2020年4月アーカイブ

EUと英国は4月24日、英・EUの自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る交渉で進展が得られなかったと発表した。特に「公正な競争環境の確保」や「漁業」など4つの対立点で溝が埋まらなかった。

付記

EUと英国は5月15日、5日にわたった第3回会合(テレビ会議)を終えたが、「公正な競争環境の確保」や「漁業」など対立する重要分野での進展は今回も見られず、「期待外れだった」(EUのバルニエ首席交渉官)。

最大2年の期間延長を決定できる期限が6月末に迫る。6月初めに予定する次回会合で正念場を迎える。 

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英国とEUは2020年末までの「移行期間」中にFTAを締結すべく交渉することになっている。

3月2日から5日まで、将来的な貿易関係の最初の交渉を行なった。

漁業から金融サービスまで10分野の作業部会に分かれて専門的な協議を行った。

①製品貿易、②サービス貿易・投資、③運輸(航空)、④エネルギー(民間原子力協力) 、⑤漁業、⑥オープンで公正な競争のための対等な競争環境(LPF:Level Playing Field)、⑦法執行・犯罪問題における司法協力、⑧EUプログラムへの参加、⑨移動・社会保障協力/テーマ別協力 、⑩水平的アレンジメント・統治――の10分野にわたる。

第1回の交渉を終え、EU側のバルニエ首席交渉官は、「公平な競争条件」の確保や漁業権、司法協力などを挙げ、双方に「多くの非常に深刻な違いがある」と述べた。互いを尊重し合えれば「合意はまだ可能だ」とも強調した。

英国は6月までに合意の大まかな概要をまとめ、9月までに確定させることを目指している。6月に交渉が英国の望む方向へと進んでいるかを見極め、交渉を継続するか 、合意なしに12月31日に離脱する準備に「集中する」かを決定する方針。

2020/3/12 英国とEU、貿易交渉を開始 

3/18~20日に計画した第2回会合は新型コロナウイルスの影響で中止に追い込まれた。

EUのバルニエ首席交渉官は3月19日、新型コロナウイルスに感染したことを明らかにした。

3月20日には英国側の責任者をデービッド・フロスト氏が新型コロナウイルスの症状を示し、自主的に隔離措置を講じた。

EUと英国は4月15日、交渉日程の変更で合意した。テレビ会議に切り替え、4~6月に毎月1回(4月20日、5月11日、6月1日から)1週間程度の交渉会合を開く。6月末までに首脳級のハイレベル会合を開き、交渉の進捗を確認する。

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今回、EUのバルニエ首席交渉官は「失望した」と表明した。英政府の報道官も、「交渉の進展は限定的だった」と説明した。

特に溝が深いのが「公正な競争の確保(Level Playing Field」 である。

EUの欧州委員会は2月3日、基本方針案を公表したが、関税ゼロを目指すFTAの締結の条件として、労働者や環境保護、国家補助の規制、競争法、税制などのルールをEUの水準に合わせるよう求めることを明確にした。

英国が過度な規制緩和で不当に競争力を高めて、域内企業が競争上、不利になることを恐れ、「競争を開かれた公平なものにする必要がある」と、関税・数量割り当てゼロのFTAは、Level Playing Fieldの徹底した履行義務が条件としている。

英国政府も2月3日、交渉の方針を示した声明文を公表したが、政府補助金や環境・労働規制、税制などに関する「公正な競争条件」については、一般的なFTA以上に規制を連動させることは認めないとの考えを明示した。

ジョンソン英首相は2月27日、EUとの間にカナダ型のFTAが成立する見通しが立たないのであれば、6月にEUとの交渉を打ち切る意向を鮮明にした。

「対等な主権を持つ二者間の友好的な協力に基づく関係」を目指しており、「英政府が自国の法律や政治生命に対して自ら統制を取れないような取り決めについては一切交渉しない」とした。

カナダとEUのFTAにはこのような「公正な競争条件(Level Playing Field)」の規定はない。

今回もEUは、英国が税制や雇用政策などの面でEUルールに合わせるべきだとの立場を変えておらず、英側は「EUが他の国と結んだFTAの前例にはないことを要求している」と批判し、一歩も譲らない姿勢 を見せた。

本件については、英国側の主張が正しく、EUの主張は無理押しである。

漁業に関する具体的な進展はなかった 。EUは、「漁業に関する公平かつ持続可能で長期的な解決策を含まない将来の経済連携に合意するつもりはない」としている。

1983年にEEC水域に対する年間総許容漁獲高(TAC)が導入され、毎年、加盟国間で配分されるようになった。

英国の漁民は割り当てられた漁獲枠に制限される一方で、他国漁船が自国EEZで操業するのを黙認せざるを得ない状態に長年置かれてきた。

英国はEU離脱で主権を回復し、領海内での漁業を自国で管理しようとしており、逆にEUは従来通りとすることを求めている。

但し、英国の弱みは、現在でも水産物と水産加工品の4分の3を輸出し、輸出額の65%はEU市場向けであることである。英国が水域内の漁獲量を増やした場合、その輸出先はEUとなる。
EUは
EUの漁船の英国水域での操業継続が認められない場合、英国の水産品に関税をかけるとしており、その場合は英国の漁業には大打撃となる。

今回、「公正な競争環境の確保」、「漁業」とあと2つの対立点で溝が埋まらなかった。

5、6月に1回ずつ交渉を重ねる予定だが、妥結の道筋は見えていない。

離脱協定によると、移行期間の延長は1回に限り、1年あるいは2年の期間でされるが、そのためには、6月30日までに双方で合意・決定する必要がある。

拙速な交渉は避けて移行期間を延長すべきだとの声は強まっているが、英国側は今回の交渉後も依然として、移行期間の延長には応じない方針であり、FTAなしの 離脱となる可能性も出てきた。そうなれば、英・EU双方の経済に甚大な影響を与えるのは避けられない。

東北大学金属材料研究所の研究グループと住友化学は4月27日、高純度アルミニウム箔のみの負極材で充放電時に起こる巨大体積ひずみを回避するという、新しい機構を解明したと発表した。

リチウムイオン二次電池は、正極、負極、電解質およびセパレータの主要4部材から構成されており、リチウムイオンが正極と負極間を移動することで充放電が行われ、負極は、充電時に正極から移動してきたリチウムイオンを取り込む役割を果たしている。

現在の負極は炭素系材料が主流だが、電池のさらなる高容量化のために、炭素系材料に比べて3~10倍のエネルギーを蓄えられるシリコン、スズやアルミニウムなどの金属系材料の使用が期待されている。

しかし、それらの材料は、多くのリチウムイオンを取り込み大きなエネルギーを蓄えられる反面、充放電時に2~4倍も膨縮するため内部の電極構造が崩れやすい点が、実用化の課題となっている。

東北大学と住友化学は、2019年4月より連携してリチウムイオン二次電池の高容量化のための新しい負極の研究開発を行ってきた。

今回、グループは、高純度アルミニウム箔の硬さを最適化することにより、課題であった充放電時の体積膨縮の制御が可能なことを見いだした。

  • 炭素系負極に比べて数倍のエネルギーを蓄えられるアルミニウム負極について、課題であった充放電時の体積膨縮を、高純度アルミニウム箔の使用により制御できることを見いだし、その機構を解明した。

  • さらに、従来の負極は、リチウムイオンを蓄える機能の炭素系材料と、電流を集め基材の機能も果たす銅箔の積層構造とする必要があったが、高純度アルミニウム箔の使用により双方の役割を両立する「一体型負極」となることを突き止めた。
  • これらの成果は、電池の製造工程の大幅な簡素化と高性能化に貢献するものである。
  • 高容量化や軽量化、低価格化なども期待できる。

  • 次世代電池として注目される全固体電池にも、本研究の成果を適用できる可能性がある。

技術の説明:

  • 高純度アルミニウム箔の硬さを最適化することで、充電時に、箔全面で均一なリチウムイオンの受け入れが可能になる

  • 全面均一にアルミニウム-リチウム金属間化合物が形成されるが、比率が1:1でなくても化合物を作るその金属間化合物の特異な性質によって、箔表面と深部とで濃度勾配ができる。それにより、箔深部にあるアルミニウムが全面一様に表面へ押し上げられて、厚み方向のみに体積膨張が進み、充電(リチウム化)が行われる

  • 放電時は、リチウム化により体積膨張したアルミニウム-リチウム合金電極箔の表面から、リチウムイオンが放出される。リチウムイオンを放出すると、次の充電においても効率的にリチウムイオンを受け入れるよう、多くの孔が開いたアルミニウム構造を作り出す

  • 箔の底部のアルミニウムは変化せず、電流を集め、電極構造を維持する銅箔の代替となる。すなわち、高純度アルミニウムだけで双方の役割を両立する一体型負極となり得る

本成果は、Nature Communications誌に4月13日付けでオンライン掲載された。
   Circumventing huge volume strain in alloy anodes of lithium batteries



住友化学グループはすでに正極材、セパレーターを事業展開しており、今回の成果を基に負極材にも参入を目指す。

まず3年後をめどに試作品を開発したのち事業化する考えで、事業売り上げ数百億円を視野に入れていく。

リチウムイオン二次電池用セパレータ(「ペルヴィオ®」)

ポリオレフィン基材にアラミド樹脂で耐熱層を形成することにより電池の安全性確保に寄与する点が特長で、主に車載用途で採用されている。

大江工場(愛媛県新居浜市)、韓国大邱市の子会社SSLMで製造

正極材(「エナヴィオ®」)

世界的に供給が不足しているレアメタルのコバ ルトを使用しない正極材

子会社田中化学研究所(福井市)で製造


ベトナムは中国と約1400キロの国境を接している。

初めて感染が確認されたのは1月23日で、中国武漢出身の親子だった。

人口は97百万人で、4月21日現在の感染者数は268人だが死者はいまだにゼロで、完全に抑え込んだ。感染者のうち約8割にあたる224人が既に回復した。

ベトナムはすでにほぼ全域で経済活動を再開させた。 ベトナム政府は4月23日、外出制限を緩和した。首都ハノイや南部ホーチミンではレストランや露店が営業を再開し始めた。タクシーも車両の台数に制限はあるが営業を許可された。

新たな感染者は4月16日から23日まで出なかった。4月24日に新たに感染が確認された2人は、特別便で2日前に日本から帰国したベトナム人だった。

死者ゼロは奇跡的なことで、ベトナム政府の強硬な3つの対策と、これを受け入れたベトナム国民の協力によるものである。

2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した際に民間病院での集団感染をきっかけに、5人が死亡、63人が感染した。当時はベトナムは感染者と接触者を徹底的に追跡し、隔離することで世界で最初にSARSの「制圧」を宣言した が、今回、同様の措置を行った。

「SARSと鳥インフルエンザの悪夢を経験していたので、市民もルールを守った」とされる。

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1月23日に中国・武漢出身の親子の感染が分かり、感染者はその後、2月13日までに計16人に増加した。

ベトナム政府はただちに第一の対策「検査」を実施した。

ベトナム政府は早くも2月1日に中国との旅客航空便の運航を停止し、2月5日には過去2週間以内に中国に滞在歴のある外国人の入国拒否を始めた。
(日本が中国からの入国の大幅な制限を決めたのは3月5日で ある。)

2月からは、主要都市に到着した航空便の乗客の体温検査と 旅行詳細、健康状態についての自己申告義務を課した。
その後、陸路で主要都市に入る人や、政府機関ビルと病院に入る全員にこれを義務づけた。

38℃以上の場合、検査のため近くの医療設備に移した。
自己申告で嘘をついた場合 や自己申告拒否の場合は起訴される。

企業、銀行、レストラン、アパートは各自でチェック手続きをとった。

その後、全国で包括的な検査を行った。各都市に検査場所を設置し、全市民が検査を受けた。感染者が出た場所の近辺は素早くロックダウンされた。

検査のため、政府は3月5日までに3種のテストキット(全てベトナム製)を認定した。テスト費用は25米ドル以下で 、90分以内に結果が出る。

第二の対策は、隔離とロックダウンである。

政府は2月央以来、外国からの帰国者とベトナム来訪の外国人は14日の隔離と検査を義務付けた。

感染者の行動を公表、接触した人は強制隔離した。

2月13日には6人の感染者が出たハノイ近郊の村全体が隔離された。

3月に全市と市中の特定地区をロックダウンし、都市間移動は厳しく制限した。

ダナン市では市民以外で同市に入る場合、政府指定の場所に2週間、自費で隔離された。

人口1万人の市が患者1人のために封鎖された。COVID-19治療センターでもあるハノイの有名な大病院のBach Mai病院はメンバーの一人が外部で感染し陽性になったため、3月後半に閉鎖された。

政府と民間の事業所は閉鎖、旅行産業及び航空産業は凍結された。

旧正月の休暇(1月23日~1月29日)を終えて再開するはずだった学校は早々に休校が決まった。再開は繰り返し延期になり、結局、ほとんどの学校は1月下旬から休校 となった。

第三の対策は政府による広報活動である。

1月初め以降、政府は国民に対し、コロナウイルスの深刻さを広く伝えた。

「COVID-19は単なる悪性の風邪ではない、非常に深刻に考えないといけない病気で、自分自身と他人を危険にさらしてはいけない」 とした。

毎日、異なる政府機関が情報を送った。症状や対策を全国にスマホを通じて送った。政府はZaloなどのチャットアプリと組んで、更新情報を送った。

町にはポスターが張り巡らされ、ウイルスを止めるのが市民の義務であると伝えた。

その一つ:'To stay at home is to love your country' (「家にとどまることが国を愛することだ」)


3月31日には切手も発行した。"Join hands to defend the COVID-19"   (Buu Chinh は郵便)


政府は陽性になった人、隔離を逃れた人の行動の詳細(氏名は除く)を公表した。

使用済みマスクのポイ捨てに月収分の700万ドン(約3万2000円)の罰金を課すなど、コロナ対策の厳格な罰則を設けた 。

ベトナムはこれらの対策で世界に先駆けてコロナを封じ込めた。


ベトナム政府は4~6月に毎月180万ドン(約8200円)を失業者に給付することを含めた総額62兆ドン(約2800億円)の経済対策を決めた。



主ソース https://theconversation.com/vietnam-has-reported-no-coronavirus-deaths-how-136646

ExxonMobilは4月22日、恵州大亜湾の新石油化学コンプレックスの着工式をクラウドで行った。
式典は、北京の人民大会堂、広東省恵州市の会場、米テキサス州ダラス市の3会場をライブ配信でつなげる形で行われた。

韓正副総理が人民大会堂で参加、午前11時に建設開始を宣言した。

米国企業としては初の単独でのプロジェクトで、投資額は100億ドル、年産160万トンのエチレンクラッカーと誘導品を建設する。

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ExxonMobilは2018年9月5日、広東省政府との間で、恵州大亜湾石油化学工業団地に石油化学コンプレックスを建設する協議を進める基本協力契約に調印したと発表した。

計画では、年産120万トンのエチレン(原料は多様化)、2基の機能性ポリエチレン系列、2基の機能性ポリプロピレン系列を含む。2023年の操業開始を目指す。

基本契約では、ExxonMobilがLNGの供給を含めて参加する意向の恵州LNG受入基地の建設に省政府が協力することも確認している。(本件については詳細を明らかにしていない。)

エチレンと誘導品で最先端の製造技術を使用し、中国の石油化学政策(自給自足の多様化した原料ソース、燃料と価格品のバランス是正、最先端の競争力ある技術)の達成に向け支援するものとなるとしている。

2018/9/10 ExxonMobil、中国で新しい石化コンプレックス、LNG受入基地も 

ExxonMobilは2019年10月、Framework Agreement を締結した。

この時点までは、エチレン能力は120万トンとしていたが、今回の人民日報等の報道では160万トンとなっている。

計画は2段階で行われ、第一段階では下記のプラントを建設する。

エチレンクラッカー 160万トン
メタロセンポリエチレン 120万トン
高圧ポリエチレン 47万トン
耐衝撃性ポリプロ 42万トン
一般ポリプロ 42万トン

第一段階は2023年スタートで、その後に第二段階(内容不明)の建設を開始する。

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ExxonMobilは既に、福建省泉州に福建煉油(SINOPECと福建省政府の50/50JV)との石油精製・石化JVを持つ。

①Fujian Refining & Petrochemical Company Limited 

福建煉油の製油所(4百万トン/年)を12百万トン/年に拡張し、石油化学コンプレックスを新設

出資:ExxonMobil China Petroleum and Petrochemical Company Limited 25%
  
Saudi Aramco Sino Company Limited  25% 
   
福建煉油Fujian Petrochemical Company)50%

製品: エチレン 80万トン→ 110万トン
  PE 80万トン→96万トン
  PP 40万トン→55万トン
  芳香族 100万トン
  パラキシレン 70万トン

②Sinopec SenMei (Fujian) Petroleum Company Limited.  ガソリン販売

 出資:Sinopec  55%
     ExxonMobil China Petroleum and Petrochemical Company Limited 22.5%
     Saudi Aramco Sino Company Limited 22.5%

2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2

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恵州市大亜湾では、中海シェル石油化学が2期エチレンをスタートさせている。

2018/5/16  中海シェル石油化学、第二期計画スタートアップ 





BCGとCOVID-19(その3)

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さきに2019/4/7「BCGはCOVID-19に効くか?」、2020/4/13 BCGとCOVID-19(補足)を書いた。BCGとCOVID-19の関連についての仮説を確かめた。

2週間後の状況を調べてみた。

100万人当たり死亡  

BCG注射実施 BCG亜株  
元資料 4/11 4/26 現在も 過去に 実施せず
米国 27.2 56.7 160.7     X TICE BCG実施なし
・・ イタリア 253.9 311.8 436.4     X Denmark BCG実施なし
フランス 120.6 202.2 346.5     Denmark  
ドイツ 17.5 30.4 67.3     Denmark 医療体制?
オランダ   146.5 240.3     X   BCG実施なし
ベルギー   260.5 596.8     X  
  スペイン 259.7 338.9 481.8     Denmark  
ポルトガル 25.1 42.7 86.3     Denmark  
  英国 69.6 132.0 299.3     Denmark 1952年導入、2005年終了
アイルランド   58.1 215.3     Denmark 1937年に導入、現在中断
  スウェーデン 40.1 86.1 217.1     Denmark  
ノルウェー 12.9 17.0 35.6   Denmark ごく最近中止
  イラン 46.7 50.4 66.4     Pasteur1173P2(後期型)  
イラク 1.8 1.7 2.1     Japan  
豪州 1.4 2.1 3.2     Connaught 地理的に隔離、医療体制?
トルコ 6.9 11.9 32.1     ソ連/Bulgaria  
韓国 3.7 4.1 4.7     1種以上  
中国 2.5 2.3 3.2     ソ連/Bulgaria  
日本 0.6 0.7 2.8     Japan  
台湾 0.2 0.2 0.3     Japan?  



