう主張しているが、目途は立っていない

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米国では連邦予算は今回も2017年10月1日の年度開始までに決まらず、つなぎ予算でスタートした。それも何度も延長した。

12月8日までの暫定予算でスタート次に12月22日までのつなぎ予算を通し、さらに2018年1月19日まで、また、2月8日までのつなぎ予算を可決した

トランプ大統領は、メキシコ国境の壁の建設を強く求めている。他方、民主党は予算成立に協力する条件として、幼少期に親と一緒に不法入国した若者(ドリーマー)に滞在許可を与える制度を続けるよう主張している。

米上院は2月8日のつなぎ予算期限までに対応ができず、政府機関は再度の閉鎖となった。

最終的には、直後に両院で期間2年の予算合意、債務上限を1年間停止することと3月23日までの暫定予算を含む法案を通し、政府機関の一部閉鎖は数時間で終了した。

新たに、3月23日までに本予算を通すことが必要となった。

2018/2/10 米国政府機関、再度の閉鎖、数時間後に予算合意で解除

DACA終了を3月5日に控え、上院は超党派で法案を準備した。ドリーマーに滞在許可を与える代わりに、大統領の求めるメキシコとの壁のけんせつに250億ドルを認めるというものである。

しかし、この法案は審議に入る投票(Cloture Motion)でフィリバスターを避けるための60票の賛成が得られず、廃案となった。

投票結果:

  共和党 民主党 無所属 合計
賛成 8 44 2 54
反対 42 3 45
棄権 1     1
合計 51 47 2 100

本法案については、大統領は正当な移民を抑えるという点が含まれていないため、仮に法案が通っても、拒否権を発動するとしていた。

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