2011年5月アーカイブ

Huntsman525日、煙台万華ポリウレタン(Yantai Wanhua Polyurethanes)との間で PO/MTBE の技術供与の契約を締結したと発表した。能力や契約条件は明らかにしていない。

煙台万華は山東省煙台市内に200千トンのMDIプラントを持っているが、煙台の臨港工業区にMDI 600千トン、TDI 300千トンと、原料の苛性ソーダ 300千トン、ホルムアルデヒド 240千トン、硫酸 540千トン、アンモニア 180千トン、ニトロベンゼン 480千トン、アニリン 360千トンの各プラントを建設している。
完成後は既存の200千トンのMDIプラントは廃棄する。

同社はほかに、浙江省寧波市の大シャ島でも300千トンのMDIプラント2基を持っている。

煙台万華のポリウレタン事業をまとめると以下の通り。(千トン)

    MDI TDI
稼働中 建設中 合計 稼働中 建設中 合計
煙台万華 山東省煙台市 200 -200
600
600   300 300
浙江省寧波市 300
300
  600      
合計 800 +400  1,200   300 300
BorsodChem ハンガリー
 
Kazincbarcika
190   190 90 -90
200
200
合計 190   190 90 +110 200

2009/1/6 中国の山東煙台万華ポリウレタン、煙台にポリウレタンコンプレックス建設

煙台万華は、この煙台臨港工業区にワールドスケールのPO/MTBEプラントを建設する。本年後半に建設を開始し、2013年後半に完成する予定。

POはポリオールの原料となる。

ーーー

Huntsmanのポリウレタン事業部は米国、オランダ、中国(上海)にMDIプラントを持つ。
同社はTDI も製造していたが、2005年にBASFにTDI 事業を売却(工場は停止)し、MDIに特化している。

Huntsmanはこのほか、テキサス州にPO/MTBE(24万トン/75万トン)を持っている。

PO/MTBE事業は1997年に
Texacoから買収した。
Huntsmanは2006年にTexas Petrochemical(その後 TPC Groupに改称)に米国のブタジエンとMTBEの事業を売却したが、PO/MTBEプラントは売却対象外となっている。

同社のMDIプラントは以下の通り。

ルイジアナ州Geismar プラントは1966年に生産を開始、MDI 390千トン、ポリオール 68千トン、アニリン27千トンの能力である。

オランダRozenburg プラントは1971年に生産を開始した。能力はMDI 300千トン、ポリオール 54千トンであるが、2005年にMDIの100千トンの増設を発表した。その後増設ではなく、400千トンの新設(S&B)に変更した。
同社は2009年2月、現状能力で足りるとして、S&B計画を延期した。

上海ケミカルパークではでは合計240千トンの粗MDIを生産、BASFとHuntsmanは別々にこれを精製している。

なお、上海コンプレックスのメンバーのうち、BASFは2009年1月中国環境保護省から重慶ケミカルパークでのMDI計画の環境承認を取得した。
ニトロベンゼン400千トン、アニリン300千トン、粗MDI 400千トンと精製設備、MDI pre-polymer 20千トン、貯蔵設備、ユーティ を建設する。

2009年3月の報道では、Huntsmanは上海でのMDI 増設のFSを実施している。
現状の24万トン(BASFとのJV)を48万トンに増設、16万トンの精製(Huntsman)を40万トンに増設するとのこと。

 


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公取委は5月26日、エアセパレートガスのメーカー4社に対し、価格カルテルを結んでいたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。

エアセパレートガスは空気から製造される酸素、窒素及びアルゴンで、対象となったのはタンクローリーによる輸送によって供給する特定エアセパレートガス(医療用を除く)。

公取委は2010年1月19日、メーカー十数社の立ち入り検査を始めた。

排除措置命令と課徴金納付命令の対象は以下の通り。

事業者名 課徴金額
大陽日酸  51億4456万円
日本エア・リキード  48億2216万円
エア・ウォーター  36億3911万円
岩谷産業   4億9902万円
合 計  141億0485万円

4社は、2005年秋頃から2007年秋頃にかけて、原油価格の上昇により特定エアセパレートガスの製造に要する電力費用及び輸送に要する費用が上昇し続けていたことから、特定エアセパレートガスの販売価格について、同年4月1日出荷分から現行価格より10%を目安に引き上げることを合意した。

日本エア・リキードは、2007年9月1日にジャパン・エア・ガシズを吸収合併している。
それまでは製造販売はジャパン・エア・ガシズが行っていた。

課徴金については調査開始日から遡り10年以内に課徴金納付命令(確定している場合のみ)を受けたことがある事業者については、5割加算した算定率を適用している。

製造業の大企業の場合の課徴金算定率

原則  10% 第7条の2①
早期解消 8% 第7条の2⑥
再度の違反 15% 第7条の2⑦
主導的役割 15% 第7条の2⑧
再度+主導 20% 第7条の2⑨

大陽日酸と岩谷産業は立ち入りを受けた後、公取委に違反内容を自主申告したため、課徴金減免制度で3割免除された。

ーーー

課徴金としては過去5番目の高額。(最高は160億円、なお、談合の課徴金の最高は 270億円)
   2010/5/26  
光ファイバーケーブルのカルテルで過去最高の課徴金

命令に対し大陽日酸は「真摯に受け止め再発防止に努めたい」、残る3社は「内容を精査し、今後の対応を検討したい」としている。

なお、大陽日酸は2011年3月決算で特別損失に引当金5,193百万円を、エア・ウォーターは3,639百万円を、岩谷産業は499百万円を計上している。

各社の推移は以下の通り。

 


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欧州委員会は518日、レジ袋 (plastic carrier bags) の使用減少についての意見聴取を発表した。
   
IP/11/580 Commission seeks views on reducing plastic bag use 

レジ袋有料化やレジ袋税が有効か、又は、EU全体でのレジ袋禁止のような他の案がベターか、更に、生分解性の包装材を増やし、包装材として生分解性製品を義務付けるのがよいのか、に関して8月まで意見を聴取する。

EUでは毎年、一人当たり500枚のレジ袋を使用し、ほとんどが使い捨てである。2008年の生産量は340万トンで、軽量小サイズのレジ袋は多くは処理されず、海に流れ、環境を汚染する。
プラスチックの袋は分解しないため、地中海だけで
2500億枚、重量で500トンのプラスチックが漂っており、間違って飲み込んだり、エサと間違って飲み込んだ海洋生物を窒息させる。

EUのいくつかのメンバー国では既に規制が行われている。

2011/1/8 イタリア、レジ袋禁止

2009/9/28 アイルランド、レジ袋税を2倍に

しかし、これまではEU全体では規制は存在していない。本年3月にEU諸国の環境大臣がレジ袋の環境への影響を議論し、EUとしての有効な対策が必要と結論付けた。

現在の
EUの「包装及び包装廃棄物指令(1994/12) における「生分解性(biodegradability)」と「堆肥化(compostability)」についても意見を求める。

指令では自然の環境で生分解する生分解性製品と、産業用堆肥化設備でのみ生分解する堆肥化製品との間に明確な区分がない。
実際には自然の環境で生分解しないのに生分解製品として広告し、結果としてゴミをまき散らすことになる。

包装での表示などを含め、包装材の「生分解性」要件を変更することについての環境、社会、経済的影響について、意見を求める。


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DuPont516日、Danisco1700DKKでのTOBが成功裏に完了したと発表した。買収額は64.9億ドルとなる。

513日にTOBを終了し、発行済み株式の92.2%が応募した。

ーーー

DuPont19日、デンマークの食品用酵素や素材のメーカーのDaniscoを現金58億ドル(1DKK 665)と5億ドルの債務引き受けの合計63億ドルで買収する提案を行ったと発表した。
この買収により、工業用バイオ技術のリーダーになるとした。

2011/1/19  DuPontDaniscoを買収へ 

DuPont121日にTOBを開始した。

合併の独禁法審査は、415日の中国商務部の承認ですべて完了した。

しかし、このTOBに反対してきた米ヘッジファンドのElliott AssociatesDanisco株の買い増しを行い、持株率を5%から10.2%とし、年金基金ATP5.1%を抜いて最大株主となった。
これにより、
DuPontの買収計画は暗礁に乗り上げたかと思われた。

DuPont429日に以下の発表を行った。
 ・買収価格を従来の
1DKK 665からDKK 700に引き上げる。
 ・
TOB期間を513日に延長
 ・買収最低株数を従来の
90%から80%に引き下げる。

買収提案価格の引き上げで、Danisco役員会とデンマークの年金基金ATPやElliott Associatesなど広範な株主が買収賛成に回った。

ーーー

DuPontEllen Kullman会長兼CEOは、「Daniscoの食品添加剤事業と工業用酵素事業(Genencor部門)のDuPontへの統合は、Dupont自体のNutrition & HealthApplied BioSciences部門と相補い、工業用バイオサイエンス、栄養、健康分野で業界のリーダーになれる」と述べた。

DuPontGenencorは1995年に、コーンスターチからBio-PDOプロパンジオールを生産する発酵生体触媒を開発する目的で提携した。DuPontはテネシー州にあるDuPont Tate & Lyle Bio ProductsBio-PDOの商業生産を行っている。

DuPontGenencorは2008年に50/50 JVDuPont Danisco Cellulosic Ethanol LLC を設立した。
次世代バイオ燃料であるセルロース系エタノールの生産に取り組むもので、まずトウモロコシの茎や芯とサトウキビバガスを原材料とする。将来は、麦わら、様々なエネルギー作物、他のバイオマスを含
む多数のリグノセルロース系原料をターゲットとする。

DuPont Danisco Cellulosic Ethanol LLCは20102テネシー州Vonoreでセルロース系エタノール実証施設の開所式を行った。

2010/2/10 DuPont、セルロース系エタノールの高性能生産施設をオープン

DuPont519日、Danisco統合の組織改編を発表した。

新組織 売上高 従来組織
DuPont Danisco
Industrial Biosciences   $1 billion  Applied BioSciences  Genencor enzyme
Nutritional & Health  $3 billion Nutrition & Health Food Ingredients

 


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SABICSinopec517日、天津の両社の50/50JVSinopec SABIC Tianjin Petrochemical Company (SSTPC)でポリカーボネート(PC)を生産すると発表した。

能力は年産26万トンで、Sabic Innovative Plastics のホスゲンと溶媒塩化メチレンを使わない最新技術を使用する。2015年の完成を目指す。

下記は旭化成技術だが、他の各社も最近、ジフェニルカーボネートとビスフェノールAの反応による製法を採用している。   

従来法のホスゲンは強い毒性があり、塩化メチレンは環境負荷とヒトへの毒性の懸念から化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)で利用と廃棄が管理されている。   

SSTPC200910月に両社のJVとなり、2010年から商業生産を開始している。

エチレン100万トンで、誘導品は以下の通り。PCについてはこれまでFSを行っていた。

 エチレン 100万トン
 Gasoline Hydrogenation 65万トン
 
LLDPE 30万トン       
 
HDPE 30万トン(INEOS Innovene S Process
 
PP 45万トン(LyondellBasell Spherizone PP) 
 
EOG 42万トン(Dow技術)
 フェノール 
35万トン/アセトン
 ブタジエン 
20万トン
 
MTBE 12万トン
 ブテン
-1 5万トン

2009/7/13 中国、シノペック天津石化計画へのSABICの参加を承認

SABIC会長は、このPCプロジェクトと、上海とインドのTechnology & Innovation Centerを挙げ、アジアでの存在を更に高めるとのコミットを強調した。

上海の
T&IセンターにはSABICの中国本部を置き、アジアでの石油化学の販売、マーケティング、R&Dを統括する。
インド
Bangalore T&Iセンターは幅広い開発を担当する。
ともに
2013年稼働の予定。

SABICは現在、アジアの13の主要市場で、41事務所、10製造工場、5Technology & Innovation Centerを有し、2桁の成長を誇っている。


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2011年3月期決算対比

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2011年3月期決算が出揃った。

化学会社(医薬を除く)の営業損益対比 (2011年3月期の営業損益の順)

 

三菱ケミカルHDの営業損益の金額、伸びは驚異的。
三菱レイヨンの買収の影響も大きい。

信越化学は2008/3月期、2009/3月期の営業損益に大きく未達で、三菱に抜かれた。

信越化学を除く全社で2009/3、2010/3月期を上回っているが、2008/3月期には未達の会社がほとんどである。

2008/3月期にほぼ達したのは、
  
旭化成、東レ、ダイセル

2008/3月期を上回ったのは、
  三菱ケミカル、クラレ、積水化学、日本ゼオン、日本触媒、
チッソ
  (住友ベークライトも上回っているが、これは退職給付会計の数理計算差異によるもの)

クラレはポバール、エバール等機能樹脂の利益が大きい。
 
積水化学は高機能プラスチックスが好調を維持、住宅の利益が増大した。
 
日本ゼオンは合成ゴムの数量増による利益増が大きい。
 
日本触媒は高吸水性樹脂が好調を続け、アクリル酸などの基礎化学品損益が増大した。

2008年3月期はリーマンショック以前で、中国バブルの最盛期である。このような好況の再現は、現状では考えにくい。
むしろ、今期の状況は出来過ぎかも分からない。

ーーー

医薬会社の営業損益対比


各社の増減益の主たる理由は以下の通り。

武田   米国で特許切れのプレバシドの大幅減収、円高影響(-607億円)など
     
アステラス   円高影響(-473億円)、OSI買収による無形資産償却(-200億円
     
エーザイ   前期発生のAkaRx買収に伴うインプロセス研究開発費、ファイザーに対する提携費用の減少
     
第一三共   ランバクシーの営業損益 63億円→277億円
     
田辺三菱   研究開発費減(172億円):前期に一時金100億円あり。
     
中外   タミフル出荷大幅減
     
大正   売上総利益増 83億円、研究費減44億円
     
大日本住友   Sunovion Pharmaceuticalsの特許権等償却増(-242億円105億円→347億円)、武田からの一時金100億円

 

 


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復旧作業が難航している東京電力の福島第一原発をめぐり、東京都内の元技術者が独自に「暴発阻止行動隊」として高齢者に作業への参加を呼びかけている。

代表者は山田恭暉氏。
1962年に東京大学工学部冶金学科を卒業、住友金属工業に入社、1989年に退社し、ボランティア活動をしている。

汚染された環境下での設備建設・保守・運転のためには、数千人の訓練された有能な作業者を用意することが必要で、現在のような下請け・孫請けによる場当たり的な作業員集めで、数分間の仕事をして戻ってくるというようなことでできる仕事ではない。

このため、身体の面でも生活の面でも最も放射能被曝の害が少なくて済み、しかもこれまで現場での作業や技術の能力を蓄積してきた退役者たちが力を振り絞って、次の世代に負の遺産を残さないために働くことができるのではないかとしている。