1) BCG全員注射をやったことのない4か国の死者は極めて多い。米国はまだ増えている。

2) 現在もBCG注射をしている国は、現在はしていない国境を接する隣国に比し、著しくひくい。

ポルトガル(86.3) vs スペイン(481.8)、ノルウェー(35.6) vs スウェーデン(217.1)、イラク(2.1) vs イラン(66.4)。

なお、アイルランドは当初、英国に比し著しく低かったが、急速に近づいている。

アイルランドは1937年に早くも導入したが、EU各国が中止ししたためか、2015年にワクチンがなくなり、それ以降生まれた子は接種されていない。
国家予防接種助言委員会等により「アイルランドではすべてのこどもの定期予防接種とする必要はない」との勧告が出されている。

3) 現在もBCG注射をしている国のなかでは、ポルトガル(86.3人)とトルコ(32.1人)が多い。他は全て5人未満。

ポルトガルの理由は不明。トルコについては多くの難民(注射をしていない)が含まれているのかどうか。

BCG全員注射をやったことのない4か国(160人以上)と、現在もやっている残りの国(5人未満)との差は驚くほど大きい。

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4) 現在BCG全員注射をやっていない国では、オーストラリア 3.2人(と ニュージーランド 3.7人)が極めて低い。地理的に隔離されていること、そのため準備期間が長かったことが理由か?

5) イタリア、オランダ、ベルギー、及びフランスに囲まれ、当初は相互移動が自由であったドイツが、現在BCG注射をやっていないにもかかわらず、死亡率が低いのが目立つ。

付記 下記の点が分かった。

上記でドイツはDenmark株としているが、これは旧西独の話で、旧東独ではソ連/Bulgaria株であった。いずれも1998年に接種の義務付けを中止した。
22歳以上の国民は予防注射をしているが、BCG亜株が異なっている。

上の統計の通り、ワクチンのうち、ソ連株や日本株を使う国は死亡率が低く、死亡率が高い国はDenmark株が多い。

報道によれば、旧西独地区の死亡率は旧東独地区の死亡率の3倍強という。

但し、統合時の西ドイツの人口は6,200万人、東ドイツは1,800万人で、亜株の違いによる影響は小さい。



これらから見ると、BCG注射が何らかの関係があるのではと思われる。

感染に影響するかどうかは、特に日本の場合、検査対象がごく一部に限られるため、不明であるが、少なくとも死者については関連がみられる。

大村智博士がノーベル医学・生理学賞を受けた抗寄生虫薬の「イベルメクチン」がCOVID-19に効果があるとする報告が出た。

4月29日付のSSRN(旧称 Social Science Research Network) に "Usefulness of Ivermectin in COVID-19 Illness" というタイトルで報告された。

筆者は University of UtahのDr. Amit Patelほか。 (2月1日付でUniversity of Miami に移った。)

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イベルメクチン(ivermectin)は腸管糞線虫症の経口駆虫薬、疥癬、毛包虫症の治療薬である。

アフリカや中南米では、全身の皮膚にかゆみを起こし、視力を奪われる河川盲目症(オンコセルカ症)という寄生虫による感染症が流行していた。
1970年代には35の発展途上国で8500万人が感染の危機にあった。

Merck & Co., Inc.(米国とカナダ以外では独のMerck と区分さるため MSDの社名を使用)のDr. William Campbell 治療薬の開発を進めていたが、大村智・北里大特別栄誉教授が静岡県伊東市内のゴルフ場近くで採取した土壌から見付けた新種の放線菌「ストレプトマイセス・アベルメクチニウス」(Streptomyces avermitilis)が生産する物質を元にイベルメクチンをつくった。

イベルメクチンは、河川盲目症(オンコセルカ症)に加え、象皮病にもなるリンパ系フィラリア症、世界で数千万人が感染しているとされる糞線虫症(糞線虫が消化器官に寄生する寄生虫感染症)などにも効果があるということが分かった。

大村智特別栄誉教授とDr. William Campbell は2015年にノーベル医学・生理学賞を共同受賞した。

日本ではMSDが、腸管糞線虫症および疥癬用に商品名ストロメクトールで製造、マルホが販売する。

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COVID-19の治療薬を探すため、世界中で研究が行われている。

オーストラリアのビクトリア感染研究所の研究グループが、イベルメクチンを試したところ、新型コロナウイルスの増殖を抑え、ウイルス数を劇的に減少させる可能性があることを発表した。

研究グループは、イベルメクチンが、ウイルスのタンパク質が分子インポーチン(輸送タンパク質)と結合して核内移行 するのを抑制すること、この結果様々なウイルスタンパク質の核内移行が阻害され、エイズウイルスや、デングウイルスの増殖が低下することを見付けていた。

タイではすでに、イベルメクチンをデングウイルス治療に使う360人規模の治験が進んでおり、抗ウイルス薬としてのイベルメクチンはすでに臨床段階にある という。

グループはイベルメクチンが新型コロナウイルスにも効くのではないかと考え、細胞を使った試験をしてみた。

結果は、ウイルスの増殖が24時間で1000分の1に低下した。


これは、イベルメクチンが新型コロナウイルスのタンパク質生成を阻害し、増殖を強く抑制したことを意味する。同研究グループは、まだ細胞を使った実験室内の結果であり、さらなる研究が必要としている。

        https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0166354220302011


米国チームは、イベルメクチンは実験室でウイルスRNA複製を減らすことを確認した。

チームは2020年1~3月に、アジアと欧州と北米の169の病院からCOVID-19に感染し、治療を受けた人のデータを収集した。

イベルメクチン(150mcg/Kg)を使った704例と、使わなかった704例とを比べ、統計分析した。年齢、性別、人種、併存症、重症度評価を合わせた。

呼吸器を必要とした患者のうち、イベルメクチンを使わなかった患者は死亡率が21.3%だったのに対し、使った患者は7.3%と約3分の1にとどまった。
患者全体の死亡率は、イベルメクチンを使用した時の死亡率が1.4%で、不使用だった時(8.5%)と比べて約6分の1に抑えられた。

チームは「死亡率を減らし、入院日数を減らす効果もある。さらに研究が必要だが、治療方法の一つとして検討する材料にはなる」としている。

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トランプ大統領が新型コロナウイルスをめぐり、繰り返し、マラリアなどの治療に使われるヒドロキシクロロキンが有効だと思うと主張している。

2020/4/9 トランプ大統領、CVD-19治療に抗マラリア薬を絶賛

米食品医薬品局(FDA)は4月24日、抗マラリア薬の「ヒドロキシクロロキン」と「クロロキン」について、心臓に深刻な副作用を引き起こすリスクがあると警告した。医者の監督下で慎重に使うよう呼びかけた。

これらは新型コロナの治療薬として承認されていないが、医療現場では既に一定条件の下で使われている。FDAは「深刻で生命を脅かす可能性がある心臓への副作用が報告されている」と指摘し、副作用のリスクを抑えるため入念な事前検討や経過観察を医療関係者に求めた。

経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は2020年1月31日、独立系投資顧問のいちごアセットマネジメントから最大1008億円の出資を受け入れる方向で最終契約を結んだと発表した。


この時点の契約では、いちごのB種優先株発行時点で、いちごの出資比率は44.26%となる。

その後3月13日に、JDIはいちごアセットマネジメントとの間で100億円の追加の資金調達で基本合意したと発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境が悪化しており、追加的な運転資金を確保するもの。

2020/2/3  JDI、いちごアセットマネジメントと最終契約

当初、いちごの優先株はB種、C種とも転換価格は1株50円とされており、3月13日の合意で単に100億円の追加と見られていた。

4月22日付日本経済新聞は、3月13日の合意はそれだけでなく、全体の半分を占めるC種優先株の転換価格を1株20円に変更することを含んでいることを報じた。
これにより、全体の転換価格は 1株50円から30円弱に引き下げられ、C種優先株の転換後のいちごの出資比率は当初の想定と比べ、大きく増えることとなる。

2020/1/31合意 2020/3/13合意 増減
金額 株数 金額 株数 金額 株数
B種優先株 504億円 @50 10.08億株 554億円 @50 11.08億株
C種優先株 504億円 @50 10.08億株 554億円 @20 27.70億株
合計 1008億円 @50 20.16億株 1108億円 @28.57 38.78億株 +9.9% +92.4%

これは、契約中のMAC条項(Material Adverse Change Clause)or MAE条項(Material Adverse Effect Clause)と呼ばれる条項に基づくもので、契約書にサインした時からクロージングまでの間に発生する各種リスクを契約当事者間で配分するための取り決めをいう。

JDIは3月25日に臨時株主総会を開いて、いちごの出資受け入れを正式に決めることになっていた。

2020年1月31日にいちごアセットが契約を締結した際のJDIの株価は@70で、転換価格の@50は好ましいものであった。

しかしその後、新型コロナショックで株価は下落、3月12日には@50を割った。

これを受け、いちごアセットはMAC条項を発動し、出資額を100億円増やすことを交換条件に、C種優先株について転換価格を大きく引き下げた。




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ニューヨーク州のAndrew Cuomo知事は4月23日、州(人口1950万人)の感染者が270万人に上る可能性があると発表した。 実際に感染が確認された人の10倍超になる。

ニューヨーク州の19の郡の40カ所の食料品店などで2日間で 3000人を対象に検査を実施した。

結果は下記の通り。

New York City (5 boroughs) 21.2%
Long Island 16.7%
Westchester and Rockland 11.7%
その他地区 3.6%
合計 13.9%


州内の感染者の大半を占めるNew York City(人口860万人)が特に高く、21.2%に上った。
人種・民族でみると、アフリカ系やヒスパニック系の陽性率は、白人やアジア系に比べて2倍前後高くなったという。

州人口は1950万人のため、単純に13.9%を掛けると陽性者は270万人になる。実際に感染が確認されたのは約26万3千人で、それの10倍超になる。

New York州のCOVID-19の死者は15,500人で、感染者を270万人とすると 死亡率は0.5%にとどまることになる。

但し、抗体検査はその正確性に疑問の声があるほか(WHOは、抗体検査の技術は十分に検証されておらず、抗体自体に関しても不明な点が多いという認識を示している)、
外出していた人のみの検査であり(外出しない人の感染率は低いだろうとみられている)、州民全体からの無作為抽出ではないため、
知事は
「検査は暫定的で限定的」で、実態の把握には検査の拡充が必要だとしている。

死者には自宅で死んだ人やCOVID-19のテストを受けていない人は含んでおらず、実際はもっと多い可能性がある。


今回の13.9%という割合はこれまでの研究結果に比べて高すぎるという見方も出てる。


現時点では、抗体ができている人が今後罹らないという保証はない。


トランプ米政権と与野党の議会指導部は4月21日、4840億ドルの新型コロナウイルス対策で最終合意した。第3弾の対策の補充で、COVID-19 3.5 relief packageと呼んでいる。

上院は関連法案(Paycheck Protection Program and Health Care Enhancement Act )を同日可決した。下院も23日に可決し、大統領に送った。

これまでの3回の経済対策と合わせ、財政出動は2兆8千億ドルになる。

今回、中小企業の雇用対策など(Paycheck Protection Program) に3700億ドルの追加資金を用意し、医療体制の整備(Health Care Enhancement) にも1000億ドル強を投じる。

主なものは下記の通り。

・中小企業庁の Paycheck Protection Program (PPP) の補充に3200億ドル

3月27日に議会は第3弾の2兆ドル規模の景気刺激策の法律(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act=CARES Act)を通した。

この一部が中小企業のレイオフ回避、給与支払い補助のための3490億ドルの基金であるが、4月4日の受け付け開始から中小企業の利用申請が殺到。4月16日に早くも上限に達した。

このため、大幅に増加する。

このうち、600億ドルは中小企業向けの融資機関に支給され、銀行融資を受けられない企業に資金が行くようにする。

・医療機関のCOVID-19関連の費用、収入減支援に750億ドル(CARES Actでの1000億ドルの追加)

・地方や無保険者の新型コロナの検査に250億ドル

ーーー

トランプ大統領は4月21日の記者会見で「中小企業に追加資金を供給するため、迅速に関連法を成立させる」と述べ、ムニューシン財務長官は「これまでの中小企業の資金支援で既に3000万人の雇用維持につながった」と政策効果を強調した。

大統領は、この後すぐに『経済対策第4弾』の議論に入るつもりだと表明した。「地方でのインフラ投資や給与税の減税など、次策の議論を開始する」と述べた。

ーーー

これまでの新型コロナウイルス対策は下記の通り。

第一弾:

トランプ大統領は3月6日、議会上下両院が可決した新型コロナウイルス対策用の83億ドルの緊急補正予算法に署名し、同法が成立した。

可決された83億ドルの予算のうち、ワクチンなどの研究・開発費用(30億ドル以上)、連邦・州・自治体の公共衛生機関への財政支援(22億ドル)などが含まれる。
ビジネス支援に関しては、10億ドルを新型コロナウイルス拡大により資金的損害を受けた中小企業などへの低利融資に充てるとしている。
また、4億3,500万ドルを外国の医療機関への支援として計上している。

第二弾:

トランプ米国大統領は3月18日、議会が可決した第2弾の新型コロナウイルス対策法案(「家族第一・コロナウイルス対応法」)に署名し、同法が成立した。

第2弾の対策法では、個人への支援が主となっており、新型コロナウイルスの検査無償化や、従業員がウイルスの影響で休暇を取得せざるを得ない場合の所得保証などが盛り込まれている。

新型コロナウイルスの検査無償化については、無保険者向けの公的プログラムに資金を拠出するとともに、民間医療保険に被保険者の検査費負担を無料にすることを義務付けている。

コロナウイルスの影響で出勤できない従業員への雇用の保証や有休疾病休暇の与え方、給与の支払い額、休業した従業員に支払った給与の税控除などについて定めている。

このほか、低所得者向けの食料補助プログラムや、失業保険拡充のための各州への財政支援などが含まれている。

第三弾:

3月27日に議会は第3弾の2兆ドル規模の景気刺激策の法律(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act=CARES Act)を通した。

