ニプロは7月27日、医薬用硝子容器事業でインド、ロシア、欧米への進出を発表した。
同社は、1954年の創業以来、アンプル用・錠剤瓶用の硝子管販売等の素材・材料関連事業に携わり、そこで培われた技術を礎に医療機器、医薬品等の事業に拡大展開を図ってきた。
2020年度に向けてのグループ長期計画では、連結売上高5,000億円を目指すが、材料関連事業を1,000 億円の事業規模に成長させるとなっている。
同社では、長期計画を遂行するは、市場規模の拡大が見込める海外における展開が必須と考え、手を打ってきた。
2010年9月に、海外展開の一環として、中国四川省でアンプル・管瓶などを製造販売する成都平原尼普洛薬業包装有限公司の60%を取得し、合弁事業を開始した。
日本で培った技術で品質を向上しつつ低コストでの生産を実現し、中国を含めた世界各国における展開を行う計画で、今後、他の中国企業数社とも合弁事業を行う予定。
2011年3月には日本電気硝子の株式の10.62%を取得して主要株主となり、材料硝子について協働して世界展開を図ることとした。
今回、以下の3件を発表した。
1)インドにおける合弁事業の開始
インドでアンプル・バイアルなどを製造販売するTube Glass Containers Ltd.の発行済株式の55%を取得し、合弁事業を開始した。
ニプロは、既に2010年4月に医薬用硝子生地管の製造販売を行うNipro Glass India Ltd.を立ち上げており、生地管供給からアンプル・バイアルの加工までをグループ内で一貫して行う体制が整う。
2)ロシアにおける合弁契約締結
ロシアにおける医薬用硝子事業の展開のため、医療事業において長年の取引関係がある現地企業Freesom Holdings Ltd.と合弁契約を締結した。(ニプロ 51%出資)
スイスに合弁持株会社Nipro Pharma Glass AGを設立し、ロシアへの投資を行う形態をとる。
合弁パートナー企業が保有する硝子工場を基盤にし、本年12月には操業開始の予定で、将来的には生地管製造から加工までの完全内製化した製品の流通を視野に入れる。
高品質と低価格を武器にロシアの医薬用硝子容器市場におけるロシア国内トップシェアを目指し、周辺CIS諸国への販売も行う。
3)Amcor 社のガラス事業取得
オーストラリア最大の包装資材メーカーのAmcorから、医薬品容器用等の硝子事業および子会社株式を161百万米ドルで譲り受けた。
Amcorの医薬用硝子事業は120年余りの歴史があり、高品質の製品を製造する技術力を蓄積してすでに欧米の有力製薬企業の多くと取引関係を確立している。
この取得により、欧米での事業を一気に拡大する。
譲受けの対象は以下の通り。
①Amcor Packaging Glass Pharma SASの全株式
フランスで医薬用アンプル、バイアル、生地管等硝子製品の製造販売
Nipro Glass France S.Aと改称
②Amcor Verrerie Amiable Industrie et Commerce SAの全株式
ベルギーで医薬用バイアル等硝子製品の製造販売
Nipro Glass Belgium N.V.と改称
③Amcor Pharmaceutical Packaging USA Incの硝子事業
米国でアンプル、バイアル、硝子生地管等、硝子製品の製造販売
ニプロが新規設立した子会社Nipro Glass Americas Corporationが取得
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なお、これらとは別に、ニプロは7月11日、Novartis のgeneric 部門であるSandozとの間で、日本国内における後発医薬品の開発、販売、製造等の事業活動において、広く協力する旨を定めた戦略的業務提携契約を締結したと発表した。
両社は2007年から、複数の後発医薬品について提携を開始している。
これをベースに、開発品および既販売の後発医薬品について、共同開発、共同販売、その他導出入等を通じて、より効率的な事業活動を行う。資本提携は行わない。
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