「決死隊」という見方は否定、被曝を最小限に抑えて作業したい、としている。

原則として60歳以上、現場作業に耐える体力・経験を有するいう条件で行動隊参加者を募集しており、5月23日時点で行動隊に165人の応募があり、賛同・応援者は796人、カンパ1,843,200円が集まっているという。

東電側や国会議員らにも接触している。

プロジェクトのホームページは http://bouhatsusoshi.jp/、各国語のページもある。
この提案文を多くの方に転送してほしいとのこと。

これについて政府・東電統合対策室事務局長の細野豪志首相補佐官は、「非常にありがたい、献身的な行動で、気持ちは受け止めたい」と述べ、「シニアの皆さんの活躍の方法はないか」ということを東京電力に投げかけていることを明らかにした。
ただ、「原発の中の経験があって、すぐに働ける人でないと難しい」とも発言。現段階では必要性を否定した。
(朝日新聞)

 

付記

  発起人の1人で東京海洋大学名誉教授の塩谷亘弘氏のインタビュー
    
http://news.livedoor.com/article/detail/5581575/

 

付記

  福島原発行動隊に関する書籍が発行された。   

 


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ソフトバンクの孫正義社長は4月20日、太陽電池など環境エネルギーの普及を促進するため、「自然エネルギー財団」を設置すると発表した。世界中の科学者ら約100人に参加を促し、政府への政策提言などを行う。

福島第1原発の事故を受け、自然エネルギーへの転換を主張。東日本大震災の被災地域を中心に「東日本ソーラーベルト」を作る構想などを提案したほか、普及促進策として自然エネルギーで発電された電力の全量買い取り制度の導入も求めた。

「太陽電池の輸出国として世界最大のソーラーベルトを作ろう。もう一度日は昇る。希望あふれるビジョンを作ろう」と語った。

ーーー

ソフトバンクは大規模太陽光発電所(メガソーラー)を全国に10か所建設する計画を検討している。

一般家庭6万世帯分の電力をまかなう計200メガワット規模のメガソーラーを開業させる。
シャープなどが太陽光パネルを供給。総額約800億円を見込む建設費用はソフトバンクが大半を負担するが、自治体に各1億円程度を出資してもらうことも検討するという。

埼玉県の上田清司知事は5月21日、ソフトバンクが79億円、県が1億円を拠出して県内に建設する方針で調整を進めていることを明らかにした。

関東地方知事会には5月25日に説明する。
関西広域連合は、大阪府の橋下徹知事の仲介で、5月26日に大阪市内で開かれる広域連合の会合に孫社長を招き、協議する。

ーーー

これとは別に、孫正義氏は個人的に、東日本大震災の被災者支援や復興資金として100億円を寄付する。

このうち40億円は、ソフトバンクや被災自治体が6月上旬に設立する公益法人「東日本大震災復興支援財団(仮)」に寄付し、震災遺児や被災地の非営利組織(NPO)活動の支援などに使ってもらう。

残りの60億円の寄付先は、日本赤十字社と中央共同募金会に10億円ずつ、日本ユニセフ協会など震災遺児への支援を行う公益法人に計6億円、岩手、宮城、福島3県には10億円ずつ、茨城、千葉両県には2億円ずつとなっている。

ーーー

孫正義氏は4月22日、ソフトバンク本社で行われた自由報道協会主催の会見で構想を明らかにした。 

   会見の詳細 http://news.livedoor.com/article/detail/5514784/ 
   
説明資料   エネルギー政策の転換に向けて

概要は以下の通り。

  日本はまさに国難の時

震災が起きる前は、原子力発電について、賛成、反対の意見も持っていなかった、考えたこともなかった。恥ずかしい話だが、電気はあって当たり前だと思っていた。

ちょうど1年ほど前、運転開始から40年を迎える福島第一原発1号機について、さらに20年間安全に運用できると東電が判断、国に受理された。--- その時に運転を止めていれば、今回の事故は起こらなかった。

今後は稼動40年で原子炉を廃炉していくとして、原発の新規建設も凍結するとなれば、当然、電力は足りなくなる。その代替エネルギー案を考えなければ、建設的な議論はできない。

国のエネルギー白書には原子力の発電コストがKw当たり5~6円で一番安いと書いてあるが、原発の設置許可申請書に書かれた発電原価は15円前後。これは電力会社が申請した数字だ。矛盾している。

今回の事故を受けて保険コストも跳ね上がる、地域対策費も上がる。原子力発電は割高な発電方法なのだ。

  

  エネルギー政策転換の年

2011年をエネルギー政策転換の年と位置付け、個人としての寄付10億円で自然エネルギー財団を設立する。

これはスタートの原資として、世界100名のトップ科学者との意見交換の場を作る。シンクタンクのようなもの。
自然エネルギー発電にはいろいろある。どれがいいのかはこれから勉強して行く。

   太陽光発電

太陽光発電を否定する意見の多くは、曇りや雨のとき、発電出来ないというもの。しかし、天気の悪いときには、火力発電を使えばいい。バッファとして考えている。

他国では太陽光発電がどんどん伸びている。なぜか。それは電力会社が作った電気を買い取るから。政府の方針で、電力会社に買取の義務を負わせた。作った電気を全て買い取る、全量買取制度の制定が今何より優先されなければいけない。

   風力発電

世界では伸びている。日本ではまったく伸びない。
これも、電力の買い取り価格を低く設定し、採算が合わないようにしている電力会社の思惑のせいだ。

北海道や東北、九州の潜在的発電能力は、日本全国の電力需要を満たすほどの量がある。


   地熱発電

世界の地熱発電設備の75%は日本製。なのに日本で地熱発電が進まないのも、電力会社の買い取り価格が不当に安いため。

地熱資源地の82%は国立・国定公園内にあり、自然公園法で開発を制限している。国がその気になれば、開発はすぐに始められる。

-----

自然エネルギー財団では、日本の風土に一番合った発電方法を精査し、提言して行く。

「40円/Kwhでの電力の買取を20年間の全量買取。」
この1行の法案で、日本の電力は解決する。

2011年エネルギー政策転換の年、批判に終わらない、建設的な議論をしましょう。

ーーー

なお、説明資料のなかに、原発と太陽光発電のコストが逆転との図がある。

出典 John O. Blackburn and Sam Cunningham,
Solar and Nuclear Costs - The Historic Crossover - Solar Energy is Now the Better Buy, NC WARN, (July 2010)

これについては池田信夫氏がブログで批判している。(再生可能エネルギーは原発の代わりにはならない

彼の引用しているNC WARNなる反原発団体のパンフレットの数字には、何の客観性もない。
たとえばアメリカのエネルギー省の予測では、2016年でも太陽光(Solar PV)のコストは原発(Advanced Nuclear)のほぼ2倍だ。

しかもこれはワットアワーの比較である。原子力はコンスタントに電力を供給できるが、太陽光発電の稼働率は12%。今回の計画停電のような 夜間のピークには役に立たない。

したがって孫氏の話の前提が間違っているのだが、かりにそれが正しいとしても、アメリカで起こったことが日本で起こる保証はない。再生可能エネルギーには 広い土地が必要で、日本の面積はアメリカの1/25。しかも平地がその3割しかなく、アメリカのような砂漠はない。

ーーー

孫氏は会見ではこの資料には触れておらず、原発と太陽光発電のコストが逆転したとは言っていない。

原子力の発電コストがエネルギー白書にあるKw当たり5~6円ではないのではないか、今回の事故を受けて保険コストも跳ね上がる、地域対策費も上がるため、原子力発電は割高な発電方法なのだとしているだけ。

こんな資料もあるといっているだけではないか。


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  http://www.knak.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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武田薬品は519日、スイスのチューリッヒに本社を置く非上場製薬会社Nycomed A/Sを買収すると発表した。
同社の株式保有者と株式譲渡契約を締結した。両社の取締役会において全会一致で承認されている。

買収額は株式価値+純負債ベースで96億ユーロ(1.1兆円)。
武田の既存事業と重複するため買収対象外の米国の皮膚科事業(
Nycomed US Inc.)の株式を除き、100%取得する。手元資金と借入(60007000億円)により現金で買収する。

規制当局の承認を得て、90120日の間に買収完了、子会社化する。

Nycomedの株主は下記の投資ファンド
 Nordic Capital  41.2%
  DLJ Merchant Banking 25.6%
  Coller International Partners 9.7%
  Avista Capital Partners 8.9%
  Others  14.6%

武田薬品の11年3月期の売上高は1兆4193億円で、世界の製薬業界での順位は16位。
医療用医薬品売上高の5割強を海外で得ているが、海外売上高の内訳では米欧が9割以上を占め、アジアなどの新興国は1割未満にとどまる。

Nycomed を傘下に収めることで武田薬品は世界の製薬12位に浮上するとともに、欧州を強化し、Nycomed強い新興国市場へ本格参入し、欧米の製薬大手を追撃する。

買収により、2015年の武田の地域別シェアは以下の通り変化する。

  2010 2015
日本 40% 35%
北米 42% 23%
欧州 15% 21%
アジア/新興国 3% 21%

ーーー

Nycomed A/Sの概要は以下の通り。

 ・欧州及び新興国におけるリーディングカンパニー

 ・事業構成:
   医療用医薬品
87% ブランド品を中心
   一般用医薬品
13% 新興国でニーズが高い

 ・地域別売上高

 ・最近の業績(百万ユーロ)

  201012月期 200912月期
売上高 3,170.6 3,228.0
粗利益 2,181.7 2,332.7
営業利益 三角44.2 288.0
当期純利益 三角229.1 232.7
調整後EBITDA 850.5 1,074.6

 企業結合会計上の在庫価値差異などを調整した後のEBITDA
 EBITDAearnings before interest, taxes, depreciation, and amortization

売上高の減少は主に、主力の抗潰瘍薬 pantoprazoleが各地で特許切れとなり、米国でジェネリック品が出現したことによる。粗利益減はそれによるpantoprazoleの値下がりの影響が大きい。

2011年予想は、新興国での成長がpantoprazoleの売り上げ減を上回るとみている。

武田では、買収のメリットを以下の通りとしている。

 1)同社の成長戦略への寄与
  ・欧州全域における事業基盤の強化

  ・医薬品市場の成長を牽引する新興国における事業拡大
     
2005-10年の世界の医薬品市場成長の約半分は新興国の成長による。
     
Nycomedは新興国(ロシア、中国、ブラジル、トルコ、メキシコ、他)で前年比約30%の成長を実現
     
2010年ベース新興国向け売上高:武田 178億円、Nycomed 1,248億円 →合計 1,426億円     

  ・欧州および新興国でNycomedのベースを利用した武田の製品・パイプラインの価値向上

  ・
Nycomedの重症慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬Daxas®をドライバーとした力強い成長
     
Daxasは明確な差別化が可能な経口投与薬で、先進国、新興国ともに高いポテンシャル。
     
FDAEMAで販売許可取得済みで、2011年には多くの新興国で承認取得の見込み。
     推定患者数は、米国2800万人、欧州2000万人、ロシア1300万人、中国4100万人、ブラジル1000万人。

 2)同社の業績に買収直後から貢献
  ・年間売上高を
30%強改善
  ・買収に伴う特殊要因除きの営業利益を
40%強改善
  ・買収に伴う特殊要因除きの
EPS30%強改善

 3)グローバルでかつ多様な人材が加わることによる企業文化の変革推進

ーーー

今回の武田薬品の1.1兆円の買収は、国内製薬会社による買収では過去最大で、日本企業全体でも上位3位に入る。

日本企業による買収 (日本経済新聞による) 

  買収対象 金額(億円) 時期
日本たばこ産業 ギャラハー(英) 22,530  2007
ソフトバンク ボーダフォン日本法人 19,172  2006
日本たばこ産業 RJRナビスコ米国外事業 9,424  1999
武田薬品工業 ミレニアム 8,998  2008
第一三共 ランバクシー 4,994  2008

ーーー

武田薬品の2010年度を初年度とする「10-12中期計画」では、「過去の成功体験と決別し、新たなタケダへ成長する変革期」と位置付け、さらなる発展に道筋をつけていくとしている。

経営方針の実現するための戦略のなかの「持続的な成長」に「進出地域の拡大」がある。

市場規模が大きな米国、欧州でのプレゼンス向上に引き続き取り組んでいくことに加え、グ ローバルにバランスのとれた売上・利益の地域ポートフォリオを実現するために、新興国を含め、今後、高い市場成長が見込まれる国や地域への進出を加速し、 2012年度までに当社グループの世界市場におけるカバー率約90%を目指していきます。

武田薬品の長谷川社長は以下の通り述べている。

先進国中心の現在の事業だけでは当面、売上高も利益も低下傾向が続く。
一方で新興国市場は急成長しているわけで、ここをギブアップすることは、企業として成長をあきらめる「敗北宣言」と同じだ。

 

IMSの予想によると、先進国の医薬品市場が3-5%の伸長に対し、医薬品新興国は14-15%の伸長が期待されている。


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住友金属鉱山と住友商事は5月16日、カナダの中堅鉱山会社Quadra FNX Mining がチリに保有する大型銅・モリブデン鉱山案件のSierra Gorda 銅鉱山開発プロジェクトに参画すると発表した。

両社は、チリに持株比率7030 の合弁会社を設立し、Quadra 社の100%子会社でプロジェクト権益を保有するMinera Quadra Chileに開発資金拠出分を含め約724 百万米ドルを出資し、同社株式の45%を取得する。

本プロジェクトの可採鉱量は約13 億トン、埋蔵銅量約500 万トンで2014 年の生産開始をめざしており、マインライフ(操業期間)20 年間平均で年産73 万トンの銅精鉱(銅地金換算22 万トン)と年産2 2 千トンのモリブデン精鉱などを生産する。

両社は生産量の50%(銅地金換算年11 万トン)の引取権を有する。これは日本の銅精鉱総輸入量の約9%に相当する。

本プロジェクトの開発の初期投資額は約29 億米ドルであり、その一部は国際協力銀行を中心とするプロジェクトファイナンスでまかなう計画で、残りは両社およびQuadraが出資または融資により応分に負担する。

アントファガスタ市の北東140km
生産される銅精鉱は山元から既存の鉄道を使ってメヒジョネス港まで運搬し、そこから船積みする。
 

ーーー

住友金属鉱山は、2009 年中期経営計画において資源事業を成長戦略の柱と位置づけ、資源権益の獲得に取り組んでいる。
銅については権益シェア分生産量
30 万トン/年をめざしている。

   参考  ニッケル

     タガニートプロジェクトは 
        2009/8/22 
住友金属鉱山、比最大手ニッケル鉱山会社の株式を取得


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BP520日、メキシコ湾原油流出事故の損失負担で三井石油開発(及び子会社MOEX USA とその子会社で事業参加者のMOEX Offshore 2007 LLC )との間で合意に達したと発表した。