法案の内容は下記の通り。

 ・個人に1200ドル(夫婦に2400ドル、子供一人に500ドルずつ)の現金支払い(年収75000ドル以上の場合は減額)
 ・中小企業の、レイオフ回避、給与支払い補助のための3500億ドルの基金
 ・被害を受けた産業へのローン、保証、投資のため財務省が5000億ドルを用意
 ・ローンを受けた企業は、その期間は自社株の買戻しを禁止、その企業で425千ドル以上の給与を受ける役員等は次の2年間昇給無し
 ・保険業者は追加コストなしでコロナウイルス予防サービスを対象に加える。
 ・雇用維持の税額控除
 ・ヘルスケア補助に2400億ドル、病院補助に750億ドル、退職軍人のヘルスケアに200億ドル、緊急公共輸送に200億ドル、空港救済に100億ドル、CDC補助 45億ドル、
   航空会社補助のローンに500億ドル、貨物航空補助に80億ドル、国防維持に必要な事業(不特定)の補助に170億ドル
 ・失業保険強化(各州の規定に加え、最長4カ月、週600ドルを加算)

2020/3/26 米与野党、2兆ドルを超える緊急景気浮揚予算案で合意

今回は第三弾の補充のCOVID-19 3.5 relief packageである。この後、第四弾が予定されている。


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OPECプラスは4月12日、日量970万バレルの協調減産に合意したが、4月の原油需要が前年比2900万バレル減とされ、原油の値下がりが続いている。

4月20日のNY原油市場で 5月もの(4/21決済)WTI原油は -37.63ドル/バレル(一時 -40.32ドル)と市場初のマイナスとなった。

米国で原油生産量が最も多いテキサス州の規制当局が供給過剰の解消に向けた生産制限の導入について検討を始めた。導入すれば1970年代前半以来、40年以上ぶりとなる。

3月に石油業者2社がエネルギー分野の規制当局であるTexas Railroad Commissionに対し、石油の生産制限を検討するよう求めた。

石油の州際取引は当初、主に鉄道によって行われていたため、各州のRailroad Commission が石油(その後、ガスが加わる)の規制を担当する。

Railroad CommissionはTexas Natural Resources Code により、余剰が差し迫っている場合に石油とガスの生産を割当制にする権限を有している。

3月21日にTexas Railroad CommissionはOPEC事務局長と石油市場安定化問題を話し合ったとされる。

Railroad Commissionは4月14日、生産制限をめぐる公聴会をオンラインで開いた。

意見は分かれた。

シェール生産大手の幹部は「原油安はOPECプラスに参加しない米国などの減産が明確になっていないからだ」と指摘し、州内の生産者に2割程度の減産を命じるべきだと訴えた。

他のシェール大手はこれに反発、既に掘削を30%停止するプロセスに入っており、もし州で生産制限が実施されればゼロに減らす、その場合、雇用喪失、家庭への影響といった形で深刻な結果をもたらすだろうと警告した。

「一部の事業者が契約上の義務を履行しなくて済むようになることを期待して強制的な減産に賛成しているのではないか」との指摘もあった。

米国石油協会は「制限は長期的な生産性低下につながりかねない」と反対の立場を示した。

Railroad Commissionは4月21日に 会合を開いたが、生産量を20%カットするという提案の投票を拒否した。次回は5月5日に開催する。

付記

テキサス鉄道委員会は5月4日、翌日に予定されていた生産制限に関する採決の中止を決定、この問題は「葬られた」。

3人のメンバーの一人だけが生産割り当てに対する支持を表明、他の州や他国も同様の動きをとることを条件に、州内の原油生産を2割削減し、割り当てを超過して生産した業者にはバレル当たり1000ドル程度の罰金を科すことを提案していた。

オクラホマ州でも、Oklahoma Corporation Commissionが5月11日の公聴会を予定している。

ーーー

OPECプラスは4月12日、4月9日に続いてふたたび緊急テレビ会議を開き、アジアの原油市場が開く直前に日量970万バレルの減産で最終合意した。

当初、OPECプラスは、米国やカナダ、ノルウェーなど枠組みに参加していない産油国については、4月10日に開かれる主要20カ国・地域(G20)エネルギー相会合で減産への協力を取り付けることを目指した。
日量500万バレル削減を求め、全体で1500万バレルの減産を目指した。

しかし、4月10日のG20エネルギー相会合の声明では「世界経済の回復とエネルギー市場の安定を確保するため、協調した対応策を作るよう協力する」としたが、OPECプラス以外の諸国の減産目標は明記できなかった。

カナダとノルウェーはこれまでに減産に前向きな姿勢を示していた。

しかし、ブルイエット米エネルギー長官は会議で米国の生産量は2020年末までに日量200万バレル減るとの見通しを説明。OPECプラスには減産を求める一方で、「自由で開かれた原油市場」を重視する考えを強調し、生産量を連邦政府が決めるのは適切ではないとの建前論にとどまった。

米国は代わり国家戦略備蓄施設の活用を提案した。備蓄施設を民間企業に貸し出し、行き場を失った原油を貯蔵し市場の流通量を削減するが効果は限られている。

ーーー

米国では反トラスト法が業者が協調することを違法としており、政府が生産を規制することもできない。

米国はOPECそのものを違法としてきた。

米下院司法委員会は2019年2月7日、OPEC加盟国を反トラスト法違反で提訴することを可能にする「石油生産輸出カルテル禁止(No Oil Producing and Exporting Cartels Act : NOPEC法案)」を全会一致で可決した。同様の法案が上院の財政委員会に提出された。 しかし、上院では投票に至っておらず、法律としては成立していない。

米国政府がOPEC加盟国をSherman Antitrust Actで訴訟できるというもので、Aramcoが米国での上場を避ける理由の一つである。

しかし、米国でも州が生産制限をすることは認められている。


1930年代に原油の供給過剰が起き、連邦議会が過剰解消を目指す産油州の団体創設を承認した。産油州は連邦政府の需要予測に基づいてそれぞれの生産量を決め、各州の制度に従って生産者に枠を割り振った。

Franklin Roosevelt 大統領のNew Deal 政策で最重要な法律である全国産業復興法(National Industrial Recovery Act:NIRA)が1933年に制定された。

国が産業の生産統制を行った。不況カルテルを容認する一方、労働者には団結権や団体交渉権を認めたり、最低賃金を確保したりして、生産力や購買力の向上を目指そうとした。
その施行を管轄する行政機関として全国復興庁 (NRA) が設立された。

しかし1935年5月に合衆国最高裁判所が Schechter Poultry Corp. v. USA等の裁判で、満場一致で、憲法が立法権を議会に与えているのに反し、この法律が立法権を全国復興庁に与えており、違法であるとした。このため、この法律は2年足らずで廃止された。

当時、サウジで油田が発見されるまでは世界最大の油田であったEast Texas 油田の石油が市場にあふれ、石油価格が暴落しており、生産制限が必要であった。

このため、全国産業復興法が廃止になると、連邦議会は1935年2月にInterstate Transportation of Petroleum Products Act を通した。提案者のテキサス選出上院議員Tom Connallyの名前をとってConnally Hot Oil Act of 1935と呼ばれる。

産油州は連邦政府の需要予測に基づいてそれぞれの生産量を決め、各州の制度に従って生産者に枠を割り振るが、州が決めた数量を超えたもの (hot oil、contraband oil ) を州外に輸送するのを禁止した。 違反者には罰金か禁固刑が課せられる。

"The shipment or transportation in interstate commerce from any State of contraband oil produced in such State is prohibited. "

"Any person knowingly violating any provision of this chapter or any regulation prescribed thereunder shall upon conviction be punished by a fine of not to exceed $2,000 or by imprisonment for not to exceed six months, or by both such fine and imprisonment"

この法律は1937年6月までの時限立法であったが、その後延長され、期限のない法となった。1973年にアラブ湾岸諸国が米国に石油禁輸措置を講じると各州は生産制限を停止したが、多くの州で この制度は残っている。

Owen L. Anderson The Evolution of Oil and Gas Conservation Law and the Rise of Unconventional Hydrocarbon Production

中国の国家統計局が4月17日に発表した2020年第1四半期のGDPは、前年同期に比べてマイナス6.8%となった。

これは四半期ごとのデータが公表されている1992年以降、初めてマイナスとなった。

下記の通り、IMFは中国の2020年のGDP予測を1.2%としている。これは天安門事件の時のGDPをはるかに下回る。

参考 年間GDPの推移  


国家統計局によると、本年第1四半期の国民経済データは下記の通り。(1元は約15.2円)

GDP:20兆6504億元で前年同期比 マイナス6.8%

第一次産業の付加価値は1兆186億元 マイナス3.2%
第二次産業は7兆3638億元 マイナス9.6%
第三次産業は12兆2680億元 マイナス5.2%

雇用:3月の全国都市部の失業率は5.9%

物価:3月に下落

消費:社会消費財小売総額は1Qに前年同期比19.0%減少

貿易:輸出は11.4%減少、輸入は0.7%減少

投資:農業を除く固定資産投資は16.1%減少
    うち、インフラ投資が19.7%減、製造業投資が25.5%減、不動産開発投資が7.7%減

ーーー

習主席は共産党最高指導部のメンバーが集まる会議を開催し、「突然の新型コロナウイルスの発生が中国の経済・社会の発展にかつてない衝撃を与えた」と指摘した。

感染拡大は抑えられているとの認識を示しつつも、「再拡大を防ぐ任務は重く、せっかく得た成果を大切にしなければならない」として、感染の「第2波」への警戒を強めている。

ーーー

国際通貨基金(IMF)は4月17日、「世界経済見通し(World Economic Outlook)」を発表した。

3カ月で世界は劇的に変わったと述べ、2020年は新型コロナの影響から、10年前のリーマン・ショック直後を超えて、およそ100年ぶり、世界大恐慌から後では最大の景気後退になるとしている。

世界全体の2020年のGDPは -3.0%で、中国については1.2%としている。

最新の成長率予測(実質GDP)

2019 予想
2020 2021
世界 2.9 -3.0 5.8
米国 2.3 -5.9 4.7
ユーロ圏 1.2 -7.5 4.7
ドイツ 0.6 -7.0 5.2
英国 1.4 -6.5 4.0
日本 0.7 -5.2 3.0
中国 6.1 1.2 9.2


https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2020/04/14/weo-april-2020


参考 中国の過去のGDP推移

http://japanese.china.org.cn/business/txt/2009-09/30/content_18637114.htm

4月18日開催の日本感染症学会のWeb特別シンポジウムで、藤田医科大学微生物学講座・感染症科の土井洋平教授がアビガン投与の迅速観察研究の結果を報告した。

研究は、日本医療開発研究機構の研究開発課題で、全国約200医療機関が参加し、中等症・重症患者における臨床経過の検討を目的に実施された。
オンラインサーベイ形式で基礎疾患や肺炎の重症度、転帰を収集した。データクリーニングは行っていない。

投与開始14日後に重症患者の6割が改善、軽症や中等症では9割の患者で改善が認められた。


解析対象は346例で、内訳は次の通り。

性別

男性 262 感染症は男性の比率が高い
女性 84 催奇形性の副作用が知られている

年齢 比較的高齢者が中心


合併症

心血管疾患 30%
糖尿病 26%
慢性肺疾患(COPD) 14%
免疫疾患 6%
いずれかの合併症 53%



迅速観察研究の結果は次の通りで、アビガン投与後の転帰を、主治医の主観で「改善」、「不変」、「増悪」にわけて評価した。

対象患者

結果

投与開始

酸素
投与
機械
換気
7日後 14日後
軽症 無し 改善  70% 90%
中等症 有り 無し 改善 66% 85%
重症 有り 改善 41% 61%
増悪 34% 33%

有害事象は解析した188人のうち、32人(17%)に発生した。

高尿酸血症が15人、肝機能値異常が12人 、高ビリルビン血症、急性腎障害、吐き気、皮疹、薬剤熱が各1人。



土井教授は、転帰の判断が医師の主観によるものであるほか、吸入ステロイドのシクレソニドなどとの併用療法も多く、対照群も置かれていないなど、観察研究の限界もあると指摘した。

治験や特定臨床研究が進行中であることを紹介し、さらなる検証が必要との考えを示した。

ーーー

軽症や中等症では9割の患者で改善がみられるのに対し、重症患者は6割で、悪化した患者が3割もいる。

現在、治療に用いられている抗ウイルス剤はノイラミニダーゼ阻害剤(Neuraminidase inhibitors)で、増殖されたウイルスの放出を阻害して感染の拡大を防ぐものだが、
アビガンは、ウイルスの細胞内での遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐRNAポリメラーゼ阻害剤である。

このため、ウイルスの増殖前の早期の投与の場合に効果がある。



トランプ大統領は4月16日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染者が少ない地域から経済活動の再開を3段階で進める新指針(Guidlines for Opening up America Again)を発表した。

トランプ大統領は3月16日、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、若者や健康な国民に対し、10人を超える集まりや、旅行、レストランやバーでの外食を自粛するよう呼び掛けた。病気の時は外出しないなど、国民向けの15日間の行動指針として公表した。3月29日には行動指針を4月30日まで延長する意向を明らかにした。

ニューヨーク州は、3月22日午後8時から、警察や医療従事者などの一部の仕事を除いて、すべての社員や従業員などの出勤を禁じたほか、住民に外出を控え自宅にとどまるよう求めた。

カリフォルニア州では3月19日、州内のすべての住民に対し、食料品を購入したり病院に行ったりするなど必要最低限の場合を除いて、外出を控えるよう知事命令を出した。多くの州が同様の措置をとった。

この結果、経済活動は大幅に滞り、雇用環境が悪化している。

11月の大統領選で再選をめざすトランプ大統領は経済の立て直しを急いでいる。

新指針を基に、各州知事の判断で段階的に緩和を進めていく。一部の州は、今月中にも経済活動を再開できると示唆した。

トランプ大統領は「戦いにおける次のステップは、アメリカを再び開くことだ(Opening up America Again)。アメリカは経済の再開を望んでいる。そしてアメリカ国民も経済の再開を望んでいる」と述べた。

ミシガン、オハイオ、ウィスコンシン、ミネソタ、イリノイ、インディアナ、ケンタッキーの各州知事は連携して経済活動を再開するとの合同声明を出した。「各州の経済は互いに依存しあって成り立っている。勤勉な人々が職場に戻り、事業が立ち直れるよう、私たちは連携して、経済活動を安全に再開しなければならない」としている。

しかし、患者の多いニューヨーク州のクオモ知事は、同州は5月15日まで在宅命令を継続すると述べた。

ーーー

新指針は各地域が経済の再開を判断するための要件を設けた。

(1) 病気の報告と症状の報告件数が14日間、減少傾向
(2) 確認された件数 又は 検査件数のうちの陽性の件数が14日間、減少傾向
(3) 病院で
緊急対応なしに全ての患者の治療ができ、かつ、危険にさらされているヘルスケア要員に抗体検査を含めた十分な強力な検査プログラムがあること

これらの要件を満たせば、まずPhase Oneに進み、さらに、新たにこれらの条件が満たされれば Phase TwoPhase Three進む。

それぞれの段階では、以下のように決められている。

個人 雇用者 特別雇用者
Phase One 老人や重大な疾患を持つ人は避難を続ける。
その家族は
ウイルスを持ち帰らないように。

公共の場所では他人から距離を。

予防措置が無い場合は10人以上が集まるのは避ける。

10人以上のレセプションや展示会のような集会は十分な距離を撮れない場合は避ける。

不要不急の旅行は最低限にし、CDCのガイドラインに従う。

テレワークの推奨

出来れば、段階的に職場復帰

人が集まる共同エリアは閉める。

必須でない旅行は最低限にし、CDCガイドラインに従う。

老人や重大な疾患を持つ人の家族には特別な場所を考える。

学校や保育施設は閉鎖を継続


老人施設や病院への訪問は禁止。
接する人は衛生に関する規則を厳密に守る。

大規模施設(食堂、映画館、スポーツ施設、宗教関係など)は距離を保つことを厳密に守る。

ジムは、厳密に距離を保ち、衛生規則を守る場合にオープンできる。

バーは閉鎖継続。

Phase Two

老人や重大な疾患を持つ人は避難を続ける。
その家族は
ウイルスを持ち帰らないように。


公園、戸外のレクリエーション、ショッピングエリアなどの公共の場所では他人から距離を。

50人以上が集まるのは予防措置が無い場合は避ける。

不要不急の旅行も可能に。

テレワークの推奨継続


人が集まる共同エリアは閉める。


老人や重大な疾患を持つ人の家族には特別な場所を考える。

学校や若者の集団活動(デイケア、キャンプなど)は再開。


老人施設や病院への訪問は禁止。
接する人は衛生に関する規則を厳密に守る。

大規模施設(食堂、映画館、スポーツ施設、宗教関係など)は距離を保つことを厳密に守る。

緊急でない手術も再開可能。

ジムは、厳密に距離を保ち、衛生規則を守る場合にオープンできる。

バーは立ち飲み場所の人数を減らして営業可能。

Phase Three

老人や重大な疾患を持つ人も活動再開可能だが、予防措置が無い場合は距離を離す。


低リスク集団は密集場所での時間を最低限にする。

就業場所での制限を外す。 老人施設や病院への訪問再開。


大規模施設(食堂、映画館、スポーツ施設、宗教関係など)は一定の距離を保ち、再開。

ジムは再開。

バーは立ち飲み場所の人数を増やして営業可能。


各州により事情は異なるが、米国全体では死者はなお増大を続けている。

4月17日に米国の死者は3万4千人を超えた。ニューヨーク州では1万4千人を超え、うちニューヨーク市は1万2千人以上である。

下図の通り、現在も死者数の増加は止まっておらず、米国全体として Phase one に移れるのには、まだまだ時間がかかると思われる。



  

