自動運転や人工知能(AI)などの先端技術を住民が実際に使って暮らし、実用化につなげる構想で、2025年までに入居が始まる予定。

トヨタの豊田章男社長は次のように述べた。

『ヒト中心の街』、『実証実験の街』、『未完成の街』が「Woven City」のブレない軸です。多様性をもった人々が幸せに暮らすことができる未来を創造することに挑戦します。

「Woven City」は、ヒト中心の街づくりの実証プロジェクトです。
トヨタが自動車会社からモビリティカンパニーへの変革を目指す中、プロジェクトでは自動運転、パーソナルモビリティ、ロボット、人工知能(AI)技術などをはじめとする様々な領域の新技術をリアルな場で実証していきます。

「Woven City」では、地上に自動運転モビリティ専用、歩行者専用、歩行者とパーソナルモビリティが共存する3本の道を網の目のように織り込み、地下にはモノの移動用の道を1本つくります。

高齢者、子育て世代の家族、発明家の方々を中心に、初めは360人程度、将来的にはトヨタの従業員を含む2,000人以上の住民が暮らし、社会課題の解決に向けた発明がタイムリーに生み出せる環境を目指してまいります。

トヨタは2020年1月7日、ラスベガスで開催されている世界最大規模のエレクトロニクス見本市「CES 2020」において、静岡県裾野市に「Woven City」と呼ばれる実験都市を開発するプロジェクト「コネクティッド・シティ」を発表した。

同プロジェクトの目的は、ロボット・AI・自動運転・MaaS・パーソナルモビリティ・スマートホームといった先端技術を人々のリアルな生活環境の中に導入・検証出来る実験都市を新たに作り上げることで、NTTをはじめとするパートナー企業や研究者と連携しながら、技術やサービスの開発・実証のサイクルを素早く繰り返し、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスが情報で繋がることで生まれる、新たな価値やビジネスモデルを見出す。

2020年末に閉鎖するトヨタ自動車東富士工場の跡地の175エーカーで街づくりを進めていく。

都市設計を担当するのは、デンマーク出身の建築家Bjarke Ingels。

街の建物は主にカーボンニュートラルな木材で建設、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境との調和やサステイナビリティを前提とした街づくりが基本。
住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証するほか、センサーのデータを活用するAIで健康状態をチェックするなど、日々の暮らしの中に先端技術を取り入れる。

Woven City」は、街を通る3種類の道が網の目のように織り込まれたデザインに由来する。

1:スピードが速い車両専用の道として、「e-Palette」など、完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティのみが走行する道
2:歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道
3:歩行者専用の公園内歩道のような道

豊田社長はまた、トヨタ自動車のルーツとなる豊田自動織機の創業者・豊田佐吉が母を楽にさせたいという思いで自動織機を作ったことから、「未来に向けた実証実験都市『Woven』と名付けたのも、そうした『他の誰かのために』という想いを、未来をつくっていくこれからも忘れずにいたいと考えたからです」と語っている。

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ウーブン・プラネット・ホールディングス㈱は2021年1月に、自動運転関連ソフトウェアの先行開発を行うトヨタ自動車の子会社トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメントを拡大したもので、持株会社、事業会社、投資ファンドから構成される。

① 持株会社 ②事業会社 ③投資ファンド
社名 Woven Planet Holdings Woven Core Woven Alpha Woven Capital
事業内容 グループ全体に対する戦略的意思決定、シェアドサービス提供、新事業開発 等 自動運転技術の開発、実装、市場導入・普及 ①コネクティッドシティーのWoven City、
②独自の開発プラットフォームのArene、
自動運転向け自動地図作成のAutomated Mapping Platform
などの新領域における事業拡大機会の探索、革新的なプロジェクトの立ち上げ、推進
運用総額8億ドルのグローバル投資ファンド。
自動運転モビリティーや人工知能、機械学習、データアナリティクス、コネクティビティー、スマートシティーなどの領域において、革新的なテクノロジーやビジネスモデルを開発している成長段階の企業に投資