三井石油開発は
BPに対し、106500万ドルを支払う。

三井石油開発の出資は
10%で、これまで累計で約21.44億ドルの請求を受けていた。
2011228日時点で185600万ドル)

三井石油開発はは当該鉱区の全権益をBPに譲渡、また本事故に関与する当事者に対する請求権をBPに譲渡する。

今後発生する本事故関連費用について、BPは三井石油開発に対して請求を行なわない。
また、三井石油開発に対する第三者の請求の大部分は
BPが全額補償する。

水質浄化法に基づく米当局からの制裁金や州の環境法に基づく制裁金など(civil, criminal or administrative fines and penalties, claims for punitive damages, and certain other claims) は和解の対象外で、今後負担が生じる可能性がある。

両社は互いの訴訟を取り消すことでも合意した。

なお、25%の株主のAnadarkoも支払いを拒否し、New Orleansの連邦判事に対して、BPがパートナーシップ契約に違反しているとして、原油流出事故による損害や復旧費用の負担の責任がないことを確認するよう求めているが、BPとの話し合いに応じるとしている。


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東京電力 決算発表

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東京電力は5月20日、2011年3月期決算を発表した。
最終損益は1兆2473億円の赤字だった。

単位:百万円、配当 円
  売上高 営業損益 経常損益 特別損失 法人税等 当期損益 配当
中間 期末
2010/3  5,016,257 284,443 204,340 0   -86,741   133,775 30 30
2011/3 5,368,536 399,624 317,696  -1,077,685 -478,445 -1,247,348 30 0
増減 352,279 115,181 113,356 -1,077,685 -391,704 -1,381,123    
2012/3 未定 0 0
         2011/3の法人税等には、繰延税金資産取り崩しを含む。
               (2010年12月末時点で約4800億円)
 
 
株主資本(2011/3月末)  単位:百万円
資本金 900,975
資本剰余金 243,653
利益剰余金  前期末残高  1,831,487
 配当支出 -81,002
 当期純損益 -1,247,348
 その他 5
 当期末残高 494,054
   
   
特別損失内訳  単位:百万円
原子炉等の冷却、放射性物質飛散防止等の安全性確保等   426,298
福島第一原発14号機廃止   原発 減損損失 101,692
原発 解体費用 45,842
核燃料損失 44,855
核燃料処理費用 14,627
合計 207,017
福島第一原発56号機、福島第二原発の冷温停止状態維持費用 211,825
福島第一原発 78号機 増設中止損失 39,360
火力発電所復旧等の費用 49,724
その他 86,270
(災害特別損失合計) (1,020,496)
資産除去債務会計基準の適用 57,189
特別損失合計 1,077,685

 * 東京電力は5月20日、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止および、同7・8号機増設計画の中止を決定した。
 *
損害賠償については含まず
    参考 2011/5/16 
福島原発損害賠償の政府支援の枠組み

 

発電所名電力会社立地能力(万KW)
稼働中 定期検査
 停止中
震災で
 停止中
廃炉   建設中   計画
福島第一 東京電力 福島県双葉郡
大熊町・双葉町
  ④78.4
⑤78.4
⑥110
①46.0
②78.4
③78.4
    ⑦138
⑧138
福島第二東京電力 福島県双葉郡富岡町     ①110
②110
③110
④110
     

  

同社は合わせて、経営合理化方針を発表した。

資産売却  6,000億円以上 不動産  ・厚生施設全廃
      ・事務所建物・PR施設等の売却検討
有価証券
国内外の各事業(電気事業遂行に必要不可欠なものを除き原則売却・撤退
投資・費用削減 2011年度
 5,000億円以上
投資  電気事業遂行に必要不可欠なものを除き実施しない。
費用  あらゆる費用を徹底的に抑制
     ・修繕費 安定供給・公衆安全確保範囲での最大限
       (償却費減と合わせ1,800億円程度)
     ・人件費 役員報酬返上・減額、社員賃金・賞与減額
       (540億円程度)
     ・燃料費等の削減(1,000億円程度)
組織・グループ体制・
人員のスリム化
  (原子力事故の収束などの対応に必要な人員をグループで約5000人確保)

また、2010年9月に決議した公募増資及び第三者割当増資に係る調達額 4,468億円については、当初、低炭素化投資や成長事業投資を計画していたが、これを見直し、増資による調達資金の残額については、当面の電気事業の遂行に必要な設備資金に充当するものとした。

 


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韓国の公正取引委員会は5月17日、独禁法違反行為を届け出た場合の懸賞金の引き上げを発表した。
懸賞金は最高で20億ウォン(約1億5000万円)となる。

公取委の関係者は「談合や不当支援行為は企業の役員・社員でなければ情報を得るのは難しい。そのため内部からの情報提供がしやすいよう、懸賞金の支給限度額を高くした」と説明している。

懸賞金の限度額は以下の通り。

  現状限度額 改正限度額
談合 10億ウォン .  20億ウォン
不当支援行為 1億ウォン 10億ウォン
社員販売行為  3千万ウォン 1億ウォン

懸賞金は届出による調査で企業に課せられた課徴金の額と、届出人が提示した証拠の重要度で決まる。

課徴金 懸賞金
5億ウォン以下 .  10%
5~50億ウォン 5%
50億ウォン超 1%
 x
証拠 .  懸賞金
最上 100%
80%
50%
30%

例えば談合の場合、
最高クラスの決定的証拠を提示し、その結果、企業が2000億ウォンの課徴金を払うこととなった場合、
20億ウォンの最高限度の懸賞金を受け取る。

  2000億ウォン x 1% x 100%=20億ウォン=談合限度額

ーーー

不当支援行為は大財閥の規制のために1996年に規定されたもので、日本にはない。

不当支援行為(法23条1号)
事業者は不当に特殊関係人または他の会社に対して仮支給金(仮支払金)・貸与金・人力(労力)・不動産・有価証券・無体財産権等を提供するか、もしくは著しく有利な条件で取引することによって
特殊関係人または他の会社を支援する行為をしてはならない。

社員販売行為は、役員・社員に対して不当に自社製品の販売を強要する行為

旭化成

ケミカルズ、住宅が好調で、増収増益となった。
2008/3月期比でも、ほぼ同じ損益水準となった。

特別損失にアンモニア、ベンゼンの生産停止に伴う費用等を事業構造改善費用として100億円計上した。
(2008/3は13億円、2009/3は50億円、2010/3は100億円)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3   16,968  1,277 1,205 699 6 7
2009/3 15,531 350 325 47 7 3
2010/3 14,336 576 564 253 5 5
2011/3 15,984 1,229 1,182 603 5 6
前年比 1,648 653 619 350 0 1
2008/3比) (-984) (-47) (-22) (-97) (-1) (-1)
2012/3 17,240 1,200 1,225 690 6 7

 

営業損益対比(億円)
  08/3(A) 09/3 10/3(B) 11/3(C) (A)(C)
増減
(B)(C)
増減
差異内訳
数量差 売値差 コスト差等
ケミカルズ 652    -65 261   644 -8 383 87 546 -251
住宅 214 219 253 365 151 111 42 69 0
医薬・医療 127 120 40 70 -56 30 52 -60 39
繊維 72 -15 -28 42 -30 70 33 -2 39
エレクトロニクス 222 73 72 143 -80 70 182 -186 74
建材 28 17 12 21 -7 9 6 -11 13
その他 52 56 18 17 -34 -1 1 0 -2
全社 -90 -55 -53 -72 18 -19 - - -19
合計 1,277 350 576 1,229 -47 653 404 357 -107

ーーー

東ソー

前年比では大幅な増収増益だが、2008/3月期の損益レベルには未達。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 8,274 591 525 252 4 4
2009/3 7,335 -203 -211 -253 4 2
2010/3 6,287 130 101 69 3 3
2011/3 6,844 335 298 100 3 3
前年比 557 205 197 31 0 0
2008/3比) (-1,430) (-256) (-226) (-152) (-1) (-1)
2012/3 8,000 460 440 230 3 3

 

営業損益対比(億円)     セグメント変更
  2008/3 2009/3 2010/3   2010/3 2011/3 差異
石油化学 150 -48 79   石油化学 79 104 25
基礎原料 27 -175 7   クロルアルカリ -143 -35 108
機能商品 380 -9 15   機能商品 148 203 55
サービス 34 28 29   エンジニアリング 20 36 16
          その他 26 27 1
合計 591 -203 130   合計 130 335 205

セグメント組み換えで、基礎原料(塩ビ関係、セメント、無機有機など)とウレタン原料をクロル・アルカリとした。
組み換え前後の対比から、2010/3についてはウレタンの赤字が大きいことが分かる。

(三井化学でもウレタンは赤字となっている)

 


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EU514日、中国製の微塗工紙(Coated fine paper)に対し、ダンピング課税及び補助金相殺課税を行うと発表した。

欧州印刷用紙メーカー連合(CEPIFINE)の申請を受けて、2010218日に反ダンピング調査を実施することを決定、その後417日に反補助金調査も開始していた。

中国政府がWTOルールで禁止されている低金利のローン、市価以下での土地供給、税優遇措置を供与しているというのが相殺課税の理由。
また、メーカーが
EUでダンピングをしていることも明らかになったとしている。

相殺関税は412%、ダンピング税は835.1%となっている。中国製品に対する最初の相殺関税となる。

EUの印刷企業は、この決定は中国からのコート紙のコスト上昇をもたらすことから反対している。
ヨーロッパ国際政治経済研究センターでは「
EUのやり方は法的根拠がない。中国のコート紙のEU市場におけるシェアは4%ほどで、EUの関連産業に損害を与えることはない」と指摘している。

中国商務部はこれに対して強い不満と断固たる反対を表明した。
また中国側は
EUの今回の最終決定について詳細な検討と評価を行い、法律に基づいて相応の措置を取る権利を保留して、中国企業の合法的な権利を保護すると指摘した。

中国商務部は516日、公告19号を出し、EU原産のポテトスターチに対する反補助金調査でクロの仮決定を下したと発表した。

EU原産のポテトスターチについては、中国は20072月にダンピング課税を行い、20104月に業界からの適用期間延長申請を受けて再調査を開始した。更に20108月に反補助金調査を開始した。

ダンピングについては本年418日にクロの最終決定を行ったが、今回、合わせて反補助金でもクロの仮決定を行ったもの。
反補助金調査の結果発表は、
EUの発表を受けて、当初予定を早めて行ったと見られている。

ダンピング税率は12.656.7%、相殺関税は7.7011.19%となっている。

ーーー

これらの措置は微妙なタイミングで行われた。

EUHerman Van Rompuy大統領は丁度、初の中国訪問中で、516日には北京の人民大会堂で中国の胡錦濤国家主席と会談した。

中国はギリシャ、ポルトガルのほかスペインなど経済危機にある国の国債を購入しており、大統領は「欧州の経済回復に大きな貢献をした」と謝意を伝えた。
中国はユーロ圏の周辺国国債を買い増す用意があることを示唆している。

大統領は声明で「EU経済は順調に回復しており、マクロ経済のファンダメンタルズは全般的に堅調であり、またユーロは世界の投資家が引き続き信頼できる強い通貨だと胡主席に伝えた」と述べた。

一方、胡主席は、EU域内企業の中国への一層の進出やハイテク製品輸出を促すとともに、EUが中国を市場経済国と認定するよう求めた。
「EUが積極的な政策を実施し、対中ハイテク製品の輸出を拡大し、中国市場の経済的地位を認め、中国企業がEU諸国で投資し、経営するチャンスを手に入れられるような環境をつくるよう求める。中欧の経済・貿易協力が新たなステップへと絶えず進展させていけるよう努めたい」と述べた。

市場経済国については 2006/2/27 EU、中国・ベトナムの革靴に反ダンピング税


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住友化学

前年比では大幅な増収増益だが、2008/3月期の損益レベルには達していない。
(最高益の2007/3月期の営業損益は 1,396億円)

単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 18,965 1,024 928 631 6.0 6.0
2009/3 17,882 21 -326 -592 6.0 3.0
2010/3 16,209 515 350 147 0.0 6.0
2011/3 19,824 880 841 244 3.0 6.0
前年比 3,615 365 491 97 3.0 0.0
2008/3比) (859) (-144) (-87) (-386) (-3.0) (0.0)
2012/3 21,200 800 870 500 6.0 6.0

当初の当期損益予想では、20%出資し豪州農薬メーカー Nufarmの時価が大きく下落したため、のれん相当額を一時償却して特別損失287億円を計上し、25億円の利益としていた。本年に入り、同社の株価が回復したため、評価損を取り消した。

なお、営業外損益に含まれる持分法損益は前年度が70億円の赤字であったが、当期は108億円の利益となり、178億円の損益改善となった。

税引前損益は757億円となったが、繰延税金資産を191億円取り崩して税金に加えたこともあり、税引後は409億円となった。
これから少数株主持分164億円を差し引き、当期損益244億円となった。

なお、2012/3月期で同社及び一部の連結子会社で減価償却方法を定率法から定額法へ変更する予定で、営業利益予想にはこれによる利益250億円が含まれている。

営業損益対比(億円)              全社費用を配賦せず
2008/3 2009/3 2010/3 2010/3 2011/3 増減
基礎化学 106 -153 -27 13 213 200
石油化学 45 -303 -53 -2 111 113
精密化学 114 16 15 36 1 -35
情報電子化学 63 -10 33 63 261 198
農業化学 209 244 259 293 224 -69
医薬品 465 324 293 299 269 -30
その他 37 -79 -5 67 58 -9
全社 -15 -17 -2 -254 -258 -4
合計 1,024 21 515 515 880 365

  区分そのものはほとんど変わらないが、全社費用(主に全社共通研究費)を配賦せず、「全社」に入れた。

2008/3月期対比では基礎、石化の増益は全社費用配賦の影響がかなり大きい。
情報電子化学は実質的にも大増益。
医薬品については下記参照。

大日本住友製薬の実績は以下の通り。

単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
特許権等
償却費
同左
算入前
算入後 中間 期末
2010/3 2,963 -105 461 356 338 210 9 9
2011/3 3,795 -347 657 310 286 168 9 9
前年比 833 -242 195 -47 -52 -42 0 0
2012/3 3,620 -297 467 170 155 85 9 9

2009年10月に米Sepracor を買収した。(その後 Sunovion Pharmaceuticals と改称)
買収に伴い、特許権(1,197百万ドル)は品目ごとに償却、ノレン(914百万ドル)は20年償却とした。