遺伝子検査会社のPrenetics と英保険大手のPrudentialや香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)等のグループはこのたび、香港で非営利の新型コロナウイルスのRT-PCR検査計画(Project Screen) をスタートさせた。

これまでの鼻の粘膜からの採取ではなく、ツバを検査するもので、 自宅で自分で採取し、ピックアップしてもらう。

Prenetics は香港に本拠を置き、アジアではCircleDNA、欧州ではDNAFit のブランドで消費者直結の遺伝子検査事業を行っている。

世界に10カ所の拠点を持ち、これまで30万件以上のDNAテストを実施した。

Prenetics の既存の研究所で現状で1日1000件のRT-PCR検査が出来るが、必要に応じ3000件まで増やす。

Project Screen の仕組みは以下の通り。

インターネットで申し込み、簡単な質問に答えると検査キットが送られてくる。


自宅で試験管にツバを吐いて、送り返す。24時間以内にRT-PCR検査の結果が通知される。

料金は個人が985香港ドル(127米ドル)で、医療関係従事者とその家族はPrudential からの補助金で685香港ドルとなる。

内訳は下記の通りで、non-profit をうたっている。

ーーー

米国でも唾液を使ったウイルス検査が始まった。

ニュージャージー州立のRutgers UniversityがFDAからCOVID-19検査用に初めて緊急使用の認可を受けた。

当面は同大学のNew Jersey のラボでの医療用テスト(prescription-only test)用に限定される。FDAでは家庭での採取を認めるものではないとしている。

関係者は、従来の鼻から粘液を取得する方法と比較し、サンプルを取得する医療関係者への感染リスクを避けられるとしている。

検査は同大学のRWJBarnabas Health network と Middlesex County と組んで、4月15日からEdison, New Jersey のドライブスルー施設で始まった。48時間以内に結果が出る。1日に1万体の検査が可能という。

ヘルスケア・ライフサイエンス系専門メディアのSTATは4月16日、COVID-19の中等度と重度の患者を対象に実施しているRemdesivirの臨床試験の結果を報じた。

University of Chicago Medicine は125名の患者(うち113名が重症)でテストをした。このうち、ほとんどが既に退院した。死亡は2名だけであったという。

対照群にプラセボ群は置いていない。

病院の発表ではなく、臨床試験の結果について大学の他のメンバーとのテレビ会議のビデオのコピーをSTATが入手したもの。

Gilead では、2本の第3相臨床試験を実施中で、4月中にも結果を発表すると見られる。「今の段階で言えることはテストの結果のデータに期待しているということだ」としている。

ーーー

Remdesivir はGilead Sciencesが開発した抗ウイルス薬で、エボラ出血熱及びマールブルグウイルス感染症の治療薬として開発され、MERSおよびSARSウイルスなどのコロナウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことが見出された。同社の研究チームは、MERSコロナウイルスに近いCOVID-19の治療にも使える可能性を指摘している。

Remdesivir はどの国でもまだ承認を受けていない。

米国立衛生研究所(NIH)はCOVID-19の治療薬候補のGilead Sciences 社のRemdesivirの世界規模での治験に着手している。

治験はNIHの1部門である米国立アレルギー・感染症研究所が主導、米ネブラスカ大学と協力して進める。世界50カ所で偽薬とremdesivir を患者に投与し、治療効果を検証する。治験参加数は400人程度を想定している。

中国を視察したWHOのBruce Aylward 事務局長補は2月24日、「現時点で有効と思われる唯一の薬がある。それは remdesivirだ」と述べた。

ーーー

Gileadは、2本の第3相臨床試験を実施中。

うち1本は、COVID-19と診断された中等度の入院患者1600例を対象としたもので、被験者を標準療法に上乗せしてRemdesivirを5日間または10日間静注投与する群と、標準療法を受ける群に割り付け、11日後の重症度を7段階の尺度で評価する非盲検ランダム化比較試験。

同第3相臨床試験には、日本を含めた世界各国・地域、169施設が参加している。

もう1本は、COVID-19と診断された重度の入院患者2400例を対象としたもので、被験者を標準療法に上乗せしてRemdesivirを5日間または10日間静注投与する群に割り付け、14日後の重症度を7段階の尺度で評価する非盲検ランダム化比較試験。同第3相臨床試験には、世界各国・地域、152施設が参加している。

今回報道されたUniversity of Chicago Medicine はこれに参加している。

富士フィルムは4月15日、「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル)の生産体制を拡大し、増産を開始したと発表した。

政府が緊急経済対策の1つとして「アビガン」の備蓄量を200万人分まで拡大することを決定したことに対応する。

「アビガン」の増産を支援し、2020年度中に現在の最大3倍にあたる200万人分(インフルでは600万人分)の備蓄を確保する。中国に集中した部品の生産拠点などを国内に回帰させる企業に費用の最大3分の2を補助する。

富士フィルムは既に、新型インフルエンザ流行に備えた国家備蓄用に200万人分を約68億円で納入しているが、これまで、新型コロナウイルスと新型インフルエンザでの用法用量が異なるかは定かでなかった。

2月26日に日本感染症学会が「COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方」で暫定的な指針として、アビガンの用法・容量を発表した。

当初の新型インフルエンザの場合(成人):

1日目は1回 1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回 600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。
合計 8,000mg

COVID-19の場合:

1日目1,800mg/回×2回、2日目以降800mg/回×2回、最長14日間  
合計最大 24,400mg  新型インフルエンザの場合の3倍

これに基づくと、現在の備蓄は70万人弱分しかないことになり、増産により200万人分まで拡大する。

ーーー

3月上旬時点でのアビガンの生産能力は月4万人分強である。

増産には原料や生産設備の確保が課題となっていた。

現在、原料のマロン酸ジエチルは中国から輸入している。

デンカが、原料から最終製品に至る一貫生産体制のもと、2017年4月まで国内で生産を行ってきたが、海外製品との競合が激しくなり、2017年4月に国内生産を休止した。(設備は残存)
マロン酸ジエチルの原料のモノクロル酢酸は現在もデンカ子会社のデナックが国内で生産している。

政府は国内での一貫した供給体制構築のためデンカに生産再開の要請を行なった。

これを受け、デンカは4月2日、マロン酸ジエチルを新潟県内の工場で5月から生産開始すると発表した。

2020/4/3 デンカ、「アビガン」の原料供給開始

富士フィルムは、グループ会社の富士フイルム和光純薬にて医薬品中間体の生産設備を増強するとともに、原料メーカーや各生産工程における協力会社など国内外の企業との連携によりアビガンの増産を推進する。

カネカも4月16日、原薬を供給することで合意したと発表した。
設備投資、人員配置転換や生産計画調整により製造体制を至急整え、7月より供給を開始する。

付記

チッソ子会社JNCは427アビガン®の中間体について、水俣製造所内のプラントで製造し、供給を開始すると発表した。

付記

広栄化学は4月30日、原料のピリジンの供給を発表した。なお、同社はレムデシビルの原料としてピロールを供給している。

本年7月にはこれまでの2.5倍の約10万人分/月、同9月には約30万人分/月(同約7倍)の生産を実現する。

今後は和光純薬の子会社の富士フイルムワコーケミカルが約10億円を投じて、原薬の生産能力を引き上げる。10月以降の稼働を目指し、さらに約10万人分のアビガンを増産する。(合計40万人分/月)

順調に進めば、年内にも日本政府の備蓄要請(+130万人分)に対応できることとなる。同社では増産を進め、海外からの提供要請にも対応する。

テルモは4月13日、同社の遠心型血液成分分離装置「スペクトラオプティア」(Spectra Optia® Apheresis System)が、スイスのMarker Therapeutics AGの「D2000吸着カートリッジ」との組み合わせで、米国FDAから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者を対象とする緊急使用の許諾(EUA: Emergency Use Authorization)を受けたと発表した。

COVID-19に対する緊急使用許諾は、検査キット、診断機器、防護服(PPE)などには出されているが、治療機器としては初めてで、 COVID-19を原因とする呼吸不全で集中治療室(ICU)に入院している18歳以上の患者に使用することと、公衆衛生の緊急事態である期間のみの使用が条件となっている。

「スペクトラオプティア」は、テルモの米国子会社のTerumoBCTの製品で、血液を採取し遠心方式で血液成分を分離する装置。
血中から病気の原因となる液性因子(抗体、炎症性サイトカイン、有害代謝物質、中毒物質など)や細胞(リンパ球、顆粒球、ウイルスなど)を除去し、病態の改善を図る
アフェレシス治療などで使用されてい る。

TerumoBCTは、2011年4月のテルモによるCaridianBCT 買収に伴い、CaridianBCTとテルモの血液事業部門の統合により設立された。

Marker Therapeuticsはスイスの医薬品メーカーで、臨床段階のがん免疫治療を手掛ける。血液がんおよび固形腫瘍の治療に特化した次世代のT細胞ベース免疫治療の開発に注力している。
サイトカインストームや重度の炎症反応症候群などの治療のために、炎症性サイトカイン、代謝廃棄物などを血漿から除去するための、特許取得済みの血漿カートリッジを扱う。

インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症では、ウイルスを排除するために分泌されたサイトカインが、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応を起こし、重篤な呼吸障害につながることが知られている。

サイトカイン(cytokine)は主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質で、生体内の様々な炎症症状を引き起こすもの(TNF-αやIL-6等)を炎症性サイトカインと呼び、炎症症状を抑制する働きを有するもの(L-10やTGF-β等)を抗炎症性サイトカインと呼ぶ。

サイトカインストーム(cytokine storm)は、感染症や薬剤投与などの原因によって血中サイトカイン(TNF-αやIL-6等)の異常上昇が起こり,その作用が全身に及ぶ結果,好中球の活性化,血液凝固機構活性化,血管拡張などを介して,ショック・播種性血管内凝固症候群(DIC)・多臓器不全にまで進行する状態をいう。

患者の血液を「スペクトラオプティア」のディスポーザブル回路に通すことで、血球と血漿に分離する。
この回路に接続した「D2000吸着カートリッジ」が、血漿中に存在するサイトカインを減らし、血液はまた患者の体内に戻る。

サイトカインの減少により、サイトカインストームが抑制され、呼吸障害の改善が期待される。


韓国のバイオ医薬品大手のSamsung Biologicsは4月10日、 感染症治療薬を開発する米国のベンチャー企業 Vir Biotechnology から新型コロナウイルスの治療薬のモノクローナル抗体を受託生産する契約を結んだ。契約金額は4418億ウォン(約400億円)。

Vir Biotechnology は2016年の創設で、B型肝炎(HBV)、結核及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)等の慢性感染疾患、インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)及びメタニューモウイルス(MPV)等の呼吸器疾患、並びに院内感染疾患の3つの分野に注力する。

siRNAはmRNAの破壊によって配列特異的に遺伝子の発現を抑制

ライフサイエンス投資家のArch Venture Partnersが26.20%、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが20.6%%出資し、他にシンガポールのTemasek HoldingsやBill & Melinda Gates Foundation なども出資する。

Vir Biotechnologyは、新型コロナウイルスと似ているSARS(重症急性呼吸器症候群)の完治患者から抗体(SARS-CoV-2mAB)を確保して治療剤を開発しており、 候補のモノクローナル抗体 VIR-7831 とVIR-7832は非常に有望とされる。

これらは米食品医薬品局(FDA)から新型コロナウイルス治療候補物質のファーストトラック(臨床簡素化)の承認を受けており、
3~5カ月内にPhase 2 の臨床実験を実施し、2021年の量産を目指す。

このため、本年2月に中国のWuXi Biologics と、COVID-19のモノクローナル抗体の臨床実験のための開発と製造についての協力契約を締結した。

医薬品としての承認を受けた場合、WuXi Biologicsは中国での、Virは世界の他の地域での商業化の権利を持つ。

Vir Biotechnologyはまた3月12日にBiogenとの間で上記と同様の臨床 実験のための開発と製造についての覚書を結んだ。

今回のSamsung Biologicsとの契約は、 承認取得後の本格生産に関するものである。

Samsung Biologics は早ければ2021年から仁川延寿区松島の第3工場で本格的に 受託生産を行う予定。

ーーー

大手製薬会社のGlaxoSmithKline は4月6日、Vir Biotechnologyに2億5,000万ドルを出資し、新型コロナウイルスによって引き起こされる肺炎を治療・予防する複数の医薬品とワクチンを共同開発すると発表した。

今回の提携により両社は複数のアプローチで医薬品を開発する。

最も先進的なのは、Virが開発した上記のVIR-7831およびVIR-7832という2種類の抗体を使用するアプローチで、両社は今後3~5カ月以内に第2相臨床試験を開始する。

両社は今後、新型コロナウイルスが細胞に感染する際に使用するタンパク質を特定するため、Vir BiotechnologyのCRISPRスクリーニング技術を活用する。タンパク質を特定することにより、それを標的とする医薬品を開発し、ウイルス感染を防ぐことができる。

他にも、GlaxoSmithKlineのワクチン技術とウイルス全般に反応する抗体を生成する可能性が最も高いウイルスタンパク質を特定するVir Biotechnologyの専門知識を組み合わせることを計画している。

両社は、将来的に出現する可能性のある他のコロナウイルスから患者を保護するワクチンを開発したいとしている。

メキシコの原油事情

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OPECプラスは4月12日、4月9日に続いてふたたび緊急テレビ会議を開き、アジアの原油市場が開く直前に日量970万バレルの減産で最終合意した。

協調減産への参加に難色を示していたメキシコに配慮し、メキシコの減産を当初の割当の40万バレルから同国主張の10万バレルに落とした。

OPECプラスは4月9日、5月と6月に日量1000万バレルを協調して減産することを決めた。
7~12月は800万バレル、2021/1~2022/4月は600万バレルにする。

1000万バレルのうち、サウジとロシアが250万バレルずつ引き受け、生産量をそれぞれ日量 850万バレルに落とす。他のメンバーは23%カットする。

しかし、この計画は、非OPECのメキシコが削減参加を拒否し、破綻した。
メキシコの2019年の生産は168万バレルで、23%の40万バレルの減産を求められたが、メキシコは拒否し、日量10万バレル減産を提案した。

世界の産油国全体が原油余剰による価格暴落で苦しむなか、メキシコは割当の40万バレル減産に対し、10万バレルの減産を主張、全体で1000万バレルのうちのたった30万バレルの問題で減産合意が3日延びた。
その間、実現はしなかったが、トランプ大統領がメキシコに肩代わり減産を提案することまであった。

2020/4/13 OPECプラス協調減産、日量970万バレルで最終合意

世界中を困惑させた末に、メキシコは主張を通した。

メキシコのわがままとの感がある。

しかし、メキシコにとっては、同国がこれまで多額の資金をかけてやってきた努力をいかすだけで、努力をせずに減産で逃げる他国の方がおかしいということになる。
備えを怠った他の産油国と同様に強いられるのは不当とした。

ーーー

メキシコは過去20年にわたり、原油価格下落に備え、アジアン・オプションをかけており、権利行使価格と満期日までの期間の平均価格との差の支払いを受ける。

通常のオプションは満期日の資産のスポット価格の価格との差だが、アジアン・オプションはその期間の資産価格の平均値との差となる。

このため、原油価格が暴落しても、原油輸出損益は変わらず、減産して価格を引き上げる必要はない。

2008-09年のグローバルな財政危機の際に原油価格が暴落した際には51億ドルを受取り、サウジが値下げした2015年には64億ドル、2016年には27億ドルを受け取っている。

逆に減産すれば、その分だけ、高い価格での原油販売収益が失われることとなる。

そのためにはコストもかかり、最近ではアジアン・オプションの購入に年間10億ドルを支払っている。

メキシコの財務大臣は、「保険は高くつく。しかし、保険はこんな時のためにかけている。原油価格が下がっても、国家予算は打撃を受けない」と述べている。

実際の付保については国家機密として明らかにされていないが、11月までの1年で輸出量のほぼ全量について1バレル49ドル(輸出バスケット)で付保しているとされる。

4月6日のメキシコの輸出バスケット価格は18.66ドルまで下がっているが、損害は受けない。


また、メキシコは2004年には日量383万バレルの生産を行ったが、順次減少し、2018年には207万バレルとなっている。ここからの更に40万バレルの減産は非常に苦しい。




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韓国の中央防疫対策本部は4月12日、新型コロナウイルスによる感染症が完治し、隔離が解除された後、再び陽性判定を受けた人が計111人になったと 発表した。

付記

4月15日に133人となった。20代が30人で最も多く、50代(25人)、30代(20人)、40代(16人)、60代(15人)、80歳以上(13人)などの順

韓国の感染者は24時間の間隔で2回のRT-PCR検査で陰性が出てから隔離解除となる。

クラスター感染が発生したテグ(大邱)市などで再陽性の報告が多かった。

再陽性の原因がウイルスの「再活性化」なのか、或いは「再感染」なのか不明で、現在調べている。

WHOもこれに注目しており、ロイターの取材に対し、「PCR検査で陰性となった数日後、再び陽性となった患者に関する報告があったことを認識している。医療専門家と緊密に連絡を取り合い、個々の症例について 、より多くの情報を得るために努力している。感染の疑いのある患者の検査でサンプルを採取する際には、適切な手順を踏むことが重要だ」と述べた。

再陽性の確認が続ていることを受け、韓国当局は感染者の「自主隔離」解除後の管理を強化する方針である。そのためにはウイルスの排出期間が最も長い大便を通じて「大便検査」の完治検査を義務化すべきとの意見もある。

体内に微量のウイルスが残る場合、何らかの原因により再活性化があり得る。

韓国以外でも再陽性となる事例が発生している。

日本の厚労省も3月10日までに、再陽性化の事例の発生を受け、退院後4週間は検温を毎日行うなどして健康管理を続けるよう求める文書をまとめている。

査読を受けていない上海の研究で、COVID-19から回復した患者175人の血液サンプルの例がある。

約1/3で低レベルの抗体があったが、抗体が全くできていない患者もいた。老人の方が若者よりも抗体のレベルが高い。

抗体ができていないことは免疫が効かないことを意味するとの懸念がでている。

WHOは4月13日、新型コロナウイルスの感染者で回復後に再び陽性になる患者が出ていることについて、回復者に免疫がついているかは不明だとの見解を示した。
免疫を持つ人が限られれば、外出制限などの解除が遅れる可能性もある。

WHOの感染症専門家、マリア・ファンケルクホーフェ氏は記者会見で、上記の中国上海市の研究から、「(回復後に)検出できるほどの抗体反応を示さなかった人もいれば、非常に高い反応を示した人もいたことが分かった」と説明した。「回復した患者からのさらなる情報が必要だ」として、データ収集と分析を急ぐ方針を示した。今のところ免疫の全体像もつかめていないといい、「抗体がどう作用するか深く理解する必要がある」とも話した。

WHOは、各国が急いで規制を緩めれば、感染が再拡大するリスクが大きいと警告する。

テドロス事務局長は「新型コロナの感染は非常に速い一方、減速のスピードはかなり遅い。規制はゆっくりと解除されなければならない」と強調した。新型コロナの致死率については、2009年に流行した新型インフルエンザより「10倍高い」と警告した。

ーーー

一般的な感染症では感染して体内に抗体ができれば2度目はかかりにくい。

もし、COVID-19の場合に免疫が効きにくいということであれば、現在のやり方を考え直す必要がある。

免疫を前提とした動き:

トランプ米大統領は4月10日、新型コロナウイルスへの免疫をもっているかを調べる抗体の検査を迅速に承認するつもりだと述べた。

抗体検査で免疫があると確認できた人から外出制限を外すなど、経済活動の早期再開をめざす考えをにじませた。


英国とオランダは当初、新型ウイルスは感染しても多くの場合、軽症であるとの理由で、人口の6割程度の人が感染し、免疫保持者となることで感染を収束させる集団免疫理論にもとづ き、対策を発表した。

ジョンソン首相は、 「英国は封じ込めではなく、ピークを遅らせ、ピークを50%に抑えることでリスクを最小化する。よって、当面、学校は閉鎖しない、イベント禁止は効果が小さいので行わない、渡航制限も追随しない 。新型ウイルスは感染しても多くの場合、軽症である。ゆえに高齢者や持病を持つ人など重症化しやすい弱者対策に集中する」との医療方針を示した。

英政府は当初、「症状が重い人のみ病院で検査」という方針を取っており、検査対象者を制限した。3月12日の段階で、集会自粛などの要請を見送った。

オランダのルッテ首相は「これからしばらくの間で、大半のオランダ人がこのウイルスに感染する。感染した人はその後ほとんど免疫を持ち、集団免疫が大きいほど、リスクの高い高齢者や健康状態のよくない弱者にウイルスが広がる確率が減る」と説明した。

その後、批判が高まり、英政府は3月16日以降、学校の一斉休校や罰則付きの外出制限など対策を強化し、集団免疫という言葉も封印した。ルッテ首相も、「集団免疫は目的ではなく、今の対策の結果、付いてくるもの」と釈明し、3人以上の集会の原則禁止など、規制強化に乗り出した。


武田薬品工業は買収したシャイアーのノウハウを活用し、新型コロナに対する治療薬を開発している。

新型コロナに感染して回復した人の血液の中にある血漿成分から、抗体を含む免疫グロブリンを抽出して精製するもので、抗体をほかの患者に投与することで、患者の免疫が活性化され、病状を軽減することが期待できる。


OPECプラスは4月12日、4月9日に続いてふたたび緊急テレビ会議を開き、アジアの原油市場が開く直前に日量970万バレルの減産で最終合意した。

協調減産への参加に難色を示していたメキシコに配慮し、メキシコの減産を当初の割当の40万バレルから同国主張の10万バレルに落とした。

サウジとロシアは各250万バレル減産する。
これらは2018年10月の生産量をベースとする減産量で、
サウジは現在、過去最高の日量1230万バレルを生産しているとみられ、実際の減少幅はもっと大きくなる。

付記 7~12月は770万バレル、2021/1~2022/4月は580万バレルにする。
   各国は2018年10月の生産量をベースとするが、サウジとロシアは1100万バレルを基準とし、
   250万バレル減らし、850万バレルとする。

付記 サウジのエネルギー省は5月11日、Saudi Aramcoに日量100万バレルを6月から追加減産するよう指示した。
   6月の生産量目標を日量750万バレル弱とする。

ペルシャ湾岸のOPEC加盟国は合意よりも大幅な減産を行う見通しとされる。

OPECプラスはこの合意をテコに米国などOPECプラス以外の主要産油国に価格下支えで協力を求める。

トランプ米大統領はツイッターで、「米エネルギー業界の数十万の雇用が守られる」と投稿し、ロシアのプーチン大統領とサウジアラビアのサルマン国王に謝意を示した。

The big Oil Deal with OPEC Plus is done.
This will save hundreds of thousands of energy jobs in the United States.
I would like to thank and congratulate President Putin of Russia and King Salman of Saudi Arabia.
I just spoke to them from the Oval Office.
Great deal for all!


付記 IEA事務局長は4月17日、日経に対し、供給調整が日量1500万バレルになるとの見通しを示した。

OPECプラスが970万バレル、米・加・ブラジル・ノルウェー4か国が360万バレル減産、中・印・米・韓が市場の余剰原油買入 200万バレル。
なお、4月の原油需要が前年比2900万バレル減と予想。

ーーー

OPECプラスは4月9日、5月と6月に日量1000万バレルを協調して減産することを決めた。7~12月は800万バレル、2021/1~2022/4月は600万バレルにする。

1000万バレルのうち、サウジとロシアが250万バレルずつ引き受け、生産量をそれぞれ日量 850万バレルに落とす。他のメンバーは23%カットする。

しかし、この計画は、非OPECのメキシコが削減参加を拒否し、破綻した。
メキシコの2019年の生産は168万バレルで、23%の40万バレルの減産を求められたが、メキシコは日量10万バレル減産を提案した。

その後、トランプ米大統領がメキシコの減産のうち、日量25万バレルの減産を肩代わりすることでメキシコと合意した。 (合計35万バレルの減産で5万バレル不足)

しかし大統領は、米国はこれは「すでに実施済みだ」としており(需要減、価格ダウンによる自主減産の一部で、ロシアなどは「減産」とは認めていない)、かつ、メキシコに後日補償を求めるとした。(内容不明)

最終的にこれは採用されなかった。


OPECプラスは、米国やカナダ、ノルウェーなど枠組みに参加していない産油国については、4月10日に開かれる主要20カ国・地域(G20)エネルギー相会合で減産への協力を取り付けることを目指した。
日量500万バレル削減を求め、全体で1500万バレルの減産を目指した。

日量 1000万バレルの減産は世界の供給の約10%に相当し、過去最大の減産であるが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の落ち込みによる需要の減少は日量2000万バレルを超えるとみられており、需要の喪失分にははるかに及ばない。

また、米国は現在、ロシア、サウジと肩を並べる日量1000~1100万バレルの生産をしており、米国だけ減産しないのは筋が通らない。これまでもOPECプラスが減産すると米国のシェールオイルが増産し、サウジやロシアが不満を表明していた。

しかし、4月10日のG20エネルギー相会合の声明では「世界経済の回復とエネルギー市場の安定を確保するため、協調した対応策を作るよう協力する」と したが、OPECプラス以外の諸国の減産目標は明記できなかった。

カナダとノルウェーはこれまでに減産に前向きな姿勢を示していた。

しかし、 ブルイエット米エネルギー長官は会議で米国の生産量は2020年末までに日量200万バレル減るとの見通しを説明。OPECプラスには減産を求める一方で、「自由で開かれた原油市場」を重視する考えを強調し、生産量を連邦政府が決めるのは適切ではないとの建前論にとどまった。

トランプ大統領は4月6日に、米国の産油量はすでに減少しているとの見方を示した。
米エネルギー省は、米国の産油量は政府が行動しなくてもすでに減少して おり、さらに原油安を受け操業を縮小せざるを得ないため、米国の産油量は一時的に日量200万バレル程度減少するとの見方を示した。

しかし、ロシアの大統領報道官は原油需要減少や原油安を背景にした米国の減産を、市場安定に向けた協調減産は全く異なる削減だと述べ、減産の枠組みへの参加と応分の負担を求めた。

米国は代わり国家戦略備蓄施設の活用を提案した。

備蓄施設を民間企業に貸し出し、行き場を失った原油を貯蔵し市場の流通量を削減するという もの。
ただ米国の備蓄枠は7億1350万バレルでそのうちの約9割がすでに埋まっており、供給過剰の解消には効果が薄い。

国際エネルギー機関は4月13日にメンバー国による備蓄積み増しを発表するという。

なお、米国で原油生産量が最も多い南部テキサス州では当局が州内の生産量を制限する案が浮上しているという。

今後、このOPECプラスの決定が効果を生むかどうかは、米国の動きによると思われる。

BCGとCOVID-19(補足)

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さきに 2019/4/7「BCGはCOVID-19に効くか?」を書いた。

まとめ:

①広範なBCG接種をしている国は死亡率が低い。現在やっていない国は総じて死亡率が高い。

②ワクチンのうち、ソ連株、日本株を使う国は死亡率が低い。死亡率が高い国はDenmark株が多い。

③これが偶然の一致ではなく、BCGについては実際に効果がある可能性もある。

ワクチンの有効性についての臨床テストが開始された。

ーーー

国別のBCG接種状況を示す図を見付けた。2011/3 時点のもの。



全員実施をしたことがない国は米国・カナダとイタリア、オランダ、ベルギー。

アイルランドは1937年に早くも導入したが、EU各国が中止ししたためか、2015年にワクチンがなくなり、それ以降生まれた子は接種されていない。
国家予防接種助言委員会等により「アイルランドではすべてのこどもの定期予防接種とする必要はない」との勧告が出されている。

イランも上図では「現在も実施」になっているが、現在は実施していない。


前回、宮坂教授の資料を本ブログが組み換えたものを表示したが、今回、最新の死亡数を折り込み、組み換えた。
  国別死亡数の推移資料 https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html

隣接する国を対比させたが、BCG注射により差があることが分かる。
アイルランドと英国の北アイルランドの間には国境検問はなく、自由に行き来しているが、アイルランドの死亡率は北アイルランドの半分以下である。
なお、ドイツとフランスはともに現在は接種していないが、差が大きい。理由は、ドイツの医療体制(早期対応を含む)とされる。

豪州は現在は接種をしていないが死亡率は低い。地理的に隔離されていること、このため準備期間が長いこと、及び医療体制によるとされる。

現在もBCG注射を実施している国々は、時間が経っても死亡率はほとんど増えない。

100万人当たり
死亡
BCG注射実施 BCG亜株
元資料 4/11 現在も 過去に 実施せず
米国 27.2 56.7 X TICE BCG 実施なし
・・ イタリア 253.9 311.8 X Denmark BCG 実施なし
フランス 120.6 202.2 Denmark
ドイツ 17.5 30.4 Denmark 医療体制?
オランダ 146.5 X BCG 実施なし
ベルギー 260.5 X
スペイン 259.7 338.9 Denmark
ポルトガル 25.1 42.7 Denmark
英国 69.6 132.0 Denmark 1952年導入、2005年終了
アイルランド 58.1 Denmark 1937年に導入、現在中断
スウェーデン 40.1 86.1 Denmark
ノルウェー 12.9 17.0 Denmark ごく最近中止
イラン 46.7 50.4 Pasteur1173P2(後期型)
イラク 1.8 1.7 Japan
豪州 1.4 2.1 Connaught 地理的に隔離、医療体制?
トルコ 6.9 11.9 ソ連/Bulgaria
韓国 3.7 4.1 1種以上
中国 2.5 2.3 ソ連/Bulgaria
日本 0.6 0.7 Japan
台湾 0.2 0.2 Japan?


なお、米国は過去にBCG接種をしたことがないのに、欧州諸国と比べ死亡率は低いが、これは時期の問題と思われる。
欧州で蔓延して暫くしてから流入して広がった。欧州では収まりかけているように見えるが、米国(カナダも)は現在もなお増え続けている。

4/11で米国の死者は2万人を超え、イタリアを上回り最多となった。うち、New York州の累計の死者は8600人を超えた。
世界の感染者は177万人で、うち米国が51万人となっている。


主な感染経路は、中国→イタリア(欧州)→米国、中国→日本とみられるが、相関関係は下記の通り。
日本の死者発生は米国と同時期だが、増加率は極めて低い。

上記の国別死亡数の推移資料から作成

石油輸出国機構(OPEC)と、ロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は4月9日に開いた9時間にわたる緊急のテレビ会議で、5月から日量1000万バレルを協調して減産することを決めたと報じられた。

減産合意内容は下記の通り。

2020/5~6 1000万bpd
2020/7~12 800万bpd
2021/1~2022/4 600万bpd


5~6月についてはOPECを主導するサウジアラビアと非加盟産油国の代表格であるロシアが250万バレルずつ引き受け、生産量をそれぞれ日量 850万バレルに落とす。
他のメンバーは23%カットするというもの。

日量 1000万バレルの減産は世界の供給の約10%に相当する。2020年3月末までの減産取り決めでは、サウジの自主減産40万バレルを入れて OPECプラス合計で210万バレル(サウジが89万バレル、ロシアが30万バレル)で、それに比べると非常に多く、過去最大の減産である。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の落ち込みによる需要の減少は日量2000万バレルを超えるとみられており、需要の喪失分にははるかに及ばない。

OPECプラスは、米国やカナダ、ノルウェーなど枠組みに参加していない産油国については、4月10日に開かれる主要20カ国・地域(G20)エネルギー相会合で減産への協力を取り付けることを目指すと見られた。日量500万バレル削減を求めるとされた。

ノルウェーやカナダは減産に前向きとされるが、米国は需要減によって自然に生産減になるとして協調減産には消極的な立場のままである。

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しかし、この計画は、非OPECのメキシコが削減参加を拒否し、取り決めを認めないまま退席し、破綻した。
メキシコのエネルギー相は、同国が今後2カ月間の日量10万バレル減産を提案したとの声明を公表した。メキシコの2019年の生産は168万bpdで、23%の40万バレルの減産を求められていた。

OPECプラスはメキシコ抜きでの減産は行わない。また4月10日のOPECプラスの会合は予定していない。

付記

トランプ米大統領は4月10日、原油生産削減に向けてメキシコを支援することで合意したと明らかにした。メキシコ大統領は、米国が肩代わりする減産規模が日量25万バレルになると明かした。