Sunovion Pharmaceuticalsの当期の業績は、上記の償却費を除くと、営業利益で230億円の益となっている。

2011/3月期には武田薬品との間で締結した非定型抗精神病薬の欧州での開発・販売提携に関する契約に基づく契約一時金100億円を売上高、利益に計上している。

ーーー

三井化学

同様に、前年比では大幅な増収増益だが、2008/3月期の損益レベルには未達。

特別利益に退職給付引当金戻入額 146億円がある。
2010年4月に退職金・年金給付水準の見直しを行い、給付利率の変更等を実施した。

単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 17,867 772 661 248 6 6
2009/3 14,876 -455 -508 -952 6 3
2010/3 12,077 -95 -131 -280 0 3
2011/3 13,917 405 389 249 3 3
前年比 1,840 500 520 529 3 0
2008/3比) (-3,950) (-366) (-273) (0) (-3) (-3)
2012/3 15,500 450 430 210 3 3

営業損益対比(億円)         セグメント変更
2008/3 2009/3 2010/3 2010/3 2011/3 増減 差異内訳
数量差 交易条件 固定費他
基礎化学品 335 -320 -76 石化 -34 128 162 53 30 79
基礎化学品 -48 204 252 39 164 49
機能材料 359 -160 -76 ウレタン -21 -90 -69 22 -103 12
機能樹脂 -44 72 116 64 1 51
加工品 8 14 6 19 -12 -1
先端化学品 108 73 86 機能化学品 74 100 26 10 8 8
その他 34 1 11 その他 11 1 -10 0 0 0
全社 -63 -49 -40 全社 -41 -25 16 - - -
合計 772 -455 -95 合計 -95 405 500 207 88 205
            * 変更前後のセグメント区分(筆者編集)は、必ずしも対応していない。

石化、基礎化学品はほぼ2008/3月期の損益水準に戻った。
機能材料系統(ウレタン、機能材料、加工品など)が2008/3月期比で減益の理由と思われる。


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BP2011114日、ロシアのRosneftとの間でグローバルな戦略的提携で合意したと発表した。

Rosneft BPの株式5%を購入、見返りにBPRosneft株式 9.5%を購入する。
BPRosneftに発行する株式の価値は現在の株価で約78億ドルになる。)

両社はロシアの北極海大陸棚にある3つの鉱区を共同で開発する。

2011/1/17 BP、ロシアのRosneft と戦略的提携

この契約の有効期限はBPの要請で1か月延長され、2011516日となっていたが、問題点の決着がつかず、期限切れにより白紙となった。

経緯は以下の通り。

BPはロシアではAlfa Access Renova(AAR)との50/50JVTNK-BPを持っているが(付記 正しくは一般株主が5%で、BPAlfa Access Renova group 45%ずつ。)AARを構成する4人の新興財閥が127日、BPRosneftとの取引がTNK-BPを除外しているのは、BPTNK-BPの株主協定に違反するとしてロンドンの高等法院(High Court)に訴えた。

AARの株主

Alfa Group ロシアの新興財閥で、ロシア最大の金融産業コングロマリットのひとつ。
Mikhail Fridman German Khan 50%ずつ保有。
Access Industries ロシア生まれの Len Blavatnik が設立し所有する米国の投資会社で、Basellを買収した。
Renova Holding ロシアの長者番付では第5位のViktor Feliksovich Vekselberg SUALの大株主)のベンチャーキャピタル。

4人は、BPが株主契約に基づき、ロシアではTNK-BPを通して活動することを求めている。
Putin首相と腹心のIgor Sechin副首相がバックアップする取引への公然とした挑戦であるとして注目された。

21日、裁判所は調停での問題解決を命じた。BPは同日、調停にかけることを発表した。

調停委員会は201151日、下記の決定を下した。

  ・TNK-BPRosneft の同意を前提に、北極海開発に参加する。
  ・これを条件に、
BPRosneftの株交換を認める。
    但し、株交換は投資目的に限られ、議決権は独立の受託者に供託、双方は役員を派遣しない。

これに対しRosneft TNK-BPの北極大陸棚での事業参加には難色を示した。
このため、
AARが保有するTNK-BP株のBPRosneft による買い取りを軸に和解交渉が進められた。

報道によると、BPは買い取り価格を当初の200億ドル台後半から320億ドルにまで歩み寄ったが、AARはこれを拒否した。

この結果、時間切れでBPRosneftの契約は白紙となった。

ーーー

BPAAR517日、今後もTNK-BPの成功のため、努力を強めるとの声明を発表した。

両社とも
Rosneftとの話し合いを続けることが重要との認識を示した。

しかし、RosneftBPの代わりにShellExxonと話をしていると述べたとの報道もある。

 


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世界最大の酸化チタンメーカーのDuPont511日、需要増大に対応し、年産35万トンの増設計画を発表した。

1)メキシコのAltamira工場に5億ドルを投じて、年産20万トンのプラントを新設、2014年末の完成を目指す。

2)既存の下記 5工場の手直しで、3年間で年産15万トンの能力増を達成する。
    
ミシシッピー州DeLisle、テネシー州 New Johnsonville、デラウェア州 Edge Moor
    メキシコ Altamira台湾 観音(Kuan Yin
    (これらは全て、塩素法を採用。同社はまた、フロリダ州Starkeで鉱山を運営している。)

DuPont 200511月に山東省東営市の経済開発地区で当初能力年産20万トンの酸化チタンを生産することで地方政府と合意書を締結した。この計画は環境問題で難航しているが、引き続き、推進する。

2010/7/9 ChemChina、山東省で酸化チタン生産開始 

これが完成すれば、55万トンの増強となる。
DuPontの現状の能力不明、ご存じの方がおられれば教えてください)   

付記
   
早速下記の情報をいただきました。

2007年時点で世界の需要が490万トンでその21%DuPontが供給しているとの記述があります。
およそ
100万トンの能力があると思います。

ーーー

世界の他の主要メーカーは以下の通り。

1)Huntsman Pigments7か国に工場、能力56万トン

ICIの酸化チタン事業はポリエステル事業と合わせDuPontへ売却する合意が一旦成立したが、酸化チタン事業については紐余曲折を経た後、19996月末にHuntsmanに売却された。

なお、下記 Tronox 参照

2)National Titanium Dioxide(サウジ):能力77万トン

中東/北アフリカでの唯一のメーカーで、サウジのYanbu Al-Sinaiyah 工場で1991年から生産しており、2002年に3万トン増強して10万トンになった。設計能力は18万トン。

20072月に、Lyondellから旧Millennium Inorganic Chemicalsの酸化チタン事業を負債込みで12億ドルで買収。
Millennium Inorganic Chemicalsは能力67万トンで、世界第2位の酸化チタンメーカー。
米国に2箇所(Ashtabula, OH と Baltimore, MD)、ブラジル(Camacari)、英国(Stallingborough)、フランス2箇所(LeHavre とThann)及び豪州2箇所(Australindに2つ)の工場。

2007/3/5 Lyondell、酸化チタン事業をサウジ社に売却

3)Kronos Worldwide, Inc.5か国6工場で能力53.2万トン、ノルウェーHaugeに鉱山

ノルウェー Fredrikstad、ドイツ Leverkusen、ドイツ Nordenham
ベルギー
Langerbrugge、カナダ Varennes
米ルイジアナ州
Lake Charles HuntsmanとのJVLouisiana Pigment Co.

4)Tronox, Inc.46.5万トン

ミシシッピー州Hamilton 22.5万トン
オランダ
Botlek 9万トン
豪州 
Kwinana 15万トン(最近、4万トン増設が完了した)
     
豪州はTronox と南アのExxaro Resources 50/50JVのTiwest

同社は2006年にKerr-McGee からスピンオフした。(Kerr-McGeeはその後、Anadarkoが買収)
その際に、Kerr-McGeeから環境汚染の復旧費用と訴訟費用などを引き継いだが、これが主因で20091月にChapter11を申請した。

20098月、HuntsmanTronox の主要資産の買収の"stalking horse" 契約を締結したと発表した。
   
2009/9/5 Huntsman、再生法適用の酸化チタンメーカーの資産買収 

しかし、同年末にTronox はこの契約を破棄した。
   
2009/12/25  Huntsman による酸化チタンメーカーTronox の資産買収 破談に

2011214日、Tronox Chapter 11 から離脱、既存事業を再建した。

 

 


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売上高は前期を下回ったが、営業損益、経常損益は増益となった。

特別損失として水俣病被害者救済一時金439億円を計上したため、当期損益は263億円の損失となった。

これにより、20113月末の未処理損失は1,299億円(前期末は1,034億円)となり、資本金78億円に対し、資本勘定の残高は1,083億円のマイナスとなった。

単位:億円
  売上高 営業損益 経常損益 特別損失 当期損益
2008/3 2,697 208 202 -50 108
2009/3 2,492 152 103 -55 30
2010/3 2,612 265 221 -47 105
2011/3 2,460 293 248 -507 -263
前年比 -152 28 27 -460 -368
2008/3比) (-237) (85) (46) (-457) (-371)
2012/3 2,450   250   未定
(JNC 同上) 2,450   254   240

特別損失の内訳は以下の通り(単位:百万円)

  2008/3 2009/3 2010/3 2011/3
水俣病被害者救済一時金
 (熊本県、鹿児島県分 一時金)
 (訴訟和解金)
      43,870
(34,599)
(9,271)
水俣病補償関係
 (うち補償金、残りは金利)
3,993
3,736
3,665
( 2,300)
3,658
( 2,232)
公害防止事業費負担金 824 775 640 543
災害損失       1,623
その他 156 994 415 972
4,974 5,505 4720 50,666

今後、引き続き一時金の支払いが見込まれるが、具体的な金額は不明。

参考 2010/9/9 水俣病未認定患者救済で、チッソへの貸し付けを閣議決定 

---

チッソは、環境大臣より2010年12月15日付で認可を受けた事業再編計画に基づき、2011年3月31日をもって、機能材料分野、化学品分野、加工品分野等において営む事業を完全子会社のJNCに譲渡した。

2011/1/12 チッソ、「事業再編計画」に基づく、新会社「JNC株式会社」を設立

今後はJNCが事業を行い、チッソはJNCからの配当で水俣病関連の費用を支払う。

2012/3月期の予想は以下の通り。

JNC
  (連結)売上高 2,450億円、 経常利益 254億円、 当期純利益 240億円
  (個別)売上高 1,450億円、 経常利益 165億円、 当期純利益 168億円

チッソ
  JNCからの受取配当収入  80億円
  水俣病関連支払額      未定

チッソは5月12日、新体制を発表した。

後藤舜吉会長→取締役最高顧問
岡田俊一社長→退任
森田美智男取締役→代表取締役社長

後藤会長の記者会見での応答。

ー チッソから事業譲渡された子会社JNC株の売却後、チッソが消滅する不安が患者にはある。

チッソは事業をやらないわけだから、水俣病問題が片付けば置いておく意味はない。
(JNC株の)上場後に消滅するというのではなく、上場後も水俣病問題が残っている場合もあるかもしれない。

ー 株を売った後の収益は限りがある。その後に新たな補償、救済が発生した場合はどう対応する?

ちょっとお答えできない。最善の対応をするとしか言えない。

社長に昇格する森田取締役は「胎児性患者や高齢化する患者のケア充実は国と熊本県と協議しており、しっかり対応する。水俣の経済発展もチッソの役割」と決意を語った。


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素材分野(ケミカルズ、ポリマーズ)と機能商品分野における需要の回復による増収増益で、営業損益は2,265億円に達した。
また、本年度から連結子会社となった三菱レイヨン(MMAなど)の貢献が大きい。

特別損失に災害損失 225億円を計上している。

なお、当期損益が2008/3月期比でマイナスとなっているが、これは2008/3月期に三菱ウェルファーマと田辺製薬の合併に伴う持分変動益1,181億円が入っているためで、実質ベースでは2008/3月期比でも大増益である。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 29,298 1,250 1,289 1,641 8.0 8.0
2009/3 29,090 82 -19 -672 8.0 4.0
2010/3 25,151 663 590 128 4.0 4.0
2011/3 31,668 2,265 2,239 836 5.0 5.0
前年比 6,517 1,602 1,649 707 1.0 1.0
2008/3比) (2,370) (1,014) (950) (-805) (-3.0) (-3.0)
2012/3 35,800 2,060 2,050 800 5.0 5.0

 

営業損益対比(億円)           一部セグメント変更
  2008/3 2009/3 2010/3 2010/3 2011/3  増減
ケミカルズ 109 -555 73   69 530  461
ポリマーズ 112 -130 -217   -225 550 775
エレクトロニクス
アプリケーションズ
316 48 71   -14 10 24
デザインド
マテリアルズ
97 -21 82   133 365 231
ヘルスケア 572 793 716   710 851 141
その他 141 88 62   62 45 -17
全社 -97 -141 -123   -73 -86 -13
合計 1,250 82 663   663 2,265 1,602

1) 上記営業損益のうち、ケミカルズとポリマーズの内訳は以下の通り。

  2010/3 2011/3   増減
ケミカルズ
 (基礎化学品)
 (炭素)
69
(-20)
(89)
530
(313)
(217)
 461
(333)
(128)
ポリマーズ
 (ポリオレフィンほか)
 (MMA、アクリル樹脂)
-225
(-225)

(-)
550
(182)
(368)
775
(407)
(368)

2) 従来、無機化学品はエレクトロニクス・マテリアルズに含まれたが、今回デザイント・゙マテリアルズに移した。

3) 三菱レイヨンが連結子会社となった。
    デザインド・マテリアルズ(化学繊維)、ポリマーズ(MMA、アクリル樹脂)、ケミカルズ、その他

4) 国内のケミカルズ、ポリマーズに属する連結会社(三菱レイヨンを除く)の有形固定資産の償却方法を従来の定率法から定額法に変更した。
  これにより、179億円の利益となっている。

5) ヘルスケアのうち、田辺三菱製薬の業績は以下の通り。

田辺三菱製薬
単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2010/3 4,047 615 616 303 14 14
2011/3 4,095 766 767 377 14 14
前年比 48 151 150 75 0 0
2012/3 4,030 630 630 355 14 14

三菱ケミカルは今回、営業損益と経常損益で信越化学に大きく差をつけた。
しかし、当期損益では信越化学の方が多い。

これは信越の連結子会社がほとんど100%子会社で、連結損益がそのまま信越の損益になるのに対し、三菱ケミカルの場合は、田辺三菱製薬など高収益の連結子会社が100%子会社でなく、少数株主の持分が多いため。
また、本年度は信越には過年度の税金の還付 107億円があった。

単位:億円
  三菱ケミカル 信越化学   差
営業損益 2,265 1,492  773
経常損益 2,239 1,603 636
特別損益 -543 -210 -333
(うち震災) (-225) (-210) (-14)
税引前損益 1,696 1,393 302
       
税金 470 486 -17
過年度税金還付 0 -107 107
税金合計 470 380 90
       
税引後損益 1,226 1,013 213
少数株主持分 390 12 378
当期損益 836 1,001 -165

 


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政府は5月13日、東電・福島原発事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組みを発表した。