トランプ大統領は、この25万バレルの肩代わり減産は「すでに実施済みだ」とし、この減産は他の産油国の合意次第で、メキシコは後日、米国に補償を行うとも述べた。

(ロシアは現在の米国の需要減による減産は協調減産とは認めていない。)

4月10日の緊急のG20エネルギー相テレビ会議は開催される。
G20議長国であるサウジアラビアが主催し、 新型コロナウイルスの感染拡大と経済封鎖によってエネルギー消費国の需要が急減していることへの対応を話し合う。

OPECプラス以外の各国が減産に合意すれば、進展する可能性はあるが、米国が減産に参加する可能性はほとんどない。

付記

G20エネルギー相は4月10日、テレビ会議形式で原油市場の安定に関する会合を行い、声明を発表した。声明は「エネルギー市場の安定確保のために必要かつ緊急の手段」を取ると述べるにとどまった。国別の削減量で産油国間の隔たりが埋まらなかった。

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これまでの経緯:

既報の通り、トランプ大統領が原油価格引き上げに動いた。

2020/4/4 トランプ大統領、原油価格引き上げに動く

サウジアラビア政府は4月2日、ムハンマド皇太子がトランプ大統領と電話会談し世界のエネルギー市場などの問題について協議したと明らかにした。そのうえで、新たな合意を結ぶため、OPECとロシアなどの産油国に対して、緊急会合の開催を呼びかけて減産について協議する考えを示した。

ロシアもプーチン大統領 が会合に賛同し、「世界全体で1日1千万バレル程度」という減産のメドまで示した。

OPECとロシアなどのOPECプラスは4月6日に電話会議を開き、協調減産を探る予定であった。しかし、これが 4月9日に延期となった。

ロシアが、油価低迷はサウジが米国のシェールオイルに対抗しようとして協調減産の合意から離脱し増産に転じたことが原因だと批判、
これに対し、サウジ側が「先に合意しなかったのはロシアだ」などと反発、会合を成功させるには調整が必要と判断した。

トランプ大統領は4月4日に、「多数のエネルギー産業の労働者を守るために輸入原油に関税を課す必要があれば私は必要なことは何でもする」と語り、4月5日に、サウジアラビアとロシアが原油の協調減産再開で合意できない場合、両国から輸入する原油に対して「大規模な関税」を上乗せすると明言した。

米エネルギー情報局によると、米国の原油輸入量は1月に日量640万バレルで、国内生産量の5割にあたる。

米国が関税で輸入を減らせば原油の余剰感が一段と高まりサウジやロシアに打撃になる可能性があるが、米国の消費者から反発が出るリスクもある。

OPECプラスは4月9日に会議を開くが、米国など他の産油国の協力が得られない限り、大幅減産には合意しない構えである。OPEC関係筋は、減産の規模は米国やカナダ、ブラジルなどの意向次第と強調、さらに、協調減産体制 崩壊後、一部加盟国が生産を拡大させており、減産のベースとなる水準も決める必要があると指摘した。

トランプ大統領は4月6日に、OPECから米石油会社に減産を要請するよう求められてはいないと述べた上で、米国の産油量はすでに減少しているとの見方を示した。
米エネルギー省は、米国の産油量は政府が行動しなくてもすでに減少して おり、さらに原油安を受け操業を縮小せざるを得ないため、米国の産油量は一時的に日量200万バレル程度減少するとの見方を示した。

しかし、ロシアの大統領報道官は原油需要減少や原油安を背景にした米国の減産を、市場安定に向けた協調減産は全く異なる削減だと述べ、減産の枠組みへの参加と応分の負担を求めた。

米国はこれまでのところ、減産合意に加わる方針は示していない。米企業は他社との生産調整が反トラスト法で禁止されている。 但し、専門家によると、州当局や連邦政府が生産水準を低く設定すれば減産は合法となる。

米連邦準備理事会(FRB)は4月9日、新型コロナに対処する2兆3000億ドルの緊急資金供給策を決めた。

トランプ米政権と与野党の議会指導部は3月25日未明、新型コロナウイルス対策として2兆ドル規模の景気刺激策で最終合意し、上院は3月25日夜11時、下院は3月27日、法案(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act :CARES Act)を可決、トランプ大統領が直ちに署名し、法案は成立した。

2020/3/26 米与野党、2兆ドルを超える緊急景気浮揚予算案 で合意

Larry Kudlow 国家経済会議(NEC)委員長は、政府からの資金拠出を通じたFRBによる企業などへの資金供給が4兆ドルになると説明。経済対策効果は財政支出分を含め「総額で6兆ドル」と述べた。

今回のFRBの資金供給はその一環である。

内訳は以下の通り。

1) 従業員1万人以下、売上高25億ドル以下の中小企業に、民間銀行を通じて6000億ドルを融資する制度(Main Street Lending Program)の新設。

 民間銀行が融資するが、95%分はFRBが設立する特別目的事業体(Main Street facility)が買い取る。事実上、民間企業に直接資金供給する緊急措置。

 財務省はCARES Actに基づき、750億ドルをMain Street facilityに拠出する。

 融資を受ける企業は、従業員の維持、給与の支払い継続の努力が求められる。

2) 中小企業庁のPaycheck Protection Program (PPP) 強化

 中小企業が従業員に給与を支払うのを支援するためのPaycheck Protection Programについて、Paycheck Protection Program Liquidity Facilityが融資全額を担保に与信を行う。

3) 社債購入

 FRBは3月23日、金融市場の機能維持の第二弾の対策の導入を決めた。

 これに基づき、3つの特別目的会社(PMCCF、SMCCF、TALF)が8500億ドルの社債を購入する。財務省は850億ドルの与信を行う。

格付けの高い企業向けだが、対象は償還期間が最大5年の社債。FRBは一定のリスクを負うことになる。これまでは償還期間の短いコマーシャルペーパーの買い取りにとどまっていた。

4) 州や地方自治体支援のため、Municipal Liquidity Facility を設立し、最大5000億ドルの融資を行う。

 財務省はこれに350億ドルの与信を行う。

3Mは4月6日、トランプ政権と共同で下記の発表を行った。

新型コロナウイルス対策で不足する医療用マスクを米国に3か月で166.5百万枚輸入する。

政権との協働により、現在COVID-19の蔓延で戦っている諸国で人道的問題を起こさない。(これまで3Mが米国から輸出していたカナダとラテンアメリカへの輸出を続けることで政権と合意したことを意味する。発表の中でその旨、明記している。)

また、便乗値上げや偽物防止に努める。

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トランプ政権は4月2日、医療用のN95高機能医療用マスクを製造する米大手3Mに対し、カナダとラテンアメリカ各国にマスクを輸出しないよう求めた。

トランプ米大統領は4月3日、「国防生産法」に基づき、新型コロナウイルスへの対応に必要なN95マスクなど個人用保護具の輸出を禁止する命令書に署名した。

これに対し、カナダのトルドー首相は記者団に「間違った判断だ」と強い抗議の意思を示した。米国がマスクの輸出制限に動けば、カナダは報復措置に出るかとの質問に対し、フリーランド副首相は「カナダの国益を守るために全ての行動を取る」と応じた。

3Mは4月3日の発表で、輸出禁止は人道的に問題あるとともに、他国からの輸入を禁止されかねず、逆効果だとした。

トランプ大統領はツイッターを通じて「3Mが輸出禁止命令に従わない場合、その代価を支払うことになるだろう」と警告した。

2020/4/6 トランプ大統領、医療用マスク輸出禁止令に署名   

本件については、3Mの主張が正しく、トランプ政権のやり方は問題である。

この問題が表に出て以来、米国が各地でマスクを買いあさり、中国に市場価格を大幅に上回る値段を払っており、既に契約を結んだ欧州の国から契約を奪い取ることもあるという話がひろがった。 マスク市場は「ワイルド・ウエスト」と化していると言われている。

カナダなどへの輸出禁止を強行すれば、他国からの米国への資材や製品の輸出禁止も引き起こしかねない。

このため、3Mと政権が問題の収拾を図ったとみられる。

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3Mの会長は、大統領と政権のリーダーシップに感謝すると述べ、必要な医療用マスクを全米に供給するとともに、危機を悪用しようとするものに対処するという目標を政権と共有すると述べた。

今回の輸入は米国で3Mが生産する月間35百万枚のN95マスクを補完するもので、現在、米国で増設中であると述べた。

輸入は主に中国の生産工場から輸入する。政権は輸入手続きを省略する。

3Mは1月にN95の生産体制を倍増し、グローバルで年間11億枚生産するようにした。このうち、米国での生産は月間35百万枚(年4.2億枚)である。

既に更なる増設を行っており、12カ月以内にグローバル能力を20億枚に増やす。このうち、米国では6月に能力を月間50百万枚に増やす。

このところ、トランプ大統領が新型コロナウイルスをめぐり、繰り返し、「マラリアなどの治療に使われる薬が有効だと思う」と主張している。

抗マラリア剤のヒドロキシクロロキン で、免疫に関わる病気の全身性・皮膚エリテマトーデス治療薬としても使われている。

有効性は確認されておらず、副作用も指摘されているため、専門家はいさめ続けているが、大統領は意に介 さず、「とても強力な薬だ」「これはゲームチェンジャーだ」と繰り返す。

クロロキン1934年にドイツのBayerが合成した 。マラリアの治療に有効であるが、毒性が強いため、開発は中止された 。
第二次大戦中に米軍が入手し、マラリアの特効薬と 認めた。

WHO最近、従来常用されてきたクロロキンが抵抗性のため、ほとんどの国でその効果を失ってしまったと指摘している。

日本では、2015年7月にサノフィのプラケニル®が「全身性エリテマトーデス,皮膚エリテマトーデス」の適応症で承認を取得し,同年9月から販売されている 。

付記

米食品医薬品局(FDA)は4月24日、抗マラリア薬の「ヒドロキシクロロキン」と「クロロキン」について、心臓に深刻な副作用を引き起こすリスクがあると警告した。医者の監督下で慎重に使うよう呼びかけた。

FDAは新型コロナの治療薬として承認していないが、医療現場では既に一定条件の下で使われている。FDAは「深刻で生命を脅かす可能性がある心臓への副作用が報告されている」と指摘し、副作用のリスクを抑えるため入念な事前検討や経過観察を医療関係者に求めた。

付記

トランプ大統領は5月18日、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンについて、自分は予防薬として飲んでいると発言した。COVID-19への効果はまだ未確認で、医薬品当局は心臓への悪影響など副作用があり得ると警告している。

付記

WHOは5月25日、ヒドロキシクロロキンの臨床試験を一時中断すると発表した。
英医学誌 Lancet が患者の死亡リスクを増大させると報告したため。


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最近、CVD-19に対する効果が相次いで報告されている。

2020年2月4日付Cell Researchに、中国科学院武漢ウイルス研究所などの研究グループが効果があることを発表した。

3月10日に日本感染症学会のホームページ上で、 九州地方にある医療機関の医師らが報告した。
他の治療が効かない2名の患者に投与したところ、症状が改善した。
  http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200312_5.pdf

3月20日にフランスの研究チームが International Journal of Antimicrobial Agents 誌に、新型コロナウイルス肺炎の治療および患者のウイルス保有期間減少に効果をもつ可能性があると報告した。

アメリカFDAは2020年3月29日、クロロキンおよびヒドロキシクロロキンについて、Covid-19の治療で小規模な症例の報告しかないものの「想定される効能がリスクを上回ると考えられる」として、緊急治療薬として承認した 。(Emergency Use Authorization)

トランプ大統領はこれらの点から「COVID-19に有効だと思う」と繰り返している。

しかし、FDAは慎重で、「現在、まだテスト中である」とし、緊急治療薬としての承認は特定の条件に合致した患者にのみ適用されるとしている。

米保健福祉省(HHS)は「症例報告ベースで、COVID-19の入院患者にある程度の利益をもたらす可能性があることが示唆されているものの、COVID-19への有効性を示す科学的根拠を提供するには、臨床試験が必要だ」とくぎを刺している。

多くの専門家は、データが少なすぎるとしてこの緊急治療薬としての承認に批判的で、FDAのあるOBは、「一体誰がこれにサインしたのか」と怒っている。

ホワイトハウスの新型コロナ対策チームの主要メンバーの一人でもある国立アレルギー感染症研究所の所長 も効果について「根拠が乏しく、はっきりしたことは言えない」と懸念を示す。
薬を使わなかった場合と比較しておらず、信頼性に欠けるとされる。不整脈などの副作用の懸念もあり、不用意に服用すると危険だという。
(長期使用する場合、網膜症の恐れがある。)

これに対し、経済担当のピーター・ナバロ大統領補佐官が「十分に有効性がある」とし、ホワイトハウス内でぶつかっているという。

4月5日の会見で、大統領ははすでに2900万回分の薬を備蓄していると明かし、「ダメで元々だ」「もし効いたときに、早く使わなかったことを残念に思うだろう」などと繰り返し発言した。

最近、過剰な期待から品薄となり、常備薬として必要な患者の手に届きにくくなっている問題も起きている。
欧州医薬品庁(EMA)は4月1日、医師の行う治験や国が特別に許可した場合でなければヒドロキシクロロキンを使わないよう声明を出した。

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Novartisのジェネリックおよびバイオ後続品部門でクロロキンを製造するSandoz は30百万錠のヒドロキシクロロキンを寄付した。Bayerも100万錠のクロロキンを寄付した。

Novartisは4月3日、COVID-19の支援として、ジェネリック医薬品ヒドロキシクロロキンを最大1億3,000万回分相当を寄付すると発表した。同社は現在、新型コロナウイルス感染症の治療に向け臨床試験を実施している。

規制当局が新型コロナウイルス感染患者への投与を認めた場合、現在在庫として保有している200mg/投与x 5,000万回を含み、最大1億3,000万回分を5月末までに寄付する。
今後の供給の拡大も視野に入れており、世界の需要を満たすために世界中のメーカーと協力して取り組んでいく考えとしている。


米大統領選民主党候補のBernie Sanders上院議員(78)が4月8日、選挙戦からの撤退を表明した。


新型コロナの感染拡大で各州の予備選は延期が相次ぎ、選挙活動は大きく制約を受けている が、インターネットを通じた演説で、「われわれはかつてない危機に直面している。この困難な状況のなか勝つことができない選挙戦を続けることはわれわれに求められている重要な仕事の妨げとなる」と述べた。

Joe Biden前副大統領の勝利を祝福するとも述べ、革新的な政策を前進させるためBiden氏と手を取り合うと語った。

Trump打倒に向けてBiden氏に協力を約束しながらも、国民皆保険などリベラル色の強い自身の政策を反映させる努力は続ける考えを示した。ツイッターでは、正義のための戦いは続くとしている。

Today I am suspending my campaign.
But while the campaign ends, the struggle for justice continues on.