東京電力から、原子力損害の賠償に関する法律に基づく公平かつ迅速な賠償を行う旨の表明があり、資金面での困難を理由として、政府による支援の要請があった。

原子力損害の賠償に関する法律(昭和36年6月17日法律第147号)
第三条 (無過失責任、責任の集中等) 
原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。
ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。

この要請に関し、政府は以下の実施を東電に確認した。

賠償総額に事前の上限を設けることなく、迅速かつ適切な賠償を確実に実施すること
   
東電・福島原発の状態の安定化に全力を尽くすとともに、従事する者の安全・生活環境を改善し、経済面にも十分配慮すること
   
電力の安定供給、設備等の安全性を確保するために必要な経費を確保すること
   
上記を除き、最大限の経営合理化と経費削減を行うこと
   
厳正な資産評価、徹底した経費の見直し等を行うため、政府が設ける第三者委員会の経営財務の実態の調査に応じるこ
   
全てのステークホルダーに協力を求め、とりわけ、金融機関から得られる協力の状況について政府に報告を行うこと

政府として、
①迅速かつ適切な損害賠償のための万全の措置、
②東電・福島原発の状態の安定化及び事故処理に関係する事業者等への悪影響の回避、
③国民生活に不可欠な電力の安定供給、
という三つを確保を念頭に、
政府と原子力事業者が共同して原子力政策を推進してきた社会的責務を認識しつつ、
原賠法の枠組みの下で、
国民負担の極小化を図ることを基本として東京電力に対する支援を行うこととした。

なお、一定期間後に検討を行い、必要な場合には追加的な措置を講ずる。

具体的な支援の枠組みは以下の通り。

原子力損害が発生した場合の損害賠償の支払等に対応する支援組織(機構)を設置
   

原子力事業者である電力会社に機構への参加を義務づける。
   参加者は機構に対し負担金を支払う義務
   負担金は、事業コストから支払を行う。
    (官房長官:一種の保険料で経費→電気料金算入も)
 

 

      付記 2011年9月に詳細が判明
     東電 2,379百万円、北海道 254百万円、東北 418百万円、中部 622百万円、北陸 236百万円、
     関西  1,229百万円、中国 331百万円、四国 254百万円、九州 660百万円、
     日本原子力発電 332百万円、Jパワー 168百万円、日本原燃 117百万円
     民間合計 7,000百万円

   
機構は、損害賠償のために資金援助(資金の交付、資本充実等)
   援助には上限を設けず(債務超過回避)
   
政府、機構は、原子力損害の被害者からの相談に応じる。
機構は、原子力事業者からの資産の買取りを行う等、円滑な賠償のために適切な役割を果たす。
   
政府は、機構に対し交付国債の交付、政府保証の付与等必要な援助を行う。

交付国債:
政府が現金を支払う代わりに発行し、交付する無利子の国債。
金額が見通せないときなどに活用され、受け取った側が資金が必要な時にその都度現金化できる。
発行時に全額予算計上する必要がないため、当面の国の財政悪化を防ぐことができる。

   
政府は、援助を行うに先立って原子力事業者からの申請を受け、必要な援助の内容、経営合理化等を判断し、一定期間、原子力事業者の経営合理化等について監督(認可等)をする。
   
原子力事業者は、機構から援助を受けた場合、毎年の事業収益等を踏まえて設定される特別負担金の支払を行う。
  (官房長官:
特別負担金は営業外で、電気料金の算定には入らない) 
   
機構は、原子力事業者からの負担金等をもって必要な国庫納付を行う。
   
原子力事業者が負担金の支払により電力の安定供給に支障が生じるなど例外的な場合には、政府が補助を行うことができる条項を設ける。

ーーーーー

この仕組みでは東電の株主は保護されるが、これに対する批判が多い。

JALの場合、会社更生法を申請。上場廃止で、100%減資(株主責任明確化)、金融機関債権も87.5%カットとなった。

河野太郎ブログ

次に株主の責任が問われて、株式は100%減資。このときに株主がかわいそうだとかいろいろ言うかもしれないが、感情論ではない。 株主の責任が問われずに、年金で慎ましく暮らしている方々の電気代をその分上げるなどというのは、資本主義を逸脱している。株式を買った人は、リスクもあわせて買っているのだ。
ここで株式を100%減資すれば、数兆円が浮いてくる。これをしなければ、その分、国民負担が増えるのだ。

ーーー

官房長官会見では、「野党から会社更生法を適用した方がよかったとの意見も出ているが」との質問に対し、以下の答え。
「会社更生法を適用した場合、被災者、被害者の皆さんの
損害賠償請求権が一般債権になる。特に、福島の原発事故の収拾に向けて協力頂いている協力企業の事故発生前から含めた様々な債権が大部分が一般債権になる。
つまり、ほとんど回収できない状況になる。
今回のスキームは、被災者の皆さんに賠償を支払う。 事故の収束に向けて協力頂いている協力企業が引き続き協力して頂けるようにする。このためのスキームだ。
(会社更生法では)別途の相当大仕掛けのスキームを組まないといけなくなる」

金融機関債権については、支援の条件として、以下を確認している。

全てのステークホルダーに協力を求め、とりわけ、金融機関から得られる協力の状況について政府に報告を行うこと

官房長官会見での質疑は以下の通り。

ー 地震前の東電の借入金について一切債権放棄なされない場合でも国民の理解を得られると思うか。

「まず331日だったと思うが、 --- 新たな追加融資がなされている。これについては、少し別に考えなければいけないだろう。そのことは、国民にも周知をしなければいけないだろう。
それから、3月11日以前からの融資については、
国民の理解の得られるかといったら、それは到底できない、得られることはないだろう

ー 公的資金注入が行われない可能性があるということか。

「私はそう思っている」

これについては金融機関の反発が大きい。

金融機関の東電向け融資は約4兆円。債権放棄をした場合、金融機関は東電への融資分を「不良債権」に区分し直す必要に迫られ、各行が引当金を増やすなど経営にも悪影響を及ぼす。

また、債権放棄は通常、破綻した企業向けに行われる。安易に債権放棄をすれば東電は破綻企業とみなされ、追加融資などが難しくなる。

なお、社債については電気事業法で優先弁済されることとなっている。

電気事業法
37条 一般電気事業者たる会社の社債権者は、その会社の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 

ーーー

河野太郎ブログには以下の提案がある。

東電を国有化し、東電ホールディングスの下で発電会社と送電会社に分け、発送電分離をしても問題はないことを世の中にみせてから、出口で株式売却する時に発電、送電を分離すればよい。株式売却益は、国民負担の返済に充てる。

細野豪志首相補佐官は5月10日の記者会見で
「政権として、今の電力会社の在り方がしかるべきなのか、これを守るという意思決定はしていない。さまざまな議論を通じ、いろいろなケースがあり得る」
と述べ、送電網の売却が今後、国内の電力供給の在り方を検討する際の選択肢の一つだとの認識を示した。

国内の送電網は、地域ごとに各電力会社がほぼ独占的に所有する形になっているのが現状で、これが、風力など再生可能エネルギーの大幅導入や、複数の発電企業が乗り入れる自由化された電力市場の形成を妨げているとの指摘が以前からある。

 


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中部電力、東京ガス、大阪ガスと石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は59日、三菱商事が20109月から参画しているカナダのCordova堆積盆地のシェールガスを中心とした天然ガス開発プロジェクトに参加すると発表した。

日本の電力・ガス会社とJOGMECのシェールガス事業への参画は初めて。
将来的には、シェールガスを液化天然ガス(
LNG)として、日本に輸入する可能性についても検討を進めるべく協議を行う予定。

また、本プロジェクトの開発資金の一部として、コンソーシアムは国際協力銀行(JBIC)と三菱東京UFJ銀行から総額 10億カナダドルの融資を受けることで合意した。

JOGMECの参加とこの協調融資により、より一層強固な官民一体の推進体制でプロジェクトを運営することになる。

このプロジェクトは、三菱商事がカナダの大手エネルギー会社Penn West Explorationからシェールガス資産の50%を取得し、共同で開発を進めてきたもの。

鉱区所在地   カナダ国 ブリティシュ・コロンビア州 コルドバ堆積盆地
埋蔵量   58兆立方フィート(LNG換算:約11.6億トン)
生産量   2014年 日量5億立方フィート
LNG換算:350万トン/年)

三菱商事持分(50%)は同社34%出資の米国のガスマーケティング会社CIMA Energyなどを通じて、すでに北米市場にて販売している。

2010/8/26 三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画 

プロジェクトのスキームの概要は以下の通りで、中部電力、東京ガス、大阪ガスはCorodva Gas Resourcesに、JOGMECShale Gas Investmentに参加、4社とも実質7.5%の出資となる。

 


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出光興産は510日、東証二部上場の農薬会社SDSバイオテックに対するTOBと資本業務提携を発表した。

SDSバイオテックを連結子会社とすることを目的とするもので、筆頭株主のMH キャピタルパートナーズⅡLPからは、所有全株(持株率 53.39%)についてTOBに応じるとの合意を得ている。
TOB価格は、普通株式1株につき960 円、新株予約権1個につき1円となっており、53.39%分は40億円となる。

TOBには上限を設定していないが、出光興産では上場廃止を企図したものではないことから、安定株主の取引先等12 社(持株率 27.22%)に対し、TOBに応募せず、継続して保有するよう要請した。

他の株主:  
 昭和電工  14.51
 大塚アグリテクノ 2.56
 みずほ銀行 2.11
 日本農薬 2.11
 フマキラー 2.11
 丸善薬品産業 2.11
 

TOBが成立した場合、出光とSDSは、相互の利益拡大及び企業価値向上を目的として、以下の業務提携を行う。
 (ⅰ)天然系農薬等大型新規剤の共同開発
 (ⅱ)出光アグリ向けの商品開発及び販売
 (ⅲ)アジアを中心とした世界市場への共同展開
 (ⅳ)
SDSの大型剤買収案件の出光による支援
 (ⅴ)出光の欧米を中心とした世界市場における生物農薬事業拡大に向けた
SDSによる支援

出光アグリは出光興産と東海物産が、両社の保有する農業・緑化資材、栽培資材・栽培施設などを共同で販売するため、出光60%、東海40%で201141日に設立した。

ーーー

SDSバイオテックは、1968年に昭和電工とDiamond ShamrockJVとして設立された昭和ダイヤモンド化学を前身とする。

1983年、昭和電工とDiamond Shamrock は農薬・動物薬事業における全世界での提携を発表した。
米国に50
/50JVのSDS Biotechを設立し、Diamond Shamrockの農薬・動物薬事業を引き継いだ。
昭和ダイヤモンド化学はSDSバイオテックと改称し、昭電から農薬事業を譲受けた

SDSShowa Denkoと、Diamond Shamrockから取った。)

その後、Diamond Shamrock は化学品部門の売却を余儀なくされたため、昭電は1985年にSDS Biotech 持株を売却し、SDSバイオテックを100%子会社にした。

SDS Biotechはその後、一時、石原産業が買収してISK Biosciences と改称したが、現在はSyngenta の1部門となっている。

日本のSDSバイオテックは、一時、昭電とSandoz(その後SandozとCiba Geigyの合併によりNovartis)の50/50JV となったが、1998年にNovartis が資本を引き上げ、昭電100%に戻った。

2005年に昭和電工はSDS バイオテックをMBOの手法で分離・独立させ、「みずほキャピタルパートナーズ」が運営するMH キャピタルパートナーズⅡLPが83.1%、昭和電工が14.9%とした。

2008年にジャスダック証券取引所、200912月に東京証券取引所第二部に上場した。

2006/12/12 SDS バイオテックとSDS Biotech

同社は、研究開発型の農薬原体メーカーとして、防除効果に優れ、安全性が高く環境に配慮した製品の開発を続け、現在では特に水稲除草剤、野菜・果樹向け汎用殺菌剤の分野に強みを有し、売上高の約3割は東南アジアを中心とした海外となっている。

ーーー

出光興産は2010年4月に、“長期ビジョン2015”と“第3次連結中期経営計画”を発表し、
①「基盤事業」における競争力強化・海外成長市場への事業拡大、
②「資源事業」における生産規模拡大・探鉱開発強化、
③「高機能材事業」における環境配慮型商品の開発強化・グローバル展開による事業拡大
の3つを基本戦略とした。

同社の「高機能材事業」の一つであるアグリバイオ事業の農業分野においては、微生物応用技術をコア技術として、各種生物農薬の開発、販売に注力している。

しかし、アグリバイオ事業の推進のためには、生物農薬のコア技術に加え、これを補完する化学農薬(特に除草剤)の品揃えも充実させていくことが必要であると考え、今回、SDSを子会社とすることとした。

同社では今後、生物農薬分野における世界のトップメーカーを目指して、アライアンスやM&Aにも取り組みながら、さらなるグローバル展開を図るとしている。

農業分野:微生物防除剤(殺虫剤、殺菌剤)/土壌改良材
       使用している微生物:VA菌、アゾ菌・根粒菌、納豆菌(バチルス菌)

緑化分野:環境・緑化関連資材(芝生用除草剤、液体微量要素複合肥料、フェロモン誘引剤など)


畜産分野:畜産関連資材

ヘルスケア分野:γ-リノレン酸(化粧品用)
           世界で唯一、微生物を用いた発酵法で生産

 


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後発医薬品(ジェネリック)メーカー最大手、イスラエルのTeva Pharmaceutical は5月2日、米Cephalon68億ドルで買収することで合意したと発表した。
2011年第3四半期にも取引が完了する見込み。

Cephalonは1987年にバイオテクノロジー会社としてスタート、世界のトップ10のバイオ医薬品会社に成長した。

Cephalonに対しては329日にValeant Pharmaceuticals が約57億ドルでの非友好的買収を発表した。
Cephalon2010年の売上高は2,811百万ドル、Valeant1,181百万米ドルで、成功すれば小が大を呑むかたち。

Valeant Pharmaceuticals20109月にカナダのBiovail Corporation が米国に本拠を置くValeant Pharmaceuticals33億ドルで買収、統合し、社名をValeant Pharmaceuticalsと改称したもの。

これに対しCephalon45日、株主の利益に合わないとして、これを拒否し、株主には応じないよう推奨した。
提案価格は同社の価値を十分反映したものではないとした。

直後に、Teva Valeant の提案を上回る価格を提示し、Cephalonの取締役はこれを承認した。

Valeant 側はこれに対抗せず、買収提案を撤回した。

Tevaについては、2010年に米国のFDAが同社の売上高全体の21%を占める主力の多発性硬化症治療薬Copaxone について競合治療薬を承認したため、販売減少の懸念が広がっていた。