秋の大統領選挙はTrump大統領とJoe Biden前副大統領との争いとなる。

付記

Bernie Sanders上院議員は4月13日、Joe Biden前副大統領への支持を表明した。

付記

ニューヨーク州の選挙管理委員会は4月27日、大統領選民主党候補指名に向けた6月23日の予備選を中止した。同州に割り当てられた代議員274人は全て Biden候補が獲得する。

オバマ前大統領、クリントン元国務長官などがBiden候補を支持。


ーーー

Sanders上院議員は国民皆保険や大学無償化など経済的格差を解消する政策を掲げ、若者から支持を獲得し、一時は最有力候補との見方もあった。

しかし、3月に入り指名争いから脱落した中道派の候補者が相次いでBiden氏支持を表明すると、スーパーチューズデー以降は大きく引き離された。撤退表明した左派のWarren上院議員 さえも支持を表明していない。

まだ逆転の余地もあるが、陣営内からも撤退すべしとの声が出始めており、撤退を決めた。

獲得代議員数

初戦
Iowa
4/3 残り
必要数
Joe Biden前副大統領 6 1,217 774 合計3,979のうち最低 1,991が必要
Bernie Sanders上院議員 12 914 1,077
Elizabeth Warren上院議員 8 81 3/5 撤退表明 支持 表明せず(下記)
Michael Bloomberg 元NY市長 0 55 3/4 撤退表明 Biden支持
Pete Buttigieg前South Bend市長 14 26 3/1 撤退表明 Biden支持
Amy Klobuchar上院議員 1 7 3/2 撤退表明 Biden 支持
Tulsi Gabbard下院議員 0 2 3/19 撤退表明 Biden支持
その他候補 0 0
合計 41 2,302 1,677

3,979

付記 Warren上院議員は4月15日、Biden前副大統領への支持を表明した。

なお、予備選の延期が相次ぐなか、ウィスコンシン州予備選投票が4月7日に行われた。
郵便投票の到着を待つ必要があり、結果の確定は13日以降になる。(上の表には含まれていない)

予備選を巡ってはエバーズ知事(民主党)が6月に延期する知事命令を出したが、予備選と同時に市長選や州最高裁判事の選挙もあり、州議会で多数を占める共和党が延期に反対、州最高裁が知事の延期命令を無効と判断し、外出禁止令のなか、予定通りの開催が決まった。

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、中国で別の感染症による死亡事例が確認された。

中国では習近平主席が3月10日に武漢を視察したのを境に「復工復産(産業・経済活動の再開)」が加速され、コロナ対策のため自宅待機していた多くの労働者が工場や工事現場などに戻っている。

3月23日午前4時ごろ、京昆高速道路を走行中の大型バスで 雲南省臨港市から山東省栄成市の出稼ぎ先工場に向かっていた労働者・田さんが、陝西省寧陝県付近で倦怠感、発熱、呼吸困難、筋肉痛など新型コロナウイルス感染症によく似た症状を訴え、途中下車し、県内の病院に入院した。

しかし、発症からわずか3時間後の同日午前7時10分に急死した。新型コロナウイルス検査結果は陰性だったが、体内から「漢坦病毒(ハンタウイルス)」が検出された。

この男性に同行していた2人にも熱が高いことから感染の疑いが持たれているほか、高速バスに乗っていたドライバーや乗客30人が健康観察を受けているが、24時間ごとのウイルス検査では全員陰性だという。

田さんの感染経路などは明らかにされていない。

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ハンタウイルスとはネズミが媒介する病原体で、2週間の潜伏期を経て発熱や呼吸困難を引き起こす。

第二次世界大戦中に旧日本軍が中国東北部の満州国に進駐した際、原因不明の出血熱が流行した記録が残っている。「流行性出血熱」として報告された。
朝鮮戦争のときには国連軍の兵隊の間で約3200人が原因不明の出血熱に感染したことで注目された。

日本では1970年代半ばから各地の医学系動物実験施設においてラット取扱い者の間に不明熱の患者が相次いで発生した。
(1984年までに127人が感染、うち1人が死亡しているが、国内ではそれ以降は患者発生の報告はない。)

1976年に、韓国高麗大学の李氏らが流行地のアカネズミからウイルスを突き止め、 アカネズミを捕獲した川の名前をとって「漢坦病毒」ハンタンウイルス)と命名した。 日本では1982 年に感染研と北大獣医学部により札幌医科大学のラットから原因ウイルスが国内で初めて分離された。

その後の研究の進展に伴い、ブニヤウイルス科の5 番目の新しい属としてハンタ(hanta)ウイルス属と命名された。

感染したげっ歯類の糞便、唾液、または尿と直接接触するか、エアロゾル化した排泄物からウイルスを吸入することにより感染する。

自然宿主のげっ歯目ならびにトガリネズミ目などの小型哺乳動物に対して病原性を示すことはないが、人に感染すると腎症候性出血熱(HFRS)やハンタウイルス肺症候群(HPS)といった重篤な疾病を引き起こす。 両疾患を合わせてハンタウイルス感染症と総称する。

ワクチンはHFRSに対して韓国と中国で市販されているいるが、我が国では用いられていない。治療法は対処療法による。

ハンタウイルス感染症ではヒトからヒトへの感染が起こらないと考えられているが、1996 年9 月の南部アルゼンチンのケースで、ヒトからヒトへの感染が起こった例が確認されているという。


愛媛大学プロテオサイエンスセンターと大日本住友製薬は4月3日、米国のNPO団体のPATHProgram for Appropriate Technology in Health)と3進めている「新規マラリア阻止ワクチンの前臨床開発プロジェクト、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金GHIT Fund)の助成案件に選定されたと発表した。

5億円の助成金を受け、新規マラリア阻止ワクチンの前臨床開発を行う。

GHIT Fundは、政府・企業・財団が出資するもので2013年4月に設立された。開発途上国に蔓延する感染症の新薬やワクチン等の新しい医薬品の研究開発および製品化を促進することにより、グローバルヘルスへ貢献することを目的にしている。

GHIT Fundは今回、マラリア、結核、熱帯病のシャーガス病、マイセトーマ、リーシュマニア症、リンパ系フィラリア症(象皮症)、オンコセルカ症(河川盲目症)に対する新薬開発11件に対して、総額約32.9億円の投資を行うことを決定した。新規案件が5件、継続案件が6件で、本件以外にもマラリア関連が5件ある。今回の投資案件一覧


PATHは
ビル&メリンダ・ゲイツ財団の寄付を受け、1999年から「マラリア撲滅」を目指してマラリアワクチン・イニシアチブ(MVI)を実施している。

プロテオサイエンスセンター(Proteo-Science Center)は,愛媛大学で開発されたコムギ無細胞タンパク質合成技術を基盤として,タンパク質機能から生命現象の解明に至るポストゲノムの生命科学研究のみならずその医学応用研究を行い,プロテオサイエンスの国際拠点形成,及び,がん,自己免疫病,難治性感染症など難病の新しい診断・治療法の開発を目的に設立された。


マラリア原虫はハマダラカに寄生する。「伝播阻止ワクチン」は、蚊の中でマラリア原虫の発育を阻止する。
他に、ヒトへの感染を阻止する「感染阻止ワクチン」、ヒト体内で赤血球期原虫の増殖を阻止する「発病阻止ワクチン」がある。

後の2種のワクチンは、ワクチン接種した本人が病原体から守られるが、感染阻止ワクチンは本人はマラリア原虫から守られない。 しかし、蚊がワクチンを接種した人の血を吸うと、その蚊に寄生するマラリア原虫は激減するため、他の人は守られることとなる。
本ワクチンはマラリア流行地域において、コミュニティー全体をマラリア感染から守り、さらなる感染の拡大を防ぐワクチンとして期待されている。

このワクチン候補となる原虫タンパク質も限られており、またそのタンパク質合成も困難なことからその研究開発は順調には進んでいなかった。

プロジェクトの対象となるワクチン製ヒトから蚊への原虫感染サイクルを断つことができるマラリア伝阻止ワクチン候補製剤で
愛媛大学とPATHにより見出され高品質な新規熱帯熱マラリア抗原Pfs230D1+と、
・大日本住友製薬が持つ
新規ワクチンアジュバントToll様受容体7アジュバントDSP-0546Eで構成されている。

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愛媛大学と大日本住友製薬は2019年4月9日、アフリカやアジアなどで猛威を振るうマラリアのワクチン開発につながる抗原を発見したと発表した。

愛媛大学の遠藤弥重太特別栄誉教授はコムギ無細胞タンパク質合成法を世界に先駆けて実用化に成功している。

小麦の種子は、主に外皮、胚乳、胚芽の3つから構成され、胚芽にはタンパク合成に必要な翻訳因子が豊富に含まれてい る。

コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系を使えば、真核生物、原核生物、ウィルスなど多様な生物種由来のタンパク質をつくることが可能 。

コムギ抽出液に対象のDNAを入れると、転写、翻訳され、タンパク質がつくられる。


愛媛大学のプロテオサイエンスセンターでは、この技術を利用して、マラリア原虫タンパク質を作成した。

精製したマラリアタンパク質をウサギに注射すると、148種の抗体が出来た。

マラリア原虫と148種の抗体を1日培養し、原虫増殖阻害効果が高く、遺伝子変異による耐性化の可能性が非常に低い抗体 PfRipr を見つけた。

しかし、PfRiprは複雑すぎ、多量に合成できない という問題があった.

このたんぱく質を小さく断片化し、強い薬効を有し、大量合成が可能なPfRipr5 (Rh5 interacting protein)を見出した。

マラリアワクチンは、マラリア原虫のタンパク質とアジュバンド(免疫増強剤:マラリアタンパク質に対する抗体をつくらせる)でつくる。

愛媛大学と大日本住友製薬は2019年にGHIT Fundから93百万円の助成金を受け、このマラリアタンパク質Ripr5 をつかったワクチンの開発を進めた。

2019/4/11 愛媛大学と大日本住友製薬のマラリアワクチン開発

今回のプロジェクトは、愛媛大学/PATHにより見出され高品質な新規熱帯熱マラリア抗原Pfs230D1+と、大日本住友製薬が持つ新規ワクチンアジュバントTLR7アジュバント)DSP-0546Eで構成されるワクチン製の前臨床開発を行う。

TLR7アジュバントDSP-0546E)は、ウイルス由来のRNA を感知して自然免疫応答を引き起こすToll 様受容体の一つであるTLR7 を活性化させる物質で、抗原に添加することによって免疫応答の量、質および持続性を高める免疫増強作用を有する。

20204月から2年間、PATHが代表者としてプロジェクト全体管理し、抗原タンパク質の提供、前臨床試験および治験申請業務を担当する。
愛媛大学は免疫原性な本剤が誘導する抗体の機能評価を、大日本住友製薬はアジュバント製剤の開発や非臨床評価を担当する。

本プロジェクトの終了後に、3者は米国において臨床試験を開始する予定。

全米の感染者は31万2千人を超え、死者は8500人超となった。

幸いにも日本の場合、米国や欧州諸国に比べると、感染者、死者はまだ少ないが、日本でも増加しつつあり、いよいよ、緊急事態宣言が出される。

Can an Old Vaccine Stop the New Coronavirus?)と題する記事を掲載した。副題は、「1世紀前に開発されたワクチンは安価で安全で、人体の免疫システムを増強するようだ」というもの。

3月30日にメルボルンの科学者がBCGワクチンとプラシーボ(偽薬)を使い、数千人の医者やヘルス関連従業員を対象に新型コロナウイルスに対するワクチンの有効性についての臨床テストを開始したという。

https://www.nytimes.com/2020/04/03/health/coronavirus-bcg-vaccine.html

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免疫学の第一人者である大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招聘教授がBCGワクチンの接種と新型コロナウイルスについて解説するコラムがある。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200405-00171556/

下記は宮坂教授の資料を本ブログが組み換えたもので、各国のCOVID-19による100万人当たりの死亡数と、BCG注射の状況を対比したもの。

100万人
当たり
死亡
BCG注射 BCG亜株
現在も継続 過去に実施 実施せず
スペイン 259.7 Denmark
イタリア 253.9 X Denmark
フランス 120.6 Denmark
英国 69.6 Denmark
イラン 46.7
スウェーデン 40.1 Denmark
米国 27.2 X TICE
ポルトガル 25.1 Denmark
ドイツ 17.5 Denmark
ノルウェー 12.9 Denmark
トルコ 6.9 ソ連/Bulgaria
韓国 3.7 1種以上
中国 2.5 ソ連/Bulgaria
イラク 1.8 Japan
豪州 1.4 Connaught
日本 0.6 Japan
台湾 0.2 Japan?


これからは下記の傾向がみられる。

①広範なBCG接種をしている国は死亡率が低い。現在やっていない国は総じて死亡率が高い。

 宮坂教授のコメント   (  )は本ブログの付記

100万人当たりの死亡者数が10以下の国が7カ国あり、そのうちの6カ国が広範なBCG接種を現在行っている。

その6カ国のうち、3カ国がBCGワクチンの日本株、2カ国が旧ソ連株を使っている。(後記)

これまで広範なBCG接種をやっていなかったアメリカ、イタリアは人口100万人当たりの死亡率は高い 。
(スペインは16年間しか実施せず、1981年に廃止した。)

欧州諸国は、ポルトガル以外は広範なBCG接種はかなり前に止めていて、これらの国では軒並み死亡率が高い。ノルウェーは死亡率が低め だが、この国は他の北欧諸国よりも長く広範接種を続けていた。

スペインの隣国のポルトガルは、他の欧州諸国と同じデンマーク株を使っているが、現在も広範なBCG接種を続けている。

(死者の多いイランの隣国のイラクは日本株の接種を現在も行っており、死者は少ない。)

②ワクチンのうち、ソ連株、日本株を使う国は死亡率が低い。死亡率が高い国はDenmark株が多い。


日本株とソ連株は、デンマーク株と細胞膜構成成分が異なる。

日本株とソ連株は他の亜株に比し、 結核に対して免疫を起こす力は同程度だが、 生菌数が非常に多い。

③ ここでは分析していないが、感染率と異なり、死亡率の場合は医療体制の問題がある。


これだけから見ると、「日本株」をずっと接種してきた日本は死亡率が低くとどまる可能性はある。

但し、宮坂教授も、全く相関がなさそうな二つのことが同様の変化を示す例をあげ、「BCGの効果についても慎重な検討が必要だと思います」 としている。

日本ワクチン学会は4月3日、 「新型コロナウイルス感染症に対するBCG ワクチンの効果に関する見解」を示した。

(1)「新型コロナウイルスによる感染症に対してBCGワクチンが有効ではないか」という仮説は、いまだその真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない。

(2)BCGワクチン接種の効能・効果は「結核予防」であり、新型コロナウイルス感染症の発症および重症化の予防を目的とはしていない。また、主たる対象は乳幼児であり、高齢者への接種に関わる知見は十分とは言えない。

(3)本来の適応と対象に合致しない接種が増大する結果、定期接種としての乳児へのBCGワクチンの安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない。

ーーー

但し、これが偶然の一致ではなく、BCGについては実際に効果がある可能性もある。

リーレクリニック大手町は「BCGワクチンと新型コロナウイルス感染症」で、BCGワクチンのオフターゲット効果(結核予防以外の効果)について述べている。

肺がんへの予防効果の報告

小児期にBCGワクチンを受けた人の肺がん罹患率は18.2例/10万人年、プラセボ群では45.4例で、有意に肺がんが低下したという。

BCGワクチンが膀胱がんの治療に用いられていること、喘息や寄生虫などに有効

膀胱がんに対して非常に重要な治療法として膀胱内注入療法がある。筋層非浸潤性がんに対して積極的に行われる。

膀胱内注入療法は、抗がん剤あるいはBCG(ウシ型弱毒結核菌)を生理食塩水に溶解して、尿道から膀胱に挿入したカテーテルを通じて膀胱内に注入し、ある程度の時間排尿せずに薬剤を膀胱内に接触させる方法。(国立がん研究センター)

BCG膀注療法は再発の抑制効果があることが確認されているという。

 

2019年12月12日の英国の下院総選挙で野党労働党は大敗、40議席を失い、203議席にとどまった。Jeremy Corbyn党首は辞任を表明した。

労働党は1月7日以降、新党首候補の受け付けや投票者の登録など正式な手続きに入ったが、最終的に3候補に絞られた。

労働党は4月4日、新党首に影の内閣でBrexit政策などを担当した元弁護士のKeir Starmer(57)が選出されたと発表した。

新党首は中道寄りに路線を修正し、党勢回復を図るとみられている。

投票結果は次の通り

Sir Keir Starmer (57) 56.2%
Rebecca Long-Bailey (40) 27.6%
Lisa Nandy (40) 16.2%

Lisa Nandyは新しい影の内閣で外相に就任した。



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トランプ政権は4月2日、医療用のN95高機能医療用マスクを製造する米大手3Mに対し、カナダとラテンアメリカ各国にマスクを輸出しないよう求めた。

トランプ米大統領は4月3日、「国防生産法」に基づき、新型コロナウイルスへの対応に必要なN95マスクなど個人用保護具の輸出を禁止する命令書に署名した。声明文で「非常に必要とされている個人用保護具の輸出を阻止することにより、買いだめや価格つり上げ、その他の不当に利益を得る行為を防止する」と説明した。

これに対し、カナダのトルドー首相は3日、記者団に「間違った判断だ」と強い抗議の意思を示した。米国がマスクの輸出制限に動けば、カナダは報復措置に出るかとの質問に対し、フリーランド副首相は「カナダの国益を守るために全ての行動を取る」と応じた。


3Mは4月3日、下記の発表を行った。輸出禁止は人道的に問題あるとともに、他国からの輸入を禁止されかねず、逆効果だとしている。

3Mはこれまで、出来る限り多くのN95マスクを米市場に供給してきたが、政府は4月2日、国防生産法に基づき、N95マスクについて連邦緊急事態管理庁(FEMA)の注文を優先するよう求めた。3Mはこれに応じる。

政府は、海外から輸入するマスクを増やすよう求めた。3Mは今週初めに、3Mが中国で生産するN95マスク10百万枚を米国に輸入する承認を中国から得た。

政府はまた、3Mが現在米国で生産するマスクをカナダとラテンアメリカに輸出するのを止めるよう求めた。しかしこれは、3Mの製品に頼っているこれらの国の医療従事者への供給をやめるという人道的問題を意味する。また、米国製の輸出をとめると、他の国が報復する可能性がある。そうなれば、米国で供給されるマスクの量が結果として減ることになる。逆効果となる。

(3Mは国内外でN95を月1億枚生産し、このうち約3分の1が米国産だという。海外拠点からの米国向け輸出が止まると大変なことになる。)

3Mのマスクについて、便乗値上げや不法な横流しがあれば報告する。司法当局と協力する。
3Mは値上げはしない。

これに対し、トランプ大統領はツイッターを通じて「3Mが輸出禁止命令に従わない場合、その代価を支払うことになるだろう」と警告した。

We hit 3M hard today after seeing what they were doing with their Masks. "P Act" all the way.