今回の買収により、売り上げの落ち込みを補完する。

Tevaは今回の買収のメリットとして、以下を挙げている。
・ 中枢神経系、癌、呼吸器系などの主分野を拡大し、疼痛管理などの新分野に進出
・ 販売面、
R&D面の強化
・ 利益増
Mephaを加えることにより、成長著しい新興諸国での活動を強化
 (
20102月にCephalonはスイスのジェネリック医薬会社Mepha AG を約590百万ドルで買収した。)

ーーー

Teva Pharmaceutical は後発薬国内3位の大洋薬品工業の買収に向けて交渉していると報道された。

関係者によると、Tevaは大洋の創業家などから同社株の過半数を取得して経営権を握る意向を示しており、買収金額は、数百億円規模で交渉している模様(日経は400億円前後としている)。

大洋薬品工業は1930年に高山市に中野天栄堂として創業、1949年に中野薬品工業と改組、1972年に大洋グループの一員となり、大洋薬品工業と改称した。

豊富な品ぞろえに加え、新薬の受託生産も行うことで急成長してきた。
2010年3月期の売上高は469億円、営業利益59億円、当期利益26億円。

昨年、調合ミスにより承認規格外の製品を製造、出荷したことで、岐阜県から薬事法に基づき9日間の業務停止命令を受け、混乱の責任をとって社長が交代した。
信用力の回復と規模拡大に向け、資本提携先を探している。
 

付記

Teva516日、大洋薬品の創業家などから株式の57%460百万ドルで取得する契約を締結したと発表した。更に残る株式全部について買収するオファを行う。

Tevaは2005年に日本法人を設立し、2008年には中堅製薬会社の興和と後発薬の合弁会社の興和テバを設立している。
     2008/9/26 
ジェネリック医薬品の世界最大手、日本進出

Tevaは生産では大洋、販売は興和テバを中心にする戦略とみられる。
大洋、興和テバを含めると、Tevaグループの後発薬の売上高は日医工を上回り国内首位となる見通し。

ジェネリック医薬品メーカーの売上高
  日医工 643億円 (2010/11)
  沢井製薬 500億円 (2010/3)
  大洋薬品 469億円 (2010/3)
  東和薬品 390億円 (2010/3)

国内の後発薬市場は約8000億円。医薬品全体に占める後発薬の比率は数量ベースで2割程度で、5割以上の欧米に比べ普及が遅れている。

ジェネリック医薬品のシェア(2011/4/25 日本ジェネリック製薬協会発表)      

2009年度 2010年度3Q
出荷数量 20.3% 23.1%
薬価ベース金額 8.5% 9.4%

厚生労働省は患者負担の軽減や医療費抑制を目的として普及を推進しており、今後、需要が増えることが予想される。

このため、有力企業が相次ぎ参入し、競争が激化している。また、海外のジェネリック医薬品メーカーも多数進出している。
      2010/3/5  
日本のジェネリック市場の動き 

Sanofi Aventis 20105月、日本でジェネリック医薬品事業を展開するため、後発薬最大手の日医工に4.66%出資するとともに、Sanofi 51%、日医工49%出資で日医工サノフィ・アベンティスを設立することを発表した。

世界のgeneric医薬品メーカー大手は以下の通り。医薬品大手が含まれている。
シェアは日経推計 (2011/5/3)

企業 備考 シェア
 
(%)
日本の活動
Teva Pharmaceutical イスラエル 米国 Barr Pharmaceuticals を買収
ドイツRatiopharm買収
12.0 興和テバ
Sandoz ドイツ Novartis generic 部門 6.3 サンド
Mylan アメリカ ドイツMerck generic部門買収
インド
Matrix Laboratories を買収
4.0 マイラン製薬
Watson Pharmaceuticals アメリカ Andrx を買収 1.7
Greenstone アメリカ Pfizergeneric 部門 ファイザー
Apotex カナダ
Stada Arzneimittel ドイツ
Winthrop 英国 Sanofi-Aventis generic 部門
Bayer ドイツ
Actavis Group アイスランド Amide Pharmaceutical を買収
Alpharmaを買収
(AlpharmaCoxを含む
Hoechstgeneric部門を買収)
あすかActavis製薬
Dr. Reddy's Laboratories インド
Ranbaxy Laboratories インド 第一三共が買収
Sanofi Aventis フランス 日医工サノフィ・アベンティス


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中国の国家発展改革委員会(NDRC)は4月25日、新しい「産業構造改革ガイドライン2011」(産業結構調整指導目録2011)を発表した。本年6月から適用される。

(中国語) http://big5.gov.cn/gate/big5/www.gov.cn/gzdt/att/att/site1/20110426/001e3741a2cc0f20bacd01.pdf

ガイドラインには、「推進」、「制限」、「廃止」の3つのカテゴリーがあり、2005年のガイドラインを見直した。
産業構造を改革し、省エネと排出物削減の達成を狙う。
小規模プラントを段階的に廃止し、エネルギーと資源の効率的な使用を図る。

「制限」の場合、新設の承認を得るのは難しいと思われる。
「廃止」は既存設備の順次停止、廃止。

石油化学分野の内容は以下の通り。

  ガイドライン2011
品目 対象能力
推進   Syngas to MEG 年産20万トン以上 技術開発要
直接酸化法PO    15万トン以上 技術開発要
併産法PO    20万トン以上 技術開発要
イオン交換法ビスフェノールA    10万トン以上 技術開発要
ホスゲン不使用のPC     6万トン以上  
制限 製油所 年産1000万トン未満 2005年は800万トン未満
接触分解装置    150万トン未満 2005年は50万トン未満
エチレン(ナフサクラッカー)    80万トン未満  
アクリロニトリル    13万トン未満 2005年ンは10万トン未満
PTA    100万トン未満 2005年は22.5万トン未満
MEG    20万トン未満  
SM    20万トン未満 オフガス原料のエチルベンゼンは除く
酢酸    30万トン未満  
メタノール    100万トン未満 自家使用目的は除く
PE    10万トン未満  
PP    7万トン未満  
アセチレン法PVC   全ての新規計画
エチレン法PVC    30万トン未満  
PS    10万トン未満  
ABS    20万トン未満 連続塊状重合プロセスを除く
廃止 製油所 年産200万トン未満 2005年は100万トン


ーーー


新しい「産業構造改革ガイドライン
2011」(産業結構調整指導目録2011)の「制限」される品目にアセチレン法PVC(全ての新規計画)が入っているのが注目される。「制限」品目は、今後の新設の承認を得るのが極めて難しいと思われる。

アセチレン法では、生石灰とコークスからカーバイドを製造し、カーバイドからアセチレンを製造し、アセチレンと塩酸を反応させ、VCMを製造する。
アセチレンと塩酸の反応過程で塩化水銀を触媒として使用する。

中国政府は水銀法電解は禁止したが、同じく水銀を使用するアセチレン法塩ビはこれまで禁止していない。
これは、中国が大量に輸入をせざるを得ない石油を原料とする(エチレン法)のではなく、中国に大量にある石灰石と石炭(コークス)を原料としたいためである。

中国工業情報化部
(MIIT)によると、2009年末時点で中国に104PVCメーカーがあり、能力合計は1481万トン、うち、カーバイド法メーカーは94で、能力全体の76.5%を占める。カーバイド法の生産量は580万トンで、生産量合計の63.4%を占める。

国連環境計画(
UNEP)によると、2005年ベースの中国のカーバイド法VCMでの水銀使用量は700800トンにものぼる。
(中国全体の水銀使用量は
14251845トン、中国を除く東アジア、東南アジア全体の水銀使用量は452608トン)

中国では水銀による事故が多発しており、工業情報化部は、
UNEPの動きも踏まえ、2010531日付で通達261号「カーバイド法塩ビ業界水銀汚染総合防止管理通達」を出した。
水銀による事故防止対策が目的だが、今後、水銀条約の発効により水銀の輸入が出来なくなることへの対策も含んでいる。

カーバイド法PVC業界の水銀の管理を強化し、水銀汚染を防止するもので、
2012年までに低水銀触媒の使用を50%にし、塩化水銀の使用量を25%減らし、使用済み水銀触媒の回収をリーズナブルなレベルで行う塩酸深度脱吸技術普及率を50%以上とする
2015年までに低水銀触媒の使用を100%にして、使用量を50%減らし、使用済み水銀触媒を100%回収する
というもので、対策等を詳細に述べている。

2011/1/18 水銀条約とPVC

今回は初めて、アセチレン法PVCの新設の禁止を打ち出した。

しかし、既存のアセチレン法
PVCについては禁止の対象となっていない。
小規模で環境汚染の問題を抱える設備については今後、規制が行われると思われるが、大規模設備については今後も操業を認めると思われる。

また、ダウと神華集団が計画している大規模石炭化学計画では、石炭→メタノール→オレフィンを原料とする
PVC50万トンの新設を含んでいる。
アセチレン法が石炭ベースのエチレン法
PVCに代わる可能性もある。 

 


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中国の国家発展改革委員会(NDRC)56日、Unileverが値上げの情報をむやみに流して消費者の値上げ観測をあおったとして、同社に200万元(約2500万円)の罰金を科したと発表した。

NDRCは、Unileverが「原料のコストアップのため、洗剤や石鹸の値上げをせざるを得ない」という情報をメディアに流し、これが報道されたため、パニック買いが起こったと批判、消費者の間でインフレ懸念を増強し、市場秩序を著しく歪めたとしている。

不安に駆られた消費者が日用品の買いだめに走り、スーパーなどで日用品が売り切れる騒ぎに発展した。
Unileverの売り上げは、この報道の後、通常レベルの100倍にもなったとされる。

NDRCでは、Unileverのシャンプー、スキンケア、洗剤がそれぞれ国内市場で12%、12.6%、15.2%のシェアを占めるため、事前に値上げの話をするのは、業界全体の値上げにつながるとみたと述べている。

NDRCUnileverの行為が中国の価格法に違反すると判断し、このことは証拠で明らかであるとしている。

価格法での罰金の最高は300万元、悪質な場合は業務停止となる。
なお、
NDRCでは、値上げ共謀の場合は更に厳しく罰するが、Unileverの場合は共謀の証拠はないとしている。

Unileverは当初、洗剤や石鹸など主要製品を4月から515%値上げする方針だったが、当局の調査が入った時点で撤回した。

同社は、「今後も中国で仕事をしていく企業として、中国の事情をよく考えて行動する」と述べ、NDRCと上海物価局の決定を受け入れるとの声明を発表した。「中国の法と規則及び当社のグローバル事業原則を遵守する」 としている。

ーーー

中国の消費者物価指数は本年3月に前年比5.4%アップし、過去32か月で最大のアップとなった。

中国共産党は7月に90周年を祝うが、物価安定を最優先課題としている。

中国政府はインフレを抑えるのに必死になっており、今回の措置は中国政府の姿勢の現れである。

NDRCの価格部門は4月中旬に、農薬、医薬、繊維、台所用品など、24の業界団体を呼び、メンバー企業に対して、計画している値上げを遅らせたり、止めたりするよう求めることを命じた。

中国のインスタントラーメン市場の過半を制する食品メーカー康師傅(Tingyi)は、過度な値上げをしないよう警告を受けた。
シンガポールのアグリビジネス企業Wilmar International
や、スナックのメーカーの中国旺旺 (Want Want China)も値上げ中止を求められた。

中国の日用品市場はUnileverのほか、Procter Gambleと地場系2社の合計4社が全体の8割のシェアを握っており、各社とも4月からの値上げを計画していたが、当局はUnileverのみを厳罰に処した。
NDRCでは「悪い慣行を打破し、新ルールをつくるため、厳しい罰則を科した。他の企業もこれを教訓にしてほしい」としている。

今回の措置で、消費財メーカーの間では、中国ではコストアップを消費者に転嫁できないのではとの懸念が高まっている。
    


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味の素は4月26日、飼料用アミノ酸事業会社を発足させると発表した。

グローバルでダイナミックな環境の変化に対するセンスを高め、機動的な意思決定と効率的な事業運営体制を実現させ、競争体制の強化に注力する。

同社の飼料用アミノ酸事業は40年以上の歴史を持ち、主要製品のリジン、スレオニン、トリプトファンの製品分野では常にリーダーとして現在に至っている。
今後、長期的には飼料用アミノ酸に加えてより広く動物栄養の分野にも事業成長の機会を求める。

9月1日に新設する子会社は味の素アニマル・ニュ-トリション・グループ(Ajinomoto Animal Nutrition Group)。
11月1日をめどに、飼料用アミノ酸事業の一部と、味の素ハートランド社(米国)、味の素ユーロリジン社(フランス)の株式所有を通じた統括・管理に関する事業を譲り受ける。

生産拠点は以下の通り。  

      能力 (千トン)
リジン スレオニン トリプトファン
フランス 味の素ユーロリジン
AJINOMOTO EUROLYSINE S.A.S.
1974年設立 

 

125 35 2.8
イタリア 味の素ビオイタリア
AJINOMOTO BIOITALIA S.p.A.
1990年設立 30    
米国 味の素ハートランドLLC
Ajinomoto Heartland LLC
1984/10設立

 

50 20  
タイ タイ味の素
Ajinomoto Co., (Thailand) Ltd.
1960年設立
味の素 74.3%
50    
中国 川化味の素
Chuanhua Ajinomoto Co., Ltd.
川化集団とのJV
(味の素 70%)
32    
委託 内蒙古阜豊生物科技
    Inner Mongolia Fufeng Bio-technological
阜豊の飼料用アミノ酸・
 スレオニンの全量
     
ブラジル 味の素ビオラティーナ
Ajinomoto Biolatina Industria e Comercio Ltda.
1975年設立 125    

同社は最近の能力を発表しておらず、上記能力は若干古いもの。
2005年6月の発表では、2010年度までに、リジン50万トン(シェア35%強)、スレオニン14万トン(シェア70%強)、トリプトファン5千トン(シェア80%強)へ拡大する予定としている。

同社の本事業の取り組みは以下の通り。

飼料添加物リジンについては、1980年代後半には味の素、協和発酵、韓国のSewon3社が世界の生産の95%を占めていた。
Archer Daniels Midlandは原料のdextroseの大メーカーで、1991年にリジン生産に進出し、急激にシェアを伸ばした。
同年、韓国の
Cheil Jedang(第一精糖)も生産を開始した。
Sewon はその後、Miwon Foodsと合併し、Desang Corporationとなった)

各社によるカルテルについては 2010/1/12 映画 The Informant 参照

協和発酵(現協和発酵キリン)はその後、飼料用アミノ酸の製造設備を大幅に削減し、機能性食品や医薬品中間体など付加価値の高いアミノ酸事業を強化する方針に変更、グループ最大の製造拠点であるメキシコ子会社を2004に解散した。

協和発酵は2008年10月1日にキリンファーマは合併し、協和発酵キリンとなった。

協和発酵の協和発酵フーズはキリンホールディングス子会社のキリン協和フーズに、バイオケミカル事業は協和発酵キリン子会社の協和発酵バイオに、その他事業(アルコール群並びに含酸素系溶剤群、合成脂肪酸、高級アルコール、特殊ジオール、高機能性高分子材料など)は同じく協和発酵キリン子会社の協和発酵ケミカルとなった。

アミノ酸事業は協和発酵バイオに属する。

協和発酵ケミカルは2011年3月31日に日本産業パートナーズに売却され、協和発酵キリングループから独立した。
  2010/10/27 
協和発酵キリン、子会社の協和発酵ケミカル売却で合意


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菅直人首相は5月6日、中部電力の浜岡原子力発電所について、定期検査中の3号機のほか現在稼働中の4、5号機も含めてすべての原子炉を停止するよう要請したと発表した。

期限は、津波対策などで中電が検討している「防波壁の設置など中長期の対策が完成するまでの間」とした。

浜岡原子力発電所
  運転開始  万kw 現状
1号機 1976 54  控訴審中に廃炉決定、2009/1運転停止
2号機 1978 84  同上
3号機 1987 110  定期検査で停止中
4号機 1993 113.7 運転中
5号機 2005 138  運転中

中部電力は今回の原発の被災状況を踏まえた浜岡原子力発電所の緊急安全対策について、経済産業大臣からの指示に基づきとりまとめ、4月20日、原子力安全・保安院へ報告書を提出した。
この中には砂丘と原子炉建屋の間に15メートルの防波壁を設置することが含まれている。(当初案は12メートル)
4月5日に地盤調査を開始、完成は2013年度中となっている。

 

 

付記(2012/1/2)

中部電は高さ18メートルの防波壁の建設などを柱とする約1000億円の対策工事に着手し、2012年末までに完成させる予定。

しかし、川勝平太・静岡県知事は、「福島第一原発事故で(浜岡原発と同じ)沸騰水型は危ないというのが日本人の共通認識になった」として、中部電の津波対策が完了しても再稼働を認めない方針を初めて明言した。

浜岡原発3、4号機が福島第一原発
と同じ沸騰水型軽水炉(BWR-5改良標準型)、5号機がその改良型(ABWR)であることを問題視し、「津波対策ができても再稼働の話にはならない。事故を繰り返さないためにはパラダイム(思考の枠組み)を変えるしかない」と述べた。

* 福島第一 1号機BWR-3、2-5号機BWR-4はいずれもMark-1(フラスコ型)、6号機BWR-5はMark-2(円錐型)

 


海江田万経済産業大臣は中部電力に対し、以下の要請を行った。

平成23年3月30日に貴社に対し緊急安全対策の実施を指示し、その実施状況に関する報告を受け、その内容を確認した結果、適切に措置されているものと評価します。
しかしながら、浜岡原子力発電所については、想定東海地震の震源域に近接して立地しており、文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性が87%と極めて切迫しているとされており、大規模な津波の襲来の可能性が高いことが懸念されることから、貴社の報告にある津波に対する防護対策及び海水ポンプの予備品の確保と空冷式非常用発電機等の設置についても確実に講ずることを求めます。
また、これらの対策が完了し、原子力安全・保安院の評価・確認を得るまでの間は浜岡原子力発電所の全ての号機について、運転を停止するよう求めます。

首相は記者会見では「浜岡原発で重大な事故が発生した場合、日本社会全体におよぶ甚大な影響を併せて考慮した結果だ」と強調した。
「先の震災とそれに伴う原子力事故に直面し、私自身、浜岡原発の安全性について様々な意見を聞いてきた。熟慮を重ねた上で内閣総理大臣として本日の決定をした」と語った。

中部電力は、「要請内容について迅速に検討いたします」とのコメントを出した。

同社の2011年度の供給計画(単位:万kw)では、

  計画 浜岡停止 停止後
供給力  3,000  -360  2,640
ピーク需要  2,560    2,560
予備電力   440      80

と浜岡停止で予備電力はほとんどなく、同社では
「極めて低い水準で、計画停電などの協力をお願いする可能性もある。東電に融通している電力供給にも影響が出る恐れがある」とする。
海江田経済産業相は、関西電力に対して中部電力に電力を融通するよう支援要請したことを明らかにした。

   

付記
    2011/5/11の河野太郎ブログは「中部電力の電力供給は足りないか」では、電力不足に疑問を呈している。
   
http://www.taro.org/2011/05/post-1003.php

ーーー

浜岡原発を抱える静岡県御前崎市の石原茂雄市長は、
「原発交付金に依存する自治体財政はどうなるのか、困惑を通り越してあっけに取られるばかりだ。菅首相は選挙目当てでこんな思い付きを言うのかと勘ぐってしまう。国策に従って原発を受け入れてきた自治体はどうなるのか。中部電力はどうするのか聞きたい」と怒りをあらわにした。

河野太郎衆院議員はブログで、「ようやく浜岡原発の停止を政府が要請した。残りの原発に関してもきちんとしたストレステストをすべきだ。そして自民党としても、今回の政府の要請を評価し、後押しをしなければならない」としている。

 

参考  2011/4/19 「浜岡原発を止めよ」
  2011/4/22 浜岡原発について
  2011/5/3 「再び、浜岡原発を問う」

なお、4月28日の「経済情勢に関する検討会合」で「浜岡原発は止めるべきだ」と発言したのは、原発プラント輸出の旗振り役であった仙石官房副長官であることが判明した。

ーーー

付記

中部電力は5月9日午後に開いた臨時取締役会で、菅直人首相の要請を受け入れ、浜岡原子力発電所の全炉を数日中に停止することを決めた。

水野明久社長の記者会見でのやりとりは以下の通り。

 ――浜岡4、5号機の停止はいつごろになるのか。
 「電力を融通している東日本、九州の電力会社と調整してから、1基ずつ止める。数日をメドに完了できる」

 ――いつごろ再開できると想定しているのか。
 「津波の安全対策は2、3年かかる。早期完了に全力を挙げたい」

 ――菅直人首相の要請を受諾した理由は。
 「原子力事業は地域や社会の信頼を得て初めて成り立つ。福島第一原発の事故を契機とする新たな不安を真摯に受け止め、安全を最優先に進める」

 ――株主代表訴訟へのリスクは。
 「安全対策を施した後、運転を再開することが、長い目でみれば利益になると判断した」

 ――電力は本当に確保できるのか。
 「計画停電を実施しないで済むよう、あらゆる手段をとる。お客様には一層の節電をお願いしたい」

 ――電気料金の値上げは考えているのか。
 「現時点では考えていない。迷惑をかけないようにしていく」

 ――コスト増はリストラで対応するのか。
 「経営の効率化は常に頭に置いており、再度見直して、最大限の努力を続ける。具体的にはこれから詰める」

 ――今期の業績は営業赤字になるのか。
 「赤字になる可能性は否定できない。影響額は最大限、抑制したい」

 ――震災後も浜岡原発の安全性に自信を見せていたが。
 「安全対策は適切に実施されており、海江田万里経済産業大臣の確認もとれている。今回の停止は、一層安心を頂くためのものだ」

ーーー

日本の原子力発電所の現況は下記の通りで、合計54基のうち、震災で停止中が11基、定期検査で停止中が21基あり、稼働中は22基に過ぎない。

   付記 その後、浜岡④、⑤が停止。美浜③、川内①が定期検査入り。
       更に夏までに、大飯④、高浜④が定期検査。

      付記 東電は福島第一①~④の廃炉と⑦⑧の中止を決定した。

発電所名 電力会社 立地 能力(万KW)
稼働中 定期検査
 停止中
震災で
 停止中
廃炉   建設中   計画
北海道電力 北海道古宇郡泊村 ②57.9   ①57.9
③91.2
       
東通 東北電力 青森県下北郡東通村   ①110       ②138.5
東京電力         ①138.5 ②138.5
女川 東北電力 宮城県牡鹿郡女川町     52.4
82.5
82.5
     
福島第一 東京電力 福島県双葉郡
大熊町・双葉町
  ④78.4
⑤78.4
⑥110
①46.0
②78.4
③78.4
    ⑦138
⑧138
福島第二 東京電力 福島県双葉郡富岡町     ①110
②110
③110
④110
     
東海 日本原子力発電 茨城県那珂郡東海村     110.0 ①16    
柏崎刈羽 東京電力 新潟県柏崎市 ①110
⑤110

⑥135.6
⑦135.6
②110
③110
④110
       
浜岡 中部電力 静岡県御前崎市 ④113.7
⑤138
③110   ①54
②84
  ⑥138
志賀 北陸電力 石川県羽咋郡志賀町   54
②135.8
       
敦賀 日本原子力発電 福井県敦賀市 ②116
①35.7       ③153.8
④153.8
美浜 関西電力 福井県三方郡美浜町 ②50
③82.6
①34        
大飯 関西電力 福井県大飯郡おおい町 ②117.5
④118.0
①117.5
③118.0
       
高浜 関西電力 福井県大飯郡高浜町 ②82.6
③87.0
④87.0
①82.6        
島根 中国電力 島根県松江市 ②82.0 ①46.0     ③137.3  
伊方 四国電力 愛媛県西宇和郡伊方町 ①56.6
②56.6
③89.0        
玄海 九州電力 佐賀県東松浦郡玄海町 ①55.9
④118.0
②55.9
③118.0
       
川内 九州電力 鹿児島県薩摩川内市 ①89.0
②89.0
        ③159
合計     22基 21基 11基      
他に
もんじゅ
(高速増殖炉)
日本原子力
研究開発機構
福井県敦賀市 28
停止中

注 日本原子力発電は日本最初の商用原子力発電所(東海村東海発電所)建設のため、9電力会社(80%)と電源開発(20%)の出資によって1957年に設立された。     


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中国の国勢調査結果

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2010年の国務院第6回全国国勢調査の結果が4月28日に発表された。

2010年11月1日0時に実施された。
新中国設立後これまでに、1953年、1964年、1982年、1990年、2000年の5回実施されている。

結果は下記の通りで、

・国の計画出産の基本的な政策が着実に実施され、人口の急増傾向が効果的に抑制された。
 (前回と比較し、人口の増加数が約5600万人少ない)
・世帯規模は縮小傾向が続く
・高齢化社会に
 (60歳以上の人口の割合が総人口の10%以上) 
・農村人口が急速に都市部に移住
・教育水準の向上
  義務教育
9年)の普及、高等教育の発展の取り組み、青壮年層における非識字者の撲滅の措置が効果

  今回結果 前回(2000年)結果
人口 13億3972万4852人
(前回比 7390万人増)
126582万人
(前回比
12990万人増)
人口年増加率 0.57% 1.07%
人口比率 男性 51.27%  
女性 48.73%
1世帯あたりの人口 3.10人 3.44
年齢別の人口
60歳以上 13.26% 10.33%
14歳以下 16.60% 22.89%
全国の都市部人口 6億6600万人
総人口比 49.68%

総人口比 36.22%
民族 漢民族 91.51% 91.59%
少数民族 8.49% 8.41%
地域別 東部地区 37.98% 35.57
中部地区 26.76% 27.84
西部地区 27.04% 28.15
東北地区 8.22% 8.44
教育 非識字率 4.08% 6.72%
大学卒業レベル 10万人あたり 8930人 3611人

 


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仏石油大手のTotal428日、米太陽電池大手のSunPowerと広範な戦略的関係を結ぶことで合意したと発表した。
Totalは友好的TOBSunPowerの発行済み株式の最大60%を取得する。
60%の場合の投資額は138000万ドルとなる。

更に、TotalSunPowerに対し5年間にわたり10億ドルの債務保証を行う。

SunPowerは今後も、現在の経営陣が経営を行い、上場を続けるが、取締役の過半はTotalが指名する。

SunPowerTotal は開発協力契約を締結し、太陽電池の開発を行う。

ーーー

Totalは、将来のエネルギーバランスでの再生可能エネルギーの重要性を考え、太陽エネルギー分野でのメジャープレイヤーになるという戦略をたて、1983年以来、子会社のTenesol Photovoltechを通して太陽エネルギー分野での活動を広げている。

Tenesol はフランスの太陽パネルメーカーでフランスと南アに拠点を持つ。
Totalとフランス電力公社子会社(EDF ENR)の50/50JVであるが、本年4月にTotalEDFの持分を買収することで合意している。(フランス国外の事業は従来通り50/50JV

Photovoltechは多結晶シリコン太陽電池メーカーで、2001年にベルギーに本部を置く国際研究機関のIMECInteruniversity Microelectronics Centre)からスピンオフして設立された。
Total50%、フランスの電力・ガス会社GDF SUEZ50%出資する。

このほか、Total米国の有機薄膜太陽電池モジュールメーカーのKonarka Technologiesやポリシリコンメーカー AE Polysiliconに出資している。

Total2年間にわたり、いろいろな案を評価した結果、人、技術、コストのロードマップ、垂直統合戦略、下流での足がかりなどの点からSunPowerをパートナーとして選んだとしている。

ーーー

SunPowerはStanford UniversityのDr. Richard Swansonが1970年代のオイル危機に際し、代替エネルギーの必要性について考えたのに始まる。
1985年に太陽電池開発のためエネルギー省などの補助金を得、ベンチャーキャピタルからの資金とともに、SunPowerを設立した。

1993年にホンダが豪州縦断のソーラーカーレースでSunPowerの太陽電池を採用して圧勝した。
NASAがこれに注目、世界最初の太陽電池飛行機プロジェクトに採用した。

同社は北米最初の商業用太陽光発電施設(200kw)をハワイに、その後、2004年にはドイツに10.1MWのBavaria Solarpark発電所を完成させている。

米エネルギー省は4月12日、SunPowerに12億ドルの融資保証を行うと発表した。
同社が計画しているカリフォルニア州南部San Luis Obispoでの太陽光発電プロジェクトCalifornia Valley Solar Ranch向けで、年内に建設を始め、2013年のフル稼働を目指している。

ーーー

日本でも昭和シェル石油やJX日鉱日石エネルギー(新日本石油)も太陽電池事業に注力している。

2009/5/29 昭和シェル石油、太陽電池事業 1600億円投資


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JSR

前期比では営業損益は倍増だが、2008/3までと比べると、利益はまだ回復していない。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 4,070 600 561 370 16 16
2009/3 3,525 303 311 140 16 16
2010/3 3,102 202 224 136 13 13
2011/3 3,407 391 426 276 16 16
前年比 305 189 202 139 3 3
(2008/3比) (-663) (-209) (-135) (-94) ( 0) ( 0)
2012/3 3,700 410 430 280 16 16

 

従来、区分表示していたエマルジョンは、エラストマーに含め、ブタジエンモノマー等の化成品は、多角化事業からエラストマー事業に変更。

  08/3(A) 09/3 10/3(B) 11/3(C) (A)(C)
増減
(B)(C)
  増減
エラストマー 112 80 4 147 20 144
エマルジョン 15 5
合成樹脂 30 13 0 26 -4 26
多角化事業 443 205 199 218 -225 19
合計 600 303 202 391 -209 189