Big surprise to many in government as to what they were doing - will have a big price to pay!


新型コロナウイルスに対応する医療従事者を守るためのマスクを確保する動きが世界中で加速しており、マスク市場は「ワイルド・ウエスト」と化している。

フランスとドイツの高官によると、米国はマスクの世界最大生産国である中国に市場価格を大幅に上回る値段を払っている。既に契約を結んだ欧州の国から契約を奪い取ることもあるという。

ーーー

N95マスクは、最も捕集しにくいと言われる0.3μmの微粒子を95%以上捕集できることが確認されているマスク。

N95は米労働安全衛生研究所(NIOSH)の規格で、「N」は耐油性が無いこと(Not resistant to oil)、「95」は試験粒子を 95% 以上捕集できることを表している。

耐油性(下記)と性能(95%、99%、99.97%以上=100)の組み合わせで9つの規格が決められている。

N:Not resistant to oil(耐油性なし)
R:Resistant to oil(耐油性あり)
P:Oil Proof(防油性あり)

米大使館は4月3日、Health Alert を出した。
https://jp.usembassy.gov/health-alert-us-embassy-tokyo-april3-2020/

「日本でCOVID-19症例が増加しており、全国の医療関係者や政治家の間では、患者の急増が差し迫っていると懸念する声が高まっている。米国市民が米国への帰国を希望する場合は、今すぐその準備をしなければならない、一時滞在の米国市民は、無期限に海外に滞在する準備ができている場合を除き、米国への即時帰国を手配する必要がある」としている。


医療崩壊が起こりかけている米国よりも日本の方が安心だと思われるが、理由として下記の通り述べている。

他国と比較し、日本で陽性と報告された人は比較的少ないが、幅広く検査をしないという日本政府の決定の結果、正確にCOVID-19の蔓延率を測るのが難しい。

日本の医療システムには信頼を置くが、患者が増えていることから、今後数週間で医療システムが機能するかどうか判断できない。

患者が急増した場合、持病をもつ米国市民がこれまで日本で受けていた医療を受けることが出来なくなるかも分からない。

日本政府は米国を初め、多くの国からの入国を禁止しており、国際便も減少している。4月3日現在で日本から米国への航空便は以前の11%に過ぎない。これが更に減ると見るのが妥当で、緊急時にタイムリーに帰国するのが難しくなる、更には不可能になるかも分からない。

帰国を考えている人は、まだ帰国便があるうちに、すぐに飛行機を予約せよ。


OPECプラスの協調減産が3月31日に期限切れとなった。原油価格は既に大きく下がり、WTI原油は3月30日に一時19.27ドルと、2002年2月以来、18年ぶりの安値となった。


トランプ米大統領は3月30日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、ロシアとサウジアラビアが繰り広げている石油価格戦争などについて話し合った。大統領は原油安の行き過ぎを懸念していると述べた。

ロシア大統領府によると、この日の会談は米国の提案によって開かれ、「長時間」に及んだ。両首脳は両国のエネルギー当局者が原油について協議することで一致した。新型コロナウイルスについても話し合い、感染の規模に対する懸念を共有した。

ホワイトハウスは声明で、両首脳が「世界のエネルギー市場における安定の重要性について一致した」と表明した。


トランプ大統領は電話協議に先立ち、「原油価格があまりにも安い」と不満を示した。協調減産を見送ったサウジアラビアとロシアを名指しして「気が狂っている」と痛烈に非難した。

国内のシェールオイル生産者を念頭に「ある産業が消滅してほしくない」と指摘、原油安が米国内の石油産業に打撃になるとの懸念を強調した。

大統領の懸念する通り、シェール大手のWhiting Petroleumが4月1日、Chapter 11を申請した。

ノースダコタ州のバッケン鉱区の主要業者で、2019年の売上高は約15億ドル。債権者と再編計画と基本合意しており、事業は継続する。

3月19日に、ロシアとサウジアラビア間で勃発した石油の価格戦争に自身が「適切な時期」に介入するだろうと述べている。

「ロシアは経済全体が原油収入を基盤に成り立っているが、石油価格がここ数十年で最も低くなっている。壊滅的な事態だ。サウジにとっても状況は非常に悪い。だが、両国は価格と生産の面で戦っている。適切な時期に私が介入する」と述べた。

トランプ米大統領は3月31日、歴史的な原油価格急落に歯止めをかけるため米国にはロシアとサウジアラビアと会合を開く用意があると表明した。

「われわれが共に集まり、何ができるかを見極めることなるだろう」と述べた上で、ロシアとサウジの協議に「必要なら私も適切な時期に加わる」と明言した。

大統領は4月2日、ツイッターで 、両国が最大で日量1500万バレルの減産に踏み切る可能性があるとの見通しを示した。(MBSはMohammad bin Salman)

Just spoke to my friend MBS (Crown Prince) of Saudi Arabia, who spoke with President Putin of Russia, & I expect & hope that they will be cutting back approximately 10 Million Barrels, and maybe substantially more which, if it happens, will be GREAT for the oil & gas industry!

Could be as high as 15 Million Barrels. Good (GREAT) news for everyone!

しかし、米政府当局者は同日、トランプ大統領はサウジアラビアとロシアによる原油供給削減策の正式な詳細について情報を持っていないと述べた。また、大統領が国内石油企業に対し協調減産に同意するよう要請しないことも明らかにした。

トランプ大統領の要請をうけ、サウジアラビアは4月2日、「OPECプラスとその他の国」に対し、石油市場の安定のため、緊急の会合を開くことを要請した。

「その他の国」は米国を念頭に置いていると思われる。米国抜きの従来のOPECプラスだけの減産は考え難い。

プーチン大統領は4月3日、「パートナーとして」最大の産油国である米国にも応分の負担を求める考えを示唆した。

ーーー

OPECとロシアなどのOPECプラスは過去3年余り協調減産を実施し、原油価格の維持に努めてきた。しかし、枠組みの外にいる米国のシェール業界が増産を続けた結果、参加国にはシェアを奪われただけとの不満がある。今回、サウジとロシアが大規模の増産に踏み切ったが、米国のシェールオイルが狙いであるとの見方が強い。

原油価格急落に歯止めをかけるためには、OPECとロシアの減産に加え、米国も増産しない約束が必要であるが、独占禁止法のもとで業者が協調することは違法であり、政府が生産を規制することもできない。

米下院司法委員会は2019年2月7日、石油輸出国機構(OPEC)加盟国を反トラスト法違反で提訴することを可能にする「石油生産輸出カルテル禁止(No Oil Producing and Exporting Cartels Act : NOPEC法案)」を全会一致で可決した。同様の法案が上院の財政委員会に提出された。 しかし、上院では投票に至っておらず、法律としては成立していない。

米国政府がOPEC加盟国をSherman Antitrust Actで訴訟できるというもので、Aramcoが米国での上場を避ける理由の一つである。

OPECそのものさえも独占禁止法違反としながら、トランプ大統領はこの問題にどう対応しようというのか。

ーーー

Saudi Aramco は増産と輸出拡大の準備を着々と進めている。

まず、現在の輸出量は日量10百万バレルだが、発電の燃料をAl-Fadhili gas plantからの天然ガスに切り替えることによる余剰と需要減による余剰の60万バレルを輸出に回す。

Aramcoは主要な石油関連サービス企業に対し、生産量を4月から現在の最高の12百万バレルに引き上げる計画を支援するよう要請した。更に、能力を13百万バレルに引き上げるため、必要な労働者、機器を準備するよう要請した。

業界筋では、Aramcoは「適者残存戦略」(survival-of-the-fittest oil strategy)により高コストのライバルを長期的に排除する積りだろうとしている。


Aramcoは海外にはオランダのロッテルダム、エジプトのSidi Kerirと沖縄に原油を貯蔵しているが、3月末から大量の原油をロッテルダムに送り込んでいる。早期納入可能をうたい、需要を獲得する。


医療機器大手のテルモは4月1日、人工心肺装置(ECMO)の生産台数を2倍程度に増やす方針を明らかにした。

静岡県内の拠点で年間百数十台程度を生産しているが、早期に100台程度を上乗せして生産できる態勢を整える。

ECMOは人工呼吸器でも救命が難しい重症者に使われる治療装置で、テルモは国内最大手。中国での感染拡大が深刻化した1月から、部品メーカーに増産を依頼して準備を進めていた。ECMOに付ける人工肺などの消耗品の増産も急ぐ。

業界2位の泉工医科工業も増産を決めた。

3月の日本呼吸療法医学会・日本臨床工学技士会の調査では、ECMO配置台数は全国で約1400台で、東京には196台、大阪には103台ある。

重症患者を治療する国際医療センターを視察した西村経済再生担当相は「医療供給体制の確保が最優先課題のひとつ」としてECMOなどの増産をあげた。感染者が急激に増えている東京都について「早急に700台まで増やしたい」と述べた。

政府はすでにECMOの増産に補助金を出すことを決めており、企業もフル操業で対応する。

但し、患者1人当たり医師4~5人、看護師10人以上、臨床工学技士2~3人の合わせて20人程度のスタッフが必要とされ、要員の手当てが必要となる。

西村大臣は2日、「すでに人工呼吸器やECMOの導入補助を行っているが、さらに必要となる事態も想定し、1人でも多くの命を守る思いで医療体制の整備に取り組みたい」と述べ、来週まとめる緊急経済対策にECMOの増産や導入支援、さらに扱う人材育成の支援策を盛り込む考えを示した。

ーーー

ECMO(Extra Corporeal Membrane Oxygenation)は経皮的心肺補助システムで、急性心筋梗塞等による心原性ショックや心停止などの緊急症例に対する治療で、太腿の血管に直接カテーテルを挿入して血液を体外へ引き出し、遠心ポンプと膜型人工肺を用いた閉鎖回路からなる人工心肺装置により、患者の心臓と肺の代わりの役割を果たす。

1分間でおよそ4リットルの血液を入れ替えることができるという。ECMOを使い、弱った肺を休ませている間に対症療法を行い、患者自身の免疫によってウイルスが排除されるのを待つ。

「人工呼吸器」は肺の機能を「補助」するもので、肺に酸素を入れ、肺から血管の中に入れていくもの。初期の患者に使われる。

一方、「ECMO」は肺の機能を「代替」するもので、血管の中に直接酸素を入れる装置。
血液を太ももの付け根の血管から取り出し、エクモの「人工肺」に血液を送り、二酸化炭素を取り除く。その後、血液を血管に戻すことで、体の中の臓器に酸素が届けられる。
ECMOで血液が循環している限り、肺が止まって呼吸をしていなくても生きることができるため、肺の機能を使うことが難しい重篤な患者に使われる。エクモの使用期間は2~4週間とされる。

呼吸だけのサポートを目的とするVV-ECMO(体外式膜型人工肺)と 、主に循環のサポートを目的とするVA-ECMO(経皮的心肺補助)があ り、エルモは後者をPCPS(Percutaneous Cardio Pulmonary Support)と呼んでいる。

テルモがPCPSの開発を本格的に手がけたのは1989年で、開発にあたっては、QUICK(5分以内でセットアップ可能)、COMPACT(救急車に搭載可能)、 SIMPLE(最低必要な機能)の3つを設定して、研究開発にチャレンジした。

1999年に米国3M社からカーディオバスキュラー(人工心肺関連事業)を譲り受け、テルモカーディオバスキュラー社を設立、カニューレ、血液ガスモニター機器、ローラーポンプなどを加えて、人工心肺システムのすべてを供給できるようになった。


デンカは4月2日、新型コロナウイルスの治療薬として期待されている抗インフルエンザ薬「アビガン」の原料供給を開始すると発表した。

香料や農薬、医薬品などに使われる化合物の「マロン酸ジエチル」を新潟県内の工場で5月から生産開始する。

デンカはマロン酸ジエチルの国内唯一のメーカーで、その原料となるモノクロル酢酸も国内で唯一、 デンカ子会社のデナックが生産している。

デナックは、電気化学が1976年に Akzo Zout Chemie(現 Akzo Nobel Chemical)との合弁でモノクロル酢酸の製造販売会社として設立した。

原料から最終製品に至る一貫生産体制のもと2017年4月までマロン酸ジエチルの生産を行ってき たが、海外製品との競合が激しくなり、2017年4月に国内生産を休止していた。

今回、政府から国内での一貫した供給体制構築のため生産再開の要請を受け、決定した。



ジャパンディスプレイ(JDI)は3月31日、生産装置の一部の売却について同社顧客(アップル)と最終契約を締結したと発表した。

JDIは2019年12月に下記の発表をしている。

当該顧客との間で、当社によるいちごアセットグループからの400億円以上の資金調達の実施等を条件として、
当社顧客が
取引の支払条件の緩和を行う旨、及び
当社白山工場の生産装置の購入を通じて実施する可能性も含めて、当社による当社顧客からの200百万米ドルの資金調達を実施する旨の最終契約の締結に向けて協議することで合意いたしました。

2018/12/19 ジャパンディスプレイ、いちごアセットグループからの資金調達に関する基本合意書締結

JDIは1月31日、独立系投資顧問のいちごアセットマネジメントから最大1008億円の出資を受け入れる方向で最終契約を結んだと発表した。3月13日には、100億円の追加の資金調達で基本合意、最大 1108億円となる。これに基づき、アップルと最終契約を締結した。

2020/2/3 JDI、いちごアセットマネジメントと最終契約

具体的には、白山工場内の液晶ディスプレイ生産装置 を200百万ドルで売却する。同工場は2019年7月から停止している。

売却代金200百万ドル(概算215億円)は3月31日付で、アップルからの前受金残高879億円(2月末残高)と相殺する。

ーーー

2019年末に、JDIが白山工場を Appleと シャープへ売却する方向で交渉していると報じられた。

報道を受け、JDIは12月27日に以下のコメントを発表した。

白山工場の今後の取り扱いについては、あらゆる選択肢を検討しておりますが、現時点で決まったことはありません。
なお、上記選択肢を検討するにあたり、 現在、白山工場では生産設備及びインフラ設備等の状態を総点検しておりま す。

今回、JDIは白山工場内の液晶ディスプレイ生産装置 をアップルに売却したが、「これ以外の白山工場の製造装置、白山工場の土地及び建物について、国内事業会社へ譲渡すること について 継続検討中です」としている。

ーーー

JDIは2015年3月6日、石川県白山市に第6世代(1500×1850ミリメートル)液晶新工場を建設すると発表した。月産2万5000枚の能力で、投資額は1700億円。

新工場の建設はAppleからの増産依頼によるもので、投資資金の大半はAppleからの前受け金1700億円で賄った。但し、Apple専用とせず、中国スマホメーカーなど他社へも供給する予定であった。

問題は、JDIと Apple の契約である。この前受金の契約には下記の条項がある。

・JDIは年間2億ドルまたは売上高の4%のいずれか高い金額を四半期ごとに返済する。

・JDIの現預金残高は300億円以上を維持する。

・上記2つの条項を守れなければ、Appleは、前受け金の即時全額返済、または白山工場の差し押さえを要求できる権利を持つ。

返済原資は貸し手であるAppleからの注文次第であることが問題で、Apple側の理由で注文が減ると、たちまち返済原資に行き詰まった。

本来、このような場合にはTake or Pay 条項を入れるが、この契約には入れていなかった。

今回、液晶ディスプレイ生産装置 を取り上げられたが、なお前受金は660億円程度残っており、残りも取り上げられることとなろう。

JDIは白山工場をアップルとシャープに800億~900億円で売却する交渉をしていたとされる。今回の分を除くと700億円弱となり、前受金の残高に相当する。

ーーー

なお、石川県は3月31日、白山工場の開設に伴って交付した補助金8億円の5月末までの返還を請求した。

白山工場には、2017年4月と2018年4月の2回に分けて雇用拡大関連企業立地促進補助金が2億円、創造的産業等立地促進補助金が6億円交付されている。

白山工場は昨年7月から稼働を停止しており、「補助金交付から5年以内に事業を廃止、休止した場合は返還を請求できる」とする県の交付要綱に基づき判断した。JDI側も返還の方針を示している。




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