エラストマー(+エマルジョン)、合成樹脂の損益は元に戻ったが、多角化事業の損益は以前の半分程度にとどまっている。

多角化事業の内容は以下の通り。(比率は売上高比)  

半導体製造用材料  38% フォトレジスト、CMP材料、実装材料、多層材料等
フラットパネル・ディスプレイ用材料  50% カラー液晶ディスプレイ用材料、反射防止膜材料等
戦略事業ほか  12% 光学材料、機能化学材料、回路検査治具等機器、その他

ーーー

カネカ

同様に、前年比では増収増益だが、2008/3までと比べると、利益はまだ回復していない。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 5,030 357 339 188 8 8
2009/3 4,496 76 58 -19 8 8
2010/3 4,125 175 163 84 8 8
2011/3 4,538 212 210 116 8 8
前年比 413 37 46 32 0 0
(2008/3比) (-491) (-145) (-129) (-72) ( 0) ( 0)
2012/3 5,000 250 235 130 8 8

 

ライフサイエンス(医療機器、医薬バルク・中間体、機能性食品素材)は好調。
エレクトロニクス(液晶関連製品、超耐熱性ポリイミドフィルム、太陽電池など)は赤字で、2008/3月期からの減益幅が大きい。

  08/3(A) 09/3 10/3(B) 11/3(C) (A)(C)
  増減
(B)(C)  増減
化成品 52 -5 19 28  -24   8
機能性樹脂 120 30 90 83 -37 -7
発泡樹脂製品 -1 13 51 62 63 11
食品 28 38 89 80 51 -9
ライフサイエンス 53 59 45 93 40 47
エレクトロニクス 91 -9 -67 -58 -149 9
合成繊維他 66 12 14 8 -58 -7
全社 -52 -62 -68 -83 -31 -15
合計 357 76 175 212 -145 37

 

ーーー

クラレ

過去最高益を更新、中期アクションプラン最終年度2011年度の営業利益目標(500億円)を前倒し達成した。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 4,176 481 428 256 11 11
2009/3 3,768 293 268 130 12 10
2010/3 3,329 305 289 163 8 8
2011/3 3,632 531 511 287 13 14
前年比 303 226 221 124 5 6
2008/3比) (-544) (50) (82) (32) (2) (3)
2012/3 4,000 600 585 340 16 17

報告セグメントが変わったため、以前との厳密な比較は難しい。

  08/3 09/3 10/3     10/3 11/3 増減
化成品・樹脂 502 371 430   樹脂 392 508     117
機能材料・メディカル他 62 44 42   化学品 20 87 66
繊維 69 9 -17   繊維 -28 -2 26
          トレーディング 20 33 13
          その他 43 49 6
全社 -151 -130 -150   全社 -142 -144 -2
合計 481 293 305   合計 305 531 226

「樹脂」は、ポバール、PVB、EVOH樹脂(エバール)等の機能樹脂、フィルム
「化学品」はメタクリル樹脂、イソプレン関連製品、耐熱性ポリアミド樹脂、メディカル関連製品
「繊維」は、合成繊維、人工皮革、不織布等

ポバール樹脂は、アジア市場および欧州市場が好調に推移
エバールは、新興国での需要が拡大し、特にアジア市場は自動車用途、食品包装用途を中心に伸びを示した。

 


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前年比では増収増益だが、2008/3、2009/3月期と比較すると、大幅な減益である。
三菱ケミカルホールディングスの営業損益は2300億円弱と予想されており、これに抜かれることとなる。

特別損失に東日本大震災の損害として210億円を計上した。
営業利益への影響は10億円前後とみている。
鹿島のPVCは現在も稼働できていない。

他方、移転価格課税に対する日米相互協議の合意により、107億円の過年度法人税等戻し入れがあった。

単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3 13,764 2,871 3,000 1,836 40 50
2009/3 12,008 2,329 2,505 1,547 50 50
2010/3 9,168 1,172 1,270 839 50 50
2011/3 10,583 1,492 1,603 1,001 50 50
前年比 1,414 320 333 163 0 0
(2008/3比) (-3,181) (-1,379) (-1,397) (-835) (10) (0)
2012/3 未定

報告セグメントが変わったため、以前との厳密な比較は難しいが、下記のシンテック及び信越半導体グループの実績が示すように、塩ビと半導体シリコンの損益が以前の水準に戻っていない。

営業損益対比(億円)
2008/3 2009/3 2010/3
塩ビ系 315 367 174
シリコーン系 431 336 268
その他有機・無機 249 248 169
電子材料 1,621 1,122 395
機能材料ほか 260 257 180
全社 -4 -2 -14
合計   2,871   2,329   1,172
2010/3 2011/3 増減
塩ビ・化成品 196 197 1
シリコーン 249 341 91
機能性化学品 139 129 -10
半導体シリコン 226 389 162
電子・機能材料 307 361 54
その他・全社 55 76 21
合計   1,172   1,492   320

米国の塩ビ子会社 Shintechの売上高と経常損益の推移は下記の通り。

 

2010年後半にPlaquemineの第2期が稼働し、PVC能力は264万トン、VCMも80万トンとなった。
更に、VCM80万トンの増設を行っている。

立地 PVC VCM カ性ソーダ
現状 計画 現状 現状 計画
Texas州 Freeport 1,450  -  - VCMは 隣接のDowから購入
(550) 2007/5発表 DowのVCM代替
(今回計画に変更?)
Louisiana州 Convent (500) (275) 反対運動で中止
Addis  590  - VCMは 隣接のDowから購入
PlaquemineⅠ  600 800 530 2期完成後(2010年後半)の能力
PlaquemineⅡ 530 2011年完成予定
Addis (270)  -  - Bordenから購入、廃棄
合計 2,640 800 530 530

決算報告では、「シンテックは、米国内では住宅市場の長期不振による需要低迷が続く一方で、世界中の顧客への拡販により、高水準の出荷を維持し、業績を伸長させた」としている。

しかし、売上高が最盛期に近づいたのに対し、経常損益が低水準なのは気になる。
理由(推定)については 2010/5/3 
注目企業の決算-1(信越化学) 参照。

ここにきて、Georgia Gulf などとの損益差が縮小してきた。

信越半導体グループ(信越半導体・SEHアメリカ・SEHマレーシア・SEHヨーロッパ・SEH台湾)の損益は以下の通り。

「期前半はパソコンや携帯電話等の幅広い分野でデバイス需要を回復したことから、堅調に推移したが、期後半は、デバイスの在庫調整や東日本大震災による白河工場の操業停止の影響を受けた」としている。

 


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中部電力は4月28日、定期点検中の浜岡原発3号機を7月に再稼働することを前提とする2012年3月期の業績見通しを発表した。「地元の理解を得て」を前提とはしている。

水野社長は「安全性については十分確認している。さらに安全性を確かめるために緊急の津波対策もする」と説明。夏場は電力需要が増えることから「浜岡原発がない場合、電力の安定供給がかなり難しくなる」とも指摘し再稼働への理解を求めた。

ーーー

5月2日付の毎日新聞のコラム「風知草」(山田孝男氏)のタイトルは "再び「浜岡原発」を問う" である。

4月28日朝、首相と関係閣僚が顔をそろえる「経済情勢に関する検討会合」で、出席者の一人が「浜岡原発(中部電力)は止めるべきだ」と発言し た。電気事業を所管する経済産業相は反論を避けた。その他の出席者も、不意の問題提起に応答をためらい、沈黙をまもった。議論は回避されたが、政府要人による浜岡原発停止要求は、この問題に敏感な霞が関と電力業界に強い衝撃を与えた。(付記 原発プラント輸出の旗振り役であった仙石官房副長官の発言と判明)

いま、政府は、福島以外の原発の制御は考えていないように見えるが、実情は違う。楽屋裏では、散発的に次のような会話が交わされている。

「浜岡はあぶない」「そうは言っても、他の原発と区別して止める(法令上の)根拠がないでしょう」「予見しうる危険を防ぐのが政治では」「不用意に踏み込めば自治体を刺激し、全原発に波及して収拾がつかなくなりますぞ」--。

(中略)

筆者は先週、霞が関の技術系官僚2人(いずれも専門は原子力以外)に取材したが、うち1人は、こちらが驚くほど強い調子で原子力官僚の経済優先・安全軽視を批判した。

「彼らは外部電源としか言わないですね。福島も『電源さえつながれば』と言って50日たつけど、何も変わらない。結局プラント(機械設備)の中しか見ていない。自然によってガードを崩されるという想像力、安全思想が欠けている」 

2人とも要職を占めるベテラン。政権の司令塔不在を嘆いたあたりは予想通りだが、「浜岡は止めるべきです」と異口同音に語った点が意外だった。

(中略)

折も折、中部電力は、点検休止中の浜岡原発3号機を7月に再開したいと言い出した。真夏の電力不足による混乱回避へ布石を打ったのだろうが、民間企業に大局判断は無理というなら、政府が出るしかない。安全を守る国家意思を明確にして政治をリセットするためにも、日本の技術に対する国際的不信をぬぐうためにも、まず浜岡原発を止めてもらいたい。

ーーー

大災害やテロに備えて副首都の建設を目指す「危機管理都市推進議員連盟」(会長=石井一参院議員)が4月13日、東京の参院議員会館で勉強会を開き、石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)が講演した。

勉強会では、「3月11日の超巨大地震に誘発され、日本列島全域で大地震が起こりやすくなっている」と指摘し、東海・東南海・南海地震や首都直下地震の発生が早まる可能性にも言及。地震による大事故発生が考えられる静岡県の浜岡原発など、危険性の高い原発を段階的に閉鎖していく案を示した。

 参考

   

ーーー

菅総理は5月2日の参議院予算委員会で、「従来から地震の影響を受けやすい場所に立地しているという指摘もある。その一方で、現在の電力供給の状況なども全く無視するわけにもいかない。運転再開する場合は、政府として、本当に国民に安心してもらえるかどうか、しっかり見極めて判断しなければならない」と述べ、安全性が確保できているかどうかを慎重に見極めて運転再開を判断すべきだという考えを示した。

また、原子力防災にかかる国の指針で示される地震や津波の想定について、「従来の想定よりも大きいものが現実にあったので、それを前提に見直しが行われなければならない」と述べた。

ーーー

2007年10月静岡地裁は、「中電の想定する東海地震は科学的根拠に基づいており、運転によって原告らの生命、身体が侵害される具体的危険性は認められない」と原告の請求を棄却した。
「抽象的に想定可能な、あらゆる事態に対し安全であることまで要求するものではない」とした。

控訴審は、2009年8月の駿河湾地震での大きな揺れに対して中電側が地下構造の追加調査をしているため、最終弁論の予定だった2010年7月を最後に弁論が滞り、終結の見通しは立っていない。
なお、2010年4月の控訴審の弁論で岡久裁判長は「裁判所は安全か否かの科学的判断はできないだろう」と発言している。

原告側は6月にも即時停止を求める仮処分を静岡地裁に申し立てる。
主な争点は、耐震設計の想定震度を超える地震が起きる可能性と、運転開始から30年以上過ぎた老朽化の影響。

ーーー

今回、福島原発では東京電力の「安全」主張は覆った。

逆に福島では、石橋克彦神戸大名誉教授が浜岡原発について懸念し、中部電力があり得ないとしたこと(敷地地盤高を越える大津波、全電源停止、水蒸気爆発、4基すべてが同時に事故、使用済み燃料貯蔵プールへの波及)が起こった。

石橋氏は更に、西日本でも今世紀半ばまでに大津波を伴う巨大地震がほぼ確実に起こるとし、浜岡原発で事故が起こった場合の首都喪失のおそれについても述べている。

石橋氏によると、論文発表時に、現原子力安全委員長の斑目氏はあらゆる懸念を打ち消した上で石橋氏を素人扱いし、今回内閣参与を辞任した小佐古教授も「多量な放射能外部放出は全く起こり得ない」として、石橋論文は専門外の事項について論拠なく言及していると批判したという。

裁判の結果を待つのでなく、政治判断が望まれる。    

既報   2011/3/29  福島原発事故
    2011/4/2  電力の状況
    2011/4/9  女川原発のケース
    2011/4/19  「浜岡原発を止めよ」
    2011/4/22  浜岡原発について

 

 


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人民元上昇

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4月29日の上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで上昇し、終値が1ドル=6.4910元と、2005年7月の人民元改革以降で初めて1ドル=6.5元を突破、最高値を更新した。

中国人民銀行は、当日の基準値を1ドル=6.4990元と最高値に設定、取引時間中には一時1ドル=6.4892元まで元高が進んだ。

インフレ対策のため、また5月上旬の米中戦略経済対話に備え、当局が元高を容認しているとみられる。

中国は2005年7月21日に2.1%の切り上げを発表、その後、管理フロート制を取ってきたが、2008年夏の金融危機以降、レートを1ドル≒6.8人民元でほぼ固定してきた。

国際通貨基金(IMF)は2010年3月に、「人民元の実質実効為替レートはドルと共に下落してきた。中期的な観点から大幅に過小評価されている」と指摘した。

オバマ大統領は中国に「市場指向の為替レート」へ移行するよう呼び掛け、世界経済の不均衡是正に不可欠な要素だと指摘した。
米国の民主、共和超党派の議員団は、中国が人民元の切り上げに応じない場合、厳しい罰則を科すことなどを明記した事実上の中国制裁法の制定を目指す考えを表明した。

中国の中央銀行である中国人民銀行は2010年6月19日、「人民元相場の弾力性を強化する」との声明を発表、2008年8月から固定していた人民元を再び管理フロート制に戻した。

管理フロート制では、中国人民銀行の発表する基準値に対して、上下0.5%の変動を認めているが、上のグラフの通り、政府の介入により、取引はほとんど基準値どおりで推移している。

中国のGDPに占める消費の割合は4割弱で,アメリカの7割,日本の5割強とくらべると低い。
逆に輸出はGDPの約4割を占める。

人民元の上昇は輸出産業に影響を与え、倒産や失業の続出で共産党への批判を呼ぶ可能性があるため、政府はこれを避けるため、元売りドル買いを行ってきた。

この結果、外貨準備高は2006年10月に1兆ドル突破、2009年4月には2兆ドルを突破、本年3月末には3兆ドルを突破した。

しかし、元売りドル買いの結果、市中に人民元があふれ、また人民元安が輸入原料価格の高騰をよび、これが物価高をよんでいる。
2011年3月の消費者物価指数は5.4%、うち、食品は11.4%となった。

ここにきて、中国当局は最大の課題であるインフレ抑制のため輸入物価の下落につながる元高を容認する姿勢を示したもの。

経済成長とインフレ抑制、人民元上昇を迫る米国の圧力、中国にとっては難しい舵取りが求められている。

 


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